JP2920322B2 - 錠付きフユーエルキヤツプ - Google Patents

錠付きフユーエルキヤツプ

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JP2920322B2
JP2920322B2 JP25285790A JP25285790A JP2920322B2 JP 2920322 B2 JP2920322 B2 JP 2920322B2 JP 25285790 A JP25285790 A JP 25285790A JP 25285790 A JP25285790 A JP 25285790A JP 2920322 B2 JP2920322 B2 JP 2920322B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、燃料タンクのフイラーネツクに対する締
め(装着)、緩め(取り外し)が、キー操作にもとづい
て行なわれる錠付きフユーエルキヤツプに関する。
[従来の技術] 従来、錠付きフユーエルキヤツプとして、特開昭56−
4561号公報に記載のものが知られている(第9、10、11
図参照)。
この錠付きフユーエルキヤツプ1は、蓋体4に加えら
れるトルクをキヤツプ本体3へ伝達する経路として、2
つの経路をもうけている。第1の経路は、蓋体4から、
蓋体4裏面に一体的に取り付けられた有底円筒状体29、
有底円筒状体29上端のアーム30、30、アーム30、30先端
の係合部31、31と係合可能な係合突起32、32、32、32を
内周面に有するドーナツ状のラチエエツトプレート8を
順に介して、ラチエツトプレート8下面の無数のラチエ
ツト用突起13と係合可能な爪12、12、12、12を上端に有
するキヤツプ本体3へ至る経路である。第2の経路は、
蓋体4から、有底円筒状体29、有底円筒状体29内に収容
されたロツク機構33を順に介して、ロツク機構33のロツ
クピン19と係合可能な係合突起34、34、34、34、34、3
4、34を内周面に有するキヤツプ本体3へ至る経路であ
る。
そして、キーオフ時においては、ロツクピン19が後退
状態にあり、ロツクピン19と係合突起34とを非係合状態
に保って第2の経路を遮断状態に保ち、締め(装着)時
のみ、第1の経路を経てトルクを伝達し、一方、キーオ
ン時において、締め(装着)時には、第1の経路を経て
トルクを伝達し、緩め(取り外し)時は、錠6下端の作
動片7によりロツクピン19が前進状態にあり、係合突起
34、34、34、34、34、34のうちの1つと係合状態にある
ことで第2の経路が形成され、この第2の経路を経てト
ルクを伝達するように構成されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記錠付きフユーエルキヤツプ1において
は、組み立て時において、蓋体4裏面上に有底円筒状体
29を載置した後、蓋体4裏面上における有底円筒状体29
の周囲にラチエツトプレート8を載置する際、上記アー
ム係合部31、31と上記ラチエツトプレート係合突起32、
32、32、32とが干渉しないよう位置決めしながら組み立
て作業をしなければならないという問題がある。
また、上記アーム係合部31、31が2つであることから
上記ラチエツトプレート係合突起32、32、32、32のうち
の2つと係合する2箇所で均等な回転トルクを得るよう
にするためには、有底円筒状体29、ラチエツトプレート
8の製造に比較的高い精度が要求されると考えられる。
この発明は上記問題点に着目し、組み立て作業の容易
化を図るとともに、上記従来例程には高精度が要求され
なくて済む錠付きフユーエルキヤツプを提供することを
課題とする。
[課題を解決するための手段] この課題を解決するため、この発明の錠付きフユーエ
ルキヤツプは、 フイラーネツクと螺合するキヤツプ本体と、 該キヤツプ本体を上方で覆う蓋体と、 該蓋体に保持され、下端面にキー操作に応じて動作す
る作動片を有する錠と、 を備え、キー操作にもとづいて締めたり緩めたりされ
る錠付きフユーエルキヤツプにおいて、 前記蓋体裏面に周方向に沿って係合突起を形成すると
ともに、 前記キヤツプ本体内に収容される中空円筒部と該中空
円筒部に外側へ延びて形成された環状フランジ部とが一
体的に形成されてなるラチエツトプレートであって、前
記中空円筒部の内周面に縦溝が周方向全周にわたって形
成され、前記環状フランジ部に前記蓋体の係合突起と係
合可能なアームが形成されてなるラチエツトプレート
と、 前記中空円筒部内に収容される錠ケースであって、ロ
ツクピン・ばね受容室が形成された錠ケースと、 先端面に前記縦溝に対して係合可能な縦突起が形成さ
れたロツクピンであって、キーオフ時には、前記作動片
による後方への押圧力を受けて後退状態に保たれ、前記
縦突起と前記縦溝とが非係合状態に維持され、一方、キ
ーオン時には、前進状態に保たれ、前記縦突起と前記縦
溝とが係合状態に維持されるロツクピンと、 を設けたことを特徴とする。
[発明の作用効果] この発明によると、ラチエツトプレート内周面に縦溝
が周方向全周に形成されているため、周方向の位置決め
に配慮しなくてもラチエツトプレートに錠ケースを挿入
することができ、したがって、組み立て作業が容易にな
る。また、ロツクピンの先端の縦突起とラチエツトプレ
ート内周面の縦溝との係合で回転トルクの伝達が行なわ
れることから、従来例程の精度が要求されずに十分なト
ルク伝達を行なうことができる。さらに、蓋体裏面に係
合突起を、環状フランジ部にアームをそれぞれ一体的に
設けたことから部品点数の減少を図ることが可能にな
る。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を第1〜8図を参照しつつ
説明する。
この実施例に係る錠付きフユーエルキヤツプ1は、フ
イラーネツク2と螺合するポリアセタール等合成樹脂製
のキヤツプ本体3を備える。キヤツプ本体3は、蓋体4
と外周縁部4aにおいて相対的に回動可能に係合される。
蓋体4の中央部には、上下方向の貫通孔5が形成され、
貫通孔5内には、錠(シリンダ錠)6が挿通される。蓋
体4の裏面には周方向に沿って係合突起36、36、36、36
が形成されている。錠6は、下端面に、キー操作に応じ
て動作する作動片7を有する。
キヤツプ本体3内には6ナイロン等合成樹脂製のラチ
エツトプレート8の中空円筒部9が収容される。中空円
筒部9の内周面には周方向に沿って縦溝10が形成され、
縦溝10の上端には最小内径部10aが形成されている。ラ
チエツトプレート8には、中空円筒部9から外側へ延び
て形成された環状フランジ部11が形成されている。環状
フランジ部11の下面には、キヤツプ本体3上面に周方向
に沿って形成された爪12、12、12、12と係合するラチエ
ツト用突起13が周方向に沿って無数形成されている。環
状フランジ部11には、上記蓋体4の係合突起36、36、3
6、36と係合可能なアーム37、37が設けられている。
ラチエツトプレート8の中空円筒部9内には、ガラス
補強ナイロン等合成樹脂製の錠ケース14が収容される。
錠ケース14は、上端部に蓋体4裏面に形成された凹部15
に圧入される凸部16が、上部中央に錠6を収容する錠受
容室17が、下部にロツクピン・ばね受容室18が、下部側
面にロツクピン19の進退動作を可能にする開口部20が、
それぞれ形成されている。
ロツクピン・ばね受容室18には、ロツクピン19およ
び、ばね21が収容される。ロツクピン19は、ポリアセタ
ール等合成樹脂製であり、先端面に、中空円筒部9の縦
溝10に対して係合可能な1または2以上の縦突起22が、
その後側に、前方へのばね付勢力を受ける受圧面23が、
中央部に、錠6の作動片7と係合可能な係合部24が、そ
れぞれ形成されている。ロツクピン19は、キーオフ時に
は、係合部24が作動片7による後方への押圧力を受け、
ばね付勢力に抗して後退状態に保たれ、縦突起22と縦溝
10とを非係合状態に維持し、一方、キーオン時には、係
合部24が作動片7と非係合状態に保たれ、ばね21によっ
て前進状態に保たれて縦突起22と縦溝10とを係合状態に
維持する。
なお、図中の符号25はキー、26はOリング、27はガス
ケツト、28はコイルばねを表わしている。
上記説明から明らかなように、この錠付きフユーエル
キヤツプのトルク伝達経路は、2つからなる。
第1の伝達経路は、蓋体4から、錠ケース14、ロツク
ピン19、ラチエツトプレート8を順に経てキヤツプ本体
3へ至る経路である。ここて、ロツクピン19からラチエ
ツトプレート8へのトルク伝達は、キー操作によって制
御され、キーオフ時には、縦突起22と縦溝10とが上記の
ように非係合状態に保たれているため、伝達不能にな
り、一方、キーオン時には、縦突起22と縦溝10とが上記
のように係合状態になるため伝達可能になる。
第2の伝達経路は、蓋体4から、係合突起36、36、3
6、36、アーム37、37を介してラチエツトプレート8
に、そしてキヤツプ本体3へ至る経路である。そして、
係合突起36、36、36、36からアーム37、37へのトルク伝
達は、原則として、キーオン、オフ時を問わず、締め時
には、両者が係合状態になり、伝達でき、一方、キーオ
フ時の緩め時には、アーム37、37が上下方向へ橈み可能
なため、両者が非係合状態に保たれ、伝達不能とされ
る。
したがって、キーオフ時に、蓋体4に対して緩めのた
めのトルクが加えられても、キヤツプ本体3は回動され
ない。一方、キーオン時に緩めのためのトルク、締めの
ためのトルクが加えられ、また、キーオフ時に締めのた
めのトルクが加えられると、キヤツプ本体3は回動され
る。
この錠付きフユーエルキヤツプ1の組み立て工程の一
例について、以下説明する。
まず、蓋体4にOリング26を圧入等により組みつけ
る。
次に、蓋体4の凹部15に錠ケース14の凸部16を圧入等
により組みつける。
次に、錠ケース14のロツクピン・ばね受容室18にロツ
クピン19および、ばね21を組みつける。
次に、錠ケース14にラチエツトプレート8を組みつけ
る。この組み付け後においては、ばね21の付勢力によ
り、ロツクピン19の縦突起22はラチエツトプレート8の
縦溝10と係合状態にある。
次に、錠ケース14の錠受容室17に錠6を圧入する。こ
のような作業工程により、第8図図示の蓋体構成体35が
得られる。
次に、キヤツプ本体3内にコイルばね28をセツトす
る。
次に、蓋体構成体35にキヤツプ本体3を圧入する。
以上の工程を経て、錠付きフユーエルキヤツプ1が得
られる。
この実施例によると。ラチエツトプレート8内周面に
縦溝10が周方向全周にわたって形成されているため、周
方向の位置決めに配慮しなくてもラチエツトプレート8
に錠ケース14を挿入することができ、したがって、組み
立て作業が容易になる。また、ロツクピン19の先端の縦
突起22と縦溝10との係合でキーオン時の回転トルクの伝
達が行なわれることから、従来例程の精度が要求されず
に十分なトルク伝達を行なうことができる。また、係合
突起36、36、36、36が蓋体4に一体的に設けられ、アー
ム37、37がラチエツトプレート8に一体的に設けられて
いるため、部品点数の減少が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1実施例に係る錠付きフユーエルキヤツプ
の分解斜視図、 第2図は、同フユーエルキヤツプの縦断面図、 第3図は、蓋体の部分断面側面図、 第4図は、同底面図、 第5図は、ラチエツトプレートの上面図、 第6図は、同部分断面側面図、 第7図は、錠ケースの部分断面側面図、 第8図は、組み立て工程における蓋体構成体の縦断面
図、 第9図は、従来の錠付きフユーエルキヤツプの縦断面
図、 第10図は、同フユーエルキヤツプを説明するためのフユ
ーエルキヤツプの一部の上面図、 第11図は、同じく一部の底面図である。 1……錠付きフユーエルキヤツプ、 2……フイラーネツク、 3……キヤツプ本体、 4……蓋体、 6……錠、 7……作動片、 8……ラチエツトプレート、 9……中空円筒部、 10……縦溝、 11……環状フランジ部、 14……錠ケース、 18……ロツクピン・ばね受容室、 19……ロツクピン、 21……ばね、 22……縦突起、 36……係合突起、 37……アーム。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フイラーネツクと螺合するキヤツプ本体
    と、 該キヤツプ本体を上方で覆う蓋体と、 該蓋体に保持され、下端面にキー操作に応じて動作する
    作動片を有する錠と、 を備え、キー操作にもとづいて締めたり緩めたりされる
    錠付きフユーエルキヤツプにおいて、 前記蓋体裏面に周方向に沿って係合突起を形成するとと
    もに、 前記キヤツプ本体内に収容される中空円筒部と該中空円
    筒部に外側へ延びて形成された環状フランジ部とが一体
    的に形成されてなるラチエツトプレートであって、前記
    中空円筒部の内周面に縦溝が周方向全周にわたって形成
    され、前記環状フランジ部に前記蓋体の係合突起と係合
    可能なアームが形成されてなるラチエツトプレートと、 前記中空円筒部内に収容される錠ケースであって、ロツ
    クピン・ばね受容室が形成された錠ケースと、 先端面に前記縦溝に対して係合可能な縦突起が形成され
    たロツクピンであって、キーオフ時には、前記作動片に
    よる後方への押圧力を受けて後退状態に保たれ、前記縦
    突起と前記縦溝とが非係合状態に維持され、一方、キー
    オン時には、前進状態に保たれ、前記縦突起と前記縦溝
    とが係合状態に維持されるロツクピンと、 を設けたことを特徴とする錠付きフユーエルキヤツプ。
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