JP2914952B2 - 電気火工式の起爆装置及び点火装置 - Google Patents

電気火工式の起爆装置及び点火装置

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JP2914952B2
JP2914952B2 JP10055146A JP5514698A JP2914952B2 JP 2914952 B2 JP2914952 B2 JP 2914952B2 JP 10055146 A JP10055146 A JP 10055146A JP 5514698 A JP5514698 A JP 5514698A JP 2914952 B2 JP2914952 B2 JP 2914952B2
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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火工式の起爆装置
の分野に関し、より特定的には、自動車の安全性に向け
られた電気火工式の起爆装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気火工式の起爆装置は、伝統的に、2
本の電気的に導通するピンによって構成されている。こ
れらのピンは、オーバーモールドされた絶縁物によって
本来の場所に保持されており、また、これらのピンの下
端部は電流源に接続され、上端部は加熱用抵抗性フィラ
メントによって結合されている。この加熱用抵抗性フィ
ラメントは、鉛トリニトロレゾルシネートや鉛スティフ
ネート等の1次爆薬を含む点火用ヘッドの中に内蔵され
ている。
【0003】このような電気火工式の起爆装置は、自動
車の乗員を保護するためのエア・バッグを膨張させるよ
う意図された火工式のガス発生器を点火するための装置
を形成するのに広く用いられている。かかる起爆装置を
寄生的な静電気の電流から保護し、また、時機を逸した
所望としない点火や危険な点火を回避するために、一般
にはフェライト・コアが2本のピンの間に配設されてい
る。この技術は、例えば米国特許第4,722,551
号やヨーロッパ特許出願公開第0,512,682号に
記載されている。さらに、点火の信頼性を向上させるた
めに、加熱用抵抗性フィラメントに代えて、抵抗性で且
つ加熱用のパーツを備えたプリント回路が時々用いられ
る。この技術は、例えば仏国特許出願公開第2,70
4,944号、又はそれに対応する米国特許第5,54
4,585号に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現状がどのような事情
にあるにせよ、系統的に導電性のピンに頼るといった方
法では、これら電気火工式の起爆装置の原価が上昇し、
またその製造が一層複雑になってしまう。さらに、フェ
ライト・コアを頻繁に用いることは、ピンを囲んでいる
モールド部分の外形寸法を増大させることになり、自動
車の安全性に向けられた火工式のガス発生器の全体の容
積を小さくする助けとはならない。
【0005】それ故、当業者は、動作において信頼性が
あり、製造が容易で且つ経済的で、大きさも小さい電気
火工式の起爆装置を今なお探し求めている。本発明の目
的は、上述した従来技術における課題に鑑み、ピンやフ
ェライト・コアを使用せずに、それらの機能を完成した
プリント回路内に組み込むことによって、動作信頼性が
高く、また製造が容易で且つ経済的で、さらに大きさも
小さい電気火工式の起爆装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、2本の導電性ワイヤを有する電気
ケーブルに接続された電気火工式の起爆装置であって、
i)加熱用抵抗性素子によって起爆され得る感熱性の装
薬、ii)前記抵抗性素子を前記導電性ワイヤに接続する
電気回路、及び、iii)前記電気回路を電磁的に保護する
手段、を備えた電気火工式の起爆装置において、前記加
熱用抵抗性素子、前記電気回路及び前記電磁的に保護す
る手段は、導電性ストリップの回路の中に集積化され、
該導電性ストリップは、前記導電性ワイヤにはんだ付け
されていると共に、プリント回路支持部の上に形成さ
れ、該プリント回路支持部の周囲に前記起爆装置が形成
されていることを特徴とする電気火工式の起爆装置が提
供される。
【0007】プリント回路支持部は、通常、そのような
支持部を作る際には一般に使用される絶縁性の物質の一
つを有しているであろう。本発明の好適な一実施態様に
よれば、前記加熱用抵抗性素子は、プリント回路支持部
上に形成された抵抗性ストリップを有しており、また、
前記感熱性の装薬は、この抵抗性ストリップの上に配置
されている。
【0008】寄生的な電流から起爆装置を電磁的に保護
する手段は、前記プリント回路支持部の上に配置された
少なくとも一つのフィルタ用コイルを有していてもよ
い。この場合、好みに応じて、フィルタ用コイルをその
回路支持部の上に印刷し、電気回路と共に多層プリント
回路を構成するようにしてもよい。また、前記電磁的に
保護する手段は、他の形態として、前記プリント回路支
持部の上に配設された少なくとも一つのキャパシタを有
していてもよい。
【0009】本発明の好適な一実施態様において、前記
電気回路及び前記電磁的に保護する手段は、絶縁用のワ
ニスの層によって覆われている。プリント回路支持部
は、絶縁用のワニスの層によって覆われているにせよ或
いは覆われていないにせよ、オーバーモールドされた絶
縁物によって部分的に覆われている。これによって、感
熱性の装薬で覆われた加熱用抵抗性素子を担持してい
る、プリント回路支持部の当該部分のみが開放状態とな
っている。感熱性の装薬はそれ自体、少なくとも一部分
が、オーバーモールドされた絶縁物によって本来の場所
に保持されていない場合には、断片化し得るマスクによ
って有利に保護されるであろう。このマスクは、極めて
薄い金属或いはプラスチック、例えば透明なプラスチッ
ク、で作るのが適当である。
【0010】本発明の好適な他の実施態様によれば、前
記プリント回路支持部は、2つの対向する平坦な面を持
つ薄い平行6面体のカードの形態を有している。この実
施態様によれば、前記プリント回路支持部の2つの平坦
な面の各々に導電性ストリップの回路が印刷され、該各
々の導電性ストリップの回路が、感熱性の装薬と電磁的
な保護手段によって覆われた加熱用抵抗性素子を有して
いる、電気火工式の起爆装置を作ることができる。従っ
て、単一の電源に対して2つの分離した点火用ヘッドを
有する、極めて信頼性の高い起爆装置を作ることができ
る。
【0011】また、本発明によれば、電気火工式の点火
装置であって、上述した本発明に係る起爆装置が、粉末
状の点火用火薬を含む断片化し得るキャップによって囲
まれていることを特徴とする電気火工式の点火装置が提
供される。さらに、上述した本発明に係る起爆装置は、
自動車の乗員を保護するためのエア・バッグを膨張させ
るよう意図された火工式のガス発生器を点火するのに用
いられる。起爆装置は、火工式の発生器の装薬が粉末状
又はペレット状の形態を有している場合には、当該装薬
を直接点火するのに使用してもよい。また、起爆装置
は、その装薬がコンパクトなブロックの形態を有してい
る場合には、上述したタイプの点火装置を介して有利に
使用されるであろう。
【0012】このように本発明によれば、製造が極めて
容易で且つ極めて経済的な小規模なプリント回路を用い
て、それほど容積も大きくなく、また非常に信頼性の高
い起爆装置及び点火装置を構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態について
は、以下、図1〜図8を参照しながら説明する。図1
は、電気ケーブル3に接続された起爆装置2を有する点
火装置1を例示する。
【0014】特に図1及び図4を参照すると、起爆装置
2は、殆どの部分が円筒状のオーバーモールドされた絶
縁物4の中に包含され、ケーブル3と同じ側の端部にお
いて僅かに直径の大きい基部5を有していることが、わ
かるであろう。起爆装置2は、基部5と反対側の端部に
おいて、後で詳細に説明されるであろう点火用ヘッドを
有している。この点火用ヘッドは、図1に見ることがで
きるように、鉛トリニトロレゾルシネートに基づいた感
熱性の装薬6を有しており、また図1には示していない
が、透明なプラスチックで作られたマスク7によって保
護されている。円筒形状の断片化し得る金属性のキャッ
プ8は、オーバーモールドされた絶縁物4を包含し、基
部5で係止される。このキャップは、基部5と反対側の
端部において閉じており、ガスを発生する火工式の装薬
(火薬)9を含んでいる。火薬として、ホウ素/カリウ
ム・ナイトレート型の粉末と単一ベースのニトロセルロ
ースの粉末を混合したものが理想的である。
【0015】次に、起爆装置2の構造について、特に図
2〜図5を参照しながら詳細に説明する。起爆装置2
は、2つの対向する平坦な面を持つ薄い平行6面体のカ
ードの形態を有しているプリント回路支持部10から作
られる。この支持部10は、ガラスファイバで充填され
たエポキシ樹脂から作られる。この支持部の一方の面に
は2つの導電性ストリップ11及び12が印刷されてお
り、各導電性ストリップは、各々の端部の一方におい
て、電気ケーブル3を構成する導電性ワイヤ13及び1
4にそれぞれはんだ付けされている。加熱用抵抗性素子
15は、導電性ストリップ11及び12の各々の自由端
を結合している。この加熱用抵抗性素子15は、抵抗性
のワイヤで構成してもよいが、プリント回路16によっ
て規定される加熱用抵抗性ストリップで構成した方が有
利である。このような加熱用抵抗性ストリップに係る技
術は、例えば仏国特許出願公開第2,704,944
号、又はそれに対応する米国特許第5,544,585
号に記載されている。
【0016】加熱用抵抗性素子15は、等価的にダイオ
ード又は半導体ブリッジで構成することもできるであろ
う。これに係る技術は、例えば仏国特許出願公開第2,
720,493号に記載されている。2つのキャパシタ
17及び18は、導電性ストリップ11及び12と抵抗
性素子15によって形成された回路の上に配設されると
共に、当該回路に接続されている。これらのキャパシタ
は、寄生的な電流が抵抗性素子15を通して放電される
のを防止することによって当該回路を電磁的に保護する
手段を構成する。
【0017】これらの電磁的保護手段は、図6に示され
るようなフィルタ用コイル61で構成することができ
る。このフィルタ用コイル61は、支持部60の上に印
刷され且つ抵抗性素子64によって互いに結合された2
つの導電性ストリップ62及び63を有している回路の
上に配設されると共に、当該回路に接続されている。こ
の種の電磁的保護手段の他の実施形態は、図7に例示さ
れる。図7において、抵抗性素子74によって互いに結
合された2つの導電性ストリップ72及び73を有する
回路は、支持部70の上に印刷されている。導電性スト
リップ72は、支持部70を囲んでいるコイル71を構
成し、これによって導電性ストリップ73と共に多層回
路を形成する。
【0018】図2を再び参照すると、支持部10の、導
電性ストリップ11及び12が印刷され且つキャパシタ
17及び18が配設されている面の部分は、絶縁用のワ
ニス19の層によって覆われていることが、わかるであ
ろう。この層19は、抵抗性素子15を担持し且つ起爆
装置の点火用ヘッドを構成するであろう支持部10の他
方の端部を覆ってはいない。このようにして、支持部1
0は、溶融されたポリアミドに基づいた粘着性樹脂から
なる円筒状のオーバーモールドされた絶縁物4によって
部分的に囲まれる。
【0019】このオーバーモールドされた絶縁物4は、
図3に示すように、抵抗性素子15を担持する支持部1
0の他方の面を開放状態とする。この抵抗性素子15
は、プリント回路16と共に、例えば鉛トリニトロレゾ
ルシネートに基づいた感熱性の装薬6によって覆われて
いる。装薬6は、透明なプラスチックで作られたマスク
7によって保護されている。このようにして、起爆装置
2は完成され、前述した点火装置1を形成するのに用い
ることができる。
【0020】図8は、上記の起爆装置2の他の形態を構
成する起爆装置82を例示する。この起爆装置82は、
薄い平行6面体のカードの形態を有している回路支持部
80の周囲に作られる。この起爆装置82と上記の起爆
装置2の間の基本的な相違点は、支持部80の2つの面
の各々が完成したプリント回路87,89を担持し、該
プリント回路が電流をひき起こす同じケーブル83に接
続されているという事実にある。支持部80は、円筒状
のオーバーモールドされた絶縁物84の中に部分的に覆
われており、該オーバーモールドされた絶縁物84は、
幅の広げられた基部85を有すると共に、点火用ヘッド
を構成する感熱性の装薬86及び88を本来の場所にそ
れぞれ部分的に保持している。この実施形態では、起爆
装置82は保護マスクを必要としない。ケーブル83を
介して電流が供給されると、2つの感熱性の装薬は同時
に点火され、これによって、起爆装置82は、その通常
の動作を効果的に且つ極めて安全に行う。なぜなら、寄
生的な電流に対しては、埋め込み型の電磁的保護手段9
1,93又は92,94が設けられており、また可能性
としてあり得る誤点火に対しては、点火用ヘッドが2重
化されているという事実があるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る起爆装置から作られた点火装置の
構成を、見易くするためにその保護マスクを付けない状
態で、一部切り欠いて示した斜視図である。
【図2】本発明に係る起爆装置をその回路支持部から始
めて順次組み立てる際の各段階のうち最初の段階を示す
図である。
【図3】図2に示す段階の次の段階を示す図である。
【図4】図3に示す段階の次の段階を示す図である。
【図5】電磁的保護手段がキャパシタによって構成され
ているプリント回路を示す図である。
【図6】電磁的保護手段が通常のフィルタ用コイルによ
って構成されているプリント回路を示す図である。
【図7】電磁的保護手段が多層回路に印刷されたコイル
によって構成されているプリント回路を示す図である。
【図8】2つの分離した点火用ヘッドを有し、その感熱
性の装薬がオーバーモールドされた絶縁物によって本来
の場所に部分的に保持されている起爆装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1…点火装置 2,82…起爆装置 3,83…電気ケーブル 4,5,84,85…絶縁物 6,86,88…感熱性の装薬 7…マスク 8…キャップ 9…点火用火薬 10,60,70,80…プリント回路支持部 11,12,62,63,72,73…導電性ストリッ
プ 13,14…導電性ワイヤ 15,64,74…加熱用抵抗性素子 16…抵抗性ストリップ 17,18…キャパシタ 19…絶縁用のワニス 61,71…フィルタ用コイル 87,89…導電性ストリップの回路 91,92,93,94…電磁的保護手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F42B 3/12 F42B 3/18 - 3/188

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の導電性ワイヤ(13,14)を有
    する電気ケーブル(3)に接続された電気火工式の起爆
    装置(2)であって、 i)加熱用抵抗性素子(15)によって起爆され得る感
    熱性の装薬(6)、 ii)前記抵抗性素子(15)を前記導電性ワイヤ(1
    3,14)に接続する電気回路、及び、 iii) 前記電気回路を電磁的に保護する手段、 を備え 前記加熱用抵抗性素子(15,64,74)、前記電気
    回路及び前記電磁的に保護する手段は、導電性ストリッ
    プ(11,12)の回路の中に集積化され、該導電性ス
    トリップは、前記導電性ワイヤ(13,14)にはんだ
    付けされていると共に、プリント回路支持部(10,6
    0,70,80)の上に形成され、該プリント回路支持
    部の周囲に前記起爆装置が形成され、前記加熱用抵抗性
    素子は、抵抗性ストリップ(16)を有している電気火
    工式の起爆装置において、 前記感熱性の装薬(6)は、前記抵抗性ストリップ(1
    6)の上に配置される ことを特徴とする電気火工式の起
    爆装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記電磁的に保護する手段は、前記プリント回路支持部
    (60)の上に配置された少なくとも一つのフィルタ用
    コイル(61)を有することを特徴とする起爆装置。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記電磁的に保護する手段は、前記プリント回路支持部
    (70)の上に印刷された少なくとも一つのフィルタ用
    コイル(71)を有することを特徴とする起爆装置。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記電磁的に保護する手段は、前記プリント回路支持部
    (10)の上に配設された少なくとも一つのキャパシタ
    (17,18)を有することを特徴とする起爆装置。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記電気回路及び前記電磁的に保護する手段は、絶縁用の
    ワニス(19)の層によって覆われていることを特徴と
    する起爆装置。
  6. 【請求項6】 請求項又はに記載の起爆装置におい
    て、前記プリント回路支持部(10)は、オーバーモー
    ルドされた絶縁物(4)によって部分的に覆われている
    ことを特徴とする起爆装置。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記感熱性の装薬(6)は、断片化し得るマスク(7)に
    よって保護されていることを特徴とする起爆装置。
  8. 【請求項8】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記プリント回路支持部(80)は、2つの対向する面を
    持つ薄い平行6面体のカードの形態を有していることを
    特徴とする起爆装置。
  9. 【請求項9】 請求項に記載の起爆装置において、前
    記プリント回路支持部(80)の2つの平坦な面の各々
    に導電性ストリップの回路(87,89)が印刷され、
    該各々の導電性ストリップの回路は、感熱性の装薬(8
    6,88)と電磁的な保護手段(91,93;92,9
    4)によって覆われた加熱用抵抗性素子を有することを
    特徴とする起爆装置。
  10. 【請求項10】 電気火工式の点火装置(1)であっ
    て、請求項1からのいずれか一項に記載の起爆装置
    が、点火用火薬(9)を含む断片化し得るキャップ
    (8)によって囲まれていることを特徴とする電気火工
    式の点火装置。
  11. 【請求項11】 請求項1からのいずれか一項に記載
    の起爆装置であって、自動車の乗員を保護するためのエ
    ア・バッグを膨張させるよう意図された火工式のガス発
    生器を点火するのに使用されることを特徴とする起爆装
    置。
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