JP2926953B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2926953B2 JP26182890A JP26182890A JP2926953B2 JP 2926953 B2 JP2926953 B2 JP 2926953B2 JP 26182890 A JP26182890 A JP 26182890A JP 26182890 A JP26182890 A JP 26182890A JP 2926953 B2 JP2926953 B2 JP 2926953B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アンチスキッド制御装置に係り、とくに悪
路の状態をさらに細かく分類したアンチスキッド制御装
置に関する。
〔従来の技術〕
アンチスキッド制動システムは雪路や凍結路において
も制動時の車輪ロックを防止して、車の安定性とハンド
ル操作を確保するもので、昨今にあっては一般車両にも
徐々に普及してきている。
第9図に従来例を示す。この第9図に示す従来例は車
輪を制動するために各車輪毎に具備されたブレーキパッ
ド13,23,33,43と、ブレーキパッド13,23,33,43への圧力
を増減させるためのアクチュエータ70と、速度計60と、
各車輪毎に具備された車輪速計測手段12,22,32,42と、
速度計60と車輪速計測手段12,22,32,42とからの信号に
より車輪のスリップ率を求めその値によりアクチュエー
タ70を制御するための制御手段50とからなるという構成
を採っている。
制御手段50では、速度計60からの車速信号と車輪速計
測手段12,22,32,42からの車輪速信号とにより次式を用
いてスリップ率を計算する。
スリップ率(%)=(車速−車輪速)/車速×100 そして、この式により、計算されたスリップ率が最適
範囲(15〜20%)内に入っていなければ制御手段50から
アクチュエータ70に信号が送られる。そして、アクチュ
エータ70は該当するブレーキパッド13,23,33,43への圧
力を増減し、スリップ率が最適範囲(15〜20%)内に入
るように制御する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来例においては、路面の状態に
よっては手動操作時よりも制動距離が長くなる場合があ
るという不都合があった。特にじゃり道ではじゃり石相
互の抵抗や路面の起伏により車輪に種々の外力が作用し
制御距離が一定しないという不都合が生じていた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、かかる従来例の有する不都合を改善
し、とくにじゃり道等の悪路においても制動距離を短く
することが可能なアンチスキッド制御装置を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明では、車輪を制動するために各車輪毎
に具備されたブレーキパッドと、このブレーキパッドへ
の圧力を増減させるためのアクチュエータと、車速を計
測する速度計と、各車輪毎に具備されるとともに各車輪
毎の車輪速を計測する車輪速計測手段と、各車輪毎に具
備されるとともに各車輪毎の路面状態に基づく振動加速
度(以下、単に「加速度」という。)及び振動周波数を
計測する加速度計測手段と、速度計と車輪速計測手段と
で計測された車速及び車輪速とから車輪の実際のスリッ
プ率を求めるとともに、加速度計測手段で計測された加
速度及び振動周波数とから車輪のスリップ率の最適範囲
を定め、実際のスリップ率が最適範囲内に収まるように
アクチュエータを制御するための制御手段を備えるとい
う構成を採っている。これによって前述した目的を達成
しようとするものである。
〔作用〕
a).速度計からの信号が取り込まれ、車速が速められ
る。
b).車輪速計測手段からの信号が取り込まれ、車輪速
が求められる。
c).次の式によりスリップ率が計算される。
スリップ率(%)=(車速−車輪速)/車速×100 d).加速度計測手段からの信号により加速度と振動周
波数が求められる。
e).求めた加速度と振動周波数の関係により各車輪共
に悪路の範囲かどうかがチェックされる。各車輪毎で悪
路状態が異なる場合は多数決がとられる。
f).悪路の範囲内でなければ「h」に移る。
g).悪路の範囲内であれば悪路状態に従い、スリップ
率の設定範囲が変更される。
h).スリップ率が設定範囲内かどうかがチェックされ
る。
i).スリップ率が設定範囲内であれば、何もせずに本
ルーチンから抜ける。
j).スリップ率が設定範囲外であれば、設定範囲に近
づけるようにアクウチュエータ補助作動量が算出される
つまり、実測したスリップ率が設定範囲よりも大きすぎ
る時は該当するブレーキパッドへの圧力を弱め、小さす
ぎる時は圧力を強くするようにする。
k).そして、「j」で求めた補助作動量に従って、ア
クチュエータへ補助作動量信号が出力される。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第8図に基づ
いて説明する。
第1図の実施例は、車輪を制動するために各車輪毎に
具備されたブレーキパッド13,23,33,43と、ブレーキパ
ッド13,23,33,43への圧力を増減させるためのアクチュ
エータ7と、予め駆動輪の車輪等に整備された速度計6
と、各車輪毎に具備された車輪速計測手段12,22,32,42
と、各車輪毎に具備された加速度計測手段11,21,31,41
と、速度計6と車輪速計測手段12,22,32,42とからの信
号により車輪のスリップ率を求めその値と加速度計測手
段11,21,31,41とからの加速度データや振動データによ
りアクチュエータ7を制御するための制御手段5とを備
えている。
この第1図に示す実施例の具体例を、第2図に示す。
この第2図において、制御手段50としては、アンチロ
ックブレーキシステム(ABS)用のコントローラ即ちABS
コントローラ5Aが使用されている。
また、左前輪部1には、加速度計測手段11として加速
度センサ11Aが、又車輪速計測手段12として車輪速セン
サ12Aが各々装備されている。符号1Aは車輌の左前輪を
示す。
同様に、右前輪部2,左後輪部3、右後輪部4には、そ
れぞれ、加速度計測手段21,31,41としての加速度センサ
21A,31A,41Aが各々装備されている。符号6Aは、速度計
6としてのスピードメータを示し、符号8はフットブレ
ーキを示し、8Aはブレーキペダルを示す。
次に本実施例の動作について第3図のフローチャート
により説明する。
(1).まず、速度計6からの信号が取り込まれ、車速
が求められる(第3図のS10)。
(2).車輪速計測手段12,22,32,42からの信号が取り
込まれ、車輪速が求められる(第3図のS20)。
(3).次の式によりスリップ率が計算される(第3図
のS30)。
スリップ率(%)=(車速−車輸速)/車速×100 (4).加速度計測手段11,21,31,41からの信号が取り
込まれ、「加速度」と「振動周波数」が以下のようにし
て求められる。
加速度計測手段11,21,31,41からの信号は電位で与え
られるので、入力信号の電位と中立位置での電位との差
を求めることにより、加速度の方向と大きさを知ること
ができる。
また、第4図に示されるように中立位置から所定の電
位だけ大きい位置を+側境界点,中立位置から所定の電
位だけ小さい位置を−側境界点とし、+側境界点を上回
った時を(イ)、−側境界点を下回った時を(ロ)とす
ると、続けて(イ)(ロ)(イ)となったものを1周期
とみなし振動周波数を求める(第3図のS40)。
(5).求めた加速度と振動周波数の関係により各車輪
共に第5図に示される悪路の範囲かどうかがチェックさ
れる。つまり、加速度がg1より小さいか振動周波数がf1
より小さい時は悪路ではなくノーマルであるとみなす。
加速度がg1より大きくかつg2より小さくかつ振動周波数
がf1より大きくかつf2より小さい時は悪路Aであるとみ
なす。加速度がg2より大きくかつ振動周波数がf1より大
きくかつf3より小さい時は悪路Bであるとみなす。加速
度がg1より大きくかつg2より小さくかつ振動周波数がf2
より大きいかあるいは加速度がg1より大きくかつ振動周
波数がf3より大きい時は悪路Cであるとみなす。ここ
で、g1、g2、f1、f2、f3は予め設定されており、「g1<
g2」「f1<f2<f3」の関係にある(第3図のS50)。
(6).悪路の範囲内でなければ、つまりノーマルの範
囲内にあれば(8)に移る。
(7).悪路の範囲内であれば悪路状態A、B、Cに従
い、第6図に示されるようにスリップ率の設定範囲が変
更される。つまり、悪路Aの時は20〜30〔%〕,悪路B
の時は25〜35〔%〕,悪路Cの時は60〜70〔%〕に変更
される(第3図のS60)。
(8).実測したスリップ率が第6図に示される設定範
囲内かどうかがチェックされる(第2図のS70)。
(9).スリップ率が設定範囲内であれば、何もせずに
本ルーチンから抜ける。
(10).スリップ率が設定範囲外であれば、設定範囲に
近づけるようにアクチュエータ補助動作量が算出され
る。つまり、実測したスリップ率が設定範囲よりも大き
すぎる時は該当するブレーキパッド13,23,33,43への圧
力を弱め、小さすぎる時は圧力を強くするようにする
(第3図のS80)。
(11).そして、(10)で求めた補助動作量に従って、
アクチュエータ7へ補助動作量信号が出力される。例え
ば、モータやソレノイドをオン/オフさせて、アクチュ
エータ7からの圧力を増減させる(第3図のS90)。
第7図に通常制御の場合を、第8図に本実施例のスリ
ップ率変更制御を行った場合の例を示す。例えば悪路B
相当のじゃり道を走行していた時に、スリップ率の設定
範囲を第5図に示されるように通常制御の15〜20〔%〕
から20〜30〔%〕に変更し、車輪速を通常制御時よりも
速めに低下させたためじゃり道ではじゃり石相互の抵抗
や路面の起伏により車速が通常制御時よりも早めに低下
した。
本実施例では、悪路を3状態に分類しているが、本願
発明はこれに限定されるものではない。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によると、各車輪毎に加速度デー
タや振動データを制御手段に知らせるための加速度計測
手段を併設しているために、悪路の状態をさらに細かく
分類することができ、その悪路状態にあわせてスリップ
率を変更することができる。これがため、じゃり道等の
悪路においても制動距離を短くすることができ、しかも
従来装置を安価で簡単に変更することができるという従
来にない優れたアンチスキッド制御装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は第1
図の具体例を示す説明図、第3図は第1図の動作を説明
するためのフローチャート、第4図は加速度と振動周波
数の説明図、第5図は路面状態と加速度と振動周波数と
の関係図、第6図は路面状態と設定スリップ率との関係
図、第7図は従来の制御方法での車速変化図、第8図は
第1図の実施例による車速変化図、第9図は従来例を示
す構成図である。 1……左前輪部、2……右前輪部、3……左後輪部、4
……右後輪部、5……制御手段、6……速度計、7……
アクチュエータ、11,21,31,41……加速度計測手段、12,
22,32,42……車輪速計測手段、13,23,33,43……ブレー
キパッド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を制動するために各車輪毎に併設され
    たブレーキパッドと、 このブレーキパッドへの圧力を増減させるアクチュエー
    タと、 車速を計測する速度計と、 各車輪毎に併設されるとともに各車輪毎の車輪速を計測
    する車輪速計測手段と、 各車輪毎に併設されるとともに各車輪毎の振動加速度及
    び振動周波数を計測する加速度計測手段と、 前記速度計及び前記車輪速計測手段で計測された車速及
    び車輪速とから車輪の実際のスリップ率を求めるととも
    に、前記加速度計測手段で計測された振動加速度及び振
    動周波数とから車輪のスリップ率の最適範囲を定め、実
    際のスリップ率が最適範囲内に収まるように前記アクチ
    ュエータを制御する制御手段と、 を備えたアンチスキッド制御装置。
JP26182890A 1990-09-30 1990-09-30 アンチスキッド制御装置 Expired - Lifetime JP2926953B2 (ja)

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DE4340442B4 (de) * 1993-11-27 2004-04-15 Robert Bosch Gmbh Antiblockier- und/oder Antriebsschlupfregelsystem
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JP2011121376A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Hitachi Automotive Systems Ltd ブレーキ制御装置

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