JP2923239B2 - ベランダの施工方法 - Google Patents

ベランダの施工方法

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JP2923239B2
JP2923239B2 JP2921996A JP2921996A JP2923239B2 JP 2923239 B2 JP2923239 B2 JP 2923239B2 JP 2921996 A JP2921996 A JP 2921996A JP 2921996 A JP2921996 A JP 2921996A JP 2923239 B2 JP2923239 B2 JP 2923239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、木造やコンクリ
ート建物の二階部分にベランダを組み立てるための施工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】従来、二階建ての家屋の例えば掃
き出し窓に面してベランダを組み立てる場合に、ベラン
ダの構成部品を現場で一々建物躯体に複雑な作業順序で
取り付けるようにしており、その施工作業が面倒であ
り、またかなりの施工日数を必要としていた。
【0003】また、ベランダは屋根と同じように当然に
水密構造に形成されなければならないが、この水密施工
がかなり面倒で、特にベランダの床部分がシール材等の
疲労によって短期間に水漏れを生じるという難点があっ
た。
【0004】さらには、ベランダの外観は建物の特に外
壁に色調等を合わせて製作しなければならないが、従来
のでは、これらの配慮が充分でなかった。
【0005】本発明は、これらの難点を解消するため
に、できるだけ工場生産によってベランダを組み立て、
取付現場ではできるだけ簡単な施工作業だけでベランダ
を建物躯体に形成することができるようにすることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、実施形態に示す参照符号
を付して示すと、舟型底枠1と、該底枠の周囲に立設す
る柵壁2ととからなり、予め舟型底枠1と、柵壁2とを
別個独立して形成すると共に、更に柵壁2を、表面側の
柵壁外壁材4を除いた状態で、平面略L字状のコーナー
側柵壁ユニット2Aと、正面側柵壁ユニット2Bと、に
分割形成し、取付現場において、建物躯体5と、舟型底
枠1と、コーナー側柵壁ユニット2Aと、正面側柵壁ユ
ニット2Bと、を互いに連結して取り付け、最後に建物
躯体5の外壁5aの色調等に合わせて、上記柵壁ユニッ
ト2A,2Bからなる柵壁2に柵壁外壁材4を取り付け
るようにしたベランダの施工方法に係るものである。
【0007】また請求項2に係る発明は、舟型底枠1
と、該底枠の周囲に立設する柵壁2と、該柵壁の上面に
取り付ける手摺3とからなり、予め舟型底枠1と、柵壁
2およびその上面に取り付けられる手摺3とを別個独立
して形成すると共に、更に柵壁2を、表面側の柵壁外壁
材4を除いた状態で、平面略L字状のコーナー側柵壁ユ
ニット2Aと、正面側柵壁ユニット2Bと、に分割形成
し、取付現場において、建物躯体5と、舟型底枠1と、
コーナー側柵壁ユニット2Aと、正面側柵壁ユニット2
Bと、を互いに連結して取り付ける共に、手摺3をコー
ナー柵壁ユニット2Aおよび正面側柵壁ユニット2Bに
取り付け、最後に建物躯体5の外壁5aの色調等に合わ
せて、上記柵壁ユニット2A,2Bからなる柵壁2に柵
壁外壁材4を取り付けるようにしたベランダの施工方法
に係るものである。
【0008】請求項1および請求項2に係る発明によれ
ば、面倒な組立作業を必要とする柵壁2を、コーナー柵
壁ユニット2Aと正面側柵壁ユニット2Bとに分割して
工場生産しておき、取付現場である建物躯体5には、こ
れらのユニット部材を連結すると共に、同じく工場でユ
ニット生産された手摺3をこれらのユニット部材に連結
するだけでよいから、建物躯体5へのベランダAの施工
作業が容易であり、短期間に施工することができる。
【0009】またこの発明によれば、ベランダAの床面
は、周囲に立ち上がり壁1b〜1eを有する舟型の底枠
1によって一体形成されるから、水密性が良好であり、
安心して使用することができる。
【0010】更にこの発明によれば、コーナー側柵壁ユ
ニット2Aおよび正面側柵壁ユニット2Bには、柵壁外
壁材4を積極的に取り付けない状態でユニット生産さ
れ、ベランダAの施工終了時点で最後に柵壁外壁材4が
上記ユニット2A,2Bに取り付けられるようになって
いるため、ベランダAが取り付けられる建物躯体5の色
調等に合わせて柵壁外壁材4を取り付けることができ、
それだけ現場施工の条件に自由に合わせることができ
る。言い換えれば、建物躯体5の色調や意匠形状に影響
されることなく、上記柵壁ユニット2A,2Bを工場生
産することができるから、それだけ量産の実を上げるこ
とができ、また現場施工の実情に合致するものである。
【0011】また請求項3に係る発明は、舟型底枠1と
各柵壁ユニット2A,2Bとは水密結合されるようにな
っている請求項1または2記載のベランダの施工方法を
採用するものである。
【0012】この発明によれば、取付現場において舟型
底枠1と各柵壁ユニット2A,2Bが水密結合するよう
になっているため、それだけ確実に水密結合作業を行う
ことができる。
【0013】また請求項4に係る発明は、ベランダAの
施工面積に合わせて複数の単位舟型底枠1を互いに水密
結合するようにした請求項1〜3のいずれか記載の施工
方法に係るものである。
【0014】この発明によれば、ベランダAの施工面積
に合わせて複数の舟型底枠1を互いに水密結合すればよ
いから、工場では単位大きさの舟型底枠1のみを生産し
ておけばよく、量産上有利である。
【0015】また請求項5に係る発明は、舟型底枠1
は、強化合成樹脂(FRP)またはアルミニウム材から
なる請求項1〜4のいずれか記載のベランダの施工方法
を採用するものである。
【0016】この発明によれば、舟型底枠1は強化合成
樹脂(FRP)またはアルミニウム材からなるため、強
化合成樹脂またはアルミニウム材特有の強靱性と防錆性
によって、水密性能を長期間にわたって維持することが
できる。
【0017】また請求項6に係る発明は、各柵壁ユニッ
ト2A,2Bは、柵壁上枠7と、柵壁下枠8と、これら
上下枠7,8に囲繞されて内部に取り付けられる補強骨
枠9と、からなる請求項1〜5のいずれか記載のベラン
ダの施工方法を採用するものである。
【0018】この発明によれば、柵壁2を形成する裏板
6は、柵壁ユニット2A,2Bのユニット生産の際に積
極的に組み込まないで、取付現場である建物躯体5にベ
ランダAの施工の際に、取付現場の条件に合わせて該裏
板6の横縦の幅を決めて、これを各柵壁ユニット2A,
2Bに取り付けるようにしたため、それだけ現場施工を
容易に行うことができる場合があり、また裏板6と舟型
底枠1との水密結合作業を容易に行うことができる場合
がある。
【0019】また請求項7に係る発明は、各柵壁ユニッ
ト2A,2Bは、裏板6と、柵壁上枠7と、柵壁下枠8
と、これら裏板6と上下枠7,8とに囲繞されて内部に
取り付けられる補強骨枠9と、からなる請求項1〜6の
いずれか記載のベランダの施工方法を採用するものであ
る。
【0020】この発明によれば、柵壁外壁材4を除いて
柵壁2を構成する部材を工場においてユニット生産する
ようになっているため、取付現場では各ユニットの連結
や水密作業だけでよいことになり、それだけ全体的な施
工作業を迅速容易に行うことができる。
【0021】また請求項8に係る発明は、舟型底板1の
裏面にベランダ側根太枠10が予め一体的に取り付けら
れるようになっている請求項1〜7のいずれか記載のベ
ランダの施工方法を採用するものである。
【0022】この発明によれば、ベランダの床面を形成
する舟型底枠1はベランダ側根太枠10と予め一体的に
取り付けられているため、これを現場で建物躯体側の根
太11に取り付ける際に、ベランダ側根太枠10を躯体
側根太枠11に固着すればよいから現場施工が容易であ
る。
【0023】またこの発明によれば、ベランダ側根太枠
10を舟型底枠1の面積に合わせて工場生産しておくこ
とができるため、それだけ現場での施工を迅速に行うこ
とができる。
【0024】また請求項9に係る発明は、舟型底板1が
一体的に取り付けられるベランダ側根太枠10に対し
て、建物躯体5にも躯体側根太枠11が取り付けられ、
且つ該躯体側根太枠11は水密構造に形成されてなる請
求項1〜8のいずれか記載のベランダの施工方法を採用
するものである。
【0025】この発明によれば、ベランダAを形成する
舟型底枠1にベランダ側根太枠10を取り付けるだけで
なく、建物躯体5側にも躯体側根太枠11をと取り付け
るようになっているため、それだけベランダAの取付強
度を上げることができると共に、舟型底枠1の水密性能
の上に、該躯体側根太枠11も水密構造となっているた
め、長期間安定してベランダAの水密性能を維持するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に示す実施
の形態に基づいて説明する。
【0027】図1及び図2は、この発明に係るベランダ
Aが建物躯体5の二階の掃き出し窓12に面して一階の
屋根13の基端部側に取り付けられた状態を示す。この
ベランダAは、ベランダの床部分を構成する舟型底枠1
(図4)と、該底枠1に一体的に取り付けられるベラン
ダ側根太枠10(図4)と、建物躯体5から突出する舟
型底枠1の三周囲を囲繞する柵壁2と、該柵壁2の上面
側に取り付けられる手摺3とからなる。
【0028】図3に示すように、柵壁2は、左右両側の
平面略L字状のコーナー側柵壁ユニット2Aと、正面側
の柵壁ユニット2Bとからなり、また手摺3は同じく左
右両側のコーナー側手摺ユニット3Aと、正面側の手摺
ユニット3Bとからなり、各柵壁ユニット2A,2Bに
は補強骨枠9が内蔵されている。
【0029】手摺3は、上述のように必ずしもコーナー
手摺ユニット3Aと、正面側手摺ユニット3Bとに分割
形成する必要はなく、図5に示すように、ベランダAの
面積に合わせた大きさの一つの手摺ユニット3Cに形成
しても、該図に鎖線a,b,bで示す部分で分割された
複数の分割ユニット部材に形成するようにしてもよい。
あるいは手摺3を構成する手摺横枠3aと手摺支柱3b
とをトックダウン方式で現場で簡単に取り付ける構造の
ものでもよい。
【0030】更に詳細には、図4に示すように、左右両
側のコーナー側柵壁ユニット2Aと、正面側の柵壁ユニ
ット2Bとは、工場生産によって別個独立に製作され、
またコーナー側手摺ユニット3Aと、正面側手摺ユニッ
ト3B、あるいは図5に示すように、適当な長さの複数
または単数の手摺ユニットCも工場生産によって別個独
立して製作される。
【0031】また、舟型底枠1は、その矩形状の底壁1
aに対してその四周が立ち上がり壁1b〜1eをなすよ
うに周知の強化合成趣旨(FRP)またはアルミニウム
板の曲げ加工またはアルミニウム鋳物によって一体の略
舟型に形成されたものからなり、図6に示すように、タ
イルの意匠をかもしだすように格子模様に微小1fな溝
を入れ、且つ適当な個所に排水通路1gと排水部1hを
形成し、該排水部1hは排水管1i(図8)に連結され
ている。
【0032】特に、舟型底枠1の裏側には、図4の下方
の右寄りに示すように、また図8に示すように、ベラン
ダ側根太枠10が一体的に取り付けられている。即ち、
該根太桟10は、室外側に下り勾配に形成された根太桟
10aとその上面に固着される根太板10bとからなる
が、このベランダ側根太枠10は、舟型底枠1を強化合
成趣旨(FRP)またはアルミニウム板によって形成す
る際に、同時に強化合成樹脂や接着材によってベランダ
側根太枠10の裏側にベランダ側根太枠10を一体に固
着した状態に工場生産しておくことが肝要である。
【0033】なお、舟型底枠1が室外側に大きく突出す
る場合や、建物躯体5の外壁5aに沿って長く形成する
場合には、図7に示すように単位枠の2台の舟型底枠1
を間隔支持桟23を介して互いに対向させ、両舟型底枠
1,1の立ち上がり壁1d,1bとにわたって略下向き
コ字状の水切り枠24を被せ、該水切り枠24と立ち上
がり壁1d、1bと間隔支持桟23とをビス25によっ
て一体的に固着し、シール材26を充填することによっ
て、複数の舟型底枠1を水密連結し、これによって所望
の大きさの舟型底枠1を形成することができる。
【0034】また、図4に示すように、各柵壁ユニット
2A,2Bの裏面側には裏板6が取り付けられるが、こ
の裏板6も、平面略L字状の左右のコーナー側裏板6A
と、正面側の裏板6Bとからなり、予め各コーナー側裏
板6Aをコーナー側柵壁ユニット2Aに、また正面側裏
板6Bを正面側柵壁ユニット2Bに取り付けておく。こ
のようにコーナー側裏板6Aおよび正面側裏板6Bを予
め各コーナー側柵壁ユニット2Aおよび正面側柵壁ユニ
ット2Bに取り付けておく場合には、これらの裏板部材
との組み合わせによってコーナー側部材および正面側部
材を構成することになるが、これらの裏板部材6A,6
Bは必ずしも予め各柵壁ユニット2A、2Bに取り付け
ておく必要はなく、取付現場で、後述のように舟型底枠
1との水密結合に注意を払いながら各柵壁ユニット2
A,2Bに取り付けるようにしてもよい。
【0035】柵壁2は、図4、図6、図8、図9、図1
0に示すように、柵壁上枠7と柵壁下枠8と裏板6と、
これらに囲繞されて内部に取り付けられる補強骨枠9と
かなり、上述のようにコーナー側部材および正面側部材
毎に分割して形成される。補強骨枠9は、図4に示すよ
うに横方向に適当間隔に配設されるチャンネル状の縦骨
枠9aとこれに交叉する上端側および中間側の同じくチ
ャンネル状の横骨枠9bとからなり(上端側の横骨枠9
bは図10に示す。なお、図4等に見える符号9cは、
後述の水密結合部の突出部を示すが、横骨枠をも兼ねる
ものである。)、縦骨枠9aと上端側の横骨枠9bと柵
壁上枠7とは図9に示すようにビス14によって一体的
に固着され、また縦骨枠9aと柵壁下枠8とは図6に示
すように縦骨枠9aの下端部に突設した取付フランジ1
5と柵壁下枠8とをビス16で固着することによって連
結される。また裏板6と補強骨枠9とは周知の接着材に
よって固着されると共に、図10に示すように柵壁上枠
7および横骨枠9bにビス14によって一体的に固着さ
れる。
【0036】そして本発明の最大の特徴とする点は、柵
壁2を形成するコーナー側柵壁ユニット2Aおよび正面
側柵壁ユニット2Bには、表面側の柵壁外壁材4を何ら
含まないということである。勿論、最終工程では、柵壁
外壁材4は各柵壁ユニット3A,3Bに取り付けられる
ことになるが、工場生産では、積極的に柵壁外壁材4を
柵壁ユニット2A,2Bの構成部材として形成しないこ
とを特徴とするものである。
【0037】しかし、最終工程で柵壁外壁材4を柵壁ユ
ニット2A,2Bに取り付けるようにするため、図10
に示すように柵壁ユニット2A,2Bを形成する柵壁上
枠7の室内外方向の幅L1は、その他の構成部材の幅、
具体的には補強骨枠9および柵壁下枠8の幅L2よりも
大きく取り、室外側に柵壁外壁材4を取り付けるための
取付用空間部37を形成してある。
【0038】そして、図11に示すように、柵壁2を形
成するコーナー側側および正面側柵壁ユニットの2A,
2Bのうち、コーナー側柵壁ユニット2Aを形成する柵
壁上枠7のコーナー側部分には、柵壁上枠7の外周面の
沿う断面形状の平面L字状のコーナー側継手枠32を被
せ、ビス33によって両者を固定するようにするが、勿
論のこの結合構造に限定されることはない。
【0039】また、手摺3は、図4、図5、図8〜図1
0に示すように、丸パイプ状の手摺横枠3aとこれに交
叉して固着される意匠形状の手摺支柱3bとからなり、
手摺支柱3bは、図10に示すようにボルト・ナット1
8によって補強骨枠9の横骨枠9bと柵壁上枠7とにわ
たって一体的に固着され、これによって手摺3は柵壁2
に一体的に取り付けられ、上述のようにコーナー側ユニ
ット部材および正面側ユニット部材毎に分割形成される
が、図5に示すように適当な長さの複数または単数の手
摺ユニットCに製作されるようにしてもよい。
【0040】そして、図12に示すように、手摺3を形
成するコーナー側および正面側手摺ユニットの3A,3
Bのうち、コーナー側手摺ユニット3Aを形成する手摺
上枠3aのコーナー側部分には、手摺上枠3aの内部に
位置決めガイド部34を設け、このガイド部34の形状
に合致する断面形状の角筒状のコーナー側継手枠35を
一方の手摺上枠3aと、これにL字状に対面する他方の
手摺上枠3aとに夫々嵌合し、両者間にわたってボルト
36をねじ込み、互いの引き寄せ力によってL字状に対
向する手摺上枠3a,3aを結合するようにするが、勿
論のこの結合構造に限定されることはない。
【0041】舟型底枠1は、図4、図8、図13および
図14に示すように、柵壁2の下端部に水密結合される
が、具体的には舟型底枠1の建物躯体5から突出する側
の立ち上がり壁1b〜1dの上端部が図12に示すよう
に外側に向かって略L字状に突出して内側が窪んでお
り、この窪んだ部分に柵壁2の裏板6の下端部を略U字
状に弯曲させてその端部をビス19によって立ち上がり
壁1b〜1dに固着し、該窪んだ部分にシール材20を
充填することによって舟型底枠1と柵壁2とを水密結合
する。また、図14に示すように、舟型底枠1の建物躯
体5側の立ち上がり壁1eと外壁5aとは、該立ち上が
り壁1eの上端部と図8に示す掃き出し窓12の下枠1
2aの延長部12bとを一体的にビス21によって建物
躯体5に固着し、立ち上がり壁1eの窪んだ部分にシー
ル材22を充填することによって建物躯体5の外壁5a
と舟型底枠1との間を水密結合する。なお、下枠12a
の延長部12bには室外側に突出する水切り枠12cを
形成してある。
【0042】次に、ベランダの施工順序を説明すると、
図18の先ず(a) に示すように躯体側根太枠11を建物
躯体5に形成し、この躯体側根太枠11には水密または
耐熱構造とするためにアスファルトルーフィングやポリ
エチレンフィルム等の防水材11aを敷設しておくと共
に、前述の排水管1i(図7)等を配管するための空隙
11bを形成しておく。
【0043】次に、(b) に示すように、舟型底枠1と共
に、舟型底枠1の底面に一体的に取り付けられたベラン
ダ側根太枠10を防水材11aを介して躯体側根太枠1
1に載置して舟型底枠1と両根太材10,11の三者を
釘やビスあるいは接着材によって一体に固定する。勿
論、釘やビス打ちの際にはその周辺にシール材を塗布な
いし充填して水密状態にすることが必要である。
【0044】次に、(c) に示すように、コーナー側柵壁
ユニット2Aを舟型底枠1の左右周囲に沿って立設し、
図6および図9に示すように、コーナー側柵壁ユニット
2Aの基端部をその補強骨枠9を利用して該補強骨枠9
から建物躯体5にアンカーボルト26を打ち込んで左右
両側のコーナー側柵壁ユニット2Aを建物躯体5に固定
し、各ユニット2Aの下端部をその柵壁下枠8を利用し
て釘打ち等によって躯体側根太枠11に固定する。
【0045】次に、(d) に示すように、正面側柵壁ユニ
ット2Bを、左右両側のコーナー側柵壁ユニット2A間
にあって、舟型底枠1の正面側に沿って載置する。そし
て、図15に示すように、互い対面する柵壁ユニット2
A,2Bは、両者の補強骨枠9,9を利用してボルト・
ナット27によって互いに連結されると共に、両柵壁ユ
ニット2A,2Bの互いの対面する柵壁上枠7,7は、
図16に示すように、両柵壁上枠7,7にわたって同一
断面形状の継手枠28を図示のように上部側から、或い
は図示しないが内部側から重ね合わせ、ビス29によっ
て固定する。
【0046】次に、(e) に示すように、図4に示すコー
ナー手摺ユニット3Aおよび正面側手摺ユニット3B、
あるいは図5に示す適当長さの複数の手摺ユニット3C
からなる手摺3の場合には、手摺ユニット3A,3B,
3Cの互いに対面するパイプ状の手摺横枠3a,3a
は、図17に示すように、その内周面の沿う外周面形状
のパイプ状の継手枠30を両手摺横枠3a,3aにわた
って挿入し、ビス31によって固定した後に、また図5
に示すような長尺な単体の手摺ユニット3Cの場合には
そのままで、またノックダウン方式で現場組立も行うも
のである場合には、手摺横枠3aと手摺支柱3bとを組
み合わせながら、コーナー柵壁ユニット2Aと正面側柵
壁ユニット2Bにわたって載置し、図10に示すように
手摺支柱3b、柵壁上枠7および横骨枠9bとに渡って
ねじ込むボルト・ナット18によって手摺ユニット3
A,3B,3Cを柵壁ユニット2A,2Bに固定する。
コーナー側手摺ユニット3A,3Cの基端部は特に固定
しなくてもよいが、L金具等の周知の固定金具によって
該基端部も建物躯体5に固定するようにしてもよい。
【0047】そして最後に、各柵壁ユニット2A,2B
の下端部および建物躯体5の外壁5aと舟型底枠1の立
ち上がり壁1b〜eとの間を前述のように水密結合する
ことになる。
【0048】なお、上記両者の水密結合の際に、各柵壁
ユニット2A,2Bは、予め裏板6をユニット2A,2
Bの一部として工場生産する場合と、裏板6は別個に施
工現場で各柵壁ユニット2A,2Bに取り付けられる場
合があるが、裏板6を施工現場で各柵壁ユニット2A,
2Bに取り付ける場合には、裏板6は、必ずしもコーナ
ー側側の部材と、正面側の部材とに分割形成する必要は
なく、適当な横幅の裏板6を各柵壁ユニット2A,2B
を立設後に取り付けるようにしてもよい。
【0049】以上の工程を経ることによって、本発明に
よるベランダAの建物躯体5への施工作業を終了する
が、以上の施工工程から分かるように、各柵壁ユニット
2A,2Bには、図3または図4に示すように、未だ柵
壁外壁材4が取り付けられていない。
【0050】一般にベランダ施工業者と、建物本体の施
工業者、即ち建物躯体5の施工業者とは異なるものであ
り、建物本体の施工業者は、建物の外観を示す建物外壁
材に意匠形状や色調等のデザインを施して建築主に渡す
ことになる。
【0051】ところで、建物躯体5とその外部側に設け
られるベランダAとは当然に一体のものであり、ベラン
ダAの外観の特にその色調は、建物全体のデザインに大
きく影響する。
【0052】そこで本発明では、ベランダ業者は、ベラ
ンダAを建物躯体5に施工する際に、ベランダAの柵壁
外壁材4を除いて施工を完了し、該柵壁外壁材4は、建
物本体の施工業者または建築主の希望に応じて随時所望
の色調或いは形状のものを取り付けるようにし、原則と
して建物本体の施工業者が建物躯体5の色調等に合わせ
て、図8〜図10に示すように、柵壁外壁材4を柵壁ユ
ニット2A,2Bの表面側に沿わせてその上端を柵壁上
枠7の取付用空間部27に嵌合し、適宜周知の方法で該
外壁材4を柵壁ユニット2A,2Bの補強骨枠9に接着
材等で固定し、該外壁材4の下端部は、図8、図9に示
すように、適宜水切り枠38を介して建物躯体5の屋根
13に水密結合するようにすればよい。
【0053】なお、上記実施形態では手摺3までも組み
立てたベランダを示したが、手摺3の不要な場合には当
然に柵壁2だけを施工すればよく、該柵壁2の上端部の
柵壁上枠7が所謂笠木としての役割を果たすことにな
る。
【0054】以上の施工作業によって建物躯体5の色調
等に合わせて体裁の良いベランダAを形成することがで
きるのである。
【0055】
【発明の効果】請求項1および請求項2に記載の発明に
よれば、面倒な組立作業を必要とする柵壁を、コーナー
柵壁ユニットと正面側柵壁ユニットとに分割して工場生
産しておき、取付現場である建物躯体には、これらの柵
壁ユニットを互いに連結すると共に、同じく工場で生産
された手摺ユニットを適宜柵壁ユニットに連結するだけ
でよいから、建物躯体へのベランダの施工作業が容易で
あり、短期間に施工することができる。
【0056】またこの発明によれば、ベランダの床面
は、周囲に立ち上がり壁を有する舟型の底枠によって一
体形成されるから、水密性が良好であり、安心して使用
することができる。
【0057】更にこの発明によれば、コーナー側柵壁ユ
ニットおよび正面側柵壁ユニットには、柵壁外壁材を積
極的に取り付けない状態でユニット生産され、ベランダ
の施工終了時点で最後に柵壁外壁材が上記ユニットに取
り付けられるようになっているため、ベランダが取り付
けられる建物躯体の色調等に合わせて柵壁外壁材を取り
付けることができ、それだけ現場施工の条件に自由に合
わせることができる。言い換えれば、建物躯体の色調や
意匠形状に影響されることなく、上記柵壁ユニットを工
場生産することができるから、それだけ量産の実を上げ
ることができ、また現場施工の実情に合致するものであ
る。
【0058】また請求項3に記載の発明によれば、取付
現場において舟型底枠と各柵壁ユニットが水密結合する
ようになっているため、それだけ確実に水密結合作業を
行うことができる。
【0059】また請求項4に記載の発明によれば、ベラ
ンダの施工面積に合わせて複数の舟型底枠を互いに水密
結合すればよいから、工場では単位大きさの舟型底枠の
みを生産しておけばよく、量産上有利である。
【0060】また請求項5に記載の発明によれば、舟型
底枠は強化合成樹脂(FRP)あるいはアルミニウム材
からなるため、強化合成樹脂特有の強靱性と防錆性によ
って、水密性能を長期間にわたって維持することができ
る。
【0061】また請求項6に記載の発明によれば、柵壁
を形成する裏板は、柵壁ユニットのユニット生産の際に
積極的に組み込まないで、取付現場である建物躯体にベ
ランダの施工の際に、取付現場の条件に合わせて該裏板
の横縦の幅を決めて、これを各柵壁ユニットに取り付け
るようにしたため、それだけ現場施工を容易に行うこと
ができる場合があり、また裏板と舟型底枠との水密結合
作業を容易に行うことができる場合がある。
【0062】また請求項7に記載の発明によれば、柵壁
外壁材を除いて柵壁を構成する部材を工場においてユニ
ット生産するようになっているため、取付現場では各ユ
ニットの連結や水密作業だけでよいことになり、それだ
け全体的な施工作業を迅速容易に行うことができる。
【0063】また請求項8に記載の発明によれば、 こ
の発明によれば、ベランダの床面を形成する舟型底枠1
はベランダ側根太枠10と予め一体的に取り付けられて
いるため、これを現場で建物躯体側の根太11に取り付
ける際に、ベランダ側根太枠10を躯体側根太枠11に
固着すればよいから現場施工が容易である。
【0064】またこの発明によれば、ベランダ側根太枠
を舟型底枠の面積に合わせて工場生産しておくことがで
きるため、それだけ現場での施工を迅速に行うことがで
きる。
【0065】また請求項9に記載の発明によれば、ベラ
ンダを形成する舟型底枠にベランダ側根太枠を取り付け
るだけでなく、建物躯体側にも躯体側根太枠を取り付け
るようになっているため、それだけベランダの取付強度
を上げることができると共に、舟型底枠の水密性能の上
に、該躯体側根太枠も水密構造となっているため、長期
間安定してベランダの水密性能を維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の外観を示す側面図で
ある。
【図2】 同正面図である。
【図3】 同内部構造を示す斜視図である。
【図4】 同内部構造の分解斜視図である。
【図5】 同別の実施形態の内部構造の分解斜視図で
ある。
【図6】 同平面図である。
【図7】 図5のVII ーVII 線断面図である。
【図8】 ベランダの正面側の縦断側面図である。
【図9】 ベランダのコーナー側の縦断側面図であ
る。
【図10】 ベランダの要部の縦断拡大側面図であ
る。
【図11】 同要部の斜視図である。
【図12】 (a) は同要部の横断平面図、(b) は(a) 図
の縦断面図である。
【図13】 同要部の縦断面図である。
【図14】 同要部の縦断面図である。
【図15】 同要部の縦断面図である。
【図16】 同要部の斜視図である。
【図17】 同要部の縦断面図である。
【図18】 ベランダの組立工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 舟型底枠 2 柵壁 2A コーナー側柵壁ユニット 2B 正面側柵壁ユニット 3 手摺 3A コーナー側手摺ユニット 3B 正面側手摺ユニット 3C 手摺ユニット 4 柵壁外壁材 5 建物躯体 6 裏板 7 柵壁上枠 8 柵壁下枠 9 補強骨枠 10 ベランダ側根太枠 11 躯体側根太枠

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舟型底枠と、該底枠の周囲に立設する柵
    壁ととからなり、予め舟型底枠と、柵壁とを別個独立し
    て形成すると共に、更に柵壁を、表面側の柵壁外壁材を
    除いた状態で、平面略L字状のコーナー側柵壁ユニット
    と、正面側柵壁ユニットと、に分割形成し、取付現場に
    おいて、建物躯体と、舟型底枠と、コーナー側柵壁ユニ
    ットと、正面側柵壁ユニットと、を互いに連結して取り
    付け、最後に建物躯体の外壁の色調等に合わせて、上記
    柵壁ユニットからなる柵壁に柵壁外壁材を取り付けるよ
    うにしたベランダの施工方法。
  2. 【請求項2】 舟型底枠と、該底枠の周囲に立設する柵
    壁と、該柵壁の上面に取り付ける手摺とからなり、予め
    舟型底枠と、柵壁およびその上面に取り付けられる手摺
    とを別個独立して形成すると共に、更に柵壁を、表面側
    の柵壁外壁材を除いた状態で、平面略L字状のコーナー
    側柵壁ユニットと、正面側柵壁ユニットと、に分割形成
    し、取付現場において、建物躯体と、舟型底枠と、コー
    ナー側柵壁ユニットと、正面側柵壁ユニットと、を互い
    に連結して取り付ける共に、手摺をコーナー柵壁ユニッ
    トおよび正面側柵壁ユニットに取り付け、最後に建物躯
    体の外壁の色調等に合わせて、上記柵壁ユニットからな
    る柵壁に柵壁外壁材を取り付けるようにしたベランダの
    施工方法。
  3. 【請求項3】 舟型底枠と各柵壁ユニットとは水密結合
    されるようになっている請求項1または2記載のベラン
    ダの施工方法。
  4. 【請求項4】 ベランダの施工面積に合わせて複数の単
    位舟型底枠を互いに水密結合してなる請求項1〜3のい
    ずれか記載のベランダの施工方法。
  5. 【請求項5】 舟型底枠は、強化合成樹脂(FRP)ま
    たはアルミニウム材からなる請求項1〜4のいずれか記
    載のベランダの施工方法。
  6. 【請求項6】 各柵壁ユニットは、柵壁上枠と、柵壁下
    枠と、これら上下枠に囲繞されて内部に取り付けられる
    補強骨枠と、からなる請求項1〜5のいずれか記載のベ
    ランダの施工方法。
  7. 【請求項7】 各柵壁ユニットは、裏板と、柵壁上枠
    と、柵壁下枠と、これら裏板と上下枠とに囲繞されて内
    部に取り付けられる補強骨枠と、からなる請求項1〜6
    のいずれか記載のベランダの施工方法。
  8. 【請求項8】 舟型底板の裏面にベランダ側根太枠が予
    め一体的に取り付けられるようになっている請求項1〜
    7のいずれか記載のベランダの施工方法。
  9. 【請求項9】 舟型底板が一体的に取り付けられるベラ
    ンダ側根太枠に対して、建物躯体にも躯体側根太枠が取
    り付けられ、且つ該躯体側根太枠は水密構造に形成され
    てなる請求項1〜8のいずれか記載のベランダの施工方
    法。
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