JP2927047B2 - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JP2927047B2
JP2927047B2 JP3130616A JP13061691A JP2927047B2 JP 2927047 B2 JP2927047 B2 JP 2927047B2 JP 3130616 A JP3130616 A JP 3130616A JP 13061691 A JP13061691 A JP 13061691A JP 2927047 B2 JP2927047 B2 JP 2927047B2
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/34Systems for automatic generation of focusing signals using different areas in a pupil plane
    • G02B7/346Systems for automatic generation of focusing signals using different areas in a pupil plane using horizontal and vertical areas in the pupil plane, i.e. wide area autofocusing

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  • Optics & Photonics (AREA)
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  • Focusing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦点検出装置に関し、特
に撮影レンズにより形成した物体像の結像状態を検出し
て撮影レンズの焦点検出を行った写真用カメラやビデオ
カメラ等に好適な焦点検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一眼レフカメラ等の焦点検出装置として
は従来様々なものが知られている。例えば特開昭63−
13010号公報、あるいは特開平1−120520号
公報には撮影画面内の数箇所を測距して合焦状態を決定
する方法が開示されている。これらの公開公報に代表さ
れるタイプの焦点検出装置は、被写体からの光をカメラ
のファインダ−系へ導くはね上げミラ−の一部を半透明
膜で構成し、該ミラ−の一部を透過する光を用いて焦点
検出が行われる。透過した光ははね上げミラ−の後に配
置されたサブミラ−を介してカメラ本体の下方向に反射
され、ミラ−ボックス底部に配置された検出部で受光さ
れるように系が構成される。この方式の問題点は撮影時
に結像光束をけらないように配置しなければならないた
めに生じるサブミラ−の大きさの制約である。特に撮影
画面の上下領域に測距視野を配するのは困難であった。
【0003】特開平2−24616号公報に開示されて
いるのはこのような制約を除去することを目的としたも
のである。ここでは一眼レフカメラのファインダ−光学
系と焦点検出光学系を一部共用することによりサブミラ
−による制約を排除し、撮影画面内の広い領域に測距視
野をレイアウトすることが可能となっている。
【0004】また特開昭64−44906号公報には、
前記公報の焦点検出方式となっている位相差検出方式の
共通の制約である焦点検出光束と撮影レンズの実効Fナ
ンバー、FNo.との関係が詳しく述べられている。こ
こでは焦点検出光束がけられる場合に焦点検出の演算を
禁止する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】今まで述べてきた
ように一眼レフカメラ等の装置では撮影画面に対する制
約の少ない焦点検出方式が求められているわけである
が、実際にこのような系を実現させるためには幾つかの
制限事項が存在している。
【0006】第1項目は位相差検出を行うために実際に
光電変換素子上に形成される光学像が良い品質のもので
なければならないということである。実際に撮像素子等
で検出を行う場合、検出位置での光学性能が悪く、画面
上の位置によって点像が不均一であったりすると、被写
体の細かいパタ−ンが光電変換素子上で解像されないこ
とが起こる。焦点合わせにとって最も情報を持っている
のはこれら細かいパタ−ンであるため、解像度の低下は
そのまま焦点検出精度能力の低下を意味する。また対と
なって検出される2つの像の相関度も低下するため、結
果として焦点検出精度を悪化させてしまう。
【0007】第2の項目は当然のことながらコストであ
る。このような観点から前記従来例を見直すと、例えば
特開平2−24616号公報に示された構成では再結像
光学系に1枚の両凸レンズを用いるのみで、それを絞り
の後方に配置するだけになっている。このためサブミラ
−による光束幅の制約を逃れて高画角の光を取りこめる
構成を示したものの、画面周辺での結像性能は良好では
ない。これは前記第1の制約項目に反するものである。
【0008】結像性能を向上させるために再結像光学系
にトリプレット等のレンズ構成を採用することも一つの
解ではあるが、コストの面で大きな問題となり、前記第
2項目に反して現実的ではない。
【0009】また前述の特開昭63−1310号公報及
び特開平1−120520号公報にはコンデンサレンズ
を複数領域に分割して測距視野毎に最適化する技術が開
示されている。しかしながら本出願が対象としている方
式ではコンデンサレンズがファインダ光学系と共通であ
るため、これらの技術を適用することができない。従っ
て実質的に撮影画面内の広い領域に測距視野を設けるこ
とは困難であった。
【0010】光学系の構成上の観点から考えると、焦点
検出系とファインダ光学系との光路の共用は前記第1の
結像性能の向上という点で別の問題を提出する。これは
ファインダ系に入っているペンタプリズムの存在に起因
するものである。ペンタプリズムを共通に使っているこ
とから焦点検出のため光電変換素子に再結像させる光学
系の光路長は、従来のミラ−ボックス底部に検出系を収
納するタイプに比して数倍長くなっている。使用する光
電変換素子の画素列長を従来のものと同等に設定すると
すれば、光路長が長くなっても、光学系全体としての結
像倍率は同一としなければならない。再結像レンズを相
似形のまま光路長が長くなった分だけ倍率をかけて拡大
すれば、所望の結像関係を持った光学系が得られる。し
かしながらこのような比例拡大は同時に長さに関する収
差量も総て拡大することとなり、一方では系全体として
の収差の許容値が不変なため、単純な拡大だけの対応で
は矛盾が生じる。実際、球面収差、コマ収差、色収差と
いった収差は倍率分だけ悪化するが、特に球面収差の劣
化は点像を広げるため、被写体の細かいパタ−ンの解像
度を劣化させる。この結果、細かいパタ−ンの検出能力
が劣化し、焦点検出能力は極めて低下する。本発明で対
象としているような光路長の長い再結像光学系において
は、点像をいかに小さくするかということに主眼を置い
た設計が必要となる。
【0011】従って本発明はファインダ系と光路を共用
するような焦点検出光学系において、画面周辺部の結像
性能を向上させて全体として均一な点像を得ること、及
び球面収差を小さくして小さな点像を実現するという従
来の2つの課題を同時に満たす再結像光学系を提供する
とともに、該光学系に入射する光束が撮影レンズでけら
れにくく、有効に利用されるような絞りの形状を有した
焦点検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのため撮影レ
ンズによって形成された被写体像の結像状態に応じて相
対位置の変化する一対の2次被写体像を該被写体像から
形成する再結像光学系と、該再結像光学系を通過する光
束を制限する一対の開口を有する絞り部材、及び該絞り
部材の開口を前記撮影レンズの射出瞳上に投影するため
のコンデンサレンズとを有する焦点検出装置において、
該再結像光学系を前記絞り部材と前記コンデンサレンズ
との間に配置するとともに、前記撮影レンズとは異なる
光軸を有する光学部材で構成したことを特徴としてい
る。また、該絞り部材の一対の開口は夫々前記撮影レン
ズの光軸から最も離れた位置では円弧で構成され、該一
対の円弧の中心は前記撮影レンズの光軸からの相違に応
じて互いに異なるように構成されていることを特徴とし
ている。詳しい効果については後述するが、この結果本
発明では、高画角まで均一な結像性能と比較的小さな点
像が得られる再結像光学系が実現されるとともに、該系
に入射する光束が撮影レンズでけられることなく有効に
利用されることを可能としたものである。
【0013】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の要部概略図であ
る。同図は本発明による焦点検出装置が組み込まれた一
眼レフカメラの断面図を示している。図中80は一眼レ
フカメラ本体、82は撮影レンズ81を光軸方向に移動
可能に保持するレンズ鏡筒、83は可動ミラ−である。
可動ミラ−83は被写体観察時には下降した状態にあっ
て、撮影レンズ81からの光束を上方に偏向してファイ
ンダ及び本発明になる焦点検出系へ導く役割をする。
又、83は撮影時には写真フィルム92の露光開始直前
に撮影レンズからの光束をけらない位置まで跳ね上げら
れ、露光終了とともに再び図1の状態に戻される。
【0014】次にファインダ及び焦点検出系であるが、
84は撮影レンズ81によって被写体像の投影されるピ
ント板で、同時に測距光束を拡散する役割をしている。
85はコンデンサ−レンズ、86はペンタプリズム、8
7は焦点検出系へ光束を分割する光分割器、88は接眼
レンズである。ピント板84の光入射面には、測距光束
をピント坂84の光射出面側に形成されているマット面
84cに対し垂直に近い角度で入射させるための球面部
84aが形成され、測距視野外となる周辺部にはフレネ
ルレンズ84bが形成されている。マット面84cは予
定結像面の曲りを補正するため、球面部84aに対応し
た部分が僅かに凸面になっている。マット面84cで拡
散した光線は、その後方に配置されたコンデンサ−レン
ズ85により接眼レンズ88の配置に適合するように屈
折させられる。次いで光線はペンタプリズム86によっ
て接眼レンズ88の方向に偏向され、接眼レンズ88を
通過後に観察者の目に達する。
【0015】接眼レンズ88の直前に置かれた光分割器
87はハ−フミラ−87aにより接眼レンズに到達すべ
き光の一部を上方に反射させ、その反射光束を焦点検出
に利用させる役割を果たす。遮光マスク89以下は焦点
検出系で、90は透明プラスチックより成る2次結像レ
ンズ、93は絞り、94は導光プリズム、108(10
8h1、108h2)は多数の画素よりなる光電変換素子
の画素列で、該画素列は透明樹脂製パッケ−ジ95によ
って保持されている。絞り93は2次結像レンズ90、
コンデンサ−レンズ85、ピント板84の球面部84a
により撮影レンズ81の射出瞳上に投影される。又、2
次結像レンズ90はピント板のマット面84cを光電変
換素子108h1 、108h2 上に投影する役目も果た
している。マット面84cの拡散作用により被写体の投
影像は滲んで広がりをもった状態となっている。
【0016】図2、図3はこのように構成された焦点検
出光学系を光軸に沿って展開したものである。図2
(a)はファインダ−視野短辺方向の断面、図3は長辺
方向の断面を示している。図中186及び187はそれ
ぞれペンタプリズム86、光分割器87を光路に沿って
展開したのと等しい光路長をもつ等価平行平面部材であ
る。
【0017】コンデンサレンズ85は観察系に対しては
接眼レンズ88と撮影レンズ81の射出瞳とを互いに投
影関係に導くことによってファインダ−全視野を明るく
見せる作用、焦点検出系に対しては該系の絞り93と撮
影レンズ81の射出瞳とを同じく投影関係に導いて広い
測距視野を得る作用を合わせ持っている。これは接眼レ
ンズ88と絞り93を光学的にほぼ等価な位置に配置す
ることによって実現できる。
【0018】この2つの作用を両立させる際、焦点検出
系の投影関係では該検出系のディスト−ションが検出精
度に影響を与えるため、コンデンサ−レンズ85の両面
の曲率に制限を加えることは難しい。一方、観察系の投
影関係については所定のパワ−さえ得られれば曲率にあ
る程度の制約を加え、任意の値に故意に持っていくこと
も可能である。この特性を利用してカメラの小型化を計
るため、コンデンサ−レンズ85の第1面は2つの曲率
の部分により構成されている。
【0019】図4はこの様子を示したものでコンデンサ
レンズ85を光入射方向より観察した平面図である。図
中85aは曲率を有する球面部、85bは平面部であ
る。球面部85aの径はこの内部に測距用の光束が通過
する範囲が含まれるように設定されており、この外側の
平面部は観察系の都合によって曲率に制限を加えた結果
である。このように周辺に平面部を設けることにより、
光入射面全体に曲率を設ける場合に比べコンデンサレン
ズ85の厚さを極めて薄くすることが可能である。この
場合、球面部85aと平面部85bとの境界は不連続と
なるが、本実施例では領域によって異なる屈折力の不連
続を、ピント板84の形状を工夫することによって解決
している。図5(A)はピント板84を光入射方向から
みた平面図、図5(B)はその断面図である。5(A)
に示されているようにピント板84も2つの領域、即ち
球面部84aとフレネルレンズ部84bによって構成さ
れている。コンデンサ−レンズ85とピント板84に形
成された各々2つの領域の境界部は、接眼レンズ88を
通して光軸上の基準位置から撮影者がファインダ−を観
察したとき、互いに重なるような大きさに設定されてい
る。
【0020】図5(B)は前述のようにピント板84の
断面を示している。図中の2本の接線V、Wから分かる
ようにフレネルレンズ部84bは球面部84aに付加さ
れる形で付いている。このためフレネルレンズ部84b
の屈折力は球面部84aより大きく、結果として対応関
係にあるコンデンサ−レンズ85の平面部85bが持っ
ている球面部85aに対する屈折力の低下を補う形とな
っている。即ち、観察系における接眼レンズ系に対する
前述の投影関係を視野全体にわたって満足させるため、
対応関係にあるピント板84の球面部84aとコンデン
サ−レンズ85球面部85a、ピント板84のフレネル
レンズ部84bとコンデンサ−レンズ85の平面部85
bの総合屈折力はコンデンサ−レンズ85の射出面で考
えた場合、合致するようになっている。
【0021】ここでコンデンサ−レンズ85と共にピン
ト板84の特性について触れておくこととする。図6は
その説明図で撮影レンズ81から絞り93までの光学系
を簡略化して示したものである。このため一部の素子は
これまでの図と異なった番号を付けられている。42は
ピント板で42aがこれまでの説明のマット面84cに
対応するマット面となっている。43はコンデンサ−レ
ンズで、これに対して絞り93と光学的に等価な位置に
ある絞り48が存在している。マット面42aによる光
の拡散は厳密には波動光学的な解析が必要であるが、近
似的には幾何光学的にも十分説明できる。
【0022】図6(A)で絞り開口48a、48b内の
点G、Hとマット面42aの光軸上の点Eとを通る2本
の光線A、Bを考える。簡単のためコンデンサ−レンズ
43は薄肉で、マット面42aに隣接していると考える
と、点Eから絞り48の開口上の点G、Hを見込む角度
はθ1 である。マット面42aは拡散面であるため連続
した微細な凹凸の集合体である。点Eにおけるマット面
42aの接平面が図にP1で示した面であるとすれば、
光線A、Bはここで屈折し光線A´、B´となる。屈折
した2本の光線が撮影レンズ81の射出瞳上に到達する
点をそれぞれI、Jとする。
【0023】図6(B)も同様でマット面42aの光軸
上の点Eのごく離れた近傍に点Fを設定し、そこでの光
線の振る舞いについて考える。点Fにおける接平面を図
のようにP2とし、点Fから絞り開口上の点G、Hを見
込む角度をθ2であるとする。図6(A)と同様に絞り
48の開口上の点G、HとFとを通る2本の光線C、D
はここで屈折し光線C´、D´となる。屈折した2本の
光線が撮影レンズ81の射出瞳上に到達する点をそれぞ
れK、Mとする。
【0024】ピント板42の厚みを無視し、図6
(A)、(B)で示した撮影レンズ81の射出瞳上の各
到達点I、J、K、Mをそれぞれ点E、Fから見込む角
度をθ1'、θ2'とする。点Eと点Fは極めて近距離であ
る。従ってθ1 とθ2 及び接平面の傾きがともに小さい
範囲で納まるとすれば近似的に θ1'≒θ2' が成立する。これは光軸がマット面42aに交わる点か
ら2つの絞り開口を見込む角度が小さい範囲で、ある範
囲内に屈折した光線について測距基線長が同一であるこ
とを意味している。図7に示したのはマット面による拡
散特性の一例であるが、これは幾何光学的に言うと点E
の回りに様々な方向の接平面が存在し、それらの総合と
して得られた特性であると解釈することができる。マッ
ト面の拡散特性は光量との兼ねあいである範囲に納まっ
ており、これらの各接平面に対して図6の説明を当ては
めることができる。又、図6の説明では簡単のため光軸
上の点の測距について説明を行ったが、光軸外の点につ
いて同様の説明が成立するのは明らかである。従って本
発明のような焦点検出装置の測距基線長は絞り48の開
口の間隔によって決定され、拡散板の特性には影響され
ない。
【0025】次に焦点検出系の結像関係について再び図
2、図3を参照しながら説明を加える。2次結像レンズ
90は2対のレンズ部を一体に形成した光入射面と撮影
レンズの光軸と同軸の曲面をもつ光射出面よりなる一種
の両凸マルチレンズである。図8は2次結像レンズ90
を光入射方向からみた形状を示すもので、中央のレンズ
部90c、90dを挟んでその上下にレンズ部90a、
90bが配置されている。マルチレンズでは90aと9
0b、90cと90dがそれぞれ対をなし、撮影レンズ
81の結像状態に対応して相対的位置の変化する2対の
物体像を形成する。これらのマルチレンズは総て球面で
構成されており、その球心はピント板84のマット面8
4cの光軸上の位置から絞り93の4つの開口の重心を
通過するそれぞれの光線が、該開口に対応する各マルチ
レンズに対してほぼ垂直に入射するように設定されてい
る。
【0026】2次結像レンズ90の光射出面90eは前
記マルチレンズ90a〜90dに共通の球面で、その光
軸は撮影レンズ81と共通である。光射出面90eの球
心は2次結像レンズ90に対する物体面であるピント板
84のマット面84cの近傍と、光学的に等価な位置に
設定されている。即ちペンタプリズム86、光分割器8
7の光路長を空気換算したとき、マット面84cの中心
はほぼ2次結像レンズの光射出面90eの球心と合致す
る。前述したように2次結像レンズ90では光入射面側
でもピント板84のマット面84cの光軸上の位置を発
し、絞り93の各開口の重心を通過する4本の光線が入
射側のマルチレンズ90a〜90dに垂直入射する。従
って、前記4本の光線が射出面90eからほぼ垂直に射
出する光学系となっているのが本発明の大きな特徴であ
る。
【0027】このように2次結像レンズ90は、ピント
板84の中央を発して絞り93の各開口の重心を通過す
る光線、即ち各マルチレンズ90a〜90dを通過する
光束の重心となる光線を曲げずに光電変換素子108に
導くように構成されている。この事実は物体からの光の
波長が対象により色々と変化した場合でも、対となる2
つの像の間隔変化を極めて小さくすることが可能なこと
を意味している。従って従来問題となっていた焦点検出
系の色収差の影響による物体の色に対応した検出誤差は
殆ど無い。
【0028】本発明のような光学系の構成を取る場合、
光電変換素子108のチップ面積を小さく保ちつつ測距
視野を大きくするため、2次結像レンズ90による結像
倍率は−0.2から−0.5倍程度に設定するのが望ま
しい。図2、図3に示したのは約−0.2倍の例であ
る。一般にこのような縮小結像系を1枚の凸レンズで構
成する場合、収差分担の原則から光入射面の曲率を強く
し、光射出面側の曲率を弱くすることで、収差を小さく
して投影される点像を小さくできることが知られてい
る。図2、図3に示されている様に2次結像レンズ90
の光射出面90eは入射側のマルチレンズに対し共通
で、しかもその球心が光学的にマット面84c付近とい
う制約から弱い曲率しか持ちえない。一方、径の小さい
光入射側のマルチレンズは射出側の曲率が弱いのを補っ
て結像倍率を保つため曲率が強くなる。図2、図3に示
した実施例はこの意味でも収差分担の原則に則ってお
り、小さい点像を実現することができる。焦点検出光学
系において小さい点像が実現できるということは、前述
したようにより細かいパタ−ンまで測距出来るというこ
とであり、検出性能の向上に役立つところが大きい。
【0029】形成された2対の物体に関する光量分布の
位置と、これを受光する光電変換素子の画素列との位置
はカメラの測距精度を満足させるために数μm以下の精
度で整合させる必要がある。本発明のように2対のレン
ズ部を一体に成型した二次結像レンズと、それに対応す
る画素列を一つのチップ上に配列した光電変換素子とを
用いる系の製造上の最大の問題点は、二次結像レンズ内
での光軸の位置合わせに集約される。本実施例における
二次結像レンズは光射出面を2対のマルチレンズ部に共
通な一つの球面で構成することにより、上記問題を解決
したものである。
【0030】プラスチック製である二次結像レンズは射
出成型法あるいは圧縮成型法により製造される。このさ
い問題となるのは先に述べたように個々の二次結像レン
ズの光入射面と光射出面とのずれと、各二次結像レンズ
同志のずれである。特に本発明のように2対の二次結像
レンズを用いるとき、該二次結像レンズがばらばらでそ
の4つの光軸が金型の入射と射出の両部分にある場合に
は、相互間の精度を達成することが非常に困難である。
特に金型の光入射面と光射出面とを構成する部分で相互
回転の成分となるものの精度は厳しく、これに誤差があ
るとその量に応じて個々の二次結像レンズの像が収差で
複雑な変形を受ける。この結果対となる像を形成するべ
き2次結像レンズ同志の点像が互いに相似形ではなくな
ってしまう。
【0031】実際の焦点状態の検出は撮影レンズ81か
ら二次結像レンズ90を介する系で、被写体となる物体
の像が夫々の光電変換素子に対となって結像されること
で行われる。ここで例えば撮影レンズ81が図2、図3
で左方に繰り出されていわゆる前ピン状態になると、光
変換素子の受光面に結像されている対となっている物体
の像が近づく方向にずれる。この像同志の相対的なズレ
に応じた光電変換素子の出力変化により前ピン状態であ
ること、及びその量が検出される。後ピン状態のときに
は、対となる像が前ピン状態の場合と逆方向にずれるの
で、後ピン状態であること、及びその量が検出される。
【0032】この様に焦点状態の検出は対となる像の間
隔をもって行われるので、対となる像自体の不一致はそ
のまま測距誤差として表われる。本実施例のように光射
出面が共通の球面であれば相互回転の影響は全くなく、
容易に製造が可能となる。
【0033】二次結像レンズを透過した光束はその後に
配置された絞り93に入射する。絞り93は図2、図3
に示すように二次結像レンズ90からやや離れて配置さ
れ、二次結像レンズ90を構成するマルチレンズに対応
した二対の開口を有している。図9は絞り93の平面図
で、開口部の形状を示したものである。二次結像レンズ
90a〜90dに対応して開口部93aと93b、93
cと93dがそれぞれ対をなし、開口重心同志の距離が
測距基線長に相当する量となる。図より明らかなように
開口93aと93bで決定される測距基線長の方が、開
口93cと93dで決定される測距基線長よりも長く設
定されているのが特徴で、これを利用して光電変換素子
のチップ面積を小さくするとともに、系全体のコンパク
ト化が計られている。
【0034】93a〜dの4つの開口はいずれも2つの
弧に囲まれた形状となっている。外側の弧の形状は、そ
の弧がピント板84の球面部84a、コンデンサ−レン
ズ85及び二次結像レンズ90を介して撮影レンズ81
の射出瞳上に投影されたとき、像が撮影レンズ81の光
軸を中心とする円弧となるように設定される。内側の弧
は対となるもう一方の開口の外側の弧を他方に平行移動
させることにより決定されるもので、これで対となる開
口の形状は互いに同一となる。従って対となる二次結像
レンズ系の撮影レンズ81上での有効径の形状は後述す
るように一致し、物体像がデフォ−カスしても光量分布
の相似性は損なわれない。
【0035】ここで特に注目しなければならないのは絞
り93の外側の円弧の形状である。二次結像レンズ90
の構成が撮影レンズ81とは偏心系になっている関係か
ら、絞り93の外側の弧の中心は撮影レンズ81の光軸
が絞り93と交わる点Qとは異なっている。図9で説明
すると開口93aの外側の弧Rの中心はPであり、撮影
レンズ光軸との交点Qから長さSだけ偏心している。こ
こで外側の弧は二次結像レンズ90の球面部90a等を
通して撮影レンズ81の射出瞳上に投影された時、その
像が撮影レンズ81の光軸を中心とした弧となるように
偏心されるため、光束を最も効率良く取り込むことがで
きる。図10は絞り開口の投影像の説明図である。10
1は撮影レンズ81の射出瞳、102a〜102dはそ
れぞれ絞り開口93a〜93dの投影像である。互いに
対となる絞り開口間の距離は測距基線長に対応してい
る。ピント板84のマット面84cが光路中にあるた
め、絞り93の像は滲みを生じ図7に示したような拡散
特性に従った広がりを持っている。図10でハッチング
で示したのはこの滲みを表わしたものである。なお、絞
り93の位置を二次結像レンズ90の背後に置いたのは
画角に対する点像の均一性を良くするためである。
【0036】図11に示したのは二次結像90レンズ9
0の直前に置かれる遮光マスク89の形状である。遮光
マスク89には3つの開口89a〜89cがあり、その
他の部分は遮光部となっている。この遮光効果で二次結
像レンズ90の4つのマルチレンズ90a〜90dの接
合部の段差で発生するゴ−ストを未然に防いでいる。
【0037】本発明で説明してきた焦点検出光学系はペ
ンタプリズム86を介しているために全長が長いという
ことは既に述べた。一方測距精度を向上させるために
は、絞り開口93の重心間隔を広く取らねばならない。
この結果物体の対となる光量分布は互いにかなり離れた
位置に形成される。図12は測距視野と撮影画面との関
係を示す図である。撮影画面103に対して測距視野1
04a〜104jを図のように十字形に配置した場合、
これを二次結像レンズ90によって単純に投影すると図
13に示したような画素配置が必要となる。図中106
は光電検出素子、105a1 〜105j2 が画素列であ
る。画素列の添字a〜jは測距視野104の添字と揃え
てある。又添字1、2は同じ測距視野でも対となる2次
結像レンズ90を通って形成された2つの像の対応を示
している。単純に投影した場合には図13に示したよう
に光電変換素子106の中央部に画素列のない広いデッ
ドスペ−スが生じてしまう。一般にCCD等の半導体デ
バイスは、チップサイズが大型化するに従って急激に製
造歩留まりが低下するため、このような大型光電変換素
子は非常に高価となる。
【0038】図2、図3に示した実施例は上記のような
問題点を考慮して導光プリズム94を用いて光電変換素
子のチップサイズを小さくしたものである。図15及び
図16は導光プリズム94周辺の部分拡大図及び斜視図
である。図15は図2(a)に対応する断面を示したも
ので、この断面において透明プラスチック部材で作られ
る導光プリズム94は94a〜94fという6つの光学
面を持っている。これら6つの面は光路を撮影レンズ8
1の光軸方向に折り畳む作用と、不要光をカットする作
用と同時に持っている。
【0039】図15において絞り開口93a及び93b
を通過した光束は導光プリズム94の入射面94aに入
射する。光束は次いで全反射面94b、94c及び全反
射面94d、94eでそれぞれ2回反射した後、光射出
面94fから光電変換素子107に向かって射出する。
一方、図16を参照すれば分かるように絞り開口93c
及び93dを通過した光束は導光プリズム94に開けら
れた2つの開口部94g及び94hを通って、光電変換
素子107に直接到達する。二次結像レンズ90から光
電変換素子107までの光学的距離は、導光プリズム9
4の反射を介するか否かで光路長差を生じるが、反射光
路がプラスチック部品の中にあるため実質的に短くな
り、両者の差は僅かである。又、二次結像レンズ90の
マルチレンズの2対のレンズ部の曲率は夫々独立に選べ
るため、上記2種類の光路に対して最適な結像を実現す
ることができる。
【0040】上記のような導光プリズム94を用いるこ
とにより、光電変換素子107は効率的に小型化され
る。図14はこの様子を示すものである。図中107が
光電変換素子で、測距視野104a〜104eに対応す
る画素列が108a1 〜108e2 、測距視野104f
〜104jに対応する画素列が108f1 〜108j2
となっている。添字の意味は図13について述べたもの
と同一である。ここでは測距視野104a〜104eに
対応する画素列108a1 〜108e1 と108a2 〜
108e2 に挟まれた領域に測距視野104f〜104
jに対応する画素列108f1 〜108j1 及び108
f2 〜108j2 が位置し、無駄な領域がなくなってい
る。光電変換素子自体が小さくなったことによるコスト
上のメリットは言うまでもないが、導光プリズム94の
導入は光路の折り畳みでカメラ本体自体の小型化にも効
果的である。
【0041】二次結像レンズ90はピント板84の像を
4個の光電変換素子上に投影している。正確な焦点検出
を行うためには測距視野周囲からの光を遮光して受光部
上で像が重なるのを防ぐ必要がある。そのため導光プリ
ズム94は光学面94a〜94f以外の面に黒色遮光塗
装が施されている。又図15、図16に示したように、
遮光板109が全反射面94dと94eを覆うように設
けられている。この遮光板109は測距視野104a〜
104eと104f〜104jの夫々対応する画素列間
の光束の分離を可能としている。
【0042】測距視野104f〜104jに対応する二
つの光束は導光プリズム94によって撮影レンズ81の
光軸方向に引き寄せられる。しかしながらプリズムを用
いる場合に難しいのはゴ−スト等の不要光の処理であ
る。図14の画素列108f1〜108j1、108f2
〜108j2 上に到達する光は前述の様に2回反射して
画素列に到達する。反射面の大きさを適当に選べば必要
な光束のみを画素列方向に曲げることができる。しかし
ながら一部の光線は全反射面94dあるいは94eを通
らず、撮影レンズ81の光軸を通り越して対となるもう
一方の画素列へ回り込んでしまう。導光プリズム94を
透明プラスチック部品とし、光路の偏向に全反射を用い
ているのはこの問題点を解決するためである。例えば図
15の光線Uはピント板84の測距視野以外から発する
光であるが、全反射面94dには入射しない光線であ
る。光路の偏向が全反射を用いたプリズムではなく、単
なる反射鏡の組み合わせで行われていた場合、光線Uは
反対側の画素列のゴ−スト光となる。しかしながら導光
プリズムが全反射を利用して構成されているため、光射
出面94fの効果で入射角の大きい光線Uはここで全反
射し、光電変換素子107へ到達できない。従って正規
の光路を通らない光がゴ−スト光となって画素列に入射
することはなく、高精度な焦点検出が可能である。
【0043】図17は本発明にかかわる一眼レフカメラ
の回路図である。図においてPRSはカメラの制御装置
で、例えば内部にCPU(中央処理装置)、ROM、R
AM、A/D変換機能を有する1チップマイクロコンピ
ュ−タである。コンピュ−タPRSはROMに格納され
たカメラのシ−ケンス・プログラムに従って自動露出制
御機能、自動焦点検出機能、フィルムの巻き上げ等のカ
メラの一連の動作を行う。そのために、PRSは同期式
通信用信号SO、SI、SCLK、通信選択信号CLC
M、CSDR、CDDRを用いて、カメラ本体内の周辺
回路及びレンズと通信して、各々の回路やレンズの動作
を制御する。
【0044】SOはコンピュ−タPRSから出力される
デ−タ信号、SIはコンピュ−タへ入力されるデ−タ信
号、SCLKは信号SO、SIの同期クロックである。
【0045】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
カメラが動作中のときにはレンズ用電源端子に電力を供
給するとともに、コンピュ−タPRSからの選択信号C
LCMが高電位レベル(以下”H”と略記する)の時に
はカメラとレンズ間通信バッファとなる。 即ち、コン
ピュ−タPRSがCLMを”H”にしてSCLKに同期
して所定のデ−タをSOから送出するとLCMはカメラ
・レンズ間の接点を介して、SCLK、SOの各々のバ
ッファ信号LCK、DCLをレンズへ出力する。それと
同時にレンズからの信号DLCのバッファ信号をSIと
して出力し、コンピュ−タPRSはSCLKに同期して
上記SIをレンズからのデ−タとして入力する。
【0046】SDRはCCD等から構成される焦点検出
信号用のラインセンサ装置SNSの駆動回路であり、信
号CSDRが”H”の時選択されて、SO、SI、SC
LKを用いてコンピュ−タPRSから制御される。
【0047】信号CKはCCD駆動用クロックφ1、φ
2を生成するためのクロックであり、信号INTEND
は蓄積動作が終了したことをコンピュ−タPRSへ知ら
せる信号である。
【0048】センサ装置SNSの出力信号OSはクロッ
クφ1、φ2に同期した時系列の像信号であり、駆動回
路SDR内の増幅回路で増幅された後、AOSとしてコ
ンピュ−タPRSに出力される。コンピュ−タPRSは
AOSをアナログ入力端子から入力し、CKに同期し
て、内部のA/D変換機能でA/Dへ変換後、RAMの
所定アドレスに順次格納する。
【0049】同じくセンサ装置SNSの出力信号である
SAGCは、センサ装置内SNS内のAGC(自動利得
制御:Auto Gain Control)用のセン
サ出力で、駆動回路SDRに入力されてセンサ装置SN
Sでの像信号の蓄積制御に用いられる。
【0050】SPCは撮影レンズを介した被写体からの
光を受光する露出制御用の測光センサであり、その出力
SSPCはコンピュ−タPRSのアナログ入力端子に入
力され、A/D変換後、所定のプログラムに従って自動
露出制御(AE)に用いられる。
【0051】DDRはスイッチ検知及び表示用回路であ
り、信号CDDRが”H”の時選択されて、SO、S
I、SCLKを用いてコンピュ−タPRSから制御され
る。即ち、コンピュ−タPRSから送られてくるデ−タ
に基づいてカメラの表示部材DSPの表示を切り替えた
り、カメラの各種操作部材のオン、オフ状態を通信によ
ってコンピュ−タPRSへ報知する。
【0052】スイッチSW1,SW2は不図示のレリ−
ズボタンに連動したスイッチで、レリ−ズボタンの第1
段階の押し下げによりSW1がオンし、引き続いて第2
段階までの押し下げでSW2がオンする。コンピュ−タ
PRSは後述する様にSW1オンで測光、自動焦点調節
動作を行い、SW2オンをトリガとして露出制御とフィ
ルムの巻き上げを行う。尚、SW2はコンピュ−タPR
Sの「割り込み入力端子」に接続され、SW1オン時の
プログラム実行中でもSW2オンによって割り込みがか
かり、直ちに所定の割り込みプログラムへ移行すること
ができる。
【0053】MTR1はフィルム給送用、MTR2はミ
ラ−アップ・ダウン及びシャッタばねチャ−ジ用のモ−
タであり、各々の駆動回路MDR1,MDR2により正
転、逆転の制御が行われる。コンピュ−タPRSから駆
動回路MDR1,MDR2に入力されている信号M1
F、M1R、M2F、M2Rはモ−タ制御用の信号であ
る。
【0054】MG1、MG2は各シャッタ先幕・後幕走
行開始用マグネットで、信号SMG1、SMG2、増幅
トランジスタTR1、TR2で通電され、コンピュ−タ
PRSによりシャッタ制御が行われる。
【0055】尚、スイッチ検知及び表示用回路DDR、
モ−タ駆動回路MDR1、MDR2、シャッタ制御は本
発明と直接関わりがないので、詳しい説明は省略する。
【0056】レンズ内制御回路LPRSにLCKに同期
して入力される信号DCLは、カメラからレンズFLN
Sに対する命令のデ−タであり、命令に対するレンズの
動作が予め決められている。
【0057】制御回路LPRSは所定の手続きに従って
その命令を解析し焦点調節や絞り制御の動作や、出力D
LCからのレンズの各種パラメ−タ(開放Fナンバ−、
焦点距離、デフォ−カス量対繰り出し量の係数等)の出
力を行う。
【0058】実施例ではズ−ムレンズの例が示されてお
り、カメラから焦点調節の命令が送られた場合には、同
時に送られてくる駆動量・方向に従って焦点調節用駆動
モ−タLMTRを信号LMF,LMRによって駆動して
光学系を光軸方向に移動させ、焦点調節を行う。光学系
の移動量はエンコ−ダ回路ENCFのパルス信号SEN
CFでモニタ−して、LPRS内のカウンタで計数して
おり、所定の移動が完了した時点でLPRS自身が信号
LMF、LMRを”L”にしてモ−タLMTRを制御す
る。
【0059】このため、一旦カメラから焦点調節の命令
が送られた後は、カメラ内のコンピュ−タPRSはレン
ズの駆動が終了するまで、レンズ駆動に関して全く関与
する必要がない。又、カメラから絞り制御の命令が送ら
れた場合には、同時に送られてくる絞り段数に従って、
絞り駆動用としては公知のステッピングモ−タDMTR
を駆動する。尚、ステッピングモ−タDMTRはオ−プ
ン制御が可能なため、動作をモニタ−するためのエンコ
−ダを必要としない。
【0060】ENCZはズ−ム光学系に付随したエンコ
−ダ回路であり、レンズ内制御回路LPRSはエンコ−
ダ回路ENCZからの信号SENCZを入力してズ−ム
位置を検出する。レンズ内制御回路LPRS内には各ズ
−ム位置におけるレンズパラメ−タが格納されており、
カメラ側のコンピュ−タPRSから要求があった場合に
は、現在のズ−ム位置に対応したパラメ−タをカメラへ
送出する。
【0061】図18にセンサ列91a,91b上に形成
された対となる2つの像の光電変換出力の例を示す。S
AAの出力をA(i)、SAB(i)の出力をB(i)
とする。尚この例ではセンサの画素数を40画素(i=
0,…,39)としている。像信号A(i),B(i)
から像ずれ量PRを検出する信号処理方法としては例え
ば特開昭58−142306号公報、特開昭59−10
7313号公報、特開昭60−101513号公報、あ
るいは特願昭61−160824号公報などで開示され
ている。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば撮影
レンズによって形成される被写体像の結像状態を検出す
るため、該被写体像の結像状態に応じて互いに相対位置
の変化する一対の第二次被写体像を形成する再結像光学
系と、該再結像光学系を通過する光束を制限する一対の
開口を有した絞り部材、及び該絞り部材の開口を前記撮
影レンズの射出瞳に投影するコンデンサレンズを有する
一眼レフカメラ等の焦点検出機構を対象とした。又本発
明では該再結像光学系を該絞り部材と該コンデンサレン
ズに挟まれた空間に、前記撮影レンズの光軸と異なる光
軸を持った光学部材で構成し、且つ前記絞り部材の対と
なる2つの開口は夫々前記撮影レンズの光軸から最も離
れた位置に円弧上の部分を有するとともに、該2つの円
弧の中心は互いに異なるように配置されている。また本
発明では該2つの円弧の中心は前記撮影レンズの光軸に
対し対称に配置されるのが好ましい。
【0063】本発明によればこのような光学配置を取る
ことにより、該再結像光学系の結像性能は特に画面周辺
に関し飛躍的に向上し、焦点検出を行う画面全体にわた
って均一な点像を得ることが可能となった。又、該再結
像光学系のマルチレンズ系の構成を工夫することによ
り、収差の分担を適正化することができたため球面収差
を小さくすることができ、点像自体の大きさを小さくす
ることが可能となった。この結果画面内の位置による焦
点検出性能のばらつきが小さくなるとともに、点像が小
さくなったことに伴う解像性能の向上で、焦点検出性能
自体の向上を可能とした焦点検出装置を達成している。
【0064】本発明の光学系の構成は非常に単純であっ
てコスト上の問題も解決している。又、該再結像光学系
に入射する光束が撮影レンズでけられることなく有効に
利用されるように絞り形状がなっているため、低照度下
での焦点検出装置の作動も改善することが可能となる等
の特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 焦点検出装置を組み込んだ一眼レフカメラ
の断面図
【図2】 本発明による焦点検出装置の光路展開図
【図3】 本発明による焦点検出装置の光路展開図
【図4】 コンデンサレンズの平面図
【図5】 (A)はピント板の断面図、(B)はピン
ト板の断面図
【図6】 焦点検出の原理の説明図で、ピント板での
拡散の影響を示すために撮影レンズから絞りまでの概略
を示した図
【図7】 ピント板の拡散特性の一例を示す図
【図8】 二次結像レンズの平面図
【図9】 絞りの平面図
【図10】 絞りが撮影レンズの射出瞳上に形成する像
を示す図
【図11】 遮光マスクの平面図
【図12】 撮影画面内の測距視野の位置を示す図
【図13】 導光プリズムを用いない場合の光電変換素
子内での測距視野の画素配置を示す図
【図14】 本発明での光電変換素子内の測距視野の画
素配置を示す図
【図15】 遮光マスクから光電変換素子までの斜視図
【図16】 遮光マスクから光電変換素子までの斜視図
【図17】 カメラの回路図の一例
【図18】 光電変換素子の出力の一例
【符号の説明】
42はピント板となる拡散板 43はコンデン
サ−レンズ 48は絞り 80は一眼レフ
カメラ本体 81は撮影レンズ 82は撮影レン
ズの保持鏡筒 83は可動ミラ− 84はピント板 84aはピント板の球面部、 84bはピント
板のフレネルレンズ部 84cはピント板のマット面 85はコンデン
サ−レンズ 85aはコンデンサ−レンズの球面部 85aはコンデ
ンサ−レンズの平面部 86はペンタプリズム 87は光分割器 88は接眼レンズ 89は遮光マス
ク 90は二次結像レンズ 93は絞り 94は導光プリズム 95は透明樹脂
製パッケ−ジ 101は撮影レンズの射出瞳 102は絞り開
口の射出瞳上での像 103は撮影画面 104は撮影画
面内の測距視野 105は導光プリズムを用いない場合の光電変換素子内
の測距視野画素列 106は光電変換素子 107は光電変
換素子 105は本発明における光電変換素子内の測距視野画素

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズによって形成される被写体像
    の結像状態を検出するため、該被写体像の結像状態に応
    じて互いに相対位置の変化する一対の第2次被写体像を
    形成する再結像光学系と、該再結像光学系を通過する光
    束を制限する一対の開口を有した絞り部材、及び該絞り
    部材の開口を前記撮影レンズの射出瞳に投影するコンデ
    ンサレンズを有する一眼レフカメラ等の焦点検出機構に
    おいて、該再結像光学系を該絞り部材と該コンデンサレ
    ンズに挟まれた空間に、前記撮影レンズの光軸と異なる
    光軸をもった光学部材で構成し、且つ前記絞り部材の対
    となる2つの開口は夫々前記撮影レンズの光軸から最も
    離れた位置に円弧上の部分を有し、該2つの円弧の中心
    は互いに異なるように配置されていることを特徴とする
    焦点検出装置。
  2. 【請求項2】 該2つの円弧の中心が前記撮影レンズの
    光軸に対し対称に配置されていることを特徴とする請求
    項1の焦点検出装置。
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