JP2920085B2 - 産業車両用ニューマチック型クッションタイヤの製造方法 - Google Patents

産業車両用ニューマチック型クッションタイヤの製造方法

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JP2920085B2
JP2920085B2 JP7088269A JP8826995A JP2920085B2 JP 2920085 B2 JP2920085 B2 JP 2920085B2 JP 7088269 A JP7088269 A JP 7088269A JP 8826995 A JP8826995 A JP 8826995A JP 2920085 B2 JP2920085 B2 JP 2920085B2
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国治 加賀
浩 種村
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樹敏 宮瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業車両用ニューマチ
ック型クッションタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばフォークリフト等に装着さ
れる産業車両用ニューマチック型クッションタイヤ(以
下単にタイヤともいう)の構造は、図8に示す構造(タ
イプ1という)と図9に示す構造(タイプ2という)に
大別される。
【0003】図8に示すようにタイプ1のタイヤ100
は、ベースゴム101とトレッドゴム102とを積層
し、鋼製のビードワイヤー103とカーカス104とを
一体化したサイド補強材105でサイドを補強した構造
で、ベース高さはほぼ20%ないし50%で一般的には
45%程度であった。
【0004】このタイプ1のタイヤ100では、耐リム
スリップ性能はビードワイヤー103によって支えら
れ、縦剛性はベースゴムの硬さとトレッドゴムの硬さに
依拠し、カーカスも縦剛性に寄与しており、横剛性はカ
ーカス、ベースゴムの硬さおよびトレッドゴムの硬さに
依拠している。
【0005】これら縦剛性および横剛性に関するベース
ゴムは、ポリマーとして天然ゴムのみあるいは天然ゴム
とSBRとの配合物が使用され、JISAスプリング式
硬さは70〜75程度であった。また、SBRを配合す
る場合、そのスチレン量は30%以下が通常であった。
【0006】図9に示すように、タイプ2のタイヤ20
0は、タイプ1のタイヤ100の補強材105に相当す
る部分を有さない構造で、ベース部201とトレッド部
202のみから構成されていた。ただし、ベース部20
1には、耐リムスリップ性能、縦横剛性を確保するため
に、短繊維の分散、コード層の挿入の双方または一方が
施されている。
【0007】このタイプ2のタイヤ200でも、ベース
部201を形成するベースゴム自体の組成や硬さ等は、
タイプ1のタイヤ100と同様であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タイプ
2のタイヤでは、ベース部に分散された短繊維による耐
リムスリップ性は十分でない場合があり、使用によりゴ
ムが劣化し、繊維の拘束力が低下するので空転が発生し
やすかった。特に、長年の使用を経るとこの傾向が大き
かった。また、コード層を備えれば耐リムスリップ性が
向上されるが、コード層自体の耐久性の点から長年の使
用によって耐リムスリップ性が低下し、空転が発生する
ことがあった。
【0009】一方、タイプ1のタイヤは、ビードワイヤ
ーの締め付け力で耐リムスリップ性を確保しているの
で、タイプ2のタイヤのような空転は発生しにくいので
あるが、ビードワイヤーが側面近くに配されているため
に、外部との接触等でビードワイヤーが露出することが
あった。また、タイプ1のタイヤは構造が複雑でコスト
高になる。
【0010】本発明は、上述のような従来のタイヤにお
ける不都合を解消することが可能な産業車両用ニューマ
チック型クッションタイヤの製造に好適な産業車両用ニ
ューマチック型クッションタイヤの製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、次の方法を取った。
【0012】即ち、産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造方法は、トレッド部とベース部とから
なり周方向に沿って巻回された複数のビードワイヤーを
前記ベース部に内蔵する産業車両用ニューマチック型ク
ッションタイヤを製造するに当たって、外径を伸縮可能
な成形ドラムの外径を縮小した状態で該成形ドラムの外
周にシート状のベースゴムを多層に巻回して第1のベー
スゴム層となし、予め所定の径に巻回された複数のビー
ドワイヤーを前記第1のベースゴム層に外装し、前記成
形ドラムの外径を伸張させることにより前記第1のベー
スゴム層を前記ビードワイヤーに密着させ、前記第1の
ベースゴム層に重ねてシート状のベースゴムを多層に巻
回して第2のベースゴム層を形成し、該第2のベースゴ
ム層に重ねてトレッド部を形成し、前記成形ドラムの外
径を縮小させて前記第1のベースゴム層と前記成形ドラ
ムとを分離するか、または、前記第2のベースゴム層を
形成してから前記成形ドラムの外径を縮小させて前記第
1のベースゴム層と前記成形ドラムとを分離した後、前
記第2のベースゴム層に重ねて前記トレッド部を形成す
ることを特徴とする。
【0013】
【作用】この製造方法の実施に当たっては、外径を伸縮
可能な成形ドラムが使用される。この成形ドラムは、例
えば図4に示されるように、例えば4分割された外周部
材91を内周側に配されたサポート部材92で保持し、
各サポート部材92は芯部材93の半径方向に往復移動
可能に芯部材93に支持された構造の成形ドラム90が
例示される。また、サポート部材92と共に外周部材9
1を往復駆動するための駆動機構としては、エアシリン
ダや油圧シリンダ、電動式等が例示される。
【0014】以下、図2を参照して説明すると、まず成
形ドラム90の外径を縮小した状態(図4(a)参照)
で、成形ドラム90の外周部材91上に、周方向に沿っ
てシート状のベースゴムを巻回して第1のベースゴム層
81を形成する(図2)。次に、予め所定の径に巻回
された複数のビードワイヤー82を第1のベースゴム層
81に外装する。このとき第1のベースゴム層81とビ
ードワイヤー82との間には空隙が保持されている(図
2)。
【0015】なお、ビードワイヤー82としては、1本
の鋼線製のもの、複数の鋼線を撚合わせたもの等任意で
ある。また、ビードワイヤーの本数は、図2、図3に例
示する2本に限定されない。次に、成形ドラム90の外
径を伸張させることにより第1のベースゴム層81をビ
ードワイヤー82に密着させる(図2)。この際、図
3に示すように、ビードワイヤー82が第1のベースゴ
ム層81に半ば埋設された状態とされる。
【0016】続いて、第1のベースゴム層81に重ねて
ベースゴムを巻回して第2のベースゴム層83を形成す
る(図2、図3)。このとき、図3に示されるよう
に、第2のベースゴム層83は巻き付け力によってビー
ドワイヤー82の側方を通り越して第1のベースゴム層
81側に進入する。したがって、ビードワイヤー82の
周囲にごくわずかな空間が残るものの、第1のベースゴ
ム層81と第2のベースゴム層83とは実質的に密着状
態となる。
【0017】さらに、第2のベースゴム層83に重ねて
トレッド部84を巻回する(図2)。その後、成形ド
ラム90の外径を縮小させて第1のベースゴム層81と
成形ドラム90の外周部材91とを分離して、中間製品
85を成形ドラム90から取り外す(図2)。なお、
第2のベースゴム層の巻回後に第1のベースゴム層81
と成形ドラム90の外周部材91とを分離してからトレ
ッド部84を巻回することも可能である。
【0018】この中間製品85を、金型内に挿入して加
熱プレスによりプレス加硫すれば産業車両用ニューマチ
ック型クッションタイヤが完成する。なお、プレス加硫
は、従来技術と同様であるので、詳細な説明は省略す
る。
【0019】上記産業車両用ニューマチック型クッショ
ンタイヤの製造においては、ベース部を形成するベース
ゴムの組成は、天然ゴム、スチレン含有量が20〜50
W/W%のSBR、前記天然ゴムとSBRの総量に対し
て5〜15%(PHR)のフェノールレジンおよびフェ
ノールレジンの硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミ
ンを含み且つ前記SBRと前記天然ゴムとの重量比が
2:8〜7:3となる範囲で配合されている。この組成
によれば、ベースゴムのJISAスプリング式硬さ(J
ISK6301 -1975 )を85以上とすることが容易で
ある。
【0020】ベース部のJISAスプリング式硬さを8
5以上とすることで、耐リムスリップ性能、縦剛性およ
び横剛性が向上される。しかも、ベース部に内蔵される
ビードワイヤーが耐リムスリップ性能を確実とするの
で、空転の発生は良好に防止される。しかも、トレッド
部のJISAスプリング式硬さが65〜75であるの
で、例えば突起乗り越し等における車体(機台)の搖れ
を回避する性能はタイプ1、2のタイヤより更に良好と
なり、走行安定性は更に良好となる。
【0021】ここで、ベースゴムの組成について説明す
る。主たるポリマー成分となるのは天然ゴムとSBR
で、両者の配合比(重量比)は、SBR:天然ゴム=
2:8〜7:3となる範囲、すなわちSBRと天然ゴム
の総量中のSBRの割合が20%〜70%が好ましい。
SBRの割合が20%を下回るとベースゴムのJISA
スプリング式硬さを85以上とすることが困難となる。
一方、SBRの割合を大きくするに従ってJISAスプ
リング式硬さも向上するのであるが、SBRの割合が7
0%を越えると可塑化する際のロールへの巻き付き力が
低下してバギング等を起こし易くなり、ロールによる可
塑化とシート出し作業等が困難となる。したがって、前
述の配合比が好適といえる。
【0022】SBRのスチレン含有量が20%を下回る
場合にはスチレンによる補強能力が十分に発揮されな
い。またSBR中のスチレンの含有量が50%を越える
と、樹脂に近くなって硬さの点では十分であるが、圧縮
永久歪が悪化しタイヤへの使用に適さなくなる。したが
って、SBR中のスチレン含有量は20〜50W/W%
が適切である。なお、本発明においては、SBRは乳化
重合、溶液重合の両者が使用できる。また、SBR中の
スチレンユニットは、ゴム混練に伴う熱で軟化するので
混練操作が困難になることはない。
【0023】フェノールレジンは、天然ゴムとSBRの
総量に対して5%(PHR)を下回る配合比ではベース
ゴムのJISAスプリング式硬さを85以上とすること
が困難で、15%(PHR)を越えると圧縮永久歪、即
ち残留歪が大きくなりタイヤのベースゴムとしては好ま
しくない。したがって、フェノールレジンの配合比は、
天然ゴムとSBRの総量に対して5%(PHR)〜15
%(PHR)が好ましい。フェノールレジンは、スチレ
ンと同様にゴム混練に伴う熱で軟化ないし液状となるの
で混練操作が困難になることはない。なお、ベースゴム
の硬さと圧縮永久歪のバランスを考慮すると、フェノー
ルレジンの配合比は、天然ゴムとSBRの総量に対して
7%(PHR)〜12%(PHR)が好適である。ま
た、フェノールレジンの変性は、カシュー変性、オイル
変性等公知の変性処理品を採用できる。
【0024】ヘキサメチレンテトラミンは、フェノール
レジンに対して10%程度に満たないとベースゴムの硬
さが不足となることがあり、10%程度を越えても硬さ
の増加はあまり期待できないので、10%程度が適当で
ある。なお、ベースゴムの組成には、上述の成分の他に
カーボンブラック、ホワイトカーボン、老化防止剤、亜
鉛華、ステアリン酸、炭酸カルシウム、硫黄その他の加
硫剤等、公知のゴム用薬剤、添加材および添加剤を含ん
で差し支えない。
【0025】ベース部の高さは、全体の20%〜60%
の範囲が好ましい。これは、この範囲であるとタイヤに
要求される各種の性能が良好となるためである。具体的
な例を挙げると、ベース部高さが20%を下回るとタイ
ヤの横剛性が低下し、トレッド部の偏摩耗も大きくなり
やすい。また、長期使用にともなってビードワイヤーと
ベースゴムとが剥離するおそれもある。一方、ベース部
高さが60%を越えると、相対的にトレッドゴムが少な
くなるので、タイヤが発熱し易くなる、縦横剛性が大き
くなりすぎて車体(機台)への負担が増加する、ある程
度以上に横剛性を高めても偏摩耗が解消されるわけでは
ない等の理由があり、ベース部高さを60%よりも大き
くするメリットはない。したがって、ベース部高さは2
0%〜60%の範囲が好ましく、特に好ましいのは30
%〜50%の範囲である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 1.ベースゴムの組成と硬さ ベースゴムの組成と硬さの関係について各種の実験を実
施した。これらの結果について説明する。なお、特にこ
とわらないかぎり、以下の実験結果等で硬さの数値を示
す場合は、JISAスプリング式硬さ(JISK630
-1975 )である。 (1)フェノールレジン量とゴム硬さの関係
【0027】
【表1】
【0028】表1において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBR1500のスチレン含有量は23.5W/W
%、フェノールレジンは30%カシュー変性フェノール
レジン、ヘキサメチレンテトラミンはフェノールレジン
の10%量使用。圧縮永久歪は70℃x22時間試験条
件、硬さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJI
SK6301-1975 に準ずる)、混練は6インチテスト
ロール手練り、テストピースの加硫条件は150℃x6
0分である。
【0029】フェノールレジンの添加によりゴムの硬さ
が増加し、5%(PHR)で硬さ85となった。さらに
フェノールレジンの添加量を増やすと硬さも大きくなる
が、17%(PHR)で圧縮永久歪が39%となり35
%を越えた。圧縮残留歪が35%を越えると残留歪が大
きくなりすぎてタイヤのベースゴムとしては好ましくな
い。したがって、フェノールレジンの添加量は5〜15
%(PHR)が適当といえる。 (2)SBR量とゴム硬さの関係
【0030】
【表2】
【0031】表2において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBRは乳化重合品のスチレン量46W/W%、フ
ェノールレジンは30%カシュー変性フェノールレジ
ン、ヘキサメチレンテトラミンはフェノールレジンの1
0%量使用。圧縮永久歪は70℃x22時間試験条件、
硬さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJISK
6301-1975 に準ずる)、混練は6インチテストロー
ル手練り、テストピースの加硫条件は150℃x60分
である。
【0032】
【表3】
【0033】表3において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBRは乳化重合品のスチレン量46W/W%、フ
ェノールレジンは30%カシュー変性フェノールレジ
ン、ヘキサメチレンテトラミンはフェノールレジンの1
0%量使用。圧縮永久歪は70℃x22時間試験条件、
硬さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJISK
6301-1975 に準ずる)、混練は6インチテストロー
ル手練り、テストピースの加硫条件は150℃x60分
である。
【0034】表2、表3から明かなように、SBRの割
合が20%を下回るとゴムの硬さを85以上とすること
が困難となる。一方、SBRの割合を大きくするに従っ
てゴムの硬さも向上するが、前述したようにSBRの割
合が70%を越えると可塑化する際のロールへの巻き付
き力が低下してバギング等を起こし易くなりロールによ
る可塑化とシート出し作業等が困難となる。したがっ
て、天然ゴムとSBRの配合比(重量比)は、SBR:
天然ゴム=2:8〜7:3となる範囲、すなわちSBR
と天然ゴムの総量中のSBRの割合が20%〜70%が
好ましい。 (3)SBR中のスチレン量とゴム硬さの関係
【0035】
【表4】
【0036】表4において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBRは乳化重合品のスチレン量23.5W/W%
並びに46W/W%、フェノールレジンは30%カシュ
ー変性フェノールレジン、ヘキサメチレンテトラミンは
フェノールレジンの10%量使用。圧縮永久歪は70℃
x22時間試験条件、硬さ試験はスプリング硬さJIS
A(両者ともJISK6301-1975 に準ずる)、混練
は6インチテストロール手練り、テストピースの加硫条
件は150℃x60分である。
【0037】表4から、SBR中のスチレン量を23.
5W/W%〜46W/W/%とすれば硬さ85以上のゴ
ムが得られることが確認できる。また、SBRのスチレ
ン含有量が20%を下回る場合にはスチレンによる補強
能力が十分に発揮されず、SBR中のスチレンの含有量
が50%を越えると圧縮永久歪が悪化しタイヤへの使用
に適さなくなるので、SBR中のスチレン含有量は20
〜50W/W%が適切といえる。 (4)フェノールレジンの変性とゴム硬さの関係
【0038】
【表5】
【0039】表5において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBR1500は乳化重合品でスチレン量23.5
W/W%、ヘキサメチレンテトラミンはフェノールレジ
ンの10%量使用。圧縮永久歪は70℃x22時間試験
条件、硬さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJ
ISK6301-1975 に準ずる)、混練は6インチテス
トロール手練り、テストピースの加硫条件は150℃x
60分である。
【0040】表5から、圧縮永久歪では変性なしが優れ
ているが、硬さおよび圧縮永久歪の両方を考慮するとカ
シュー変性が有利といえる。 (5)その他のレジン
【0041】
【表6】
【0042】表6において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBR1500は乳化重合品でスチレン量23.5
W/W%、ヘキサメチレンテトラミンはフェノールレジ
ンの10%量使用。圧縮永久歪は70℃x22時間試験
条件、硬さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJ
ISK6301-1975 に準ずる)、混練は6インチテス
トロール手練り、テストピースの加硫条件は150℃x
60分である。
【0043】メラミンレジン、クマロンレジンでは硬さ
85以上を得るのは困難である。 (6)カーボンブラック量の増加
【0044】
【表7】
【0045】表7において、天然ゴムとSBRは両者の
総量に対するW/W%、他の成分はPHRである。ま
た、SBR1500は乳化重合品でスチレン量23.5
W/W%、圧縮永久歪は70℃x22時間試験条件、硬
さ試験はスプリング硬さJISA(両者ともJISK6
301-1975 に準ずる)、混練は6インチテストロール
手練り、テストピースの加硫条件は150℃x60分で
ある。
【0046】カーボンブラックの増量によりゴムの硬さ
が増すことが知られているが、フェノールレジンを欠く
配合では硬さ85以上を得るのは困難である。また、カ
ーボンブラックの増量はムーニー粘度が大きくなり混練
も難しくなる。以上の実験から、ベースゴムの組成は請
求項1記載の配合が優れていることが確認できる。次
に、請求項2記載の産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造方法により、図1に例示されるよう
に、複数のビードワイヤー2を内蔵するベース部4とト
レッド部6とを備える形状の産業車両用ニューマチック
型クッションタイヤ8を複数種類(実施例、比較例)製
造した。また、比較例として図8に示される構造の産業
車両用ニューマチック型クッションタイヤ(タイプ
1)、図9に示される構造の産業車両用ニューマチック
型クッションタイヤ(タイプ2)を製造し、さまざまな
性能比較試験を実施した。以下、各実験結果について説
明する。
【0047】なお、実験に使用したタイヤのサイズは、
いずれも5.00−8/3.00Dである。 実施例1〜4のタイヤ:図1に示される形状、トレッド
部硬さ65〜75、ベース部硬さ85以上、ベース部に
ビードワイヤー2本内蔵、ベース高さ40% 比較例1(図8に示すタイプ1):トレッド部硬さ6
2、ベース部硬さ73、サイド補強材(ビードワイヤー
+カーカス)、ベース高さ40% 比較例2〜5のタイヤ:実施例1〜4と同形状、ただし
トレッド部硬さ、ベース部硬さのいずれかは本発明の範
囲外 (剛性実験)
【0048】
【表8】
【0049】試験装置は、30tfタイヤ圧縮試験機
(島津製作所、UH−C30A型)を使用。縦剛性およ
び横剛性の数値は比較例1(従来タイプ1)を100と
した指数表示である。
【0050】表8から実施例1〜4のタイヤは、縦剛性
(指数は小さいほど良)、横剛性(指数は大きいほど
良)共に優れていることが判る。 (強制空転試験)強制空転によりビードワイヤーによる
耐リムスリップ性能の差を確認した。
【0051】試験装置は、30tfタイヤ圧縮試験機
(島津製作所、UH−C30A型)を使用し、リム部を
固定した状態で設置面を150mm移動させてリムとタ
イヤ間の空転量を測定。 実施例5〜10:トレッド部硬さ70、ベース高さ40
%、ベースゴムにビードワイヤーを内蔵 比較例1は剛性実験に使用したものと同じ、比較例6〜
8はビードワイヤーを備えない点以外実施例5〜10と
同構造である。
【0052】
【表9】
【0053】表9から、実施例5〜10のタイヤの耐リ
ムスリップ性能が優れていることが判る。 (発熱試験)実施例11と比較例9のタイヤにより発熱
試験を実施した。タイヤの仕様は下記の通りである。
【0054】実施例11:トレッド部硬さ73、ベース
部硬さ90、ベース部にビードワイヤー2本内蔵、ベー
ス高さ40% 比較例9(図8に示すタイプ1の構造):トレッド部硬
さ62、ベース部硬さ73、サイド補強材(ビードワイ
ヤー+カーカス)、ベース高さ40% タイヤ発熱試験 1)試験条件 a.試験機 タイヤ回転試験機(神戸製鋼所製、産業車
両用タイプ) b.速度 15km/h c.荷重 500kgf d.測定器 サーミスタ方式6点温度計(型式AM−8
101) 2)試験方法 タイヤ回転試験機にタイヤを取付け、定荷重、定速度に
て10分間走行し温度測定のために2分間停止するサイ
クルを繰り返し、タイヤ内部温度を深さ別に6点測定し
最も高い温度を内部温度とする。
【0055】試験結果を図5に示す。このグラフから、
実施例11のタイヤの発熱性が低いことが判る。 (転がり抵抗試験)実施例11と比較例9のタイヤによ
り転がり抵抗試験を実施した。 1)試験条件 a.試験機 タイヤ回転試験機(神戸製鋼所製、産業車
両用タイプ) b.速度 10km/h、20km/h、30km/
h c.荷重 1000kgf、1500kgf 2)試験方法 タイヤ回転試験機にタイヤを取付け(図6参照)、定荷
重、定速度にて10km/h荷重JATMA最大の条件
で20分間予備走行後、所定の速度、荷重W[kgf]
でタイヤを回転させ、その時の軸トルクTr[kgf・
m]を測定し、下記の計算式に従って転がり抵抗係数μ
rを算出する。結果を表10に示す。
【0056】
【数1】転がり抵抗 F[kgf]=Tr[kgf・
m]/0.854[m]
【0057】
【数2】 転がり抵抗係数 μm=F[kgf]/W[kgf]
【0058】
【表10】
【0059】表10から実施例11のタイヤの転がり抵
抗係数は比較例9のタイヤとほぼ同等といえる。 (実車摩耗試験) 1)試験条件 a.機台 フォークリフト(FG15) b.積載重量 500kg c.テストコース コンクリート、平坦乾燥舗装路面 コース形状は図7に示す d.走行時間 約60時間 e.走行速度 約8.8km/h(23秒/周) f.タイヤサイズ 前輪 6.50−10 後輪 5.00−8 2)試験方法 後輪左右に測定対象タイヤを装着し、テストコースを左
廻り、5時間/日断続的に走行し、毎日タイヤ外径(外
側、中央、内側)を測定し、摩耗、偏摩耗を調査する。
結果を表11に示す。
【0060】
【表11】
【0061】耐摩耗性、耐偏摩耗性の数値は、比較例9
を100として指数表示、指数は大きいほど良。表11
から、実施例11のタイヤは、耐摩耗性、耐偏摩耗性と
も比較例9のタイヤよりも優れていることが判る。 (ディスクホィール部割れ寿命試験)リムに偏荷重が作
用すると、ディスクホィールのボルト周辺に割れを発生
することがある。実施例12と比較例10、11のタイ
ヤを使用して実車走行によりディスクホィール部割れ試
験を実施した。タイヤの仕様は下記の通りである。
【0062】実施例12:トレッド部硬さ69、ベース
部硬さ90、ベース部にビードワイヤー2本内蔵、ベー
ス高さ40% 比較例10(図8に示すタイプ1の構造):トレッド部
硬さ62、ベース部硬さ73、サイド補強材(ビードワ
イヤー+カーカス)、ベース高さ40% 比較例11(図9に示すタイプ2の構造、愛知タイヤ工
業(株)試作品):ナイロン繊維(ベースゴムに対して3
0W/W%量)をベースゴム中に分散、コード層なし、
ベース部のゴム部の硬さ68、ベース高さ50% 1)試験条件 a.機台 フォークリフト(FG15) b.積載重量 500kg c.テストコース コンクリート、平坦乾燥舗装路面 コース形状は図7に示す d.走行速度 約8.8km/h(23秒/周) e.タイヤサイズ 前輪 6.50−10 後輪 5.00−8 f.リム JISD6402-1985 産業車両及
び建設車両用リムの輪郭二つ割りリム3.00Dリム径
8インチ、ホイール厚みは2.3mm 実施例12のタイヤ、比較例10、11のタイヤを機台
の後輪に装着して、上記条件でディスクホィール部割れ
試験を実施した結果を表12に示す。なお、表12中の
数値は比較例10のディスク部クラック発生時間を10
0としたときの指数表示である。
【0063】
【表12】
【0064】表12から、実施例12のタイヤは偏荷重
によるディスクホィール割れを起こしにくいことが判
る。これは実施例12のタイヤが荷重の分散性に優れて
いることによるものと考えられる。以上の各実験から明
らかなように、各実施例のタイヤは、縦剛性、横剛性、
耐リムスリップ性能、耐摩耗性、耐偏摩耗性に優れ、デ
ィスクホィール割れを起こしにくい。また、転がり抵抗
係数は、従来品とほぼ同等である。
【0065】以上、実施例に従って、本発明について説
明したが、本発明はこのような実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに
実施できることは言うまでもない。例えばトレッドとベ
ースの間に中層を入れてクッション性、発熱性を更に改
良することもできる。
【0066】また、産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造に使用される成形ドラムの外周部材は
上述の4分割にかぎらず6分割、8分割等任意である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の産業車
両用ニューマチック型クッションタイヤの製造方法によ
り、耐リムスリップ性能に優れた産業車両用ニューマチ
ック型クッションタイヤを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの断面図である。
【図2】 実施例の産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造工程の説明図である。
【図3】 実施例の産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造工程で第2のベースゴムを巻回した状
態の説明図である。
【図4】 実施例の産業車両用ニューマチック型クッシ
ョンタイヤの製造に使用される成形ドラムの構造の例示
図である。
【図5】 実施例と比較例の産業車両用ニューマチック
型クッションタイヤの発熱試験の結果を示すグラフであ
る。
【図6】 実施例と比較例の産業車両用ニューマチック
型クッションタイヤの転がり抵抗試験に使用したタイヤ
回転試験機の説明図である。
【図7】 実施例と比較例の産業車両用ニューマチック
型クッションタイヤの実車摩耗試験、ディスクホィール
部割れ寿命試験に使用したテストコースの平面図であ
る。
【図8】 従来の産業車両用ニューマチック型クッショ
ンタイヤの断面構造の模式図である。
【図9】 従来の産業車両用ニューマチック型クッショ
ンタイヤの断面構造の模式図である。
【符号の説明】
2・・・ビードワイヤー、4・・・ベース部、6・・・
トレッド部、8・・・産業車両用ニューマチック型クッ
ションタイヤ、81・・・第1のベースゴム層、82・
・・ビードワイヤー、83・・・第2のベースゴム層、
84・・・トレッド部、85・・・中間製品(産業車両
用ニューマチック型クッションタイヤ)、90・・・成
形ドラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 3/24 C08J 3/24 (72)発明者 種村 浩 愛知県春日井市田楽町字大坪1108番地 愛知タイヤ工業株式会社 春日井PC内 (72)発明者 牧野 哲典 愛知県春日井市田楽町字大坪1108番地 愛知タイヤ工業株式会社 春日井PC内 (72)発明者 宮瀬 樹敏 愛知県春日井市田楽町字大坪1108番地 愛知タイヤ工業株式会社 春日井PC内 (72)発明者 島崎 裕二 愛知県春日井市田楽町字大坪1108番地 愛知タイヤ工業株式会社 春日井PC内 (72)発明者 加藤 久樹 愛知県春日井市田楽町字大坪1108番地 愛知タイヤ工業株式会社 春日井PC内 (56)参考文献 特開 平6−340203(JP,A) 特開 平7−17208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 1/00 B60C 7/00 - 7/24 B60C 9/00 - 9/20 B29D 30/02 C08J 3/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部とベース部とからなり周方向
    に沿って巻回された複数のビードワイヤーを前記ベース
    部に内蔵する産業車両用ニューマチック型クッションタ
    イヤを製造するに当たって、 外径を伸縮可能な成形ドラムの外径を縮小した状態で該
    成形ドラムの外周にシート状のベースゴムを多層に巻回
    して第1のベースゴム層となし、 予め所定の径に巻回された複数のビードワイヤーを前記
    第1のベースゴム層に外装し、 前記成形ドラムの外径を伸張させることにより前記第1
    のベースゴム層を前記ビードワイヤーに密着させ、 前記第1のベースゴム層に重ねてシート状のベースゴム
    を多層に巻回して第2のベースゴム層を形成し、 該第2のベースゴム層に重ねてトレッド部を形成し、 前記成形ドラムの外径を縮小させて前記第1のベースゴ
    ム層と前記成形ドラムとを分離するか、 または、 前記第2のベースゴム層を形成してから前記成形ドラム
    の外径を縮小させて前記第1のベースゴム層と前記成形
    ドラムとを分離した後、前記第2のベースゴム層に重ね
    て前記トレッド部を形成することを特徴とする産業車両
    用ニューマチック型クッションタイヤの製造方法。
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