JP2925503B2 - 歯車ポンプのインナー歯車とアウター歯車のプレス自動加工方法 - Google Patents

歯車ポンプのインナー歯車とアウター歯車のプレス自動加工方法

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JP2925503B2
JP2925503B2 JP24058096A JP24058096A JP2925503B2 JP 2925503 B2 JP2925503 B2 JP 2925503B2 JP 24058096 A JP24058096 A JP 24058096A JP 24058096 A JP24058096 A JP 24058096A JP 2925503 B2 JP2925503 B2 JP 2925503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば比較的厚板
の板材を素材とし、汎用プレス装置を用いて寸法精度や
見栄えのよい板状製品を得ようとする歯車ポンプのイン
ナー歯車とアウター歯車のプレス自動加工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】車両等のオイルポンプとして使用される
歯車ポンプは、通常、アウター歯車のポンプ室内にイン
ナー歯車を配設し、インナー歯車が転動することにより
ポンプ作用を行うように構成されている。この歯車ポン
プは、一般に、素材の板材からインナー歯車及びアウタ
ー歯車をプレス加工装置によって打ち抜いて加工される
ものである。
【0003】近年提案されている歯車ポンプ用歯車のプ
レス自動加工方法は、第一工程において、図14(a)
に示すように、内径側にポンプ室が形成されたアウター
歯車13aを打ち抜き、第2工程において、同図(b)
(c)に示すように、アウター歯車13aの内径側打抜
き部材13bからインナー歯車13cの外径側を打ち抜
くことにより、アウター歯車13aの内径側打抜き部材
13bをインナー素材として利用するようにしていた。
【0004】かかる従来の方法だと、同図(b)に示す
ように、アウター歯車13aの内径側打抜き部材13b
の外寸法は、インナー歯車13cの外寸法と一部におい
て一致しているので、インナー素材から打ち抜かれたイ
ンナー歯車13cにはサイジング加工のための取り代が
存在せず、そのためにインナー歯車13cの中央部をパ
ンチで粗打抜き加工してインナー歯車13cの外周に肉
を流すようにしていた。
【0005】したがって、かかる従来の方法では、トラ
ンスファー装置等が必要となって設備費が増大し、ま
た、生産性においても問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点に鑑みてなされたものであって、トランスフ
ァー装置等を用いることなく精密なインナー歯車及びア
ウター歯車を生産することができ、また、生産性にも優
れた歯車ポンプのインナー歯車とアウター歯車のプレス
自動加工方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に提案された本発明の歯車ポンプのアウター歯車とイン
ナー歯車のプレス自動加工方法は、インナー歯車の加工
工程とアウター歯車の加工工程とから成り、インナー歯
車の加工工程は、素材の板材を打ち抜くためのパンチ本
体及びこのパンチ本体によって打ち抜かれた打抜き孔を
拡げる拡開部からなる荒抜き用の歯形パンチと、荒抜き
作業において使用する荒抜きしたインナー歯車を上記の
打抜 き孔に戻すためのノックアウト装置と、仕上げ作業
に使用するノックアウトと、を備えてなるプレス装置に
よって、まず、荒抜き用の歯形パンチによってインナー
歯車専用の素材の板材から余肉付きのインナー歯車を荒
抜きするとともに、このインナー歯車を荒抜きした後の
打抜き孔を、上記の拡開部によって拡げ、次に、荒抜き
用の歯形パンチを上記の打抜き孔から引き抜き、この荒
抜きしたインナー歯車をノックアウト装置によって上記
の打抜き孔に戻し、次に、このインナー歯車を戻した素
材の板材を順送りし、素材の板材に戻されたインナー歯
車を、ノックアウトによって荒抜き方向と同一方向又は
逆方向に位置する型穴内に抜くことにより、上記のイン
ナー歯車の切口面を整形し、アウター歯車の加工工程
は、加工するアウター歯車の外形部を打ち抜くためのパ
ンチ本体及びこのパンチ本体によって打ち抜かれた打抜
き孔を拡げる拡開部から成る外形パンチと、上記のポン
プ室形内径部の荒抜き作業に使用する穴抜きパンチと、
荒抜き作業において使用する荒抜きしたアウター歯車を
上記の打抜き孔に戻すためのノックアウト装置と、仕上
げ作業に使用するノックアウトと、仕上げ用歯形パンチ
と、を備えてなるプレス装置によって、 まず、アウタ
ー歯車専用の素材の板材から穴抜きパンチによって加工
するアウター歯車の余肉付きポンプ室形内径部を荒抜き
した後、穴抜きパンチをホールドした状態で外形パンチ
によってアウター歯車外径部を荒抜きして余肉付きのア
ウター歯車を形成するとともに、このアウター歯車を荒
抜きした後の打抜き孔を、上記の拡開部によって拡げ、
次に、外形パンチを上記の打抜き孔から引き抜き、この
荒抜きしたアウター歯車をノックアウト装置によって上
記の打抜き孔に戻し、次に、このアウター歯車を戻した
素材の板材を順送りし、素材の板材に戻されたアウター
歯車のポンプ室形内径部に、ポンプ室形内径部の荒抜き
方向と逆方向から仕上げ用歯形パンチを入れてポンプ室
形内径部の切口面を整形すると同時に、素材の板材に戻
されたアウター歯車をノックアウトによってアウター歯
車外径部の荒抜き方向と同一方向又は逆方向に位置する
仕上げ用型穴内に抜くことにより、アウター歯車外径部
の切口面を整形することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳しく説明する。図1(a)は歯車ポン
プのインナー歯車1の正面図を示し、インナー歯車1に
は軸穴となる中心穴1aが設けられている。同図(b)
は歯車ポンプのアウター歯車2の正面図を示しており、
アウター歯車2の内径側にはインナー歯車1が転動する
ポンプ室内径部2aが形成されている。
【0009】本発明の歯車ポンプのインナー歯車とアウ
ター歯車のプレス自動加工方法は、インナー歯車専用の
素材の板材M1からインナー歯車1を打ち抜く加工工程
と、アウター歯車専用の素材の板材M2からアウター歯
車2を打ち抜く加工工程とから成る。
【0010】図2〜図6は、インナー歯車1の加工工程
を示している。図2は、素材の板材M1からインナー歯
車1を加工するプレス自動加工装置の下型3の平面図で
あり、この汎用プレス装置の加工位置には、素材の板材
M1の順送り方向に第1ステージ(A1)から第3ステ
ージ(C1)が配設されている。なお、素材の板材M1
はコイル材から繰り出され、アンコイラーレベラーフィ
ード装置によって一定ピッチで順送されて汎用プレス装
置に供給されるものである。
【0011】第1ステージ(A1)に対応する上型4に
は、パイロット穴明け用のパンチが備わっており、ま
た、下型3には型穴が設けられている。
【0012】第2ステージ(B1)に対応する上型4に
は、余肉b付きの外径部を打ち抜くための歯形パンチ1
1が備わっている(図3)。この歯形パンチ11は、先
端側から余肉b付きのインナー歯車1Aの外径部を打ち
抜くパンチ本体11A、テーパ部11C及び余肉付きイ
ンナー歯車1Aの外周形の打抜き孔1bを拡げるための
拡開部11Bが形成されており(図3)、拡開部11B
の外径はパンチ本体11Aの外径よりも5/100mm程
度大きくなるように設定されており、テーパ部11Cは
打抜き孔1bの拡開を容易にするためのものである。
【0013】また、この歯形パンチ11には上下方向に
貫通した型穴11Dが設けられており、この型穴11D
内には、余肉a付きの中心穴1aを荒抜きするための穴
抜きパンチ11Eが挿通されている(図3)。この穴抜
きパンチ11Eと歯形パンチ11はプレス金型に脱着可
能に取付けられている。
【0014】また、第2ステージ(B1)に対応する下
型3には型穴31が形成され、この型穴31には、上下
方向に貫通した型穴32Aを有するノックアウト32が
摺動自在に配備されている。穴抜きパンチ11Eは上パ
ッキングプレートにて支持され、かつ上ダイセットで固
定されている。
【0015】穴抜きパンチ11Eの上面には、ノックア
ウトピンが固設されている。ノックアウトピンは駆動源
により後述するノックアウト32の型穴32A内に向け
て穴抜きパンチ11Eを付勢する。
【0016】図6に示すように、第3ステージ(C1)
に対応する上型4に形成された歯形の型穴42内には、
上下貫通した仕上げ用の型穴43Aを有し、かつ、外周
が歯形状の上ノックアウト43が摺動自在に配備されて
いる。上ノックアウト43の上面には、ノックアウトピ
ンが固設されており、ノックアウトピンは駆動源により
下型3の型穴33内に向けて上ノックアウト43を付勢
するものである。
【0017】一方、第3ステージ(C1)に対応する下
型3に形成された仕上げ用の型穴33内には、上下貫通
した型穴34Aを有し、かつ、外周が歯形状の下ノック
アウト34が摺動自在に配備されている。下ノックアウ
ト34の下面には、ノックアウトピンが固設されてお
り、ノックアウトピンは駆動源により下ノックアウト3
4を下型3の型穴33内に沿って摺動させる。
【0018】また、下ノックアウト34の型穴34A内
には、仕上げ用のパンチ44が挿通されている。この仕
上げ用のパンチ44は下パッキングプレートにて支持さ
れ、かつ下ダイセットに固定されており、上ノックアウ
ト43の型穴43Aに対して出入可能に構成されてい
る。
【0019】そして、インナー歯車1の加工は、以下の
ようにして構成されるプレス自動加工装置を用いて行わ
れる。まず、第1ステージ(A1)では、パイロット穴
明け加工が行われる。パイロット穴は所定の順送ピッ
チを確保すると共に、素材の板材M1の揺れを矯正する
ためのものである。
【0020】次に、第2ステージ(B1)では、余肉
a,b付きのインナー歯車1Aを打ち抜く。すなわち、
図3(b)(c)に示すように、まず、穴抜きパンチ1
1Eを下動させることにより、余肉a付きの中心穴1a
を荒抜する。次に、同図(c)に示すように、穴抜きパ
ンチ11Eをホールドした状態で歯形パンチ11によっ
て余肉b付きのインナー歯車1Aの外形を荒抜きした
後、同図(d)に示すように、歯形パンチ11のテーパ
11C及び拡開部11Bによって打抜き孔1bを拡げ
る。
【0021】余肉a,bの厚みt1,t2は、0.3〜
1mmに設定されている。
【0022】穴抜きパンチ11Eをホールドした状態で
歯形パンチ11によってインナー歯車1Aの外形を打ち
抜くのは、インナー歯車1Aの外形を打ち抜く際に2次
破断を生じないようにするためである。また、打抜き孔
1bを拡開する理由は、プレス加工の際に素材の板材M
1に加わる力によって打ち抜かれたインナー歯車1Aが
打抜き孔1bよりも大きくなるので、打抜き孔1bを拡
げることにより、後述する打抜き孔1bへのインナー歯
車1Aの戻しを可能にするためである。
【0023】次に、図4に示すように、ノックアウト3
2によって余肉a,b付きインナー歯車1Aを素材の板
材M1の打抜き孔1bに入れることによりインナー歯車
1Aを素材の板材M1に戻し、また、穴抜きパンチ11
Eをインナー歯車1Aの中心穴1aから抜く。図5は余
肉a,b付きインナー歯車1Aの断面図を示しており、
余肉aの上縁及び余肉bの下縁には打抜きによりだれa
1,b1が生じている。
【0024】次に、第3ステージ(C1)では、余肉
a,b付きインナー歯車1Aの内径及び外径の仕上げサ
イジングが施される。すなわち、図6(b)に示すよう
に、仕上げ用のパンチ44を、インナー歯車1Aの中心
穴1aに入れることにより、切口の余肉a及びだれa1
が解消してインナー歯車1の中心穴1cの寸法精度が向
上する。
【0025】それと同時に、同図(b)に示すように、
上ノックアウト43及び下ノックアウト34によって、
インナー歯車1Aの外形を、下型3の仕上げ用型穴33
内に抜くことにより、インナー歯車1Aの外形の切口の
余肉b及びだれb1が解消してインナー歯車1の外形の
寸法精度が向上する。その結果、図7に示すようにだれ
のない高寸法精度のインナー歯車1を得ることができ
る。
【0026】次に、アウター歯車2の加工工程について
説明する。素材の板材M2からアウター歯車2を加工す
る汎用プレス装置の加工位置には、素材の板材M2の順
送り方向に第1ステージ(A2)から第3ステージ(C
2)が配設されており、第2ステージ(B2)ではアウ
ター歯車2のポンプ室形内径部2aを打ち抜いた後、ア
ウター歯車2の外径部2cを打ち抜く。なお、素材の板
材M2はコイル材から繰り出され、アンコイラーレベラ
ーフィード装置によって一定ピッチで順送されて汎用プ
レス装置に供給されるものである。
【0027】第1ステージ(A2)に対応する上型7に
は、パイロット穴明け用のパンチが備わっており、ま
た、下型6には型穴が設けられている。
【0028】第2ステージ(B2)に対応する上型7に
は、図9に示すように、歯形状の型穴71Aを有し、か
つ外周は非歯形状となった外形パンチ71が備わってお
り、この外形パンチ71はプレス金型に脱着可能に取付
けられている。外形パンチ71の外周側には、先端側か
らアウター歯車の余肉d付きの外径部を打ち抜くパンチ
本体71B及びアウター歯車の外径部の打抜き孔2bを
拡げるための拡開部71Cが形成されており、パンチ本
体71Bの外周にはテーパ面71Dが形成されている
(図9)。
【0029】ノックアウト62の型穴62A内には、余
肉c付きのアウター歯車のポンプ室内径部2aを荒抜き
するための歯形状の穴抜きパンチ63が挿通されている
(図9)。穴抜きパンチ63は上パッキングプレートに
て支持され、かつ上ダイセットで固定されている。
【0030】穴抜きパンチ63の上面には、ノックアウ
トピンが固設されている。ノックアウトピンは駆動源に
より後述するノックアウト62の型穴62A内に向けて
穴抜きパンチ63を付勢する。なお、拡開部71Cの外
径はパンチ本体71Bの外径よりも5/100mm程度大
きくなるように設定されている。
【0031】第2ステージ(B2)に対応する下型6に
形成された型穴61内には、上下貫通した歯形状の型穴
62Aを有するノックアウト62が摺動自在に配備され
ている。
【0032】図12に示すように、第3ステージ(C
2)に対応する上型7に形成された型穴72内には、上
下貫通した歯形状の型穴73Aを有する上ノックアウト
73が摺動自在に配備されている。上ノックアウト73
の上面には、ノックアウトピンが固設されており、ノッ
クアウトピンは駆動源により下型6の型穴64内に向け
て上ノックアウト73を付勢するものである。
【0033】一方、第3ステージ(C2)に対応する下
型6に形成された仕上げ用の型穴64内には、上下貫通
した歯形状の型穴65Aを有する下ノックアウト65が
摺動自在に配備されている。下ノックアウト65の下面
には、ノックアウトピンが固設されており、ノックアウ
トピンは駆動源により下ノックアウト65を下型6の型
穴64内に沿って摺動させる。
【0034】また、下ノックアウト65の歯形状の型穴
65A内には、仕上げ用歯形パンチ74が挿通されてい
る。この仕上げ用歯形パンチ74は下パッキングプレー
トにて支持され、かつ下ダイセットに固定されており、
上ノックアウト73の型穴73Aに対して出入可能に構
成されている。
【0035】そして、アウター歯車2の加工は、以下の
ようにして構成されるプレス自動加工装置を用いて行わ
れる。まず、第1ステージ(A2)では、パイロット穴
8の穴明け加工が行われる。次に、第2ステージ(B
2)では、余肉c,d付きのアウター歯車2Aを打ち抜
く。
【0036】すなわち、図9(b)に示すように、ま
ず、穴抜きパンチ63を下動させることにより、余肉c
付きのポンプ室形内径部2aを荒抜する。次に、同図
(c)に示すように、穴抜きパンチ63をホールドした
状態で外形パンチ71によって余肉d付きのアウター歯
車外径部2cを荒抜きした後、同図(d)に示すよう
に、外形パンチ71のテーパ面71D及び拡開部71C
によって打抜き孔2bを拡げる。
【0037】余肉c,dの厚みt3,t4は、0.3〜
1mmに設定されている。
【0038】穴抜きパンチ63をホールドした状態で外
形パンチ71によってアウター歯車外径部2cを打ち抜
くのは、上述したインナー歯車1の加工工程と同様に、
2次破断を生じないようにするためである。また、打抜
き孔2bを拡げる理由は、上述したインナー歯車1の加
工工程と同様に、打抜き孔2bへの余肉c,d付きアウ
ター歯車2Aの戻しを可能にするためである。
【0039】次に、図10に示すように、ノックアウト
62によって余肉c,d付きアウター歯車2Aを素材の
板材M2の打抜き孔2bに入れることによりアウター歯
車2Aを素材の板材M2に戻し、また、穴抜きパンチ6
3をアウター歯車2Aのポンプ室形内径部2aから抜
く。図11は余肉c,d付きアウター歯車2Aの断面図
を示しており、余肉cの上縁及び余肉dの下縁には打抜
きによりだれc1,d1が生じている。
【0040】次に、第3ステージ(C2)では、余肉
c,d付きアウター歯車2Aの内径及び外径の仕上げサ
イジングが施される。すなわち、図12(b)に示すよ
うに、仕上げ用歯形パンチ74を、アウター歯車2Aの
ポンプ室形内径部2aに入れることにより、切口の余肉
c及びだれc1が解消してアウター歯車2のポンプ室形
内径部2aの寸法精度が向上する。
【0041】それと同時に、同図(b)に示すように、
上ノックアウト73及び下ノックアウト65によって、
アウター歯車外径部2cを、下型6の仕上げ用型穴64
内に抜くことにより、アウター歯車外径部2cの切口の
余肉d及びだれd1が解消してアウター歯車2の外径部
2cの寸法精度が向上する。その結果、図13に示すよ
うにだれのない高寸法精度のアウター歯車2を得ること
ができる。
【0042】上述のように、本発明の歯車ポンプのイン
ナー歯車とアウター歯車のプレス自動加工方法であれ
ば、寸法精度や見栄えがよく、特に、精密型抜き部分に
おいて極めて高寸法精度のインナー歯車1及びアウター
歯車2を生産することができ、円滑なポンプ作用が可能
となる。また、一連のプレス加工工程において、順送り
によってプレス加工が可能となるので、生産性が向上す
る。
【0043】なお、プレス自動加工装置は、上記実施の
態様のものに限定されず、パンチや型穴等の形状、配置
位置等を適宜設計変更することができるものである。ま
た、インナー歯車の加工については、素材の板材を打ち
抜くためのパンチ本体と打抜き孔を拡げるための拡開部
とからなる歯形パンチを使用し、一旦打ち抜かれたイン
ナー歯車を打抜き孔に戻してから、打抜き方向とは逆の
方向に抜くことによっても、切り口面を整形することが
できる。また、アウター歯車の加工については、アウタ
ー歯車専用の素材の板材を使用し、また、素材の板材を
打ち抜くためのパンチ本体と抜き孔を拡げるための拡開
部とからなる外形パンチを使用し、一旦打ち抜かれたア
ウター歯車を打抜き孔に戻してから、打抜き方向とは逆
の方向に抜くことによっても、切り口面を整形すること
ができる。
【0044】
【発明の効果】上記の説明からも明らかなように、本発
明のプレス自動加工方法によれば、精密なインナー歯車
及びアウター歯車を生産することができ、しかも、トラ
ンスファー装置等を用いる必要がなく、一台のプレス装
置で済み、順送り金型で歯車を加工することができるの
で、設備費の面で有利となる。また、歯車(インナー歯
車、アウター歯車)が戻された素材の板材は順送りさ
れ、次の加工位置で素材の板材から歯車が抜かれるの
で、一連のプレス加工工程において精密な歯車を得るこ
とができて、生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インナー歯車及びアウター歯車の正面図
【図2】本発明に係るプレス自動加工装置のインナー歯
車の加工位置を示す平面図
【図3】順送りプレス自動加工装置によるインナー歯車
の荒抜き態様を順次示した説明図
【図4】順送りプレス自動加工装置によるインナー歯車
の荒抜き態様を順次示した説明図
【図5】余肉付きインナー歯車を示す断面図
【図6】順送りプレス自動加工装置によるインナー歯車
の仕上げの態様を示した説明図
【図7】サイジングされたインナー歯車を示す断面図
【図8】本発明に係るプレス自動加工装置のアウター歯
車の加工位置を示す平面図
【図9】順送りプレス自動加工装置によるアウター歯車
の荒抜き態様を順次示した説明図
【図10】順送りプレス自動加工装置によるアウター歯
車の打抜き態様を順次示した説明図
【図11】余肉付きアウター歯車を示す断面図
【図12】順送りプレス自動加工装置によるアウター歯
車の仕上げの態様を示した説明図
【図13】サイジングされたアウター歯車を示す断面図
【図14】従来例を示す正面図
【符号の説明】
1 インナー歯車 2 アウター歯車 2a ポンプ室形内径部 M1,M2 素材の板材 11 歯形パンチ 11A パンチ本体 11B 拡開部 1b 打抜き孔 71 外形パンチ 71B パンチ本体 71C 拡開部 2b 打抜き孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インナー歯車の加工工程と、このインナー
    歯車が転動するポンプ室形内径部を有するアウター歯車
    の加工工程とから成り、 インナー歯車の加工工程は、 素材の板材を打ち抜くためのパンチ本体及びこのパンチ
    本体によって打ち抜かれた打抜き孔を拡げる拡開部から
    なる荒抜き用の歯形パンチと、荒抜き作業において使用
    する荒抜きしたインナー歯車を上記の打抜き孔に戻すた
    めのノックアウト装置と、仕上げ作業に使用するノック
    アウトと、を備えてなるプレス装置によって、 まず、荒抜き用の歯形パンチによってインナー歯車専用
    の素材の板材から余肉付きのインナー歯車を荒抜きする
    とともに、このインナー歯車を荒抜きした後の打抜き孔
    を、上記の拡開部によって拡げ、 次に、荒抜き用の歯形パンチを上記の打抜き孔から引き
    抜き、この荒抜きしたインナー歯車をノックアウト装置
    によって上記の打抜き孔に戻し、 次に、このインナー歯車を戻した素材の板材を順送り
    し、素材の板材に戻されたインナー歯車を、ノックアウ
    トによって荒抜き方向と同一方向又は逆方向に位置する
    型穴内に抜くことにより、上記のインナー歯車の切口面
    を整形し、 アウター歯車の加工工程は、 加工するアウター歯車の外形部を打ち抜くためのパンチ
    本体及びこのパンチ本体によって打ち抜かれた打抜き孔
    を拡げる拡開部から成る外形パンチと、上記のポンプ室
    形内径部の荒抜き作業に使用する穴抜きパンチと、荒抜
    き作業において使用する荒抜きしたアウター歯車を上記
    の打抜き孔に戻すためのノックアウト装置と、仕上げ作
    業に使用するノックアウトと、仕上げ用歯形パンチと、
    を備えてなるプレス装置によって、 まず、アウター歯車専用の素材の板材から穴抜きパンチ
    によって加工するアウター歯車の余肉付きポンプ室形内
    径部を荒抜きした後、穴抜きパンチをホールドした状態
    で外形パンチによってアウター歯車外径部を荒抜きして
    余肉付きのアウター歯車を形成するとともに、このアウ
    ター歯車を荒抜きした後の打抜き孔を、上記の拡開部に
    よって拡げ、 次に、外形パンチを上記の打抜き孔から引き抜き、この
    荒抜きしたアウター歯車をノックアウト装置によって上
    記の打抜き孔に戻し、 次に、このアウター歯車を戻した素材の板材を順送り
    し、素材の板材に戻されたアウター歯車のポンプ室形内
    径部に、ポンプ室形内径部の荒抜き方向と逆方向から仕
    上げ用歯形パンチを入れてポンプ室形内径部の切口面を
    整形すると同時に、 素材の板材に戻されたアウター歯車をノックアウトによ
    ってアウター歯車外径部の荒抜き方向と同一方向又は逆
    方向に位置する仕上げ用型穴内に抜くことにより、アウ
    ター歯車外径部の切口面を整形することを特徴とする歯
    車ポンプのインナー歯車とアウター歯車のプレス自動加
    工方法。
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