JP2922287B2 - 動揺装置 - Google Patents

動揺装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、支持位置の移動によって2つの剛体の相
対的変位を実現して、シミュレ−タやアミュ−ズメント
装置などの種類に応じて動揺する方向と姿勢を与える動
揺装置に関するものである。
(従来の技術) 従来の動揺装置としては、第15図、第16図に示すよう
な装置があり、動揺台7を動かす作動筒8の上端と下端
にはそれぞれ自在継手9a,9bが取付けられており、前方
(紙面右)を底辺とした三角形の各頂点に配置して、上
端の自在継手9aは動揺台7に下端の自在継手9bは固定台
10に取付けられている。
また、動揺台7を動かした時ずれないように、フレ−
ム11a,11bが動揺台7と固定台10の間を可動的に支持し
ている。
この様な構成において、それぞれの作動筒8を伸縮さ
せ、これら3本の相対的な伸縮状態の組み合わせによ
り、動揺台7に上下、ピッチ、ロ−ルの3軸方向の変位
を与えることができる。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような従来の3軸の動揺装置では、動揺台7の
ずれを防止するためにフレ−ム11a,11bを取付けておく
必要があった。
また、上記で説明したような機構では、動揺台7が前
後、左右にずれないようにフレ−ム11a,11bで支えてい
るので、例えば、第17図のように作動筒8の作動方向が
動揺台7と同一面になるように横に取り付けたとして
も、動揺台7をその延長面上に動かすことは出来ない。
この発明が解決しようとする課題は、かかる問題点を
解決することにある。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明に係る動揺装置は、
向かい合う2つの剛体を、それら剛体の間に位置し少な
くとも3頂点を有するとともにそれら3頂点の相互間の
距離が不変である3つの支持機構で可動的に支持し、前
記2つの剛体間の支持位置のいずれか片側または両側を
移動させることによって2つの剛体に相対的変位を与え
ることを特徴とするものである。
このとき、前記2つの剛体のいずれか一方を固定した
状態で、他方の剛体を変位させて使用することができ
る。
支持機構の支持位置の移動は、剛体面上に設けた直線
又は曲線のガイドで行うことで、操作が行い易く、剛体
の相対的変位の種類を変えることができる。
上記直線ガイドを放射状に配置したり、平行な直線に
形成したり、直線ガイドまたはその延長を三角形に形成
し、あるいは、曲線ガイドとして円周上に形成してもよ
い。
(作用) 上記構成において、支持機構の支持位置を移動させる
ことにより、他方の剛体を動かすことができる。このと
き、上側の支持位置または下側の支持位置いずれか片方
または両方を動かす。支持機構は3個有していて、2つ
の剛体の間に位置するから、それらの支持位置の相対的
変位に応じた組み合わせにより、剛体の相対的変位が実
現することができる。
また、支持機構の支持位置の移動方向を必要に応じて
異ならせたものを使用することにより、シミュレ−タや
アミュ−ズメント装置等によって異なる変位の種類を必
要とする各種の装置に対応させることができる。
(実施例) 以下、本発明に係る動揺装置の実施例を図により説明
する。第1図〜第5図は一実施例を示し、第1図、第2
図において2つの剛体1a,1bが共にほぼ正三角形の頂角
を欠いた形状の平板で構成され、互いの頂角部分が互い
の辺のほぼ中央にくるように配置されている。これら剛
体1a,1bの間には3頂点を有する3個の支持機構2が配
設されていて、剛体1aを1bの上の支持している。支持機
構2は略∨字形を形成しており、∨字形の2つの上端部
は2つの頂点を構成し、上側剛体1aが形成する三角形の
各辺の中間に軸受3を介して回動可能に取り付けられ
る。軸受3は上側剛体1aを支持する支持機構2の支持位
置として機能する。また、∨字形の下端部は残りの頂点
を構成して自在継手4が取付けられる。自在継手4は、
下側剛体1bの面上に形成したガイド5の上を移動可能に
取り付けられ、支持機構2の支持位置として機能する。
ガイド5は剛体1bが形成する三角形の垂線上に設置さ
れ、放射状に形成される。このとき、上側剛体1aの三角
形を下側剛体1bのものより小さく形成しているので、3
つの支持機構2の下端部の頂点に取り付けた自在継手4
は上端部の頂点に設けた軸受3よりも外側に配置された
状態になっている。
以上の構成において、夫々の支持機構2の下端部の頂
点側に取り付けた自在継手4の位置を移動制御すること
によって、支持機構2の上端部を変位させて、2つの剛
体1a,1bを相対的に変位させる。したがって、下側剛体1
bを固定すれば、上側剛体1aを動揺台とすることができ
る。このとき、2つの剛体1a,1bの相対位置がどのよう
に変位しても、夫々の支持機構2が垂直に立たないよう
にするため、ガイド5にはストッパ6が設けてある。
支持機構2の下端部の頂点側の自在継手4を移動させ
る方法として本実施例では、ボ−ルネジを用いてこれを
モ−タで回転する方法を用いている。
このような上側剛体1aを動揺台としたときの動きの一
例を第3図〜第5図に示す。同図の(a)は平面図、ま
た同図の(b)はこれに対応する立面図であり、矢印
(A)は装置の前方を示し、矢印(B)は上部剛体1aの
動いた方向を示している。
各図を説明すると、第3図(a),(b)の破線で示
す初期状態にあったものが、各図の実線で示す状態に移
ったものである。第3図は3つの支持機構2の自在継手
4a,4b,4cを下側剛体1bが形成する三角形の内部から頂角
方向に移動させることにより、上側剛体1aを平行移動し
て下げる。第4図は自在継手4cを移動せず、4a,4bを移
動することにより上側剛体1aの前方を下げるように回転
させる。第5図は、自在継手4cのみを移動させ、4a,4b
を初期をの状態のままにすると、上側剛体1aの後方を下
げるように回転させる。
上記の例では直線ガイドが放射状に配置されていた
が、平行に配置した場合の例を第6図〜第8図により説
明する。
初めに第6図(b)の破線に示すように、自在継手4
a,4b,4cはガイド5の右端に位置している。すべての自
在継手4a,4b,4cを左へ移動させると上側剛体1aを左側へ
平行移動させる。第7図は自在継手4cが初期状態のまま
で移動せず、4a,4bを左に移動することにより剛体1aの
後方を上げるように回転する。第8図は自在継手4aを移
動させず、4b,4cを移動させることにより剛体1aの左後
方が下がりまた上部から見て右に回転する。
次に、ガイドが円周になるように配置した例を第9図
により説明する。
初め、自在継手4a,4b,4cを等角度間隔に位置させ、剛
体1aの面を水平することができる。この状態で自在継手
4a,4b,4cを同方向に移動させると剛体1aが右または左に
回転する。自在継手4cを初期状態のままにし、実線で示
したように4a,4bを前方に移動させると、剛体1aは実線
で示したように前方に移動するとともに後方を下げ、前
方を上げる。
次に、ガイドの配置を三角形に形成した例を第10図〜
第12図により説明する。この例は、支持機構2が上側剛
体1a及び下側剛体1bの両方の面上を移動するように構成
したものでもある。下側剛体1bには直線上のガイド5を
その延長が三角形を形成するように配置し、上側剛体1a
にはそれが形成する三角形の垂線上に直線ガイド5′を
配置する。∨字形の支持機構2は∧字形にして用い、∧
字形の下側の2つの頂点は軸受3を介して下側剛体1bの
ガイド5移動可能に取り付けられ、∧字形の上側の頂点
は自在継手4を介してガイド5′移動可能に取付けられ
る。したがって、この例では支持位置は自在継手4だけ
でなく、軸受3がガイド5に取付けられる部分も支持位
置として機能する。下側のガイド5上の移動は主に水平
方向の変位を生じさせ、上側のガイド5′上の移動は主
に垂直方向の変位を生じさせ、剛体1aを6軸方向に変位
させることができる。
第11図の破線で表す初期状態から、後方の支持機構2c
をガイド5に関して元の位置にしたままにして、支持機
構2a,2bを実線で示すように前方へ移動させ互いに近づ
けると、剛体1aはピッチを伴なって前方へ移動する。第
12図において、支持機構2aだけ実線で示すように前方に
移動させると、剛体1aは若干傾きながら右方向へ首振り
する。各支持機構2a,2b,2cが剛体1aを右手にみるように
移動すれば、剛体1aは首振り又は旋回をする。
上記第11図、第12図の移動において、支持機構2の下
側頂点のガイド5上の移動のみでなく、第10図のように
上側頂点のガイド5′上の移動を加えることにより、垂
直方向の変化を与えることができる。第11図の場合は、
移動させた2つの支持機構2a,2bの自在継手4a,4bを内側
に移動させると前方が下がってきてピッチ変化が小さく
なり、同様に後部の支持機構2cの自在継手4cを外側に移
動すれば後部が上がってくるので、剛体1aは前方へ移動
した状態で水平に戻ってくる。支持機構2a,2b,2cの上側
の頂点すなわち自在継手4a,4b,4cを内側に移動させれば
剛体1aは下がり、外側へ移動すれば上がってくるので、
3つの支持機構2a,2b,2cの上側及び下側の夫々を同時に
同一方向に移動させると、剛体1aは首振りまたは旋回し
ながら上下運動をする。
第10図〜第12図ではガイド5は、直線のものを用いた
が、第13図のように円周上に配置しても同様に作用す
る。
以上の例では、剛体1bが設置面に固定されているが、
逆にして剛体1aを固定してもよいことはもちろんであ
る。また、上側剛体1aより下側剛体1bが形成する三角形
を大きくしてあるが、逆に小さく設定して夫々の支持機
構2の軸受3よりも自在継手4が内側にあっても同様の
効果が得られる。また、支持機構2が∨又は∧型をもの
を説明したが、三角形にして1辺を蝶番で形成してこれ
により剛体1a又は1bを回動可能に支持してもよい。さら
に、支持機構2が3頂点のものだけでなく、第14図
(a),(b)のように4頂点、5頂点としてもよい。
このとき、頂点21a,21b,22c又はこれらを結ぶことによ
りできる1辺が支持位置となるが、22d,22eは支持位置
とはならない。
また、支持機構2の頂点側の自在継手4を移動させる
方法としては、モ−タとボ−ルネジを用いる方法だけで
なく、モ−タにプ−リとスチ−ルロ−プを用いたり、直
動型油圧シリンダを用いたりしてもよい。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、この発明に係る動揺装置
によれば、支持機構を剛体に沿って移動させることによ
って剛体を相対的に変位させることができ、一方の剛体
を固定することによって、他方の剛体を動揺台とするこ
とができる。
また、少なくとも3頂点を有するとともにそれら3頂
点の相互間の距離が不変である3つの支持機構で可動的
に支持する構成であるため、剛体の姿勢変化にかかわら
ず、支持機構の形状(実施例では∨字形または∧字形ま
たは蝶番)は一定の形を保つので、全体の剛性は強く、
剛体を安定して制御できる。
支持機構を剛体に沿って移動させているので、支持機
構と剛体面とのなす角度が小さくない範囲においては、
負荷に対して駆動力を小さくすることができ、電動モー
タ等の利用がし易くなる。
また、支持機構の移動方向を変えることによって、動
揺台が変位する方向と姿勢の種類を変えることができる
ので、利用する装置の種類によって適した動揺台を利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図(a),(b)〜第5図
(a),(b)はこの発明に係る動揺装置の実施例を示
し、第1図は斜視図、第2図は側面図、第3図(a),
(b)〜第5図(a),(b)は動作説明のための模式
図、第6図(a),(b)〜第8図(a),(b)は第
2の実施例の模式図、第9図(a),(b)は第3の実
施例の模式図、第10図、第11図(a),(b)〜第12図
(a),(b)は第4の実施例の模式図、第13図は第5
の実施例の模式図、第14図は第6の実施例を説明する図
である。第15図、第16図は従来の動揺装置を示す図であ
り、第15図は平面図、第16図は側面図である。第17図
(a),(b)は発明が解決しようとする課題を説明す
るための構成図である。 1a,1b……剛体、2a,2b,2c……支持機構、3a,3b,3c……
軸受、4a,4b,4c……自在継手、5,5′……ガイド、6…
…ストッパ。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】向かい合う2つの剛体を、それら剛体の間
    に位置し少なくとも3頂点を有するとともにそれら3頂
    点の相互間の距離が不変である3つの支持機構で可動的
    に支持し、前記2つの剛体間の支持位置のいずれか片側
    または両側を移動させることによって2つの剛体に相対
    的変位を与えることを特徴とする動揺装置。
  2. 【請求項2】前記2つの剛体のいずれか一方を固定した
    状態で、支持機構の支持位置のいずれか片側または両側
    を剛体面に沿って移動させることによって他方の剛体を
    変位させることを特徴とする請求項第1項記載の動揺装
    置。
  3. 【請求項3】支持機構の支持位置の移動を剛体面上に設
    けた直線又は曲線のガイド上で行うことを特徴とする請
    求項第1項記載の動揺装置。
  4. 【請求項4】支持機構の支持位置が移動するガイドを放
    射状に形成した3直線に配置したことを特徴とする請求
    項第3項記載の動揺装置。
  5. 【請求項5】支持機構の支持位置が移動するガイドを平
    行な3直線に形成したことを特徴とする請求項第3項記
    載の動揺装置。
  6. 【請求項6】支持機構の支持位置が移動するガイドまた
    はその延長が三角形を形成することを特徴とする請求項
    第3項記載の動揺装置。
  7. 【請求項7】支持機構の支持位置が移動するガイドを円
    周上に配置したことを特徴とする請求項第3項記載の動
    揺装置。
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