JP2923499B2 - 耐候性ポリアミドの製造方法および耐候性ポリアミドおよびその使用方法 - Google Patents

耐候性ポリアミドの製造方法および耐候性ポリアミドおよびその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は請求項に記載の主題
に関するものである。特に本発明は、後に詳しく記載す
る成分II、III 、IVおよびV の存在下で、ポリアミド形
成モノマー(I) を重合または縮重合することによって、
ポリアミドを製造する方法に関する。また、本発明は、
ポリアミド成分II、III 、IVおよびV がアミド結合を介
して高分子鎖に結合している成分I 、II、III 、IVおよ
びV から得られる耐候性ポリアミドに関する。さらに本
発明は、射出成形部品、押出成形部品、糸、繊維、箔、
熱溶融性粉体、熱溶融性繊維の製造におけるこれらのポ
リアミドの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドの耐候性、すなわち、酸素お
よび湿度の存在下で紫外線および高温に同時または交互
にさらされる場合の耐紫外線性および耐高温性は、さま
ざまな用途について不十分である。この問題は、いわゆ
る全芳香族ポリアミド(例えば「ケブラー」、商標名)
を除いて、事実上、公知のすべてのポリアミド、PA-6、
PA-66 、PA-12 、PA-11 、PA-69 、PA-6.10 などのホモ
ポリアミド、また、任意の脂肪族モノマーの組み合わせ
によって得られるコポリアミドにあてはまる。また、耐
候性が不十分であると、部分的に結晶質または非晶質
で、かつ、芳香族ジカルボン酸と、脂肪族および/また
は脂環族ジアミンまたはその塩から、あるいは可能な他
のポリアミド形成モノマーから誘導された部分的芳香族
のポリアミドに悪影響が及ぶ。
【0003】従来、ポリアミドの重合または縮重合に
は、アミン、モノカルボン酸またはジカルボン酸が連鎖
停止剤(chain terminators) として長年使用されてき
た。例えば、ポリアミドの重合または縮重合には、通
常、酢酸、安息香酸、またはアジピン酸のようなカルボ
ン酸が使用されている。また、例えばポリアミドと、カ
ルボキシル官能またはカルボン酸無水物官能ポリマーと
の接着力を強化するのに、他の脂肪族または脂環族ジア
ミンが使用される場合もある。アミン連鎖停止反応は、
PA-6またはPA-12 と無水官能ポリ(2,6- ジメチルフェニ
ルオキサイド) とのブレンドなどの高分子混合物、また
は、多層管または多層箔などの高分子化合物(複合物)
に効果的に用いられる。連鎖停止剤のタイプおよび使用
量を調整することによってさらに高い効果を得ることも
可能である。連鎖停止剤のタイプおよび使用量を調整す
ることは、単に重合または縮重合中に反応速度を調整し
たり、反応速度の調整によって得られる特定のポリアミ
ドの分子量や重合度を調節するよりも、はるかに影響力
が大きい。
【0004】Angewandte Makromolekulare Chemie 34
(1973年) 、135 〜152 頁および153〜163 頁には、ラウ
リンラクタムの加水分解重合の結果、PA-12 の分子量分
布M W /MN は、連鎖停止剤の機能および量と、重合率
とに依存することがわかったと記載されている。この文
献はとりわけ、単官能停止または無調整のPA-12 の場合
よりも、アジピン酸などの2官能連鎖停止剤を使用する
方が、実際はすべての連鎖停止剤の濃度および重合率に
も関連するが、重合度分布がより狭くなると記載してい
る。これらの知見は、少なくとも質的にPA-6のような他
のポリアミドにもあてはまると思われる。この研究結果
は実用上非常に価値がある。なぜなら、ポリアミドの製
造安定性がその分子量分布に影響されることは公知だか
らである。経験によると、特にPA-6およびPA-66 などの
ポリアミドを紡績する場合、良好な紡績能力(紡績速度
および紡績安全性)および繊維特性(強度および均一
性)を得るには比較的狭い分子量分布が有利である。
【0005】上述の「典型的な」連鎖移動剤(安息香
酸、酢酸、アジピン酸)の他にも、連鎖停止剤として機
能する物質がある。これらの物質は特別な分子構造を有
しているため、ポリアミドの熱安定性および、該当する
場合は、光安定性を向上させるのに適している。これら
の物質の例としては、1つまたは2つのかさ高いアルキ
ル基によってフェノール性OH基が立体的にシールドさ
れていて、しかも、カルボキシル官能基化およびエステ
ル官能基化またはアミン官能基化された立体障害のある
フェノールがあり、具体的には、3,5-ジ-t- ブチル-4-
ヒドロキシ安息香酸、3-(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロ
キシフェニル)-プロピオン酸または3-(3,5- ジ-t- ブチ
ル-4- ヒドロキシフェニル)-1-アミノプロパン等があ
る。その他にも、これらの物質の例としては、ピペリジ
ン環のN原子が置換されていてもよい4-アミノ-2,2,6,6
- テトラアルキルピペリジン、例えば、通称トリアセト
ンジアミンと呼ばれる4-アミノ-2,2,6,6- テトラメチル
ピペリジン、または1位にC1−C18アルキル基または
ベンジル基を有する4-アミノ-1- アルキル-2,2,6,6- テ
トラメチルピペリジンがある。
【0006】連鎖制御または連鎖停止反応に、上述の構
造を有する立体障害のあるフェノールを併用すること
は、フランス特許第1,558,350 号、ドイツ公開公報第2,
237,849 号(DE-OS 2,237,849) および日本特許第4,159,
327 号に記載されている。フランス特許第1,558,350 号
では、立体障害のあるフェノールと5価リン化合物とを
組み合わせている。このフランス特許は、実施例からわ
かるように、熱酸化応力を受けた状態でもポリアミド繊
維が熱安定性を有し、またアニオン性に染色された繊維
が良好な染色堅牢度を有することを主な目的としてい
る。このフランス特許は、冒頭で光による分解反応に対
する抵抗性についても記載しているが、光によって引き
起こされるポリアミドの酸化分解に対して個々の安定剤
を組み合わせることで得られる効果や、PA-66 のみを使
用して得られる効果については、実験に基づいた記載は
ない。ポリアミドの熱および色安定性を試験するために
は、染色したPA-66 繊維を短時間高温にさらし、その結
果生じたアミノ末端基の濃度低下および色の強度の低下
度合いを測定する。
【0007】ドイツ特許第1,919,021 号は、ラウリンラ
クタムの加水分解重合に、特殊なフェノール酸や、リン
酸および/または亜リン酸を使用することを記載してい
る。ドイツ特許第1,919,021 号は、ポリラウリンラクタ
ムの耐熱性、耐光性および耐酸素性の改善に関する。安
定剤として使用されるフェノールカルボン酸は、明らか
にポリアミド鎖の末端において縮合される。
【0008】ドイツ公開公報第2,237,849 号(DE-OS 2,2
37,849) では、3,5-ジアルキル-4-ヒドロキシフェニル
カルボン酸を使用してポリアミド組成物の熱および酸化
安定性を改善する。アミン塩は、縮重合前、縮重合中お
よび縮重合後にポリアミドに導入される。従って、これ
らのアミン塩は、添加されると、縮重合前または縮重合
中(またはラクタムがモノマーとして使用される場合
は、重合前または重合中)に、連鎖停止剤として作用す
ると仮定できる。オーブン老化試験中、安定化ポリアミ
ドの所定の粘度および耐変色性がどの程度保持されてい
るかによって、使用したアミン塩の効果を測定する。
【0009】日本特許第4,159,327 号には、例えば3,5-
ジ-t-4- ヒドロキシ安息香酸などの存在下でラウリンラ
クタムから加水分解重合されたポリアミド-12 が記載さ
れている。このポリアミド-12 は、耐油性および耐「サ
ワーガソリン(sour-gasoline) 」性がより良好な点にお
いて、末変性のPA-12 と異なる。また、立体障害のある
フェノール酸が連鎖停止剤として作用し、対応する末端
基の形状で高分子鎖と結合する。
【0010】ヨーロッパ公開公報第008431 A2 号は、低
分子量と高分子量のポリアルキルピペリジンの相乗混合
物(synergistic mixture) に関する。これらの混合物は
相乗効果を有し、さまざまなプラスチックに添加可能で
あり、特に溶融物と混合可能である。これらの混合プロ
セスは数分(約1〜3分)で終了し、溶融物中のピペリ
ジン誘導体の滞留時間もそれに応じて短いため、大部分
は物理的混合物が含有されているものと思われる。
【0011】ドイツ公開公報第44 13 177 号(DE-OS 44
13 177) および第44 29 089 号(DE-OS 44 29 089) の主
題は、ピペリジン環のN 原子が置換可能な4-アミノ-2,
2,6,6- テトラアルキルピペリジンである。これらの特
許はさらに、「本質的に熱安定性のポリアミド」におい
て熱安定剤および連鎖停止剤が果たす2つの作用を記載
しており、安定化方法は、任意の脂肪族および部分的に
芳香族のポリアミドまたはコポリアミドに適用可能と思
われる。しかしながら、実際に例示されているのは、紡
績に使用される安定化ポリアミド-6タイプである。
【0012】ヨーロッパ特許第345,648 号(出願人Ems-
Inventa 社)は、枝分れした熱可塑的に加工可能なポリ
アミドに関する。このポリアミドは、ω- アミノカルボ
ン酸および/またはラクタムの加水分解連合によって得
られる。その結果、1つ以上の分岐を有する高分子の量
は少なくとも50重量%となる。この値は、分岐作用を
有するポリカルボン酸およびポリアミンタイプの成分
を、厳密に定義されたモル比でベースモノマーの溶融物
に添加することによって得ることができる。これらのポ
リアミドは、良質で再現性が良好に比較的長時間にわた
る回分プロセスによって製造することが可能であり、得
られたポリアミドは流動抵抗が高い。
【0013】ヨーロッパ特許第0,345,648 号にも、4-ア
ミノ-2,2,6,6- テトラアルキルピペリジンをベースモノ
マーの溶融物に混合することによって、高分子鎖の末端
に導入できることが記載されている。ヨーロッパ特許第
0,345,648 号によると、4-アミノ-2,2,6,6- テトラアル
キルピペリジンは特に好ましく使用されている。
【0014】これらすべての先行技術に記載のポリアミ
ドの熱安定化方法およびその方法により得られる熱安定
化ポリアミドによると、安定化作用を有する成分をポリ
マーの製造前または製造中に添加することによって、安
定剤を添加する必要がなく、すでに加工準備の整った生
成物を得ることができるため、明らかに有利である。さ
らに、安定剤の分子基と高分子鎖とが結合しているた
め、移行、蒸発、または抽出によって安定剤が損失する
ことがない。このため、ポリアミドの製造中、加工中お
よび使用中において、安定剤の効果が最大限に発揮され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、耐候性、すな
わち、紫外線、高温および湿度に対する高い抵抗力を同
時にまたは経時的に有して、しかも利用可能なポリアミ
ドを製造しようとするときに、安定剤の分子と鎖末端と
の永久的な結合は問題である。屋外で使用される場合、
ポリアミドは光酸化分解および熱酸化分解を起こすが、
ポリアミドのこのようなポリマーの損傷を長期間にわた
って最小限に押さえるためには、比較的大量の安定剤を
添加しなければならない。この場合に上述のようなポリ
マー結合安定剤を使用すると、必然的に連鎖停止反応も
増加することとなり、連鎖停止反応の増加に伴って、ポ
リアミドの重合および/または縮重合で達する分子量が
減少し、これと同時に粘度も低下する。このため、従来
のポリマー結合安定剤を使用するには限界があり、上述
の安定剤では、ポリアミドに必要とされる分子特性、分
子量や末端基のバランスおよび耐候性を満足することは
できない。例えば、ポリアミドの粘度が平均以上に設定
されている場合、要求されている耐候性が達成できない
ような量に安定剤の使用量を制限しなければならないこ
ととなり、適用範囲が限定される。
【0016】従って、上述の発明では耐候性ポリアミド
およびその製造方法を得るには問題がある。ポリマー結
合安定化システムを開発する必要がある。これにより、
同じ使用量で、同等以上の効果の得られる安定剤を開発
し、またポリアミドの耐候性および分子特性も改善され
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この問題は、請求項1お
よび請求項2による方法、また請求項12および請求項
13によるポリアミドを請求項15による使用方法によ
って使用することによって、解決される。
【0018】この問題は、驚くべきことにひとつの実施
形態に従って、重合または縮重合を行う前または重合ま
たは縮重合中に、4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキルピ
ペリジン(II)と、下記式で表される4位にOH基を有す
る2,6-ジアルキルフェノール(IV)を添加することによっ
て解決される。
【0019】
【化7】
【0020】(R1 およびR2 は炭素数1から6の同一
または異なっていてもよいアルキル基で、R3 は水素原
子かまたはメチル基である。官能基Aは、フリーのカル
ボキシル基か、C1 〜C4 のアルコールとのエステル
か、第1級アミノ基である。第1級アミノ基の場合、x
およびyの値は、xが2でyが1、xが2でyが0、x
が1でyが0およびxが0でyが1という組み合わせが
可能である。また、フリーのカルボキシル基またはエス
テル化されたカルボキシル基の場合、これに加えてxお
よびyがともに0である組み合わせがさらに可能であ
る。)
【0021】また、安定剤成分IIおよびIVに加えて、第
1級および第3級のアミノ基を有する脂肪族または脂環
族ジアミン(III) を添加することもできる。
【0022】従って本発明は、ポリアミドの製造方法に
関する。該方法において、ポリアミド形成モノマー(I)
の重合または縮重合は、0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-
2,2,6,6- テトラアルキルピペリジン(II)、0 〜0.5 重
量%の第1級および第3級アミノ基を有する脂肪族また
は脂環族ジアミン(III) および0.02〜0.7 重量%の下記
式で表される4位にOH基を有する2,6-ジアルキルフェ
ノール(IV)、
【0023】
【化8】
【0024】(R1 およびR2 は炭素数1から6の同一
または異なっていてもよいアルキル基で、R3 は水素原
子かまたはメチル基である。官能基Aは、フリーのカル
ボキシル基か、C1 〜C4 のアルコールとのエステル
か、第1級アミノ基である。第1級アミノ基の場合、x
およびyの値は、xが2でyが1、xが2でyが0、x
が1でyが0およびxが0でyが1という組み合わせが
可能である。また、フリーのカルボキシル基またはエス
テル化されたカルボキシル基の場合、これに加えてxお
よびyがともに0である組み合わせがさらに可能であ
る。)の存在下で行われる。
【0025】また、成分I 〜IVは総量が100 重量%とな
るように互いに補足しあっている。成分II、III および
IVの合計は0.05〜1.3 重量%であり、成分II、III およ
びIVはアミド結合を介して高分子鎖に結合している。
【0026】他の実施態様によると、本発明は、ラクタ
ムおよびω- アミノカルボン酸から得られる耐候性ポリ
アミドの製造方法に関する。該方法において、ポリアミ
ド形成モノマー(I) の縮重合は、0.02〜0.7 重量%の4-
アミノ-2,2,6,6- テトラアルキルピペリジン(II)、0 〜
0.5 重量%の第1級および第3級アミノ基を有する脂肪
族または脂環族ジアミン(III) 、必要により、0.02〜0.
7 重量%の下記式で表される4位にOH基を有する2,6-
ジアルキルフェノール(IV)、
【0027】
【化9】
【0028】(R1 およびR2 は炭素数1から6の同一
または異なっていてもよいアルキル基で、R3 は水素原
子かまたはメチル基である。官能基Aは、フリーのカル
ボキシル基か、C1 〜C4 のアルコールとのエステル
か、第1級アミノ基である。第1級アミノ基の場合、x
およびyの値は、xが2でyが1、xが2でyが0、x
が1でyが0およびxが0でyが1という組み合わせが
可能である。また、フリーのカルボキシル基またはエス
テル化されたカルボキシル基の場合、これに加えてxお
よびyがともに0である組み合わせがさらに可能であ
る。)および、0.1 〜1.2 重量%のトリカルボン酸、テ
トラカルボン酸、またはポリカルボン酸(V) 、の存在下
で行われる。
【0029】また、成分I 〜V は総量が100 重量%とな
るように互いに補足しあっている。成分II、III 、IVお
よびV の合計は0.2 〜2.5 重量%であり、成分II、III
、IVおよびV はアミド結合を介して高分子鎖に結合し
ている。本発明の好適な実施態様は、従属請求項2〜1
5に記載のとおりである。
【0030】また本発明による耐候性ポリアミドは実質
的に、特定のポリアミド形成モノマー(I) 、0.02〜0.7
重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキルピペリジン
(II)(4-アミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジンが好
ましい)、0 〜0.5 重量%の第1級および第3級アミノ
基を有する脂肪族または脂環族ジアミン(III) および0.
02〜0.7 重量%の下記式で表される4位にOH基を有す
る2,6-ジアルキルフェノール(IV)、
【0031】
【化10】
【0032】(R1 およびR2 は炭素数1から6の同一
または異なっていてもよいアルキル基で、R3 は水素原
子かまたはメチル基である。官能基Aは、フリーのカル
ボキシル基か、C1 〜C4 のアルコールとのエステル
か、第1級アミノ基である。第1級アミノ基の場合、x
およびyの値は、xが2でyが1、xが2でyが0、x
が1でyが0およびxが0でyが1という組み合わせが
可能である。また、フリーのカルボキシル基またはエス
テル化されたカルボキシル基の場合、これに加えてxお
よびyがともに0である組み合わせがさらに可能であ
る。)から得られるものである。
【0033】また、成分I 〜IVは総量が100 重量%とな
るように互いに補足しあっている。成分II、III および
IVの合計は0.05〜1.3 重量%であり、成分II、III およ
びIVはアミド結合を介して高分子鎖に結合している。
【0034】本発明はさらに、ラクタムおよびω−アミ
ノカルボン酸から得られる耐候性ポリアミドに関する。
該ポリアミドは実質的に、ポリアミド形成モノマー(I) 0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキル
ピペリジン(II)、0 〜0.5 重量%の、第1級および第3
級アミノ基を有する脂肪族または脂環族ジアミン(III)
、必要により、0.02〜0.7 重量%の、以下の式で表さ
れる4位にOH基を有する2,6-ジアルキルフェノール(I
V)、
【0035】
【化11】
【0036】(R1 およびR2 は炭素数1から6の同一
または異なっていてもよいアルキル基で、R3 は水素原
子かまたはメチル基である。官能基Aは、フリーのカル
ボキシル基か、C1 〜C4 のアルコールとのエステル
か、第1級アミノ基である。第1級アミノ基の場合、x
およびyの値は、xが2でyが1、xが2でyが0、x
が1でyが0、およびxが0でyが1という組み合わせ
が可能である。また、フリーのカルボキシル基またはエ
ステル化されたカルボキシル基の場合、これに加えてx
およびyがともに0である組み合わせがさらに可能であ
る。)、および、0.1 〜1.2 重量%のトリカルボン酸、
テトラカルボン酸、またはポリカルボン酸(V) 、から得
られる。
【0037】また、成分I 〜V は総量が100 重量%とな
るように互いに補足しあっている。成分II、III 、IVお
よびV の合計は0.2 〜2.5 重量%であり、成分II、III
、IVおよびV はアミド結合を介して高分子鎖に結合し
ている。
【0038】本発明の特別な実施態様に従えば、例えば
三官能カルボン酸などの多官能カルボン酸が、純粋なア
ミノ酸(および/またはラクタム)のベースモノマーの
溶融物に添加される場合、ポリマー分子は必ずその主鎖
末端にCOOH基を有しながら所定の3方向に向かって
成長する。通常の縮合においてはCOOH基が互いに反
応することはないため、架橋反応は起こらない。
【0039】本発明の連鎖停止剤を使用し、さらにニト
リロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、またはトリメチ
ルニトリロトリプロピオン酸などの三官能カルボン酸を
添加することによって、6-ラクタム、ω−アミノウンデ
カン酸およびω−アミノドデカン酸などからコポリアミ
ドを製造する場合、コポリアミドの融点は、停止システ
ム、末端基のタイプおよび濃度を、系統的に選択(syste
matic selection)することによって、ベースモノマーの
混合比によって与えられる。また、官能末端基の濃度を
できる限り高くすることによって、用途に合わせて様々
な被着体に対する接着力を、系統的に(systematically)
変えることが可能である。
【0040】このため、上述の三官能化合物は常に同じ
タイプの3つの官能基を有している必要がある。この三
官能化合物は、あらかじめモノマーの溶融物に溶かして
おくことが必要であり、塩の形成によって溶液とするこ
ともできる。適切な三官能カルボン酸または四官能カル
ボン酸としては、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン三
酢酸、およびトリメシン酸などがある。ニトリロトリプ
ロピオン酸またはトリメチルニトリロトリプロピオン酸
も同様に使用することができる。特に好ましいトリカル
ボン酸の例としては、ニトリロ三酢酸および下記式で表
されるニトリロトリプロピオン酸類である。
【0041】
【化12】
【0042】R=H;n=0:ニトリロ三酢酸 R=H;n=1:ニトリロトリプロピオン酸 R=CH3 ;n=1:トリメチルニトリロトリプロピオ
ン酸 最後に、本発明は、射出成形部品または押出成形部品、
糸、繊維または箔、または熱溶融性粉体または熱溶融性
繊維を製造するための、耐候性ポリアミドの使用方法に
関する。
【0043】
【発明の実施の形態】高分子結合しているため動きの制
限されている2つの異なる安定剤分子群を組み合わせる
ことは、当該分野において、新規かつ予測できないもの
であり、耐候性を達成する上で非常に好ましく、単に1
つの安定剤分子群を使用するよりも高い効果が得られ
る。
【0044】安定剤および連鎖停止剤の両方として同時
に機能する成分IIおよびIVに加えて、その他の連鎖移動
剤をジアミン成分III とともに使用することも可能であ
る。しかしながら、実施例によって明らかなように、そ
の他の連鎖移動剤は耐候性に何の効果ももたらさない。
従って、ジアミン成分III が唯一、連鎖停止剤として機
能し、特定のポリアミド中のアミン性末端基の総量を、
特定の用途に適するような値に調整する役割を果たす。
例えばポリマー分子上の塩基性の部分に高い親和力を有
する染料で染色されるポリアミド-6の繊維の場合は、ジ
アミン成分IIIの使用は論理上不可避である。好ましい
ジアミン成分III は、3-( ジアルキルアミノ)-1-プロピ
ルアミン、2-( ジアルキルアミノ)-1-エチルアミン、ピ
ペリジノ- およびピロリジノアルキルアミンなどであ
り、好ましい使用量は0 〜0.4 重量%である。
【0045】もちろん、ポリアミドの分子量および末端
基濃度に関する特定の指針(guideline) に対応させた量
で最初に述べた公知の連鎖移動剤を同時に使用してもよ
い。これらの付加的な連鎖移動剤としては、テレフタル
酸、イソフタル酸および安息香酸等の芳香族ジカルボン
酸およびモノカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、酢
酸、プロピオン酸、シクロヘキサン-1,4- ジカルボン酸
等の脂肪族または脂環族のジカルボン酸およびモノカル
ボン酸が挙げられ、2つの第1級アミノ基を有するモノ
アミンおよびジアミンも含まれる。分岐作用を有するト
リカルボン酸をジカルボン酸の代わりに連鎖移動剤とし
て使用する場合は、前記したニトリロトリカルボン酸類
の1つを用いることが望ましい。
【0046】本発明の耐候性ポリアミド製造方法におい
ては、ポリアミド形成モノマー(I)、すなわち、ラクタ
ム、ω- アミノカルボン酸、ジカルボン酸と、ジアミ
ン、ジカルボン酸のジアミン塩から得られる、脂肪族ま
たは一部芳香族のポリアミドまたはコポリアミドを使用
することができる。
【0047】ラクタムは、炭素数6〜12のものが好ま
しく、特にカプロラクタムおよびラウリンラクタムが好
ましい。ω−アミノカルボン酸は、炭素数6〜12であ
り、特にε−アミノカプロン酸およびω- アミノラウリ
ン酸が好ましい。
【0048】直鎖のまたは分岐がある炭素数6〜36の
脂肪族または脂環族ジカルボン酸が、置換あるいは非置
換の炭素数8〜18芳香族ジカルボン酸と共に使用され
得る。ジカルボン酸の2つの下位グループとしては、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
トリメチルアジピン酸、シス- またはトランスシクロヘ
キサン-1,4- ジカルボン酸および二量化脂肪酸(例え
ば、UNICHEMA社製プリポールタイプ(pripol types))
と、テレフタル酸、イソフタル酸、およびナフタレン-
1,6- ジカルボン酸が好ましく使用できる。
【0049】ジアミンとして使用可能なものは、直鎖ま
たは分岐があり炭素数4〜13で2つの第1級アミノ基
を有する脂肪族ジアミン、炭素数6〜26で2つの第1
級アミノ基を有する脂環族ジアミン、および炭素数8〜
26の脂肪族炭素原子と結合した2つの第1級アミノ基
を有し、一部芳香族の脂肪族ジアミン(araliphatic)で
ある。
【0050】上記ジアミンの3つの下位グループの例と
しては、ヘキサメチレンジアミン(1,6- ジアミノヘキサ
ン) 、1,10- ジアミノデカン、1,12- ジアミノドデカ
ン、1,4-ジアミノブタン、2,2,4-または2,4,4-トリメチ
ル-1,6- ジアミノヘキサン、シス- またはトランス-1,4
- ジアミノシクロヘキサン等と、シス- またはトランス
-1,4- ビス(アミノメチル)- シクロヘキサン、3-アミ
ノ-3,5,5- トリメチルシクロヘキシルアミン、異性体の
ビス-(4-アミノ-3- メチルシクロヘキシル) メタン、異
性体の2,2-ビス(4- アミノシクロヘキシル) プロパン等
と、1,3-または1,4-ビス- (アミノメチル)ベンゼンが
挙げられる。
【0051】本発明において使用されるジカルボン酸の
ジアミン塩は、ほぼ化学量論的な量の上述のジカルボン
酸とジアミンとを反応させることによって得られる塩で
ある。ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸から得
られるヘキサメチレンジアンモニウムアジペートが特に
好ましい。その他含まれる可能性のあるすべての塩は通
常、縮重合の直前に、ジカルボン酸とジアミンから速や
かに水溶液中で製造され、その形のまま、縮重合に加え
られる。さらに、4番目のサブグループとして使用でき
るジアミンとしては、末端第1級アミノ基を有するジア
ミノ- ポリ(オキシアルキレン)が挙げられる。特に好
ましいポリエーテルジアミンは、α, ω−ジアミノ- ポ
リ(オキシ-1,2- プロピレン)、α, ω−ジアミノ- ポ
リ(オキシ-1,3- プロピレン)、α, ω−ビス(3-アミ
ノプロピル)- ポリ( オキシ-1,3- プロピレン)、α,
ω−ビス(3-アミノプロピル)- ポリ(オキシ-1,4- ブ
チレン)である。
【0052】上述のポリアミド形成モノマー(I) から
は、数多くのホモポリアミド、コポリアミド、およびブ
ロックコポリアミドを製造することができる。本発明の
耐候性ポリアミド製造方法の適用に好ましいホモポリア
ミドとしては、ポリアミド-6,-11,-12,-66,-69,-610,-
6.12,-6I (I はイソフタルアミドユニットを表す)、
および-MXDA.6(MXDAは、メタキシリレンジアミンと1,3-
ビス-(アミノメチル) ベンゼンを表す) がある。
【0053】また、コポリアミドおよびブロックコポリ
アミドには、CoPA-6/12 、-6/66 、-66/12、-6/66/12、
-6/69 、-6/610、-66/6Iあるいはこれらのモノマーから
得られる3元および4元コポリアミド、40モル%未満の
ヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)ユニットを有する
CoPA-6T/6I、ラウリンラクタム、ω−アミノラウリン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸と、異性体ビス-(4-ア
ミノ-3- メチルシクロヘキシル)-メタン、2,2-ビス-(4-
アミノシクロヘキシル)-プロパンとから得られるコポリ
アミド、ドデカン二酸と、異性体ビス-(4-アミノ-3- メ
チルシクロヘキシル)-メタンとから得られるコポリアミ
ドや、カプロラクタム、ラウリンラクタム、ジカルボン
酸と、α, ω−ジアミノポリ(オキシ-1,2- プロピレ
ン)とから得られるブロックコポリエーテルアミドが含
まれる。
【0054】本発明の方法によって得られる本発明の耐
候性ポリアミドは、基本的に、回分モードまたは連続モ
ードで作動する反応装置を使用し、重合または縮重合に
よって製造できる。本発明の方法が従来の数々の公知の
方法と異なる点は、比較的少量の2つまたは3つの異な
る原料を、成分II、IVおよび必要によりIII とともに、
適切な段階(position)で特定の製造プロセスに導入する
ことが可能な点である。これらの成分は添加しても何の
問題もなく、また重合または縮重合前、重合または縮重
合中、または重合または縮重合後に同時または連続的に
添加することが可能である。
【0055】本発明の耐候性ポリアミドは、用途に応じ
てさまざまな変性が可能である。ポリアミドを、射出成
形、多成分射出成形、射出成形溶接、押出し、共押出
し、吹込み成形、深絞り、および類似の加工方法によっ
て必要に応じた形状の部品に成形するときに、ポリアミ
ドに対して、ガラス繊維、炭素繊維や、鉱物などの強化
材または強化繊維、あるいは、例えば難燃剤、潤滑剤、
離型剤等の他の改質剤を添加することは一般的である。
ポリアミドを繊維またはフィラメントに加工する場合、
この場合は主にポリアミド−6および-66 が使用される
が、重合または縮重合前、あるいは重合または縮重合中
に、二酸化チタンをベースとした一般的な艶消剤を添加
するのが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。実施例および比較例には、主に繊維や射出
成形部品の製造に適した、低粘度から中粘度のポリアミ
ド-6のみを使用する。
【0057】本発明の方法によって安定化された耐候性
ポリアミド-6、および比較例として使用される従来タイ
プのポリアミド-6を、130 リットルの撹拌可能なオート
クレーブでバッチ式で重合した。重合のために、窒素に
よって不活性化された撹拌容器内で、45kgの液体カプ
ロラクタム、7リットルの水、および表1に記載の量の
他の成分を、90℃で混合した。その後、均一化された混
合液を前記オートクレーブに移し、不活性状態(N2
で重合した。重合中の状態は一貫してほぼ次のようであ
った。
【0058】第1段階(加圧段階) 原料温度:270 ℃ 圧力 :19バール 時間 :3時間 第2段階(膨張段階) 原料温度:270 ℃から260 ℃ 圧力 :19バールから1バール 時間 :1.5 時間 第3段階(脱ガス段階) 原料温度:260 ℃ 圧力 :1バール 時間 :約5時間
【0059】所望の粘度となったとき、個々のバッチを
プレスしてポリマーストランドとし、水浴を通してから
粒状にし、水を使って抽出した後乾燥した。オートクレ
ーブの撹拌機構のトルク表示によって、、ポリアミド-6
溶融物の粘度の基本測定値を得た。
【0060】抽出は、各バッチの40kgに対して、1 時
間あたり2400リットルの真水を使用して、80℃で16時間
行った。乾燥は、真空下、110 ℃で24時間行った。抽出
および乾燥されたポリアミド-6の溶液粘度は、m- クレ
ゾールの0.5 重量%溶液で20℃で測定した。
【0061】末端基濃度は、酸滴定によって測定され
た。アミノ末端基の適定は、2対1の重量比のm- クレ
ゾール/イソプロパノールを溶剤として、0.1 規定のエ
タノール性過塩素酸を用いて行った。カルボキシル末端
基の適定は、ベンジルアルコールを溶剤とし、0.1 規定
のベンジルアルコール性水酸化カリウムを用いて行っ
た。
【0062】耐候性を試験するため、個々のPA-6タイプ
について人工耐候試験を行った。個々のPA-6タイプは、
厚さ1ミリの射出成形引張試験片とした。人工耐候試験
は、Atlas 社製Ci35タイプのウェザオメータを使用し、
米国材料試験協会(ASTM)のD2565 に従って以下の条件
下で行った。 波長340nm の放射線強度:0.35W/m2 サイクル:102/18分 温度(Schwarztafel= ブラックパネル):63±2℃
【0063】表3に記載の暴露時間を経た後の試験片に
対して、機械的試験が行われた。個々の生成物の耐候性
および光酸化損傷および熱酸化損傷に対する耐性の程度
は、暴露の影響が増すに従って低下する衝撃引張強度の
低下の度合いで計ることができる。衝撃引張強度試験
は、Zwick 社製REL タイプの高速引張強度試験機を使用
して、ドイツ工業規格(DIN ) 53448 B1.2 (1984年6
月)に従って、23℃で4m/秒の速度で行われた。50時
間の暴露後、いくつかの生成物は、初期状態に比べてよ
り高い衝撃引張強度を有しており、部分的にこの高い値
を比較的長時間保った。これは、ウェザオメータ内で試
験片に周期的に水が供給されたため試験片が水を吸収
し、その結果高い靱性または衝撃引張強度を得たためで
ある。
【0064】実施例において使用される略号は、次の意
味を持つ。 LC-6 :カプロラクタム TPS :テレフタル酸 AcOH :酢酸 NTE :ニトリロ三酢酸 TAD :トリアセトンジアミン=4-アミノ-2,2,6,6- テ
トラメチルピペリジン DEAPA :3-ジメチルアミノ-1- プロピルアミン DBHPP :3-(3,5- ジ- t-4- ヒドロキシフェニル)-プロ
ピオン酸 SZZ :23℃で、ドイツ工業規格(DIN ) 53443 B1.2
に従って測定された衝撃引張強度 (C):カルボキシル末端基濃度( meg/kg) (A):アミノ末端基濃度(meg/kg) RV :20℃での0.5 %m−クレゾール溶液の相対溶液
粘度 ber. :計算値 原料物質の製造元: NTE: Fluka社; Buchs ( スイス) TAD: Huls 社; Marl (ドイツ) DEAPA: Fluka社; Buchs ( スイス) DBHPP: Ciba Geigy 社; Basel ( スイス)
【0065】実施例 本発明によるポリアミド-6タイプおよび比較例によるポ
リアミド-6タイプを、比較のため表1に記載した。酢酸
で連鎖停止させた比較例1の生成物を除くすべてのポリ
マーは、重合度停止剤として多官能カルボン酸を含んで
いる。カルボン酸によって調整された多官能生成物にお
いては、重合終了時に、重合速度、重合時間、および平
均分子量などの条件をほぼ同じとするために、260 ℃の
平衡含水比が、非抽出生成物については108.6meq/kg の
総末端基濃度において0.153 重量%となるように、ま
た、抽出生成物については120meq/kg の総末端基濃度に
おいて0.187 重量%となるように、個々のサンプルに使
用したジカルボン酸またはトリカルボン酸の量を計算し
た。これにより、水によって抽出可能な部分は、非抽出
生成物に対して約9.5 重量%と推定された。260 ℃での
PA-6アミド形成平衡重量(PA-6 amide formation equil
ibrium weight )の平衡定数は、Rameshらの文献によっ
て示されたデータから、403 と計算された(Polymer 、
1993年、Vol.34、No.8、1716頁以下を参照のこと)。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】実施例1と比較例2および3とを比較する
と、成分IIと成分IVとを組み合わせることによって、単
独使用の場合に比べて非常に良好な結果が得られること
がわかる。このことは、2倍量の成分IIと成分IVを含む
実施例3のPA-6の250 時間〜300 時間の暴露時間におけ
る挙動からも明らかである。実施例1および2の生成物
で耐候性試験を行ったが、結果は事実上同じであった。
これより、実施例2で成分III を追加しても、耐候性に
は特に目立った影響がないことがわかる。このデータに
基づくと、テレフタル酸にも安定化作用がないことがわ
かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 69/00 - 69/50 C09J 177/00 - 177/12 D01F 6/60 D01F 6/80 C08J 5/18 CA(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクタム、ω−アミノカルボン酸、ジカ
    ルボン酸と、ジアミン、ジカルボン酸のジアミン塩から
    得られ、耐候性であり、一部結晶質の脂肪族ポリアミド
    または一部非晶質の部分的芳香族ポリアミドの製造方法
    であって、 ポリアミド形成モノマー(I) の重合または縮重合が、 0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキル
    ピペリジン(II)、 0 〜0.5 重量%の第1級および第3級のアミノ基を有す
    る脂肪族または脂環族ジアミン(III) 、および0.02〜0.
    7 重量%の下記式で表される第4位にOH基を有する2,
    6-ジアルキルフェニール(IV)、 【化1】 (R1 およびR2 は炭素数1から6の同一または異なっ
    ていてもよいアルキル基で、R3 は水素原子かまたはメ
    チル基である。官能基Aは、フリーのカルボキシル基
    か、C1 〜C4 のアルコールとのエステルか、第1級ア
    ミノ基である。第1級アミノ基の場合、xおよびyの値
    は、xが2でyが1、xが2でyが0、xが1でyが
    0、およびxが0でyが1という組み合わせが可能であ
    る。また、フリーのカルボキシル基またはエステル化さ
    れたカルボキシル基の場合、これに加えてxおよびyが
    ともに0である組み合わせがさらに可能である。)の存
    在下において行われ、 成分I 〜IVは総量が100 重量%となるように互いに補足
    しあい、成分II、IIIおよびIVの合計は0.05〜1.3 重量
    %であり、成分II、III およびIVはアミド結合を介して
    高分子鎖に結合していることを特徴とする耐候性ポリア
    ミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 ラクタムおよびω−アミノカルボン酸か
    ら得られる耐候性ポリアミドの製造方法において、ポリ
    アミド形成モノマー(I) の縮重合が、 0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキル
    ピペリジン(II)、 0 〜0.5 重量%の、第1級および第3級アミノ基を有す
    る脂肪族または脂環族ジアミン(III) と、 必要により、0.02〜0.7 重量%の下記式で表される4位
    にOH基を有する2,6-ジアルキルフェノール(IV)、 【化2】 (R1 およびR2 は炭素数1から6の同一または異なっ
    ていてもよいアルキル基で、R3 は水素原子かまたはメ
    チル基である。官能基Aは、フリーのカルボキシル基
    か、C1 〜C4 のアルコールとのエステルか、第1級ア
    ミノ基である。第1級アミノ基の場合、xおよびyの値
    は、xが2でyが1、xが2でyが0、xが1でyが
    0、およびxが0でyが1という組み合わせが可能であ
    る。また、フリーのカルボキシル基またはエステル化さ
    れたカルボキシル基の場合、これに加えてxおよびyが
    ともに0である組み合わせがさらに可能である。) およ
    び、 0.1 〜1.2 重量%のトリカルボン酸、テトラカルボン
    酸、またはポリカルボン酸(V) 、の存在下において行わ
    れ、 成分I 〜V は総量が100 重量%となるように互いに補足
    しあい、成分II、III、IVおよびV の合計は0.2 〜2.5
    重量%であり、成分II、III 、IVおよびV はアミド結合
    を介して高分子鎖に結合していることを特徴とする耐候
    性ポリアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記式で表されるトリカルボン酸を、成
    分V として使用することを特徴とする請求項2に記載の
    耐候性ポリアミドの製造方法。 【化3】 (RがHまたはCH3 の場合、nは0または1であり、
    RがCH3 の場合、nは1である)
  4. 【請求項4】 前記成分IIの量が0.03〜0.6 重量%であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の耐候性ポ
    リアミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成分III の量が0 〜0.4 重量%であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の耐候性ポ
    リアミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記成分IVの量が0.03〜0.6 重量%であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐
    候性ポリアミドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記成分II、III およびIVの総量が0.06
    〜1.0 重量%であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の耐候性ポリアミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記R1 とR2 がいずれもC(CH3)3
    であるか、またはR 1 がC(CH3)3 でR2 がメチルで
    あることを特徴とする請求項1、2、6または7に記載
    の耐候性ポリアミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 4-アミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
    ジンを成分IIとして使用することを特徴とする請求項
    1、2、4または7に記載の耐候性ポリアミドの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記Aが−COOHまたは−COOC
    3 またはNH2 であり、R3 がHで、xが2、yが1
    である化合物群より選択される化合物を、成分IVとして
    使用することを特徴とする請求項1、2、6または7に
    記載の耐候性ポリアミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 縮重合によって、ポリアミド6 、-11
    、-12 、-66 、-69、-610、-6.12 、-6I 、-MXDA6か、
    コポリアミド-6/12 、-6/66 、-66/12、-6/66/12、-6/6
    9 、-6/610、-66/610 、6T/6I を得ることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれかに記載の耐候性ポリアミドの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 ラクタム、ω−アミノカルボン酸、ジ
    カルボン酸と、ジアミン、ジカルボン酸のジアミン塩か
    ら得られ、耐候性であり、一部結晶質の脂肪族ポリアミ
    ドまたは一部非晶質の部分的芳香族ポリアミドが、実質
    的に、 ポリアミド形成モノマー(I) 、 0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキル
    ピペリジン(II)、 0 〜0.5 重量%の第1級および第3級のアミノ基を有す
    る脂肪族または脂環族ジアミン(III) および0.02〜0.7
    重量%の下記式で表される第4位にOH基を有する2,6-
    ジアルキルフェニール(IV)、 【化4】 (R1 およびR2 は炭素数1から6の同一または異なっ
    ていてもよいアルキル基で、R3 は水素原子かまたはメ
    チル基である。官能基Aは、フリーのカルボキシル基
    か、C1 〜C4 のアルコールとのエステルか、第1級ア
    ミノ基である。第1級アミノ基の場合、xおよびyの値
    は、xが2でyが1、xが2でyが0、xが1でyが0
    およびxが0でyが1という組み合わせが可能である。
    また、フリーのカルボキシル基またはエステル化された
    カルボキシル基の場合、これに加えてxおよびyがとも
    に0である組み合わせがさらに可能である。)、から製
    造され、 成分I 〜IVは総量が100 重量%となるように互いに補足
    しあい、成分II、IIIおよびIVの合計は0.05〜1.3 重量
    %であり、成分II、III およびIVはアミド結合を介して
    高分子鎖に結合していることを特徴とする耐候性ポリア
    ミド。
  13. 【請求項13】 ラクタムおよびω−アミノカルボン酸
    から得られる耐候性ポリアミドが、実質的に、 ポリアミド形成モノマー(I) 、 0.02〜0.7 重量%の4-アミノ-2,2,6,6- テトラアルキル
    ピペリジン(II)、 0 〜0.5 重量%の第1級および第3級アミノ基を有する
    脂肪族または脂環族ジアミン(III) 、 必要により、0.02〜0.7 重量%の下記式で表される4位
    にOH基を有する2,6-ジアルキルフェノール(IV)、 【化5】 ( R1 およびR2 は炭素数1から6の同一または異なっ
    ていてもよいアルキル基で、R3 は水素原子かまたはメ
    チル基である。官能基Aは、フリーのカルボキシル基
    か、C1 〜C4 のアルコールとのエステルか、第1級ア
    ミノ基を表す。第1級アミノ基の場合、xおよびyの値
    は、xが2でyが1、xが2でyが0、xが1でyが0
    およびxが0でyが1という組み合わせが可能である。
    また、フリーのカルボキシル基またはエステル化された
    カルボキシル基の場合、これに加えてxおよびyがとも
    に0の組み合わせがさらに可能である。) および0.1 〜
    1.2 重量%のトリカルボン酸、テトラカルボン酸、また
    はポリカルボン酸(V) 、 から製造され、 成分I 〜V は総量が100 重量%となるように互いに補足
    しあい、成分II、III、IVおよびV の合計は0.2 〜2.5
    重量%であり、成分II、III 、IVおよびV はアミド結合
    を介して高分子鎖に結合していることを特徴とする耐候
    性ポリアミド。
  14. 【請求項14】 下記式で表されるトリカルボン酸を、
    成分V として使用することを特徴とする請求項13に記
    載の耐候性ポリアミド。 【化6】 (RがHまたはCH3 の場合、nは0または1であり、
    RがCH3 の場合、nは1である)。
  15. 【請求項15】 射出成形部品、押出成形部品を、糸、
    繊維、箔、熱溶融性粉体または熱溶融性繊維を製造する
    ために、請求項12、13または14に記載のポリアミ
    ドを使用することを特徴とする耐候性ポリアミドの使用
    方法。
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