JP2918703B2 - 芳香族酸の製造法 - Google Patents

芳香族酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルキル置換基をもつ
芳香族化合物を分子状酸素で接触酸化することによる芳
香族酸の製造法ならびに第3級アルキル置換芳香族化合
物を酸化するための新規ハロゲン含有触媒に関する。
【0002】
【従来の技術および解決すべき課題】芳香族化合物のジ
−第3級アルキル化は、かさ高な第3級アルキル(t−
アルキル)基の立体電子的効果により殆ど独専的にp,
p′−異性体を生成する。しかしt−アルキル置換基を
もつ芳香族化合物は酸に酸化することが困難である。S
heldonおよびKochi,Metal−Cata
lyzed Oxidations of Organ
ic Compoundsに報告されている通り、「ベ
ンジル位C−H結合をもたないアルキル芳香族化合物
(例えば、t−ブチルベンゼン)は言うまでもなく自動
酸化に対し不活性である」。アルキル芳香族化合物の酸
化を開示している米国特許第2,833,816号およ
び第3,089,907号明細書中の実施例は、t−ブ
チル基が酸化に抵抗することを明瞭に示している。
【0003】アルキル芳香族化合物から芳香族酸を製造
する自動酸化が1958年、Saffer等の発行した
一連の五特許明細書、米国特許第2,833,816−
20に開示された。これら特許明細書は、触媒として重
金属カルボン酸塩、とりわけマンガンカルボン酸塩の使
用を教示している。米国特許第2,833,816号明
細書中に開示された触媒は、重金属または金属混合物
(マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウ
ム、モリブデン、タングステン、スズまたはセリウム、
なるべくはマンガンまたはコバルト)、1−8炭素の脂
肪族酸、および促進剤として働く臭素源を含有する。金
属は金属そのもので、金属錯体として、または塩として
提供しうるが、好ましい形は脂肪族カルボン酸の塩とし
てである。混合金属触媒の例としてコバルト1部および
マンガン1〜3部を含む混合物があげられる。臭素促進
剤は元素のままの臭素、臭化水素酸、イオン性臭化物
塩、または含臭素有機化合物として供給できる。金属臭
化物塩は直接添加することもあれば、これら成分の上記
給源から反応中に形成されることもあり、芳香族反応体
の濃度に基づき0.1〜10重量%で存在しなければな
らない。この触媒の存在下で酸化されうる芳香族化合物
は、第1級または第2級アルキル炭素いずれかを経由し
て結合したアルキル基を含む。米国特許第3,089,
907号明細書(後に米国特許第2,833,816号
となった特許願と一部継続)は、同じ環に付いたメチル
基がカルボキシル基に酸化される場合でも、その芳香環
に付いたt−ブチル基はこの方法で酸化されないことを
示している。t−ブチル−m−キシレンからt−ブチル
−イソフタル酸へ酸化する一つの特別な例が示されてい
る。
【0004】Holz〔J.Org.Chem.,37
巻,2069〜74頁(1972)〕はアルキル置換ベ
ンゼンの酸化を調べ、触媒として臭化コバルトの代りに
塩化コバルトを用いることにより、t−ブチルトルエン
を分子状酸素によりテレフタル酸に酸化できるが、テレ
フタル酸の収量は非常に低かったことを報告した。この
研究に使われた触媒は酢酸コバルトであり、これを酢酸
およびクロロベンゼンの混合溶媒中で塩酸と共に使用し
ている。
【0005】パラ、パラ′−ジカルボキシポリフェニル
(p,p′−ジカルボキシポリフェニル)は高性能液晶
重合体の分野で大きい関心がもたれている。例えば、テ
レフタル酸を4,4′−ジカルボキシビフェニルあるい
は4,4′−ジカルボキシ−p−テルフェニルで置き換
えると、ポリエステル重合体は大きいこわさと安定性を
有するようになり、その結果使用特性が向上する。しか
し、現在までp,p′−ジカルボキシポリフェニル類の
環境的に安全で経済的な製造法が無かったので、当分野
でこのような恩恵は得られなかった。
【0006】4,4′−ジカルボキシビフェニルの幾つ
かの製造法が先行技術において記述されて来たが、その
うち商業的に応用されたものは皆無である。英国特許第
2,155,921号明細書は、HF/BF3 存在下で
4−アルキルビフェニルをカルボキシル化し続いてその
アルキル基を酸化する方法を教示している。この方法は
化学量論的量の効果な成分HFを必要とするという欠点
をもつ。もう一つの経費のかかる方法が、特願昭57−
149,243号明細書(現在は特開昭第58−46,
494号公報として発行)に教示されている。この特許
によると、ジフェン酸の二カリウム塩から4,4′−ジ
カルボキシビフェニルを形成でき、後者は炭酸ガス存在
下高温においてCd触媒を用いて異性化させることがで
きるが、その収率は低いか中程度に過ぎない。米国特許
第3,383,402号明細書に開示されているもう一
つの方法、即ち、塩化アセチルによるビフェニルのジア
シル化に化学量論的量のAlCl3 を必要とする方法は
満足できるものではない。
【0007】ハロゲン化芳香族化合物からの4,4′−
ジカルボキシビフェニルの製造法も開示されている。欧
州特許第0,206,543号明細書はp−クロロ安息
香酸のカップリングを教示しているが、一方米国特許第
3,636,082号明細書は4,4′−ジブロモビフ
ェニルのカルボキシル化を教示している。都合の悪いこ
とに、両方法とも望ましくない副産物としてハロゲン化
ビフェニルを発生する可能性をもつ。
【0008】米国特許第3,296,280号明細書
は、4−t−ブチル−4′−カルボキシビフェニルを高
温度でNO2 により酸化して4,4′−ジカルボキシビ
フェニルを製造する方法を開示しているが、それらの実
施例によると反応は低収量で進行するに過ぎず、かつ望
ましくないニトロ化副産物を生ずることが示されてい
る。NO2 による4,4′−ジメチルビフェニルの酸化
が米国特許第3,631,097号明細書に報告された
が、現在のところ4,4′−ジメチルビフェニルへの経
済的ルートは無い。メチル置換ビフェニルのあらゆる経
済的合成法も異性体混合物を生じ、p,p′−異性体の
収率は低い。
【0009】t−アルキル芳香族化合物を酸に酸化し、
パラ−配向芳香族酸を製造する改良法に対する要望が依
然存在する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は分子状酸
素を使用するt−アルキル芳香族化合物の酸化法を提供
することにある。
【0011】本発明のもう一つの目的はt−アルキル芳
香族化合物を能率よく酸化するための触媒組成物を提供
することにある。
【0012】本発明の更にもう一つの目的はp,p′−
ジカルボキシ芳香族化合物の改良製造法を提供すること
にある。
【0013】本発明の更に一つの目的は、低コストの反
応体を使用し、好収量で進行するp,p′−ジカルボキ
シポリフェニルの合成法を提供することにある。
【0014】本発明は芳香族酸の製造法を企図するもの
で、本法は第3級炭素原子を介して芳香環に付く少なく
とも1個のアルキル置換基を、コバルト塩、少量のマン
ガン塩、そして塩化物およびフッ化物からなる群から選
ばれるハロゲン化物からなる触媒量の触媒組成物存在下
に酸素で酸化することからなり、この酸化は反応体およ
び中間体に対する溶媒中で実施され、そして該溶媒は2
から約5炭素原子を有する有機脂肪族カルボン酸を含有
してなる。なるべく溶媒は芳香族共溶媒も含むのがよ
く、そして一層好ましくは溶媒および(または)共溶媒
がハロゲン化物である。その特定の一つの面において、
本発明はp,p′−ジ−t−アルキルポリフェニルを分
子状酸素で酸化することからなるp,p′−ジカルボキ
シポリフェニルの製造法を企図している。
【0015】本発明のもう一つの面は、芳香族出発原料
(前駆物質の芳香族化合物)からパラ−ジカルボキシ芳
香族化合物を製造する全体的プロセスを企図することに
あり、本方法は先ず前駆物質の芳香族化合物をt−アル
キル基で位置選択的にアルキル化することによってパラ
−ジアルキル芳香族化合物をつくり、次にこのアルキル
置換芳香族化合物のパラ t−アルキル置換基を、本発
明触媒の存在下分子状酸素で酸化することからなる。
【0016】コバルト塩へ少量のマンガン塩を添加する
と、酸化剤として分子状酸素を使用することにより、第
3級アルキル芳香族化合物からカルボキシ芳香族化合物
への酸化を驚く程好収量で促進することが発見された。
この発見により、当分野で望まれているパラ−ジカルボ
キシ芳香族酸を能率よく製造することが可能となる。
【0017】
【発明の詳細な記述】本発明方法によれば、第4級炭素
によりアルキル置換芳香族化合物の芳香環に付いたアル
キル基の接触自動酸化によってカルボキシ芳香族化合物
がつくられる。酸素は空気として、純粋な酸素ガスとし
て、あるいは他の不活性ガス、例えば窒素または二酸化
炭素で希釈した酸素として供給できる。
【0018】酸化すべき反応体は、第4級炭素原子を介
して芳香環に付いた1個以上の第3級アルキル置換基、
例えば第3級ブチルまたは第3級アミルを有するアルキ
ル置換芳香族化合物である。環構造は単環式、例えばベ
ンゼン、ポリフェニル、例えばビフェニル、テルフェニ
ル、あるいは多環式化合物、例えばナフタレンまたはア
ントラセンのいずれでもよい。この反応における反応体
として適したアルキル置換芳香族化合物は、アルキル置
換ジフェニルエーテルも包含する。反応体はまた他の置
換基も含みうるが、第1級または第2級炭素を介して芳
香環に付くアルキル置換基もこの酸化の間にカルボキシ
置換基へ変換されるであろう。反応体として適したアル
キル置換芳香族化合物はその芳香環に付く他のカルボキ
シ基も含むことができ、例えば4−t−ブチル−4′−
カルボキシビフェニルは4,4′−ジカルボキシビフェ
ニルに変換されるはずである。
【0019】芳香環につくt−アルキル基は通常は酸化
に抵抗するが、本発明はその酸化を起こさせる新規触媒
組成物を提供する。本触媒組成物は1種以上のコバルト
塩、少量の1種以上のマンガン塩、および塩化物とフッ
化物とから選ばれるハロゲン化物源からなり、そしてこ
れらのすべてが反応溶媒に可溶である。これら成分はC
o:Mn:ハロゲン化物、例えばCo:Mn:Clに対
し約1:0.001〜0.5:1〜2のモル比で存在す
る。換言すれば、存在するコバルト1モルに対して約
0.001から約0.5モルのマンガンが存在し、また
コバルト1モルに対し約1モルから約2モルの塩化物が
存在する。これら成分をなるべくは耐酸化性の溶媒に溶
かす。金属塩および塩化物源の各々を別々に酸化反応に
加えてもよいし、あるいはこれらを反応媒質へ添加する
前に前以って溶媒中で混合してもよい。
【0020】コバルトは反応媒質に可溶なコバルト塩の
形で供給できる。例として、酢酸コバルト、塩化コバル
ト、および硫酸コバルトがあげられるが、これらに限定
されない。一般に、コバルト塩は芳香族反応体各1モル
に対し約0.0005から約0.20モル、なるべくは
約0.001から約0.15モルの量で存在する。
【0021】マンガンも反応媒質に可溶なマンガン塩と
して供給できる。例として酢酸マンガンおよび塩化マン
ガンがあげられるがこれらに限定されない。マンガンは
コバルトに対し約0.001から約0.5、なるべくは
約0.025から約0.25モル比で存在すべきであ
る。コバルト1モル当り約1.0モルより大、または約
1.0モルに等しい濃度では、マンガンが反応を阻害す
る。
【0022】ハロゲン化物はコバルトまたはマンガンの
塩として供給できるが、なるべくは別個に供給するのが
よい。ハロゲン化物の効果的給源には反応温度において
反応媒質に可溶なハロゲン化物塩、例えば塩化ナトリウ
ム、塩化リチウムなど、ならびにハロアルキルおよび
(または)アリール化合物で耐酸化性のもの、そしても
し固体なら反応温度で反応媒質に可溶であるもの、ある
いはもし液体であるなら反応温度で反応媒質に混和しう
るもの、例えばクロロベンゼンが含まれるが、これらに
限定されない。しかし、塩化物またはフッ化物の代りに
臭化物またはヨウ化物を用いると、でたらめな挙動、低
収量、および遅い反応をもたらし、時には爆発を伴うこ
とがある。
【0023】触媒濃度は選択の問題であり、当業者の容
易になしうるところである。触媒混合物の量は、コバル
トと芳香族反応体との間のモル比として計るのが普通で
あり、一般には酸化反応の速度にのみ影響する。
【0024】溶媒の目的は触媒、反応体、および中間体
を溶かすことである。溶媒は2から約5炭素原子を有す
る有機脂肪族酸を含有してなり、モノカルボン酸のこと
も、ジカルボン酸のこともある。酢酸が特に好ましい。
必要に応じ、溶媒は更に反応体の溶解を助けるための芳
香族共溶媒を含むことがある。もし企図した反応体が脂
肪族酸のような極性有機化合物中に僅溶または不溶であ
るなら共溶媒は特に重要である。共溶媒は反応温度にお
いて液体で、なるべくは耐酸化性である芳香族化合物な
らいずれでもよい。耐酸化性の芳香族共溶媒はベンゼ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベ
ンゼン、安息香酸およびビフェニルから選ばれるのがよ
く、一層好ましくはクロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、およびトリクロロベンゼンで、それ自体ハロゲン化
物源ともなるが、最も好ましいのはクロロベンゼンであ
る。脂肪族および芳香族両方の共溶媒が存在するのがよ
い。
【0025】溶媒の選択および、もし共溶媒を用いると
すれば、脂肪族酸と芳香族共溶媒の相対的量あるいは割
合は、反応中の触媒と反応体の溶解を確実にするために
必要に応じて調節される。従って、これら2成分の比は
企図された個々の反応における触媒、反応体、および反
応温度により決まるであろう。反応体の一部が反応開始
時に懸濁状になることがあるが、反応の進行中に溶解す
る限り差支えない。適当な割合の決定は当業者の容易に
なしうるところである。
【0026】一般に、反応は約50℃から約300℃、
なるべくは約75℃から約220℃、最も好ましくは約
150℃から約175℃の温度で行なわれる。いずれの
場合でも、反応温度は一部は反応体および溶媒の融点に
左右されるであろう。
【0027】反応は約50ポンド/平方インチゲージ圧
以上、なるべくは約100から約500ポンド/平方イ
ンチゲージ圧の圧力で行うのが普通である。反応は反応
体が液体である限り大気圧と中程度の温度で実施できる
が反応は遅くなるであろう。酸素に関して制限される物
質移動でないような条件下で反応を行うことが望まし
い。
【0028】上に示したように、反応速度は触媒および
反応体の濃度ならびに反応温度と圧力に敏感である。約
4〜8時間の反応時間が使用されるが、当業者はもっと
長いか短い反応時間を達成するために反応速度に敏感な
変数を容易に操作できる。
【0029】本発明に係る接触酸化法はどの芳香族系に
おいてもそのアルキル基を酸化するために使用しうる
が、本法はこの分野で以前に入手できる方法によっては
都合よく酸化し得ない第3級アルキル基の酸化に対して
とりわけ有用である。このように、Holz(197
2)によれば、伝統的な臭化コバルト触媒を用いてt−
ブチルトルエンを酸化するとt−ブチル安息香酸を生じ
た。本発明方法を用いると、t−ブチルトルエンの酸化
でフタル酸を生成することとなろう。
【0030】特に本発明は高性能プラスチック工業で大
きい関心を集めているパラ−ジカルボキシ芳香族化合物
の生産に使用できる。立体的にかさ高な第3級アルキル
基は芳香族系のアルキル化において自己配向性であり、
その結果p,p′−ジ−t−アルキルビフェニルおよび
p,p″−ジ−t−アルキル−p−テルフェニル、また
同様に2,6−ジ−t−アルキルナフタレンのようなパ
ラ配向異性体を高収量で生ずる。パラ−ジカルボキシ芳
香族酸の全体を通じての製造過程は、先ず前駆物質であ
る芳香族化合物を第3級アルキル基でアルキル化し、次
にこのアルキル置換芳香族化合物を本発明触媒の存在下
に分子状酸素で酸化することからなる。
【0031】この反応でアルキル化される特に適当な前
駆物質芳香族化合物はベンゼン、ポリフェニル、例えば
ビフェニル、テルフェニル、およびクアドラフェニル、
縮合多環式化合物、例えばナフタレンおよびアントラセ
ン、および芳香族エーテル、例えばジフェニルエーテル
である。最も好ましい前駆物質である芳香族化合物はビ
フェニルおよびテルフェニルである。本反応によるアル
キル化に適した他の芳香族反応体は当業者のよく知ると
ころであろう。
【0032】前駆物質である芳香族化合物に付けるt−
アルキル基は、置換t−アルキル化合物、例えばt−ア
ルキルクロリド、t−アルキルブロミド、t−アルカノ
ール、またはt−アルキルメチルエーテルの形で供給さ
れる。塩化t−アルキルまたt−アルカノールの使用が
特によい。特に適当な基は第3級ブチル(t−ブチル)
であり、またt−ブチル基の特に適当な給源はイソブチ
レンである。
【0033】t−アルキル基の給源による前駆物質芳香
族化合物のアルキル化はBronsted酸およびLe
wis酸を含めて各種の一般的酸触媒のいずれかにより
触媒される。一般に、Friedel−Crafts型
のLewis酸、例えば塩化第二鉄、塩化アルミニウム
または塩化第二スズの方が、強Bronsted酸、例
えばトリフルオロ酢酸や硫酸より有効であることが判っ
た。
【0034】アルキル化反応は室温および大気圧で行な
うのが便利であるが、もっと高い温度も使用できるこ
と、そして高い反応温度は反応を促進することを当業者
は認識しているであろう。反応体が液体である温度を用
いる場合には、溶媒を必要としない。反応温度が反応体
混合物の融点より低い場合には、均一反応混合物を得る
ために反応体を溶媒に溶かすべきである。アルキル化反
応に特に適した溶媒は塩化メチレンかクロロホルムであ
るが、当業者にとって他の適当な溶媒が容易に明らかと
なろう。温度、圧力、および時間を含めて反応条件、な
らびに溶媒の選択および反応体の相対的割合は当業者が
容易に決定しうるものである。
【0035】このアルキル化によりつくられたパラ−ジ
アルキル芳香族化合物を次に本発明触媒組成物の存在下
に分子状酸素で酸化して当分野で望まれるジカルボキシ
芳香族化合物をつくることができる。
【0036】本発明の実施に関する更に詳しい例を以下
に示す。これらの例は説明を目的として示しただけであ
って本発明の範囲を制限しようとする意図はない。
【0037】
【実施例】アルキル置換芳香族化合物の製造法
【0038】例1: 4,4″−ジ−tert−ブチル−p−テルフ
ェニルの製造 本例においては、4,4″−ジ−tert−ブチル−p
−テルフェニルを調整した。1l丸底フラスコにかきま
ぜ機、および通気管を取り付け、逆さにしたロートにこ
の管をつないだ。この逆さロートを水中に入れ、反応で
生成したHClを吸収させた。フラスコにクロロホルム
220ccを入れ、これと一緒にp−テルフェニル86.
8mM、塩化t−ブチル360mM、および触媒として
塩化第二鉄6.0mMを入れた。反応が始まるまで混合
物を加熱した。2時間後に反応を停止させた。溶液を分
液ロートに入れ、水洗し、過剰の硫酸マグネシウムで乾
燥し、過剰のクロロホルムを蒸発により除去した。粗製
生成物を熱アセトンから再結晶して5.85gの99%
純粋な4,4″−ジ−tert−ブチル−p−テルフェ
ニルを得た。
【0039】同様な手順により、ビフェニルと塩化t−
ブチルまたはイソブチレンいずれかとを用いて4,4′
−ジ−tert−ブチルビフェニルをつくった。4,
4′−ジ−イソ−プロピルビフェニルも同様にしてビフ
ェニルと塩化イソプロピルとを用いて製造できる。4,
4′−ジ−イソプロピルビフェニルはまた市販もされて
いる。
【0040】パラ,パラ′−ジカルボキシポリフェニルの製造 例2 Autoclave Engineer Inc.から
入手できる300mlのHastelloy C かくは
んオートクレーブ中で4,4′−ジ−tert−ブチル
ビフェニルの自動酸化を行なった。このオートクレーブ
にテフロン内張り、温度制御のための冷却コイルおよび
ヒーター、背圧調節装置、および供給ガス調節のための
流量調節器を取り付けた。このオートクレーブに酢酸第
一コバルト0.56mM、酢酸マンガン(II)0.03
7mM、塩酸0.75mM、4,4′−ジ−tert−
ブチルビフェニル37.5mM、酢酸40cc、クロロベ
ンゼン60ccを入れ、500sccmの酸素(500ポ
ンド/平方インチゲージ圧)を流した。オートクレーブ
を170℃に加熱し、4時間保った。オートクレーブを
急速に冷却し、生成物を取り出した。分析したところ
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの65%変
換が示された。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への
選択性は4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの
40%であった。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0041】 例3 例2のオートクレーブに酢酸第一コバルト0.56m
M、酢酸マンガン(II)0.037mM、塩酸0.75
mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル3
7.5mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入
れ、1000ポンド/平方インチゲージ圧の空気を50
0sccmの流量で流した。オートクレーブを170℃
に加熱し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却
し、生成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ
−tert−ブチルビフェニルの62%変換が示され
た。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの25%で
あった。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0042】 例4 例2のオートクレーブに酢酸第一コバルト0.56m
M、酢酸マンガン(II)0.037mM、塩酸0.75
mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル3
7.5mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入
れ、500sccmの空気(250ポンド/平方インチ
ゲージ圧)を流した。オートクレーブを170℃に加熱
し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却し、生
成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ−te
rt−ブチルビフェニルの52%変換が示された。4,
4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は4,4′−
ジ−tert−ブチルビフェニルの15%であった。塩
素化芳香族化合物は生じなかった。
【0043】 例5 例2のオートクレーブに、酢酸第一コバルト0.56m
M、酢酸マンガン(II)0.037mM、塩酸0.75
mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル3
7.5mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入
れ、50sccmの酸素(300ポンド/平方インチゲ
ージ圧)を流した。オートクレーブを170℃に加熱
し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却し、生
成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ−te
rt−ブチルビフェニルの55%変換が示された。4,
4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は4,4′−
ジ−tert−ブチルビフェニルの20%であった。塩
素化芳香族化合物は生じなかった。
【0044】 例6 この比較例においては酢酸マンガン(II)を用いなかっ
た。更にまたハロゲン化物濃度はここで要求される量よ
り少なくした。この例においては、例2のオートクレー
ブに酢酸第一コバルト0.375mM、塩酸0.105
mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル3
7.5mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入
れ、500sccmの酸素(300ポンド/平方インチ
ゲージ圧)を流した。オートクレーブを170℃に加熱
し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却し、生
成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ−te
rt−ブチルビフェニルの3%変換が示された。4,
4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は4,4′−
ジ−tert−ブチルビフェニルの0%であった。
【0045】 例7 例2の反応器と同様の供給ガス、温度調節装置を具え、
かつ能率のよいかきまぜ機およびコンデンサーを取り付
けたガラス反応器に酢酸第一コバルト1.31mM、酢
酸マンガン(II)0.145mM、塩酸2.4mM、
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル3.0g、
酢酸10cc、クロロベンゼン20ccを入れ、500sc
cmの酸素(80ポンド/平方インチゲージ圧)を流し
た。反応器を160℃に加熱し、20時間保った。反応
器を冷却し、生成物を取り出した。分析したところ4,
4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの100%変換
が示された。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選
択性は4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの5
9%であった。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0046】 例8 例7の反応器に酢酸第一コバルト0.112mM、酢酸
マンガン(II)0.008mM、塩酸0.15mM、
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル7.5m
M、酢酸8cc、クロロベンゼン12ccを入れ、500s
ccmの酸素(50ポンド/平方インチゲージ圧)を流
した。反応器を170℃に加熱し、4時間保った。反応
器を冷却し、生成物を取り出した。分析したところ4,
4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの60%変換が
示された。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選択
性は4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの20
%であった。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0047】 例9
【0048】単独溶媒としての酢酸 本例は芳香族共溶媒無しで有機脂肪族カルボン酸を使用
することの効果を実証するものである。例2のオートク
レーブに酢酸第一コバルト0.27mM、酢酸マンガン
(II)0.042mM、塩酸0.53mM、4,4′−
ジ−tert−ブチルビフェニル19mM、酢酸50cc
を入れ、200sccmの空気(1000ポンド/平方
インチゲージ圧)を流した。オートクレーブを170℃
に加熱し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却
し、生成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ
−tert−ブチルビフェニルの31%変換が示され
た。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの12%で
あった。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0049】 例10
【0050】比較例−単独溶媒としてのクロロベンゼン 本例は有機脂肪族カルボン酸欠如の反応の効果を実証す
るものである。例2のオートクレーブに酢酸第一コバル
ト0.27mM、酢酸マンガン(II)0.042mM、
塩酸0.53mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビ
フェニル19mM、クロロベンゼン50ccを入れ、20
0sccmの空気(1000ポンド/平方インチゲージ
圧)を流した。オートクレーブを170℃に加熱し4時
間保持した。オートクレーブを迅速に冷却し、生成物を
取り出した。分析したところ4,4′−ジ−tert−
ブチルビフェニルの0%変換を示した。
【0051】 例11
【0052】比較例−過剰のマンガン塩 例7の反応器に酢酸第一コバルト0.116mM、酢酸
マンガン(II)0.116mM、塩酸0.23mM、
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル7.5m
M、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入れ、500
sccmの酸素(80ポンド/平方インチゲージ圧)を
流した。オートクレーブを170℃に加熱し、4時間保
った。オートクレーブを迅速に冷却し、生成物を除去し
た。分析したところ4,4′−ジ−tert−ブチルビ
フェニルの12%変換が示された。4,4′−ビフェニ
ルジカルボン酸への選択性は4,4′−ジ−tert−
ブチルビフェニルの1%であった。Mn:Coのモル比
が約1:1より大かこれに等しい場合に酸化反応が阻害
されることが明白である。
【0053】 例12
【0054】4,4″−ジ−tert−ブチル−p−テルフェニルの
酸化 例2のオートクレーブに酢酸第一コバルト0.375m
M、酢酸マンガン(II)0.037mM、塩酸0.75
mM、4,4″−ジ−tert−ブチル−p−テルフェ
ニル37.5mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60cc
を入れ、500sccmの酸素(300ポンド/平方イ
ンチゲージ圧)を流した。オートクレーブを170℃に
加熱し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却
し、生成物を取り出した。分析したところ、4,4″−
ジ−tert−ブチル−p−テルフェニルの85%変換
が示された。4,4″−p−テルフェニルジカルボン酸
への選択性は4,4″−ジ−tert−ブチル−p−テ
ルフェニルの15%であった。塩素化芳香族化合物は生
じなかった。
【0055】 例13
【0056】ハロゲン化物としての塩素化芳香族溶媒 本例はハロゲン化物源として塩素化芳香族溶媒を使用し
他のハロゲン化物は存在しない場合の効果を実証するも
のである。例7の反応器に酢酸第一コバルト1.28m
M、酢酸マンガン(II)0.127mM、4,4′−ジ
−tert−ブチルビフェニル11.27mM、酢酸3
0cc、クロロベンゼン20ccを入れ、500sccmの
酸素(80ポンド/平方インチゲージ圧)を流した。反
応器を160℃に加熱し、8時間保った。反応器を冷却
し、生成物を取り出した。分析したところ、4,4′−
ジ−tert−ブチルビフェニルの48%変換が示され
た。4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニルの18%で
あった。
【0057】 例14
【0058】比較例−共溶媒を使用、ハロゲン化物無し 本例は非塩素化芳香族溶媒を使用し、他のハロゲン化物
は存在しない場合の効果を実証する。例7の反応器に酢
酸第一コバルト1.28mM、酢酸マンガン(II)0.
127mM、4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニ
ル11.27mM、酢酸30cc、ベンゼン20ccを入
れ、500sccmの酸素(80ポンド/平方インチゲ
ージ圧)を流した。反応器を160℃に加熱し、12時
間保った。反応器を冷却し、生成物を取り出した。分析
したところ4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル
の8%変換が示された。4,4′−ビフェニルジカルボ
ン酸への選択性は4,4′−ジ−tert−ブチルビフ
ェニルの0%であった。
【0059】 例15
【0060】比較例−共溶媒を使用せず、ハロゲン化物無し 本例は触媒系にハロゲン化物も共溶媒も使用しないこと
の効果を実証する。例7の反応器に酢酸第一コバルト
1.28mM、酢酸マンガン(II)0.127mM、
4,4′−ジ−tert−ブチルビフェニル11.27
mM、酢酸50ccを入れ、500sccmの酸素(80
ポンド/平方インチゲージ圧)を流した。反応器を16
0℃に加熱し、12時間保った。反応器を冷却し、生成
物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ−ter
t−ブチルビフェニルの0%変換が示された。
【0061】 例16
【0062】4,4′−ジ−iso−プロピルビフェニルの酸化 例2のオートクレーブに酢酸第一コバルト0.420m
M、酢酸マンガン(II)0.042mM、塩酸0.84
mM、4,4′−ジ−iso−プロピルビフェニル4
1.94mM、酢酸40cc、クロロベンゼン60ccを入
れ、500sccmの空気(1000ポンド/平方イン
チゲージ圧)を流した。オートクレーブを170℃に加
熱し、4時間保った。オートクレーブを迅速に冷却し、
生成物を取り出した。分析したところ4,4′−ジ−i
so−プロピルビフェニルの100%変換が示された。
4,4′−ビフェニルジカルボン酸への選択性は4,
4′−ジ−iso−プロピルビフェニルの75%であっ
た。塩素化芳香族化合物は生じなかった。
【0063】前記の方法ならびに組成物において、当業
者は本発明の概念から離れることなく、多くの他の変更
および修飾をなしうることは上記説明から明白であろ
う。従って、上の記載にある方法ならびに組成物は単に
例示に過ぎず、本発明の範囲に如何なる制限も与えない
ものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 63/333 B01J 31/30 C07C 51/265 C07B 61/00 300

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族酸の製造法において、第3級アル
    キル置換芳香族化合物の第3級アルキル基を、コバルト
    塩、少量のマンガン塩、および塩化物およびフッ化物か
    らなる群から選ばれるハロゲン化物からなる触媒量の触
    媒組成物の存在下に酸素で酸化することからなり、前記
    酸化を2から約5炭素原子を有する有機脂肪族カルボン
    酸を含有してなる溶媒中で実施する上記方法。
  2. 【請求項2】 第3級アルキル置換芳香族化合物は2個
    の第3級アルキル基を含む、請求項第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】 第3級アルキル置換芳香族化合物はp,
    p′−ジ−アルキル−ビフェニルおよびp,p″−ジ−
    アルキル−テルフェニルからなる群から選ばれる、請求
    項第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】 溶媒は2から約5炭素を有する有機脂肪
    族カルボン酸である、請求項第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 溶媒は更に芳香族共溶媒を含有する、請
    求項第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 第3級アルキル置換芳香族化合物は、前
    駆物質の芳香族化合物を第3級アルキル基でアルキル化
    することによりつくられたパラ−ジ−第3級アルキル芳
    香族化合物である、請求項第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 ハロゲン化物は芳香族共溶媒である、請
    求項第5項記載の方法。
  8. 【請求項8】 芳香族共溶媒はクロロベンゼンである、
    請求項第6項記載の方法。
  9. 【請求項9】 第3級アルキル置換芳香族化合物は、ポ
    リフェニル化合物をイソブチレンと反応させることによ
    りつくられるp,p′−ジ−t−ブチルポリフェニルで
    ある、請求項第1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 コバルト塩、マンガン塩、および塩化
    物およびフッ化物からなる群から選ばれるハロゲン化物
    からなる、アルキル置換芳香族化合物のアルキル基の
    化用触媒組成物において、マンガン塩はマンガン対コバ
    ルトモル比0.001から約0.5で存在し、ハロゲン
    化物はハロゲン化物対コバルトモル比約1から約2で存
    在し、そしてすべてを溶媒中に溶解させ、前記溶媒は2
    から約5炭素原子を有する有機脂肪族カルボン酸を含有
    してなる、上記触媒組成物。
  11. 【請求項11】 前記アルキル基の少なくとも1個は第
    3級アルキル基である、請求項第10項記載の触媒組成
    物。
  12. 【請求項12】 溶媒は更に芳香族共溶媒を含有する、
    請求項第10項又は第11項に記載の触媒組成物。
  13. 【請求項13】 ハロゲン化物は芳香族共溶媒である、
    請求項第10項又は第11項記載の触媒組成物。
  14. 【請求項14】 芳香族共溶媒はクロロベンゼンであ
    る、請求項第13項記載の触媒組成物。
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