JP2918826B2 - ベルト用抗張体の製造方法 - Google Patents

ベルト用抗張体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付ベルト、Vベ
ルト、平ベルト、変速ベルト等の各種ベルトに使用され
るベルト用抗張体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯付ベルト等の伝動ベルトは、強靭性あ
るいは寸法安定性を向上させるため、ガラスコードを抗
張体に用いて強化することが広く行われている。たとえ
ば、自動車のOHC(オーバーヘッドカム)駆動に使用
される伝動ベルトの場合には、通常はECG150−3
/13(繊維径が9μmで、200本構成のガラス繊維
束を3本集めて下撚りして子なわとし、この子なわを1
3本集めて上撚りしたコード)が抗張体として採用され
ており、従って、これには上撚りと下撚りとがかかって
いる。
【0003】このようなガラスコードは、ベルト本体ゴ
ムとの接着を良くするために、レゾルシン・ホルマリン
・ゴムラテックス(以下RFLと略す)で処理されたも
のが一般に使用されている(例えば、特公平3−422
90号公報、特開平4−59640号公報、特開平4−
50144号公報参照)。このRFL処理は上記ガラス
繊維束に対して行われている。すなわち、上記ガラス繊
維束をRFL液に浸漬し、引き上げてその加熱乾燥を行
なった後、上述の下撚りと上撚りとが行われるものであ
る。
【0004】また、近時、自動車のエンジン付近の温度
上昇に伴い、自動車用ベルトのゴムとして従来のクロロ
プレンゴムよりもさらに耐熱性に優れる水素化ニトリル
ゴムも使用されるようになってきているが、この水素化
ニトリルゴムは、抗張体との接着性が他のゴムに比して
小さい。このため、上述の上撚り糸に、さらにゴム糊を
塗布する、という提案もある(特開平2−4715号公
報、特開平3−170534号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のガラ
スコードを抗張体に用いたベルトは、通常の使用におい
てはこの抗張体の強靭性・寸法安定性によって期待する
効果が得られるものの、雨天時など高温多湿下で使用す
ると、当該抗張体が早期に劣化してベルトの強力が著し
く低下し、また、ベルトの耐屈曲疲労性も低下し、ベル
トの切断を招き易くなる、という問題がある。すなわ
ち、本発明の課題は、ガラス繊維製ベルト用抗張体の耐
水性、ひいてはベルトの耐水性を改善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、早くから上
記課題の原因究明に着手し、これが抗張体内部への水の
侵入による下撚り糸(3/0繊維束)間の密着性低下に
起因するものであることを解明した。
【0007】すなわち、上記ガラス繊維束のガラス繊維
同士は上述のRFLによって接着され、また、下撚りを
構成するガラス繊維束同士も互いの表面のRFLを介し
て隙間なく密着している。しかし、この下撚り糸をさら
に数本引き揃えて上撚りしたものになると、各下撚り糸
の表面に撚りによる微小凹凸があることから、下撚り糸
同士が完全には密着せず、また、下撚り糸同士はRFL
の粘着によって結合しているだけであるから、その結合
力が弱い。このため、抗張体内部に水分が侵入すると、
この水分によって下撚り糸間の密着性が低下し、自由度
の大きくなった下撚り糸同士がずれ動いて互いに損傷を
及ぼし合う、ということである。以下、上記課題を解決
する手段を具体的に説明する。
【0008】請求項1に係る発明は、複数本のガラス繊
維に一方向の撚りが加えられてなるベルト用抗張体の製
造方法であって、複数本のガラス繊維束を隙間なく且つ
断面が扁平になるように帯状に引き揃えてレゾルシン・
ホルマリンの初期縮合物とゴムラテックスの混合物を主
成分とする接着処理液に浸漬し引き上げて加熱処理を施
すことによって帯状物を形成し、これに一方向の撚りを
加えることを特徴とするベルト用抗張体の製造方法であ
る。
【0009】請求項2に係る発明は、複数本のガラス繊
維に下撚りと上撚りとが加えられてなるベルト用抗張体
の製造方法であって、ガラス繊維束を複数本集めて下撚
りすることによって下撚り糸を作り、この下撚り糸の複
数本を隙間なく且つ断面が扁平になるように帯状に引き
揃えてレゾルシン・ホルマリンの初期縮合物とゴムラテ
ックスの混合物を主成分とする接着処理液に浸漬し引き
上げて加熱処理を施すことによって帯状物を形成し、こ
れに上記下撚りと逆方向の上撚りを加えることを特徴と
するベルト用抗張体の製造方法である。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載されているベルト用抗張体を、さらにゴム糊
液に浸漬し引き上げて加熱処理を施すことを特徴とする
ベルト用抗張体の製造方法である。
【0011】上記各発明で使用するガラス繊維は特に限
定されるものではなく、一般にいう無アルカリガラス繊
維を用いることができる。
【0012】また、上記各発明のRFL(レゾルシン・
ホルマリンの初期縮合物とラテックスとの混合物を主成
分とする接着剤)に関し、そのラテックスとしては、特
に限定されるものではないが、スチレン−ブタジエン−
ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフォン化ポリ
エチレン、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エピク
ロルヒドリン、SBR、クロロプレンゴム、塩素化ブタ
ジエン、オレフィン−ビニルエステル共重合体、天然ゴ
ム等のラテックス又はそれらの混合体が挙げられる。
【0013】請求項3に係る発明において、ベルト用抗
張体表面のゴム皮膜を形成するゴム材としては、特に限
定されるものではないが、ベルト本体ゴムとの接着性を
考慮すると、塩化ゴム、ポリ塩化ビニル、クロロプレン
ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等のハロゲン含有
物が好ましい。また、当該ゴム糊用の溶剤としては、特
に限定されるものではないが、通常、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、エーテル類、トリク
ロロエチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素等が好適に
用いられる。
【0014】(作用) 請求項1に係る発明では、ガラス繊維の複数本を引き揃
え、これにRFL処理を施した後、一方向の撚りを加え
るようにしているから、下撚り糸間の接着不良という問
題がそもそもなく、各ガラス繊維がRFLによって隙間
なく密着したベルト用抗張体が得られ、これを伝動ベル
ト用抗張体として用いた場合、これまでガラスコードの
弱点であるとされた耐水屈曲疲労性が改善される。特
に、複数本のガラス繊維束を隙間なく且つ断面が扁平に
なるように帯状に引き揃えてからRFL処理を行なうよ
うにしているから、RFL液が当該帯状物の全体に行き
渡り易くなるとともに、加熱処理の影響を全体に均一に
及ぼすことが容易になる。
【0015】すなわち、複数本のガラス繊維束を断面円
形になるように引き揃えると、RFL液はこの断面円形
の束の表層部には簡単に含浸するものの、その芯部まで
浸透するには距離があるから、均一な含浸が難しくな
る。これに対して、当該方法の場合は、複数本のガラス
繊維束が断面扁平になるように引き揃えられるから、R
FL液が表面から内部まで完全に含浸するに必要な浸透
距離が短くなり、全体にわたって均一な含浸を行なうこ
とができる。また、複数本のガラス繊維束が断面円形に
引き揃えられると、上記含浸後の加熱の影響が芯部まで
達するのに時間を要し、表層部と芯部とでは加熱が不均
一になり易いが、断面扁平に引き揃えた場合には、加熱
の影響が表面から内部まで速やかに達し、表面から内部
にわたってRFLを均一に加熱して反応させることがで
きる。
【0016】また、請求項2に係る発明では、複数本の
下撚り糸を引き揃えてRFL処理を行なった後に、下撚
りとは逆方向の上撚りを加えるようにしているから、下
撚り糸同士がRFLを介して隙間なく密着したベルト用
抗張体が得られ、しかも、当該抗張体は、剛性が低くな
り、これを伝動ベルト用抗張体として用いた場合、下撚
り糸間への水の侵入が防がれて耐水性が高くなるととも
に、耐屈曲疲労性が高くなる。特に、複数本の下撚り糸
を請求項1に係る発明と同様に断面扁平になるように引
き揃えて、RFL処理を行なうようにしたから、請求項
1に係る発明と同様にRFL液を全体に確実に行き渡ら
せ且つ均一な加熱を行なうことができる。
【0017】請求項3に係る発明では、ゴム糊液への浸
漬処理及び加熱処理によって、抗張体表面にベルト本体
ゴムとの接着安定性を高めるのに有利なゴム皮膜を形成
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1にベルト1が示されている。
このベルト1は歯付ベルト(伝動ベルト)であって、ベ
ルト周方向に設けられた抗張体Bと、該抗張体Bの片側
(背面側)に設けられた背ゴム3と、該背ゴム3とは反
対側にベルト周方向に間隔をおいて所定ピッチで設けら
れた歯ゴム4とを備え、歯ゴム4側が歯布5によって覆
われている。
【0019】上記背ゴム3及び歯ゴム4は水素化ニトリ
ルゴムを主原料とするゴム組成物によって形成されてい
る。また、上記歯布5は、ベルト幅方向に延びる糸に6,
6-ナイロン糸を使用し、ベルト長手方向に延びる糸に工
業用6,6-ナイロンのウーリー加工糸を使用したものであ
る。
【0020】なお、上記歯付ベルト1は上記各材料を用
い通常の圧入法によって成形され、歯ピッチは8mmのS
TS歯型であり、歯数113、ベルト幅19mmである。
【0021】 −抗張体Bについての比較例及び実施例− <比較例1> 図2には抗張体2が示されている。この抗張体2の製造
は以下のようにして行なった。
【0022】すなわち、200本の無アルカリガラス繊
維(直径9μmのEガラス)6を集束してガラス繊維束
を作った。そして、このガラス繊維束33本を引き揃え
て濃度20重量%のVp−SBR系RFL液に浸漬し、
引き上げて240℃で1分間の熱処理を行なった。しか
る後、これに、撚り回数2.0回/inchの撚りを加える
ことによってガラスコード(抗張体2)とした。上記V
p−SBR系RFLは、ラテックスとして、ビニルピリ
ジン−スチレン−ブタジエンの三元共重合体を用いたも
のである。そして、このガラスコードを用いて歯付ベル
トを作成した。
【0023】<比較例2> 図3に示すように、本例の抗張体7は、各々RFL処理
が施された11本の子なわ(下撚り糸)8を引き揃えて
下撚りとは逆方向に上撚りしてなるものであり、以下の
方法によって製造した。
【0024】すなわち、200本の無アルカリガラス繊
維(比較例1と同様のもの)6を集束してなる繊維束を
3本引き揃えて、これに撚り回数2.0回/inchの下撚
りを加えることによって、上記子なわ8を形成した。次
に、この子なわ8を11本引き揃えて、実施例1と同様
のRFL液に浸漬し、引き上げて240℃で1分間の熱
処理を行なった後、下撚りと逆方向に撚り回数2.0回
/inchで上撚りを行なうことによってガラスコード(抗
張体7)を得た。そして、このガラスコードを用いて歯
付ベルトを作成した。
【0025】<比較例3> 比較例1の撚糸後のガラスコードを、クロロスルフォン
化ポリエチレンを主成分としたゴム糊の20重量%溶液
に浸漬し、引き上げて150℃の雰囲気下で1分間の乾
燥を行なうことによって、図4に示すように、ガラスコ
ードの表面にゴム皮膜9を形成した。そして、これをベ
ルト用抗張体10として歯付ベルト1を作成した。
【0026】<比較例4> 比較例2の上撚糸後のガラスコードに比較例3と同じゴ
ム糊処理を施すことによって、その表面にゴム皮膜を形
成し、これをベルト用抗張体として歯付ベルトを作成し
た。
【0027】<実施例1> 200本の無アルカリガラス繊維(比較例1と同様のも
の)6を集束してガラス繊維束を作った。そして、この
ガラス繊維束33本を、図5に示すように断面形状が扁
平になるように且つ繊維束間に隙間を生じないように帯
状に引き揃え、この帯状物11を濃度20重量%のVp
−SBR系RFL液に浸漬し、引き上げて240℃で1
分間の熱処理を行なった。しかる後、これに、撚り回数
2.0回/inchの撚りを加えることによって図6に示す
ガラスコード(抗張体)12を得た。そして、このガラ
スコード12を用いて歯付ベルトを作成した。
【0028】<実施例2> 200本の無アルカリガラス繊維(比較例1と同様のも
の)6を集束してなる繊維束を3本引き揃えて、これに
撚り回数2.0回/inchの下撚りを加えることによっ
て、比較例2と同様の子なわ8を作成した。次に、図7
に示すように、この子なわ8の11本を断面形状が扁平
になるように且つ子なわ間に隙間を生じないように帯状
に引き揃え、この帯状物13を実施例2と同様にVp−
SBR系RFL液に浸漬し、引き上げて240℃で1分
間の熱処理を行なった後、下撚りと逆方向に撚り回数
2.0回/inchで上撚りを行なうことによって、図8に
示すガラスコード(抗張体)14を得た。そして、この
ガラスコードを用いて歯付ベルト1を作成した。
【0029】<実施例3> 実施例1の撚糸後のガラスコードを、比較例3と同じゴ
ム糊処理を施すことによって、その表面にゴム皮膜を形
成した。そして、これをベルト用抗張体として歯付ベル
ト1を作成した。
【0030】<実施例4> 実施例2の上撚糸後のガラスコードに比較例3と同じゴ
ム糊処理を施すことによって、その表面にゴム皮膜を形
成した。そして、これをベルト用抗張体として歯付ベル
ト1を作成した。
【0031】<比較例5> 直径9μmの無アルカリガラス繊維(Eガラス)200
本をそれぞれ集束した繊維束3本を引き揃えて実施例1
と同様のRFL液に浸漬し、240℃で1分の熱処理を
行なった後、撚り回数2.0回/inchで下撚りをして子
なわとした。この子なわを11本集めて上記下撚りと逆
方向に撚り回数2.0回/inchで上撚りをすることによ
ってガラスコードを作成した。そして、これをベルト用
抗張体として歯付ベルト1を作成した。
【0032】<比較例6> 比較例5の上撚り後のガラスコードの表面に実施例3と
同様にしてゴム皮膜を形成し、これをベルト用抗張体と
して歯付ベルト1を作成した。
【0033】(注水屈曲疲労テスト) 上記実施例及び比較例の各ベルトについて屈曲疲労試験
を行なった。すなわち、歯付ベルトAを図9に示すベル
ト屈曲試験機を構成する4つの大プーリ31と、相隣る
大プーリ31間に配置された4つの小プーリ32(直径
30mm)とに巻きかけ、ウエイト33にて上記歯付ベ
ルトAに40kgfのテンションをかけた状態で、水3
4を一時間に1リットルの割合で歯付ベルトAの歯底に
滴下させながら5500rpmで切断まで走行させ、切
断に至るまでのベルトの屈曲回数を調べた。試験結果は
表1に示されている。
【0034】
【表1】
【0035】同表によれば、本実施例1〜4及び比較例
1〜4の歯付ベルトは、比較例5,6に比べて切断まで
の屈曲回数が格段に多い。
【0036】比較例1と比較例2とは下撚りの有無のみ
が相違する関係にあり、また、比較例3と比較例4との
関係、実施例1と実施例2との関係、並びに実施例3と
実施例4との関係も同様である。これらの各々を比較す
れば、下撚りを施したものの方が切断までの屈曲回数が
多い。これから、RFL処理前のガラス繊維を下撚りし
てから、当該処理を施す方がベルトの耐屈曲性がさらに
良くなることがわかる。
【0037】また、比較例1と比較例3とはゴム皮膜の
有無のみが相違する関係にあり、比較例2と比較例4と
の関係、実施例1と実施例3との関係、実施例2と実施
例4との関係も同様である。これらの各々を比較する
と、ゴム皮膜を有するものの方が切断までの屈曲回数が
多い。これは、ゴム皮膜によって抗張体とベルト本体ゴ
ム(背ゴム及び歯ゴム)との接着力が安定なものにな
り、ベルトの耐水走行性が向上したものと認められる。
【0038】次に、比較例1と実施例1との関係、比較
例2と実施例2との関係、比較例3と実施例3との関
係、並びに比較例4と実施例4との関係は、ガラス繊維
又は下撚り糸をRFL処理するために引き揃えたときの
断面形状が円形か扁平(帯状)かという点のみで相違す
るものである。これらをそれぞれ比べると、断面扁平に
なるようにした方が切断までの屈曲回数が多い。これ
は、帯状に引き揃えることによって、RFL液の含浸が
良好になり、且つ加熱も全体にわたって均一なものにな
った結果と解される。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、複数本の
ガラス繊維に一方向の撚りが加えられてなるベルト用抗
張体を製造するにあたり、複数本のガラス繊維束を隙間
なく且つ断面が扁平になるように帯状に引き揃えてか
ら、これにRFL処理を施した後、一方向の撚りを加え
るようにしているから、RFL液の含浸を確実なものに
し且つ加熱を均一なものにすることができ、しかもガラ
ス繊維をRFLによって隙間なく密着させることがで
き、ベルト用抗張体ひいてはベルトの耐水性の向上及び
耐屈曲疲労性の向上に有利になる。
【0040】請求項2に係る発明によれば、複数本のガ
ラス繊維に下撚りと上撚りとが加えられてなるベルト用
抗張体を製造するにあたり、複数本の下撚り糸を請求項
3に係る発明と同様に断面扁平になるように引き揃え
て、RFL処理及び加熱処理、並びに上記下撚りと逆方
向の上撚りを加えるようにしたから、請求項1に係る発
明と同様にRFL液を全体に確実に行き渡らせ且つ均一
な加熱を行なうことができ、ベルト用抗張体ひいてはベ
ルトの耐水性の向上及び耐屈曲疲労性の向上に有利にな
る。
【0041】請求項3に係る発明によれば、ゴム糊液へ
の浸漬処理及び加熱処理によって、ベルト本体ゴムとの
接着安定性を高めるのに有利なゴム皮膜を有するベルト
用抗張体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯付ベルトの縦断面図。
【図2】比較例1のベルト用抗張体を示す一部断面にし
た斜視図。
【図3】比較例2のベルト用抗張体を示す一部断面にし
た斜視図。
【図4】比較例3のベルト用抗張体を示す一部断面にし
た斜視図。
【図5】実施例1の複数本のガラス繊維束を引き揃えた
状態を示す一部断面にした斜視図。
【図6】実施例1のベルト用抗張体を示す一部断面にし
た斜視図。
【図7】実施例2の複数本の下撚り糸を引き揃えた状態
を示す一部断面にした斜視図。
【図8】実施例2のベルト用抗張体を示す一部断面にし
た斜視図。
【図9】ベルト屈曲疲労試験機の概略構成図。
【符号の説明】 1 歯付ベルト B,2,7 抗張体 3 背ゴム 4 歯ゴム 5 歯布 6 ガラス繊維 8 子なわ(下撚り糸) 9 ゴム皮膜 11,13 帯状物 12,14 抗張体 31 大プーリ 32 小プーリ 33 ウエイト 34 水 A 供試ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/04 - 5/08 B29C 70/06 B65G 15/34 F16G 1/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のガラス繊維に一方向の撚りが加
    えられてなるベルト用抗張体の製造方法であって、 複数本のガラス繊維束を隙間なく且つ断面が扁平になる
    ように帯状に引き揃えてレゾルシン・ホルマリンの初期
    縮合物とゴムラテックスの混合物を主成分とする接着処
    理液に浸漬し引き上げて加熱処理を施すことによって帯
    状物を形成し、これに一方向の撚りを加えることを特徴
    とするベルト用抗張体の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数本のガラス繊維に下撚りと上撚りと
    が加えられてなるベルト用抗張体の製造方法であって、 ガラス繊維束を複数本集めて下撚りすることによって下
    撚り糸を作り、この下撚り糸の複数本を隙間なく且つ断
    面が扁平になるように帯状に引き揃えてレゾルシン・ホ
    ルマリンの初期縮合物とゴムラテックスの混合物を主成
    分とする接着処理液に浸漬し引き上げて加熱処理を施す
    ことによって帯状物を形成し、これに上記下撚りと逆方
    向の上撚りを加えることを特徴とするベルト用抗張体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
    ベルト用抗張体を、さらにゴム糊液に浸漬し引き上げて
    加熱処理を施すことを特徴とするベルト用抗張体の製造
    方法。
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