JP2923817B2 - 管状フィルムの成形方法 - Google Patents

管状フィルムの成形方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は高品質の管状フィルム
を効率よく、より安定してインフレーション成形する
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インフレーション成形法により製造され
る熱可塑性樹脂のフィルム、特にポリオレフィン系樹脂
のフィルムは、包装用、農業用、産業用資材、及び買物
袋用として幅広く利用されている。
【0003】このようなポリオレフィン系樹脂フィルム
の製造については、近年、生産性を高めるため、操作性
が良く、より安定性の高いインフレーション成形装置の
開発が求められている。このためには、成形中の安定性
の向上及び、成形サイズの変更時や成形の開始時の操作
性や作業性の改善が特に必要となる。
【0004】インフレーション成形法によって熱可塑性
樹脂、特にポリオレフィン系樹脂フィルムを得る場合、
一般的な冷却方法として、環状ダイ上面近傍に該環状ダ
イと同軸に配置された冷却媒体を吹き出すための環状ス
リットを有する外部冷却用エアーリングから、該環状ダ
イからの押し出し方向と同方向側に冷却風を吹き出す冷
却方法が行われてきた。この場合に冷却効果を増大させ
より多くの徐熱を行おうとする場合、冷却風量を増大さ
せることが一般に行われる。この際の冷却風量及び冷却
風の方向によっては、バブル(溶融管状樹脂)が振動し
不安定になったり、風圧により冷却固化前のバブルが押
し潰されカーテン様のひだが発生し、ついにはバブルが
融着、切断に至ることもしばしばであり、インフレーシ
ョン成形にとって大きな障害となっている。このような
欠点を改良するために、該環状ダイと同軸に内部安定体
を配置し、バブルを安定化する方法が取られてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにしてバブ
ルを内部安定体により安定化させると同時に、成形速度
の高速化のために冷却効率を高める方法も提案されてい
る。例えば、特開昭55−154126号公報には、溶
融樹脂を環状ダイから押し出し、このバブルに冷却風を
当てながら、先ず該環状ダイ口径の1.2〜2.5倍の
直径を持つ内部安定体に接触膨張させ、次いでバブル直
径を細くし、その後所定のブローアップ比に膨張させる
ことが提案されている。しかしこの方法では内部安定体
の直径が環状ダイ口径に比べかなり大きく、内部安定体
の位置がエアーリング吹出し口よりも下流側に設けられ
ているため、冷却面での効果は大きいが、成形速度を増
大させエアーリングからの冷却媒体の吹き出し量が多く
なった場合、バブルと内部安定体間の摩擦抵抗が大きく
なり、バブルが内部安定体にひっかかり、フィルム成膜
性が非常に悪くなることが有る。
【0006】また、特開昭61−286117号公報に
は環状ダイ口径の1.0から1.19倍の直径を持つ第
1安定体に先ず接触膨張させ、次いでバブル直径を細く
し、その後第2、第3の安定体に接触させ所定のブロー
アップ比に膨張させることが提案されている。この方法
では第1安定体の直径が前者に比べ比較的小さいために
バブルとの間の摩擦抵抗は小さく、第1安定体の位置も
エアーリング吹出し口よりも上流側に設けられているの
で、成形速度を増大させエアーリングからの冷却媒体の
吹き出し量が多くなった場合でも、バブルの第1安定体
へのひっかかりは比較的少ない。この場合、エアーリン
グからの冷却風の主流は、バブルに沿ってインフレーシ
ョン成形工程の下流側へ流れ、本来の目的であるバブル
の冷却に使用される。しかしこの冷却風の一部は、バブ
ルに当たった後、逆の方向(環状ダイ側)に流れ、環状
ダイから押し出された直後のバブルを押し潰す働きをす
る。このために、やはり第1安定体へのバブルのひっか
かりが発生しやすい。またこの場合は、第1安定体の位
置がエアーリング吹出し口よりも上流側に設けられてい
るので、第1安定体とエアーリング吹出し口の隙間が非
常に狭いものとならざるを得ず、フィルムの立ち上げ時
にバブルを引き上げる操作が非常に困難になる。
【0007】 このようにこれまで種々の方法が提案さ
れているが、これらのいずれの成形方法でも成形安定
性、及び操作性の低下の問題を十分解決しうるものでは
ない。本発明の目的は、かかる問題点を鑑み、内部安定
体へのバブルのひっかかりを防止し、成形速度の高速化
を可能とする高い冷却効果を保持したまま、高品質の管
状フィルムをより容易な開始操作で製造し得る成形方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑
性樹脂をインフレーション成形するに際し、環状ダイと
該環状ダイから押し出されたバブルがバブル内圧によっ
て所定巾に膨張変形する際の膨張開始点(ネック)との
間の適所に該環状ダイと同軸に内部安定体を設置し、該
内部安定体の最大外径部と環状ダイ出口内周面との間の
部分を特定の形状にすることにより、上記問題を解決
し、冷却効果を維持したまま開始時の操作性を著しく向
上させることができた。
【0009】 即ち、本発明は、熱可塑性樹脂のインフ
レーション成形に於いて、膨張開始点と環状ダイとの間
に内部安定体を有し、該内部安定体の最大外径部と環状
ダイとに挟まれた部分が、環状ダイに向かって外径が漸
減し且つ環状ダイとの接触面の外径が環状ダイ口径より
も小さい形状を有し、膨張開始点が該内部安定体よりも
インフレーション成形における下流側に形成され、且つ
該内部安定体に接触することの無い条件で成形すること
を特徴とする管状フィルムの成形方法である。
【0010】本発明に係る内部安定体は、インフレーシ
ョン成形の開始操作を終わり定常成膜に移った後には、
その一部分は常にバブルと接触し成形安定性を向上させ
る機能を持つ部材である。しかしながら、この内部安定
体は膨張開始点におけるバブル内面に触れることのない
ように設置されていなければならない。係る内部安定体
の最大外径部は環状ダイ口径の1.01倍以上が好まし
く、さらに好ましくは1.01倍以上1.50倍未満で
ある。望ましくは1.10倍以上1.40倍以下であ
る。ここで言う内部安定体の最大外径部とは、内部安定
体を環状ダイ軸線に対して垂直方向に切断した場合の断
面形状が円形の場合はその直径の最大のものであり、多
角形の場合はその対角線の長さの最大のものである。ま
た、内部安定体に最大外径部が複数個存在する場合、或
いは最大外径部に環状ダイ軸線方向の長さが有る場合に
は、その中で最も環状ダイ側に位置する部分を言う。
【0011】本発明において、内部安定体の最大外径部
と環状ダイ出口内周面に挟まれた部分は、外径が環状ダ
イに向かって漸減し、且つ環状ダイとの接触面の外径が
環状ダイ口径よりも小さい形状を有していなければなら
ない。この部分はインフレーション成形の開始操作時
に、環状ダイから押し出されたバブルを引き上げ易い位
置まで導く案内装置の役割を果たす。
【0012】本発明に用いられる内部安定体は、1個以
上の載頭円錐体又は載頭多角錐体、円柱体又は多角柱体
等(以下単に載頭円錐体等と記す)を1種もしくは2種
以上組み合わせて成る形状を有する。また、通常円盤と
称される形状との組み合わせも好適に用いられる。
【0013】以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0014】尚、説明をわかりやすくするために、内部
安定体の最大外径部から環状ダイまでの間を内部安定体
a、膨張開始点側を内部安定体bと言う。単に内部安定
体と言う場合はこの両者を合わせた全体を指す。
【0015】 図1に本発明の成形方法に用いる成形装
置の一例の内部安定体a近傍の断面図を示した。図中1
は環状ダイ、3は内部安定体b、6は内部安定体a、9
は環状ダイ出口内周面、10が上記内部安定体3の最大
外径部、11a、11bは内部安定体a6の凸部であ
る。
【0016】本発明において環状ダイ出口内周面9と内
部安定体3の最大外径部10を両底面とする載頭円錐体
或いは載頭多角錐体の、頂点のなす角度Fは90°以内
であることが好ましい。さらに好ましくは60°以内、
望ましくは40°以内である。Fが90°よりも大きい
場合、成形開始時にバブルの引き上げが困難になる場合
が有り、成膜安定性も十分に改善されない恐れが有る。
【0017】さらに、本発明において、環状ダイ内側頂
点Oを通り、内部安定体a6の凸部11a或いは11b
に接する接線、即ち、図1においては凸部11bのLと
Oに接する接線Gと、環状ダイ軸線Kとのなす角度の内
最大のものRは45°以内であることが好ましい。さら
に好ましくは30°以内、望ましくは20°以内であ
る。Rが45°よりも大きい場合、成形開始時にバブル
の引き上げが困難になることが有り、成膜安定性も十分
に改善されない恐れが有る。
【0018】また、図1において、環状ダイ出口内側頂
点Oから内部安定体aの凸部11bのL、11aのMに
接しながら内部安定体3の最大外形を有し且つインフレ
ーション成型工程における最上流側端頂点Pに至る接線
Hに対して凹みを有する場合、その凹みの環状ダイ軸線
K方向の長さD1 〜D3、及び深さE1 〜E3 について
は、少なくともいずれか一方が30mm以下であること
が望ましい。両方が30mmを越える場合、成形開始時
のバブルの引き上げが困難になることが有り、成膜安定
性も十分に改善されない恐れが有る。ここで言う、凹み
部の深さEは接線Hから凹みの底部までの軸線Kに対し
て垂直方向の距離のうち、最大値で表す。
【0019】本発明においては、インフレーション成形
の開始操作時にバブルに接する内部安定体aの外径が、
内部安定体最大外径部から環状ダイに向かって漸減する
ような形状を有していなければならない。例えば、図1
に示した内部安定体a6において、バブルに接する部分
の外径はS1 >S2 と環状ダイに向かって小さくなって
いる。また、本発明においては、図2に示した、環状ダ
イ側に頂点を有する載頭錐体形の外径を有するものが好
ましく用いられる。内部安定体aにおいて、成形開始時
の操作性の上から、図2の如く、環状ダイと接する面の
外径S3 が環状ダイ口径Aよりも小さいことが必要であ
る。この場合、AとS3 との差は好ましくは2mm以
上、望ましくは10mm以上である。さらに、好ましい
内部安定体aの形状としては、図4に示すような、薄い
載頭錐体を非連続に組み合わせたものが挙げられる。
【0020】本発明に係る内部安定体aはさらに必要に
応じて角に面取りや局面加工(アール加工)を施しても
良い。また、一体成形されたものでも、複数の部材を組
み合わせて固定されたものでも構わない。
【0021】本発明に用いられる内部安定体aの素材
は、使用される温度で十分な剛性を有するものであれば
良く、プラスチック、金属、或いはそれらの複合物が望
ましい。またこれらの材料で加工成形されたものの表面
部分を、フェルト類、フッ素系樹脂、各種繊維織物類で
被覆して良い。
【0022】 本発明の成形方法により成形される熱可
塑性樹脂とはポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体、アクリ
ロニトリルとブタジエンとスチレンとの3元共重合体等
のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化
ビニリデン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポ
リアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂等が挙
げられ、これらの樹脂を1種類単独で、或いは2種類以
上を混合した組成物についても本発明の成形方法を用い
いて成形することができる。
【0023】中でも、ポリオレフィン系樹脂には好適に
使用できる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば高
密度ポリエチレン樹脂、高圧法低密度ポリエチレン樹
脂、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共
重合体、ポリプロピレン樹脂、エチレンと酢酸ビニルと
の共重合体等が挙げられる。エチレンと炭素数3〜12
のα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィンとして
は例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチルペンテン−1,1−オクテン、1
−デセンが挙げられる。
【0024】 本発明の成形方法は上記樹脂の内特にポ
リオレフィン系樹脂の成形に好適に用いられる。さらに
好ましいポリオレフィン系樹脂としては、密度(AST
M D 1505)0.930〜0.980g/cm3
の中高密度ポリエチレン樹脂、密度(ASTM D 1
505)0.860〜0.930g/cm3 の高圧法低
密度ポリエチレン樹脂、密度(ASTM D 150
5)0.860〜0.930g/cm3 のエチレンと炭
素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である線状
低密度ポリエチレン樹脂、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体である。最も好ましくはメルトフローレート(A
STM D 1238)0.01g/10min.〜
0.2g/10min.の中高密度ポリエチレン樹脂で
ある。
【0025】 次に、図面に従って、本発明の実施態様
を具体的に説明する。図3は本発明の成形方法による
ンフレーション成形の一例を示す断面図であり、図2に
示した載頭錐体形の内部安定体aを使用したものであ
る。また、図5は、従来の成形方法における成形装置を
使用した例を示す断面図である。
【0026】図3において、2はエアーリング、4はバ
ブル、7は膨張開始点、5は固化点である。図3におい
て、不図示の押し出し機に連結された直径Aの口径を有
する環状ダイ1より押し出されたバブル4の先端部分
は、環状ダイ1より押し出される力によって進み、内部
安定体a6に沿って誘導され内部安定体b3の大きさま
で膨張しようとする。内部安定体b3の近傍まで達した
バブル4の内部に気体を注入しながらさらに膨張させ冷
却固化後、不図示のニップロールを経由し不図示の巻き
取り機まで通し、インフレーションフィルムの成形開始
操作を完了する。また、通常成膜時には、内部安定体b
3の上流側は内部安定体a6のために、内部安定体b3
にバブル4が引っかかることが少なくなり、成膜安定性
が改善される。
【0027】従来の成形装置の場合、図5に示す通り、
本発明において内部安定体a6が設置されるべき位置に
は、従来法の内部安定体12を設置するための支柱8が
配置されるのみである。従って、環状ダイ1より押し出
されたバブル4の先端部分は、環状ダイ1より押し出さ
れる力によって進み、内部安定体12の環状ダイ側面に
つき当たってしまい、この位置で停滞し、塊状になって
しまったり、内部安定体12に融着してしまうことも有
る。このような状態を脱するために作業者の熟練にのみ
頼り、バブル4の引き上げを行おうとすると上述のよう
に内部安定体12とエアーリング2の間隔が狭いため、
作業者の熟練度が高いとしても非常に困難な作業とな
る。このような状態でフィルム成形ができたとしても、
内部安定体12へのバブル4の引っかかり易さは変わら
ず、成膜安定性は改善されない。
【0028】この内部安定体12とエアーリング2の間
隔を広げようとして、内部安定体12の直径を小さくす
ると、内部安定体12にバブル4が接触しなくなり、バ
ブルの安定性改善の効果がなくなる。また、エアーリン
グ2の直径を大きくしてもこの間隔を広くすることがで
きるが、この場合はエアーリング2から吹き出される冷
却媒体の流れが拡散することになり、冷却効率という面
で好ましくない。さらに、内部安定体12の位置を下流
側に移す、或いはエアーリング2の位置を上流側に移す
という方法を取った場合は、どちらの方法でもエアーリ
ング2から吹き出された冷却媒体の流芯が、内部安定体
12の最大外径部よりも上流側に当たる方向であり、バ
ブル4が内部安定体12に、ますます引っかかり易くな
り、成膜安定性が非常に悪くなることが有る。
【0029】本発明において外部冷却用エアーリング2
から吹き出された冷却媒体の流芯は、内部安定体の最大
外径を有し且つインフレーション成形工程における最上
流側端よりもインフレーション成型工程における下流側
に当たるようにすることが望ましい。この位置が該内部
安定体の最大外径を有し且つインフレーション成形工程
における最上流側端よりもさらに上流側になると、成形
速度を増大させエアーリングからの冷却媒体の吹き出し
量が多くなった場合、バブルとの間の摩擦抵抗が大きく
なり、バブルが安定体に引っかかりフィルム成膜性が非
常に悪くなることが有る。
【0030】本発明は、バブル4の膨張開始点7付近に
バブル内面を接触させて使用される第2の内部安定体
(不図示)を組み合わせて使うこともできる。
【0031】本発明において、膨張開始点7は、インフ
レーション成形を行う場合、熱可塑性溶融樹脂を環状ダ
イから押し出し管状フィルムを成形する際に、最終的に
目的のブローアップ比に膨張固化する位置5の直前の膨
張を始める位置を指す。
【0032】また、膨張変形とは、前記膨張開始点から
始まるバブルの膨張拡大変形を指す。
【0033】本発明において使用されるエアーリング
は、バブルを囲むように環状ダイと同軸に配置された環
状スリットから冷却媒体を吹き出させる方式のものであ
れば、環状スリットは1個であっても良いし複数個を環
状ダイと同軸に配置したものであっても良い。さらに、
エアーリングからの外部冷却方式と組み合わすのみでな
く、外部冷却方式と内部冷却方式との併用の装置と組み
合わせることもできる。
【0034】本発明において、インフレーション成型工
程上流側とは、熱可塑性樹脂が環状ダイから管状に押し
出され、膨張変形を受けた後、冷却固化されて管状フィ
ルムとなり、案内板を経て、ピンチロールで引き取られ
るインフレーション成形工程において、成形工程ライン
の流れの内、環状ダイ側を指し、インフレーション成形
工程下流側とはピンチロール側を指す。また、単に上流
側、下流側とした場合、特に断らない限りインフレーシ
ョン成形工程上流側、インフレーション成形下流側を示
すものである。
【0035】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。図4に本実施例に使用した内部安定体a
の断面形状を示す。
【0036】実施例1、2 シリンダー口径70mmの押し出し機に口径100m
m、ギャップ1.2mmの環状ダイを接続し、このダイ
と同軸に環状ダイ出口から内部安定体bの下面までの距
離100mmの位置に直径130mm、高さ50mmの
円柱形の内部安定体bを設置した。この内部安定体bと
環状ダイの間に、両底辺の直径が各々130mmと90
mmで高さ100mmの載頭円錐体の外形を有する内部
安定体aを環状ダイと同軸に、直径90mmの底辺が環
状ダイ側になるように設置した。膨張開始点付近に内部
安定体の最大外径よりも小さな最大外径を有する第2の
内部安定体を設置し、バブル内面を接触させた。エアー
リングは1個で冷却媒体の吹き出し口として1個の環状
スリットを備えたものを使用した。冷却風の流芯が内部
安定体下端面よりも上側に当たるように設置し、原料樹
脂として、MI:0.06g/10min.、密度:
0.954g/ccの高密度ポリエチレンを用い、表1
の成形条件で折巾300mm、厚さ15μmの上吹きイ
ンフレーションフィルムの成膜を試みた。評価結果を表
1に示す。
【0037】実施例3 内部安定体bの取り付け位置を、環状ダイ出口から内部
安定体bの下面までの距離50mm位置とし、それに伴
い内部安定体aの形状を、両底辺の直径を各々130m
m、90mm、高さを50mmとした以外は実施例1と
同様に成膜を試みた。
【0038】実施例4、5 内部安定体aの形状を、図4に示すものとした以外は実
施例1、2と同様に成膜を試みた。
【0039】比較例1 内部安定体を使わないこと以外は実施例1と同様に成膜
を試みた。
【0040】比較例2〜4 内部安定体aを使わないこと以外は実施例1〜3と同様
に成膜を試みた。
【0041】各実施例、比較例の条件及び評価結果を表
1及び表2に示す。尚、評価の基準は次の通りである。
【0042】*1フィルム成形開始時の操作性 ◎:バブルを補助具を使わずに一人で引き上げることが
できた。 ○:バブルが内部安定体に当たって塊になり易いが、へ
ら等の補助具を使えば一人で簡単に引き上げることがで
きた。 △:バブルが内部安定体に当たって塊になり易く、へら
等の補助具を使っても一人では引き上げ作業が中断する
ことが有った。 ×:バブルが内部安定体に当たって塊になり、一人では
引き上げ作業ができなかった。
【0043】*2バブルの内部安定体への引っかかり ◎:ほとんど引っかからない ○:引っかかりが少し発生しバブルがに揺れることが有
ったが、製品としては問題のないものが得られた。 △:引っかかりが発生しバブルがに揺れ、製品として使
えないものしか得られなかった。 ×:完全に引っかかってしまいフィルムが切れてしまっ
た。
【0044】*3バブルの揺れ ◎:ほとんど揺れない。 ○:揺れが発生したが、製品として問題のないものが得
られた。 △:揺れが発生し、製品として使えないものしか得られ
なかった。 ×:引っかかりでフィルムが切れ、確認できなかった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】 本発明の成形方法によりインフレーシ
ョン成形を行なうと、操作性を損なうことなく成形安定
性を向上することができ、成形速度の高速化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形方法に用いる成形装置の一例の
要部の断面図である。
【図2】 図1とは異なる成形装置の一例の要部の断面
図である。
【図3】 本発明の成形方法によるインフレーション成
形の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に用いた内部安定体aの断面図
である。
【図5】従来の成形装置を用いたインフレーション成形
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 環状ダイ 2 エアーリング 3 内部安定体b 4 バブル 5 固化点 6 内部安定体a 7 膨張開始点 8 支柱 9 環状ダイ出口内周面 10 環状ダイ側面 11a、11b 支持体 12 従来法の内部安定体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−239932(JP,A) 特開 昭54−46266(JP,A) 特開 昭62−48528(JP,A) 特公 昭59−5408(JP,B2) 特公 昭59−13967(JP,B2) 特公 昭61−33695(JP,B2) 特公 平1−18851(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 55/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂のインフレーション成形に
    於いて、膨張開始点と環状ダイとの間に内部安定体を有
    し、該内部安定体の最大外径部と環状ダイとに挟まれた
    部分が、環状ダイに向かって外径が漸減し且つ環状ダイ
    との接触面の外径が環状ダイ口径よりも小さい形状を有
    し、膨張開始点が該内部安定体よりもインフレーション
    成形における下流側に形成され、且つ該内部安定体に接
    触することの無い条件で成形することを特徴とする管状
    フィルムの成形方法
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