JP2920882B2 - 吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置および台数制御装置 - Google Patents

吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置および台数制御装置

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JP2920882B2
JP2920882B2 JP9068567A JP6856797A JP2920882B2 JP 2920882 B2 JP2920882 B2 JP 2920882B2 JP 9068567 A JP9068567 A JP 9068567A JP 6856797 A JP6856797 A JP 6856797A JP 2920882 B2 JP2920882 B2 JP 2920882B2
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absorption
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Kawaju Reinetsu Kogyo KK
Kawasaki Jukogyo KK
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収冷凍機の冷房
負荷の予測装置に関し、および吸収冷凍機の冷房時にお
ける台数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収冷凍機は、主として家庭用に利用さ
れている圧縮式冷凍機に比較して、起動および停止に要
する時間が長く、したがって急激な冷房負荷変動に対し
て台数制御が後追いの状態となり、これによって冷水温
度が大きく変動してしまうときが生じている。地域冷房
および工場冷房などのように、複数台の吸収冷凍機によ
って冷房を行う大形空気調和システムでは、冷房負荷変
化などの外乱要因に対して、複数台の吸収冷凍機を協調
して、いかに冷水温度を一定に保つかが問題となる。
【0003】典型的な先行技術は、特公昭61−121
77に開示される。この先行技術では、複数台の吸収冷
凍機の出口集合管または入口集合管における冷水温度を
測定し、所定時間、たとえば5分内における冷水温度の
勾配を算出し、これによって吸収冷凍機の起動および停
止を行っている。
【0004】この先行技術では、冷房負荷を予測する前
記所定期間中は、冷房負荷が一定であると仮定してい
る。したがって冷房負荷の急変時には、予測精度が低下
してしまう。
【0005】他の先行技術は、特開平5−141806
に開示される。この先行技術では、冷房負荷の低下によ
って吸収冷凍機を1台停止するとき、停止指令とともに
運転を継続する吸収冷凍機の高温再生器の熱源熱量を制
御する制御弁を強制的に開き、台数減少による急激な冷
凍能力の変動を抑制し、これによって冷水温度の変動を
防止している。
【0006】この先行技術ではまた、大きな冷房負荷の
変動に対しては冷凍能力を速やかに変化させることがで
きず、冷水温度を予め定める設定温度に保つことが困難
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大き
な冷房負荷の変動に対してもその冷房負荷の予測を確実
に行い、迅速に台数制御を行うことができるようにした
吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置および台数制御装置を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数台の各吸
収冷凍機の蒸発器から得られる冷水を出口集合管を経て
冷房負荷に導き、負荷からの冷水を入口集合管から戻し
て循環する吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置において、
冷房負荷を検出する手段と、負荷検出手段の出力に応答
し、冷房負荷の過去の予め定める第1の時間中の負荷変
化パターンに基づいて将来の第1予測負荷を推定する第
1推定手段と、負荷検出手段の出力に応答し、冷房負荷
の過去の第1の時間を超える予め定める第2の時間中の
負荷変化パターンに基づいて将来の第2予測負荷を推定
する第2推定手段と、第1および第2推定手段の出力に
応答し、第1および第2予測負荷Qx(t),Qy
(t)と検出された負荷Qr(t)との各予測負荷誤差
X,Yに基づいて、第1および第2予測負荷Qx
(t),Qy(t)の重み係数Kx,Kyを演算する重
み係数演算手段と、第1および第2推定手段ならびに重
み係数演算手段の出力に応答し、将来の第3予測負荷Q
を演算する予測負荷演算手段とを含むことを特徴とする
吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置である。冷房負荷の変
動に対して迅速に台数制御を行うには、将来の冷房負荷
の変化を予測することが非常に有効である。そこで本発
明では、過去から現在までの冷房負荷に基づいて、将来
の冷房負荷を予測し、こうして予測された将来の冷房負
荷データを台数制御に利用することによって、負荷変動
に対する追従性を向上させ、冷房負荷の大きな変動が生
じたときにおいても、冷水温度を一定に保つ。請求項1
の本発明に従えば、現在までの冷房負荷に基づいて将来
の冷房負荷を予測するために、第1および第2推定手段
による2種類の演算を行い、こうして得られた第1およ
び第2予測負荷を組合せて精度の高い将来の第3予測負
荷Qを演算して推定する。第1推定手段では、たとえば
過去の予め定める第1の時間中、たとえば過去10分間
〜過去30分間の冷房負荷データの変化傾向、すなわち
負荷変化パターンに基づいて、将来の冷房負荷である第
1予測負荷を推定する。この第1推定手段によれば、比
較的近い将来の冷房負荷を精度よく推定することができ
る。第2推定手段では、第2の時間中、たとえば1日の
冷房負荷データの変化傾向、すなわち負荷変化パターン
に基づいて、その第2の時間の途中における現在から第
2の時間の終了までの期間における第2予測負荷を推定
する。この第2推定手段によれば、たとえば第2の時間
である1日の時刻の概念が含まれているので、産業用冷
房などの用途において、1日の負荷変化パターンが比較
的似通っており、しかもその冷房負荷の変化が急激であ
るために、この予測手法が非常に有効である。このよう
にして第1推定手段では、たとえば過去の10分間の局
所的な負荷変動データである負荷変動パターンに基づい
て冷房負荷の短期予測を行い、冷房負荷の変動の前兆の
ある冷房負荷変化の予測が高精度に可能である。これに
対してたとえば1日の大局的な冷房負荷変化データであ
る冷房変化パターンに基づいて、予測を行い、定時性の
ある冷房負荷変化の予測が高精度で可能になる。これら
の第1および第2推定手段による第1および第2予測負
荷は、運用形態および冷房運転状態によって変化するの
で、第1および第2推定手段のどちらの予測結果が、そ
の予測到達時点における実際の冷房負荷に近似して正し
いかは、時々刻々変化する。したがってより確かな冷房
予測負荷を得るには、これらの得られた第1および第2
予測負荷に重み係数Kx,Kyを演算し、これによって
高い精度の第3予測負荷Qを求める。こうして冷房負荷
の変動に対する台数変更を迅速に行うことができ、冷房
能力の過不足による冷水温度の変動を抑制することがで
きる。
【0009】また本発明は、第1推定手段は、学習手続
きを行うニューラルネットワークの非線形関数を構築し
て第1予測負荷を推定することを特徴とする。請求項2
の本発明に従えば、第1推定手段のニューラルネットワ
ークによって冷房負荷の予測を行い、このニューラルネ
ットワークは、学習と呼ばれる手続きを行うことによっ
て、様々な冷房負荷の変化パターンから第1予測負荷を
演算する非線形関数を容易に構築することができる。構
築後の非線形関数に検出された冷房負荷の変化パターン
を入力することによって、将来の第1予測負荷を得るこ
とができる。こうして急激な冷房負荷の変化時に対応し
て第1予測負荷を推定することが可能になる。
【0010】また本発明は、第2推定手段は、前記第2
の時間にわたる過去の複数種類の予め定める負荷変化パ
ターンをストアする第1メモリと、前記第2の時間未満
における過去の検出された負荷の変化パターンをストア
する第2メモリと、第1および第2メモリのストア内容
に応答し、第1メモリにストアされている複数種類の負
荷変化パターンのうち、第2メモリにストアされている
負荷変化パターンに最も近似した負荷変化パターンを選
択し、その選択した負荷変化パターンを第2予測負荷と
する選択手段とを含むことを特徴とする。請求項3の本
発明に従えば、第2推定手段では、冷房負荷検出手段に
よって検出されるたとえば1日未満の冷房負荷データの
変化傾向を、第2メモリにストアしておき、これとは別
に、第1メモリにストアしてある過去の1日の複数種類
の冷房負荷データと前記1日未満の冷房負荷データと
を、対応する時刻毎に比較し、この第1メモリにストア
されている複数種類の冷房負荷データのうち、最も似通
った過去の冷房負荷データを用いて、1日のうちの残余
の時間における将来の冷房負荷を予測する。すなわち過
去数例の負荷変化パターンと現在の負荷変化パターンと
を比較し、最も似通った負荷変化パターンを選択する。
この選択された負荷変化パターンによって将来の第2予
測負荷を推定する。
【0011】また本発明は、選択手段は、第1メモリに
ストアされている各種類の負荷変化パターンと、第2メ
モリにストアされている検出負荷パターンとの各時刻毎
の負荷Qmk(t),Qr(t)の差の絶対値|Qr
(t)−Qmk(t)|の逆数に対応する値を演算し、
前記差の絶対値|Qr(t)−Qmk(t)|の逆数に
対応する値を、第2の時間未満にわたって加算して得た
一致度Ekを演算し、前記複数種類の負荷変化パターン
のうち、前記一致度Ekが最大である種類の負荷変化パ
ターンを、第2予測負荷とすることを特徴とする。請求
項4の本発明に従えば、第2推定手段に備えられる選択
手段によって、前述の最も近似した負荷変化パターンを
選択するにあたって、一致度Ekを演算して判断する。
この一致度Ekは、現在の時刻tにおける冷房負荷検出
手段によって検出された実際の冷房負荷Qr(t)およ
び前述の各種類の負荷変化パターンk中の現在の時刻t
における冷房負荷の値Qmk(t)に基づき、前述の複
数種類の各負荷変化パターンがたとえば前述のように1
日にわたるとき、最初の零時から現在の時刻tまでの各
時刻毎の前記差の絶対値の逆数を加算した値である。一
致度Ekが最大である種類の負荷変化パターンを選択し
て、その選択した種類の負荷変化パターンを、第2予測
負荷とする。
【0012】また本発明は、重み係数演算手段におい
て、予測負荷誤差X,Yは、 X=|Qx(t)−Qr(t)| Y=|Qy(t)−Qr(t)| であり、重み係数Kx,Kyは、 Kx=Y/(X+Y) Ky=X/(X+Y) であり、予測負荷演算手段において、第3予測負荷Q
は、 Q=Kx・Qx(t)+Ky・Qy(t) であることを特徴とする。請求項5の本発明に従えば、
第1予測負荷と第2予測負荷を、重み係数Kx,Kyに
基づいて重み付けすることによって、より正確な第3予
測負荷Qを得るにあたり、第1および第2予測負荷のう
ちのいずれの予測値がより確からしいかを判断し、より
確からしい予測値に大きな重みを付ける。たとえば、得
られた2種類の第1および第2予測負荷を組合せて、第
3の予測負荷Qを求めるにあたり、第1および第2予測
負荷は同一の値になるとは限らず、場合によっては全く
正反対の予測値が第1および第2推定手段からそれぞれ
出力されることも考えられる。全く正反対の予測値とい
うのは、第1および第2予測負荷の一方が、増加すると
予測したにもかかわらず、いずれか他方の予測負荷が減
少すると推定される場合が該当する。請求項5の本発明
に従えば、このようなときにおいても、高精度の第3予
測負荷Qを定量的に求めることができる。
【0013】また本発明は、複数台の各吸収冷凍機の蒸
発器から得られる冷水を出口集合管を経て冷房負荷に導
き、負荷からの冷水を入口集合管から戻して循環する吸
収冷凍機の台数制御装置において、冷房負荷の予測負荷
を演算する予測装置と、吸収冷凍機の現在の運転台数を
検出する運転台数検出手段と、予測装置の出力に応答
し、予測負荷に対応する吸収冷凍機の予測運転台数を演
算する第1運転台数演算手段と、運転台数検出手段と第
1運転台数演算手段との出力に応答し、予測運転台数が
現在の運転台数を超えているとき、停止中の吸収冷凍機
を起動準備状態とし、予測運転台数が現在の運転台数未
満であるとき、運転中の吸収冷凍機を停止準備状態とす
る準備状態設定手段と、予測運転台数の予測到達時点に
おける冷房負荷を検出する冷房負荷検出手段と、冷房負
荷検出手段からの出力に応答し、検出された冷房負荷に
対応する吸収冷凍機の必要な運転台数を演算する第2運
転台数演算手段と、運転台数検出手段と第2運転台数演
算手段との出力に応答し、前記必要な運転台数が、前記
予測運転台数の予測到達時点における運転台数を超えて
いるとき、前記起動準備状態となっている吸収冷凍機を
起動し、前記必要な運転台数が前記予測運転台数の予測
到達時点における運転台数未満であるとき、前記停止準
備状態となっている吸収冷凍機を停止する起動/停止手
段とを含むことを特徴とする吸収冷凍機の台数制御装置
である。また本発明は、起動/停止手段は、前記予測運
転台数が予測到達時点における運転台数に等しい運転状
態が、予め定める時間u以上経過したとき、準備状態設
定手段によって起動準備状態とされていた吸収冷凍機を
停止し、または停止準備状態にされていた吸収冷凍機を
起動したままにすることを特徴とする。本発明に従え
ば、たとえば前述の請求項1〜5の冷房負荷の予測装置
によって得られた将来の第3予測負荷Q、または他の手
法によって得られた予測負荷に基づいて、第1運転台数
演算手段によって予測運転台数を演算し、準備状態設定
手段によって予測負荷による吸収冷凍機の起動または停
止の準備状態を行う。これによって、その後、冷房負荷
検出手段によって検出される冷房負荷の測定負荷値が、
予測したとおりとなった時点で、準備状態に設定された
吸収冷凍機を、直ちに起動させることができ、または停
止させることができる。吸収冷凍機の起動準備状態とい
うのは、再生器に備えられている熱源28を能動状態と
し、すなわち熱源がたとえばバーナであるときには燃料
を点火した状態として加熱し、冷媒である水を吸収した
LiBr水溶液である吸収剤を加熱して、その吸収した
水分を溶液から追い出すとともに、蒸発器における水蒸
気の発生を抑制した状態とする。この蒸発器における水
蒸気の発生を抑制した状態とするには、冷水を導く伝熱
管18に水を噴射するための散布装置19を休止状態と
し、たとえば蒸発器内で貯留された水を散布装置に導く
ポンプ20を停止する。したがってこの起動準備状態と
なっている吸収冷凍機において、起動指令が発生される
ことによって、蒸発器内に、たとえば前述のポンプを駆
動して散布装置から冷水伝熱管への水の噴射を直ちに行
って、吸収冷凍機の迅速な起動を行うことができる。吸
収冷凍機の起動時には勿論、再生器の熱源は能動化され
たままの状態となっている。吸収冷凍機の停止準備状態
では、再生器の熱源が能動化され、たとえばバーナが点
火された状態になっているとともに、蒸発器における水
を循環して散布装置から冷水の伝熱管に噴射するための
ポンプが停止した状態となっており、この状態は、前述
の起動準備状態と同様である。吸収冷凍機を停止準備状
態から停止指令によって停止状態にするにあたっては、
熱源を不能動化し、たとえばバーナを消火すればよく、
このとき蒸発器の散布装置への水の循環を休止し、たと
えば前述のポンプを停止したままとする。吸収冷凍機の
台数制御装置において用いられる冷房負荷の予測装置
は、前述の請求項1〜5によって定義された構成を有
し、その第3予測負荷によって、冷房負荷の高精度の推
定が可能になる。
【0014】また本発明は、吸収冷凍機に備えられる蒸
発器は、下部に、凝縮器からの冷媒が貯留される貯留部
を有するハウジングと、ハウジング内で貯留部の上方に
配置され、冷水が導かれる伝熱管と、伝熱管に冷媒を噴
射する散布装置と、貯留部に貯留される水を散布装置に
供給する循環ポンプと、凝縮器からの冷媒を伝熱管に噴
射することなく貯留部に導く管路とを含むことを特徴と
する。請求項9の蒸発器によれば、吸収冷凍機の起動準
備状態から起動状態への移行を迅速に行うことができ、
また停止準備状態から停止状態への移行を迅速に行うこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を示すブロック図である。複数台(この実施
の形態では3台)の各吸収冷凍機A,B,Cから得られ
る冷水は、各出口管1a,2a,3aから出口集合管4
を経て、単一の冷房負荷5に、または複数の冷房負荷5
に並列に、冷水が供給される。この冷房負荷5からの冷
水は、入口集合管6から、各吸収冷凍機A,B,C毎の
入口管1b,2b,3bを経て、戻されて循環される。
この冷水の循環のために、循環ポンプ8が設けられる。
冷房負荷5を検出するために、出口集合管4には、冷水
の温度を検出する温度センサ9が設けられ、また入口集
合管6には冷水の温度を検出する温度センサ10が設け
られる。ポンプ8による冷水の循環流量は、一定に保た
れる。したがって冷房負荷L(単位%)は、式1で示さ
れる。
【0016】 L(%) = (T10−T9)/ΔT10 …(1) ここでT9,T10は、温度センサ9,10によって検
出される冷水の温度であり、たとえばT9=4℃であ
る。ΔT10は、3台の吸収冷凍機A,B,Cがいずれ
も定格負荷運転状態における温度センサ9,10によっ
て検出される冷水の温度差であって、たとえばΔT10
=5℃である。
【0017】各温度センサ9,10の出力は、マイクロ
コンピュータなどによって実現される処理回路11に与
えられ、これによって各吸収冷凍機A,B,Cの台数制
御が行われる。処理回路11には、メモリM1,M2が
接続される。吸収冷凍機A,B,Cは、たとえばこの実
施の形態では同一の構成を有し、同一の定格を有する。
【0018】図2は、吸収冷凍機Aの具体的な構成を示
す系統図である。この吸収冷凍機Aは、吸収剤にLiB
r水溶液を用い、冷媒に水を用いる。吸収器22には、
LiBr水溶液が封入され、蒸発器14には、冷媒液
(水)15が封入されている。
【0019】蒸発器14では、ハウジング16の下部
に、凝縮器13からの水が管路17aを介して導かれて
貯留される貯留部17を有する。このハウジング16内
には、冷水が導かれる伝熱管18が、貯留部17の上方
に配置される。伝熱管18は、前述の出口管1aおよび
入口管1bに接続される。伝熱管18の上方には、ハウ
ジング16内で散布装置19が設けられる。この散布装
置19からの冷媒液15は、伝熱管18に噴射される。
循環ポンプ20は、貯留部17に貯留される冷媒液15
を、散布装置19に供給する。管路17aは、伝熱管1
8よりも下方で、出口である散布装置21から、貯留部
17に、凝縮器13からの冷媒液が供給される。したが
ってこの散布装置21からの冷媒液は、伝熱管18に噴
射されることはない。
【0020】したがって循環ポンプ20による運転開始
によって、吸収冷凍機Aの起動を迅速に行うことがで
き、またそのポンプ20を停止することによって、この
吸収冷凍機Aを停止することが迅速に可能になる。ポン
プ20を運転して伝熱管18上に蒸発器14内の貯留部
17の冷媒液を散布装置19から噴射することによっ
て、蒸発器14中の冷媒液が蒸発する。この蒸発の潜熱
によって、伝熱管18を流れる冷水が冷却される。
【0021】蒸発器14のハウジング16は、吸収器2
2に接続される。吸収器22内のLiBr水溶液23
は、その容器中の冷媒蒸気を吸収し、その吸収熱は、管
路24から供給される冷却水によって吸収され、溶液が
冷却される。
【0022】吸収器22において冷媒液を吸収した低濃
度の溶液は、管路25から、溶液ポンプ26によって再
生器27に送られる。こうして濃度が低下した溶液が再
生器27において熱源であるバーナ28によって加熱さ
れる。これによって吸収器22で吸収した水分を、再生
器27で追い出す。水分を追い出して高濃度になった溶
液は、再び、管路29から吸収器22に戻されて、吸収
作用を続ける。
【0023】凝縮器13は、再生器27で溶液から追い
出された冷媒蒸気を、伝熱管30を通って導かれる冷却
水によって冷却して凝縮し、冷媒液に戻し、冷媒液が管
路17aから蒸発器14の散布装置21において、貯留
部17に戻される。
【0024】バーナ28には、流量制御弁31が設けら
れ、燃料流量が制御される。吸収冷凍機Aの出口管1a
には、温度センサ32が設けられる。この温度センサ3
2によって検出される冷水の温度が、予め定める温度、
たとえば4℃に保たれるように、処理回路11は、流量
制御弁31の開度を制御し、かつポンプ26の回転速度
を制御し、これによって吸収冷凍機A単独の容量制御が
行われる。容量制御では、吸収冷凍機Aの温度センサ3
2によって検出される冷水出口温度を設定温度に保つよ
うに、再生器27への加熱量が制御され、上述のように
バーナ28のための流量制御弁31の開度が制御され
る。また水溶液23の循環量が制御され、上述のポンプ
26の回転数が制御される。
【0025】さらにバーナ28には、燃料を供給/遮断
する開閉弁33が設けられる。開閉弁33は、吸収冷凍
機Aの運転の起動および停止を行って台数制御を行うた
めに用いられる。残余の吸収冷凍機B,Cもまた、吸収
冷凍機Aと同様な構成を有する。これらの吸収冷凍機
A,B,Cは、上述の単効用吸収冷凍機であってもよ
く、または二重効用吸収冷凍機であってもよく、その他
の種類の吸収冷凍機であってもよい。これらの吸収冷凍
機A,B,Cは、起動開始から定常の運転状態に到達す
るまでに、約5分または約30分もの長時間を有し、ま
た停止開始から停止を完了するまでにも同様に長時間を
必要とする。
【0026】本発明の台数制御では、図3に示されるよ
うに、冷房負荷Lに対応して、合計3台の吸収冷凍機
A,B,Cがこの順序でそれらの運転台数が制御され
る。図3に示される冷房負荷と運転台数との関係は、表
1に示されるとおりである。
【0027】
【表1】
【0028】図4は、処理回路11が実行する動作のフ
ローチャートである。ステップa1〜ステップa5は、
冷房負荷の予測を行う。ステップa7〜ステップa17
は、その予測された冷房負荷に基づき、吸収冷凍機A,
B,Cの運転台数の制御を行う。
【0029】先ずステップa1〜ステップa5を参照し
て、冷房負荷の予測装置を説明する。現在までの冷房負
荷から将来の冷房負荷を予測するために、本発明に従え
ば、第1予測負荷Qx(t)を演算して求め、また第2
予測負荷Qy(t)を演算して求め、このようにして得
られた第1および第2の予測負荷を組合せて、高精度の
第3予測負荷Qを演算して求める。
【0030】図4のステップa1からステップa2に移
り、第1予測負荷を演算して求める。短期予測の第1予
測負荷Qx(t)を演算するためには、図5に示される
本発明の実施の一形態の手法と、図6に示される本発明
の他の形態の手法とが挙げられる。第1予測負荷を推定
するにあたっては、たとえば停止から起動またはその逆
のために必要な時間に等しい第1の時間、たとえば過去
10分〜30分程度の冷房負荷データの変化傾向から、
将来の冷房負荷である第1予測負荷を推定する。これに
よって比較的近い将来の冷房負荷を精度よく推定するこ
とができる。
【0031】図5において、現在の時刻t1からp分間
溯った時刻(t1−p)間の冷房負荷の時間変化率を演
算して求める。こうして求めた冷房負荷の時間変化率
と、現在の時刻t1における冷房負荷とに基づいて、m
分後の時刻(t1+m)における冷房負荷を、1次関数
に従って、演算して求める。p,mは、上述のようにた
とえば10分〜30分程度であってもよく、たとえばp
=mである。この図5に示される実施の形態では、現在
の時刻t1から予測到達時点(t1+m)までの予測時
間p中には、冷房負荷の時間変化率が変化しないという
仮定が必要である。したがってこの図5に示される実施
の形態では、急激な冷房負荷の変化に対応することがで
きないという問題がある。
【0032】この問題は、図6に示される本発明の実施
の他の形態によって解決される。急激な冷房負荷の変化
に対応するには、予測時間p中における冷房負荷の時間
変化率の変動を考慮する必要がある。そのためには、現
在までの冷房負荷を入力とし、将来の冷房負荷を出力と
する非線形関数による冷房負荷予測が有効である。非線
形関数の構築のために、ニューラルネットワークによっ
て冷房負荷の予測推定を行う。ニューラルネットワーク
35は、学習と呼ばれる手続きを行うことによって、様
々な負荷変化パターン36から、負荷予測値37を演算
する非線形関数を容易に構築することができる。構築後
の非線形関数に、負荷変化パターンを入力することによ
って、将来の予測負荷を得ることができる。
【0033】図6に示される本発明の実施の一形態にお
けるニューラルネットワーク35は、教師ありの階層形
ニューラルネットワークである。このニューラルネット
ワーク35の全体は、入力層38と、隠れ層39と、出
力層40との合計3層から成る。各層38,39,40
は、ユニットと呼ばれる非線形入出力関数で構成され
る。またユニットは、各層38,39,40でリンクと
呼ばれる情報伝達器で接続される。ネットワーク35に
入った入力は、入力層38のユニットに伝えられ、さら
に隠れ層39および出力層40への伝播し、最終的に出
力層40のユニットから出力される。
【0034】ネットワーク35の学習には、或る入力に
対する所望の正解である出力の組合せを予め準備し、こ
のデータを教師としてリンクの伝達効率、ユニットの出
力関数のパラメータなどのネットワーク内部パラメータ
を変更する。すなわち教師入力をネットワークに入力し
た際の出力が、教師出力に近づくように内部パラメータ
を更新する。この操作を複数の教師データに対して繰返
し行うことによって、所望の多変数非線形入出力関数を
獲得することができる。
【0035】本発明のさらに他の形態では、非線形関数
の構築のために、多次回帰演算を行って、演算の都度、
予測関数を求めて将来の冷房負荷を予測する構成であっ
てもよい。
【0036】図7および図8を参照して、第2予測負荷
Qy(t)を演算して求めるための本発明の実施の形態
を述べる。図4のステップa3では、このような第2予
測負荷を演算して求める。図7では、前記第1の時間を
超える予め定める第2の時間、たとえば1日における零
時t0〜現在の時刻t1までの現在における冷房負荷の
変化パターンを、温度センサ9,10の出力に基づいて
求める。この検出された冷房負荷の変化パターンは、メ
モリM2にストアされる。
【0037】これとは別に、過去の1日にわたる負荷変
化パターンを、図8(1)〜図8(4)に示されるよう
に複数(この実施の形態では4)種類、メモリM1に予
めストアしておく。1日における或る時刻t1において
検出された実際の冷房負荷Qr(t)と、過去の図8
(1)〜図8(4)に示される冷房負荷の変化パターン
のうちの1つk中における前記時刻tの実際の測定され
た冷房負荷Qmk(t)によって、図8(1)〜図8
(4)の各冷房負荷の変化パターン毎に、一致度Ekを
演算して求める。
【0038】
【数1】
【0039】こうして得られた図8(1)〜図8(4)
に示される各種類毎の冷房負荷の変化パターンの一致度
Ekを演算して求めた後、それらの4つの一致度Ekの
うちEkが最大である負荷変化パターンを選択する。た
とえば図7および図8に示される実施の形態では、図7
の1日における零時t0〜現在の時刻t1までの検出さ
れた冷房負荷の変化パターンは、図8(1)に示される
変化パターンとの一致度Ekが、残余の図8(2)〜図
8(4)に示される変化パターンに比べて最も大きい。
これによって図8(1)の変化パターンが、いわば本発
明のパターンマッチングの手法で選択されることにな
る。したがってこの図8(1)に示される選択された冷
房負荷の変化パターンに従って、現在の時刻t1から予
測到達時点(t+m)における第2予測負荷Qy(t)
を演算して推定する。式2の一致度式中のQは冷房負荷
の絶対値であるとして説明しているが、このQは「冷房
負荷の変化量」や「冷房負荷を無次元化したもの(たと
えば現在の冷房負荷/前日の平均冷房負荷)」でもかま
わない。
【0040】図4のステップa4では、前述のステップ
a2において推定して得られた第1予測負荷Qx(t)
と、ステップa3において推定して得られた第2予測負
荷Qy(t)とを組合せて、高精度の第3予測負荷Qを
求める。このために、先ず、時刻(t−m)において推
定して得られたm分後の現在の時刻t1である予測到達
時点の第1および第2予測負荷Qx(t)およびQy
(t)を求め、この予測到達時点t1において実際に計
測して検出した冷房負荷Qr(t)から、定量的に、予
測負荷誤差X,Yを演算して求める。
【0041】 X=|Qx(t)−Qr(t)| …(3) Y=|Qy(t)−Qr(t)| …(4) こうして得られた予測負荷誤差X,Yから、重み係数K
x,Kyを求める。
【0042】 Kx=Y/(X+Y) …(5) Ky=X/(X+Y) …(6) 重み係数Kx,Kyは、第1予測負荷Qx(t)および
第2予測負荷Qy(t)の確からしさを表す。これによ
って次のm分後の時刻(t+m)における高精度の第3
予測負荷Qを演算して推定する。
【0043】 Q=Kx・Qx(t)+Ky・Qy(t) …(7) 本発明の実施の他の形態では、時刻(t−m)において
推定したm分後の時刻tである予測到達時点の第1予測
負荷Qx(t)および第2予測負荷Qy(t)を均等配
分して、第3予測負荷Q1を演算して求める。
【0044】 Q1={Qx(t)+Qy(t)}/2 …(8) 本発明の実施のさらに他の形態では、第1予測負荷Qx
(t)を優先し、第3予測負荷Q2を推定してもよい。
【0045】 Q2=(1−K)・Qx(t)+K・Qy(t) …(9) ここで係数Kは、 0<K<1 …(10) 本発明の実施のさらに他の形態では、第2予測負荷Qy
(t)を優先し、第3予測負荷Q3を推定する。
【0046】 Q3=K・Qx(t)+(1−K)・Qy(t) …(11) 上述の式8〜式11に示される本発明の実施の各形態で
は、第1および第2予測負荷Qx(t),Qy(t)
は、同一の値になるとは限らず、場合によって全く正反
対、すなわちQx(t),Qy(t)のいずれか一方は
負荷が増加すると予測し、Qx(t),Qy(t)のい
ずれか他方は負荷が減少すると予測した場合などに予測
負荷Q1〜Q3を演算して求めることも考えられる。こ
のような場合には、もし一方の予測負荷Qx(t)また
はQy(t)が正確であったとすると、第3予測負荷Q
1〜Q3は、予測精度が低下していることになる。
【0047】前述の式3〜式7によって得られる第3予
測負荷Qは、このような式8〜式11の本発明の実施の
各形態が有する問題を解決する。
【0048】図4のステップa5では、第3予測負荷
Q,Q1〜Q3、たとえばQを演算して求める。ステッ
プa6では、こうして得られる第3予測負荷Qを用い、
図3および表1に基づいて、吸収冷凍機A,B,Cの予
測運転台数E1を算出する。
【0049】次に図4のステップa7〜a17を参照し
て、吸収冷凍機A,B,Cの台数制御装置を述べる。前
述のステップa6において第3予測負荷Qから予測運転
台数E1を演算した後、次のステップa7では、現在の
運転台数E2を求めて比較する。冷房負荷の予測負荷Q
に基づいて、図3および表1から運転台数の増減を行
う。
【0050】この吸収冷凍機の起動および停止の際に
は、複数の動作ステップが必要であるので、頻繁に吸収
冷凍機の起動および停止を繰返すことは好ましくない。
本発明に従えば、予測負荷Qによって冷房負荷の変化を
早期に正確に推定することが可能になる。この予測負荷
Qに基づいて直ちに吸収冷凍機の起動または停止を行う
とすれば、もし予測が外れたときに、吸収冷凍機の安定
運転を阻害する結果になる。そこで本発明の実施の形態
では、予測負荷Qによって先ず起動または停止の準備状
態とし、その後、実際の検出された冷房負荷が、予測し
たとおり所定の値になった時点で起動または停止の指令
信号を導出して実際の起動または停止を行う。
【0051】すなわちステップa7において、E1>E
2であるものと判断されたとき、次のステップa8で
は、停止中の吸収冷凍機に起動準備を指示して、その停
止中の吸収冷凍機を起動準備状態とする。ステップa7
において、E1<E2であると判断されたときにはステ
ップa9において冷房起動運転中の吸収冷凍機に停止準
備を指示して、その冷房運転中の吸収冷凍機を停止準備
状態にする。
【0052】吸収冷凍機の起動準備状態または停止準備
状態では、開閉弁33が開いてバーナ28が点火となっ
ており、しかも蒸発器14の貯留部17に貯留された冷
媒である水を散布装置19に供給する循環ポンプ20が
停止した状態である。この準備状態において吸収器22
から再生器27に水溶液を供給する溶液ポンプ26は、
運転されたままになっている。
【0053】ステップa8,a9の次に、ステップa1
0に移る。またステップa7においてE1=E2である
と判断されたとき、ステップa10に移る。このステッ
プa10では、温度センサ9,10によって検出された
温度T9,T10から、予測運転台数E1の予測到達時
点(t+m)における実際の冷房負荷Lを演算して求め
て検出する。
【0054】ステップa11では、前述のステップa1
0で求められた検出された冷房負荷Lに対応する図3お
よび表1に基づく吸収冷凍機の必要な運転台数E3を演
算する。
【0055】ステップa12では、ステップa11で求
められた必要な運転台数E3と、現在の運転台数E4と
を比較し、E3>E4であれば、前述のステップa8に
おいて起動準備状態にされた吸収冷凍機を起動する。こ
の起動にあたっては、蒸発器14の停止していたポンプ
20を運転状態すればよく、これによって散布装置19
から冷媒液が伝熱管18に噴射されて直ちに冷房運転が
行われる。
【0056】ステップa12においてE3<E4である
と判断されたときには、ステップa14に移り、前述の
ステップa9で停止準備状態とされた吸収冷凍機を、停
止状態にする。この停止状態は、開閉弁33を閉じると
ともに、溶液ポンプ26を停止することによって、直ち
に達成される。
【0057】ステップa12においてE3=E4である
と判断されたときには、次のステップa15に移る。ス
テップa15では、前述のステップa8において起動準
備指令の開始から、予め定める時間u分、たとえば10
分経過したかどうかが判断され、また前述のステップa
9において停止準備指令の開始から前記予め定める時間
u分経過したかどうかが判断される。この予め定める時
間uは、たとえば10分程度であってもよく、吸収冷凍
機A,B,Cの停止状態から起動状態に移るまでの時間
以上、および起動状態から停止状態に移るまでの時間以
上、たとえば5分以上に定められる。停止状態から起動
状態に移るまでの時間および起動状態から停止状態に移
るまでの時間は、前述の時間mであってもよく、たとえ
ばm=5分であってもよい。
【0058】ステップa15において準備状態の開始か
ら前記予め定める時間uが経過したことが判断される
と、ステップa16に移り、起動準備指令または停止準
備指令を取り消す。すなわち起動準備状態を取り消し
て、停止状態に戻し、または停止準備状態から起動状態
として運転状態に戻す。こうしてステップa15におい
て、吸収冷凍機A,B,Cが起動または停止の準備状態
のままで長時間維持されることはなくなり、または起動
と停止が頻繁に繰返されることが防がれる。ステップa
15において前記予め定める時間uが経過していないな
らば、ステップa17に移り、吸収冷凍機A,B,Cの
現状の運転台数のままで、起動運転を継続する。
【0059】ステップa13において、E3>E4であ
って、起動準備状態とされた台数を超える台数を、起動
しなければならないときには、さらに停止状態にある吸
収冷凍機を起動する。また同様にステップa14におい
て、E3<E4であって停止を必要とする台数が停止準
備状態の台数を超えるとき、起動運転中の吸収冷凍機を
停止状態にする。このような動作においても、出口集合
管4における冷水温度T9の変動をできるだけ抑制する
ことができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、冷房負荷の
予測を高精度で行うことができるようになり、これによ
って一般的に、圧縮式冷凍機に比べて冷房負荷変動の追
従性ならびに起動および停止時の応答特性が劣る吸収冷
凍機の台数制御を、迅速に行うことができるようにし、
このために冷房負荷に供給する冷水温度を冷房負荷の変
動にかかわらず一定に保つことができるようになる。こ
うして冷房能力の過不足による冷水温度の変動を抑制す
ることが可能になる。
【0061】請求項2の本発明によれば、様々な冷房負
荷変化パターンから第1予測負荷を演算する非線形関数
を容易に構築することができる。これによって将来の第
1および第3予測負荷を正確に得ることができるように
なる。
【0062】請求項3の本発明によれば、定時性のある
冷房負荷変化の予測を高精度で行うことができるように
なる。
【0063】請求項4の本発明によれば、第2推定手段
に備えられる選択手段において、一致度Ekを定量的に
求めて、複数種類の負荷変化パターンのうち、実際の負
荷変化パターンに最も近似した種類の負荷変化パターン
を確実に得ることができるようになり、このことによっ
て第2予測負荷を高精度に求めることができるようにな
る。
【0064】請求項5の本発明によれば、第1予測負荷
と第2予測負荷との重み付けを行って、高精度の予測負
荷Qを得ることができるようになる。
【0065】請求項6の本発明によれば、予測装置で演
算して得られた予測負荷によって台数を増加または減少
するにあたり、吸収冷凍機を起動/停止の準備状態と
し、その後、実際の検出された冷房負荷が予測したとお
り所定の値になった時点で起動または停止を行うことが
できるので、冷房負荷の変動に対応した迅速な起動およ
び停止を行うことができる。
【0066】請求項7の本発明によれば、起動準備状態
または停止準備状態が予め定める時間u、たとえば約1
0分以上経過したときには、その準備状態を取消して、
起動準備状態になっている吸収冷凍機を停止し、または
停止準備状態になっている吸収冷凍機を起動したままに
し、こうして吸収冷凍機の起動および停止の頻繁な繰返
しを防ぎ、安定な運転状態を達成することができる。
【0067】請求項8の本発明によれば、冷房負荷の第
1〜第3予測負荷を高精度に得ることができる。
【0068】請求項9の本発明によれば、起動準備状態
から起動状態への移行、および停止準備状態から停止状
態への移行を迅速に行うことができる吸収冷凍機を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】吸収冷凍機Aの具体的な構成を示す系統図であ
る。
【図3】冷房負荷と運転台数との関係を示す図である。
【図4】処理回路11が実行する動作のフローチャート
である。
【図5】本発明の実施の一形態の第1予測負荷Qx
(t)を求める手法を示す図である。
【図6】本発明の他の形態の第1予測負荷Qx(t)を
求める手法を示す図である。
【図7】第2予測負荷Qy(t)を演算して求めるため
に1日における現在の時刻までの冷房負荷の変化パター
ンを示す図である。
【図8】一致度Ekを演算するために用いられるメモリ
M1に予めストアしてある1日の負荷変化パターンを示
す図である。
【符号の説明】
1a,2a,3a 出口管 1b,2b,3b 入口管 4 出口集合管 5 冷房負荷 6 入口集合管 8,20 循環ポンプ 9,10,32 温度センサ 11 処理回路 13 凝縮器 14 蒸発器 15 冷媒液 16 ハウジング 17 貯留部 17a 管路 18,30 伝熱管 19,21 散布装置 22 吸収器 23 LiBr水溶液 24,25 管路 26 溶液ポンプ 27 再生器 28 バーナ 29 管路 31 流量制御弁 33 開閉弁 35 ニューラルネットワーク 36 負荷変化パターン A,B,C 吸収冷凍機 M1,M2 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 芳信 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 田辺 照夫 滋賀県草津市青地町1000番地 川重冷熱 工業株式会社内 (72)発明者 中島 邦彦 滋賀県草津市青地町1000番地 川重冷熱 工業株式会社内 (72)発明者 三枝 茂 滋賀県草津市青地町1000番地 川重冷熱 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−66463(JP,A) 実開 昭56−112579(JP,U) 実開 昭54−65051(JP,U) 実開 昭60−156368(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 15/00 306

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台の各吸収冷凍機の蒸発器から得ら
    れる冷水を出口集合管を経て冷房負荷に導き、負荷から
    の冷水を入口集合管から戻して循環する吸収冷凍機の冷
    房負荷の予測装置において、 冷房負荷を検出する手段と、 負荷検出手段の出力に応答し、冷房負荷の過去の予め定
    める第1の時間中の負荷変化パターンに基づいて将来の
    第1予測負荷を推定する第1推定手段と、 負荷検出手段の出力に応答し、冷房負荷の過去の第1の
    時間を超える予め定める第2の時間中の負荷変化パター
    ンに基づいて将来の第2予測負荷を推定する第2推定手
    段と、 第1および第2推定手段の出力に応答し、第1および第
    2予測負荷Qx(t),Qy(t)と検出された負荷Q
    r(t)との各予測負荷誤差X,Yに基づいて、第1お
    よび第2予測負荷Qx(t),Qy(t)の重み係数K
    x,Kyを演算する重み係数演算手段と、 第1および第2推定手段ならびに重み係数演算手段の出
    力に応答し、将来の第3予測負荷Qを演算する予測負荷
    演算手段とを含むことを特徴とする吸収冷凍機の冷房負
    荷の予測装置。
  2. 【請求項2】 第1推定手段は、学習手続きを行うニュ
    ーラルネットワークの非線形関数を構築して第1予測負
    荷を推定することを特徴とする請求項1記載の吸収冷凍
    機の冷房負荷の予測装置。
  3. 【請求項3】 第2推定手段は、前記第2の時間にわた
    る過去の複数種類の予め定める負荷変化パターンをスト
    アする第1メモリと、 前記第2の時間未満における過去の検出された負荷の変
    化パターンをストアする第2メモリと、 第1および第2メモリのストア内容に応答し、第1メモ
    リにストアされている複数種類の負荷変化パターンのう
    ち、第2メモリにストアされている負荷変化パターンに
    最も近似した負荷変化パターンを選択し、その選択した
    負荷変化パターンを第2予測負荷とする選択手段とを含
    むことを特徴とする請求項1または2記載の吸収冷凍機
    の冷房負荷の予測装置。
  4. 【請求項4】 選択手段は、 第1メモリにストアされている各種類の負荷変化パター
    ンと、第2メモリにストアされている検出負荷パターン
    との各時刻毎の負荷Qmk(t),Qr(t)の差の絶
    対値|Qr(t)−Qmk(t)|の逆数に対応する値
    を演算し、 前記差の絶対値|Qr(t)−Qmk(t)|の逆数に
    対応する値を、第2の時間未満にわたって加算して得た
    一致度Ekを演算し、 前記複数種類の負荷変化パターンのうち、前記一致度E
    kが最大である種類の負荷変化パターンを、第2予測負
    荷とすることを特徴とする請求項3記載の吸収冷凍機の
    冷房負荷の予測装置。
  5. 【請求項5】 重み係数演算手段において、 予測負荷誤差X,Yは、 X=|Qx(t)−Qr(t)| Y=|Qy(t)−Qr(t)| であり、 重み係数Kx,Kyは、 Kx=Y/(X+Y) Ky=X/(X+Y) であり、 予測負荷演算手段において、 第3予測負荷Qは、 Q=Kx・Qx(t)+Ky・Qy(t) であることを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記
    載の吸収冷凍機の冷房負荷の予測装置。
  6. 【請求項6】 複数台の各吸収冷凍機の蒸発器から得ら
    れる冷水を出口集合管を経て冷房負荷に導き、負荷から
    の冷水を入口集合管から戻して循環する吸収冷凍機の台
    数制御装置において、 冷房負荷の予測負荷を演算する予測装置と、 吸収冷凍機の現在の運転台数を検出する運転台数検出手
    段と、 予測装置の出力に応答し、予測負荷に対応する吸収冷凍
    機の予測運転台数を演算する第1運転台数演算手段と、 運転台数検出手段と第1運転台数演算手段との出力に応
    答し、予測運転台数が現在の運転台数を超えていると
    き、停止中の吸収冷凍機を起動準備状態とし、予測運転
    台数が現在の運転台数未満であるとき、運転中の吸収冷
    凍機を停止準備状態とする準備状態設定手段と、 予測運転台数の予測到達時点における冷房負荷を検出す
    る冷房負荷検出手段と、 冷房負荷検出手段からの出力に応答し、検出された冷房
    負荷に対応する吸収冷凍機の必要な運転台数を演算する
    第2運転台数演算手段と、 運転台数検出手段と第2運転台数演算手段との出力に応
    答し、前記必要な運転台数が、前記予測運転台数の予測
    到達時点における運転台数を超えているとき、前記起動
    準備状態となっている吸収冷凍機を起動し、前記必要な
    運転台数が前記予測運転台数の予測到達時点における運
    転台数未満であるとき、前記停止準備状態となっている
    吸収冷凍機を停止する起動/停止手段とを含むことを特
    徴とする吸収冷凍機の台数制御装置。
  7. 【請求項7】 起動/停止手段は、 前記予測運転台数が予測到達時点における運転台数に等
    しい運転状態が、予め定める時間u以上経過したとき、
    準備状態設定手段によって起動準備状態とされていた吸
    収冷凍機を停止し、または停止準備状態にされていた吸
    収冷凍機を起動したままにすることを特徴とする請求項
    6記載の吸収冷凍機の台数制御装置。
  8. 【請求項8】 予測装置は、請求項1〜5のうちの1つ
    であることを特徴とする請求項6記載の吸収冷凍機の台
    数制御装置。
  9. 【請求項9】 吸収冷凍機に備えられる蒸発器は、 下部に、凝縮器からの冷媒が貯留される貯留部を有する
    ハウジングと、 ハウジング内で貯留部の上方に配置され、冷水が導かれ
    る伝熱管と、 伝熱管に冷媒を噴射する散布装置と、 貯留部に貯留される水を散布装置に供給する循環ポンプ
    と、 凝縮器からの冷媒を伝熱管に噴射することなく貯留部に
    導く管路とを含むことを特徴とする請求項6〜8のうち
    の1つに記載の吸収冷凍機の台数制御装置。
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