JP3753654B2 - パイル繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系異収縮混繊糸にてパイルが形成されたパイル繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーペット用原糸として、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等の熱可塑性繊維をホットエアー捲縮加工して得られる捲縮糸が、一般に用いられているが、近年、嵩高性がより高く、嵩高回復性に優れ、かつ肌触りがソフトなカーペットを与える原糸が求められている。
【0003】
カーペット用原糸は、一般に単繊維繊度が太い程嵩高性に優れ、単繊維繊度が細い程どソフト感に優れているが、従来一つの原糸で、カーペットの嵩高性、ソフト感の両方を十分満足させるようなものがなく、またカーペットにおいては、その嵩高回復性は、高密度の設計にすることにより向上させることができるが、高密度のカーペットはソフト感が不足するという問題がある。
【0004】
かかる問題を解決するものとして、特開平5−186923号公報、特開平7−216676号公報、特開平8−113837号公報等にて収縮性の異なるフィラメントからなるポリオレフィン系異収縮混繊糸が開示されているが、これらポリオレフィン系異収縮混繊糸は、糸としては嵩高性に優れるものの、カーペットとしたときに嵩高回復性に乏しいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特にカーペット用原糸として有用な十分な嵩高性とソフトな風合を与えるポリオレフィン系異収縮混繊糸を提供し、かかるポリオレフィン系異収縮混繊糸にて長期間の使用に対しても優れた嵩高回復性を示すパイルが形成されたパイル繊維製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレン含有率1〜4重量%のエチレンプロピレンランダムコポリマーを含んでなる乾熱130℃における熱収縮率が25〜45%の高収縮フィラメント糸と、ポリプロピレンホモポリマーからなる乾熱130℃における熱収縮率が10%以下の低収縮フィラメント糸との混繊糸からなり、少なくとも該高収縮フィラメント糸の単繊維断面が異型断面であり、該高収縮フィラメント糸の単繊維繊度が低収縮フィラメント糸の単繊維繊度以上であるポリオレフィン系異収縮混繊糸にてパイルが形成された繊維製品であって、下記(1)、(2)の要件を満足することを特徴とするパイル繊維製品、にある
(1)75g/cm の荷重をパイル面に15日間負荷し、荷重除去直後の嵩高回復率が70%以上である。
(2)荷重除去後15日経過後の嵩高回復率が100%である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の異収縮混繊糸は、エチレン含有率が1〜4重量%のエチレンプロピレンランダムコポリマーを含んでなり、乾熱130℃における乾熱収縮率が25〜60%の高収縮フィラメント糸とポリプロピレンホモポリマーからなる乾熱130℃における乾熱収縮率が10%以下の低収縮フィラメント糸とから構成され、かつ少なくとも高収縮フィラメント糸の単繊維断面が異型断面をなしている。
【0008】
本発明は、高収縮フィラメント糸の単繊維断面を異型断面とすることにより、高嵩高性と良好な嵩高回復性を発現させ、また低収縮フィラメント糸を混繊させて存在させることにより、後の加工時の乾熱によって高収縮フィラメント糸との間に収縮差を発現させて、低収縮フィラメント糸の単繊維で糸表面を覆い、ソフト感を発現させることにある。
【0009】
本発明における高収縮フィラメント糸を構成するポリマーに含まれるエチレンプロピレンランダムコポリマーは、エチレン含有率が1〜4重量%、好ましくは1〜2重量%であり、ポリマーがエチレンプロピレンランダムコポリマーのみで構成される場合は好ましくはエチレン含有率が1〜4重量%であり、エチレン含有率が1重量%未満では、十分な高収縮特性が得られず、本発明の目的とする嵩高性と嵩高回復性が得られない。また、エチレン含有率が4重量%を超えると、熱収縮性が著しくなり、製糸の際の製糸性が損なわれると共に収縮率が高すぎ、かかる高収縮フィラメント糸を含む混繊糸を、例えばカーペットに用いたときに、風合が硬くなりソフト感が損なわれたカーペットとなる。
【0010】
本発明における高収縮フィラメント糸は、かかるエチレン含有率のエチレンプロピレンランダムコポリマーの単独ポリマー、或いはポリプロピレンホモポリマーとのブレンドポリマーで構成することにより、乾熱温度130℃における熱収縮率が、好ましくは25〜45%の高収縮性を示すものである。なお、ポリプロピレンホモポリマーのブレンド量は前記熱収縮率の範囲内になるように適宜設定される。
【0011】
また、本発明においては、少なくとも高収縮フィラメント糸は、その単繊維断面が異型断面であることが必要であり、異型断面としては、中実の円形ではない断面で、中空断面や多芯中空断面及びY字型断面、十字型断面等の葉(リブ)数3〜6の多葉断面が挙げられ、十分な繊維間空隙を形成し、かつ繊維軸方向の曲げ応力が高い断面形状であることが望ましい。
【0012】
更に本発明においては、高収縮フィラメント糸の単繊維繊度が低収縮フィラメント糸の単繊維繊度以上であることが、混繊糸を乾熱処理したときに高収縮フィラメント糸と低収縮フィラメント糸の間に収縮差を発現させて、低収縮フィラメント糸の単繊維で糸表面を覆って好ましいソフト感を与える。
【0013】
また、本発明において異収縮混繊糸を構成する低収縮フィラメント糸は、ポリプロピレンホモポリマーからなり、乾熱温度130℃における熱収縮率が10%以下である。また、低収縮フィラメント糸の単繊維断面の形状は、特に限定されるものではないが、嵩高性を得るうえでは、Y字型断面、十字型断面、○に十字型の多芯中空断面等が好ましく、光沢性を得るうえでは、三角断面の断面形状であることが好ましい。
【0014】
本発明における高収縮フィラメント糸及び低収縮フィラメント糸は、それぞれ構成のポリマーのメルトフロレート(以下MFRと略す)が5〜50g/10分であることが好ましく、かかるMFRであればフィラメントとしての溶融紡糸が可能であり、かつ十分な繊維強度を得ることができる。なお、MFRは、JISK−7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定された値である。MFRが5g/10分未満であると、溶融紡糸する際、十分な製糸性を確保するために紡糸温度を高く設定する必要があり、ポリマーに配合する着色用顔料や紫外線吸収剤等が変質し着色又は変色するといった不都合が生じる場合があり、50g/10分を超えると、紡糸温度を低く設定しても必要な単繊維繊度を得ることが困難になる。
【0015】
また本発明における高収縮フィラメント糸及び低収縮フィラメント糸の構成ポリマーに対して、繊維物性を害さない範囲で、着色顔料、分散剤、蛍光増白剤、艶消剤、滑剤、帯電防止剤、消臭剤、抗菌剤、難燃剤等の添加剤が配合されていてもよく、またこの添加の際の添加剤の種類、量は両フィラメント糸で異なっていてもよい。
【0016】
本発明の異収縮混繊糸は、高収縮フィラメント糸及び低収縮フィラメント糸の混合比は特に限定はなく、また嵩高性、ソフト感を十分に発揮させるために、その製糸過程或いは製糸後、捲縮加工された形態の混繊糸であってもよく、捲縮加工の方式、条件等にも特に限定はない。
【0017】
本発明の異収縮混繊糸は、例えば以下のようにして得られる。
高収縮フィラメント糸の構成ポリマーと低収縮フィラメント糸の構成ポリマーを用い、それぞれ別の紡糸機で溶融紡糸して引き揃えて未延伸糸とするか、複合紡糸機を使用して同一紡糸口金に配設された別々のノズル孔から高収縮成分と低収縮成分を溶融紡糸して、混繊状態の未延伸糸とする。
【0018】
このようにして得られた未延伸糸を、次いで、延伸倍率2〜5倍、好ましくは2〜4倍、延伸温度50〜100℃の範囲で延伸し、次いで60〜140℃の温度で熱セットし、緩和率10%以上で延伸同時エアー捲縮加工、更にエアー交絡をすることにより本発明の異収縮混繊糸を得る。熱セットは、熱ローラー方式又は熱板方式のいずれであってもよい。なお、溶融紡糸された未延伸糸を、巻き取ることなく、連続して延伸、延伸同時エアー捲縮加工、エアー交絡する直接紡糸延伸捲縮方式、或いは未延伸糸を一旦巻取った後、延伸同時エアー捲縮加工、エアー交絡する方式を用いてもよい。
【0019】
本発明の異収縮混繊糸は、乾熱によって高収縮フィラメント糸と低収縮フィラメント糸との間に熱収縮差が生じ、十分な嵩高性と良好なソフトな風合を与え、乾熱の付与を例えばカーペットの作成におけるバッキング処理時の加熱乾燥の際の加熱によることもでき、特にカーペット用原糸として有用なるものであるが、カーペット用のみならず、椅子張り用、壁材用等にも用いることができる。
【0020】
次に、本発明の異収縮混繊糸が特に好ましく用いられた本発明のカーペットについて説明する。
本発明のカーペットは、前記の異収縮混繊糸にてパイルが形成されたカーペットであり、
(1)75g/cmの荷重をパイル面に15日間負荷し、荷重除去直後の嵩高回復率が70%以上である。
(2)荷重除去後15日経過後の嵩高回復率が100%である。
なる要件を満足するものである。
【0021】
ここで、75g/cmの荷重をパイル面に15日間負荷し、荷重除去直後の嵩高回復率をRo、荷重除去後15日経過後の嵩高回復率をR15で表すと、Ro、R15は下記式より求められる。
R0(%)=〔(H−A0)/H〕×100
R15(%)=〔(H−A15)/H〕×100
但し、Hは元パイル高さ(mm)、A0はカットパイルカーペットのパイル面に75g/cmの荷重を15日間負荷し、荷重除去直後の荷重負荷面に生じた凹みの深さ(mm)、A15は同じく荷重除去15日経過後の凹みの深さ(mm)を示す。
【0022】
また同じく荷重除去後X日経過後の嵩高回復率をRxで表すと、Rxは下記式より求められる。
Rx(%)=〔(H−Ax)/H〕×100
但し、Axは荷重除去X日経過後の凹みの深さ(mm)を示す。
【0023】
本発明の異収縮混繊糸をパイル糸に用いてのパイルカーペットを製造するに際しては、カーペットの製法、パイル高さ、パイル目付等について特に制限はなく、パイルがループパイル或いはカットパイルであっても、本発明の異収縮混繊糸に基づく嵩高性、嵩高回復性、ソフトな風合付与が効果的に発揮される。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、糸の捲縮率、嵩高性及びカーペットの嵩高回復性は次のようにして評価した。
【0025】
捲縮率:
試料を束ねカセ状のサンプルを作成し、70℃で10分間乾熱で熱処理した後、10分以上放置する。カセサンプルの一端に測定荷重Aを掛け、1分後に糸長(L1)を測定する。
測定荷重A=繊度(dtex)×1/10×(2×巻き回数)
測定荷重Aを取り除き2分間放置した後、カセサンプルの一端に測定荷重Bを掛け、1分後に糸長(L2)を測定する。
測定荷重B=繊度(dtex)×1/10×(2×巻き回数)
下記計算式により捲縮率を算出する。
捲縮率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
【0026】
嵩高性:
釜径3.5吋、針数45本の英光産業(株)製一口筒編機を用いて作成した試料の編地サンプルの布厚を測定して嵩高性を評価した。
【0027】
カーペットのパイルの嵩高回復性:
試料糸をパイル糸とし、下記のカーペット規格
ゲージ 1/10G(緯方向のパイル密度)
ステッチ 9(緯方向のパイル密度、打ち込み数/吋)
パイル高さ 8mm
パイル目付け 320g/m
でカットパイルカーペット(カットパイルはループパイルをシャーリングして形成し、パイルの嵩高性の発現はバッキング処理時の加熱乾燥に拠る)を作成し、75g/cmの荷重をパイル面に15日間負荷し、荷重除去後X日間放置した。荷重除去後の荷重負荷面に生じた凹みの深さ(mm)を、荷重除去の直後(A0)、2日経過後(A2)、7日経過後(A7)、15日経過後(A15)、60日経過後(A60)に測定し、それぞれ経過後での嵩高回復率(R0、R2、R7、R15、R60)を測定した。
【0028】
(実施例1)
高収縮フィラメント用の高収縮成分として、光安定剤を0.1重量%含有したMFR30g/10分、エチレン含有率4重量%のエチレンプロピレンランダムコポリマー(日本ポリケム(株)SG03)と、光安定剤を0.1重量%含有したMFR30g/10分のポリプロピレンホモポリマーを50:50の重量比でブレンドしたものを用い、低収縮フィラメント用の低収縮成分として、光安定剤を0.1重量%含有したMFR30g/10分のポリプロピレンホモポリマーを用いた。
【0029】
高収縮成分の押出機温度を205℃、低収縮成分の押出機温度を205℃、紡糸頭温度を205℃に調整された溶融紡糸機を用い、高収縮成分と低収縮成分を同吐出量にして、高収縮成分は形状がY字形の60ホール、低収縮成分は形状が三角形の60ホールの紡糸口金から吐出して紡糸速度530m/分で引き取り、巻き取ることなく、引き続き延伸倍率2.7倍、延伸温度100℃で延伸し、熱セット温度125℃で熱セットした後、熱風温度180℃で緩和率20.1%の延伸エアー捲縮加工を行ない、1790dtex/120フィラメントの共に単繊維が異型断面の異収縮混繊糸を得た。
【0030】
得られた異収縮混繊糸は、高収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が45%、低収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が8%の異収縮混繊糸であり、高収縮フィラメントの単繊維がY字型断面、低収縮フィラメントの単繊維が三角断面で、高収縮フィラメント及び低収縮フィラメントの単繊維繊度が共にほぼ15dtexであり、製糸性も良好であった。また、得られた異収縮混繊糸は、疎毛調の捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示した。更にこの異収縮混繊糸をパイル糸に用いてカーペットを作成し、そのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0031】
(実施例2)
実施例1において、紡糸口金を、高収縮成分がY字形の40ホール、低収縮成分が三角形の60ホールに変更した以外は、実施例1と同様にして1780dtex/100フィラメントの異収縮混繊糸を得た。得られた異収縮混繊糸は、高収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が45%、低収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が8%であり、高収縮フィラメントの単繊維がY字型断面、単繊維繊度が22dtex、低収縮フィラメントの単繊維が三角断面、単繊維繊度が15dtexであり、製糸性も良好であった。また、得られた異収縮混繊糸は疎毛調の捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示したが、嵩高性は実施例1の混繊糸よりなるものより良好であった。カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0032】
(実施例3)
実施例1において、紡糸口金を、高収縮成分がY字形の40ホール、低収縮成分が三角形の80ホールに変更した以外は、実施例1と同様にして1780dtex/160フィラメントの異収縮混繊糸を得た。得られた異収縮混繊糸は、高収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が45%、低収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が8%であり、高収縮フィラメントの単繊維がY字型断面、単繊維繊度が22dtex、低収縮フィラメントの単繊維が三角断面、単繊維繊度が11dtexであり、製糸性も良好であった。また、得られた異収縮混繊糸は疎毛調の捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示したが、ソフト感が実施例2の混繊糸よりなるものより良好であった。カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0033】
(実施例4)
実施例1において、紡糸口金を、高収縮成分がY字形の60ホール、低収縮成分が円形の60ホールに変更した以外は、実施例1と同様にして1780dtex/120フィラメントの異収縮混繊糸を得た。得られた異収縮混繊糸は、高収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が45%、低収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が8%であり、高収縮フィラメントの単繊維がY字型断面、低収縮フィラメントの単繊維が円形断面で、単繊維繊度が共にほぼ15dtexであり、製糸性も良好であった。また、得られた異収縮混繊糸は疎毛調の捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示し、カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0034】
(実施例5)
実施例1において、紡糸口金を、高収縮成分が多芯中空形の60ホール、低収縮成分が円形の60ホールに変更した以外は、実施例1と同様にして、1780dtex/120フィラメントの異収縮混繊糸を得た。得られた異収縮混繊糸は、高収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が45%、低収縮フィラメントの乾熱130℃における熱収縮率が9%であり、高収縮フィラメントの単繊維が○に十字型の多芯中空断面、低収縮フィラメントの単繊維が円形断面で、単繊維繊度が共にほぼ15dtexであり、製糸性も良好であった。また、得られた異収縮混繊糸は疎毛調の捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示し、カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0035】
(比較例1)
MFR30g/10分の汎用のポリプロピレンホモポリマーを用い、紡糸口金として円形の120ホールを用い、押出機温度が205℃、紡糸頭温度が205℃に調整された溶融紡糸機を用いて溶融紡糸し、紡糸速度530m/分で引き取り、巻き取ることなく、引き続き延伸倍率2.7倍、延伸温度100℃で延伸し、熱セット温度125℃で熱セット後、熱風温度190℃で緩和率20.1%の延伸エアー捲縮加工を行ない、1790dtex/120フィラメントの糸を得た。得られた糸は乾熱130℃における熱収縮率が8%であり、単繊維が円形断面で、単繊維繊度が15dtexあり、嵩高性の低い捲縮糸であり、糸物性及び編地の嵩高性を表1に示し、カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0036】
(比較例2)
実施例1において、紡糸口金として、高収縮成分を円形の60ホール、低収縮成分を円形の60ホールに変更した以外は、実施例1と同様にして、1800dtex/120フィラメントの異収縮混繊糸を得た。得られた異収縮混繊糸は高収縮フィラメント及び低収縮フィラメントの単繊維が円形断面で、疎毛調の捲縮糸であり、製糸性も良好であったが、実施例1のものより嵩高性の低い捲縮糸であった。糸物性及び編地の嵩高性を表1に示し、カーペットのパイルの嵩高回復性を表2に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003753654
【0038】
【表2】
Figure 0003753654
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系異収縮混繊糸は、織編物用素材として用いられるが、特にカーペット用原糸として有用な十分な嵩高性とソフトな風合を与えるものであり、またかかるポリオレフィン系異収縮混繊糸からなるカーペットは長期間の使用に対しても優れた嵩高回復性を示す。また、本発明のポリオレフィン系異収縮混繊糸を用いてなる繊維製品、特にカーペットはその廃棄、焼却時に有害物質を発生しないというポリオレフィン系物質特有の利点も有する。

Claims (3)

  1. エチレン含有率1〜4重量%のエチレンプロピレンランダムコポリマーを含んでなる乾熱130℃における熱収縮率が25〜45%の高収縮フィラメント糸と、ポリプロピレンホモポリマーからなる乾熱130℃における熱収縮率が10%以下の低収縮フィラメント糸との混繊糸からなり、少なくとも該高収縮フィラメント糸の単繊維断面が異型断面であり、該高収縮フィラメント糸の単繊維繊度が低収縮フィラメント糸の単繊維繊度以上であるポリオレフィン系異収縮混繊糸にてパイルが形成された繊維製品であって、下記(1)、(2)の要件を満足することを特徴とするパイル繊維製品
    (1)75g/cm の荷重をパイル面に15日間負荷し、荷重除去直後の嵩高回復率が70%以上である。
    (2)荷重除去後15日経過後の嵩高回復率が100%である。
  2. 高収縮フィラメント糸及び低収縮フィラメント糸を構成するポリマーが、それぞれメルトフロレート5〜50g/10分のポリマーである請求項1に記載のパイル繊維製品
  3. 異収縮混繊糸が、捲縮加工された混繊糸である請求項1又は請求項2に記載のパイル繊維製品
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