JP2920664B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents
潤滑油組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は潤滑油組成物に関する。更に詳しくは工作機
械、鉄鋼機械、繊維機械、輪送機械、農作業用機械、精
密機械、食品機械等の潤滑油剤に用いる機械用潤滑油に
関する。
械、鉄鋼機械、繊維機械、輪送機械、農作業用機械、精
密機械、食品機械等の潤滑油剤に用いる機械用潤滑油に
関する。
(従来の技術とその問題点) 各種機械の軸受け、その他回転摩擦部に用いる潤滑油
には潤滑性、防錆性、低温安定性、酸化安定性に優れ、
温度による粘度変化の少ない性質を有することが望まれ
る。従来このような潤滑油としては流動パラフィンや動
植物油が用いられてきた。
には潤滑性、防錆性、低温安定性、酸化安定性に優れ、
温度による粘度変化の少ない性質を有することが望まれ
る。従来このような潤滑油としては流動パラフィンや動
植物油が用いられてきた。
しかしながら、従来から知られているこれらの潤滑油
は、機械用潤滑油として充分な性能を発揮していない。
例えば流動パラフィンは、酸化安定性は優れているもの
の、潤滑性や低温安定性に問題がある。また、動植物油
は、潤滑性は優れているものの、酸化安定性、防錆性に
問題がある。
は、機械用潤滑油として充分な性能を発揮していない。
例えば流動パラフィンは、酸化安定性は優れているもの
の、潤滑性や低温安定性に問題がある。また、動植物油
は、潤滑性は優れているものの、酸化安定性、防錆性に
問題がある。
また最近、炭素数6〜12位の炭素鎖長の飽和脂肪酸の
トリグリセリド、即ちMCT(Middle Chain Triglycerid
e)と呼ばれる合成又は天然から得られるトリグリセリ
ドを潤滑油に用いることが報告(油脂・油糧ハンドブッ
ク、63.5 幸書房刊行)され、さらにこれに動植物油脂
を加えて用いることが報告(特開平2−127497)されて
いるが、MCTのみを潤滑油に用いた場合には、酸化安定
性や低温流動性に優れているが、潤滑油が劣っている。
MCTは極圧性の要求される厳しい条件下での潤滑性にお
いて著しく劣る欠点がある。
トリグリセリド、即ちMCT(Middle Chain Triglycerid
e)と呼ばれる合成又は天然から得られるトリグリセリ
ドを潤滑油に用いることが報告(油脂・油糧ハンドブッ
ク、63.5 幸書房刊行)され、さらにこれに動植物油脂
を加えて用いることが報告(特開平2−127497)されて
いるが、MCTのみを潤滑油に用いた場合には、酸化安定
性や低温流動性に優れているが、潤滑油が劣っている。
MCTは極圧性の要求される厳しい条件下での潤滑性にお
いて著しく劣る欠点がある。
またMCTに動植物油脂を加えた場合には、低温流動性
を保つには液状又は低融点の油脂しか用いることができ
ず、これらの油脂はいずれも酸化安定性(AOM値で30以
下)が劣り、潤滑油として長時間の使用に耐えず、着色
し易くなり、発臭し易くなる等の欠点を有する。
を保つには液状又は低融点の油脂しか用いることができ
ず、これらの油脂はいずれも酸化安定性(AOM値で30以
下)が劣り、潤滑油として長時間の使用に耐えず、着色
し易くなり、発臭し易くなる等の欠点を有する。
本発明は、上記課題に着目し行なったもので、機械用
潤滑油として用いた場合、優れた潤滑性を有し、かつ防
錆性、低温安定性、酸化安定性に優れ、温度による粘度
変化が少なく、さらに人体に対して極めて低毒性である
という潤滑油を提供することを目的とする。
潤滑油として用いた場合、優れた潤滑性を有し、かつ防
錆性、低温安定性、酸化安定性に優れ、温度による粘度
変化が少なく、さらに人体に対して極めて低毒性である
という潤滑油を提供することを目的とする。
(問題を解決するための手段) 本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行
なった結果、特定のトリグリセリドを組み合わせること
により優れた潤滑性を有し、かつ防錆性、低温安定性、
酸化安定性に優れ、温度による粘度変化の少ない潤滑油
組成物を見いだし、本発明を完成するに至った。
なった結果、特定のトリグリセリドを組み合わせること
により優れた潤滑性を有し、かつ防錆性、低温安定性、
酸化安定性に優れ、温度による粘度変化の少ない潤滑油
組成物を見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)炭素数6〜12の飽和脂肪酸トリ
グリセリド、(B)炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸残
基を少なくとも60%を含みかつAOM値を80以上にしたト
リグリセリドを重量被にてA:B=60〜99:1〜40の割合で
含有することを特徴とする潤滑油組成物である 本発明で用いる(A)の炭素数6〜12の飽和脂肪酸の
トリグリセリドとしては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オ
クタン酸、ノナ酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン
酸等から選ばれた少なくとも1種の脂肪酸のトリグリセ
リドが挙げられる。これらのトリグリセリドは上記炭素
数6〜12の脂肪酸とグリセリンとから常法によりエステ
ル化反応を行なうか、もしくはヤシ油、クヘア油等の油
脂から分留して炭素数6〜12の飽和脂肪酸のトリグリセ
リドを得ることができる。
グリセリド、(B)炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸残
基を少なくとも60%を含みかつAOM値を80以上にしたト
リグリセリドを重量被にてA:B=60〜99:1〜40の割合で
含有することを特徴とする潤滑油組成物である 本発明で用いる(A)の炭素数6〜12の飽和脂肪酸の
トリグリセリドとしては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オ
クタン酸、ノナ酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン
酸等から選ばれた少なくとも1種の脂肪酸のトリグリセ
リドが挙げられる。これらのトリグリセリドは上記炭素
数6〜12の脂肪酸とグリセリンとから常法によりエステ
ル化反応を行なうか、もしくはヤシ油、クヘア油等の油
脂から分留して炭素数6〜12の飽和脂肪酸のトリグリセ
リドを得ることができる。
また、本発明に用いる(B)の炭素数12〜24の1価不
飽和脂肪酸残基を主成分とし、かつAOM値80以上のトリ
グリセリドとしては、トリグリセリド中に炭素数12〜24
の1価不飽和脂肪酸残基を60%以上含むことが好まし
い。これらのトリグリセリドとしては、ドデセン酸、ト
リデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、へキサ
デセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸イコセン
酸、ドコセン酸、テトラコセン酸等の炭素数12〜24の1
価不飽和脂肪酸残基を主成分とするトリグリセリドが挙
げられ、これらのトリグリセリドは上記炭素数12〜24の
1価不飽和脂肪酸を少なくとも60%以上含む脂肪酸とグ
リセリンとから常法に従いエステル化反応を行なって得
るか、もしくは、大豆油、菜種油、綿実油、ごま油、オ
リーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油落花生油、牛脂、
豚脂、チキン油等を水素添加後分別するか、または分別
後水素添加して再度分別して得られるもので、ここにお
ける水素添加とは油脂の脂肪酸鎖中の2ケ以上の二重結
合を減らしできる限り1ケの二重結合となる様に行なう
もので、いわゆる軽度の水素添加を行なう。つまり原料
油脂のよう素価(IV)として例えば,IV=120の大豆油、
1V=100の菜種油を水素添加して、各々IVを80、70程度
にするものであり、原料油のIVが低いものは、これらに
比較してさらに軽度の水素添加を行なうものである。そ
してこれらの水添前又は水添後の油脂に対して行なう分
別は、油脂そのまま、又は有機溶剤に溶解した油脂を冷
却して、結晶を析出せしめ、固体脂と液体脂又は低融点
脂に分別するもので、分別後の液体脂又は低融点脂を本
発明では利用する。そして(B)にはトリグリセリド中
の全脂肪酸残基のうち炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸
を少なくとも60%以上含有し、かつAOM試験(基準油脂
試験法 2.4.28−81)によるAOM値が80以上になるよう
にしたトリグリセリドを用いる。(B)のトリグリセリ
ド中の炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸残基の量は、全
脂肪酸残基中の少なくとも60%以上あることが好ましい
が、より好ましくは70%以上であり、それが60%未満で
あると、低温安定性が低下し好ましくない。また、AOM
値は80以上であることが好ましいが、より好ましくは10
0以上であり、それが80未満であると、(A)と混合し
た時の酸化安定性が悪く、潤滑性も低く好ましくない。
飽和脂肪酸残基を主成分とし、かつAOM値80以上のトリ
グリセリドとしては、トリグリセリド中に炭素数12〜24
の1価不飽和脂肪酸残基を60%以上含むことが好まし
い。これらのトリグリセリドとしては、ドデセン酸、ト
リデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、へキサ
デセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸イコセン
酸、ドコセン酸、テトラコセン酸等の炭素数12〜24の1
価不飽和脂肪酸残基を主成分とするトリグリセリドが挙
げられ、これらのトリグリセリドは上記炭素数12〜24の
1価不飽和脂肪酸を少なくとも60%以上含む脂肪酸とグ
リセリンとから常法に従いエステル化反応を行なって得
るか、もしくは、大豆油、菜種油、綿実油、ごま油、オ
リーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油落花生油、牛脂、
豚脂、チキン油等を水素添加後分別するか、または分別
後水素添加して再度分別して得られるもので、ここにお
ける水素添加とは油脂の脂肪酸鎖中の2ケ以上の二重結
合を減らしできる限り1ケの二重結合となる様に行なう
もので、いわゆる軽度の水素添加を行なう。つまり原料
油脂のよう素価(IV)として例えば,IV=120の大豆油、
1V=100の菜種油を水素添加して、各々IVを80、70程度
にするものであり、原料油のIVが低いものは、これらに
比較してさらに軽度の水素添加を行なうものである。そ
してこれらの水添前又は水添後の油脂に対して行なう分
別は、油脂そのまま、又は有機溶剤に溶解した油脂を冷
却して、結晶を析出せしめ、固体脂と液体脂又は低融点
脂に分別するもので、分別後の液体脂又は低融点脂を本
発明では利用する。そして(B)にはトリグリセリド中
の全脂肪酸残基のうち炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸
を少なくとも60%以上含有し、かつAOM試験(基準油脂
試験法 2.4.28−81)によるAOM値が80以上になるよう
にしたトリグリセリドを用いる。(B)のトリグリセリ
ド中の炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸残基の量は、全
脂肪酸残基中の少なくとも60%以上あることが好ましい
が、より好ましくは70%以上であり、それが60%未満で
あると、低温安定性が低下し好ましくない。また、AOM
値は80以上であることが好ましいが、より好ましくは10
0以上であり、それが80未満であると、(A)と混合し
た時の酸化安定性が悪く、潤滑性も低く好ましくない。
更に、(B)のトリグリセリドに含まれる脂肪酸残基
中に2ケ以上の二重結合を有する多価不飽和脂肪酸残基
は、全脂肪酸残基中の10%以下であることが好ましく、
それが10%を越えると、AOM値が下がり、酸化安定性が
低下するため、少ないほうがよく、5%以下であること
がより好ましい。
中に2ケ以上の二重結合を有する多価不飽和脂肪酸残基
は、全脂肪酸残基中の10%以下であることが好ましく、
それが10%を越えると、AOM値が下がり、酸化安定性が
低下するため、少ないほうがよく、5%以下であること
がより好ましい。
本発明の潤滑油組成物における(A):(B)の比率
は重量比にて(A):(B)=60〜99:1〜40が好まし
く、(A)が60%未満で(B)が40%を越えると、酸化
安定性、低温安定性が劣り、また(A)が99%を越えか
つ(B)が1%未満であると潤滑性が劣り好ましくな
い。さらに、(A):(B)の比率は、低温における流
動性と粘度変化を少なくして、一定した作業性を得るた
めには、(A)が多い方がよく、(A):(B)=70〜
99:1〜30がより好ましい 本発明は、(A)のトリグリセリドと(B)のトリグ
リセリドより成るが、それに必要に応じて鉱物油または
油性向上剤、極圧添加剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤
等の潤滑油に通常用いられる添加剤を配合してもよい。
は重量比にて(A):(B)=60〜99:1〜40が好まし
く、(A)が60%未満で(B)が40%を越えると、酸化
安定性、低温安定性が劣り、また(A)が99%を越えか
つ(B)が1%未満であると潤滑性が劣り好ましくな
い。さらに、(A):(B)の比率は、低温における流
動性と粘度変化を少なくして、一定した作業性を得るた
めには、(A)が多い方がよく、(A):(B)=70〜
99:1〜30がより好ましい 本発明は、(A)のトリグリセリドと(B)のトリグ
リセリドより成るが、それに必要に応じて鉱物油または
油性向上剤、極圧添加剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤
等の潤滑油に通常用いられる添加剤を配合してもよい。
本発明の潤滑油組成物は、工作機械、鉄鋼機械繊維機
械、輸送機械、農作業用機械、精密機械、食品機械等の
潤滑油剤に用いて良好な潤滑性を発揮することができ
る。また特に、本組成物は人体に対し極めて低毒性の物
質より構成されており、食品機械用の潤滑油にも適して
いる。
械、輸送機械、農作業用機械、精密機械、食品機械等の
潤滑油剤に用いて良好な潤滑性を発揮することができ
る。また特に、本組成物は人体に対し極めて低毒性の物
質より構成されており、食品機械用の潤滑油にも適して
いる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
その要旨を越えないかぎり、本発明はこれらに限定され
ない。
その要旨を越えないかぎり、本発明はこれらに限定され
ない。
(実施例) 1.トリグリセリドの調製 1)(A)のトリグリセリドの調製 (A−1)検水管付き反応フラスコにカプリル酸550gと
グリセリン92gおよび水酸化カリウム0.6gを仕込み180℃
で8時間脱水反応を行なった。反応終了後、精留を行な
い、カプリル酸トリグリセリド(けん化価358)を得
た。
グリセリン92gおよび水酸化カリウム0.6gを仕込み180℃
で8時間脱水反応を行なった。反応終了後、精留を行な
い、カプリル酸トリグリセリド(けん化価358)を得
た。
(A−2)炭素数6〜12の混合脂肪酸(カプロン酸1
%、カプリル酸85%、カプリン酸13%ラウリン酸1%)
4モルとグリセリン1モルとを用い、上記同様に脱水反
応を行なった後、精留して炭素数6〜12の混合脂肪酸の
トリグリセリド(けん化価330)を調製した。
%、カプリル酸85%、カプリン酸13%ラウリン酸1%)
4モルとグリセリン1モルとを用い、上記同様に脱水反
応を行なった後、精留して炭素数6〜12の混合脂肪酸の
トリグリセリド(けん化価330)を調製した。
2)(B)のトリグリセリドの調製 (B−1)ナタネ油(けん化価189、よう素価117、AOM
値20)をよう素価75になるように水素添化(ニッケル触
媒0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触
媒をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサ
ンに溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価79、AOM値390の分別油脂(収率
25%)を得た。
値20)をよう素価75になるように水素添化(ニッケル触
媒0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触
媒をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサ
ンに溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価79、AOM値390の分別油脂(収率
25%)を得た。
(B−2)大豆油(けん化価192、よう素価126、AOM値1
6)をよう素価80になるように水素添化(ニッケル触媒
0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触媒
をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサン
に溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価85、AOM値150の分別油脂(収率
40%)を得た。
6)をよう素価80になるように水素添化(ニッケル触媒
0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触媒
をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサン
に溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価85、AOM値150の分別油脂(収率
40%)を得た。
(B−3)オリーブ油(けん化価190、よう素価82、AOM
値20)をよう素価70になるように水素添化(ニッケル触
媒0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触
媒をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサ
ンに溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価85、AOM値150の分別油脂(収率
50%)を得た。
値20)をよう素価70になるように水素添化(ニッケル触
媒0.5%、反応温度200℃、水素圧力0.1kg/cm2)し、触
媒をろ別した。得られた水素添加油脂を3倍量のヘキサ
ンに溶解し、5℃で12時間静置し、生成した結晶をろ別
後、脱溶剤してよう素価85、AOM値150の分別油脂(収率
50%)を得た。
(B−4)検水管付き反応フラスコにオレイン酸800gと
グリセリン92gおよび水酸化カリウム0.9gを仕込み180℃
で8時間脱水反応を行なった。反応終了後、精留を行な
い、オレイン酸トリグリセリド(けん化価191、AOM値20
0)を得た。
グリセリン92gおよび水酸化カリウム0.9gを仕込み180℃
で8時間脱水反応を行なった。反応終了後、精留を行な
い、オレイン酸トリグリセリド(けん化価191、AOM値20
0)を得た。
2.試験方法 1)試験用試料 上で得られた(A)、(B)の各トリグリセリドよ
り、(A−1)と(B−1)を用い、両者を重量比に
て、各々50〜99.5:0.5〜50の混合物6点を調整し、以下
に述べる各試験を行なった。
り、(A−1)と(B−1)を用い、両者を重量比に
て、各々50〜99.5:0.5〜50の混合物6点を調整し、以下
に述べる各試験を行なった。
同様に、比較例として、ナタネ油、オリーブ油、スピ
ンドル油の各々単体と、(A−1)とナタネ油、(B−
1)とオリーブ油の各混合物を用い試験に供した。
ンドル油の各々単体と、(A−1)とナタネ油、(B−
1)とオリーブ油の各混合物を用い試験に供した。
2)試験方法 イ)耐圧性 シェル型高速四球式摩擦試験機 1/2インチボール 測定温度 25℃ 立軸回転数 600rpm ロ)摩擦係数 曽田式振子型油性摩擦試験機 測定温度 25℃ ハ)流動点 JIS K2269に準じる。
ニ)AOM試験 97.8℃で試料中に乾燥空気を送り込み、過酸化物値が
100に達するまでの時間を測定した。
100に達するまでの時間を測定した。
ホ)防錆性 脱脂した鋼板に各試料を塗布後、2週間100%RH、25
℃の条件下に放置し、錆の発生を観察し、次の基準に従
って効果を判定した。
℃の条件下に放置し、錆の発生を観察し、次の基準に従
って効果を判定した。
○:錆の発生なし。
△:僅かに錆の発生がみられる。
×:錆が全面に発生している。
3.測定結果 上記の試料を用い、上記の試験方法により測定した結
果を表−1に示す。
果を表−1に示す。
実施例1〜6 上で得られた(A)、(B)の各トリグリセリドのう
ち、(A−1)、(A−2)、(B−2)、(B−
3)、(B−4)を用い、表−2に示すように配合した
試料を用い、上記と同様の試験を行ない、その結果を表
−2に示す。
ち、(A−1)、(A−2)、(B−2)、(B−
3)、(B−4)を用い、表−2に示すように配合した
試料を用い、上記と同様の試験を行ない、その結果を表
−2に示す。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の潤滑油組成物は、機械用
潤滑油として用いるにおいて、従来これらに用いられる
鉱物油、油脂に比較して、潤滑性、低温安定性、酸化安
定性、防錆性にすぐれた性能を有している。本発明は
(A)と(B)で示される特定のトリグリセリドを、各
々特定の比率で混合することにより、従来に無いすぐれ
た潤滑性、低温特性と酸化安定性を合わせ持った潤滑油
組成物を提供することが出来る。これを工作機械、繊維
機械、輸送機械、精密機械、食品加工用機械等の機械用
潤滑油に用いることにより、年間を通して、気温の高低
に拘らず一定した潤滑性が得られ、熱や酸化に対しても
安定なため長期間変質することが無く、従って作業性と
経済性にすぐれた効果が得られる。
潤滑油として用いるにおいて、従来これらに用いられる
鉱物油、油脂に比較して、潤滑性、低温安定性、酸化安
定性、防錆性にすぐれた性能を有している。本発明は
(A)と(B)で示される特定のトリグリセリドを、各
々特定の比率で混合することにより、従来に無いすぐれ
た潤滑性、低温特性と酸化安定性を合わせ持った潤滑油
組成物を提供することが出来る。これを工作機械、繊維
機械、輸送機械、精密機械、食品加工用機械等の機械用
潤滑油に用いることにより、年間を通して、気温の高低
に拘らず一定した潤滑性が得られ、熱や酸化に対しても
安定なため長期間変質することが無く、従って作業性と
経済性にすぐれた効果が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 40:20 (56)参考文献 特開 平2−127497(JP,A) 特開 昭60−81295(JP,A) 特開 昭59−196393(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 105/38 C10N 20:00 C10N 30:06 C10N 30:10 C10N 40:02 C10N 40:20
Claims (1)
- 【請求項1】(A)炭素数6〜12の飽和脂肪酸トリグリ
セリド、(B)炭素数12〜24の1価不飽和脂肪酸残基を
少なくとも60%含み、かつAOM値を80以上にしたトリグ
リセリドを、重量比にてA:B=60〜99:1〜40の割合で含
有することを特徴とする潤滑油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21324190A JP2920664B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21324190A JP2920664B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 潤滑油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0496996A JPH0496996A (ja) | 1992-03-30 |
JP2920664B2 true JP2920664B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=16635858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21324190A Expired - Fee Related JP2920664B2 (ja) | 1990-08-10 | 1990-08-10 | 潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2920664B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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