JP2921792B2 - トコフェロールを基体とした薬剤系 - Google Patents

トコフェロールを基体とした薬剤系

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    • A61K9/1272Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers with substantial amounts of non-phosphatidyl, i.e. non-acylglycerophosphate, surfactants as bilayer-forming substances, e.g. cationic lipids

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、安定なリポソーム組成物に関する。特に、
この発明は薬剤組成物として用いられる安定化剤を含有
するアルファトコフェロール二分子層(bilayer)の有
機酸誘導体の物理的安定化に関する。
トリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)
−トコフェロールヘミサクシネート(t−THS)のよう
なアルファトコフェロールの有機酸誘導体の塩形態は、
高い取り込み効果を有し、生理的なpH値での高い捕獲容
積を有する閉鎖されたマルチラメラ小胞体を形成するこ
とが知られている〔ジャノフら、1989年9月24日出願米
国特許出願第911,138号、発明の名称「アルファトコフ
ェロールを基体とした小胞体」およびレイら、バイオケ
ミストリー(Biochemistry),24:1646−1661(1985)参
照〕。THSは又、pHもしくは二価のカチオンの存在に依
存したポリモルフィック(例えばヘキサゴナルIIへの二
分子層)相の行動を示している。例えば、THSの水性懸
濁液は生理的pHおよびそれ以上(約pH6.0−9.0)では二
分子膜相(bilayer phase)にあるが、このpHを約6.0よ
り下げるか、Mg++もしくはCa++のような二価のカチオン
を導入すると、小胞体を凝集および融解を生ぜしめ、ヘ
キサゴナル相(hex II)形成を誘導する。
トコフェロール酸サクシネート(ヘミサクシネート)
をTHSのトリス塩形態を酸性のpHではリポソームを形成
しないし、またリポソームのままでもいない。これは低
いpHではhex II構造が形成されるからである。アルファ
ーTHSは、ヘキサゴナル相ポリモリフィズムへの二分子
層を示すことが知られている他の脂質とは構造的に全く
異なっている分枝位単一鎖脂質であり、このような脂質
としては、例えばホスファチジルエタノールアミン、カ
ルジオリピンおよびモノ−ジアシルグリセライド類であ
る。
リポソーム薬剤搬送システムにおいてアルファートコ
フェロールヘミサクシネート(THS)を使用したこれま
での研究では、取り込まれるかTHSと会合している生物
活性剤は生理学的pH値において安定であった。このよう
な薬剤搬送システムにおいて、THSの二分子膜状態に対
する生理学的pHに対する必要性はこの薬剤のための同様
のpH必要性と一致した。しかしながらある種の薬、例え
ばピロカルピンは生理学的pHにおいてこのようなプロト
ン化されていない形態において触媒的に活性であり、し
たがってより酸性のpHの搬送システムが必要とされる。
これまでのこのようなシステムは、二分子層の状態での
THSのpH必要性の故に、搬送システムとしてTHSと適合で
きなかった。というのはこのような条件がTHSを加水分
解に対し非常に敏感にさせ、その結果THSを崩壊させる
のであった。その上ピロカルピン自体が高いpHにおいて
不安定であり、そこでは塩基で触媒されて加水分解され
るのである。低いpHではピロカルピンはプロトン化され
より安定である〔チュンら、ジャーナル オブ ファー
マシューティカル サイエンス(J.Pharm.Sci.),59
(9):1300−1305,(1970)〕。他の薬の中でもピロカ
ルピンはこのように要求をするので、より低い(酸性
の)pHにおいて二分子層システムと会合しているのが好
ましい。
すなわち、THSおよびピロカルピンのような薬を使用
する脂質を基体とした搬送システムにおいては、この薬
の酸性条件の要求が、THSのための二分子層形態(中性
から塩基性条件)への要求と相入れないように見える。
THS分子のポリモルフィック相行動、これは酸性のpHに
おいて溶液中に上記のhex II相および沈殿を形成するの
だが、および薬の酸性pHに対する要求の故に、酸性およ
びアルカリ性の両pHにおいてTHSの二分子層形態を維持
する安定化剤を使用する新しいシステムを本発明者等は
発展させたものである。安定化剤が存在するこのこのよ
うな条件下では、THSは、酸性pH溶液中安定化されてい
る。このシステムは、より低いpH条件を容認もしくは要
求する生物活性剤、例えばイミダゾール基を有する薬
で、製剤の最終pは酸性であるがそれと会合もしくはそ
れを取り込むTHSリポソームを使用する。
安定化剤は、酸性pH環境中でリポソームを基体とした
d−アルファートコフェロール酸サクシネートの二分子
層状態の形成及び/また維持を可能にする化合物として
定義される。この機能を行えることが見出された物質は
一般に、界面活性剤および洗浄剤として普通知られてい
るクラスの化合物に属する。本発明においては薬剤的に
許容し得る賦形剤(excipiens)ポリオキシアルキルエ
ーテル〔ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、
ポリオキシエチレン−23−ラウレルエーテルおよびそれ
らの組合せ、そしてまた各々ラウレス(Laureth)−
4、ラウレス−23およびラウレス−12、ICIアメリカ
ズ、インコーポレーテッド(Americas,Inc.)の名前に
よって知られており;付記された数はポリオキシエチレ
ングリコール部分におけるエチレンオキシド単位の平均
数を表わす〕のような安定剤(洗浄剤)は酸性pHにおい
てTHSを二分子相へと安定化することが見出された。
本発明者等は驚くべきことに、酸性pHに調整し得るTH
S−安定剤二分子膜相を使用するシステムを見出したも
のであり、これによって低いpH条件を必要とする薬を適
応させるものである。このシステムにおいては、THS−
安定化剤二分子膜相は低いpH、例えば酸性のpH、例えば
約2.0と6.5の間のpHで、より好ましくはpH約4.0−5.0
で、最も好ましくはpH約4.5で形成される。次いでこの
ような低いpH条件を要求する薬をこの製剤に加えるか:
さもなければこの薬はpHの調整の前に添加することがで
きる。本発明者らは更に、この製剤が中性pH(例えば生
理学pH)に調整されたとき、このシステムの二分子膜相
は維持され、この溶液の粘度は増加することを見出し
た。このようなpH調整はこの溶液を体液に添加したと
き、例えば眼用ピロカルピンおよび涙の膜の場合に、効
率よく行うことができる。例えば酸性リポソームTHSピ
ロカルピン溶液の眼への添加は粘度の増大をもたらし、
これはピロカルピンと眼の組織との接触時間を増加させ
ることができる。接触時間の増加は眼の組織による薬の
摂取の強化に直接つながることが知られている〔Chrai
ら、ジャーナルオブ ファーマシューティカル サイエ
ンス(J.Pharm.Sci),63:1218(1974)、リーら、ジャ
ーナル オブ ファーマシューティカル サイエンス
(J.Pharm.Sci.),63:721(1974)〕。
本発明の生物活性剤の輸送の形態は好ましくは薬と脂
質(例えばTHS)の会合、リポソーム中への取り込み、
リポソームの外部との結合もしくは脂質二分子層の内側
との会合によるものである。
リポソームは取り込まれた水性容量を有する完全に閉
鎖された二分子膜層である。リポソームはユニラメラ小
胞体(unilamellar vesicles)(単一膜二分子層を有
す)もしくはマルチラメラ小胞体(多数の膜二分子層に
よって特徴づけられる玉葱様構造をもち、各層は水性層
によって次の層と分けられている)であることもでき
る。この二分子層は疎水性”尾部”領域と親水性”頭
部”領域を有する2つの脂質モノレイヤー(一分子層)
から成っている。膜二分子層の構造は、単分子膜の疎水
性(無極性)の脂質モノレイヤの”尾部”が二分子層の
中心に向っており、一方親水性(極性)の”頭部”が水
性層に向かうといったものとなっている。
バンガム(Bangham)等の、初期のリポソーム製造
〔ジャーナル オブ モレキュラーバイオロジー(J.Mo
l.Biol),12,238−252,1965〕は有機溶媒中にリン脂質
を懸濁させ、次いでこの溶媒を蒸発乾燥させ、反応容器
上にリン脂質の膜を残留させるものである。続いて適当
量の水性相を添加し、この混合物を”膨潤(swell)”
させ、そして得られたマルチラメラ(multilamellar)
小胞体(MLVs)からなるリポソームを機械的手段で分散
させる。この技術が、パパハジョポウロス(Papahadjio
poulos)らによって記載された〔バイオヒミカ エト
バオオフィジカ ウント アクタ(Biochim.Bophys.Act
a.)135,624−638,1968〕音波処理された小さなユニラ
メラおよび大きなユニラメラ小胞体の開発のための基礎
を提供している。
各種ステロール及びそれらの水溶性誘導体を、リポソ
ーム形成のために用いることができる。特に、ジャノフ
(Janoff)ら、PCT公開番号85/04578号、1985年10月24
日公開、名称”ステロイド性リポソーム”参照。メイヒ
ュー(Mayhew)ら、PCT公開番号WO85/00968、1985年3
月14日公開には、アルファートコフェロールある種のそ
の誘導体を含むリポソームで薬剤をカプセル化すること
によって、薬の毒性を低減させる方法が記載されてい
る。リポソーム−薬搬送系において、薬のような生物活
性剤をリポソーム中に取り込み或いはリポソームと会合
させ、次いで治療すべき患者に投与する。例えば、ラー
マン(Rahman)ら、米国特許第3,993,754号;シアーズ
(Sears),米国特許第4,145,410号;パパハジョポラス
(Paphajopoulos)ら、米国特許第4,235,871号;シュナ
イダー(Schneider),米国特許第4,114,179号;レンク
(Lenk)ら、米国特許第4,522,803号;及びファウンテ
イン(Fountain)ら、米国特許第4,588,578号参照。
本発明は酸性要求もしくは酸性耐性薬の酸性pHでの輸
送の問題をTHSで解決するものである。酸性pHにおいてT
HSを安定化剤と結合させることによりTHSの二分層条件
が維持される。更に、pHを中性に調整することに続い
て、このシステムは粘度を増加し薬と体の組織との間の
接触時間を増加させる。このシステムは酸要求性もしく
は酸耐性薬剤、例えばピロカルピンのような薬を包含す
るものである。
本発明においては、THS、生物活性剤および安定剤を
包含するリポソームが酸性pHに調整され対象者に投与さ
れる。
発明の要旨 本発明は低pH条件を要求もしくは耐容性である薬剤の
作用を持続させる方法を開示するものであり、ここでは
アルファートコフェロールの有機酸誘導体を酸性pHにお
いて安定化剤と混合する。得られた混合物は追加的に生
物活性剤含有することができる。この方法は生物活性剤
が塩基性触媒的に加水分解を受け、したがって低pH条件
を要求もしくは耐性である場合に使用される。このよう
な薬剤は、例えば、ピロカルピンのようなイミダゾール
基を有する薬剤である。
本発明の好ましい態様においては、安定化剤はポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、例えばラウレス−12、
ラスレス−23、もしくはトコフェロールポリオキシエチ
レングリコールサクシネート(TPGS)のような洗浄剤で
ある。この安定剤もしそれが親脂質性である場合には、
メチレンクロライドのような有機溶媒中、アルファート
コフェロールの有機酸誘導体と一緒にすることができ
る。生物活性剤を含有する水性懸濁液および緩衝剤は有
機溶剤と混合し、有機溶媒を除去することができる。得
られた懸濁液のpHはそれから約3.0〜5.5、より好ましく
は約4.5に調整される。この製剤は更にp−ヒドロキシ
安息香酸エステル、ベンジルアルコール、ベンジルコニ
ウムクロライドもしくはソルビン酸のような防腐剤を含
有する。
すなわち、この発明は上記の条件下、低pHにおいてア
ルファトコフェロールの有機酸誘導体と安定化剤を含有
する持続作用のあるリポソーム組成物に関する。この組
成物は生物活性剤、例えば眼病治療有効量のピロカルピ
ンを含有する薬剤組成物であることができ、このものは
のような処置が必要な対象者の眼の組織に該生成物を適
用することにより投与することができる。
本発明の低いpH THS安定化リポソームの形成にいくつ
かの方法が適用できる。本発明組成物形成のための1つ
の方法は、低pHを必要とする薬と生理学的pHを必要とす
る両親媒性化合物(THS)を含有するリポソームとを会
合させるものであり、これはこの薬を低pHの水溶液中に
溶解し、安定化剤を含有する有機溶媒中にTHSを懸濁さ
せ、第一の溶液と上記の懸濁液とを一緒にし、有機溶媒
を除去、そしてpHを調整することを包含するものであ
る。用いられる有機溶媒はメチレンクロライドが好まし
い。
本発明のいずれの方法を用いてもトコフェロールヘミ
サクシネートおよび安定化剤を含有する薬剤搬送システ
ムはつくられ、このシステムのpHは酸性である。
このリポソームは眼に局所的に投与することができ
る。
発明の詳細な説明 本発明はアルファートコフェロールの有機酸誘導体を
基体としたシステムをつくるための組成物および方法に
関し、この方法は生理学的pHでは不安定で、安定のため
に低pH(酸性の)環境を必要とするか、それに耐えられ
る生物活性剤の搬送の特に好適である。また特にこの発
明はアルファートコフェロールの有機酸誘導体と酸要求
生物活性剤(特に例えばピロカルピンのようなイミダゾ
ール基を有する薬)を二分子膜中で共安定化させる方法
に関する。この安定化には表面活性剤および/または洗
浄剤、より好ましくはポリオキシエチレンアルキルエー
テルもしくはエステルのような洗浄剤のような安定化剤
を必要とする。このようなトコフェロール二分子層形成
化合物の有機酸誘導体としてはトコフェロールヘミサク
シネート(THS)がある。
THSのpHに依存した多形性という性質はTHSを含有する
薬剤搬送システムをデザインする際に重要である。THS
相の行動に対するpHの影響を調べるためにTHS二分子層
(リポソーム)に対して行われた凍結粉砕電子顕微鏡に
よれば、pH7.0ではTHSはマルチラメラおよびユニラメラ
小胞体の異質集合体を形成することが証明された。また
一方、pH7.0でピロカルピン−THSでつくられたリポソー
ムは凝集されたマルチラメラリポソームであり、サイズ
および形の両者に関して異質のものである。ピロカルピ
ンおよびTHSは7.0あたりのpHでの混合物では化学的に不
安定である。
THS製剤およびピロカルピン−THS製剤の間でみられる
顕微鏡的な相違は、ピルカルピンとTHSの間の会合を示
唆している。両製剤のpHを低くしていくと、hex II相脂
質に似ている沈殿が形成される。酸性化により同様に沈
殿が生じるという事実は、より低いpHのTHSのピロカル
ピン会合の損失を示している。低いpHでのTHSのこのよ
うな多形性(二分子膜からhex II)相行動は、その安定
性プロフイールが低pHを要求する(もしくは耐容性があ
る)薬の共投与を難かしく、あるいは不成功にさせる。
本発明者らはリポソーム製剤において洗浄剤のような
ある種の製剤を安定化することを見出した。該薬に対す
る酸性pH環境の必要性は、THS製剤への安定化剤の包括
により可能となり、酸要求性薬剤はこのシステムを経由
して搬送することができる。
本発明の方法は、この酸性要求薬剤をTHSリポソーム
と共にこのように安定化して投与することを可能にす
る。安定剤(表面活性剤もしくは洗浄剤)と結合したTH
Sは、このような薬の新しい搬送システムを構成する。
薬と該搬送システムとの会合は、この薬が最も安定な条
件を示しつつ薬の持続した作用を可能にする。更に、生
体内投与の際にこのpHを中性の値に調整するとシステム
の粘度が増大し、それによってこのシステムと組織との
接触時間を増大することができる。
本発明の製剤は有機および水性相を混合することによ
って調整することができる;有機相はTHSおよび安定化
剤(使用される安定化剤が親脂質性であるならば、有機
溶媒に溶解性である)をメチレンクロライドのような有
機溶媒中に含有する。この方法は、始めに二分子層構造
の形成を促進し、これがpH調整後に二分子層を維持する
傾向をもたらす。この溶液は物理的に安定な二分子膜相
にあり、薬は後から添加することができる。
この水性相はソルビン酸のような防腐性抗菌剤および
EDTAのような抗菌剤強化剤が含有することができ、これ
らは滅菌水もしくは緩衝剤中で混合され、加熱して溶解
する。使用される防腐剤に応じ、この加熱工程は省くこ
とができる。冷却後、薬(ピロカルピン)は水性防腐溶
液にて添加される。この水溶液は最終製剤が有機相と混
合された後、pH4.5あるいはその周辺となるよう緩衝塩
もしくは等量の酸あるいは塩基を含有するべきである。
溶媒の除去後に、水酸化ナトリウム(NaOH)のような塩
基で得られた製剤のpHにほんの少し調整を行い、約pH4.
5とすべきである。
THS(有機相)は続いて生物活性剤(水性相)と混合
することができ、そして懸濁液は手で撹拌される。続い
て該有機溶媒は例えば真空下の蒸発により除去される。
この後、得られた溶液は滅菌蒸留水もしくは緩衝剤で望
ましい容量に調整され、またクエン酸ナトリウムもしく
はクエン酸のような塩、希塩基、希酸を用いてpHを約4.
5に調整される。
使用される安定化剤が親水性であるならば、有機相よ
りむしろ水性相で混合することができる。
得られるピロカルピン−THSリポソームは、1987年4
月16日に出願された普通に譲渡された(assigned)共係
属米国特許出願第036,980号に記載された連続的サイズ
減少方法を用いてサイズを小さくし、もしくは均質化す
ることができる。この技術においては、リポソーム溶液
を、500nmの公称孔サイズを有するステンレススチール
フィルターを多数回圧力下、通す。さもなければこのリ
ポソームはLUVET法により均一孔サイズフイルターを通
して押し出すことができ、このLUVET法はクリスらの
「ユニラメラ小胞体を製造する押し出し技術」という名
称の、1986年1月16日付PCT公開第87/00238号(参考)
に記載されている。この技術によってつくられる小胞体
はLUVETsと呼ばれるが、膜フィルターを通して圧力下、
押出される。小胞体はまた200nmのフィルターを通す押
出し技術によってもつくることができる;このような小
胞体はVET200sとして知られている。またさもなければM
anton−Gaulinホモナイザーのような装置を使用してリ
ポソームを均質化することもできる。
本発明において使用されているように、生物活性剤と
いう語は生物学的活性を有するいずれの化合物をも包含
すると理解され;例えばペプチド、ホルモン、毒素、酵
素、神経伝達物質、リポプロテイン、グリコプロテイ
ン、免疫調節剤、イムノグロブリン、ポリサッカライ
ド、細胞受容体結合分子、核酸、ポリヌクレオチド、等
のような薬および他の治療薬が、染料、放射製造影剤お
よび蛍光剤のように生物学的追跡剤と同様に挙げられ
る。特に、本発明は例えばピロカルピンのような眼の治
療剤である薬に関する。
本発明において、安定剤は存在する脂質の量および安
定化剤の生物許容性に応じた量で包含される。好ましく
は、この組成物は約2〜20%の安定剤を含有する。製剤
中に沈殿、結晶構造、ゲル、かたまりもしくは非均一性
の物質が存在する場合には、洗浄剤もしくは表面活性剤
ではこの製剤の安定化がうまくできない。20%の安定剤
では、製剤中にhex II相脂質は見られずに、リポソーム
のみが存在しており、この二分層は見られずに、リポソ
ームのみが存在しており、この二分子層は完全に安定化
されている。
本発明において使用することのできる安定剤は洗浄剤
もしくは表面活性剤のようなものであり、例えばステア
リン酸ポリオキシル、オクトキシノール(Triton 72
0)、もしくはラウレス−12および23、ラウレス−4お
よび23の組合せ、そしてTPGSのようなポリオキシエチレ
ンアルキルエーテルがある。しかしながら、次のような
洗浄剤は核製剤を安定化せず、したがって使用を薦める
ことはできない:ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリソルベート80
(Tween 80)、ソルビタンモノパルミテートもしくはソ
ルビタンモノラウレート、グリセロールモノステアレー
ト、チロキサポール、およびポロキサマーズ(Pluronic
F−127およびPluronic F−68)である。
本発明で用いることのできる抗菌性防腐溶液としては
ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル、
ブチルもしくはプロピルエステル、ベンジルアルコー
ル、クロルブタノール、ベンジルコニウムクロライド、
フェネチルアルコール、および水銀性防腐剤である。ソ
ルビン酸は最終製剤中に約0.01〜0.1%(W/V)で存在す
るのが好ましく、最も好ましいのは0.05%であり、水銀
製剤の場合は0.001〜0.004%(W/V)、クロロブタノー
ルおよびフェネチルアルコールの場合は約0.5%(W/
V)、そしてベンジルコニウムクロライドもしくは他の
第4級アミン防腐剤の場合は約0.01もしくはそれ以下
(W/V)である。必要とされる防腐剤の量は抗菌効果試
験(AME)および製剤中の他の成分との構造的化学的適
合性によって決めることができる。この防腐溶液はまた
エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような強化物質
を約0.01〜0.1%(W/V)、好ましくは0.05%で存在させ
ることもできる。このような物質は防腐剤の抗菌活性を
強めるものである。好ましくは本発明ではソルビン酸:E
DTA(0.05%:0.05%)が用いられる。
本発明の安定剤−二分子層THS製剤において用いられ
る水溶液は蒸留水、0.1%(W/V)までのソルビン酸水溶
液、もしくは0.1%までのジソジウムEDTA二水和物水溶
液を包含するが、これらの限定されるものではない。好
ましくは滅菌水が用いられる。この水性相は生物活性
剤、安定剤、防腐剤および緩衝塩を、酸および塩基と同
様に含有することもできる。
本発明の両親媒性物質二分子層形成物質(脂質)はト
コフェロールの有機酸誘導体の塩形態、もしくは構造的
に関連した他の化合物を包含し、これによって水溶液中
での完全に閉鎖された二分子層の形成が可能となるので
ある。特別のトコフェロールの有機酸誘導体の塩形態の
安定性は、この化合物が外部環境と接触しないように水
溶性化合物を隔離する能力に依存している。例えばアル
ファトコフェロールヘミサクシネート(THS)のような
トコフェロールの有機酸誘導体はいずれも本発明の実施
に当って使用することができる。
このトコフェロール(例えばアルファトコフェロー
ル)の誘導体をつくるために使用できる有機酸はカルボ
ン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、オキシ酸、アミ
ノ酸およびポリアミノ酸を包含するがこれに限定される
ことはない。誘導体としてはエステル、ヘミエステルも
しくはエーテルが挙げらる。塩形態は有機酸の水溶性を
増大させるので、どのような有機酸もアルファトコフェ
ロールの誘導体を形成するために用いることができる
が、有機酸自体で水溶性であれば有利である。このよう
な水溶性の有機酸としては酢酸、プロピオン酸、ブチル
酸、吉草酸等のような水溶性カルボン酸(注:炭素数4
までのカルボン酸は水と混合性である;炭素数5個の遊
離カルボン酸は部分的に溶解性であり、より長い鎖の遊
離酸はほとんど不溶性である。);マロン酸、コハク
酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン
酸等のような水溶性脂肪族ジカルボン酸(注:鎖が短い
程水溶性で好ましい;水への溶解性の境界線はC6からC7
である);そしてヘミメリチン酸、トリメシン酸、サク
シンイミド等の水溶性芳香族ジカルボン酸;ポリカルボ
ン酸;グリコール酸、乳酸、マンデル酸、グリセリン
酸、りんご酸、酒石酸、クエン酸等のような水溶性オキ
シ酸(注:カルボニル基のアルファ炭素に付いている分
枝鎖を含有するアルファヒドロキシ酸は加水分解を受け
にくいので、本発明の実施に当っては有利である);そ
してアミノ酸もしくはポリアミノ酸のいずれもが挙げら
れる。
誘導体とされたアルファトコフェロールの塩形態のア
ルファトコフェロールの有機酸誘導体と該塩の対向イオ
ン(例えば該塩の遊離塩基)の両者を適当な蒸発性溶媒
中で溶解し、該溶媒を蒸発もしくはアルファトコフェロ
ールの有機酸誘導体の塩形態からなる残渣を残す同様の
技術により除去することによって製造することができ
る。使用できる対向イオンは相当する塩を形成するため
にトリス,2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−アミノエタノール、ビスートリスプロパン、
トリエタノールアミン等を包含するが、これらに限定さ
れることはない。本発明において、THSの遊離酸形態が
好ましく用いられる。
本発明において、THSは好ましくは最終製剤の10.2%
(w/v)で使用される。この製剤はまた、例えばホスフ
ァチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミ
ン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジ
ルグリセロール(PG)、ホスファチジン酸(PA)、ホス
ファチジルイノシトール(PI)、スフィングミエリン
(SPM)等のような他の脂質を包含することができる。
このリン脂質は合成品でもよいし、卵や大豆のような天
然資源に由来するものでもよい。例えば、このTHSは卵P
Cと70:30のモル比で使用することもできる。更に、この
リポソームはコレステロールヘキサクシネート(CHS)
とTHSを95:5ないし80:20(THS:CHS)の比で含有するこ
ともできる。
ポリビニルアルコールもしくはヒドロキシプロピルメ
チルセルロースのような親水性ポリマー粘度増強剤化合
物はリポソームの組織上への保持をも強化するものであ
るが、これらを使用することもできる。これらの化合物
は最終製剤の約0.05〜1.5%(w/v)濃度で使用される。
これらの化合物が使用されるとき、これらは最初の水性
相製剤(ピロカルピン−水溶液)に添加される。
このピロカルピン−THS製剤において、いくつかの溶
液がこのリポソーム溶液のpHを調整(滴定)するために
使用でき;このような滴定剤としては例えば水酸化ナト
リウムもしくはクエン酸ナトリウムが包含される。この
最終製剤のpHは約2.0〜6.5であり、より好ましくは約pH
4.0〜5.0、最も好ましくは約pH4.5である。
本発明で用いることのできる酸要求性もしくは酸耐溶
性生物活性剤(薬)は、約pH1.0〜6.0で安定なものはい
ずれも用いることができる。特に、この発明はイミダゾ
ール基を含有する薬、特にピロカルピンとリポソームと
の会合に関し、この場合、この方法に用いられるpHは好
ましくは約4.5である。本発明のリポソーム中の薬の量
は使用される脂質(THS)の量に応じて変化することが
できる。例えば、総脂質に対する薬の重量比は約1:1か
ら約1:3の範囲で変化できるが、好ましくは約1:2であ
る。最終製剤中に存在するピロカルピンの量(塩基当
量)は約4%(w/v)である。
脂質対安定化剤の比は使用される安定化剤に応じて約
10:1から1:10の範囲で変化することができる。
本リポソームの製造の間、該脂質を懸濁するために有
機溶媒が使用できる。有機溶媒としては、種々の極性お
よび誘導性を有し、脂質を溶解するものが好ましく、ク
ロロホルム、メタノール、エタノールおよびメチレンク
ロライドを包含するが、これらに限定されることはな
い。この結果、脂質を含有する溶液(脂質および他の成
分が全体に均一に分散している混合物)が形成される。
溶媒は一般にその生物学的許容性、低毒性、および溶解
化能力を基に選択される。本発明においては、メチレン
クロライドが好ましい有機溶媒である。
本発明の方法によって得られるリポソーム製剤は標準
的な方法により凍結乾燥もしくは脱水され、使用時まで
貯蔵され、その後それらは水溶液で再水和することがで
きるであろう。このような方法は、再水和後リポソーム
の完全性を保つ乾燥工程に先立って乾燥保護剤の添加を
必要とする。このような保護剤は、例えばシュークロー
ズ、デキストロース、マルトースもしくはマンニトール
のようなサッカライドであることができ、約2〜20%の
濃度で使用することができる。例えば、約2.0,3.0,5.0
および10.0%(w/v)のマンニトールが使用できる。
本発明の方法から得られるTHS組成物はその生物活性
形態で会合している薬の持続した作用を必要とする病気
もしくは状態の治療において、哺乳動物(人間を含め
て)に対して治療的に用いることができる。この賦形剤
はそれと会合しているかその中に取り込まれている生物
活性剤を有するリポソームの形態であるのが好ましい。
本発明においては、アドレナリン性の薬であるピロカル
ピンが好ましく使用される。本発明のリポソールによっ
て処置することのできる状態としては、例えば緑内障の
ようなピロカルピンで処置できる病状が挙げられるが、
これに限定されることはない。
製剤の投与形態が、この化合物が搬送される生物にお
ける部位および細胞を決定することができる。本発明の
リポソームは単独で投与することができるが、一般には
投与の意図した経路および標準的な薬剤的慣習にしたが
って選ばれた薬剤担体もしくは希釈剤と混合して投与さ
れるであろう。本発明の製剤は例えば筋肉内、経口もし
くは局部的なものであることができる。リポソームと一
緒になったピロカルピンの投与においては、この製剤は
局部的に、例えば目に投与される。
経口投与形態としては、本発明のリポソームは錠剤、
カプセル、甘味入り錠剤、トローチ、粉末剤、シロッ
プ、エリキシル、水溶液および懸濁液等の形で用いられ
る。錠剤の場合には、使用できる担体はラクトース、ク
エン酸ナトリウムおよびリン酸塩が挙げられる。でん粉
のような種々の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ラ
ウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤が、
錠剤に通常用いられる。カプセル形での経口投与には、
有用な希釈剤はラクトースおよび高分子量のポリエチレ
ングリコールである。水性懸濁液が経口用に必要とされ
るときには、活性成分は乳化および懸濁剤と一緒にされ
る。望ましい場合には、或る種の甘味剤および/または
香り付剤を加えることができる。
局部的適用に当っては、本発明のリポソームはゲル、
油剤、乳化剤等の投与形態中に導入することができる。
このような製剤は、クリーム、ペースト、軟こう、ゲ
ル、ローション等の形で、直接投与することができる。
本発明の組成物はまた化粧製剤の形で使用することもで
きる。このような製剤においては、これらの製剤はクリ
ーム(例えば湿潤化剤)、ローション、ゲル等の形であ
ることができる。
本発明の組成物は緑内障のような眼病の処置における
眼用投与として使用することができる。このような投与
においては、この組成物は例えば軟こうもしくは滴下し
得る液体であり、塗り薬あるいは点眼剤のようなこの分
野でよく知られている眼薬搬送システムによって投与す
ることができる。この組成物は更にヒアルロン酸、コン
ドロイチン硫酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スもしくはポリビニルアルコールのような粘液擬態剤
(mucomimetics);そしてソルビン酸EDTAもしくはベン
ジルコニウムにような防腐剤および通常の量の希釈剤お
よび/または担体物質を含有することができる ピロカルピン治療に応答するような病状の治療におけ
る人間への投与については、投与される人間に対して適
当な投与量を処方医が最終的に決めるであろう。そして
これは年齢、体重、病人の病気の性質および重さと同
様、個人の反応により、変わることが予測される。リポ
ソームの形態における薬の投与量は一般的に、大体遊離
の薬に対して採用されるものであろう。しかしながら、
ある場合にはこれらの限度の範囲外の投与量を投与する
ことが必要となるかもしれず、そのような場合には処置
を行っている医者がその投与量は決めることになるであ
ろう。
次の実施例は説明のために与えられるものであり、本
発明の範囲を限定するためのものではない。
実施例1 注射用滅菌水140mlにEDTA0.11gm及びソルビン酸0.1gm
を加えた。この溶液は完全に溶解するため簡単に加熱さ
れ、ついで冷却された。ついでピロカルピンHCl(9.42g
m)をこの水性溶液に加え、混合し、そのpHをNaOHでpH
4.5に調節した。他の容器中で、THS20.4gmをポリオキシ
エチレンアルキルエーテル(ラウレス(Laureth)−2
3)24.0gmに加え、この溶液を混合した。ついで、この
ピロカルピンを含有する水性溶液を有機溶媒中のTHS溶
液に加え、そしてこの混合物を数分間渦巻き状に激しく
混合した。ついでこの溶液を40℃にセットした水浴中の
回転蒸発器上に置き、その溶媒を一時間で蒸発した。回
転蒸発後、この溶液を、滅菌水を加えて200ml容量に
し、その溶液のpHをNaOHで約4.5に調節し、そして得ら
れたリポソーム混合物を5.0mlの一定量に分割し、ガラ
スびん中に密閉し、4℃で貯蔵した。この最終製剤はTH
S10.0%、ピロカルピン4%、安定剤12%、そしてEDTA
及びソルビン酸各0.05%(w/v)を含有した。
実施例2 安定剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル
(ラウレス−12)を用いて実施例1の操作及び物質が使
用され、くり返された。この最終濃度は次のとおりであ
った。ラウレス−12 12%、ピロカルピン4%、THS12
%、そしてソルビン酸及びEDTAの各0.05%。
実施例3 実施例1のTHS小胞体(vesicle)を次のようにして、
凍結−粉砕電子顕微鏡で試験をした。
10%THS小胞体標本の一定量(0.1−0.3μ)を一対
のバルゼルス(Balsersta)(ナシュア、NH)銅支持板
の間にはさみ、液体プロパン中に23℃から急速に沈め
た。試料を粉砕し、2×10-6m ber又はそれ以上の真空
下、−115℃でバルゼルス凍結−粉砕ユニット中の二重
反復装置上で反復実施した。レプリカを3NHNO3中で浮遊
させ、ついでクロロックス(Chlorox)溶液を標準系(g
raded series)で洗浄した。最後に、これらを蒸留水で
洗浄し、300Hexメッシュ銅網(ポリサイエンス、PA)上
に取り上げた。レプリカを倍率22,000倍のフィリップス
300電子顕微鏡で観察した。
実施例4 以下のようにして、水性相及び有機相を調整した: 5%(w/v)塩基性当量ピロカルピン−HCl水性溶液を
注射用に滅菌水で調整した。10.2%(w/v)d−アルフ
ァトコフェロール酸サクシネート及び12%(w/v)ラウ
レス−12溶液をメチルクロライドで調製した。有機相10
0mlを500ml丸底フラスコに移し、水性相80mlを加えた。
pH指示紙で測定しながら十分な水酸化ナトリウム(約0.
5〜1.0ml)を加えて、得られた溶液のpHをpH4.5に調節
した。NaOH又はHClを用いてそのpHを約4.5に調節するた
め定期的に止めながら、この溶媒を真空蒸発(35℃にセ
ットされた水浴中での回転蒸発)により除去した。その
溶媒の除去に続いて、その容量を滅菌水で100mlに調節
した。これは最終ピルカルピンHCl濃度4%であった。
実施例5 実施例4の方法により作られたポリオキシエチレンア
ルキルエーテル(ラウレス−12)を有する低pHピロカル
ピンリポソームを目の病理(毒性)の立証のために雌の
ニュージーランド白ラビット3匹の眼に入れて試験し
た。各ラビットはその眼に局部的に適用される25μ投
与量で4時間毎に投与され、72時間、毒性が観察され
た。この古典的ドレイズ(Draize)スコアリングシステ
ムが用いられた;それらのラビットは膨潤、角膜又は結
膜損傷、充血及び一般的苦痛について観察された。この
ラウレス−12を含有するリポソーム調剤は十分に耐容性
のあるものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボーニ,ローレンス アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08852 モンマウス ジャンクション ヘムロックコート 1010 (72)発明者 ボルクサック,ロイス,イー アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08648 ローレンス ビレ タワープレ ース 11 (72)発明者 ミンチェイ,シャーマ,アール アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08852 モンマウス ジャンクション ベイベリーコート 4031 (72)発明者 ワイス,スティーブン,ジェー アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08502 ベルミード アルパインコート 27 (56)参考文献 特開 昭58−140014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/127 A61K 31/415

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性を許容もしくは必要とする生物活性
    剤、アルファートコフェロールヘミサクシネートおよび
    安定剤を含有するリポソーム組成物で、該組成物のpHが
    1.0〜6.0であるリポソーム組成物。
  2. 【請求項2】安定剤が洗浄剤である特許請求の範囲1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】生物活性剤がピロカルピンである特許請求
    の範囲1記載の組成物。
  4. 【請求項4】組成物中の脂質に対する生物活性剤の重量
    比が1:1から1:3である特許請求の範囲1記載の組成物。
  5. 【請求項5】組成物のpHが4.0〜5.0である特許請求の範
    囲1記載の組成物。
  6. 【請求項6】脂質が更にリン脂質もしくはステロールを
    含有している特許請求の範囲1記載の組成物。
  7. 【請求項7】組成物が更に防腐剤を含有する特許請求の
    範囲1記載の組成物。
  8. 【請求項8】製薬学的に許容し得る担体を含む薬学的投
    与に適した特許請求の範囲1記載の組成物。
  9. 【請求項9】生物活性剤が眼疾治療剤であり、組成物が
    眼疾を治療するのに有効な量の眼疾治療剤を含有する、
    眼に投与するに適した特許請求の範囲8記載の組成物。
  10. 【請求項10】アルファートコフェロールヘミサクシネ
    ートの有機溶液を安定剤の存在下、水溶液のpHが1.0か
    ら6.0である生物活性剤水溶液と混合することを包含す
    る、酸性を許容もしくは必要とする生物活性剤、アルフ
    ァートコフェロールヘミサクシネートを含有するリポソ
    ーム組成物の製造方法。
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