JP2924072B2 - 有機金属分子線エピタキシャル成長方法及びその成長装置 - Google Patents
有機金属分子線エピタキシャル成長方法及びその成長装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、III−V族化合物半導体の有機金属分子線
エピタキシャル成長方法およびその成長装置に関する。
エピタキシャル成長方法およびその成長装置に関する。
(従来の技術) 化合物半導体の成長方法で、通常の分子線エピキシャ
ル成長装置と同じ超高真空対応の成長室を有し、その原
料として有機金属ガスを用いる有機金属分子線エピタキ
シャル成長法(以下MOMBE法と称す)は、分子線エピタ
キシャル法(以下MBE法と称す)と比較して表面欠陥が
少なく、選択成長が可能という利点を備え、有機金属気
相成長法(以下MOVPE法と称す)に対しては、膜厚、組
成の制御性が高く、均一性も良いなど多くの利点を有し
ており、現在活発な研究開発が行なわれている。
ル成長装置と同じ超高真空対応の成長室を有し、その原
料として有機金属ガスを用いる有機金属分子線エピタキ
シャル成長法(以下MOMBE法と称す)は、分子線エピタ
キシャル法(以下MBE法と称す)と比較して表面欠陥が
少なく、選択成長が可能という利点を備え、有機金属気
相成長法(以下MOVPE法と称す)に対しては、膜厚、組
成の制御性が高く、均一性も良いなど多くの利点を有し
ており、現在活発な研究開発が行なわれている。
MOMBE法において、GaAs、AlGaAs、InGaAs等、V族に
砒素が含まれるIII−V族化合物半導体を成長する時
に、一般に用いられるV族原料は、通常のMBEと同様の
金属砒素の他に、トリメチルヒソ(TMAs)、トリエチル
ヒソ(TEAs)等の有機金属化合物やアルシン(AsH3)の
ような水素化物である。III族原料は、Ga原料としてト
リメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TE
G)、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)、ト
リエチルアルミニウム(TEA)、In原料としてトリメチ
ルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI)等
である。
砒素が含まれるIII−V族化合物半導体を成長する時
に、一般に用いられるV族原料は、通常のMBEと同様の
金属砒素の他に、トリメチルヒソ(TMAs)、トリエチル
ヒソ(TEAs)等の有機金属化合物やアルシン(AsH3)の
ような水素化物である。III族原料は、Ga原料としてト
リメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TE
G)、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)、ト
リエチルアルミニウム(TEA)、In原料としてトリメチ
ルインジウム(TMI)、トリエチルインジウム(TEI)等
である。
MOMBE法は従来のMBEやMOVPEの欠点を解決する成長法
であるが、有機金属化合物を用いるため成長膜中にカー
ボンが混入しやすく、これがp型ドーパントとなり、条
件によって、成長膜は、高濃度のp型を示す。特にIII
族原料としてTMGやTMA等、メチル系の原料を用いた時、
キャリア濃度が、1019cm-3以上の極めて高いp型にな
る。一方、TEGのようなエチル系原料を用いると、カー
ボン混入は著しく抑えられるが、それでも通常のMBE法
やMOVPE法に比べると、成長層の純度は劣る。これは、
次の理由による。
であるが、有機金属化合物を用いるため成長膜中にカー
ボンが混入しやすく、これがp型ドーパントとなり、条
件によって、成長膜は、高濃度のp型を示す。特にIII
族原料としてTMGやTMA等、メチル系の原料を用いた時、
キャリア濃度が、1019cm-3以上の極めて高いp型にな
る。一方、TEGのようなエチル系原料を用いると、カー
ボン混入は著しく抑えられるが、それでも通常のMBE法
やMOVPE法に比べると、成長層の純度は劣る。これは、
次の理由による。
MOMBE法の場合、III族有機金属化合物は、基板上のみ
で分解し金属原子に有機を1個ないし2個持った中間生
成物の形で基板に吸着すると推測される。TMGを例にと
ると、モノメチルガリウム(GaCH3)あるいは、ジメチ
ルガリウム[Ga(CH3)2]になり基板表面に吸着して
いる。これらの有機は、V族原料と反応することにより
脱離する。しかし中には、基板表面近傍で、ラジカルと
して存在し、カーボンアクセプターの原因となるものも
ある。この反応過程が、基板に到達するまでに、既に原
料が十分分解しているMOVPE法や、もともと有機原料を
用いないMBE法と、異なる点である。これを避けるた
め、V族原料の砒素(As4の形で反応する)を大量に供
給し、III族原料と十分反応させて、III族原料からのカ
ーボン混入を抑えたり、砒素より反応性の高い、アルシ
ンを用いる等、純度を上げる手段が、従来試みられてき
た。
で分解し金属原子に有機を1個ないし2個持った中間生
成物の形で基板に吸着すると推測される。TMGを例にと
ると、モノメチルガリウム(GaCH3)あるいは、ジメチ
ルガリウム[Ga(CH3)2]になり基板表面に吸着して
いる。これらの有機は、V族原料と反応することにより
脱離する。しかし中には、基板表面近傍で、ラジカルと
して存在し、カーボンアクセプターの原因となるものも
ある。この反応過程が、基板に到達するまでに、既に原
料が十分分解しているMOVPE法や、もともと有機原料を
用いないMBE法と、異なる点である。これを避けるた
め、V族原料の砒素(As4の形で反応する)を大量に供
給し、III族原料と十分反応させて、III族原料からのカ
ーボン混入を抑えたり、砒素より反応性の高い、アルシ
ンを用いる等、純度を上げる手段が、従来試みられてき
た。
(発明が解決しようとする課題) 従来例では、次のような問題がある。砒素(As4)を
大量に供給し、III族原料と十分反応させて、成長層に
カーボンが混入するのを防ぐ方法は、通常のMBEに比
べ、10倍以上の砒素が必要で、原料のチャージを頻繁に
行なう必要があり煩雑なことと、Asセルと基板の距離が
近い場合は、Asセルから、砒素の塊が飛来し、基板に付
着して、表面欠陥の原因になることもある。砒素より反
応性の高い、アルシンを用いる場合は、このような問題
はないが、アルシンは猛毒なため、大掛かりな安全設備
を備える必要があり、取扱いに対しても十分な注意が必
要となる。
大量に供給し、III族原料と十分反応させて、成長層に
カーボンが混入するのを防ぐ方法は、通常のMBEに比
べ、10倍以上の砒素が必要で、原料のチャージを頻繁に
行なう必要があり煩雑なことと、Asセルと基板の距離が
近い場合は、Asセルから、砒素の塊が飛来し、基板に付
着して、表面欠陥の原因になることもある。砒素より反
応性の高い、アルシンを用いる場合は、このような問題
はないが、アルシンは猛毒なため、大掛かりな安全設備
を備える必要があり、取扱いに対しても十分な注意が必
要となる。
本発明の目的は原料に含まれるカーボンの混入を抑え
高純度の結晶を得るための有機金属分子線エピタキシャ
ル成長方法とその成長装置を提供することにある。
高純度の結晶を得るための有機金属分子線エピタキシャ
ル成長方法とその成長装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の有機金属分子線エピタキシャル成長方法は、
III−V族化合物半導体の結晶成長方法において、III族
原料として有機金属を用い、砒素原料として金属砒素を
用い、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキングし
た後、成長用基板に供給することを特徴とする。
III−V族化合物半導体の結晶成長方法において、III族
原料として有機金属を用い、砒素原料として金属砒素を
用い、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキングし
た後、成長用基板に供給することを特徴とする。
また本発明のIII−V族化合物半導体を成長する有機
金属分子線エピタキシャル成長装置において、III族原
料として有機金属を供給する手段と、金属砒素を供給す
るセルと、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキン
グする装置を備えていることを特徴とする。
金属分子線エピタキシャル成長装置において、III族原
料として有機金属を供給する手段と、金属砒素を供給す
るセルと、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキン
グする装置を備えていることを特徴とする。
(作用) 金属砒素As4の使用によりアルシンに比べ、安全性は
高い。また砒素を700℃以上でクラッキングすることに
より、As4をAs2に十分に変換でき、反応性の高いAs2の
形で基板に供給でき、有機原料と有効に反応し、通常の
MBEと同程度の供給量でも、成長層へのカーボン混入を
抑えることができる。
高い。また砒素を700℃以上でクラッキングすることに
より、As4をAs2に十分に変換でき、反応性の高いAs2の
形で基板に供給でき、有機原料と有効に反応し、通常の
MBEと同程度の供給量でも、成長層へのカーボン混入を
抑えることができる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を説明する。第1図は、本発
明の有機金属分子線エピタキシャル成長装置の模式的断
面図である。本装置は、有機金属原料を供給するライン
1と、そのガス流量をコントロールするマスフローコン
トローラ2と、有機金属原料を成長室に導入するガスセ
ル3と成長室4と排気装置5と基板加熱機構6とAs用セ
ル7と砒素をクラッキングする装置8から構成されてい
る。なお9はフラックスを測定するヌードイオンゲー
ジ、10がGaAs基板である。
明の有機金属分子線エピタキシャル成長装置の模式的断
面図である。本装置は、有機金属原料を供給するライン
1と、そのガス流量をコントロールするマスフローコン
トローラ2と、有機金属原料を成長室に導入するガスセ
ル3と成長室4と排気装置5と基板加熱機構6とAs用セ
ル7と砒素をクラッキングする装置8から構成されてい
る。なお9はフラックスを測定するヌードイオンゲー
ジ、10がGaAs基板である。
本実施例において、III族原料として、トリエチルガ
リウム(TEG)、V族原料として、金属砒素(As4)を使
用して、GaAsを成長した。成長条件は、TEG,1cc/min、A
s圧力2×10-5Torr、基板温度500℃、砒素クラッキング
温度800℃である。本実施例では、半絶縁性GaAs基板上
にGaAsを2μm成長した。この成長層のキャリア濃度と
移動度をホール測定で調べたところ、n型でキャリア濃
度n=1×1014cm-3,室温の移動度、μRT=7000cm2/V
s、77Kの移動度、μ77K=120,000cm2/Vsと良好な値を示
した。本実施例はGaAsについて記述したが、AlGaAs、In
GaAs等、Asを含む他のIII−V族化合物半導体あるいは
その混晶においても同様に良好な高純度結晶が得られて
いる。更に、10-5Torrオーダの低い砒素圧で成長できる
ので、砒素の塊の基板付着はなくなり、また砒素の原料
のチャージの回数が少なくなり装置の稼働率が高くなっ
た。
リウム(TEG)、V族原料として、金属砒素(As4)を使
用して、GaAsを成長した。成長条件は、TEG,1cc/min、A
s圧力2×10-5Torr、基板温度500℃、砒素クラッキング
温度800℃である。本実施例では、半絶縁性GaAs基板上
にGaAsを2μm成長した。この成長層のキャリア濃度と
移動度をホール測定で調べたところ、n型でキャリア濃
度n=1×1014cm-3,室温の移動度、μRT=7000cm2/V
s、77Kの移動度、μ77K=120,000cm2/Vsと良好な値を示
した。本実施例はGaAsについて記述したが、AlGaAs、In
GaAs等、Asを含む他のIII−V族化合物半導体あるいは
その混晶においても同様に良好な高純度結晶が得られて
いる。更に、10-5Torrオーダの低い砒素圧で成長できる
ので、砒素の塊の基板付着はなくなり、また砒素の原料
のチャージの回数が少なくなり装置の稼働率が高くなっ
た。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の有機金属分子線エピタ
キシャル成長方法及び成長装置により、Asを含むIII−
V族化合物半導体を成長させる際、低い砒素圧で、原料
からのカーボン混入を抑え、高純度の結晶を成長するこ
とができる。
キシャル成長方法及び成長装置により、Asを含むIII−
V族化合物半導体を成長させる際、低い砒素圧で、原料
からのカーボン混入を抑え、高純度の結晶を成長するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の一実施例の成長装置の概略図であ
る。 1……有機金属原料供給ライン、 2……マスフローコントローラ、3……ガスセル、 4……成長室、5……排気装置、6……基板加熱機構、 7……As用セル、8……クラッキング装置、 9……ヌードイオンゲージ、10……GaAs基板
る。 1……有機金属原料供給ライン、 2……マスフローコントローラ、3……ガスセル、 4……成長室、5……排気装置、6……基板加熱機構、 7……As用セル、8……クラッキング装置、 9……ヌードイオンゲージ、10……GaAs基板
Claims (2)
- 【請求項1】有機金属分子線エピタキシャル成長方法に
よるIII−V族化合物半導体の結晶成長方法において、I
II族原料として有機金属を用い、砒素原料として金属砒
素を用い、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキン
グした後、成長用基板に供給することを特徴とする有機
金属分子線エピタキシャル成長方法。 - 【請求項2】III−V族化合物半導体を成長する有機金
属分子線エピタキシャル成長装置において、III族原料
として有機金属を供給する手段と、金属砒素を供給する
セルと、該金属砒素を700℃以上の高温でクラッキング
する装置を備えていることを特徴とする有機金属分子線
エピタキシャル成長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10695890A JP2924072B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 有機金属分子線エピタキシャル成長方法及びその成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10695890A JP2924072B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 有機金属分子線エピタキシャル成長方法及びその成長装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH045818A JPH045818A (ja) | 1992-01-09 |
JP2924072B2 true JP2924072B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=14446851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10695890A Expired - Fee Related JP2924072B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 有機金属分子線エピタキシャル成長方法及びその成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2924072B2 (ja) |
-
1990
- 1990-04-23 JP JP10695890A patent/JP2924072B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
飯田進也・中村正克編「半導体製造装置実用便覧」(昭59−12−25)サイエンスフォーラム(第6章第1節MBE「2.5分子線源」) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH045818A (ja) | 1992-01-09 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |