JP2923807B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
コードを補強繊維コードとするベルト層とスチールコー
ドを補強繊維コードとするベルト層との少なくとも2層
のベルト層を有する空気入りラジアルタイヤに関する。
いる "ケブラー" に代表される芳香族ポリアミド繊維コ
ード (以下、アラミド繊維コードという) は、従来のタ
イヤ用の補強繊維コードに比較して著しく高強度、高弾
性率である。したがって、このアラミド繊維コードを使
用することにより、タイヤの性能をよりいっそう高性能
にする可能性があるとして大きく注目され、多くの提案
がなされている。
は、優れたタイヤ補強用としての物性を有するにもかか
わらず、従来のタイヤ用繊維コードに比較してゴムとの
接着性が十分でないことから、その優れた物性をタイヤ
に十分に反映させることが難しかった。たとえばアラミ
ド繊維コードは、吸湿時におけるゴムとの接着性、すな
わち耐水接着性が十分でないから、タイヤトレッド側の
ベルト層に使用したときにセパレーションを生じ易いた
め、繊維特性上、トレッド側ベルト層の補強用として有
用であるにもかかわらず、実用上の要求性能を満足して
いないのが現状である。
チールコードなどの他種コードと併用され、より高度の
タイヤ性能を発揮するように設計されるが、この場合に
他種コードに対して良好な接着性を有するコートゴム
(被覆ゴム) が同時に、アラミド繊維コードに対しても
良好な接着性またはタイヤとしてのゴム性能を有するわ
けではない。それ故に、タイヤの補強用コードとして、
たとえばアラミド繊維コードとスチールコード等とを併
用する場合に、同一組成のコートゴムが使用されること
はなく、それぞれのコードに対して良好な接着性を有す
る2種以上のコートゴムが、通常使用される。
のコートゴムをたとえばベルト層のコートゴムとして使
用した場合に、コートゴム間の物性差 (モジュラス等)
がセパレーションなどのトラブルの原因となるという問
題があった。さらに、組成の相違する2種またはそれ以
上のゴム組成物を取り扱うことは、タイヤ生産の作業性
や生産性並びにタイヤ品質の上でも好ましいことではな
かった。
ールコードとをそれぞれ補強コードとする少なくとも2
層のベルト層のコートゴムとして、両者のいずれに対し
ても良好な接着性を示し、前記2種のコードのコートゴ
ムとして、1種類の同一ゴム組成物を使用したラジアル
タイヤについて鋭意検討を行い、本発明を見出したもの
である。
ミド繊維コードに対してのみならず、スチールコードに
対しても同様の優れた接着性、耐水性を有するゴム組成
物を両者のコートゴムとして適用することによりアラミ
ド繊維コードの優れた繊維物性をタイヤ性能により有効
に反映させると共に、アラミド繊維コードからなるベル
ト層のセパレーションの発生を防止し、さらにタイヤ生
産性を向上させた空気入りラジアルタイヤ(以下、単に
タイヤという) を提供することである。
ルタイヤは、芳香族ポリアミド繊維コードからなるベル
ト層とスチールコードからなるベルト層との少なくとも
2層のベルト層を有するタイヤであって、これらのベル
ト層のコートゴムとして、原料ゴム100重量部に対し
ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分
縮合物を1.0〜5重量部、クレゾール樹脂を0.5〜5重
量部、イオウを4〜7重量部、および有機酸コバルト塩
をコバルト元素として0.1〜0.8重量部配合したゴム組
成物を使用したことを特徴とする。
しく説明する。図1は、本発明のタイヤの一例の半断面
斜視説明図である。図1において、トレッド1に接する
外側ベルト層2をアラミド繊維コード、内側ベルト層3
をスチールコードで構成し、これらのベルト層のコード
を被覆するコートゴムには特定組成のゴム組成物が使用
される。なお、図1において、4はカーカス層、5はラ
イナー層、EE′はタイヤ周方向である。
れぞれ、本発明におけるアラミド繊維コードからなるベ
ルト層とスチールコードからなるベルト層との積層構造
の一例を示す模式断面説明図であり、これらの図におい
て、外側ベルト層2にはアラミド繊維コードを使用し、
内側ベルト層3にはスチールコードを使用するのが好ま
しい。
て使用するゴム組成物は、原料ゴム100重量部に対し
ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分
縮合物を1.0〜5重量部、クレゾール樹脂を0.5〜5重
量部、イオウを4〜7重量部、および有機酸コバルト塩
をコバルト元素として0.1〜0.8重量部配合してなる。
R) 、ポリブタジエンゴム (BR) 、ブチルゴム、アク
リロニトリル・ブタジエン共重合ゴム (NBR) 、スチ
レン・ブタジエン共重合ゴム (SBR) およびそれらの
混合物などを挙げることができる。好ましくは天然ゴム
またはポリイソプレンゴムを50%以上含有するものを
原料ゴムとして使用するとよい。
ルエーテルの部分縮合物。 ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部分
縮合物とは、下記式を有する化合物である。
ーテルの部分縮合物としては、一般の市販品を用いるこ
とができる。例えば、住友化学社製のスミカノール50
7 (ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの
部分縮合物50%含有) がある。なお、他のポリメトキ
シメチルメラミン、例えば、ヘキサメトキシメチルメラ
ミンを用いても本発明の目的を達成することはできな
い。
ーテルの部分縮合物の使用量は、上記原料ゴム100重
量部に対し、1.0〜5重量部である。1.0重量部未満で
は硬度向上の効果が不十分となり、一方、5重量部を超
えると破断特性の低下がみられる。 クレゾール樹脂。
ては、主としてメタクレゾール樹脂が用いられる。その
使用量は、上記原料ゴム100重量部に対し、0.5〜5
重量部である。0.5重量部未満では、硬度向上の効果が
少ない。5重量部を超えると破断特性の低下、加硫ゴム
の発熱性が高くなり、好ましくない。 イオウ。
量部に対し、4〜7重量部である。4重量部未満では添
加効果が少なく、また、7重量部を超えると未加硫ゴム
表面にイオウがブルームして加工上の障害となるからで
ある。 有機酸コバルト塩。 例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、
オクチル酸コバルト、オレイン酸コバルトなどの炭素数
5〜20の直鎖状もしくは分岐のモノカルボン酸等のコ
バルト塩、ホウ酸−有機酸コバルトコンプレックス (例
えば、マンケム社製の "マノボンド680C") 等であ
る。
素として上記原料ゴム100重量部に対し0.1〜0.8重
量部である。0.1重量部未満では少なすぎることにな
り、一方、0.8重量部を超えても配合効果の向上はみら
れない。 上記のゴム組成物は、上記原料ゴムに対し、これら
のヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部
分縮合物、クレゾール樹脂、イオウ、および有機酸コバ
ルト塩を配合してなるものであるが、必要に応じて他の
配合剤、例えば、カーボンブラック、加硫促進剤等を適
宜配合してもよい。
の場合、外側ベルト層2を1500 D/2のアラミド繊維
コードで構成し、内側ベルト層3をスチールコードで構
成した。なお、外側ベルト層2のコードを内側ベルト層
3のコードに対しバイアスに積層させた。これらのベル
ト層のコートゴムとしては、表1に示す配合内容 (重量
部) のゴム組成物を使用した。このゴム組成物の加硫後
の抗張力、破断伸びはJIS 3号ダンベルを打ち抜きJIS-
K-6301に準拠して測定し、硬度はJIS Aで測定した。
び耐セパレーション性ドラム試験を行った。この結果を
表1に示す。加硫後耐水接着性試験 : コートゴムで被覆した1500 D/2のアラミド繊維コー
ドを、コートゴムで被覆したスチールコードにバイアス
にプライして積層体となし、これを160℃で20分間
加硫してテストサンプルを作成し、水 (常温) 中に2日
間浸漬した後の剥離力 (kg/インチ) 、コードへのゴム
付(耐水接着性) を測定した。
大きいほどゴム付良) 。耐セパレーション性ドラム試験 : 上記タイヤについて、ドラム上を速度60km/h、スリ
ップアングル±3°、キャンバー角2°、荷重127%
(JATMA規格) 、空気圧1.2kg/cm2 にて6000km走行
させ、その後、タイヤを解体し、ベルト層の端部のセパ
レーション量を測定し、比較例1を基準として指数表示
した。数値が小さい方が良好である。
はベルト層の端部でのセパレーションの防止がはかれる
から、ベルト部耐久性を向上させることが可能となる。
ラミド繊維コードとスチールベルトコードとから構成さ
れ、しかも両ベルト層のコートゴムが同一であるため
に、ベルト層間に物性差を生じないから、ベルト層間の
セパレーション防止に有効であり、また、モジュラスな
どのタイヤの物性の均一性が改良される。しかもスチー
ルコードとアラミド繊維コードの双方に対して優れた接
着性を有するのみならず、アラミド繊維コードに対し
て、優れた耐水接着性を有するから、タイヤトレッド面
側のベルト層、すなわち外側ベルト層として、アラミド
繊維コードからなるベルト層を使用した場合の吸湿に起
因するセパレーションを有効に防止し、タイヤの耐久性
を大きく向上させることができる。さらに、両ベルト層
のコートゴムが同一であるために、従来におけるように
2種以上のコートゴムを使用しなくともよいから、タイ
ヤ生産性の向上をはかることが可能となる。
る。
ルト層とスチールコードからなるベルト層との積層構造
の一例を示す模式断面説明図である。
ルト層とスチールコードからなるベルト層との積層構造
の一例を示す模式断面説明図である。
ルト層とスチールコードからなるベルト層との積層構造
の一例を示す模式断面説明図である。
ルト層とスチールコードからなるベルト層との積層構造
の一例を示す模式断面説明図である。
層、 4 カーカス層
Claims (2)
- 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維コードからなるベ
ルト層とスチールコードからなるベルト層との少なくと
も2層のベルト層を有するタイヤであって、これらのベ
ルト層のコートゴムとして、原料ゴム100重量部に対
しヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテルの部
分縮合物を1.0〜5重量部、クレゾール樹脂を0.5〜5
重量部、イオウを4〜7重量部、および有機酸コバルト
塩をコバルト元素として0.1〜0.8重量部配合したゴム
組成物を使用した空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項2】 外側ベルト層が芳香族ポリアミド繊維コ
ードから構成され、内側ベルト層がスチールコードから
構成された請求項1の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2405631A JP2923807B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2405631A JP2923807B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04221205A JPH04221205A (ja) | 1992-08-11 |
JP2923807B2 true JP2923807B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=18515245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2405631A Expired - Lifetime JP2923807B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2923807B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3341785B2 (ja) * | 1993-10-06 | 2002-11-05 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム組成物 |
JPH10193916A (ja) * | 1997-01-10 | 1998-07-28 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りラジアルタイヤ |
US8336593B2 (en) * | 2006-12-27 | 2012-12-25 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire |
-
1990
- 1990-12-25 JP JP2405631A patent/JP2923807B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04221205A (ja) | 1992-08-11 |
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