JPH06235177A - コラーゲンを含有する表面処理剤層の染色方法 - Google Patents

コラーゲンを含有する表面処理剤層の染色方法

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JPH06235177A
JPH06235177A JP5020286A JP2028693A JPH06235177A JP H06235177 A JPH06235177 A JP H06235177A JP 5020286 A JP5020286 A JP 5020286A JP 2028693 A JP2028693 A JP 2028693A JP H06235177 A JPH06235177 A JP H06235177A
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JP
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dyeing
treatment agent
surface treatment
agent layer
dye
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Tetsuo Wada
哲夫 和田
Rie Tanaka
理恵 田中
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 粒子径40μm以下である粒子の含量が85
重量%以上で、粉体白色度が85以上であり、吸水度1
20〜300%で、且つ、見かけかさ比重が0.03〜
0. 30g/mlであるコラーゲン粉末を含有する表面
処理剤を用い、基材上に表面処理剤層を形成した後に酸
性染料にて染色を行うことにより、表面処理剤層を染色
する。 【効果】 表面処理剤中にコラーゲン粉末を添加含有さ
せることによって、成型品、シート状物、天然皮革・合
成皮革、繊維、繊維基布等の表面にこれを塗布し、表面
層形成後に酸性染料にて染色可能な表面処理剤層が得ら
れ、これを染色したものは、従来の顔料を用いた表面処
理剤で着色した成型品に比べて、色に深みと透明感が有
り、高級感が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な表面処理剤層の染
色方法に関する。更に詳しくは、表面処理剤中に特定の
コラーゲン粉末を添加含有させることによって、成型
品、シート状物、天然皮革・合成皮革、繊維、繊維基布
等の表面にこれを塗布し、表面層形成後に酸性染料で染
色可能となることを特徴とする表面処理剤層の染色方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】表面処理剤・塗料の分野において、その
塗布乾燥後の塗膜を着色する方法としては、表面処理剤
・塗料中に目的の色の着色顔料を予め添加しておく方法
が一般的である。しかし、この顔料による染色は、染料
による染色に比較して、色の種類が少なく、色の透明感
・深みに欠けるなどの問題点が有った。また最近、特開
平3ー40155号公報等に見られる様に、合成皮革の
表面処理剤や繊維処理剤の分野において、染料染色性の
比較的良好な樹脂(易染性ポリウレタンエラストマー
等)が開発され、顔料ではなく染料による処理剤層の染
色が実施されてはいるが、特殊な可染性樹脂を使用する
必要があり、処理剤層物性の優れたもので可染性にも優
れた樹脂が少ない等の理由で、今だに一般的な方法とは
なっていない。
【0003】さらに、最近、特開平4ー41783号公
報において、皮革粉等の天然有機高分子粉末を混合した
合成皮革を反応性染料で染色する方法が提示されたが、
この場合でも、天然有機高分子粉末単独では染色性が不
十分である為、可染性の樹脂(染色性ウレタン樹脂。例
えば、レザミン MEー8105LP(大日精化工業
(株))、サンプレン SP200D(三洋化成工業
(株))、クリスボン 3116S(大日本インキ化学
工業(株))、ペタル 9060・7116(トーヨー
ポリマー(株))、スーパーフレックス E4000・
E2000(第一工業製薬(株))等)を併用する必要
がある。又、天然有機高分子粉末中、キチン・シルク・
羊毛・ゼラチン等は耐熱性が不足しており、染色後の乾
燥工程等の加熱によって、黄変する危険性がある。さら
に、反応性染料の染色条件(pH9〜11.5)下で
は、表面処理剤に使用される樹脂のうち反応性染料可染
性の官能基を持つ樹脂の多くは、加水分解を受ける為、
使用する樹脂の種類がさらに限定されてしまう欠点を有
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点が改良され、表面処理剤を成型品、シ
ート状物、天然皮革・合成皮革、繊維、繊維基布等の表
面に塗布し、表面層形成後に酸性染料にて染色を行う表
面処理剤層の染色方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々検討した結果、粒子径40μm(コールターカウ
ンターを使用して測定)以下である粒子の含量が85重
量%以上で、粉体白色度が85(スガ試験機(株)製
積分球方式白色度計を使用して測定)以上であり、さら
に、吸水度が120〜300%で、且つ、見かけかさ比
重が0. 03〜0. 30g/ml(JIS K 672
1)のコラーゲン粉末を表面処理剤中に添加含有させる
ことによって、表面層形成後に染料染色可能となること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0006】尚、粉末の吸水度は、規格化された測定方
法が現在の時点では定められていないので、次に記す方
法により測定した。粉末試料1.0g(WA )を水に1
時間以上浸漬して吸水した後、よく水をきり、更に濾紙
(東洋濾紙(株)製 No.5C φ9cm)上に直径
4cmになる様にのせ、この上下に数枚の濾紙を積層し
た後、これらの上に20kgの重りをのせて3分間加圧
脱水し、過剰付着水を除去し、秤量(WB )して、下式 吸水度={(WB −WA )/WA }×100(重量%) により算出した。
【0007】本発明において、表面処理剤層の良好な染
料染色性はそれに添加されたコラーゲン粉末に由来して
おり、染料は主に表面処理剤層中のコラーゲン粒子に吸
着されている。コラーゲンは天然の高分子タンパクであ
り、その分子構造中にアニオン性基、カチオン性基を有
し、また、親水性と疎水性の性質を合わせ持っている。
従って、コラーゲンはカチオン染料、酸性染料、反応染
料、直接染料、分散染料等のほとんどの染料に対して染
着性を有している。従って、本発明で使用する表面処理
剤樹脂は染料可染性である必要はないが、可染性樹脂を
使用してもいっこうに差し支えない。
【0008】本発明に使用される表面処理剤は、コラー
ゲン粉末を樹脂バインダーに配合して調製される。樹脂
バインダーとしては天然樹脂系、合成樹脂系、ラテック
ス系等を用いることができるが、一般的にはポリウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ
樹脂等の合成樹脂が用いられる。また、樹脂の分散媒
は、有機溶剤、水のいずれでもよく、その分散状態は、
溶解又はエマルジョンのいずれでも良い。バインダー樹
脂とコラーゲン粉末との配合比率は、バインダー樹脂1
00重量部に対してコラーゲン粉末5〜200重量部が
好適である。5重量部より少ない添加量では効果の発現
が十分でなく、200重量部を越えると表面処理剤層が
固く脆くなる等の物性上の低下を招く。
【0009】表面処理剤中に配合するコラーゲン粉末
は、粒子径40μm以下である粒子の含量が85重量%
以上で、粉体白色度が85以上であるものが好適であ
り、さらに、吸水度が120〜300%で、且つ、見か
けかさ比重が0. 03〜0. 30g/mlであるものが
好ましい。これは、粒子径40μm以下である粒子の含
量が85重量%未満である場合、表面処理剤層の表面が
粗くなりタッチ感が損なわれ、さらさらした平滑感が得
られない等の不都合が発生する為で、粒子径が小さい
程、層表面のコラーゲン分散が良好で密度が高くなり、
層表面での染料の吸着量が多くなる為、染色濃度が濃く
なるので好ましい。
【0010】又、粉体白色度が85以上であると、これ
を配合した処理剤層は透明〜白色となり、染料で染色し
た場合色鮮やかに染色され、特に、淡色やパステルカラ
ーでの染色の場合有効である。逆に、従来の天然有機高
分子粉末や皮革粉の様に黄白色・緑灰色で粉体白色度が
85未満となる場合、これらを配合した処理剤層を染料
染色したものは、くすんだ色調となってしまい、染料染
色の特色が活かされない。さらに、コラーゲン粉末の吸
水度が120〜300%であると好適であるが、これ
は、吸水度120%未満では染料染色の際に表面処理剤
層中のコラーゲン粉末の水での濡れ性が不十分となり、
染色が不均一となる為好ましくなく、吸水度が300%
を越える場合は、染料染色の際に水を過剰に吸収し、表
面処理剤層中でコラーゲンが膨潤し体積増加する為、表
面処理剤層がヒビ割れしたり強度が低下する等の不都合
が生じる。
【0011】又、コラーゲン粉末の見かけかさ比重は
0. 03〜0. 30g/mlが好ましい。0.03g/
ml未満では取扱い時に粉塵がたち易く、且つ、バイン
ダー樹脂溶液への分散が困難になるので、実用に適さな
い。逆に、見かけかさ比重が大きくなると、同一重量の
コラーゲン粉末で、処理剤層中でのコラーゲン粉末の占
める体積が減少し、0.30g/mlを越えると、染色
性が著しく低下して好ましくない。
【0012】本発明で使用されるコラーゲン粉末の製造
方法は、特に制限はないが、例えば、特開平3−255
200号公報に記載された方法で調製される。しかし、
その他の方法によって製造されたものであっても良い。
コラーゲン粉末を含有した表面処理剤は、成型品の表面
・シート状物上・繊維基布表面・繊維表面に塗布される
が、塗布の方法は、コーティング・含浸(ディッピン
グ、パディング)・プリンティング等の方法が用いられ
る。ここで言う成型品とは、合成樹脂、スチール・アル
ミニウム等の金属、木材、紙、ゴム等の材質で作られた
有形の物を指し、又、シート状物とは上記の材料で作ら
れた箔片状の形状を有する物で、合成樹脂のフィルム、
合成皮革等がこれにあてはまる。
【0013】更に、繊維とは、綿、絹、羊毛等の天然繊
維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維又
はそれらの混紡品であり、形状は糸状又は綿状の物を指
す。繊維基布とは、それら繊維から作られた織布、編
物、不織布等である。更に、上記塗布において、コラー
ゲン粉末添加表面処理剤を柄状に塗布(プリンティン
グ)した場合、未塗布部分と染色性の差が生じる為、
「染料後染めによる模様付け」が可能になる利点も有
る。この場合、素材上に表面処理剤層を形成して柄付け
した状態で商品を保管しておけば、客からの注文によっ
て注文色を染色するだけでの出荷が可能になり、納期の
短縮化、各色在庫の不要化が推進できる。
【0014】本発明で使用される染料は酸性染料である
が、コラーゲン粉末はカチオン染料、反応染料、直接染
料、分散染料等のほとんどの染料に対して染着性を有し
ており、いずれでもコラーゲン粉末を含有した表面処理
剤層を染色することが可能である。しかし、コラーゲン
粉末を含有した表面処理剤層を染色した場合、染色性、
濃染性等の点で酸性染料が最も優ている。ここで、さら
に本発明においては、酸性染料中、耐候性の優れた酸性
含金属染料を使用するのがさらに好ましい。これら酸性
染料としては、以下に示すものがあげられるが、これに
限定されるものでは無い。
【0015】BASFの商品名 Acidol M 、Ortolan 、
Palatin Fast、Vialon Fast 保土谷化学の商品名 Aizen Opal 、Aizen Anilon ICIの商品名 Amichrome、Neutrichrome CKCの商品名 Intrachrome チバ・ガイギーの商品名 Irgalan、Lanacron、Neolan バイエルの商品名 Isolan 、Levaderm 日本化薬の商品名 Kayakalan、Kayalax 三井東圧染料の商品名 Lanafast サンドの商品名 Lanasyn、Sandolan 住友化学の商品名 Lanyl、Sumilan これらの中で、特に好適なものは、バイエルLevaderm、
日本化薬Kayakalan 、Kayalax 、三井東圧染料 Lanafas
t 、サンド Lanasyn、住友化学 Lanyl等である。
【0016】コラーゲン粉末を含有した表面処理剤層の
染色には、その層の付着している基材の形態により様々
な染色方法がとられる。樹脂成型品等の3次元状のもの
は、染色浴槽への浸染、染色液のスプレー等が有効であ
り、シート状(2次元状)のものは、上記染色方法の他
に、ジッガー染色機、ウインス染色機、太鼓型染色機、
オーバマイヤ染色機、ワッシャー染色機等を使用した染
色が有効である。また、コラーゲン粉末は染料吸着性が
非常に優れている為、表面処理剤層上に捺染等で染料を
柄状にプリントした場合、色と色の境界が明確に表現さ
れ、柄模様を際立たせる効果が得られる。細かい柄模様
・線使いの場合特にこの効果は有用である。
【0017】本発明の場合、表面処理剤層は染色されて
いるものの表面処理剤層によってコートされた物質は染
色されておらず、表面処理剤層の物理強度が弱い場合
や、表面処理剤層と下層の密着強度が弱い場合に、スク
ラッチ等で表面処理剤層が除去されると下層の無染色層
が露出する不都合がある。又、表面処理剤層を染色した
後、それを切断する場合にもその切り口で下層の無染色
層が露出する。これらの場合には、前もって下層に染料
と同色の染料、顔料を配合しておくか、下層にも同様に
コラーゲン粉末を配合して表面処理剤層と同時に同色に
染色する等の処置が必要である。
【0018】また、染色品の移染性が問題になる場合に
は、染料染色後に表面処理剤層の上から、移染性防止剤
(例えば、ラックスキン U43,U93(セイコー化
成(株))、ハイコープ F A−830G,A−83
5M(特殊色料工業(株))等)をコーティングする等
の処理を行うことが有効である。本発明の様にコラーゲ
ン粉末含有の表面処理剤を使用した場合、コラーゲン粉
末を樹脂成型品に練り込む場合や、コラーゲン粉末含有
のフィルムを成型品上に装着、接着した場合に比べて、
同量のコラーゲン粉末を用いても染料に接触する表面に
存在するコラーゲン粉末量が多くなる為、より染料染色
性の向上がはかられるので有利である。
【0019】また、特開平3−124800号公報、特
開平3−195800号公報、特開平3−255200
号公報に記載がある様に、表面処理剤層にコラーゲン粉
末を含有するしたものは、その染料染色性が改良される
のみではなく、天然皮革表面に類似した外観、感触が付
与され、吸水性、吸放湿性、結露防止性等の性能が付与
される。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する。 実施例 1 アクリル樹脂60重量部をトルエン100重量部、ブタ
ノール40重量部に溶解したバインダー中に、粒子径4
0μm以下である粒子の含量が99重量%で、粉体白色
度が92であり、吸水度180%で、且つ、見かけかさ
比重が0. 17g/mlであるコラーゲン粉末33重量
部をトルエン100重量部、ブタノール60重量部に分
散した液を加え、よく撹拌して表面処理剤とした。さら
に、この表面処理剤をスプレーガンを用いて、乾燥後の
塗膜厚が30μmになる様に白色のABS樹脂成型品上
に塗布して、70℃で30分間乾燥した。この成型品を
染色槽内で、次の条件にて浸染法で染色を行った。
【0021】成型品 100重量部 染 料 Lanyl Brown 7R extra conc (住友化学工業
(株)) 1重量部 浴 比 1:30 (3000重量部) 浴pH 6 (酢酸を用いてpH調整) 浴温度 70℃ 時 間 20分間槽内で振とう 染色後、充分に水洗し、中空に吊り下げた状態で温風乾
燥した。この方法で染色されたABS樹脂成型品は、従
来の顔料を用いた表面処理剤で着色した成型品に比べ
て、色に深みと透明感が有り、高級感が付与されてい
た。
【0022】実施例 2 ポリエステル系ポリウレタン樹脂30重量部をDMF1
50重量部に溶解したバインダー中に、粒子径40μm
以下である粒子の含量が90重量%で、粉体白色度が9
0であり、吸水度250%で、且つ、見かけかさ比重が
0. 16g/mlであるコラーゲン粉末30重量部をト
ルエン150重量部・メチルエチルケトン50重量部に
分散した液を加え、よく撹拌して表面処理剤とした。さ
らに、この表面処理剤をナイフコーターを用いて、乾燥
後の塗膜厚が10μmになる様に透明ポリ塩化ビニルシ
ート上に塗布して、80℃で1分間乾燥した。このシー
トをジッガー染色機で、次の条件にて染色を行った。
【0023】シート 100重量部 染 料 Sandolan Milling Blue N GL 180% (サンド
(株)) 1重量部 浴 比 1:50 (5000重量部) 浴pH 6 (酢酸を用いてpH調整) 浴温度 70℃ 時 間 60分間染色浴中を往復 染色後、充分に水洗し、ピンテンター乾燥機で乾燥し
た。さらにこの後、染料の移染を防止する為に、移染性
防止剤をポリ塩化ビニルシート上にスプレーコートし
た。この方法で染色されたポリ塩化ビニルシートは、従
来の顔料を練り込んで着色したポリ塩化ビニルシート比
べて色に深みが有り、特に、優れた透明感を有してい
た。
【0024】実施例 3 ポリエステル系ポリウレタン樹脂30重量部をDMF1
20重量部に溶解したバインダー中に、粒子径40μm
以下である粒子の含量が95重量%で、粉体白色度が8
7であり、吸水度150%で、且つ、見かけかさ比重が
0. 15g/mlであるコラーゲン粉末15重量部とシ
リカ微粉末3重量部をトルエン100重量部・メチルエ
チルケトン30重量部に分散した液を加え、よく撹拌し
て表面処理剤とした。さらに、この表面処理剤を100
メッシュのグラビアコーターを用いて、乾燥後の塗膜厚
が10μmになる様に、表皮層に天然皮革模様のシボ付
けを施し、表皮層・発泡層に切り口・スクラッチ白化防
止の為にカーボンブラックを練り込んである合成皮革上
に塗布して、100℃で1分間乾燥した。この合成皮革
を太鼓型染色機で、次の条件にて染色を行った。
【0025】合 皮 100重量部 染 料 Kayakalan Black BGL (日本化薬(株))
0.5重量部 浴 比 1:200 (20000重量部) 浴pH 5 (酢酸を用いてpH調整) 浴温度 70℃ 時 間 20分間染色浴を回転 染色後、充分に水洗し、ピンテンター乾燥機にて乾燥し
た。この方法で染色されたは合成皮革は、従来の顔料を
練り込んで着色し、クリアーな表面処理層を設けただけ
の合成皮革に比べて、色に深みと透明感が有り、シボの
形状に沿って微妙な色調の変化が見られ、天然皮革の外
観に非常に類似したものとなった。
【0026】実施例 4 ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン(樹脂分45
重量部)500重量部のバインダー中に、水5800重
量部を加え希釈した後、撹拌下、粒子径40μm以下で
ある粒子の含量が87重量%で、粉体白色度が89であ
り、吸水度200%で、且つ、見かけかさ比重が0. 2
5g/mlであるコラーゲン粉末400重量部をイソプ
ロピルアルコール800重量部中に分散した液を加えて
分散し、表面処理剤とした。この表面処理剤にポリエス
テル織布100重量部を浸せきした後、絞り率100%
に脱水し、室温で1時間風乾後、120℃で20分間熱
処理を行った。この含浸布を、染色槽内で次の条件にて
浸染法にて染色を行った。
【0027】布 100重量部 染 料 Lanafast Red 2GL extre conc.(三井東圧染料
(株))0.5重量部 浴 比 1:50 (5000重量部) 浴pH 5 (酢酸を用いてpH調整) 浴温度 70℃ 時 間 20分間染色浴を循環 染色後、充分に水洗・ソーピングを繰り返し、余分な染
料を除去した後、ドラム乾燥機にて乾燥した。この方法
で染色された含浸布は、従来の可染性表面処理剤含浸布
に比べて染色濃度が濃くなる。さらに、さらさらした手
触りと良好な滑り性や、吸水性・吸放湿性等の性能が付
与される。
【0028】実施例 5 ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン(樹脂分45
重量部)500重量部のバインダー中に、水120重量
部を加え希釈した後、ホモジナイザーを用いて1000
rpm撹拌下、粒子径40μm以下である粒子の含量が
93重量%で、粉体白色度が94であり、吸水度270
%で、且つ、見かけかさ比重が0. 07g/mlである
コラーゲン粉末60重量部をイソプロピルアルコール1
20重量部中に分散した液を加えて分散し、表面処理剤
とした。この表面処理剤をスクリーンロールコーターを
用いて、乾燥後の塗膜厚が20μmになる様にポリエス
テル織布上に柄状にプリントし、室温で1時間風乾した
後、80℃で1時間乾燥後、120℃で20分間熱処理
を行った。このコーティング布を、染色槽内で次の条件
にて浸染法にて次の条件で染色を行った。
【0029】布 100重量部 染 料 Levaderm Red Liquid N (バイエル(株))
0.5重量部 浴 比 1:50 (5000重量部) 浴pH 5 (酢酸を用いてpH調整) 浴温度 70℃ 時 間 20分間染色液を循環 染色後、充分に水洗・ソーピングを繰り返し、余分な染
料を除去した後、ドラム乾燥機にて乾燥した。この方法
で染色されたプリントコーティング布は、後染色での染
色柄出しが可能になり、さらに、従来の可染性表面処理
剤層を設けただけのプリントコーティング布に比べて染
色濃度が濃く、柄状プリントの色の境界が明確に表現さ
れ、柄模様を際立たせる効果が得られた。
【0030】比較例 1 粒子径40μm以下である粒子の含量が54重量%であ
り、粉体白色度が87で、吸水度が130%であり、且
つ、見かけかさ比重が0.29g/mlであるコラーゲ
ン粉末を使用して、実施例1と同様の条件で表面処理剤
を調製し、塗布、染色を行った場合、染色は可能なもの
の、染色濃度がより淡くなる。さらに、表面処理剤層の
表面が粗くなりタッチ感が損なわれ、さらさらした平滑
感が得られない等の不都合が生じた。
【0031】比較例 2 粒子径40μm以下である粒子の含量が99重量%で、
粉体白色度が57、吸水度が93%であり、且つ、見か
けかさ比重が0.42g/mlである皮革粉を使用し
て、実施例2と同様の条件で表面処理剤を調製し、塗
布、染色を行った場合、染色は可能なものの、見かけか
さ比重が大きく、吸水度が低い為、染色濃度がより淡く
染色が不均一となり、さらに皮革粉自体が緑灰色に着色
している為、染色品は粉体白色度が85以上のコラーゲ
ン粉末を使用した場合に比べ、透明感の無いくすんだ色
調のものとなった。
【0032】比較例 3 粒子径40μm以下である粒子の含量が85重量%であ
り、粉体白色度が89で、吸水度が320%であり、且
つ、見かけかさ比重が0.09g/mlであるコラーゲ
ン粉末を使用して、実施例3と同様の条件で表面処理剤
を調製し、塗布、染色を行った場合、合成皮革は非常に
良好に染色されるものの、染色後の乾燥時にコラーゲン
粉末の収縮による表面処理剤層のヒビ割れが発生した。
【0033】比較例 4 実施例3の方法で作製したコラーゲン粉末含有表面処理
剤を、同様の塗布方法で、表皮層に天然皮革模様のシボ
付けを施し表皮層・発泡層に顔料を添加していない無色
の合成皮革上に塗布して、100℃で1分間乾燥した。
この合成皮革を、カチオン染料(Kayacryl Red GL )、
反応染料(Kayaract Red 7B )、直接染料(Kayarus Su
pra Red 6BL )、分散染料(Kayalon Fast Red BD )、
酸性染料(Kayakalan Red BL)(いずれも日本化薬
(株)製)を用い、それぞれの染料の適正染色条件にて
太鼓型染色機で染色したところ、反応染料及び直接染料
は染色濃度が非常に薄く、カチオン染料と分散染料は比
較的良好に、酸性染料は非常に良好に染色された。しか
し、染色合成皮革を用いて耐光性試験(カーボンアーク
(JIS L 0842)、63℃、60時間)を実施
した結果、カチオン染料と分散染料にて染色した合成皮
革はいずれも退色してしまい、酸性染料で染色した合成
皮革のみが良好な耐光堅牢度を有していた。
【0034】実施例と比較例における染料染色効果の比
較を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明により、表面処理剤中にコラーゲ
ン粉末を添加含有させることによって、成型品、シート
状物、天然皮革・合成皮革、繊維、繊維基布等の表面に
これを塗布し、表面層形成後に酸性染料にて染色可能な
表面処理剤層が得られる。この染色品は、従来の顔料を
用いた表面処理剤で着色したものに比べて、色に深みと
透明感が有り、高級感が付与される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径40μm以下である粒子の含量が
    85重量%以上で、粉体白色度が85以上であり、吸水
    度120〜300%で、且つ、見かけかさ比重が0. 0
    3〜0. 30g/mlであるコラーゲン粉末を含有する
    表面処理剤を用い、基材上に表面処理剤層を形成した後
    に、酸性染料にて染色を行うことを特徴とする表面処理
    剤層の染色方法。
  2. 【請求項2】 酸性染料が酸性含金属染料である請求項
    1の表面処理剤層の染色方法。
  3. 【請求項3】 基材が成型品である特許請求の請求項1
    の表面処理剤層の染色方法。
  4. 【請求項4】 基材がシート状物である請求項1の表面
    処理剤層の染色方法。
  5. 【請求項5】 基材が天然皮革又は合成皮革である請求
    項1の表面処理剤層の染色方法。
  6. 【請求項6】 基材が繊維又は繊維基布である特許請求
    の範囲第1項の表面処理剤層の染色方法。
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