JP4151911B2 - 遮光性布帛及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、実施例における撥水度及び耐水圧、及び遮熱性は、下記の方法で測定された値を示す。
撥水度: JIS L 1092:98−5.25a)3)C法による
耐水圧: JIS L 1092:98−6.1(静水圧法)による
遮熱性: 黒画用紙の約5mm上に試料を保持し、試料側からランプ光を照射して、裏面の画用紙中央の温度を熱電対で経時的に測定する。使用ランプは岩崎電気社製のアイランプ、照射距離は50cm、照射面は試料表側、照射時間15分間、試験室温度は20±2℃とした。
黒色の綿サテン[60/1×60/1(200×161)]に、フッ素系撥水剤をパディング処理し、乾燥・熱処理して、撥水性を付与した後、該綿サテンの片面に、下塗剤1(粘度10000cps)を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理し、固形分で23g/m2 の黒色の下塗コーティング層を形成した。
<下塗剤1>
アクリル樹脂エマルジョン(固形分35%) 100重量部
架橋剤(固形分25%) 5重量部
酸化チタンペースト(固形分70%) 35重量部
アンモニア水 0.3重量部
増粘剤 3.7重量部
水 5重量部
黒色顔料ペースト(固形分70%) 4重量部
次いで、この下塗コーティング層の上に、上塗剤1(粘度8000cps)を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で11.3g/m2の黒色の上塗コーティング層を形成した。
<上塗剤1>
アクリル樹脂エマルジョン(固形分35%) 100重量部
架橋剤(固形分25%) 5重量部
紫外線防止剤 2.5重量部
増粘剤 3重量部
水 48.5重量部
アンモニア水 1重量部
黒色顔料ペースト(固形分70%) 4.5重量部
得られた製品は、表面が綿サテンそのものの外観及び風合いを有する、JIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験で100%の遮光性を有するものとなった。
この製品は、更に、フッ素系撥水剤によるパディング処理をすることにより、コーティング表面に全く粘着性のない、耐水性及び撥水性共に非常に優れたものとなり(耐水圧:900mm、撥水度:100%)、黒色傘地として、安定して使用できた。また、薄地でありながら、完全遮光性を有すため、遮光性を求められる衣料、ロールカーテンなど幅広く利用可能であった。
更に、この製品の遮熱性試験を実施したところ、実施例1の製品は、実施例1と同様の綿サテンからなる市販の晴雨兼用の黒地の遮光性傘地と比較して、温度上昇率は、照射30分後には、2.4℃低く保たれ、照射15分後には、4.8℃低く保たれた。非常に遮熱性にも優れるものであった。
下塗コーティング層及び上塗コーティング層を形成するドクターナイフコーティングのドクター角度90度とした以外は、実施例1と同様の方法で、黒色傘地を得た。
下塗剤1による下塗コーティング層は固形分で19.3g/m2、上塗剤1による上塗コーティング層は7.2g/m2となり、製品のJIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験結果は99.86%であり、完全遮光を得ることはできなかった。
フッ素系撥水剤で撥水加工した紺色の綿サテン[60/1×60/1(200×161)]に、実施例1で使用した下塗剤1を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で25.1g/m2 の下塗コーティング層を形成した後、上塗剤2(粘度8000cps)を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で10g/m2の上塗コーティング層を形成した。
<上塗剤2>
アクリル樹脂エマルジョン(固形分35%) 100重量部
架橋剤(固形分25%) 5重量部
紫外線防止剤 2.5重量部
増粘剤 3重量部
水 48.5重量部
アンモニア水 1重量部
混合顔料ペースト(固形分70%) 19.5重量部
ブルー:レッド:イエロー=10:2.9:1
得られた製品は、JIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験で100%の遮光性を有する全体に紺色の傘地として、非常に安定して使用できた。
なお、この製品も、薄地でありながら、完全遮光性を有すため、遮光性を求められる衣服、帽子、乳母車の日除けなど幅広く利用可能であった。
また、上塗コーティング層形成後、フッ素系撥水剤処理することにより、耐水圧:900mm、撥水度:100%である、コーティング面に粘着性のない、より扱い易い製品となった。
撥水処理した茶色の綿サテン[60/1×60/1(200×161)]に、実施例1で使用した下塗剤1を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で25.6g/m2 の下塗コーティング層を形成した後、上塗剤3(粘度8000〜10000cps)を、ドクター角度23度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で14.6g/m2上塗コーティング層を形成した。
<上塗剤3>
アクリル樹脂エマルジョン(固形分35%) 100重量部
架橋剤(固形分25%) 5重量部
酸化チタンペースト(固形分70%) 35重量部
増粘剤 4重量部
水 48.5重量部
アンモニア水 0.3重量部
混合顔料ペースト(固形分70%) 19.5重量部
レッド:ブルー:イエロー=6.3:0.5:5.5
得られた製品は、JIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験で100%の遮光性を有する全体に茶色の傘地として、安定して使用できた。
なお、上塗コーティング層を形成した後、撥水処理することにより、耐水圧:900mm、撥水度:100%である、コーティング面に粘着性のない、より安定して使用できる製品となった。
この製品は、薄地でありながら、完全遮光性を有すため、遮光性を求められる作業着等にも幅広く利用可能であった。
撥水処理したベージュ色の綿サテン[60/1×60/1(200×161)]に、実施例1で使用した下塗剤1を、ドクター角度40度で、二度ドクターナイフコーティングした。一度目のコーティング・乾燥・熱処理で、固形分で25.6g/m2のコーティング層を形成した後、二度目のコーティング・乾燥・熱処理で、固形分で13.7g/m2のコーティング層を形成した。その後、上塗剤4(粘度10000cps)を、ドクター角度40度で、ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で11.9g/m2上塗コーティング層を形成した。
<上塗剤4>
アクリル樹脂エマルジョン(固形分35%) 100重量部
架橋剤(固形分25%) 5重量部
酸化チタンペースト(固形分70%) 35重量部
増粘剤 3.7重量部
水 5重量部
アンモニア水 0.3重量部
増粘剤 3.7重量部
黒色顔料ペースト(固形分70%) 1.1重量部
得られた製品は、生地そのままの若葉色で、裏面に淡いグレーのコーティング層を有する爽やかな外観の傘地となった。また、上塗コーティング後、撥水加工することにより、耐水度:1000mm、撥水度:100%という優れた耐水性及び撥水性を得ることができた。
この製品も、JIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験による遮光性は100%であった。
更に、この製品の遮熱性試験を実施したところ、実施例4の製品は、実施例4と同様の綿サテンからなる市販の晴雨兼用のベージュ色の遮光性傘地と比較して、温度上昇率は、照射30分後には、2.9℃低く保たれ、照射15分後には、4.9℃低く保たれた。非常に遮熱性にも優れるものであった。
最初に撥水処理しないで、実施例3の方法を実施した。下塗剤1は布帛(綿サテン)の表面にまで、含浸し、布帛表面を黒く着色し、しかも非常に風合いの悪い製品となった。
ブロード 40/1×40/1(110×80)
ローン 80/1×80/1(127×110)
サテン 60/1×60/1(170×110)
ブロード 50/1×60/1(150×120)
ジャガード 50/1×50/1(133×85)
スパンブロード 40/1×40/1(100×90)
2 布帛
3 樹脂組成物
Claims (9)
- 染色され、撥水加工された布帛の裏面にコーティング層を形成したものであって、
前記コーティング層が、バインダーと酸化チタンと黒色顔料を固形分重量比率で10:10〜4:1.2〜0.5割合で含む黒色の下塗コーティング層と、着色料を含む上塗コーティング層からなるものであり、
前記下塗コーティング層が、前記布帛表面に滲み出さず、しかも前記布帛に浸透した状態で、固形分で20〜50g/m2の厚さに形成され、
前記上塗コーティング層が固形分で8〜25g/m2の厚さに形成されていることを特徴とするJIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験で99.99%以上の遮光性を有する傘地に適した遮光性布帛。 - 前記布帛が、前記上塗コーティング層形成後、更に撥水加工されていることを特徴とする請求項1の遮光性布帛。
- 前記上塗コーティング層が前記布帛と同色に着色された樹脂層からなることを特徴とする請求項1又は2の遮光性布帛。
- 前記上塗コーティング層が酸化チタンを固形分比率で20〜42重量%の割合で含む、着色コーティング層であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項の遮光性布帛。
- JIS L 1092 撥水度試験スプレー法による撥水度が100であり、JIS L 1092 5.1の耐水性試験による耐水圧が900mm以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項の遮光性布帛。
- 染色布帛に、撥水剤をパディング処理し、乾燥・熱処理後、前記染色布帛の裏面に、バインダーと酸化チタンと黒色顔料を固形分重量比率で10:10〜4:1.2〜0.5の割合で含む黒色の下塗コーティング組成物を、前記布帛に対するドクターナイフの角度が樹脂供給側で20〜70度となるような条件下で、少なくとも一回ドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理し、固形分で20〜50g/m2の厚さの下塗コーティング層を形成し、その後、前記下塗コーティング層の上に、着色料を含む上塗コーティング組成物をドクターナイフコーティングし、乾燥・熱処理して、固形分で8〜25g/m2の上塗コーティング層を形成することを特徴とするJIS L 1055 A法 照度10万Luxの遮光性試験で99.99%以上の遮光性を有する傘地に適した遮光性布帛の製造方法。
- 前記上塗コーティング層を形成した後、撥水剤をパディング処理し、乾燥・熱処理することを特徴とする請求項6の遮光性布帛の製造方法。
- 前記上塗コーティング組成物として酸化チタンを固形分比率で20〜42重量%の割合で含む着色コーティング組成物が使用されることを特徴とする請求項6又は7の遮光性布帛の製造方法。
- 前記下塗コーティング組成物が二回コーティングされることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項の遮光性布帛の製造方法。
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