JP2924929B2 - 磁性塗料用材料の製造法 - Google Patents

磁性塗料用材料の製造法

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JP2924929B2 JP3080876A JP8087691A JP2924929B2 JP 2924929 B2 JP2924929 B2 JP 2924929B2 JP 3080876 A JP3080876 A JP 3080876A JP 8087691 A JP8087691 A JP 8087691A JP 2924929 B2 JP2924929 B2 JP 2924929B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性塗料を製造するに
際して微細な、殊に、平均粒径0.2μm以下の磁性粒
子粉末が、短時間裡に、且つ、容易に優れた分散性を発
揮することができる磁性塗料用材料の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ用、オーディオ用磁気記録
再生用機器の長時間記録化、小型軽量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対す
る高性能化、即ち、高密度記録化、低ノイズレベル化の
要求が益々強まっている。
【0003】殊に、近時におけるビデオテープの高画像
画質化に対する要求は益々強まっており、従来のビデオ
テープに比べ、記録されるキャリアー信号の周波数が益
々高くなっており、即ち、短波長領域に移向しており、
その結果、磁気テープの表面からの磁化深度が著しく浅
くなっている。
【0004】そこで、短波長信号に対しても高出力特
性、殊にCN比を保持し、更に向上させる為の努力がな
されており、その為には、磁性粒子粉末の微粒子化、
磁性粒子の高分散化、磁性塗膜表面の平滑化、磁
性塗膜層の薄膜化が要求されている。
【0005】この事実は、例えば、株式会社総合技術セ
ンター発行「磁性材料の開発と磁粉の高分散化技術」
(1982年)の第312頁の「塗布型テープにおける
高密度記録のための条件は、短波長信号に対して、低ノ
イズで高出力特性を保持できることであるが、その為に
は保磁力Hcと残留磁化Brが共に大きいことと塗布膜
の厚みがより薄いことが必要である。」なる記載及び日
経エレクトロニクス(1976年)5月3日号第82〜
105頁の「輝度信号のSN比(CN比)に関係してい
るテープの物理量としては、単位体積当りの平均粒子数
とその分散状態(分散性)及び表面の平滑性がある。表
面性、分散性が一定なら平均粒子数の平方根に比例して
SN比は良くなるので、粒子体積が小さく、かつ充てん
度の高くできる磁性粉ほど有利である。」なる記載の通
りである。
【0006】近年、短波長信号に対して高出力特性を向
上させる為に磁性粒子粉末の微粒子化の傾向が顕著であ
り、殊に、平均粒径が0.2μm以下の微細な磁性粒子
粉末が用いられている。
【0007】一方、磁性粒子粉末が微細化すればする
程、磁性粒子粉末のビヒクル中での分散性は低下し、そ
の結果、得られた磁性塗膜表面の平滑性が悪くなり、薄
膜化が困難となる。そこで、微細な磁性粒子粉末であっ
ても、短時間裡に、且つ、容易に優れた分散性を発揮す
ることができる磁性塗料が要求されている。
【0008】また、近年、高出力並びに高密度記録に適
する磁性粒子粉末、即ち、高い保磁力を有する磁性粒子
粉末として第一鉄を含む磁性酸化鉄粒子粉末や鉄を主成
分とする金属磁性粒子粉末が知られている。
【0009】第一鉄を含む磁性酸化鉄粒子粉末として
は、第一鉄を含まないマグヘマイト粒子に比べ保磁力及
び飽和磁化がともに大きく、また、電気伝導度が高いこ
とによって磁気記録媒体とした場合に帯電しにくいとい
う利点を有するマグネタイト(FeO x ・Fe2 3
0<x≦1)粒子粉末並びに該マグネタイト粒子粉末や
前記マグヘマイト粒子粉末を前駆体粒子とし、該前駆体
粒子の粒子表面にコバルト及び第一鉄を被着させた磁性
酸化鉄粒子粉末(以下、Co被着磁性酸化鉄粒子粉末と
いう。)がある。
【0010】前記第一鉄を含む磁性酸化鉄粒子粉末や鉄
を主成分とする金属磁性粒子粉末は、高い保磁力を有す
るものではあるが、磁気的、化学的に不安定であるとい
う欠点があり、磁性粒子粉末を製造する際の作業性や安
全性等の問題並びに輸送、保管に際しての安全性、経済
性等の問題が指摘されている。
【0011】即ち、第一鉄を含む磁性酸化鉄粒子粉末を
空気中に放置すると第一鉄が酸化されて第二鉄となり、
それに伴って、磁気特性、殊に、保磁力が経時的に低下
するという現象が生じる。この現象は、殊に、粒子が微
細になる程顕著になる傾向にある。
【0012】また、鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末
は、粒子サイズが微細になればなる程保磁力は向上する
が、一方、粒子の表面活性が非常に大きくなり空気中の
酸素と急激に反応して発熱し、ひどい場合には発火する
等により保磁力及び飽和磁化が低下してしまうのでその
取り扱いには細心の注意が必要である。
【0013】また、発熱や発火等の危険性を伴う鉄を主
成分とする金属磁性粒子粉末は、該磁性粒子粉末を有機
溶剤で十分ぬらして缶等の金属製の容器に密封する方法
や缶等の金属製の容器に前記磁性粒子粉末を入れ不活性
ガスで置換して密封する方法等により輸送や保管が行わ
れており、有機溶剤の使用による安全性の問題並びに包
装、荷扱い、輸送や保管のスペース等作業上、経済上の
問題があった。
【0014】そこで、第一鉄を含む磁性酸化鉄粒子粉末
や鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の輸送や保管にあ
たっては、出来るだけ危険性を伴うことなく安全で、し
かも、簡便な包装で輸送・保管のスペースを最少限に出
来る経済的な方法が要求される。
【0015】従来、磁性塗料は、磁性粒子の分散性を改
良する為に、磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び有機溶剤等
をボールミル、サンドグラインダー等の分散機を用いて
ビヒクル中に分散させるに先立ってあらかじめ高剪断力
を有するニーダー、プラネタリーミキサー、ディスパ
ー、二軸連続混練混合機等の混練機を用いて混練して混
練物とした後、適当な固形分濃度に希釈することが行わ
れている。(特開昭62−22867号公報、特開昭6
4−79274号公報、特開昭64−79275号公
報)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】微細な磁性粒子粉末で
あっても短時間裡に、且つ、容易に優れた分散性を発揮
することができる磁性塗料は現在最も要求されていると
ころであるが、前出公知方法による場合には、使用する
磁性粒子粉末が微細な為に、混練時において磁性粒子粉
末に対する剪断応力が十分に働かないことに起因して得
られる磁性塗料中における磁性粒子粉末の分散性は未だ
十分ではなかった。
【0017】そこで、本発明は、平均粒径が0.2μm
以下の微細な磁性粒子粉末であっても混練時に十分な剪
断応力を働かせることができることによって短時間裡
に、且つ、容易に優れた分散性を発揮することができる
磁性塗料用材料を製造することを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は次の通り
の本発明によって達成できる。
【0019】即ち、本発明は、磁性粒子粉末、結合剤樹
脂及び有機溶剤を、容器と該容器内部に配備されている
回転可能な並行に軸受された二本の攪拌軸とからなり、
該攪拌軸がスクリュー部分と前記攪拌軸に装着されたパ
ドル部分とを交互に有している二軸型連続混練混合機を
用いて混練することにより混練物とする磁性塗料用材料
の製造法において、又は、必要により、更に、前記混練
物に溶剤を添加した後混合機を用いて混練希釈して混練
希釈物とする磁性塗料用材料の製造法において、平均粒
径が0.2μm以下である前記磁性粒子粉末、前記結合
剤樹脂及び前記有機溶剤を、前記攪拌軸の軸長と軸径と
の比が25以上であって、前記容器の壁と前記パドル端
のクリアランスが0.2mm以下である前記二軸型連続
混練混合機を用いて混合することにより、固形分濃度が
60〜85重量%の混練物を得るか、必要により、更に
該混練物を混練希釈して混練希釈物を得ることからなる
磁性塗料用材料の製造法である。
【0020】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0021】本発明における磁性粒子粉末としては、マ
グヘマイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末、ベルトラ
イド化合物(FeO x ・Fe2 3 、0<x<1)等の
磁性酸化鉄粒子粉末、これらの磁性酸化鉄粒子粉末にF
e以外のCo、Al、Ni、P、Zn等の異種金属を含
有させた粒子若しくはこれら磁性酸化鉄粒子にCo等を
被着させた粒子、鉄を主成分とする金属磁性粒子、鉄以
外のCo、Ni、Al、P、B等を含有する鉄合金磁性
粉末、板状Baフェライト粒子粉末並びにこれに抗磁力
低減剤であるCo、Ni、Zn等二価金属、Ti、S
n、Zr等四価金属の一種又は二種以上を含有させた板
状複合フェライト粒子粉末等のいずれをも用いることが
できる。また、磁性粒子粉末の形状は、針状、紡錘状、
立方状、板状等のいずれであってもよい。
【0022】本発明においては、短波長信号に対する高
出力特性を向上させる為に好適である平均粒径0.2μ
m以下の微細な磁性粒子粉末が用いられる。磁性粒子粉
末の下限値は0.05μmであり、0.05μm未満に
なると磁性塗料中での分散が困難となる。
【0023】本発明における結合剤樹脂としては、現
在、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルマレ
イン酸ウレタンエラストラマー、ブタジエンアクリロニ
トリル共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロ
ース等セルロース誘導体、ポリエステル樹脂、ポリブタ
ジエン等の合成ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリイソシアネートポリマー、電子線硬化型アク
リルウレタン樹脂等とその混合物を使用することができ
る。
【0024】また、近年、従来から広く使用されている
OH基を持つ樹脂に代えてより強い極性官能基を有する
樹脂、即ち、COOH基、SO3 M(Na、K、H)、
OPO3 2 基等の親水基を持つ樹脂が使用されている
が、これらの結合剤樹脂についても優れた分散性を示す
ことを確認している。
【0025】本発明における有機溶剤としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族類、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロ
フラン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類の一種又は二種以上を使用することができる。
【0026】本発明における磁性粒子粉末、結合剤樹脂
及び有機溶剤の混練は、これら原料を同時に混練する方
法、あらかじめ調整した結合剤樹脂を含む有機溶媒と磁
性粒子粉末とを混練する方法、あらかじめ磁性粒子粉末
と有機溶剤とを混合した後、結合剤樹脂を添加して混練
する方法等いずれの方法でもよいが、あらかじめ調整し
た結合剤樹脂を含む有機溶媒と磁性粒子粉末とを混練す
る方法が好ましい。
【0027】本発明における混練物中の固形分濃度は、
60〜85重量%、好ましくは、67〜80重量%であ
る。60重量%未満の場合には、混練物の粘度が極端に
低くなり、磁性粒子の分散に必要な剪断応力が働かな
い。85重量%を越える場合には、磁性粒子の粒子表面
が溶剤や結合剤樹脂によって十分濡れず、混練物中にお
ける磁性粒子の分布が不均一になる。
【0028】本発明における混練物中の磁性粒子粉末に
対する結合剤樹脂の量は、5〜30重量%である。5重
量%未満の場合には、磁性粒子粉末を分散させる為に必
要とされる結合剤樹脂の十分な表面吸着が得られず、得
られる磁性塗料中の磁性粒子粉末は分散不良となる。3
0重量%を越える場合には、磁性塗料中における磁性粒
子粉末の分散は十分であるが、磁性に関与しない結合剤
樹脂により塗膜の飽和磁束密度が低下する。本発明にお
いて得られる混練物は、平均径1〜20mm程度の柱状
や粒状の形状を呈している。
【0029】本発明における混練物は、混練物に有機溶
剤を加えて固形分濃度が30重量%以上、60重量%未
満になるように希釈する。30重量%未満の場合には、
急激な希釈により均一に希釈されず、混練物中における
磁性粒子の分布が不均一になりやすい。60重量%を越
える場合には、希釈が不十分で、引き続いて行われる分
散工程において分散に最適な粘度になり難い。混練物を
混練希釈するための混合機は、二軸型連続混練混合機は
もちろん、後出する実施例に示す通り、ペイントコンデ
ィショナーやプラネタリーミキサー等の磁性粒子粉末、
結合剤樹脂及び有機溶剤を混練するために通常用いられ
る混合機が使用できる。
【0030】本発明において、磁性塗料を製造する際に
通常用いられる分散剤、潤滑剤、研磨剤、カーボンブラ
ック等の帯電防止剤等が加えられてもよい。分散の困難
なカーボンブラックは、混練時に最初から添加しておく
ことが好ましく、また、磁性粒子と磁性粒子の間隙に
することによって磁性粒子相互のすベリがよくなると
いう効果も得られる。
【0031】本発明において使用する二軸型連続混練混
合機は、容器と該容器内部に配備されている回転可能な
並行に軸受された二本の攪拌軸とからなり、該攪拌軸が
スクリュー部分と前記攪拌軸に装着されたパドル部分と
を交互に有しており、混練作用は主として一対のパドル
で行なわれ、スクリューは主として送りの作用を行う。
【0032】二軸型連続混練混合機の攪拌軸の軸長と軸
径との比は25以上、実用上30〜40が好ましい。攪
拌軸の軸長と軸径との比が25未満の場合には、本発明
の目的とする短時間裡に、且つ、容易に優れた分散性を
発揮することができる磁性塗料用材料を製造することが
できない。
【0033】容器壁とパドル端のクリアランスは0.2
mm以下、好ましくは、0.18mm以下である。容器
の壁とパドル端のクリアランスが0.2mmを越える場
合には、本発明の目的とする短時間裡に、且つ、容易に
優れた分散性を発揮することができる磁性塗料用材料を
製造することができない。
【0034】本発明における二軸型連続混練混合機とし
ては、市販の(株)栗本鉄工所製のKEX−30、KE
X−40、KEX−50、KEX−65、KEX−8
0、KEX−100、KEX−125、KEX−160
が使用できる。
【0035】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、磁性粒
子粉末、結合剤樹脂及び有機溶剤を、容器と該容器内部
に配備されている回転可能な並行に軸受された二本の攪
拌軸とからなり、該攪拌軸がスクリュー部分と前記攪拌
軸に装着されたパドル部分とを交互に有している二軸型
連続混練混合機を用いて混練することにより混練物とす
る磁性塗料用材料の製造法において、攪拌軸の軸長と軸
径との比が25以上であって、容器の壁とパドル端のク
リアランスが0.2mm以下である二軸型連続混練混合
機を用いた場合には、微細な、殊に、0.2μm以下の
磁性粒子粉末であっても、混練時に十分な剪断応力が働
くことに起因して、磁性塗料を製造するに際して、短時
間裡に、且つ、容易に優れた分散性を発揮することがで
きる磁性塗料用材料を得ることができるという事実であ
る。
【0036】本発明において混練物の希釈を攪拌軸の軸
長と軸径との比が25以上であって、容器の壁とパドル
端のクリアランスが0.2mm以下である二軸型連続混
練混合機を用いた場合には、磁性塗料を製造するに際し
て、短時間裡に、且つ容易により優れた分散性を発揮す
ることができる磁性塗料用材料を得ることができる。
【0037】本発明において得られた混練物は、第一鉄
を含む針状磁性酸化鉄粒子や鉄を主成分とする金属磁性
粒子のような磁気的、化学的に不安定な磁性粒子粉末の
場合でも、後出実施例に示す通り、空気中の酸素による
酸化が十分防止されたものであり、磁気的、化学的に極
めて安定である。
【0038】本発明において得られた混練物中の磁性粒
子粉末が磁気的、化学的に安定な理由について、本発明
者は、混練中に剪断応力が十分働いたことに起因して
0.2μm以下の微細な磁性粒子粉末であっても粒子表
面が有機溶剤で十分ぬらされており、且つ、結合剤樹脂
の連続被覆が形成されていることによって、空気中の酸
素等による酸化を十分防止することができたためであろ
うと考えている。
【0039】尚、従来、磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び
有機溶剤の混練にあたり二軸型連続混練混合機を用いる
ものとして前出特開昭64−79274号公報及び特開
昭64−79275号公報記載の方法があるが、この二
軸型連続混練混合機は攪拌軸の軸長と軸径との比が10
程度以下であって、容器の壁とパトル端のクリアランス
が0.5mm以上であり、本発明の目的を達成すること
は出来ない。
【0040】
【実施例】次に、後出実施例及び比較例並びに使用例に
より、本発明を説明する。尚、以下の実施例及び比較例
並びに使用例における磁性粒子粉末の長軸、軸比(長軸
径/短軸径)は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平
均値で示した。磁性粒子粉末及び磁気記録媒体の磁気特
性は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東英工
業(株)製)を使用し、外部磁場10KOeまでかけて
測定した。
【0041】また、磁性粒子粉末として板状Baフェラ
イト微粒子を用いて磁気記録媒体を製造した場合の保磁
力、残留磁束密度及び角型の値は、テープ面に対し、垂
直方向に磁場配向させた磁気記録媒体の垂直方向の保磁
力、飽和磁束密度、残留磁束密度及び角型(Br/B
m)を測定し、保磁力はその測定値をもって示し、飽和
磁束密度、残留磁束密度及び角型は反磁場補正を行った
値で示した。
【0042】S.F.Dの測定は、磁気測定器の微分回
路を使用して、磁気履歴曲線の減磁カーブの微分曲線を
得、この曲線の半値巾を測定し、この値を保磁力で徐す
ることにより求めた。
【0043】混練物中に含まれる磁性粒子粉末が第一鉄
を含む磁性酸化鉄粒子粉末又は鉄を主成分とする金属磁
性粒子粉末の場合の酸化安定性は、製造直後の混練物と
製造直後の混練物を真空包装して温度60℃、相対湿度
90%の雰囲気下で7日間経過した後の混練物のそれぞ
れを用いて得られた塗布膜の保磁力値及び飽和磁束密度
値のそれぞれの変化値を製造直後の飽和磁束密度値及び
保磁力値のそれぞれで徐することにより求めた。
【0044】塗布膜の光沢度は、日本電色工業(株)製
の入射角45°のグロスメーターで測定した値であり、
標準板光沢を86.3%とした時の値を%表示で示した
ものである。
【0045】塗布膜の表面粗度は、表面粗さ計サーフコ
ム570A((株)東京精密製)を用いてJIS B0
601に従って表面粗さを測定した。表面粗さは「中心
線平均粗さ(Ra)」及び「自乗平均粗さ(RMS)」
で示した。
【0046】 く混練物の製造> 実施例1〜8 比較例1〜8; 実施例1 攪拌軸の軸長と軸径との比が38であって、容器の壁と
パドル端とのクリアランスが0.15mmである二軸型
連続混練混合機「KEX−30」((株)栗本鉄工所
製)を用いて、長軸0.15μm、軸比(長軸径:短軸
径)8 、保磁力1590 Oe、飽和磁化135em
u/gの鉄を主成分とする針状合金磁性粒子粉末10K
gとカーボンブラック#3150(三菱化成(株))
0.3Kgとの混合粉末を粉体供給口より3.83Kg
/時間の速度で、また、濃度17.1%の樹脂液(ME
K/アノン=1/1)MR−110(日本ゼオン(株)
製)を液側供給口より2.17Kg/時間の速度で連続
的に供給し、1時間当り6.5Kgの速度で混練混合を
行ない、固形分濃度70重量%のペレット状混練物を得
た。
【0047】実施例2〜8、比較例1〜8 磁性粒子粉末の種類、カーボンブラックの量、樹脂液の
種類及び混練機の種類、混練処理量を種々変化させた以
外は、実施例1と同様にして混練物を得た。主要製造条
件を表1に示す。
【0048】<混練希釈物の製造> 実施例9〜19 比較例9〜16; 実施例9 実施例1で得られた混練物19.4g(鉄を主成分とす
る針状金属磁性粒子粉末:12g、樹脂:1.44g、
カーボンブラック:0.36g、メチルエチルケトンと
シクロヘキサノンとの混合溶剤(混合割合1:1):
5.6g)と上記混合溶剤(混合割合1:1)8.2g
とをペイントコンディショナー(東洋精機(製))を用
いて2時間混練希釈を行ない、固形分濃度50重量%の
混練希釈物を得た。
【0049】実施例10〜19、比較例9〜16 混練物の種類及び量、有機溶剤の量、混練希釈機の種類
並びに混練希釈時間を種々変化させた以外は、実施例9
と同様にして混練希釈物を得た。この時の主要製造条件
を表2に示す。
【0050】<磁性塗膜の製造> 使用例1〜19 使用例1 実施例9で得られた混練希釈物27.6gと下記組成の
磁性塗料となる様な割合の副原料とを1.5mmφのガ
ラスビーズ95gとともに140mlのガラスびんに添
加し、ペイントコンディショナーで12時間分散させ
て、固形分濃度30重量%の磁性塗料とした。
【0051】尚、分散を開始した後、6時間経過後の混
練物の一部を抜き取り、下記と同様にして製造された磁
性塗膜の光沢度は123%であり、短時間裡に分散され
ることが認められた。
【0052】前記磁性塗料をアプリケーターを用いてP
ETフィルムに塗布した後、配向、乾燥し、次いで1/
2インチ幅にスリットした後、60℃で24時間硬化さ
せて磁性塗膜を製造した。
【0053】 磁性塗料の組成 鉄を主成分とする針状合金磁性粒子粉末 12g 樹脂 2.88g カーボンブラック 0.36g アルミナ 1.2g 潤滑剤 0.3g 硬化剤 0.6g MEK 20.44g トルエン 12.27g シクロヘキサノン 8.18g
【0054】上記磁性塗膜の保磁力は1559 Oe、
角型は0.85、配向度は2.95、飽和磁束密度は3
690Gauss、残留磁束密度は3140Gauss
及びS.F.D.は0.493であり、光沢は139、
表面粗度はRaが25.8nm、RMSが32.0nm
であった。
【0055】また、酸化安定性は、保磁力の変化率が−
3.2%、飽和磁束密度の変化率が−6.8%であり、
酸化安定性が優れていることが認められた。
【0056】使用例2〜19 混練希釈物の種類及び分散時間を種々変化させた以外
は、使用例1と同様にして磁性塗料を製造した。この時
の主要製造条件及び得られた磁性塗料の諸特性を表3に
示す。尚、使用例10、11及び18において製造した
磁性塗膜の光沢は、それぞれ2時間及び6時間分散の値
を示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明に係る磁性塗料用材料の製造法に
よれば、前出実施例に示した通り、磁性塗料を製造する
に際して微細な磁性粒子粉末が短時間裡に、且つ、容易
に優れた分散性を発揮することができる磁性塗料用材料
を製造することができるので、現在最も要求されている
高密度記録、低ノイズレベル用として最適である。
【0061】尚、本発明においては、得られる混練物中
の磁性粒子の粒子表面が有機溶剤で十分ぬらされてお
り、且つ、粒子表面に結合剤樹脂の連続被膜が形成され
ていることによって、特に、第一鉄を含む磁性酸化鉄粒
子粉末や鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の空気中の
酸素等による酸化を十分防止することができるので、磁
性粒子粉末を有機溶剤で十分ぬらして缶等の金属製の容
器に密封したり、缶等の金属製の容器に不活性ガスをパ
ージして密封したりすることなく、単に、耐酸素透過
性、耐水性(水及び水蒸気を通しにくい。)及び耐溶媒
性を有するプラスチックフィルムで包装するのみで輸
送、保管が可能となるという効果をも有する。
フロントページの続き (72)発明者 板持 弘子 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 中田 とし子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/23 C09D 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び有機溶剤
    を、容器と該容器内部に配備されている回転可能な並行
    に軸受された二本の攪拌軸とからなり、該攪拌軸がスク
    リュー部分と前記攪拌軸に装着されたパドル部分とを交
    互に有している二軸型連続混練混合機を用いて混練する
    ことにより混練物とする磁性塗料用材料の製造法におい
    て、平均粒径が0.2μm以下である前記磁性粒子粉
    末、前記結合剤樹脂及び前記有機溶剤を、前記攪拌軸の
    軸長と軸径との比が25以上であって、前記容器の壁と
    前記パドル端とのクリアランスが0.2mm以下である
    前記二軸型連続混練混合機を用いて混練することによ
    り、固形分濃度が60〜85重量%の混練物を得ること
    を特徴とする磁性塗料用材料の製造法。
  2. 【請求項2】 磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び有機溶剤
    を、容器と該容器内部に配備されている回転可能な並行
    に軸受された二本の攪拌軸とからなり、該攪拌軸がスク
    リュー部分と前記攪拌軸に装着されたパドル部分とを交
    互に有している二軸型連続混練混合機を用いて混練する
    ことにより混練物とし、次いで、該混練物に溶剤を添加
    した後混合機を用いて混練希釈して混練希釈物とする磁
    性塗料用材料の製造法において、平均粒径が0.2μm
    以下である前記磁性粒子粉末、前記結合剤樹脂及び前記
    有機溶剤を、前記攪拌軸の軸長と軸径との比が25以上
    であって、前記容器の壁と前記パドル端のクリアランス
    が0.2mm以下である前記二軸型連続混練混合機を用
    て混練することにより、固形分濃度が60〜85重量
    %の混練物とした後、該混練物を混練希釈して混練希釈
    物を得ることを特徴とする磁性塗料用材料の製造法。
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