JP2921377B2 - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2921377B2
JP2921377B2 JP5332660A JP33266093A JP2921377B2 JP 2921377 B2 JP2921377 B2 JP 2921377B2 JP 5332660 A JP5332660 A JP 5332660A JP 33266093 A JP33266093 A JP 33266093A JP 2921377 B2 JP2921377 B2 JP 2921377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性を有する粉末物
質を混入した加工液を用いてワークを放電加工する装置
に関わり、特に粉末混入加工液の撹はんと濾過に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の放電加工装置の構成を示
す。図において、1は電極、2はワーク、3は加工槽、
4a、4bは第1の加工液を噴射する噴射装置のノズ
ル、5a、5bはノズル4a、4bの入切を制御するバ
ルブ、6は油タンク、7は加工槽3からの排液を制御す
るバルブ、8はフィルタポンプ、9は油加工液11から
スラッジを除去するフィルタ、10は油送液ポンプ、1
1は油加工液、12は粉末タンク、13は加工槽3から
の排液を制御するバルブ、14は撹はんポンプ、15は
タンク内撹はんノズル、16はフィルタ17への液路を
開閉するバルブ、17はフィルタ、18は粉末送液ポン
プ、19は油加工液11の送液を制御するバルブ、20
は粉末混入加工液23の送液を制御するバルブ、21は
加工液温度を制御するクーラ、22は金属または半導体
の微粉末、23は加工液に微粉末22を混入した粉末混
入加工液である。
【0003】次に動作について説明する。電極1とワー
ク2は加工槽3に充満された加工液中で放電加工され
る。この時の加工液には従来から用いられている油加工
液11と、特開平3−277421号公報に開示されて
いる粉末混入加工液23がある。粉末混入加工液23
は、油加工液に金属または半導体等の導電性を有する微
粉末22、例えばシリコンを混入した加工液である。一
般に、油加工液11は荒加工特性に優れ、粉末混入加工
液23は仕上加工特性に優れるので、2種類の加工液を
切り換えながら加工を行う。この時粉末混入加工液23
に混入される微粉末22は、一般に油よりも比重が大き
く放置すれば沈澱してしまう。そこで粉末混入加工液2
3を撹はんし、微粉末22を分散させる装置が必要とな
る。第1の噴射装置のノズル4a、4b、及びバルブ5
a、5bで構成される加工槽撹はん装置は、例えば左右
交互に加工液を噴射して加工槽全域での微粉末22の沈
澱を防止する。
【0004】加工槽3から排出された加工液は、バルブ
7または13を通ってそれぞれのタンクに回収される。
タンク6は油加工液11を貯溜するものである。ポンプ
8で汲み上げられた油加工液11はフィルタ9によりス
ラッジ(加工屑)が除去される。スラッジの除去された
油加工液11はポンプ10で汲み上げられ、バルブ19
を通ってクーラ21で液温制御された後、加工槽3へと
循環する。
【0005】タンク12は粉末混入加工液23を貯溜す
るものである。ポンプ14が汲み上げた粉末混入加工液
23はノズル15より噴射されることにより、粉末タン
ク12内での微粉末22の沈澱を防止する。ポンプ18
で汲み上げられた粉末混入加工液23は、バルブ20を
通ってクーラ21で液温制御された後、加工槽3へと循
環される。また粉末混入加工液が寿命にくると、バルブ
16を開いてフィルタ17で濾過する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工装置
は、以上のように構成されているので、加工槽3はワー
ク2の大きさにより決定されるので、大きなワーク2を
加工する放電加工装置では加工槽3も大きいものが必要
となる。加工槽3が大きくなると加工槽内の撹はん性能
も上げなければならない。粉末送液ポンプ18の容量を
大きくし、バルブ20、5a、5bの口径を大きくし、
途中の配管も口径を大きくしなければならず、装置が大
きくなりまた高価なものになるという問題点があった。
また加工槽の大きさに合わせてポンプ18、及びバルブ
20、5a、5bを変更しなければならないという欠点
があった。
【0007】また、油加工液11と粉末混入加工液23
とを加工条件に合わせて切り換えて使うが、切り換えの
際液の混じり合いを防ぐために洗浄という行程を経る。
加工槽3の排液口はバルブ7、13を介して2つに分か
れており、油タンク6と粉末タンク12につながってい
る。加工槽3が大きいとき、排出流量を大きくしたいが
バルブ7、13のため困難かまたは装置が大型化すると
いう問題点があった。特に粉末混入加工液23を用いる
放電加工装置においては、排出時間が長いとその排出時
間内に微粉末22が沈澱するという問題点があった。
【0008】またスラッジは微粉末22と同じような粒
径分布であり粉末混入加工液23から分離して除去する
ことが不可能なため、粉末混入加工液23の寿命も短い
という問題点があった。またスラッジを微粉末22と分
離して除去できないため、油タンク6と粉末タンク12
と2つのタンクを有するためスペースを必要とするとい
う問題点があった。また、油量も多くなるため、消防法
の規制に対して制約をうけるという問題点があった。油
加工液11と粉末混入加工液23とを切り換えて使うた
め、両加工液の混じり合いを防ぐため加工槽3の洗浄と
いう工程が必要となるという煩雑さがあり、自動化の妨
げとなっていた。そこで、本発明は、加工槽内の加工液
の攪はん性能を向上するとともに装置の大型化に対応で
きることを第1の課題とするものである。また、使用後
の加工液から微粉末の分離回収を効率よく行うことがで
きることを第2の課題とする放電加工装置の提供にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかわる放電
加工装置は、導電性を有する粉末物質を混入した加工液
をワークを収納した加工槽内に充填し、電極とワークの
間隙に電圧を印加しワークの加工を行う放電加工装置に
おいて、前記加工液を加工液を貯留する加工液タンクか
ら前記加工槽に供給し、供給した前記加工液をワークに
対して噴射し、加工に供した加工液を前記加工液タンク
に回収する第1の加工液循環手段と、前記加工槽にポン
プ及び該ポンプの吸引口と吹出口を配置し、前記加工槽
内の加工液を循環させ、加工槽内の加工液の攪拌を行う
第2の加工液循環手段とを設けたものである。
【0010】請求項2にかかわる放電加工装置は、前記
第2の加工液循環手段において、前記第2の加工液循環
手段の吐出口の配管途中に3方弁を配置し、前記3方弁
の一方の出口を加工槽に設け、残りの出口を加工液に加
工槽に供給するために加工液を貯溜する加工液タンクに
設けたものである。
【0011】請求項3にかかわる放電加工装置は、導電
性を有する粉末物質を混入した加工液をワークを収納し
た加工槽内に充填し、電極とワークの間隙に電圧を印加
しワークの加工を行う放電加工装置において、前記加工
槽の中央部にむけて加工液を噴射する前記加工槽の下部
に配設した複数の噴射部からなる第1の加工液噴射手段
と、前記加工槽の中央部にむけて加工液を噴射する前記
加工槽の前記第1の加工液噴射手段より上部に配置され
た複数の噴射部からなる第2の加工液噴射手段 とを具備
し、前記第1の加工液噴射手段と第2の加工液噴射手段
のうち、前記第1の加工液噴射手段または第2の加工液
噴射手段の複数の噴射部の加工液の噴射を切り替えなが
ら交互に噴射を行うと共に、他方の前記第2の加工液噴
射手段または第1の加工液噴射手段の複数の噴射部の加
工液の噴射を同時に行うものである。
【0012】請求項4にかかわる放電加工装置は、導電
性を有する粉末物質を混入した加工液をワークを収納し
た加工槽内に充填し、電極とワークの間隙に電圧を印加
しワークの加工を行う放電加工装置において、前記加工
槽のワークをセットする定盤の位置に高さを合わせて配
置され、複数の噴射部からなり定盤にむけて加工液を噴
射する第1の加工液噴射手段と、この第1の加工液噴射
手段の各々の噴射部の切替を制御する切り替え手段と、
前記ワークの位置に高さを合わせて配置され、複数の噴
射部からなりワークに向けて加工液を噴射する第2の加
工液噴射手段とを設け、前記第1の加工液噴射手段の複
数の噴射部の加工液の噴射を切り替えながら交互に行う
と共に、第2の加工液噴射手段の複数の噴射部の加工液
の噴射を同時に行うものである。
【0013】請求項5にかかわる放電加工装置は、前記
加工液を貯溜するただ1つのタンクと、7MGOe以上
の最大エネルギ積を示す強力磁石を用いて加工槽から回
収した加工液のスラッジを分離するスラッジ分離器とを
備えたものである。
【0014】請求項6にかかわる放電加工装置は、導電
性を有する粉末物質を混入した加工液をワークを収納し
た加工槽内に充填し、電極とワークの間隙に電圧を印加
しワークの加工を行う放電加工装置において、加工液を
加工槽に供給するために加工液を貯溜するタンクに油に
混じり合わない水を添加し、添加した水により加工液か
ら前記粉末物質を分離するものである。
【0015】
【作用】請求項1においては、加工液循環手段が加工槽
用に設けられ、加工液を貯溜し、加工槽に供給するタン
クからの加工液の送液とは別に加工槽内を撹はんするの
で、加工槽の撹はん性能が向上する。
【0016】請求項2においては、3方弁により、加工
槽の加工液循環手段から吸引された加工液を加工槽に循
環させるとともに、排液時には自然落下による排出では
なく短時間で強制排出するので、加工槽内での排液時の
粉末物質の沈澱が防止される。
【0017】請求項3においては、加工槽内に複数の噴
射部を有する加工液噴射手段を加工液の上、下に設け、
一方の加工液噴射手段は各々の噴射部の噴射を切替えな
がら加工液を噴射し、他方は同時に加工液を噴射するの
で、撹はん効果を向上させるとともに撹はん流量を大に
することが可能になる。
【0018】請求項4においては、定盤とワークの位置
に合わせて複数の噴射部を有する第1及び第2の加工液
噴射手段を第1の噴射手段は複数の噴射部から切替えに
より左右、前後に交互に加工液を噴射し第2の噴射手段
は、複数本のノイズから同時に加工液を噴射するので、
加工槽の撹はん性能が向上するとともにワーク、定盤付
近の加工液の均一性が改善される。
【0019】請求項5においては、強力磁石を使用した
スラッジ分離器は、粉末混入加工液からスラッジのみを
分離する。
【0020】請求項6においては、加工液を貯溜するタ
ンクに水を添加することにより寿命により分離するべき
粉末物質を水の親和力により加工液の媒質である油中よ
り取込み、沈殿させることで粉末物質を回収する。
【0021】
【実施例】実施例1. 以下、本発明の放電加工装置の実施例1を図について説
明する。図1〜4において、50は従来の放電加工装置
の加工液タンク、加工槽、加工液タンクと加工液を循環
させる第1の加工液循環手段49に付加して加工槽3に
吸引口と吐出口を持つ加工槽内の加工液を循環する第2
の加工液循環手段、51a、51bは複数本の噴射部か
らなる加工液噴射手段である。残りの符号は従来例と同
等又は相当であるので説明は省略する。また、図中省略
されている部分は従来例と同等である。
【0022】図1の第2の加工液循環手段50の吸引口
はタンクではなく加工槽3にあり、加工槽内の加工液を
吸引・吐出することにより加工槽内の加工液を撹はんす
る。加工槽3が大きい場合、従来はタンクから加工槽3
までの液系を大きくしなければならなかった。本発明に
よれば、加工槽3の漏れ量を補うような小さな液系でよ
い。加工槽内の撹はんをする液系は引き回す配管の長さ
も小さく第2の加工液循環手段50は比較的小型でも十
分な撹はん効果がある。また加工槽の大きさに合わせて
従来は、ポンプ10、18の容量、タンク6、12から
加工槽3までの配管及び途中のバルブの口径と変更が煩
雑であったのに対して、本発明では第2の加工液循環手
段50の容量のみを変更すればよく適応性が高い。
【0023】図2の第2の加工液循環手段50は水中ポ
ンプの場合である。図3は第2の加工液循環手段50に
2本の噴射部を有する加工液噴射手段51a、51bを
配管した場合である。図3の加工液噴射手段の噴射部を
2本としたが加工槽の大きさ、形状に応じて数を増加す
ることも可能である。図4は第2の加工液循環手段50
にバルブ5a、5b及び加工液噴射手段4a、4bを配
管した場合である。第2の加工液循環手段50の吐出口
または加工液噴射手段51a、51b、4a、4bの高
さに液面があるかどうかのセンサ(図示せず)を設ける
ことが有効であり、該設定液面を下回るときには第2の
加工液循環手段50を停止させる制御を行うのが望まし
い。いづれも配管等の圧損を減らし小型で簡便な装置で
加工槽3の撹はんを行うものである。特に大型の加工槽
や多種類の加工槽への対応に有効である。
【0024】実施例2. 図5は本発明の放電加工装置の実施例2を示したもので
あり、52は3方弁であり、第2の加工液循環手段50
からの加工液を加工槽3と、タンクへの排液へと切り換
えている。加工槽3に加工液があるときは、加工槽3の
加工液を第2の加工液循環手段50が吸引して3方弁5
2を通って加工槽3に循環される。加工液を排出すると
き、第2の加工液循環手段50を始動させ加工槽内の加
工液3を3方弁52を通って排液系に強制送出する。粉
末混入加工液23の微粉末22を沈澱させないように撹
はんしていても排液時に沈澱するので、排液時間を短く
する必要がある。排液時に第2の加工液循環手段50利
用して強制排出すれば排液時間を大幅に短縮することが
でき、微粉末22の沈澱を防止する。また第2の加工液
循環手段50の吸引口の高さの液面を検出するセンサ
(図示せず)を設けることが有効であり、吸引口の高さ
を下回るときには第2の加工液循環手段50を停止させ
る制御が必要である。
【0025】実施例3. 図3を用いて本発明の実施例3を説明する。第2の加工
液循環手段50については前記実施例1で述べている
が、加工液噴射手段51a、51b及び4a、4bの取
付位置や制御法について説明する。加工槽の大型化にと
もない撹はん流量を増やす場合、従来例のような加工液
噴射手段の噴射部の噴射を前後/左右に切り換える方式
だけでは噴射部の切替手段たるバルブ5a、5bの圧損
のため装置を相当大型化せざるをえない。しかしながら
加工槽下面では前後/左右に噴射を切り換えることが有
効であり、従って定盤高さに合わせて設置されて複数本
の噴射部を切替える第1の加工液噴射手段4a、4bよ
りも高い位置、例えばワーク上面の位置に合わせて第2
の加工液噴射手段51a、51bを設置し、前記第2の
加工液噴射手段の噴射部から同時に噴射させる。同時噴
射の場合のバルブ等の圧損の原因となるものがないので
第2の加工液循環手段50を小型化できる。同時噴射と
交互噴射を併用することにより撹はん効果と撹はん流量
アップをともに実現することができる。また、第1、及
び第2の噴射手段の位置を各々定盤又はワークの位置に
合せて加工液を噴射することにより加工槽主要部の加工
液の均一性を向上させる効果がある。また、第1、及び
第2の噴射手段の加工槽内での上、下の位置を逆にして
もほぼ同等の効果を実現することが可能である。
【0026】実施例4. 本発明の実施例4を図6、7、8を用いて説明する。図
において53はポンプ、54はスラッジ分離器、54a
は磁石ホルダ、54bはかきだし板、54cは磁石、特
に最大エネルギー積BHmax:7MGOe以上の希土
類磁石を使用することが効果的である。
【0027】従来粉末加工液23からスラッジのみを除
去する装置がなかったため、特開平3−239415号
公報に開示されているように定期的に寿命にきた微粉末
とスラッジと一緒に濾過する方式が採られていた。この
ため初期の加工性能を維持しにくいとか、粉末混入加工
液23の寿命が短いとかの問題があった。従来からある
磁石、フェライト磁石では磁力が弱いため(BHmax
≦4MGOe)荒加工スラッジの一部しか吸着できなか
った。希土類磁石は磁力が強いため、あらゆるスラッジ
を吸着できる。粉末混入加工液23は仕上加工に主に使
用されるので、フェライト磁石では仕上スラッジを分
離、除去することができなかった。希土類磁石を用いる
ことにより仕上げスラッジを除去し、粉末混入加工液2
3の寿命を長くし、長期にわたって安定した加工特性を
維持できるという大きな効果がある。スラッジ分離器5
4でスラッジを除去する前の粉末混入加工液と、スラッ
ジの除去後の粉末混入加工液とを粉末タンク内12でし
きい板で分離することは望ましい。
【0028】スラッジ分離器54の構成例が図7に示さ
れている。SUS系の磁石ホルダ54aに磁石54cを
装着し、吸着したスラッジをかきだし板54bでそぎ落
とす。スラッジの吸着面としては、円周面か側面が望ま
しい。
【0029】図8はスラッジ分離器54を用いることに
より、粉末タンク12のみで加工する装置を示す。粉末
混入加工液23はスラッジによる加工特性の劣化のた
め、スラッジ発生量の少ない仕上加工に用いられてき
た。そのためスラッジ発生量の多い荒加工用に別の加工
液が必要となり、スペースの大型化、油量の多量化、加
工液の切り換えの煩雑さなどの問題点があった。スラッ
ジ分離器54により粉末混入加工液中のスラッジが連続
的に除去されれば、粉末混入加工液23をもっと大きな
加工条件でも使用できる。そうすれば従来の荒加工液を
貯溜していたタンクが必要なくなり、スペースの小型
化、油量の減少、加工液の切り換え不要となり非常に効
果は大きい。
【0030】実施例5. 本発明の実施例5を図9を用いて説明する。55は水の
添加装置、56はドレインである。シリコンなどの微粉
末22は基本的に油よりも水に馴染み易い(親水性が高
い)。そこで粉末混入加工液23に水の添加装置55よ
り水を混入すると、油中に分散していたシリコン微粉末
は、添加された水の中に取り込まれる。水は油とは混じ
りあわず分離して、比重の重い水が微粉末とともに底に
沈む。従来粉末混入加工液23が寿命にくると、ポンプ
14を始動しバルブ16を開いてフィルタ17で濾過し
ていた。しかしながらノズル15により加工液が撹はん
されない所では寿命にきた粉末/スラッジが濾過されに
くい、また非常に微細な微粉末22/スラッジが濾過さ
れにくいという問題点があった。そこで水の添加装置5
5より水を添加し、ポンプ14により適宜撹はんして後
しばらく放置すると、シリコン微粉末は完全に油と分離
して水中に捕獲される。そこでドレイン56よりシリコ
ンとともに水を廃棄すれば、濾過精度は非常に高い。粉
末タンク12の底部に溝や傾斜を設けることにより効率
的にシリコン微粉末を含んだ水を回収できる。前記はシ
リコン微粉末の例を示したが親水性のある微粉末であれ
ば他の微粉末でも同等の効果がある。
【0031】
【発明の効果】以上のように、請求項1によれば、放電
加工装置の加工槽に第2の加工液循環手段を設け、しか
も、前記加工槽にポンプ及び該ポンプの吸引口と吹出口
を配置 したものであるから、加工槽の大型化に対応して
放電加工装置の全体的変更をすることなく加工槽内の加
工液の撹はん能力を高めることができ、一方、逆に装置
の小型化に対して貢献することができる。
【0032】請求項2によれば、第2の加工液循環手段
の吐出口の配管途中に、3方弁を配置したので排液の強
制排出が可能となり、排液時間を短縮し、加工槽図にお
いて排出時間中の微粉末の沈殿を防止することができ
る。
【0033】請求項3によれば、複数の噴射部を有する
加工液噴射手段を加工槽の加工液の中に上、下2段に設
け、一方の噴射手段を噴射部ごとに交互に加工液を噴射
し、他方の噴射手段は同時に噴射するようにしたので撹
はん装置を大型にすることなく加工液の撹はん性能を向
上することができる。
【0034】請求項4によれば、前記加工液噴射手段の
内第1の噴射手段を定盤付近に設置し、第2の噴射手段
をワークの位置付近に設け、第1の噴射手段を左右、交
互に噴射し、第2の噴射手段を同時に噴射するようにし
たので、加工液の撹はん性能が向上するとともに、ワー
ク、定盤付近の加工槽主要部の加工液の均一性を向上す
ることができる。
【0035】請求項5によれば、強力磁石を使用したス
ラッジ分離器を設けたので、効率よくスラッジを加工液
から分離、除去可能となり、加工液貯溜タンクを一つ
にすることができる。
【0036】請求項6によれば、加工液を貯溜するタン
クに対して油性の加工液に混じり合わない水を添加し、
添加した水によって加工液から粉末物質を分離回収する
ことにより粉末濾過能力を向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による放電加工装置の構成
図を示したものである。
【図2】 本発明の実施例1による放電加工装置の他の
構成図を示したものである。
【図3】 本発明の実施例1及び3による放電加工装置
の構成図を示したものである。
【図4】 本発明の実施例1による放電加工装置のさら
に他の構成図を示したものである。
【図5】 本発明の実施例2による放電加工装置の構成
図を示したものである。
【図6】 本発明の実施例4による放電加工装置の粉末
タンクの構成図を示したものである。
【図7】 本発明の実施例4によるスラッジ分離器の斜
視図を示したものである。
【図8】 本発明の実施例4による放電加工装置の構成
図を示したものである。
【図9】 本発明の実施例5による粉末タンクの構成図
を示したものである。
【図10】 従来の放電加工装置の構成図を示したもの
である。
【符号の説明】
1 電極 2 ワーク 3 加工槽 4 第1の加工液噴射手段 5 バルブ(噴射部切替手段) 6 油タンク 12 粉末タンク 22 金属または半導体の微粉末(導電性を有する粉末
物質) 23 粉末混入加工液 50 第2の加工液循環手段 51 第2の加工液噴射手段 52 3方弁 54 スラッジ分離器 55 水の添加装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する粉末物質を混入した加工
    液をワークを収納した加工槽内に充填し、電極とワーク
    の間隙に電圧を印加しワークの加工を行う放電加工装置
    において、 前記加工液を貯留する加工液タンクから前記加工槽に前
    記加工液を供給し、供給した前記加工液をワークに対し
    て噴射し、加工に供した加工液を前記加工液タンクに回
    収する第1の加工液循環手段と、前記加工槽にポンプ及び該ポンプの吸引口と吹出口を配
    置し、 前記加工槽内の加工液を循環させ、加工槽内の加
    工液の攪拌を行う第2の加工液循環手段とを具備する
    とを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の加工液循環手段において、前
    記第2の加工液循環手段の吹出口の配管途中に3方弁を
    配置し、前記3方弁の一方の出口を加工槽に設け、残り
    の出口を加工液を加工槽に供給するために加工液を貯留
    する加工液タンクに設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 導電性を有する粉末物質を混入した加工
    液をワークを収納した加工槽内に充填し、電極とワーク
    の間隙に電圧を印加しワークの加工を行う放電加工装置
    において、前記加工槽の中央部にむけて加工液を噴射する前記加工
    槽の下部に配設した複数の噴射部からなる 第1の加工液
    噴射手段と、前記加工槽の中央部にむけて加工液を噴射する前記加工
    槽の前記第1の加工液噴射手段より上部に配置された複
    数の噴射部からなる 第2の加工液噴射手段とを具備し、 前記第1の加工液噴射手段第2の加工液噴射手段のう
    ち、前記第1の加工液噴射手段または第2の加工液噴射
    手段の複数の噴射部の加工液の噴射を切り替えながら交
    互に噴射を行うと共に、他方の前記第2の加工液噴射手
    段または第1の加工液噴射手段の複数の噴射部の加工液
    の噴射を同時に行うことを特徴とする放電加工装置。
  4. 【請求項4】 導電性を有する粉末物質を混入した加工
    液をワークを収納した加工槽内に充填し、電極とワーク
    の間隙に電圧を印加しワークの加工を行う放電加工装置
    において、 前記加工槽のワークをセットする定盤の位置に高さを合
    わせて配置され、前記定盤にむけて加工液を噴射する複
    数の噴射部からなる第1の加工液噴射手段と、前記 第1の加工液噴射手段の各々の噴射部の切替を制御
    する切り替え手段と、前記ワークの位置の高さに 配置され、前記ワークに向け
    て加工液を噴射する複数の噴射部からなる第2の加工液
    噴射手段とを具備することを特徴とする放電加工装置。
  5. 【請求項5】 前記放電加工装置において、前記加工液
    を貯溜するただ1つのタンクと、7MGOe以上の最大
    エネルギ積を示す強力磁石を用いて加工槽から回収した
    加工液のスラッジを分離するスラッジ分離器とを備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに
    記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 導電性を有する粉末物質を混入した油性
    の加工液をワークを収納した加工槽内に充填し、電極と
    ワークの間隙に電圧を印加し前記ワークの加工を行う放
    電加工装置において、前記 加工液を加工槽に供給するために加工液を貯溜する
    タンクに油性の加工液に混じり合わない水を添加し、添
    加した水により加工液から前記粉末物質を分離すること
    を特徴とする放電加工装置。
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