JP2918280B2 - ユニット住宅の上階玄関構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はユニット住宅の上階玄関構造に関する。

（従来の技術） ユニット住宅とは、運搬可能な一定の大きさの箱型
の、且つ、内部、外部の仕上げられた住宅ユニットを予
め工場で生産し、この複数個を建築現場に運び、現場で
組み立てて、住宅となすものである。

このユニット住宅は、工期が短く且つ寸法精度の良い
標準化された住宅となる特徴があることから、近年、段
々広く採用されている。

しかし、このユニット住宅は、住宅ユニットを工場で
予め生産することから、構造に或る程度の制約がある。

ユニット住宅の上階玄関構造も制約されるもの１つで
ある。

即ち、従来、玄関は１階に設けられるのが普通である
が、最近では、アパートに代表されるように、２階以上
の上階に玄関を設けることが多くなった。

このユニット住宅で１階に玄関土間を設ける場合に
は、特公昭54−13687号公報に記載あるように、床梁を
切断して、床梁より低い位置に玄関土間を設けていた。
第２図を参照しながら、詳細に説明すると、住宅ユニッ
トの骨格は、４本の矩形状に接続された床梁101と、同
じく４本の矩形状に接続された天井梁103と、これら床
梁101と天井梁103の角に接続している４本の柱102とか
らなる。そして、玄関を設ける場合、床梁101の一部を
切断し、この奥に玄関土間を設ける。

このように床梁を切断しても、直ぐ下には基礎がある
から、強度的に心配がない。

しかし、上階の場合には基礎がないから、強度上、床
梁を切断できず、実開昭57−178619号公報に記載あるよ
うに、床梁を切断しないで、この上階住宅ユニットの床
梁の上に玄関土間を設けていた。

（発明が解決しようとする課題） しかし、上記のように、上階の玄関土間を上階住宅ユ
ニットの床梁の上に設けると、この同じ床梁の上にも床
を設けるから、上階の玄関土間の上面と、上階の床の上
面との高低差が小さくなり、玄関土間の塵等が床上に移
動し易くなり、不愉快であった。

そこで、本発明はユニット住宅におけるかかる問題を
解決し、上階の玄関土間と上階の床との高さの差を大き
くした玄関構造を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は、上記の問題を解決し、上記の目的を達成す
るためになしたもので、下階住宅ユニット内に上階に上
がる階段を設け、階段の上に玄関土間を設けたユニット
住宅において、この下階住宅ユニットの相対する天井梁
に支持梁を橋渡しし、この支持梁の両端を下階住宅ユニ
ットの天井梁に固定し、この支持梁の上に上階用の玄関
土間を設けるのである。

本発明においては、支持梁の他に階段ホール支持梁を
同じ下階住宅ユニットの天井梁に設け、この階段ホール
支持梁の上に上階用の階段ホールを設けてもよい。

（作 用） 一般に、ユニット住宅では、下階の住宅ユニットの上
に上階住宅ユニットを載せて、組立てる。従って、当
然、下階住宅ユニットの天井梁は上階住宅ユニットの床
梁より低い位置になる。

本発明においては、通常の梁の他に、支持梁を下階住
宅ユニットの天井梁に固定し、この上に上階用玄関土間
を設けるから、この支持梁の上に設けられた玄関土間
は、上階住宅ユニットの床梁に設けられる床より低くな
る。

本発明においては、下階の住宅ユニットの天井梁に支
持梁とその上に玄関土間とを、又、同じ下階住宅ユニッ
トの天井梁に段階ホール支持梁とその上に玄関ホールと
を設けると、玄関土間から階段ホールへの出入すると
き、階段ホールと玄関土間との間に上階住宅ユニットの
床梁がないから、かかる床梁等の高い障害物を跨がなく
ても行ける。

（実施例） 第１図は本発明上階玄関構造の一実施態様を示す断面
図である。

第１図において、１は１階住宅ユニットの天井梁であ
る。

２は２階住宅ユニットの床梁である。

31は支持梁であり、図示されてない１階の相対する天
井梁に橋渡しされ、溶接され、固定されている。

32は階段ホール支持梁であり、この階段ホール支持梁
32は１階住宅ユニットの天井梁１に設けられている。

33は階段ホール支持梁32の間に橋渡しされた小梁であ
り、34は支持梁31と階段ホール支持梁32との隙間を埋め
るスペーサーである。

４は玄関土間であり、支持梁31の上に設けられてい
て、合板の床材41と塩化ビニール樹脂製シートの床仕上
げ材42とからなる。43は鋼鉄製ドアー枠である。７はド
アーであり、このドアー７はドアー枠43に取り付けられ
ている。

６は２階の床であり、この床６は２階住宅ユニットの
床梁２の上に設けられている。又、この床６の玄関側の
先端に玄関框61が設けられ、この玄関框61と玄関土間４
との間に板材62が設けられている。

８は階段ホールであり、階段ホール支持梁32および小
梁33の上に設けられている。

９は階段である。

次に、このユニット住宅の施工方法及び作用について
説明する。

先ず、１階住宅ユニットおよび２階の住宅ユニットを
工場で製作する。

２階住宅ユニットを製作ときに、この２階住宅ユニッ
トの中に、玄関ドアー枠43、２階の床６、玄関框61、板
材62を工場で取り付ける。１階住宅ユニットには、支持
梁31、玄関土間４、階段ホール支持梁32、小梁33、スペ
ーサー34、階段ホール８、階段９を取り付ける。このよ
うに、１階住宅ユニットおよび２階住宅ユニットを製作
すると、これらを施工現場に運搬し、１階住宅ユニット
の上に２階住宅ユニットを載せて、組み立てて、最後
に、玄関ドアーを取り付けると、ユニット住宅が完成す
る。

このようにして、完成したユニット住宅は、２階の床
６が玄関土間４より高い位置にあるから、玄関土間の塵
等が床に移動することがない。

又、このように、１階住宅ユニットの天井梁に設けら
れた階段ホール支持梁32の上に階段ホールを、又、同じ
１階住宅ユニットの支持梁31の上に玄関土間を設ける
と、玄関土間から階段ホールへの出入のとき、２階住宅
ユニットの床梁を跨ぐことがない。

（発明の効果） 本発明においては、通常の梁の他に支持梁を、下階住
宅ユニットの天井梁に設け、その上に上階用の玄関土間
を設けるから、当然、上階住宅ユニットの床梁の上に設
けられた床より低い位置になる。従って、玄関土間の塵
等が上階の床に移動することがなく、清潔になり、気持
ちのよいものである。

又、このように、単に支持梁を設けるだけで、上述す
るように、上階の玄関土間を上階の床より低くすること
ができ、極めて便利である。

又、下階の玄関土間と同じ下階住宅ユニットの天井梁
に階段ホール支持梁を設け、この上に階段ホールを設け
ると、玄関土間から階段ホールへ出入するとき、上階の
床梁等の高い障害を跨ぐ必要がなくて、便利である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明上階玄関構造の一実施態様を示す断面
図、第２図は玄関が設けられる従来の下階住宅ユニット
の骨格を示す斜視図である。 １……下階の天井梁 ２……上階の床梁 31……支持梁 32……階段ホール支持梁 ４……玄関土間 ８……階段ホール

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下階住宅ユニット内に上階に上がる階段を
   設け、階段の上に玄関土間を設けたユニット住宅におい
   て、この下階住宅ユニットの相対する天井梁に支持梁を
   橋渡しし、この支持梁の両端を下階住宅ユニットの天井
   梁に固定し、この支持梁の上に上階用の玄関土間を設け
   ることを特徴とするユニット住宅の上階玄関構造。