JP2920562B2 - 筆記用シートの製造方法 - Google Patents

筆記用シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、懸垂幕、横断幕などの広告幕、キャンバ
ス、複製画用キャンバスなどの用途に使用される筆記用
シートの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
綿織物がそのまま使用されていたため、裏面に絵具や
インキが浸透するので、二度塗りまたは酢酸ビニル系樹
脂エマルジョンによる下塗りが必要となり、作業時間も
多く要した。また酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを用い
て予め下塗り層を形成する場合には、ピンホールが生じ
易いために描画性が悪く、屋外使用では劣化し易いなど
の欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、上記欠点を改良すべく鋭意研究した結
果、無機粉体を含有するアクリル酸エステル系樹脂被覆
層の表面をプレス仕上げすることにより、絵具やインキ
の使用量が少なく作業性が向上するとともに、描画性お
よび耐候性が著しく向上することを見出して、本発明に
至ったものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は筆記用シートの製造方法において、基布上に
無機粉体を含有するアクリル酸エステル系樹脂エマルジ
ョンを塗布乾燥して被覆層を形成し、ついでプレス仕上
げをするものである。
本発明における基布としては、木綿、麻等の天然繊
維、レーヨン、アセテート等の再生または半合成繊維、
ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維およ
びこれらの各種繊維を混合してなる糸条から織成された
ものであり、平織、綾織、朱子織またはそれらの変形織
組織を任意に組合せてなる織布である。いずれにしても
基布としては特に限定されないが、吊り下げた時に伸び
の変化が小さいものが好ましい。
無機粉体としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、シ
リカ、タルク、クレー等の単独またはこれらを組み合わ
せて使用される。
アクリル酸エステル系樹脂としては、一般にアクリル
酸エチルエステル樹脂またはアクリル酸ブチルエステル
樹脂が使用され、これにより酢酸ビニル系樹脂に比して
耐候性が著しく向上し、屋外での長期使用が可能とな
る。
エマルジョン組成における樹脂と無機粉体との重量比
は、1/0,5〜1/5、好ましくは1/1.5〜1/2である。被覆層
における固形分としては、50〜200g/m2、好ましくは100
〜150g/m2である。50g/m2未満では、ピンホールが生じ
て絵具やインキが裏面に浸透し易くなり、また200g/m2
を越えると、重くかつ硬くなるため望ましくない。基布
上に被覆層を形成させる方法としては、ナイフコータ
ー、ロールコーター、バーコーター等のコーティング方
法を採用することができる。必要に応じて顔料を添加す
れば、着色した被覆層を形成することができる。
基布上に無機粉体を含有するアクリル酸エステル系樹
脂被覆層を形成することにより、絵具やインキの浸透を
防止するため仕上りおよび作業性は向上されるが、本発
明では該被覆層の表面をプレス仕上げして、ピンホール
を減少させ平滑化することにより、描画性および作業性
をさらに向上させるものである。プレス仕上げは一般に
カレンダーロールを用いて行い、温度としては5〜120
℃、好ましくは20〜100℃、圧力としては10〜100kg/c
m2、好ましくは30〜60kg/cm2の条件が採用される。プレ
ス仕上げ後の該被覆層の最大表面粗さは、通常35〜40ミ
クロンが好ましい。
以下に実施例を示して、本発明を説明する。なお実施
例中における表面粗さおよびネオカラー描画性は、以下
により測定した。
(1)表面粗さ JIS−B−0601に準じて、縦、横および斜方向に測定
を行い、10点平均粗さおよび最大粗さで表示した。なお
測定には、小坂式サーフコーダーSE−30Dを使用した。
(2)ネオカラー描画性 ネオカラーと水との重量比を7/3および3/2に調整し、
平筆で描いた時のシートの状態を観察により3段階で評
価した。
実施例1 20番手ビニロン平織物上に、アクリル酸エステル系樹
脂(新中村化学社製、ニューテックス224B)40重量%、
酸化チタン(帝国化工社製、JR−701)24重量%、炭酸
カルシウム(林化成社製、純良胡粉)30重量%およびシ
リカ(日本シリカ工業社製、ニップシールE220A)6重
量%を含有するエマルジョンを塗布乾燥して、固形分と
して120g/m2の被覆層を形成した。
ついて該被覆層を温度100℃、圧力50kg/cm2の条件下
でプレス処理して、より平滑な筆記用シートを得た。
実施例2 実施例1において、プレス処理における温度を25℃に
変更する以外は、同様の処理を行った。
比較例1 実施例1において、プレス処理を施さない以外は同様
の処理を行った。
比較例2 現在使用されている綿織物を、そのまま使用した。結
果を第1表に示す。
比較例1で得られたシートは、表面が粗く、ネオカラ
ーで描いたところ、白い穴が発生して描画性に劣るもの
であった。
また比較例2において、現在使用されている綿織物に
ネオカラーで描いたところ、裏面に浸透して二度塗りが
必要なため、乾燥が遅く作業時間を多く要した。
〔発明の効果〕
筆記用シートの製造方法において、基布上に形成され
た無機粉体を含有するアクリル酸エステル系樹脂被覆層
の表面をプレス仕上げすることにより、作業性、描画性
および耐候性を著しく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 15/263 G09F 17/00 A63K 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基布上に,無機粉体を含有するアクリル酸
    エチルエステル樹脂またはアクリル酸ブチルステル樹脂
    エマルジョンを塗布乾燥して被覆層を形成し、表面をプ
    レス仕上げして、ピンホールを減少させ平滑化すること
    を特徴とする筆記用シートの製造方法。
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