JP2918564B2 - 免疫増強剤 - Google Patents
免疫増強剤Info
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- JP2918564B2 JP2918564B2 JP1119497A JP11949789A JP2918564B2 JP 2918564 B2 JP2918564 B2 JP 2918564B2 JP 1119497 A JP1119497 A JP 1119497A JP 11949789 A JP11949789 A JP 11949789A JP 2918564 B2 JP2918564 B2 JP 2918564B2
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- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、甘草中の酸性多糖を免疫増強剤として用い
ることに関するものである。
ることに関するものである。
生体は、主として免疫系の作用によって細菌やウイル
ス等の微生物、あるいは寄生虫の攻撃から守られてい
る。
ス等の微生物、あるいは寄生虫の攻撃から守られてい
る。
また、癌の自然退縮はまれな現象ではなく、どちらか
といえば日常のありふれた現象といってもよい。この知
見は、癌に対する免疫応答の存在を示唆するものであ
る。
といえば日常のありふれた現象といってもよい。この知
見は、癌に対する免疫応答の存在を示唆するものであ
る。
従って、免疫系を活性化あるいは増強することによ
り、宿主の抵抗性が向上し、ひいては感染症や癌の予防
・治療も期待できると思われる。
り、宿主の抵抗性が向上し、ひいては感染症や癌の予防
・治療も期待できると思われる。
このような背景から、クレスチン、レンチナン、シゾ
フィランの3種の多糖体制癌剤(免疫療法剤)が開発さ
れ、今日では大型薬品に成長しているが、現在までのと
ころ、これらの薬剤は抗癌剤として認可されているに過
ぎない。
フィランの3種の多糖体制癌剤(免疫療法剤)が開発さ
れ、今日では大型薬品に成長しているが、現在までのと
ころ、これらの薬剤は抗癌剤として認可されているに過
ぎない。
しかしながら、多糖体には抗癌効果以外の免疫増強作
用についても、相当数の報告があり、抵抗力の増強や感
染症の予防・治療といった目的で使用することも可能で
あると思われる。
用についても、相当数の報告があり、抵抗力の増強や感
染症の予防・治療といった目的で使用することも可能で
あると思われる。
一方、近年、エイズ(後天性免疫不全症候群)が全世
界的な問題となっている。現在までのところ著効な治療
薬は見出されていないが、エイズの性格上、多糖体等の
免疫増強剤はその発症予防や治療にある程度有効である
と思われる。
界的な問題となっている。現在までのところ著効な治療
薬は見出されていないが、エイズの性格上、多糖体等の
免疫増強剤はその発症予防や治療にある程度有効である
と思われる。
そこで新規でより有効な免疫増強剤を得るべく種々の
酵母及び生薬から抽出した多糖体画分の免疫系に及ぼす
影響をマイトージェン活性(リンパ球の幼若化反応)を
示標として検討を行った。
酵母及び生薬から抽出した多糖体画分の免疫系に及ぼす
影響をマイトージェン活性(リンパ球の幼若化反応)を
示標として検討を行った。
その結果甘草から酢酸酸性下で抽出される画分、特に
アフガニスタン酸の甘草(以下アフガン甘草と略;Glycy
rrhiza glabla)の熱水抽出物を除タンパクしアルコー
ルで沈殿させたものを、さらに酢酸で抽出して得られる
画分(以下AL−4と略)に強いマイトージェン活性を認
めた。さらに、AL−4には抗体産生を促進する作用やマ
クロファージを活性化する作用があることを見出した。
アフガニスタン酸の甘草(以下アフガン甘草と略;Glycy
rrhiza glabla)の熱水抽出物を除タンパクしアルコー
ルで沈殿させたものを、さらに酢酸で抽出して得られる
画分(以下AL−4と略)に強いマイトージェン活性を認
めた。さらに、AL−4には抗体産生を促進する作用やマ
クロファージを活性化する作用があることを見出した。
なお、AL−4は分析の結果、ウロン酸およびグルコー
スで構成される酸性多糖が主成分である。
スで構成される酸性多糖が主成分である。
また以前、甘草から抽出した中性多糖が免疫増強作用
を示すことが、千葉大の熊谷らによって報告されている
が[和漢薬、11,79(1978)]、AL−4とは明らかに異
なるものである。
を示すことが、千葉大の熊谷らによって報告されている
が[和漢薬、11,79(1978)]、AL−4とは明らかに異
なるものである。
以上の結果から、甘草、特にアフガン甘草の酸性多糖
は強く免疫系を活性化する作用があることが判明し、本
発明を完成した。
は強く免疫系を活性化する作用があることが判明し、本
発明を完成した。
本発明におけるAL−4のマイトージェン活性、抗体酸
生促進活性、マクロファージ活性化の試験方法ならびに
その結果を以下に示す。
生促進活性、マクロファージ活性化の試験方法ならびに
その結果を以下に示す。
(1)マイトージェン活性試験 96穴プレートにマウスの脾臓細胞と試料を加え、20時
間培養した後、トリチウムチミジンを添加し、さらに4
時間培養する。そして細胞を紙上に採取し、細胞に取
り込まれたトリチウムを液体シンチレーションカウンタ
ーで測定することによりマイトージェン活性を判定し
た。なお、マイトージェン活性物質としてConA(コンカ
ナバリンA)とLPS(リポ多糖)と比較した。
間培養した後、トリチウムチミジンを添加し、さらに4
時間培養する。そして細胞を紙上に採取し、細胞に取
り込まれたトリチウムを液体シンチレーションカウンタ
ーで測定することによりマイトージェン活性を判定し
た。なお、マイトージェン活性物質としてConA(コンカ
ナバリンA)とLPS(リポ多糖)と比較した。
分析法は、ウロン酸についてはカルバゾール・硫酸
法、グルコース等の中性等につてはトリフルオロ酢酸処
理後、液体クロマトグラフィーによりそれぞれ定量し
た。
法、グルコース等の中性等につてはトリフルオロ酢酸処
理後、液体クロマトグラフィーによりそれぞれ定量し
た。
マイトージェン活性は、コントロールを1とした時の
トリチウムチミジンの取り込みで示す。
トリチウムチミジンの取り込みで示す。
結果を表1に示す。
表1に示した結果から、AL−4に強いマイトージェン
活性があることが明らかとなった。しかもその活性は、
ConAやLPSの至適活性よりも優れているものと推定され
た。
活性があることが明らかとなった。しかもその活性は、
ConAやLPSの至適活性よりも優れているものと推定され
た。
また同様の条件で調製した中国新橿産の甘草よりの試
料と比べ2倍以上強い活性を示した。
料と比べ2倍以上強い活性を示した。
(1)抗体産生促進活性試験 96穴プレートにマウスの脾臓細胞と試料を加え、48時
間培養した後、培養上清を採取する。そして、その培養
上清中の抗体(IgM)をELISA法で定量することにより判
定した。
間培養した後、培養上清を採取する。そして、その培養
上清中の抗体(IgM)をELISA法で定量することにより判
定した。
結果を表2に示す。
表2に示した結果から、AL−4は抗体産生を促進する
作用があることがわかった。
作用があることがわかった。
(3)マクロファージの活性化試験 マクロファージの活性化は、グルコースの消費促進を
指標として試験した。すなわち、チオグリコレート培地
で誘導したマウス腹くう内滲出細胞に試料を加え、24時
間後の培養上清中のグルコースを定量し、その消費率を
求めることにより、マクロフアージの活性化を判定し
た。
指標として試験した。すなわち、チオグリコレート培地
で誘導したマウス腹くう内滲出細胞に試料を加え、24時
間後の培養上清中のグルコースを定量し、その消費率を
求めることにより、マクロフアージの活性化を判定し
た。
結果を表3に示す。
表3に示した結果から、アフガン甘草から抽出した酸
性多糖を主成分とするAL−4はマクロファージを活性化
する作用があることがわかった。
性多糖を主成分とするAL−4はマクロファージを活性化
する作用があることがわかった。
以上の実験結果から明らかなように、本発明のAL−4
は種々の免疫増強作用を有することがわかった。
は種々の免疫増強作用を有することがわかった。
以下、実施例により本発明の一部を例示するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
明はこれに限定されるものではない。
実施例1 アフガン甘草根の熱水抽出物をpHを2.6に調整し遠心
分離にかけ、その上清をとり、pHを5.2に調整,遠心分
離により上清を得、そこにメタノールを等量加え、遠心
分離にかけ、沈殿物をとる。その沈殿物の1N酢酸抽出物
に等量のメタノールを加え、遠心分離し、その沈殿物を
水に溶解させ、透析にかけた。そして、その透析内液よ
りAL−4画分を0.3%の収率で得た。
分離にかけ、その上清をとり、pHを5.2に調整,遠心分
離により上清を得、そこにメタノールを等量加え、遠心
分離にかけ、沈殿物をとる。その沈殿物の1N酢酸抽出物
に等量のメタノールを加え、遠心分離し、その沈殿物を
水に溶解させ、透析にかけた。そして、その透析内液よ
りAL−4画分を0.3%の収率で得た。
このマイトージェン活性は、その濃度が1,10,100μg/
mlの時、それぞれ2,11,34であった(コントロールを1
とした時のトリチウムチミジンの取り込み)。
mlの時、それぞれ2,11,34であった(コントロールを1
とした時のトリチウムチミジンの取り込み)。
IgMの産生量については、その濃度が1,10,100μg/ml
の時、それぞれ71,303,>500ng/mlであった(コントロ
ールは45ng/ml)。
の時、それぞれ71,303,>500ng/mlであった(コントロ
ールは45ng/ml)。
マクロファージのグルコースの消費については、その
濃度が1,10,100μg/mlの時、それぞれ13,15,18%であっ
た(コントロールは8%)。
濃度が1,10,100μg/mlの時、それぞれ13,15,18%であっ
た(コントロールは8%)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 35/78
Claims (2)
- 【請求項1】甘草の酢酸抽出物を主構成要素とする免疫
増強剤。 - 【請求項2】アフガニスタン産の甘草(Glycyrrhiza gl
abla)の酢酸抽出物を主構成要素とする請求項1記載の
免疫増強剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119497A JP2918564B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 免疫増強剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1119497A JP2918564B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 免疫増強剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02300136A JPH02300136A (ja) | 1990-12-12 |
JP2918564B2 true JP2918564B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=14762731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1119497A Expired - Fee Related JP2918564B2 (ja) | 1989-05-12 | 1989-05-12 | 免疫増強剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2918564B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101331668B1 (ko) * | 2011-07-14 | 2013-11-20 | 손호장 | 발효 초약 효소의 제조 방법 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2715216B2 (ja) * | 1992-03-23 | 1998-02-18 | 日本製紙株式会社 | 水畜産用免疫増強剤及びその製造方法 |
JP2001240549A (ja) * | 2000-03-01 | 2001-09-04 | Pola Chem Ind Inc | 免疫増強剤及びそれを含有してなる組成物 |
JP5916288B2 (ja) * | 2011-02-07 | 2016-05-11 | 森川健康堂株式会社 | 自然免疫促進作用が増強された自然免疫活性化剤の製造方法及びその製造方法で製造されたローヤルゼリー由来の自然免疫活性化剤 |
-
1989
- 1989-05-12 JP JP1119497A patent/JP2918564B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101331668B1 (ko) * | 2011-07-14 | 2013-11-20 | 손호장 | 발효 초약 효소의 제조 방법 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02300136A (ja) | 1990-12-12 |
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