JPH0761573B2 - 放電加工機の加工液処理装置 - Google Patents

放電加工機の加工液処理装置

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JPH0761573B2
JPH0761573B2 JP63175215A JP17521588A JPH0761573B2 JP H0761573 B2 JPH0761573 B2 JP H0761573B2 JP 63175215 A JP63175215 A JP 63175215A JP 17521588 A JP17521588 A JP 17521588A JP H0761573 B2 JPH0761573 B2 JP H0761573B2
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淳 種田
敏也 永田
浩二 赤松
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は粉末物質を混入した加工液を介在させて放電加
工を行う放電加工機の加工液処理装置に関するものであ
る。
導電性の金属等の被加工物を、電気放電時に発生する高
温エネルギーを利用して溶融加工、或いは表面処理を行
う放電加工技術は周知である。
この技術を応用した放電加工機においては、放電に必要
な電気的絶縁を得るために、一般的には放電間隙が電気
的絶縁性を備えた加工液で充満されている。加工液はこ
の電気的絶縁を得ることの外に、加工粉の排出や加工熱
の冷却等の機能を果しており、安定な放電加工を持続さ
せるための重要な要素になっている。
ところで、加工液中に或る種の物質を粒径が約10〜40μ
m程度の粉末でい、混入濃度がほぼ20g/混入させるこ
とにより、放電の安定度を向上させたり、混入物質によ
っては電極及び被加工物表面の機械的特性、例えば耐蝕
性や耐摩耗性等を向上させることが知られている。即
ち、所謂る金属の除去加工以外に、放電加工によって金
属の表面処理を行うこともできる。この種の粉末物質に
は例えば、シリコンのような高価な半導体物質が使用さ
れる。
この加工液中に上記のような物質材料を粉末状態にして
混入することにより、被加工物の表面層を形成させる技
術は周知である。この技術は放電加工の応用範囲を飛躍
的に拡大させるものであり、その実用上の制約の解決が
今後の大きな課題となっている。
本発明は、上記技術を実現させる上で実用上最も問題と
なっている、加工液処理装置に関するものである。
[従来の技術] 第14図は、一般的な放電加工機の加工液処理装置の構成
説明図である。
第14図において、(1)は電極、(2)は被加工物、
(3)は加工槽、(5)は加工液タンク、(6),(1
0)は加工粉、(11)は粉末物質である。(18)は粉末
物質用のタンク、(20)は補給器、(21)は検出器であ
る。検出器(21)は加工液内の粉末物質(11)の濃度を
検出し、その検出結果に基づいて粉末物質(11)の濃度
を所定値に制御する。(Vo)はドレン用の制御弁、(C
1)および(C2)は加工液中の加工粉を除去する分離器
である。(P1)は加工液を加工槽(3)に供給するポン
プ、(P2)は分離器(C2)を通じて加工粉(6),(1
0)を取除いた加工液をタンク(18)に供給するポンプ
である。
上記のような構成の放電加工機の動作を、次に説明す
る。
通常の荒加工においては、加工液タンク(5)内の加工
液は、分離器(C1)によって加工粉(6),(10)が除
去されて加工槽(3)内に還流される。加工槽(3)に
は被加工物(2)が設置されており、この被加工物
(2)は電極(1)との間の放電により放電加工され
る。荒加工の終了後、仕上げ加工に移って表面処理等を
行う場合は、ポンプ(P3)によって粉末物質(11)を混
入した加工液がタンク(18)から極間に供給される。一
方、タンク(18)内には加工液タンク(5)より、分離
器(C2)によって加工粉(6),(10)及び粉末物質
(11)を取除いた加工液が供給される。また、放電加工
により消費された粉末物質(11)を補うために、補給器
(20)が動作して、検出器(21)の検出結果に基づいて
粉末物質(11)がタンク(18)に自動的に補給される。
[発明が解決しようとする課題] 従来の放電加工機は上述のように、粉末物質と加工粉と
の分離が配慮されず、混合したままの状態で処理されて
いた。一方、被加工物の放電加工に判って生じる加工粉
は、普通導電性を有するので加工精度を低下させる。し
たがって、特に表面処理を伴う仕上げ加工用の加工液内
に加工粉が含まれていると、仕上げ精度に悪影響を与え
る。このため、従来は加工粉の混った粉末物質は、繰返
して使用されることなくそのまま廃棄されていた。ま
た、この種の粉末物質にはシリコンのような半導体が使
用され、この高価な物質粉末を加工粉と一緒に廃棄する
ので不経済になるという問題があった。
本発明は、この様な従来装置による問題点を解決するた
めに成されたもので、粉末物質を混入した加工液を繰返
して使用されることのできる放電加工機の加工液処理装
置を実現することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] この発明は、それぞれ加工槽及び相互に加工液を送,受
給される荒加工用と仕上げ加工用の2種類の加工液タン
クを備え、仕上げ加工のときに仕上げ加工用のタンクか
ら粉末物質を混入した加工液を極間に供給して加工液を
繰返して使用ように構成したものである。
また、加工液に含まれた被加工物の加工粉と粉末物質と
を粒子の大きさ、及び比重或いは磁性等の物理的な性質
の相違によって分離し、原理的に粉末物質だけを回収し
て繰返して使用できるような加工液処理装置を構成した
ものである。
[作用] 第1実施例で荒加工の時は荒加工用のタンクと加工槽の
間に加工液が送,受給され、仕上げ加工の時は仕上げ用
のタンクから粉末物質が混入された加工液を極間に供給
しながら加工槽との間に加工液が送,受給される。ま
た、荒加工用と仕上げ用の2つのタンク内の加工液は、
それぞれ混入物が取除かれて送,受給される。仕上げ用
のタンクには使用した粉末物質を含む加工液が溜められ
て、次の仕上げ加工に利用される。
第2実施例では、加工液に含まれた加工粉と粉末物質と
は粒子の大きさによって分離され、分離された粉末物質
が逆流回路を逆流する加工液によって回収されてから粉
末物質混合用のタンクに戻される。そして、ここでも粉
末物質が、繰返して使用される。
第3と第4の実施例では分離器として比重を応用した遠
心分離機が使用され、更に第5の実施例では磁気力が利
用されている。そして、粉末物質を含む加工液が加工粉
から分離・回収されて、繰り返して被加工物の表面処理
が行われる。
[発明の実施例] 第1図は本発明実施例の構成説明図、第2図乃至第4図
は動作説明図で、電極や被加工物等には第14図と同じ記
号が付されている。
(50)と(90)は荒加工用と仕上げ加工用のタンク、
(V1)〜(V7)は制御弁である。制御弁(V5)及び(V
6)は、荒加工及び仕上げ加工の時のドレン用で、抜か
れたドレンはそれぞれタンク(50)及び(90)に流入す
る。荒加工用のタンク(50)にはポンプ(P1)と分離器
(C1)が取付けられ、分離器(C1)の出口側が制御弁
(V1)と(V2)を経て加工槽(3)とタンク(90)に接
続されている。また、仕上げ加工用のタンク(90)には
ポンプ(P2)と3個の制御弁(V3),(V4)及び(V7)
が取付けられており、制御弁(V3)と(V4)が加工槽
(3)と極間に接続され、制御弁(V7)は分離器(C2)
を経て荒加工用のタンク(50)に配管されている。
このような構成の装置の動作を説明すれば、次の通りで
ある。第2図に、荒加工のときの加工液の流れが示され
ている。荒加工用のタンク(50)内の加工液はポンプ
(P1)で汲上げられ、分離器(C1)により加工粉(6)
が除去されてから加工槽(3)に導かれる。加工槽
(3)内の加工液は、ドレン用制御弁(V5)により荒加
工用のタンク(50)内に戻される。
次に、仕上げ加工のときの加工液の流れを、第3図によ
り説明する。仕上げ加工用のタンク(90)内の加工液に
は、予め補給器(20)等により粉末物質(11)が混入さ
れる。この加工液はポンプ(P2)によって汲上げられ
て、加工槽(3)と加工極間に送液される。加工に使用
された加工槽(3)内の加工液は、ドレン用の制御弁
(V6)を通して元の仕上げ加工用のタンク(90)に還流
される。
普通は、このようにして加工液に混入された粉末物質
(11)が、放電加工に繰り返して使用される。
しかしながら、放電加工を繰り返すと、加工液が汚れ
る。この仕上げ加工液の汚れは、例えば加工極間のコン
タミネーション(contamination)の増加によって測知
される。汚れの測知結果が設定値を越えると、仕上げ加
工用のタンク(90)内の加工液が第4図に示すような流
れに基づいて交換される。
汚れが設定値を越えると、ポンプ(P2)によりタンク
(90)内の加工液は、荒加工用のタンク(50)内に送ら
れる。このときの加工液の減少量は、ポンプ(P1)によ
って増えたタンク(50)内から汲上げられてから、タン
ク(90)内に送り返されて補充される。このときの加工
液に含まれる加工粉(6)は、分離器(C1)によって取
り除かれる。そして、このようにして仕上げ加工用のタ
ンク(90)内に溜められた清浄な加工液には、補給器
(20)から所定の濃度になるように粉末物質(11)が補
給されて新しい仕上げ用の加工液が準備される。
第5図は本発明の別の実施例の構成説明図で、この実施
例では荒加工用と仕上げ加工用の2種類のタンク(50)
と(90)の外に、粉末物質(11)の混合用のタンク(1
8)が設けられている。また、仕上げ加工用のタンク(9
0)には、内部の加工液を汲上げるための2つのポンプ
(P1)と(P2)が取付けられている。そして、各ポンプ
(P1)と(P2)の出力側は配管により、ほぼ対称的な2
系統の分流流路が構成されている。ポンプ(P1)側の分
流流路の所定の位置には複数の制御弁(V11)〜(V14)
および分離器(C11),(C12)が、またポンプ(P2)側
の分流流路には制御弁(V21)〜(V24)と分離器(C2
1),(C22)がそれぞれ設けられている。
特に、本実施例では加工液中に含まれた粉末物質と加工
粉(6),(10)とを、粒径(粉粒を球体と見做したと
きの直径)によって分離するようにした。そして、荒加
工用のタンク(50)の加工粉(6),(10)を分離する
分離器(C0)及び上記分離器(C11)等には、例えばメ
ッシュ径が所定の値に選定されたフィルタが使用されて
いる。例えば、分離器(C0)には、メッシュ径が10μm
以下の細かいフィルタが使用される。而して、上記した
分流流路の制御弁(V11)〜(V14)と(V21)〜(V24)
を適宜切換えることにより、分離器(C11)と(C21)で
分離されて上流側に付着した粉末物質を粉末物質混合用
のタンク(18)に回収する逆流回路(s)が構成され
る。また、混合用のタンク(18)にはポンプ(P3)が取
り付けられ、このポンプ(P3)によって粉末物質(11)
を混入した加工液が加工極間に供給される。その外、タ
ンク(18)には、加工液中の粉末物質(11)の濃度を検
出するセンサ(21)を備えた補給器(20)が設けられて
いる。
この実施例において、先ず荒加工のときには、加工槽
(3)内の加工液は、制御弁(V5)により荒加工用のタ
ンク(50)に送られる。このタンク(50)の加工液に
は、荒加工で生じた粒径の大きい加工粉(6)が含まれ
ている。タンク(50)に戻された加工液は、ポンプ(P
0)で汲上げられ、分離器(C0)で濾過されてから仕上
げ加工用のタンク(90)に移される。したがって、仕上
げ加工用のタンク(90)内には、10μm以下の加工粉
(10)を含んだ加工液が貯槽される。
続いて、仕上げ加工に移ると、ポンプ(P3)によってタ
ンク(18)内で粉末物質(11)が混合された加工液が加
工極間に供給され、ポンプ(P1)と(P2)によりタンク
(90)の加工液が2系統の分流流路を介して適時切換え
られて加工槽(3)への供給に移行される。また、加工
槽(3)の加工液が制御弁(V6)により仕上げ加工用の
タンク(90)に戻される。よって、タンク(90)内の加
工液には、流径10μm以下の加工粉及び粉末物質(11)
が含まれる。
ここで、上記分流流路によるタンク(90)の加工液の加
工槽(3)への供給と、逆流回路(S)の逆流に基づく
粉末物質(11)の回収動作を、第6〜8図を利用して説
明する。ポンプ(P1)が駆動されると、左側の第1系統
の分流流路にある制御弁(V13)と(V14)及び制御弁
(V3)が開いて、第7図の実線矢印のように、タンク
(90)内の加工液が加工槽(3)に送られる。この場
合、加工液はメッシュの異なる2つの分離器(C11)と
(C12)を通過し、分離器(C11)には粒径が10〜40μm
の粉末物質(11)が捕捉されて上流側に付着する。ま
た、分離器(C12)には粒径が10μm以下の加工粉(1
0)が捕捉されて、その上流側に付着することになる。
したがって、加工槽(3)に供給される加工液は、実質
的に加工粉の含まれない清浄なものとなる。同様にし
て、ポンプ(P2)のときは制御弁(V23)と(V24)及び
制御弁(V3)が開いて、破線矢印のように加工液が流れ
て加工槽(3)に供給される。
次に、第6図の第3欄に示されているように、ポンプ
(P2)が駆動されて制御弁(V11),(V12)及び(V2
3),(V24)がONになると、タンク(90)内の加工液が
実線矢印のように混合用のタンク(18)に流れ込む(第
8図)。この結果、分離器(C11)に付着していた粉末
物質(11)が剥離し、この逆流した加工液と一体に流さ
れてタンク(18)内に回収される。同様にして、分離器
(C21)側に付着していた粉末物質(11)も、破線矢印
の方向に逆流する加工液によって剥離回収される。
第9図は本発明のその外の実施例の構成説明図で、ここ
でも加工液用に前,後段のタンク(50),(90)からな
る2槽型が用いられている。そして、汚れたドレンを直
接溜める前タンク(50)と後段の後タンク(90)との間
に、遠心分離機からなる分離器(C1)を設けたものであ
る。また、切換弁(Vc)で切換えられるバイパス流路に
設けられた上の分離器(C2)には、加工液内の粉末/物
質を漉して液体から分離するフィルタが使用されてい
る。
この実施例の初めての荒加工では、ポンプ(P2)が働い
て混入物のない加工液が加工槽(3)に送られる。荒加
工で発生した加工粉(6)は、加工液と共に前タンク
(50)に溜められる。ここで、ポンプ(P1)が駆動さ
れ、加工粉(6)を含んだ加工液が分離器(C1)に送ら
れる。分離器(C1)に内側容器(71)に送られた加工液
は、回転によって比重の大きい加工粉(6)が内部に止
まり、加工液だけが後タンク(90)に導かれる。そし
て、再びポンプ(P2)の送液動作によって、加工槽
(3)に加工粉(6)を含まない加工液が循環的に供給
される。
次に、仕上げ加工の時は補給器(20)から、粉末物質
(11)が加工液に混入される。粉末物質(11)と加工に
伴って発生した加工粉(6)とを含む加工液は、ポンプ
(P1)により前タンク(50)から遠心分離機(C1)の内
側容器(71)に送られる。この結果、上述と同様動作で
比重の軽い粉末物質(11)を含む加工液が、第10図に示
すように外側に溢れて外側容器(72)を介して後タンク
(90)に送られる。このようにして粉末物質のみを含む
加工液が加工槽(3)に循環的に供給されて、表面加工
の改質を伴う仕上げ加工が実施される。仕上げ加工の終
了後、図示されていない制御装置の指令で切換弁(Vc)
が動作して、ポンプ(P2)の出力流路が分離器(C2)の
バイパス側に切換えられる。そして、分離器(C2)によ
り粉末物質(11)が捕捉され、混入物のない清浄な加工
液の循環に代えられる。分離器(C2)に捕捉された粉末
物質(11)は、適当な回収手段で回収されてから夾雑物
が取り除かれて、この場合も繰返して使用することが計
られようになっている。
なお、第11図の構成は、上記第9図と同様の前,後段型
のタンク(50),(90)からなる荒加工用及び仕上げ加
工用のタンク(51)と(52)を2組配置したものであ
る。そして、3方向切換型の制御弁(Vc1)と(Vc2)と
を利用して、荒加工時と仕上げ加工時にタンク(51)と
(52)との並列に接続された流体回路を交互に切換え使
用するようにした構成のものである。
即ち、清浄な加工液によって、加工層(3)内で荒加工
が行われる。加工中図示されていない制御装置によって
制御弁(Vc1)が駆動されて、加工粉(6)を含んだ加
工液が上側のタンク(52)の前タンク(50)に導かれ
る。前タンク(50)内の加工液はポンプ(P)で汲み上
げられてから、フィルタ等の分離器(C2)を介して加工
粉(6)が除去されて後タンク(90)に溜められる。こ
の再生された加工液は、制御弁(Vc2)で加工槽(3)
に戻されて荒加工に利用される。
次に、仕上げ加工の場合は上記の制御装置により、荒加
工に使用した加工槽(3)の加工液をタンク(52)に排
出する。加工液が排出されると制御弁(Vc1)と(Vc2)
によって、液体回路が下のタンク(51)側に切換えられ
る。下のタンク(51)には分離器(C1)として第10図に
示す遠心分離機が配置され、その内側容器(71)が粉末
物質(11)と加工粉(6)の比重の相違に対応した回転
速度に制御されるようになっている。この結果、第9図
のときと同様に、混入した加工粉(6)が内側容器(7
1)に捕捉されて、外に溢れた粉末物質(11)を含んだ
加工液が制御弁(VC2)を通って再び加工槽に供給され
る。この実施例によれば、仕上げ用と荒加工用の加工液
タンクを並列回路に配置して、これらを交互に切換え使
用するようにしたので、経済的で装置の取扱が容易にな
る特長がある。
更に、第12図の本発明の別の実施例では、一般的に被加
工物が鉄系の金属材料で粉末物質(11)が半導体である
ところから、磁気力を利用した分離器(C1)を用いたも
のである。即ち、前タンク(50)及び後タンク(90)と
の間に、磁性体からなる加工粉(6),(10)を非磁性
体よりなる粉末物質(11)から分離する分離器(C1)が
設けられている。分離器(C1)は例えば第13図に示すよ
うに、円筒表面が950gauss程度のほぼ均一した磁場を持
つ長さ約1000mm程度のドラム(D)を具備する。ドラム
(D)を加工粉(6),(10)と粉末物質(11)とを含
んだ加工液が流れる断面がほぼ半円形の樋状の流路
(d)に浸漬して、ウオームを備えた2段変速機を通し
てモータで比較的遅い速度で駆動するようになってい
る。ドラム(D)が加工液内を徐々に回転すると、磁性
体からなる加工粉(6),(10)が磁気力を受けて吸着
される。本実施例によれば、磁性を利用した分離器(C
1)を用いたので、加工粉(6),(10)と粉末物質(1
1)が粒径に無関係に分離できるという特徴がある。第1
2図に示された(12)は加工機のヘッド、(26)は粉末
物質(11)の制御器、(C2)はフィルタを用いた分離器
である。また、(25)は粉末物質濃度検出器、(27)は
粉末物質投入器である。
なお、上述の第1と第2の実施例では分離器に粒径の大
きさのみで粉末物質を分離する場合を例示したが、これ
らの実施例にも比重や磁気力を利用した分離器を併用す
るようにしてもよく、要するに磁性や比重或いは密度等
の物理的な性質を利用する分離器を併用しても良い。物
理的に異なる性質を利用した分離器を併用すれば、加工
液内に含まれる夾雑物が殆どなくなって粉末物質のみが
分離されるので、加工精度を著しく向上させることがで
きる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、分離器で分離された粉末
物質のみを含む仕上げ加工液を繰返し使用する加工液処
理装置を構成した。この結果、高価な粉末物質を効率的
に使用でき、放電加工を利用した表面処理を経済的に実
施できる。
よって、本発明によれば、表面処理の加工精度が高く、
しかも経済的な放電加工機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の構成説明図、第2図乃至第4図
は第1図の動作説明図、第5図は本発明の第2実施例の
構成説明図、第6図乃至第8図は第2実施例の動作説明
図、第9図は本発明の第3実施例の構成説明図、第10図
は第3実施例の動作説明図、第11図は本発明の第4実施
例の構成説明図、第12図は本発明の第5実施例の構成説
明図、第13図は第5実施例の要部の説明図、第14図は一
般的な加工液処理装置を備えた放電加工機の構成説明図
である。 図において、(1)は電極、(2)は被加工物、(3)
は加工槽、(5),(50),(90)は加工液タンク、
(6),(10)は加工粉、(11)は粉末物質、(20)は
粉末物質用の補給器、(21)は加工液の検出器、
(V),(Vii),(Vci)は制御弁、(C),(Ci)は
加工液中の加工粉と粉末物質を分離する分離器、(P1)
と(P2)はポンプである。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 敏也 愛知県名古屋市東区矢田南5丁目1番14号 三菱電機株式会社名古屋製作所内 (72)発明者 赤松 浩二 愛知県名古屋市東区矢田南5丁目1番14号 三菱電機株式会社名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 昭57−1618(JP,A) 特開 昭61−260934(JP,A) 特開 昭63−54909(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工槽内の電極と被加工物で形成する加工
    極間に荒加工時には加工液を供給すると共に、仕上げ加
    工時には粉末物質を混入した加工液を供給して被加工物
    の放電加工を行う放電加工機において、 前記加工液を溜めるための荒加工用と仕上げ加工用の2
    種類の加工液タンクと、該第2種類の加工液タンク及び
    前記加工極間を含む加工槽の相互間を結ぶ流路に配置さ
    れた制御弁と、前記流路に配置され加工液内に混入され
    た粉末物質と加工粉とを分離する分離器と、前記制御弁
    を制御して前記流路を切換える制御手段とを備え、 該制御手段により前記制御弁で流路を切換えて仕上げ加
    工時には加工槽内の加工液を直接仕上用の加工液タンク
    に還流させて仕上用の加工液タンク内に溜められた加工
    液中の粉末物質を繰返して使用することを特徴とする放
    電加工機の加工液処理装置。
  2. 【請求項2】加工槽内の電極と被加工物で形成する加工
    極間に荒加工時には加工液を供給すると共に、仕上げ加
    工時には粉末物質を混入した加工液を供給して被加工物
    の放電加工を行う放電加工機において、 前記加工液内に混入された粉末物質と仕上げ加工の加工
    粉とを分離する仕上げ加工用の分離器と、前記加工液を
    溜めるための荒加工用と仕上げ加工用の2種類の加工液
    タンクと、該2種類の加工液タンクと前記分離器及び加
    工極間を含む加工槽のそれぞれの間を結ぶ流路に配置さ
    れた制御弁と、該制御弁を制御して前記流路を切換える
    制御手段とを備え、 該制御手段により前記制御弁で流路を切換えて仕上げ加
    工時には加工槽内の加工液を直接仕上用の加工液タンク
    に還流させて仕上用の加工液タンク内に溜められた加工
    液中の粉末物質を繰返して使用すると共に、加工液の汚
    れが一定値を越えたときには前記分離器で加工液中の粉
    末物質と仕上げ加工の加工粉とを分離して加工液を前記
    加工液タンク内に還流させることを特徴とする放電加工
    機の加工液処理装置。
  3. 【請求項3】加工槽内の電極と被加工物で形成する加工
    極間に荒加工時には加工液を供給すると共に、仕上げ加
    工時には粉末物質を混入した加工液を供給して被加工物
    の放電加工を行う放電加工機において、 前記粉末物質を加工液内に混入させる混合用のタンク
    と、前記加工液に含まれた粉末物質を粒子の大きさによ
    って加工粉から分離する分離器と、該分離器を通って前
    記仕上用の加工液タンク内の加工液を逆流して還流させ
    る逆流流路とを備え、該逆流流路に前記仕上用の加工液
    タンク内の加工液を逆流させて分離器に付着した粉末物
    質を混合用のタンク内に還流して回収することにより繰
    返して使用することを特徴とする放電加工機の加工液処
    理装置。
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