JP2916590B2 - 易剥離性割繊繊維及びその製造法 - Google Patents

易剥離性割繊繊維及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の属する技術分野) 本発明は、剥離して超極細繊維となり得る易剥離性割
繊繊維及びその製造法に関する。
更に詳しくは、本発明は、剥離によって人工皮革や高
密度編織物、ワイピングクロスなどに有用な布帛を提供
し得る、易剥離性割繊繊維及びその製造法に関する。
(従来の技術) 従来から、接着性や溶剤に対する溶解性の異なる2種
の熱可塑性重合体を組み合わせて複合繊維となし、布帛
やシートにした後、2種の重合体を分離または一方を溶
解して剥離し、極細繊維からなる布帛やシートを得るこ
とは、特公昭48-28005号公報、特公昭53-22170号公報な
どによって公知である。
剥離によって単糸デニールが0.3デニール以下の超極
細繊維となる割繊性繊維は、近年、人工皮革、高密度編
織物、ワイピングクロス等に優れた機能を発揮すること
から、その需要が急増している。
しかし、従来公知の割繊繊維は、機械的に2種の成分
を割繊させたり、または、化学的に一方の成分を溶解し
て割繊させたとしても、極細繊維同士の剥離が不十分な
ため、割繊前の元の繊維の配置のままであり、極細繊維
の特長が十分に発揮されないという問題があった。
このような問題に対処すべく、例えば特公昭63-61423
号公報には、編織物を溶解して一方の成分を分解除去し
た後、ロール面で圧縮して剥離させる方法や、特開昭62
-263372号公報には、編織物を予め圧縮処理して隣接界
面に歪を作った後、薬液で処理して剥離させる方法が提
案されている。しかし、これらの方法は、いずれも剥離
性を良くするために、繁雑な工程を設けることが必要で
あり、工業的に不利である。
このような剥離性の問題は、割繊後の単糸デニールが
0.2デニール以下と更に超極細繊維となる程困難性を増
すことが特公昭53-10169号公報で知られている。
一方、特公昭53-22170号公報には、剥離性を改善する
目的で、割繊成分の断面形状を偏平な凸レンズ形状にす
る方法が提案されている。
しかし、該公報の繊維は、繊維製造工程で割繊成分の
一部が剥離・切断し、毛羽となるなど製造工程性が著し
く損なわれるという欠点を有していた。
また、他方、2種の重合体が剥離し難い断面形状の場
合には、繊維製造工程の問題は避けられるが、布帛にし
た後の割繊工程では2成分を剥離するのに多大のエネル
ギーを要する。
従って、工程性能を損なうことなく、易剥離性である
割繊繊維の出現が強く求められていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記したような問題点に鑑み、複合
繊維の製造段階や、編織やシートにするまでは2種の重
合体成分が一体となっており、、布帛にした後の割繊工
程では、2成分が極めて容易に剥離して超極細繊維とな
り得る易剥離性割繊繊維及びその製造法を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決せんと鋭意検討を重ね
た結果、請求項1に規定した(i)〜(v)の要件に特
定する割繊繊維とすることにより、 繊維製造工程の紡糸延伸時の剥離を抑制することが可
能になって、製造工程上のトラブルを解消し、しかも、
布帛又は人工皮革をなす割繊工程では小さなエネルギー
で完全に割繊可能となる、いわば「割繊性を制御可能」
な易剥離性割繊繊維を提供できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
即ち、本発明は: A、B2種の熱可塑性重合体からなる割繊複合繊維に
おいて、 (i) A成分が凸レンズ形状に4〜8ケに割繊可能で
あり、 (ii) A成分が繊維断面の全面積に占める比率が70〜
90%、 (iii) 全周長に占める比率が95%以上〜100未満であ
り、 (iv) 剥離前の繊維断面の半径r0と、剥離後の凸レ
ンズ形状の球面の半径r1の比R0/r1が2以上で、 (v) かつ剥離される凸レンズ形状のA成分の幅方向
の径aと高さ方向の径bの比a/bが2以下であること、
易剥離性割繊繊維を提供する。また、 割繊繊維の割繊前の繊度が2デニール以下である点
に特長を有する。また、 A成分を、法線方向から4〜8ケに分割してB成分
の中心に向けて流入させ、A成分が繊維断面で凸レンズ
形状に4〜8ケに割繊可能とする、A、B2種の熱可塑性
重合体からなる割繊複合繊維の製造において、 (a) A、B両成分の吐出比率A/Bを70/30〜90/10と
し、 (b) かつ、A成分の溶融粘度をB成分の溶融粘度よ
り大とする、又は記載の易剥離性割繊繊維の製造法
を提供する。また、 A成分がB成分と合流する部分の隣接するA成分流
路溝との間隔lは0.5mm以上である点に特徴を有する。
また、 A成分とB成分の溶融粘度比A/Bが1.1以上で、かつ
A成分とB成分の溶解性パラメータの差、A−Bが2以
上である点に特徴を有する。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A) 本発明の割繊繊維: 第1図(イ)〜(ホ)は、本発明の割繊繊維の繊維断
面を示す模式図である。
第1図において、(イ)、(ロ)は4分割の例であ
り、(ハ)、(ニ)は6分割の例、(ホ)は8分割の例
である。
(i) 割繊繊維の構造など: (イ) 割繊繊維の形状: 本発明では、A、B2種の熱可塑性重合体からなる割繊
性複合繊維において、A成分が凸レンズ形状に4〜8ケ
に分割可能であることが必要である。
凸レンズ形状とは、例えば、第2図及び特公昭53-221
70号公報に表現されるように、剥離面の少なくとも一部
に半径r1の球面を有するものを示す。
第5図(イ)〜(ハ)に示すような鋭利な剥離面を有
するものとは明瞭に区別される(従来例)。
(ロ) 剥離前の繊維断面の半径と剥離後の半径の比: 凸レンズ形状の具体的な形状としては、第2図におい
て、剥離前の繊維断面の半径をr0、剥離後の凸レンズ
形状の球面の半径をr1とした場合、r0>r1である。
好ましくは、r0/r1が2以上、最も好ましくは2.5以上
である。
(ハ) 剥離されるA成分の幅方向径と高さ方向径の
比: また、剥離される凸レンズ形状のA成分の幅方向の径
aと高さ方向の径bの比、a/bは2以下であることが望
ましい。
この比が2を超える場合には、繊維を製造する段階で
若しくは編繊段階で、もはや剥離が発生し、繊維製造や
布帛製造の工程性が著しく損なわれる。
a/b比が1.5未満であれば更に好ましい。
・ r0/r1が2以上かつa/bは2以下の場合に本発明の
目的が最も良く達成される。
(ニ) 分割数: 分割数は4〜8であることが必要である。
分割数が4未満では繊維製造工程で剥離が生じる。分
割数が8を越えると、後述するような成分比を構成しよ
うとするとA、B2成分が互いに接着を生じ、もはや割繊
性を有しない。
好ましい分割数は4〜6である。
(ホ) A成分が繊維断面の全面積に占める比率: 本発明では、A成分が繊維断面の全面積に占める比率
が70〜90%であることが必要である。
70%未満では、分割後の繊維に異種の重合体が多量に
存在し、染色時の汚染などの支障が生じる。また、B成
分を溶解除去する際には、除去成分の比率が多く、経済
的にも不利である。A成分の比率が高い方が望ましい
が、90%を越えると、A成分の形状が凸レンズ形状を示
さなくなり、布帛にした後の剥離性が不十分となる。好
ましい比率は、75〜85%である。
(ヘ) A成分が剥離断面の全周長に占める比率: 本発明の割繊繊維は、割繊前の繊維断面において、A
成分が繊維断面の全周長に占める比率が95%以上100%
未満であることが必要である。
すなわち、B成分は、円周上に僅か5%未満しか露出
していない。A成分が全周長に占める比率が95%未満で
ある場合には、布帛やシートにした後のA成分の剥離に
多くのエネルギーが必要となり、本発明の目的である易
剥離性が達成されない。
(ト) 割繊繊維の好ましい形状: 最も好ましい本発明の割繊繊維では、第1図(イ)〜
(ホ)に示すように、割繊前の繊維断面において、A成
分が実質的にB成分の「線」によって分割されている。
このような本発明の割繊繊維であれば、剥離に要する
エネルギーが第5図(イ)〜(ハ)に例示される従来の
割繊繊維に比して極端に少なくすることが可能となる。
このような利点は、例えば、A、B2成分のうち、B成
分を溶解除去して剥離する場合には、同じ処理条件で
は、処理時間を大幅に短縮することが可能であり、工業
的に極めて有利である。
(ii) A、B成分を構成する熱可塑性重合体: 本発明に用いる熱可塑性重合体としては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン612などのポリアミドやこれ
らの共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレートなどのポリエステルやこれらの共重合
体;ポリプロピレン、ポリエチレンなどの重合体やこれ
らの共重合体が用いられる。必要によって、少量の安定
剤、艶消剤、帯電防止剤などを含んでも良い。
最も汎用的には、ポリアミドとポリエステル又は、こ
れらの共重合体の組み合わせが用いられる。
(iii) 割繊方法: 割繊方法は、A、B2種の熱可塑性重合体の性質によっ
て、仮撚、叩解、圧搾や柱状流などの高圧流体により機
械的に剥離する方法や、一方の成分を溶剤または分解剤
により溶解または分解除去して剥離する方法や、これら
の組み合わせから任意に選択される。
A、B2成分の接着性は凡そ両成分の溶解性パラメータ
によって定義づけられるので、2成分の溶解性パラメー
タが大きく異なる組み合わせの場合には機械的な方法に
よる剥離が可能であるが、溶解性パラメータが近似した
成分同士の組み合わせの場合には、一方の成分を溶解す
る方法が一般的である。
本発明の繊維は、このいずれの割繊方法においても、
従来の割繊繊維に比べ、極めて良好な易剥離性を呈す
る。
(iv) 割繊繊維の特徴: (イ) 繊度: 本発明の割繊繊維の割繊前の単糸デニールは特に限定
されない。
例えば、単糸デニールが2デニール以下であれば、割
繊後のデニール0.3デニール以下の超極細繊維となり、
人工皮革、高密度編織物、ワイピングクロス等に公適で
ある。
単糸デニールが更に1デニール以下であれば、割繊後
のデニールが0.1デニール以下となり更に好適である。
従って、好適には2デニール以下、更に好適には1デ
ニール以下である。
(ロ) 用途: ・ 本発明の割繊繊維を編織後に割繊して得られる布帛
は、柔らかく、しかも適度な反発感があり、衣料用とし
ても独特の風合を呈する。また、布帛の表面を起毛した
場合はピーチスキン調の布帛となる。
・ 更に、3〜20mmの短繊維に切断し、人工皮革とした
ものは、スエード調の高級感のある皮革が得られる。
(B) 割繊繊維の製造方: 以下、本発明の割繊繊維の製造法について説明する。
(i) 第3図は(イ)は、本発明の繊維の製造に用い
る紡糸口金の断面図であり、(イ)図中はIは、分配
板、IIは紡糸口金板である。
第3図は(ロ)は、IIの紡糸口金板において、2成分
の重合体の合流部E−E′の平面図である。
別々に計量された重合体A、Bは各々、第3図(イ)
の分配板Iを経て紡糸口金板IIの合流部へ供給される。
合流部では、第3図(ロ)に示されるように、B成分の
中心から法線方向の設けられた流入溝IIIからA成分が
B成分の中心に向けて流入しつつ合流し、吐出孔IVから
紡糸され複合繊維となる。
(ii) 本発明において、A成分がB成分と合流する部
分の隣接するA成分流路溝との間隔lは0.5mm以上であ
ることが好ましい。特に、分割数が6ケ以上の場合に
は、0.7〜1mmであることが望ましい。
(iii) 紡糸された繊維は、従来公知の紡糸−延伸法
や、一旦巻き取ることなく連続して延伸を行うスピンン
ドローテイクアップ法、更には6,000m/分以上で紡糸し
て延伸することなく実用可能な繊維とするスピンテイク
アップ法などの工程によって得ることが可能である。
(iv) A成分とB成分の吐出量比及び溶融粘度比: 本発明の繊維の製造においては、A成分とB成分の吐
出量の比を70/30〜90/10とし、かつA成分の溶融粘度を
B成分の溶融粘度より大とすることが必要である。
B成分の溶融粘度をA成分の溶融粘度より大とした場
合には、A成分同志が互いに接合していない、もはや割
繊繊維とならない。
A成分とB成分の溶融粘度比A/Bが1.1以上の場合に、
本発明の割繊繊維が好ましい配置となる。
第4図(イ)〜(ホ)は、A成分とB成分の溶融粘度
比A/Bに対応して変化する両成分の割繊の繊維断面形状
を示す模式図である。
すなわち、第4図(イ)、(ロ)はA/Bが1以上の場
合に得られる繊維の断面形状であり(実施例)、
(ハ)、(ニ)、(ホ)はA/Bが1未満の場合に得られ
る繊維の断面形状である(比較例)。
本発明では、A成分とB成分の溶融粘度比A/Bを1以
上とし、同時に、両成分の溶解性パラメータの差、A−
Bを約2以上としたものは、第4図(イ)、(ロ)に示
すようにA成分が繊維の円周上で隆起したフットボール
形状となる。このような形状の繊維から剥離して得られ
る超極細繊維は、ボリューム感に優れた布帛を提供す
る。
(実施例) 実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、これ
らは本発明の範囲を制限しない。
なお、剥離性の測定は、複合繊維を水酸化ナトリウム
5重量%水溶液中で95°Cで浸漬し、浸漬時間と割繊割
合の経時変化を繊維の断面写真から測定し、100%割繊
するまでの時間で示した。
(実施例1) A成分としてオルソクロロフェノール極限粘度ηsp/c
=0.73〜0.48のポリエチレンテレフタレート(溶解性パ
ラメータ10.7)を用い、B成分として相対粘度ηrel=
3.2〜2.4のナイロン(溶解性パラメータ12.7)を用い、
二軸押出機にて紡糸した。
使用した紡糸口は、第3図(ロ)において、A成分が
6ケの法線方向からB成分の中心に向けて流入するもの
を使用した。孔数は30ホールとした。溶融温度290℃、
紡速1,000m/分、吐出量11.6g/分、A:Bの吐出量比4:1に
て紡糸した。
得られた未延伸糸を延伸倍率3.5倍、1ロール温度80
℃、ホットプレート温度150℃にて熱延伸して、30デニ
ール/30フィラメントの延伸繊維を得た。紡糸・延伸性
はいずれも良好で、この段階までは、繊維の剥離は皆無
であった。
紡糸に当たり、A成分とB成分の溶融粘度比を第1表
に示すように異ならせた。
得られた繊維の断面形状及び剥離性の結果を第1表に
示した。
なお、比較例として特公昭48-28005号公報の実施例1
中のF4の条件で複合繊維を得た。この繊維の断面形状
は、第5図(ロ)に示されるようなものであった。
第1表から明らかなように、本発明の方法によって得
られた複合繊維は、繊維製造段階までは全く剥離してい
ないが、剥離処理によって極めて容易に剥離する、易剥
離性を有していた。
剥離後の繊維は、ポリエチレンテレフタレートが単糸
0.12デニール、ナイロン6が単糸0.2デニールの超極細
繊維であった。
(実施例2) 実施例1で得たNo.1の複合繊維を用い、32ゲージの丸
編機を使用して編地を編成した。編地の網目密度は2,20
0/平方インチであった。編地を5%水酸化ナトリウム水
溶液で95℃で10分間処理を行った。この時の編地の重量
減少率は12重量%で、繊維は完全に剥離していた。得ら
れた編地は、超極細繊維特有の極めてドレープ性の優れ
たソフトな風合を有していた。
(実施例3) 実施例1で得た、No.1とNo.6の複合繊維を各々10mmの
カットファイバーとし、湿式にて抄造して目付110g/m2
のシートとした。次いで、これらのシートに150kg/cm2
の水柱状流を施し、乾燥して厚み0.5mmのシートを得
た。
No.1の本発明の繊維からなるシートは、A、B成分が
完全に剥離し、良好なカバリング性と柔軟な風合のシー
トとなった。一方、本発明外のNo.6からなるシートは、
A、B2成分が殆ど剥離しておらず、シートは地スケ感が
あり、風合もペーパーライクのものであった。
(実施例4) A成分として、ηsp/c=0.73のポリエチレンテレフタ
レートを用い、B成分としてポリエチレンテレフタレー
トに分子量4,000のポリエチレングリコール15重量%を
共重合したブロックポリエーテルエステルηsp/c=0.72
を用い、実施例1と同様にして複合繊維を得た。
この場合のA、B成分の溶融粘度比は1.1であった。
得られた繊維の断面は、第1図(ハ)に対応していた。
0/r1は2.7、a/bは1.4、A成分が断面全周長に占める
比率は97%であった。
この繊維を実施例2と同様に編成した。編立工程での
トラブルは全く生じなかった。
編地を5%水酸化ナトリウム水溶液で95℃で4分間処
理したところ、編地の重量減少率は24重量%であり、B
成分は完全に除去されていた。編地は極めてドレープ性
に優れ、ソフトな風合を有していた。
(比較例1) 重合体として実施例4で用いたA、B成分を用い、特
公昭48-28005号公報実施例1中のF4の繊維を得た。得
られた繊維を実施例4と同様に編成し、5重量%水酸化
ナトリウム水溶液で95℃で15分間処理を行った。編地の
重量減少率は8重量%であり、B成分が残ったままで、
編地は水酸化ナトリウム処理する以前と殆ど変化なく、
ドレープ性に欠けるものであった。
(発明の効果) 本発明の易剥離性割繊繊維を用いることにより、繊維
の製造、編織物やシートなどの布帛製造工程では全く工
程性を損なうことなく取扱いが可能で、しかも人工皮
革、高密度編織物、ワイピングクロスなど布帛に用いた
場合に極めて容易に剥離して超極細繊維特有の優れたド
レープ性とソフトな風合などの性能を有する布帛が提供
される。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)〜(ホ)は、本発明の割繊繊維の繊維断面
を示す模式図である。 第2図は、本発明の割繊繊維の断面部分を構成する凸レ
ンズ形状の剥離面の一部を図示的に説明する模式図であ
る。 第3図は、本発明の易剥離性割繊繊維を製造するのに用
いる紡糸装置の一部を示す。第3図(イ)はその紡糸口
金の断面図であり、第3図(ロ)は紡糸口金板における
重合体の合流部を示す平面図である。 第4図(イ)〜(ホ)は、割繊繊維を構成するA、B成
分の溶融粘度比に対応して変化する割繊繊維の繊維断面
形状を示す模式図であり、(イ)、(ロ)は実施例で、
(ハ)〜(ホ)は比較例である。 第5図(イ)〜(ハ)は、従来の割繊繊維の繊維断面を
示す模式図である。 (符号の説明) A……重合体A成分又は繊維 B……重合体B成分又は繊維 r0……剥離前の繊維断面の半径 r1……剥離後の凸レンズ形状の球面の半径 a……剥離される凸レンズ形状のA成分の幅方向の径 b……剥離される凸レンズ形状のA成分の高さ方向の径 I……分配板 II……紡糸口金板 l……間隔 III……流入溝 IV……吐出孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01D 5/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A、B2種の熱可塑性重合体からなる割繊複
    合繊維において、 (i) A成分が凸レンズ形状に4〜8ケに割繊可能で
    あり、 (ii) A成分が繊維断面の全面積に占める比率が70〜
    90%、 (iii) 全周長に占める比率が95%以上〜100未満であ
    り、 (iv) 剥離前の繊維断面の半径r0と、剥離後の凸レ
    ンズ形状の球面の半径r1の比r0/r1が2以上で、 (v) かつ剥離される凸レンズ形状のA成分の幅方向
    の径aと高さ方向の径bの比a/bが2以下であることを
    特徴とする、易剥離性割繊繊維。
  2. 【請求項2】割繊繊維の割繊前の繊度が2デニール以下
    であることを特徴とする、請求項1記載の易剥離性割繊
    繊維。
  3. 【請求項3】A成分を、法線方向から4〜8ケに分割し
    てB成分の中心に向けて流入させ、A成分が繊維断面で
    凸レンズ形状に4〜8ケに割繊可能とする、A、B2種の
    熱可塑性重合体からなる割繊複合繊維の製造において、 (a) A、B両成分の吐出比率A/Bを70/30〜90/10と
    し、 (b) かつ、A成分の溶融粘度をB成分の溶融粘度よ
    り大とすることを特徴とする、請求項1又は2記載の易
    剥離性割繊繊維の製造法。
  4. 【請求項4】A成分がB成分と合流する部分の隣接する
    A成分流路溝との間隔lは0.5mm以上であることを特徴
    とする、請求項3記載の易剥離性割繊繊維の製造法。
  5. 【請求項5】A成分とB成分の溶融粘度比A/Bが1.1以上
    で、かつA成分とB成分の溶解性パラメータの差、A−
    Bが2以上であることを特徴とする、請求項3又は4記
    載の易剥離性割繊繊維の製造法。
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