JP2915196B2 - 光ファイバ素材及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ素材及びその製造方法

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JP2915196B2
JP2915196B2 JP3356913A JP35691391A JP2915196B2 JP 2915196 B2 JP2915196 B2 JP 2915196B2 JP 3356913 A JP3356913 A JP 3356913A JP 35691391 A JP35691391 A JP 35691391A JP 2915196 B2 JP2915196 B2 JP 2915196B2
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修三 長岡
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧着工具を用いて金属
チューブを光ファイバ心線と一体化している光ファイバ
素材及びその製造方法に関し、金属チューブの固定,全
体の気密化又は接続部保護などに容易且つ広範囲に適用
できる光ファイバ素材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】細くて可撓性を有する光ファイバは、表
面保護のためにUV樹脂又はナイロン樹脂などを被覆し
ている。この光ファイバ心線を発光素子や受光素子と結
合するには、樹脂被覆層を除去した単心の光ファイバを
円筒形フェルールに挿入して接着剤で固定したり、直接
樹脂で射出成形する。受発光素子のアレー化には、多心
光ファイバリボンの各ファイバを溝形シリコンチップの
V溝にそれぞれ嵌入し、全体を接着剤で固定した多心フ
ェルールやシリコンチップは、その端面が光ファイバと
ともに研磨され、固定された状態のままで用いられてい
る。
【0003】 また、真空容器内部における計測制御や
物性測定の際に、各種のセンサで計測したアナログ信号
をデジタル信号や周波数変調してから、光ファイバによ
って容器外部へ伝送することがある。従来では、光ファ
イバで真空容器の内部から外部へ信号を気密アダプタを
介して伝送し、該気密アダプタにおいてかなりの伝送損
失を発生していた。
【0004】 一方、光ファイバ心線は、光通信などへ
の実際の使用に際して光ファイバ同士の先端面を高温で
溶かし、互いに融着した状態で固定する融着接続を行な
う。融着接続前には、光ファイバ先端部のプラスチック
皮膜を除去して裸にするため、融着接続後に接続個所を
補強することが必要である。従来の補強方法としては、
融着接続後に金属線入りの熱収縮チューブを接続個所上
に嵌合配置してから、該チューブを加熱収縮させて全体
を一体化したり、光ファイバの接続個所において被覆樹
脂と同じ熱可塑性樹脂を筒状に射出成形している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバをフェルー
ルに固定するのに用いる接着剤又は射出モールドは、有
機材料であるために耐熱性が低く、且つ熱膨張係数が大
きいので温度変化によって光軸ずれなどを発生しやす
い。受発光素子のアレー化に用いる溝形シリコンチップ
は、あらかじめ一定数のV溝を刻設しているために光フ
ァイバの本数や間隔に対する自由度がない。
【0006】 このため、本発明者らは、金属皮膜をコ
ートした光ファイバの端部に半田めっきを施し、複数本
等間隔に配列してから半田めっきを加熱して心線列全体
を融着させる方法を提案している。この方法において、
半田めっきは、有機材料である接着剤又は射出モールド
よりも耐熱性が高いけれども、加熱限界温度は150℃
程度に限定されるうえに、半田めっきを施した光ファイ
バ心線を複数本等間隔に配列してから加熱融着させる工
程が煩雑である。
【0007】 また、真空容器内部の計測制御などにお
いて、気密アダプタで発生する伝送損失を回避するに
は、気密アダプタを介さずに光ファイバ心線を真空容器
壁を貫通すればよいが、光ファイバはきわめて折れやす
いために、プラスチック被覆した程度の光ファイバ心線
を直接貫通させることはできない。光ファイバ心線を金
属キャピラリに挿入するとしても、該ファイバ心線の外
周とキャピラリ内周との間が気密にならず、金属キャピ
ラリの造管技術による細径化にも限界がある。
【0008】 光通信などへの使用に際しては、裸にさ
れた光ファイバ心線の接続個所において熱収縮チューブ
を嵌合固着したり、熱可塑性樹脂を筒状に射出成形して
も、その接続個所を十分には補強したことにならない。
このように補強しても、融着接続した光ファイバ心線
は、その接続個所から熱損傷を受ける場合がしばしばあ
る。
【0009】 本発明者らは、石英光ファイバの特性に
ついて研究した結果、光ファイバは直径方向への圧縮力
に対して強いけれども、裸の光ファイバには微細な傷が
発生しやすく、僅かの曲りに対してもきわめて弱いとい
う性質を有することを見出した。この性質から、光ファ
イバは均一に圧縮されている部分では圧縮応力に十分耐
えられるが、圧縮部分と開放部分との境目a(図6参
照)に致命的な弱点が存在することが明らかである。
【0010】 これに対し、金属皮膜をコートした光フ
ァイバ心線は、全周が強固な金属皮膜で保護されている
のでいっそう高い圧縮力に耐えることができ、且つ圧縮
部分と開放部分との境目aにおいても十分な強度を保持
する。本発明は、金属皮膜をコートした光ファイバ心線
の前記の特性を利用して、圧着加工で圧縮変形された金
属チューブによって光ファイバ心線を固定する耐熱性が
優れた光ファイバ素材及びその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0011】 本発明の他の目的は、金属チューブを嵌
合してから数回圧着加工するだけで容易に気密性を高く
できる光ファイバ素材の製造方法を提供するものであ
る。また、本発明の別の目的は、光ファイバの本数や間
隔に対する自由度を有し且つ安価な光ファイバアレーを
提供することである。また、心線の接続個所において
も、心線本体と同様の耐熱性を維持する接続光ファイバ
心線の保護方法を提供することも目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る光ファイバ素材1は、図1(3)に示
すように、光ファイバ2上に金属皮膜3をコートした光
ファイバ心線4と、該光ファイバ心線と嵌合配置する細
長い金属チューブ5とからなる。光ファイバ2上にコー
トする金属皮膜3は、光ファイバ2上に直接コートして
もよいが、通常は光ファイバ2にカーボン皮膜(図示し
ない)を被覆してから、無電解めっき法や真空蒸着法な
どでまず数μm以下の厚さに形成し、さらに電気めっき
法で所定厚に形成すると好ましく、その素材はニッケ
ル,銅,アルミニウム,銀,金などである。
【0013】 金属チューブ5中に嵌入する光ファイバ
心線4の本数は、図1のように1本であっても、2本や
3本(図3参照)又は4本以上であってもよい。金属チ
ューブ5の内径は、所定本数の光ファイバ心線4が挿入
可能な範囲でできるだけ小さく、圧着加工が可能な展延
性に富んだ金属製であることを要する。金属チューブ5
の素材は、例えば金,銀,錫,銅,鉛などから選択すれ
ばよい。得た光ファイバ素材1において、所定幅にわた
る圧着加工部6(図6)は、上下面が平坦な楕円形(図
1参照)や六角形(図2参照)などの異形断面を有し、
該圧着加工部において金属チューブ5の内周面と光ファ
イバ心線4の金属皮膜3の外周面とを気密にすることが
可能である。圧着加工部6が上下面が平坦であると、基
板(図示しない)などへの取付けが容易になるので好ま
しい。
【0014】 光ファイバアレー(図4)は、図3に示
すように光ファイバ心線4を複数本まとめて金属チュー
ブ5に嵌入配置し、所定幅にわたる圧着加工部6におい
て複数本の光ファイバ心線4を実質的に等間隔に配列さ
せる。また、光ファイバアレー(図5)において、複数
本の光ファイバ心線4を公知の溝形シリコンチップ10
のV溝11にそれぞれ嵌めて等間隔に配列させ、該溝形
シリコンチップをそのまま金属チューブ5に挿入して圧
着加工してもよい。これらの光ファイバアレーは、常法
によって各光ファイバ2の端面を平坦又は斜めなどの所
定角度に研磨されている。
【0015】 この光ファイバアレーにおいて、各光フ
ァイバ2の端面を8°に研磨すればLDなどの発光素子
7(図7)と、端面を平坦や45°に研磨すればPDや
APDなどの受光素子8(図8)と結合する際に用いる
ことができる。図8のように各光ファイバ心線の端面を
45°に研磨する場合には、光ファイバ2の研磨端面の
近傍部分が裸になるように電解処理する。このため、4
5°の端面研磨後に研磨端面の近傍部分を電解又は金属
溶解液に浸漬して、その部分のチューブ5及び金属皮膜
3を除去することを要する。この際に電解液を適宜選択
すれば、ニッケルなどの金属皮膜3をカーボン皮膜とと
もに電解反応で除去でき、アルミニウムなどの金属皮膜
であれば塩酸水溶液でも除去可能である。
【0016】 本発明方法では、図1(1)から(3)
で工程順に示すように、光ファイバ心線4を金属チュー
ブ5中に嵌入してから、図2に例示するような小型の圧
着工具9によって外側から金属チューブ5を所定幅にわ
たって圧縮変形させることで圧着加工し、該金属チュー
ブを光ファイバ心線4と一体化させる。この一体化と
は、金属チューブ5によって光ファイバ心線4を固定す
ることを意味する。
【0017】 本発明で用いる圧着工具9は、圧着端子
を電線に固着するためのスリーブ用手動工具と類似する
小型の工具であり、該圧着工具の上下可動片に凹み1
2,12(図2)を対称に形成する。凹み12,12の
側面形状と深さが、光ファイバ素材1における圧着加工
部6の断面形状と厚みに対応する。上下の凹み12の両
側壁には、圧縮された金属チューブ5の一部を逃す切欠
き12aを設けると好ましい。
【0018】 本発明方法において、公知の圧着工具で
金属チューブ5を圧縮変形させると、ある程度の厚みを
有する金属チューブ5が常温で圧縮変形されるため、圧
着加工部6において金属チューブ5中に僅かながら空隙
が残りやすい。このような数μmのピンホールが形成さ
れると、該チューブの内周面と光ファイバ心線4の金属
皮膜3の外周面とが完全には気密にならない。
【0019】 圧着加工部6における気密性は、図6に
示すように、圧着工具9aによる1回目の圧着加工の後
に、金属チューブ5を円周方向に適宜(例えば図6の矢
印方向に90度)回転させながら横方向にずらし、圧着
工具9bで再度圧着加工を行うと高めることができる。
この際に、2回の圧着加工部を軸方向で1mm程度オー
バーラップさせておくと、複数回の圧着加工によって金
属チューブ5の内周面と光ファイバ心線4の金属皮膜3
の外周面との間で十分な気密性を達成できる。このよう
な圧着加工は、所望に応じて3回以上行ってもよい。
【0020】 本発明の保護方法では、2本の光ファイ
バ心線を接続する際に、図9に示すように、光ファイバ
心線3の先端部から金属皮膜3を所定幅だけ除去し、裸
の光ファイバ部分13を露出させる。金属皮膜3の部分
的除去は、一般に強酸又は強アルカリのシアン溶液によ
る溶解で行なうけれども、比較的腐食性と毒性の小さい
浴組成の電解浴を用い、光ファイバ心線3を陽極に設定
してその先端部の電流密度が高くなるように陰極を配置
したり、又は該心線の先端部を下降させて徐々に電解浴
に浸漬して除去してもよい。
【0021】 裸の光ファイバ部分13において、その
端面14を公知の光ファイバ切断器(図示しない)で平
滑に切断するとともに、一方の光ファイバ心線2には金
属チューブ15を挿通しておく。次に図10に示すよう
に、公知の融着接続機(図示しない)を用いて光ファイ
バ心線の両端面14,14を融着接続して融着接続部1
6を形成し、その後に金属チューブ15を融着接続部1
6の上に移動させる。金属チューブ15は、その両端部
を圧着工具で圧着加工して接続光ファイバ心線と一体化
させ、融着接続部16の上で固定する。
【0022】
【作用】本発明方法では、圧着工具9で金属チューブ5
を圧縮変形するため、この際の光ファイバ2の損傷及び
金属チューブ5による光ファイバ心線4の固定の度合い
が重要である。これらの度合いは、圧着加工の幅及び圧
着率によって変動するけれども、例えば外径400μ
m,内径200μmの銅チューブ5を用い、該チューブ
に直径135μmのニッケルコートの光ファイバ心線4
を挿入し、圧着幅5mmで厚み200〜250μmの範
囲で圧着する場合、圧着加工部6における光ファイバ心
線4の引き抜き力は1.5kg以上あり、その部分にお
けるファイバ劣化も特に認められない。
【0023】 本発明方法において、図1(1)から
(3)で工程順に示すように、1本の光ファイバ心線4
を金属チューブ5中に嵌入して圧着加工すると、圧縮変
形した金属チューブ5中において光ファイバ心線4の位
置ずれは見られず、該心線は常に中央に位置している。
2本の光ファイバ心線4を同時に嵌入すれば、圧縮変形
した金属チューブ5の内周面の両端に光ファイバ心線4
が位置することになる。また、図3のように3本の光フ
ァイバ心線4を同時に嵌入しても配置再現性は比較的良
く、1本と2本の場合の位置、つまり光ファイバ心線4
は金属チューブ5の中央及びその内周面の両端に位置す
る(図4参照)。
【0024】 しかしながら、4本以上の光ファイバ心
線4は、同時に金属チューブ5中へ挿入するだけでは配
置再現性はなく、その配置に一定の規則性は見出せな
い。図示しないけれども、光ファイバ心線を4本以上挿
入する場合には、該心線を挿入する丸管をあらかじめ偏
平に加工したり、又は角管を用いて光ファイバ心線4を
最初から整列させて挿入した後に、圧着加工することで
配置再現性のあるアレーを得る。
【0025】 理想的には、図5に示すように、それぞ
れの光ファイバ心線4を溝形シリコンチップ10のV溝
11に嵌入配置してから、該溝形シリコンチップよりも
大きい内径を有する細長い金属チューブ5に挿入し、こ
れを一括して圧着すると好ましい。。この場合には、圧
着加工部6において金属チューブ5の内周面と各光ファ
イバ心線2の金属皮膜3及び溝形シリコンチップ10の
外周面とが気密になり、しかも各光ファイバ心線2は正
しく等間隔に整列する。
【0026】 光ファイバ素材1で各種の真空容器内を
測定するために、容器壁を貫通させた際に空気洩れが発
生しないように気密にするには、1回目の圧着加工の後
に、圧着加工部6を適当にオーバーラップさせながら再
度圧着加工を行えばよい。複数回の圧着加工によって十
分な気密性を達成でき、光ファイバ素材1の気密性は約
10-9cc/sec・atmに向上する。
【0027】 本発明に関して、圧着加工部6における
光ファイバ2の伝送損失を測定するために、受発光素子
と連結した光ファイバ心線4の中央部に金属チューブ5
を嵌装し、連続的にモニターしながら圧着工具9で金属
チューブ5に圧縮応力を加えていく。この結果、光ファ
イバ2の伝送損失が0〜0.3dB増加していくが、圧
着完了後に圧着工具9による負荷を除去すると、伝送損
失は0.01dB以下にすぎないから実際上無視でき
る。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 外径125μmである波長1.3μm用のシングルモー
ド光ファイバ2上に、カーボン皮膜及び下地金属皮膜を
薄くコートしてから、厚さ5μmのニッケル皮膜3をコ
ートすると、光ファイバ心線4の外径は135μmであ
る。この光ファイバ心線4を、内径150μm,外径4
00μmの銅チューブ5に挿入した後に、両凹みの深さ
が220μmである小型の圧着工具を用いて銅チューブ
5の端面部の軸方向幅5mmにわたって圧着加工する。
【0029】 この圧着加工で得た光ファイバ素材1を
引張り試験に供した結果、n=10で最高:2.66k
g、最小:1.80kg、平均:2.33kgを得る。
【0030】実施例2 外径140μm,コア径が100μmであるマルチモー
ド光ファイバ上に厚さ5μmのニッケル皮膜3をコート
すると、光ファイバ心線4の外径は150μmである。
この光ファイバ心線4を、内径180μm,外径500
μm及び長さ50mmの銅チューブ5に徐々に挿入した
後に、両凹みの深さが250μmである小型の圧着工具
9a(図6)を用いて銅チューブ5の軸方向幅5mmに
わたって圧着加工する。次に、銅チューブ5を円周方向
に90度回転させるとともに横方向に4mmずらし、再
度両凹みの深さが250μmである圧着工具9bによっ
て軸方向幅5mmにわたって圧着加工を行う。同様の圧
着加工をさらに1回行って、合計3回の圧着加工を行
う。
【0031】 この結果、銅チューブ5において、圧着
加工部6の長さは全体で13mm(1回目:5mm、2
回目:4mm、3回目:4mm)であり、2重圧着部は
長さ2mmになる。得たサンプルの気密性を測定するた
めに、その未圧着部分の円筒部分を気密試験用のフラン
ジに銀ろうで固定し、ヘリウムリークテストを行うと、
リーク量はいずれも約10-9cc/sec・atmとな
り、気密性が非常に向上している。この光ファイバ素材
は、各種の真空容器内の測定のために容器壁を貫通させ
ても空気洩れが発生せず、気密アダプタを介さずに1本
の光ファイバだけで真空容器の内部から外部へ直接伝送
できる。
【0032】実施例3 外径125μm,コア径が50μmであるマルチモード
光ファイバ上に厚さ5μmのニッケル皮膜3をコートす
ると、光ファイバ心線4の外径は135μmである。図
3に示すように、この光ファイバ心線3本を内径300
μm,外径800μm及び長さ30mmの銅チューブ5
に挿入した後に、凹み18,18の深さが500μmで
ある小型の圧着工具19を用いて銅チューブ5の軸方向
幅10mmにわたって圧着加工する。
【0033】 得た光ファイバアレー20(図4)につ
いて、端面を研磨して各光ファイバ2の整列状態を調べ
る。この結果、図4のように、アレー20の中央部に3
本が整列し、光ファイバ2間の間隔は約50μmであ
る。
【0034】実施例4 実施例3で製造した光ファイバ心線を用い、この光ファ
イバ心線2本を実施例3と同様に銅チューブに挿入して
から圧着加工し、ついで端面を研磨する。得た光ファイ
バ素材において、圧縮変形した銅チューブの内周面の両
端にそれぞれ光ファイバ心線が位置し、その整列状態は
良好である。
【0035】 この光ファイバ素材は、例えばセンサー
において、一方の光ファイバにLDを接続し、他方の光
ファイバにPDを接続し、被検物の反射光を検出するヘ
ッドとして用いると有効である。この光ファイバ素材を
ロータリーエンコーダなどに使用すると、そのヘッドを
小型化でき、しかも該ヘッドの耐熱性が優れている。
【0036】実施例5 使用する光ファイバ心線4として、コア径が10μmで
ある波長1.3μm用のシングルモード光ファイバ(ク
ラッド径125μm)2上に、厚さ2.5μmのニッケ
ル皮膜3をコートする。このファイバ心線4を1mの長
さに切断してから、5本の光ファイバ心線4を長さ30
mmの偏平に加工した銅チューブに挿入した後に、圧着
工具を用いて銅チューブの軸方向幅10mmにわたって
圧着加工する。次に、この光ファイバアレーの端面を平
坦面に対して8°の角度になるように研磨する。
【0037】 得た光ファイバアレー21は、図7に例
示するようにLDなどの発光素子7と結合する際に用い
る。光ファイバ2の入射端を角度8°に研磨していない
と、発光素子7の光が光ファイバ2で反射されて該素子
に戻って発光素子7を損傷したり、発光素子7の反射面
と光ファイバ2の入射端とで共振器ができて雑音が発生
する。また、伝送路の途中で使用する光コネクタでも、
平坦研磨であると遠端反射となって光が発光素子7に戻
ってくるので、光ファイバ2の端面を角度8°に研磨す
ることが望ましい。
【0038】実施例6 実施例5と同様に、光ファイバ心線4を用いて圧着加工
してから、心線列の端面を45°の角度になるように研
磨する。端面研磨後に、光ファイバアレー22(図8)
の先端部において、研磨端面から約2mmの近傍部分2
3だけを、KClを0.1モル/l含む溶液に浸漬す
る。そして光ファイバアレー22を陽極にした電気分解
により、近傍部分23におけるニッケル皮膜3を電解除
去する。図8のように光ファイバアレー22に光を入射
した結果、平行の光ファイバ2のいずれでも軸方向に直
角の出射光が確認することができる。
【0039】 光ファイバアレー22は、図8のように
PDやAPDなどの受光素子8と結合する際に用いる。
光ファイバアレー22において、光ファイバ2を通過す
る光信号24を直角に屈曲させ、そして受光素子8に入
射させることができる。光ファイバアレー22は、受光
素子8を取付けた基板に対して平行に設置でき、平坦研
磨の光ファイバに比べて敷設面積を節約できる。 実施例7 図9に示す光ファイバ心線25は、コア径50μm,ク
ラッド径125μmのGI形石英光ファイバからなり、
これに厚さ5μmのニッケル皮膜をコートすると外径は
135μmになる。光ファイバ心線25の先端部3cm
を塩酸3:硝酸1の王水中に浸漬し、この部分のニッケ
ル皮膜を除去することにより、先端部が裸の光ファイバ
部分13になる。この光ファイバ心線25を2本用意
し、ファイバ部分13の端から7mmの位置において、
公知の光ファイバ切断器によって切断して平滑端面14
を得る。一方の光ファイバ心線25に、内径150μ
m,外径400μm及び長さ20mmの銅チューブ15
を挿通した後に、常法によって光ファイバ心線25,2
5の両端面14を融着接続する。
【0040】 融着接続が終了すれば、銅チューブ15
の中心を融着接続部16の上に位置するように動かす
(図10参照)。銅チューブ15の中心を融着接続部1
6の上に位置させた後、銅チューブ15の両端部を端面
から1.5mmの個所で適当な小型の圧着工具で圧着加
工し、この圧着加工部26,26においてチューブ15
を固定する。
【0041】 光ファイバの耐火試験のために、融着接
続部16を含む光ファイバ心線25,25を、内径0.
8mm,外径1.2mmのステンレスパイプ(図示しな
い)に挿入する。融着接続部16が中央に位置するよう
に設定してから、所定の耐火試験を行なう。この結果、
30分耐火試験は、伝送損失が増加することなくパスす
る。この試験の後に、ステンレスパイプから光ファイバ
心線25,25を引き抜くと、銅チューブ15には特に
異常はなく、初期の位置のままである。
【0042】
【発明の効果】本発明の光ファイバ素材は、光ファイバ
に金属皮膜をコートしたうえに金属チューブで覆って圧
着加工で一体化し、熱安定性の低い有機接着剤や半田な
どを使用していないので十分な耐熱性と機械強度を有
し、耐熱・耐火用素材として好適である。この光ファイ
バ素材は、熱膨張係数が小さいので温度変化によって光
軸ずれなどを発生せず、耐火・耐熱試験における苛酷な
条件下でも金属チューブが殆ど酸化せず、光ファイバの
機械強度が劣化して破断する恐れがない。
【0043】 本発明の光ファイバ素材は、その気密性
が約10-9cc/sec・atmと向上することによ
り、各種の真空容器内の測定のために容器壁を貫通させ
ても空気洩れが発生しない。本発明の光ファイバ素材を
用いると、気密アダプタを介さずに1本の光ファイバだ
けで真空容器の内部から外部へ直接伝送でき、その際の
伝送損失を完全に回避することができる。
【0044】 本発明の光ファイバ素材において、所定
幅にわたる圧着加工部の断面が六角形などの角形である
と、受発光素子との軸合わせに際して位置調整が容易に
なる。また、光ファイバ心線2本を有する光ファイバ素
材は、各種のセンサーにおいて、一方の光ファイバにL
Dを接続し、他方の光ファイバにPDを接続し、被検物
の反射光を検出するヘッドとして用いると有効であり、
ロータリーエンコーダなどに使用できる可能性がある。
【0045】 本発明の光ファイバアレーは、金属チュ
ーブを圧着加工するだけで複数本の光ファイバ心線を等
間隔に整列できるから、光ファイバの本数や間隔を比較
的自由に選択できるうえに製造コストが安価である。し
かも、本発明では、光ファイバ心線列の端部を金属チュ
ーブで被覆してから光ファイバ心線の端面を研磨するた
め、肉厚の金属チューブごと正確に所定角度に研磨する
ことが容易である。
【0046】 本発明の保護方法では、光ファイバ心線
において、機械強度が低下する裸の光ファイバ部分を金
属チューブで補強するとともに、圧着加工によって金属
チューブで光ファイバ心線を固定している。本発明方法
において、金属皮膜をコートした光ファイバ心線を使用
しているから、機械強度が低下する裸の光ファイバ部分
を金属チューブで補強することにより、接続個所を含め
て心線全体が優れた耐熱・耐火特性を有することにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ素材を(1)から(3)
において製造工程順に示す拡大横断面図である。
【図2】 光ファイバ素材の変形例及び該素材の製造に
用いる圧着工具を開口させた状態で示す横断面図であ
る。
【図3】 光ファイバ素材を製造する前の光ファイバ心
線3本及び金属チューブを示す拡大横断面図である。
【図4】 光ファイバ素材の別の変形例と該素材の製造
に用いる圧着工具を示す横断面図である。
【図5】 光ファイバ素材のさらに別の変形例を示す横
断面図である。
【図6】 本発明方法における2段階圧着工程を示す縦
断面図である。
【図7】 本発明の光ファイバアレーを発光素子と結合
させた状態を示す概略縦断面図である。
【図8】 本発明の光ファイバアレーを受光素子と結合
させた状態を示す概略縦断面図である。
【図9】 本発明方法で用いる光ファイバ心線の接続部
分の構造を示す部分側面図である。
【図10】 図9の光ファイバ心線を接続して金属チュ
ーブで一体化させた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ素材 2 光ファイバ 3 金属皮膜 4 光ファイバ心線 5 金属チューブ 6 圧着加工部 9 圧着工具 10 溝形シリコンチップ 12 圧着工具の凹み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒羽 敏明 大阪府寝屋川市楠根北町2番5号 協和 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−99112(JP,A) 特開 昭51−142335(JP,A) 特開 平3−144408(JP,A) 特開 昭59−184313(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/44 G02B 6/255

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ上に金属皮膜をコートした光
    ファイバ心線と、該光ファイバ心線と嵌合配置する細長
    い金属チューブとからなり、所定幅にわたる圧着加工部
    上下面がほぼ平坦な楕円や六角形などの異形断面を有
    し、該圧着加工部において金属チューブの内周面と光フ
    ァイバ心線の金属皮膜の外周面とが気密であって、その
    圧着加工部は上下面がほぼ平坦である光ファイバ素材。
  2. 【請求項2】 光ファイバ上に金属皮膜をコートした光
    ファイバ心線と、該光ファイバ心線を複数本まとめて嵌
    入配置する細長い金属チューブとからなり、所定幅にわ
    たる圧着加工部において複数本の光ファイバ心線を実質
    的に等間隔に配列し、該圧着加工部において金属チュー
    ブの内周面と各光ファイバ心線の金属皮膜の外周面とが
    気密であり、さらに各光ファイバの端面を所定角度に研
    磨している光ファイバアレー。
  3. 【請求項3】 光ファイバ上に金属皮膜をコートした光
    ファイバ心線と、複数個のV溝を設けた溝形シリコンチ
    ップと、該溝形シリコンチップよりも大きい内径を有す
    る細長い金属チューブとからなり、複数本の光ファイバ
    心線を溝形シリコンチップのV溝にそれぞれ嵌めて等間
    隔に配列させ、該溝形シリコンチップに光ファイバ心線
    を嵌めたままで金属チューブに挿入しており、圧着加工
    部において金属チューブの内周面と各光ファイバ心線の
    金属皮膜及び溝形シリコンチップの外周面とが気密であ
    り、さらに各光ファイバの端面を所定角度に研磨してい
    る光ファイバアレー。
  4. 【請求項4】 光ファイバ上に金属皮膜を有する光ファ
    イバ心線を展延性に富んだ細長い金属チューブ中に嵌入
    してから、圧着工具によって外側から金属チューブを所
    定幅にわたって圧縮変形させ、所定幅にわたる圧着部の
    断面が楕円や六角形などの異形になるように圧着加工
    し、金属チューブを光ファイバ心線と気密に一体化さ
    、その圧着加工部は上下面がほぼ平坦である光ファイ
    バ素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 光ファイバ上に金属皮膜を有する光ファ
    イバ心線を展延性に富んだ細長い金属チューブ中に嵌入
    してから、圧着工具によって外側から金属チューブを所
    定幅にわたって圧着加工し、ついで該金属チューブを円
    周方向に適宜回転させるとともに横方向にずらして再度
    圧着加工を行い、圧着加工を所定幅にわたってオーバラ
    ップさせることによって金属チューブを光ファイバ心線
    と気密に一体化させるファイバ素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 一方の光ファイバ心線に細長い金属チュ
    ーブを挿通するとともに、2本の光ファイバ心線におい
    てそれぞれの先端部の金属皮膜を除去して平滑に切断し
    た後に両端部を融着接続し、ついで金属チューブを融着
    接続部の上に移動させてから、圧着工具によって外側か
    ら金属チューブの両端部を所定幅にわたって圧着部の断
    面が楕円や六角形などの異形になるように圧着加工し、
    金属チューブを接続光ファイバ心線と気密に一体化さ
    、その圧着加工部は上下面がほぼ平坦である光ファイ
    バ素材の保護方法。
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