JP2915818B2 - からくり人形 - Google Patents

からくり人形

Info

Publication number
JP2915818B2
JP2915818B2 JP7039700A JP3970095A JP2915818B2 JP 2915818 B2 JP2915818 B2 JP 2915818B2 JP 7039700 A JP7039700 A JP 7039700A JP 3970095 A JP3970095 A JP 3970095A JP 2915818 B2 JP2915818 B2 JP 2915818B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
doll
swing
driving
swings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7039700A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08229246A (ja
Inventor
聡 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIZUMU TOKEI KOGYO KK
Original Assignee
RIZUMU TOKEI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIZUMU TOKEI KOGYO KK filed Critical RIZUMU TOKEI KOGYO KK
Priority to JP7039700A priority Critical patent/JP2915818B2/ja
Publication of JPH08229246A publication Critical patent/JPH08229246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2915818B2 publication Critical patent/JP2915818B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Toys (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、からくり時計等のか
らくり人形に用いられ、腕部の複合的な腕振り動作と上
体の多方向への傾斜運動とにより、実際の楽器演奏に近
いからくり動作を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、からくり時計等に用いられるか
らくり人形は、隠蔽箇所から登場動作するもの、オルゴ
ール音その他の音響効果が連動されたり、照明によりラ
イトアップされるものが知られている。また、からくり
人形自体の動作としても、表情を変化させるものや、各
種のからくり演技動作するもの等がある。
【0003】このようなからくり人形は、そのからくり
動作態様数が、多ければ多い程、興趣を増して観者を引
き付け、商品としての価値を高め得ることとなる。そし
て、からくり動作は、一般的にモータにより駆動される
偏心カム、該偏心カムに接続された作動杆、該作動杆に
接続されたリンク機構や作動カム体によって与えられて
おり、各からくり演技動作に対応して、これらのモー
タ、偏心カム、作動杆、リンク機構等から構成される各
々一組みのからくり動作機構が必要とされていた。
【0004】このようなからくり人形に、例えば、バイ
オリン等の楽器を演奏させる場合には、曲げた状態に固
定された腕部を、ソレノイド等を用いた揺動機構により
揺動させ、演奏動作させるのが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来のからく
り人形においては、人形の一つのからくり動作に対応し
て、からくり動作機構が必要となるので、からくり動作
態様数を増そうとすると、多数のからくり動作機構を用
いる必要があり、からくり装置全体が大型化するととも
に、装置自体が大がかり且つ構造が複雑となり、コスト
高を招く等の不都合を生じた。
【0006】また、特に、屈曲した腕部を揺動させて演
奏動作させている場合には、実際の人間の動作と異な
り、単純且つ単調な演奏動作となり、演技表情に乏しく
興趣に欠けるという不都合があった。
【0007】本発明は、腕部の複合的な腕振り動作と上
体の多方向への傾斜運動とにより、実際の人間による演
奏動作に近いからくり動作が可能なからくり人形を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に係る発
明は、腕部の腕振り動作により楽器演奏を行うからくり
人形において、前記腕部が、駆動源により所定の方向に
揺動又は回転運動する第1動作腕部と、駆動源により作
動し前記第1動作腕部とは別の方向に揺動又は回転運動
する第2動作腕部とを備えて構成され、前記第1動作腕
部及び第2動作腕部の各基端は、前記腕部の先端側で連
係して設けられ、前記第1動作腕部及び第2動作腕部の
それぞれの動作によって前記腕部の動作が形成される
のであって、前記第1動作腕部は、該第1動作腕部の揺
動又は回転運動により揺動する第1動作腕部本体を備
え、前記第2動作腕部は、基端に前記第1動作腕部本体
に軸支される歯車を有するとともに先端側が前記駆動源
により揺動する原動アーム部材と、基端に前記原動アー
ム部材の前記歯車と噛合する歯車を有するとともに該基
端が前記第1動作腕部の前記基端に揺動可能に軸支され
る第2腕部本体と、を備えたからくり人形である。
【0009】本願第2請求項に係る発明は、腕部の腕振
り動作により疑似楽器演奏を行い、前記腕部が設けられ
た人形本体が多重揺架を介して台座上に配設されたから
くり人形であって、前記腕部が設けられた人形本体の下
側又は台座の上側に、設けられたモータ駆動の駆動円板
と、該駆動円板の偏心位置に、対面する台座又は人形本
体を貫通する固設された駆動ロッドと、前記人形本体を
揺動可能に支持する第1揺架と、前記第1揺架を、異方
向に揺動可能に支持し、台座に固定された第2揺架と、
各揺架に前記駆動ロッドを嵌挿する長孔を設けるととも
に、該各長孔が各揺架の軸支線上に沿って、前記回転円
板の回転に伴う駆動ロッドの移動を規制しない長さに設
定され、前記駆動円板の回転により円周上を移動する駆
動ロッドと、該駆動ロッドの移動時点で移動を規制する
揺架の長孔と係合により、人形本体を該揺架の支持方向
に傾斜運動させる構成のからくり人形である。
【0010】
【作用】従って、本発明のからくり人形によれば、揺動
運動する第1動作腕部と、該第1動作腕部に連係して揺
動運動する第2動作腕部を設けたので、全体として複合
的な腕振り動作が可能となり、また、人形本体を多重揺
架により多方向に揺動可能に支持し、人形本体を該揺架
の支持方向に順次、傾斜運動させることができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を図1ないし図8に示す実施
例に基づいて説明する。すなわち、図1ないし図3に示
すように、本実施例のからくり人形1は、直方体形状の
台座2上に座った人形本体3が、図示を省略した左腕部
に楽器としてバイオリンを抱え、右腕部にバイオリンを
演奏する弓を持った人形とされている。そして、動作時
には、右腕部を上げ下げしながら曲げ伸してバイオリン
を演奏するとともに、この演奏に合せて上体である人形
本体3を前後左右に揺すり、実際の人間によるバイオリ
ン演奏動作に近いからくり動作を行う構成とされてい
る。
【0012】すなわち、このからくり人形1は、人形本
体3と、この人形本体3に装着され、右腕であり複合的
な腕振り運動する腕部5と、この人形本体3を台座2上
に前後左右方向に揺動可能に支持する多重揺架6を有
し、人形本体3を多数方向に傾斜運動させる傾斜駆動部
7とから構成されている。
【0013】この腕部5は、第1モータ機構10により
上下に揺動駆動される第1動作腕部11と、この第1動
作腕部11に設けられ、第2モータ機構12により左右
に揺動駆動される第2動作腕部13とから構成されてい
る。そして、第1動作腕部11が上下に揺動駆動され、
同時に、この上下に揺動される第1動作腕部11に設け
られた第2動作腕部13が左右に揺動駆動され、バイオ
リン演奏するからくり演技動作するようになっている。
また、傾斜駆動部7は、多重揺架6により支持された人
形本体3を、第1モータ機構10の駆動力を用いて、多
重揺架6の支持方向である前後左右方向に順次、揺動さ
せ、バイオリン演奏に協調して上体である人形本体3を
揺するようになっている。
【0014】この第1動作腕部11は、人形本体3の下
側に設置され、第1モータ機構10により回転駆動され
る原動カム体15と、同原動カム体15に下端が当接さ
れた上下作動ロッド16と、この上下作動ロッド16の
上端が、先端に接続された揺動レバー17と、この揺動
レバー17の基端が結合され、人形本体3に水平に軸支
された中間軸18と、この中間軸18に基端が結合され
たL字状の第1動作腕部本体19とから構成されてい
る。
【0015】この原動カム体15は、円板状に形成さ
れ、人形本体3の下側に水平に設置されている。また、
原動カム体15の外周には外歯15aが刻設され、第1
モータ機構10の駆動歯車21aに接続されている。こ
の第1モータ機構10は、定速回転する電動モータ20
と、このモータ回転速度を所定に減速するギアボックス
21と、このギア軸に結合された大型の駆動歯車21a
とから構成されている。従って、原動カム体15は、第
1モータ機構10によって、所定の速度に回転駆動され
る。
【0016】更に、原動カム体15の上面には、3段階
の高さを持つ円周壁15bが形成され、この円周壁15
bの上縁により、上下作動ロッド16の下端を保持して
いる。
【0017】この上下作動ロッド16は、略長棒状に形
成され、中間を人形本体3のガイド部材23により垂直
に支持され、上下にスライド移動可能になっている。ま
た、この上下作動ロッド16の上下端は、それぞれ、反
対方向に屈曲され、上端は揺動レバー17の先端に、下
端は第1モータ機構10により回転駆動される原動カム
体15の円周壁15bに、接続されている。従って、原
動カム体15の回転に伴ない、この原動カム体15の円
周壁15bに当接する上下作動ロッド16は、上下方向
の3ポジションにスライド移動するようにしている。
【0018】この揺動レバー17は、長板により形成さ
れ、先端が上下作動ロッド16の上端に接続され、基端
が中間軸18に結合され、この中間軸18によって人形
体に軸支されている。従って、先端に接続された上下作
動ロッド16の上下スライド移動により、揺動レバー1
7が揺動するようになっている。尚、この揺動レバー1
7の揺動角度は、揺動レバー17自体の長さや、上下作
動ロッド16の長さ、及び原動カム体15の円周壁15
bの高さにより任意に設定することが可能である。
【0019】この中間軸18は、人形本体3に水平に軸
支され、一端には揺動レバー17の基端が、他端には第
1動作腕部本体19の基端が結合されている。従って、
揺動レバー17の揺動運動に伴ない、第1動作腕部本体
19を同様に揺動運動させるようになっている。
【0020】この第1動作腕部本体19は、平板により
平面視が略L字形状に形成され、この屈曲部から先端側
の部分が、からくり人形の二の腕に該当している。ま
た、基端が中間軸18に結合され、この中間軸18によ
って人形体に軸支されている。更に、先端には、軸支さ
れた歯車32,33を介して、後述する第2動作腕部1
3の原動アーム部材27と第2動作腕部本体28とが接
続されている。
【0021】従って、原動カム体15の回転に伴ない、
上下作動ロッド16が上下にスライド移動し、このロッ
ド16の上端に接続された揺動レバー17が揺動され、
この揺動レバー17の中間軸18に同軸として固定され
た第1動作腕部11が同様に揺動する。
【0022】上記第2動作腕部13は、人形本体3の上
側に設置され、第2モータ機構12により回転駆動され
る駆動円板25と、この駆動円板25の駆動ピン25a
に基端が接続され水平作動部材26と、この水平作動部
材26の先端が接続された原動アーム部材27と、この
原動アーム部材27に接続された第2動作腕部本体28
と、この第2動作腕部本体28の先端に軸支された手部
29とから構成されている。すなわち、第1動作腕部本
体19の先端側に軸支され、噛合された2つの歯車の中
間側の歯車32に、原動アーム部材27の基端が結合さ
れ、先端側の歯車33に第2動作腕部本体28が結合さ
れている。また、この手部29には、バイオリンの弓を
模したピアノ線bが固着され、このピアノ線bの先端
は、バイオリンの弦部を模したフレーム枠a内に位置し
ており、後述する複合的な腕振り運動により、弓を弦に
摺動させるバイオリン演奏のからくり演技動作を行うよ
うにしている。
【0023】この駆動円板25は、円板状に形成され、
人形本体3の上側に水平に設置されている。また、この
駆動円板25の下側には歯車部25bが形成され、この
歯車部25bは、第2モータ機構12の駆動歯車31a
に噛合されている。この第2モータ機構12は、定速回
転する電動モータ30と、このモータ回転速度を所定に
減速するギアボックス31と、このギアボックス31の
ギア軸に固定された駆動歯車31aとから構成されてい
る。従って、駆動円板25は、第2モータ機構12によ
って、所定の速度に回転駆動される。
【0024】更に、駆動円板25上面の偏心位置には、
所定高さの駆動ピン25aが突設され、この駆動ピン2
5aは、水平作動部材26の基端に設けられた長孔に係
合されている。
【0025】この水平作動部材26は、平板によりT字
形状に形成され、基端に、駆動円板25の回転による駆
動ピン25aの偏心幅と等しい長さの長孔26aが設け
られている。また、水平作動部材26の中間部は、図示
を省略した人形本体3の取付け孔により支持され、その
長手方向にスライド移動可能に保持されている。この水
平作動部材26の先端は、原動アーム部材27の自由端
に接続されている。従って、駆動円板25の回転に伴な
い、この駆動円板25の駆動ピン25aに基端の長孔2
6aが係合された水平作動部材26は、水平方向にスラ
イド移動されるようにしている。尚、この駆動ピン25
aの高さ、及び、長孔26aの幅は、必要より余裕を持
たせて設けられており、前述した第1動作腕部11の上
下方向の揺動運動により、相対的な位置関係が変化して
も、スムーズな動作を維持できるようにしている。
【0026】この原動アーム部材27は、平板により長
板状に形成され、先端が水平作動部材26の先端に接続
されている。また、基端が第1動作腕部本体19の先端
側に軸支された歯車32に結合され、この歯車32は、
同様に軸支された歯車33に噛合され、この歯車33に
は、第2動作腕部本体28が結合されている。
【0027】この第2動作腕部本体28は、平板により
長板状に形成され、基端が第1動作腕部本体19の先端
側に軸支された歯車33に結合され、この歯車33を介
して、原動アーム部材27に結合された歯車32に接続
されている。これらの歯車32,33の歯車比は、同一
とされている。従って、第2動作腕部本体28が揺動す
ると、この揺動角度と同一角度に第2動作腕部本体28
が揺動するようになっている。
【0028】更に、第2動作腕部本体28の自由端に
は、手部29が枢着されており、この手部29には、長
棒状のピアノ線を用いた弓部bが固着されている。この
弓部bの先端は、バイオリンの弦部を模したフレームa
内に位置されている。従って、第2動作腕部本体28が
揺動動作した場合には、手部29の弓部がフレームと摺
動しているので、手部29自体が僅かに逆方向に揺動
し、手部29と第2動作腕部本体28との角度が変化す
ることになる。
【0029】従って、図4に示すように、この駆動円板
25の回転に伴ない、この駆動円板25の駆動ピン25
aが偏心運動し、この駆動ピン25aに長孔を介して係
合している水平作動部材26が左右にスライド駆動され
る。そして、この水平作動部材26の先端に接続されて
いる原動アーム部材27が揺動し、この揺動運動を互い
の基端に結合された歯車32,33を介して第2動作腕
部本体28に伝達し、第2動作腕部本体28が、原動ア
ーム部材27と同様に揺動する。
【0030】尚、本実施例においては、歯車比を同一と
したが、これに限らず、所定の歯車比により構成して、
より大きくまたは小さく揺動させたりしてもよい。ま
た、歯車自体の組合せや、設置方法も任意に設定するこ
とができる。すなわち、ウォームギアと歯車を組合せた
り、傘歯車同士を組合せて、異なる方向に揺動させるよ
うに構成するようしても良い。
【0031】また、スライド部材の基端にピンを突設
し、このピンを係合するカム溝を大型の回転円板に設
け、このカム溝に任意なパターンを持たせることによ
り、スライド部材を所定にスライド運動させて、より複
雑な腕部の揺動動作を行わせるようにしてもよい。例え
ば、前腕部を伸す動作を、より大きく、また長い時間行
わせるようにすることもできる。
【0032】上記傾斜駆動部7は、図5に示すように、
人形本体3を前後左右方向に揺動可能に支持する多重揺
架6と、第1モータ機構10の駆動力により回転駆動さ
れ、傾斜運動させる駆動ロッド35aが設けられた駆動
円板35とから構成されている。この多重揺架6は、人
形本体3を左右方向に揺動可能に支持する第1揺架36
と、台座2に固定され、第1揺架36を前後方向に揺動
可能に支持する第2揺架37とから構成されている。
【0033】すなわち、この駆動円板35は、上述した
原動カム体15と同軸に固定され、原動カム体15と同
様に、第1モータ機構10により一定速度で回転駆動さ
れる。また、この駆動円板35の下面の所定の偏心位置
には、下方に突出された駆動ロッド35aが強固に固定
されている。この駆動ロッド35aは、長棒状に形成さ
れ、剛性強度が十分な金属が用いられている。従って、
この駆動ロッド35aにより、後述する人形本体3の傾
斜運動を確実に行えるようにしている。また、この駆動
ロッド35aの長さは、台座2を貫通する長さに設定さ
れ、多重揺架6の第1,第2揺架36,37に設けられ
た長孔38,39を貫通している。
【0034】すなわち、この第1揺架36は、平面視が
からくり人形1の前後左右方向に沿った十字形状に形成
され、各対向端部には支持片36a,36bが立設さ
れ、支持片36a,36b先端側の水平対向箇所には、
支軸36c,36dが設けられている。また、前後方向
の対向端部の支持片36bの高さは、左右方向の対向端
部の支持片36aの高さより、高く設定され、互いの支
軸36c,36dが直交しつつも異なる高さに設けられ
ている。そして、この前後方向の支軸36dにより、人
形本体3が第1揺架36に軸支され、左右方向の支軸3
6cにより、第1揺架36が第2揺架37に軸支されて
いる。
【0035】また、第2揺架37は、第1揺架36の左
右幅に等しい間隙を空けて、台座2上に所定高さの支持
片37aが立設されて形成されている。また、これらの
支持片37a先端側の水平対向箇所には軸孔37bが設
けられ、この左右方向に沿った軸孔37bにより、第1
揺架36の左右方向の支軸36cを支持し、台座2に固
定された第2揺架37に、第1揺架36を前後方向に揺
動可能に軸支している。従って、これらの第1,第2揺
架36,37を介して人形本体3が台座2上に支持され
ているので、人形本体3を左右前後に傾斜させることが
できる。
【0036】また、これらの第1,2揺架36,37に
は、駆動ロッド35aを嵌挿する長孔38,39が設け
られている。これらの長孔38,39は、各揺架36,
37の軸支線上に沿った方向に設けられるとともに、各
長孔38,39の長さは、回転円板の回転に伴う駆動ロ
ッド35aの移動を規制しない長さに設定されている。
すなわち、第1揺架36の長孔38は、からくり人形1
の前後方向に沿って形成され、その長さは、駆動円板3
5の回転に伴ない駆動ロッド35aが偏心する幅に等し
く設定されている。同様に、第2揺架37の長孔39
は、からくり人形1の左右方向に沿って形成され、その
長さは、第1揺架36の傾斜に伴ない駆動ロッド35a
の偏心幅が減少するので、第1揺架36に設けられた長
孔38より短縮された長さに設定されている。
【0037】尚、本実施例においては、人形本体3に傾
斜駆動部7を設けたが、これに限らず、人形本体3下方
の台座2に設けた構成としてもよい。また、第1揺架3
6の軸支方向と、第2揺架37の軸支方向とを直交させ
た方向としたが、これに限られることなく鈍角又は鋭角
等のような任意に設定することができる。これに加え
て、揺架を更に多段に重ね合わせるように追加し、傾斜
方向が多数方向となるように構成してもよい。更に、各
支軸を台座2上の異なる高さに配設したが、同一高さに
設けるようにしてもよく、その揺架の支軸から同じ揺架
の長孔までの距離や、駆動ロッド35aの基端から、こ
の駆動ロッド35aに係合する揺架の長孔までの距離を
適宜に設定することにより、該揺架による人形本体3の
傾斜角度を任意に設定することもできる。すなわち、両
者の距離が短いほど、傾斜角度が増加することになる。
また更に、各揺架に設ける長孔の形状も、単純なもので
はなく、中間を屈曲や湾曲させたり、波状に形成してよ
く、一方向にのみ傾斜したり、人形本体3を細かく揺す
るような、より複雑な傾斜運動を行わせるようにしても
良い。
【0038】次に、本実施例のからくり人形体の傾斜運
動を説明する。まず、図6に示すように、駆動円板35
の駆動ロッド35aが、からくり人形1の最左側に位置
した場合には、この駆動ロッド35aの先端側は、第2
揺架37の長孔内39の一端側に係合移動するのに対し
て、第1揺架36の長孔38の幅方向に移動しようとし
て、この長孔38により動きが規制されることになる。
この結果、第1揺架36の前後方向の支軸36dを支点
中心として、駆動ロッド35a先端側と第1揺架36の
長孔38との係合箇所が駆動支点となり、作用支点とな
った駆動ロッド35a基端が揺動運動し、人形本体3が
左側に傾斜することになる。また、この場合には、第1
揺架36の前後方向の支軸36dと長孔38までの距離
が、第2揺架37と比べて長いので、傾斜角度は少なく
なっている。
【0039】次に、駆動円板35が時計方向に1/4右
回転して、駆動ロッド35aが人形体前側の回転位置に
なった場合には、図7に示すように、上記駆動ロッド3
5aの回転位置とは逆に、この駆動ロッド35aの先端
側が、第1揺架36の長孔38内の前端側に位置するの
に対して、第2揺架37の長孔39により、動きを規制
されることになる。この結果、第2揺架37の支軸37
bを支点中心として、駆動ロッド35a先端と第2揺架
37の長孔39との係合箇所が駆動支点となり、駆動ロ
ッド35aが傾斜状態となって、第1揺架36を前傾
し、この第1揺架36に支持されている人形本体3も前
傾することになる。また、この場合には、第2揺架37
の支点と長孔39までの距離が、第1揺架36と比べて
短いので、傾斜角度は大きくなっている。
【0040】以下、駆動円板35が、さらに1/4回転
した場合には、図8及び図9に示すように、対応する半
回転位置の逆方向に傾斜することになり、一回転後には
図6の状態に復帰し、駆動円板35の回転に伴ない同様
に繰返される。従って、図10に示すように、人形本体
3は、単なる円錐状の軌跡を描く機械的な揺動運動では
なく、中間過程を経て移行する複合的な揺動運動を行う
ことになる。すなわち、同図中に示すように、人形本体
3の中心線Lの先端部は、円状の軌跡線Xでは無く、軌
跡線Yのように各傾斜状態を頂点とする軌跡を描くこと
になる。
【0041】尚、本実施例においては、独立した2つの
モータ駆動機構により、腕部及び傾斜駆動部を駆動する
構成としたが、単一のモータ機構から各部に駆動力を供
給しても良く、より各部を協調させた動作を行わせるこ
とができる。
【0042】また、楽器演奏のからくり人形について説
明したが、腕部の複合的な動きにより、ある特定動作を
行うものに適用することも可能であり、より複雑精巧な
動きにより高度な表現動作を行うことができる。
【0043】以上説明したように、本実施例のからくり
人形によれば、揺動運動する第1腕部に、歯車を介して
揺動運動する第2腕部を設けたので、全体として複合的
な腕振り動作が可能となり、また、人形本体を多重揺架
により多方向に揺動可能に支持し、人形本体を該揺架の
支持方向に順次、傾斜運動させたので、実際の人間によ
る演奏動作に近いからくり動作が可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、揺動運
動する第1動作腕部と、該第1動作腕部に連係して揺動
運動する第2動作腕部を設けたので、全体として複合的
な腕振り動作が可能となる。更に、本発明は、人形本体
を多重揺架により多方向に揺動可能に支持し、人形本体
を該揺架の支持方向に順次、傾斜運動させたので、実際
の人間による演奏動作に近いからくり動作が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係り、全体の概略構成を示
すからくり人形の正面図。
【図2】本実施例のからくり人形の側面図。
【図3】本実施例のからくり人形の概略構造を説明する
縦断面図。
【図4】本実施例のからくり人形の腕部の概略構造を示
す一部省略した斜視図。
【図5】本実施例のからくり人形の傾斜駆動部を示す一
部省略した斜視図。
【図6】本実施例のからくり人形の左傾斜状態の動作を
示し、(a)は同状態時のからくり人形の正面図、
(b)は右側面図。
【図7】本実施例のからくり人形の前傾斜状態の動作を
示し、(a)は同状態時のからくり人形の正面図、
(b)は右側面図。
【図8】本実施例のからくり人形の後傾斜状態の動作を
示し、(a)は同状態時のからくり人形の正面図、
(b)は右側面図。
【図9】本実施例のからくり人形の左傾斜状態の動作を
示し、(a)は同状態時のからくり人形の正面図、
(b)は右側面図。
【図10】本実施例のからくり人形の全体の傾斜動作を
説明する概念図。
【符号の説明】
1 からくり人形 2 台座 3 人形本体 5 腕部(右腕) 6 多重揺架 7 傾斜駆動部 10 第1モータ機構 11 第1動作腕部 12 第2モータ機構 13 第2動作腕部 15 原動カム体 15a 原動カム体の外歯 15b 原動カム体の円周壁 16 上下作動ロッド 17 揺動レバー 18 中間軸 19 第1動作腕部本体 20 第1モータ機構の電動モータ 21 第1モータ機構のギアボックス 21a 第1モータ機構の駆動歯車 23 上下作動ロッドを垂直支持するガイド部材 25 駆動円板 25a 駆動円板の駆動ピン 26 水平作動部材 26a 水平作動部材の長孔 27 原動アーム部材 28 第2動作腕部本体 29 手部 30 第2モータ機構の電動モータ 31 第2モータ機構のギアボックス 31a 第2モータ機構の駆動歯車 32 原動アーム部材の歯車 33 第2動作腕部本体の歯車 35 駆動円板 35a 駆動円板の駆動ロッド 36 第1揺架 36a 第1揺架の左右方向に対向する支持片 36b 第1揺架の前後方向に対向する支持片 36c 第1揺架の左右方向の支軸 36d 第1揺架の前後方向の支軸 37 第2揺架 37a 第2揺架の左右方向に対向する支持片 37b 第2揺架の支持片の軸孔 38 第1揺架の長孔 39 第2揺架の長孔 a バイオリンの弦部フレーム b バイオリンの弓

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腕部の腕振り動作により楽器演奏を行う
    からくり人形において、 前記腕部が、駆動源により所定の方向に揺動又は回転運
    動する第1動作腕部と、駆動源により作動し前記第1動
    作腕部とは別の方向に揺動又は回転運動する第2動作腕
    部とを備えて構成され、 前記第1動作腕部及び第2動作腕部の各基端は、前記腕
    部の先端側で連係して設けられ、前記第1動作腕部及び
    第2動作腕部のそれぞれの動作によって前記腕部の動作
    が形成されるものであって、 前記第1動作腕部は、該第1動作腕部の揺動又は回転運
    動により揺動する第1動作腕部本体を備え、 前記第2動作腕部は、基端に前記第1動作腕部本体に軸
    支される歯車を有するとともに先端側が前記駆動源によ
    り揺動する原動アーム部材と、基端に前記原動アーム部
    材の前記歯車と噛合する歯車を有するとともに該基端が
    前記第1動作腕部の前記基端に揺動可能に軸支される第
    2腕部本体と、を備えたこと を特徴とするからくり人
    形。
  2. 【請求項2】 腕部の腕振り動作により疑似楽器演奏を
    行い、前記腕部が設けられた人形本体が多重揺架を介し
    て台座上に配設されたからくり人形であって、 前記腕部が設けられた人形本体の下側又は台座の上側
    に、設けられたモータ駆動の駆動円板と、 該駆動円板の偏心位置に、対面する台座又は人形本体を
    貫通する固設された駆動ロッドと、 前記人形本体を揺動可能に支持する第1揺架と、 前記第1揺架を、異方向に揺動可能に支持し、台座に固
    定された第2揺架と、 各揺架に前記駆動ロッドを嵌挿する長孔を設けるととも
    に、該各長孔が各揺架の軸支線上に沿って、前記回転円
    板の回転に伴う駆動ロッドの移動を規制しない長さに設
    定され、 前記駆動円板の回転により円周上を移動する駆動ロッド
    と、該駆動ロッドの移動時点で移動を規制する揺架の長
    孔と係合により、人形本体を該揺架の支持方向に傾斜運
    動させることを特徴とするからくり人形。
JP7039700A 1995-02-28 1995-02-28 からくり人形 Expired - Lifetime JP2915818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7039700A JP2915818B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 からくり人形

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7039700A JP2915818B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 からくり人形

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08229246A JPH08229246A (ja) 1996-09-10
JP2915818B2 true JP2915818B2 (ja) 1999-07-05

Family

ID=12560299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7039700A Expired - Lifetime JP2915818B2 (ja) 1995-02-28 1995-02-28 からくり人形

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2915818B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4585284B2 (ja) * 2004-11-10 2010-11-24 株式会社ニューギン 遊技機の発光演出装置
JP4585283B2 (ja) * 2004-11-10 2010-11-24 株式会社ニューギン 遊技機の演出装置
CN102794024B (zh) * 2012-07-16 2014-09-03 西安交通大学 机械提线木偶

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0558199U (ja) * 1992-01-24 1993-08-03 株式会社三協精機製作所 人形等のアクションユニット
JP2545863Y2 (ja) * 1992-07-03 1997-08-27 リズム時計工業株式会社 設備時計の装飾体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08229246A (ja) 1996-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2920358B2 (ja) パチンコ機
JP2007185445A (ja) 遊技機用の演出装置
JP2915818B2 (ja) からくり人形
US3775900A (en) Toy doll
US6416380B1 (en) Motion toy
JP5385552B2 (ja) 遊技機用演出部材の可動機構
JP3187328B2 (ja) からくり人形
JP3088935B2 (ja) 飾り体動作構造
JPH0746314Y2 (ja) アクション機能付打音オルゴール
JPH0733190Y2 (ja) 文字板開閉式時計
JP2003038779A (ja) 図柄表示装置及び遊技機
JP2842582B2 (ja) オルゴール付アクション駆動ユニット
JPH0558199U (ja) 人形等のアクションユニット
JPH0712953Y2 (ja) からくり時計の人形駆動装置
CN2193188Y (zh) 由偏心轴驱动的水晶球外摆动机构
JPH067509A (ja) パチンコ機
CN2743005Y (zh) 动态玩偶
JP6611123B2 (ja) 遊技機
JPH0523799B2 (ja)
JPH0895558A (ja) オルゴ−ル装置
JPH02211193A (ja) 動作体
JPH0416710Y2 (ja)
JPH04124296U (ja) 揺動装置付オルゴール
JPH0440988A (ja) 動作装飾体
JP2019005671A (ja) 遊技機