JP3136144B2 - 電気式火薬用起爆装置および起爆システム - Google Patents

電気式火薬用起爆装置および起爆システム

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JP3136144B2 JP11284589A JP28458999A JP3136144B2 JP 3136144 B2 JP3136144 B2 JP 3136144B2 JP 11284589 A JP11284589 A JP 11284589A JP 28458999 A JP28458999 A JP 28458999A JP 3136144 B2 JP3136144 B2 JP 3136144B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の安全を目
的とする電気式火薬用起爆装置の分野に関し、特に、シ
ートベルトのリトラクタもしくはエアバッグ用の火薬式
ガス発生器を起動させる起爆装置の分野に関する。さら
に特に、本発明は、加熱システムが、導電性金属からな
る二つの薄層に接続された抵抗性金属素子から構成され
る起爆装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般的に、自動車の安全を目的とする電
気式火薬用起爆装置は、破壊可能な金属製キャップが突
出している絶縁性本体から構成されており、この絶縁性
本体内を二つの電極が通過している。これら電極は、爆
発性点火用組成物、例えば鉛トリレソルシネート（ｌｅ
ａｄ ｔｒｉｒｅｓｏｒｃｉｎａｔｅ）を基礎とする点
火用組成物によって取り囲まれる抵抗性加熱フィラメン
トによって一緒に接続されている。しかしながら、例え
ば米国特許第３５７２２４７号明細書、同第４５１７８
９５号明細書、同第４９５９０１１号明細書、同第５０
９９７６２号明細書に開示されるそのような起爆装置
は、抵抗性フィラメントと電極との間のハンダ付け接続
部が自動車の振動に敏感であるという欠点を有する。こ
れらハンダ付け接続部が自動車の振動によって繰り返し
て応力を受けるときに、これらハンダ付け接続部が壊れ
て起爆装置を作動しないようにする可能性がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、この欠点を
修繕するために、金属製キャップの内部にある絶縁性本
体の表面に広がる二つの別個の導電性金属領域に電極が
接触している起爆装置が開発された。これら二つの導電
性金属領域は、絶縁性本体の表面上に付着された狭くて
平坦な抵抗性ストリップによって一緒に接続されてい
る。導電性金属領域と抵抗性ストリップとは爆発性点火
用組成物によって被覆されている。そのような起爆装
置、例えば米国特許第５５４４５８５号明細書、同第４
６９００５６号明細書に開示されている起爆装置はもは
や自動車の振動を感知することはないが、これら起爆装
置は新しい欠点を有している。導電性金属領域の厚さ部
分が極めて小さく、しばしば５０マイクロメートルより
も小さいために、これら起爆装置が静電放電を感知し、
この静電放電は要求されていない開始作用を引き起こす
か、もしくは最も可能性が少ないが、これら導電性金属
領域の状態を深刻に劣化させる可能性があるということ
である。例えば、米国特許第５６１６８８１号明細書も
しくは欧州特許第０８０２０９２号明細書に開示される
ように、これら起爆装置をこの形式の放電から保護する
試みがなされているが、こうした保護手段は、極めて高
電圧の静電放電の場合においては常に効果的であるわけ
ではない。
【０００４】それゆえ、当業者は、自動車内に取り付け
られているガス発生器もしくはシートベルトのリトラク
タに取り付けられる場合に、自動車の機械的振動と高電
圧の静電放電、例えば高電圧の電線によって誘導される
高電圧の静電放電とを感知することのない、信頼性を有
する電気式火薬用起爆装置という課題にいまだ取り組ん
でいる。
【０００５】本発明の目的は詳細にはそのような起爆装
置を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】それゆえ、本発明は、抵
抗性加熱素子を特に具備する電気式火薬用起爆装置であ
って、この抵抗性加熱素子が火薬点火用組成物によって
被覆されていて、かつ二つの電極に接続されており、こ
の電極を電気コネクタによって電流源に接続でき、前記
抵抗性加熱素子は、電極間の電位差が動作値Ｕｆに達す
るときに前記点火用組成物を点火させることができる抵
抗値Ｒｃを有している電気式火薬用起爆装置において、
二つの電極はまた、前記抵抗性加熱素子に対して平行に
接続された導電性フィルタ装置によって一緒に接続され
ており、前記導電性フィルタ装置の等価抵抗の値は、二
つの電極間の電位差が動作電圧Ｕｆ以下であるときに少
なくとも１００Ｒｃに等しくて、電極間の電位差がＵｆ
よりも大きな所定の値Ｕｏよりも大きいときに、０．２
５Ｒｃ以下であることを特徴とする電気式火薬用起爆装
置に関する。
【０００７】従って、電気式火薬用起爆装置の導電性フ
ィルタ装置の特徴として、導電性フィルタ装置を電圧の
関数として変調させることができ、かつこの導電性フィ
ルタ装置は抵抗性加熱素子に対して平行に接続されてお
り、電極に印加される電圧が動作電圧であるときに、電
流は抵抗性加熱素子を通過して起爆装置を作動させる。
一方では、電圧が静電放電によって所定のしきい値Ｕｏ
よりも大きい場合には、電流は導電性フィルタ装置を通
過し、この導電性フィルタ装置の等価抵抗は降下して電
流は抵抗性加熱素子を流れる。最終的に、所定のしきい
値Ｕｏよりも小さい電圧を伴う静電放電の場合には、起
爆装置に供給されるエネルギが小さすぎるので、この状
況では起爆装置を劣化させる危険性がない。
【０００８】本発明の第一の実施態様によれば、導電性
フィルタ装置は、互いに平行に接続されているキャパシ
タとバリスタとから構成されている。この配列において
は、非常に大きい過電圧の場合に、キャパシタがバリス
タの効力を補強している。抵抗性加熱素子は、絶縁性の
プリント回路支持部上に付着された薄くて平坦な抵抗体
から構成されていて、前記プリント回路支持部上に広が
る別個の二つの導電性金属領域を介して二つの電極に接
続されていて、各導電性金属領域が二つの電極のうちの
一方と接触しているのが好ましい。
【０００９】抵抗性加熱素子はニッケル−クロム合金を
基礎としてもよくて、導電性金属領域は銅を基礎として
もよくて、プリント回路支持部をセラミックまたはガラ
スから形成してもよく、もしくはこのプリント回路支持
部はガラス／樹脂の混合物を基礎としてもよく、樹脂は
例えばエポキシ樹脂であってもよい。バリスタは半導体
の薄層、例えばタンタルもしくはゲルマニウムを基礎と
する層からなる組立体より構成され、このバリスタは前
記導電性金属領域に取り付けられているのが好ましい。
【００１０】キャパシタは、導電性薄層および絶縁性薄
層が交互になっていて前記導電性金属領域に取り付けら
れている組立体より構成されているのがさらに有利であ
る。本発明の第二の実施態様によれば、前記導電性フィ
ルタ装置は二つのツェナダイオードから構成されてい
て、この導電性フィルタ装置のしきい値電圧は所定の値
Ｕｏに等しく、これらツェナダイオードは互いに平行に
接続されていて反対の導電方向を有しており、言い換え
れば、これらツェナダイオードは互いに逆向きに平行に
接続されている。
【００１１】抵抗性加熱素子は、絶縁性のプリント回路
支持部上に付着された薄くて平坦な抵抗体から構成され
ていて、前記プリント回路支持部上に広がる二つの別個
の導電性金属領域に接続されていて、各導電性金属領域
が二つの電極のうちの一方と接触するのが好ましい。抵
抗性加熱素子は、ニッケル−クロム合金を基礎としても
良く、導電性金属領域は銅を基礎として、プリント回路
支持部をセラミックまたはガラスから形成してもよく、
このプリント回路支持部はガラス／樹脂の混合物を基礎
としてもよく、樹脂は例えばエポキシ樹脂であってもよ
い。
【００１２】前記ツェナダイオードは薄い半導体の層、
例えばタンタルもしくはゲルマニウムを基礎とする層か
らなる組立体より構成され、これら層は前記導電性金属
領域に取り付けられているのが有利である。本発明に基
づく起爆装置の動作の信頼性をさらに向上させるため
に、過電圧を制限するように、フィルタコイルを一方の
電極と直列に接続させるのが有利である。
【００１３】このフィルタコイルを起爆装置自体に取り
付けるか、あるいは起爆装置の電極に接続された電気コ
ネクタに取り付けても良い。それゆえ、本発明は、起爆
装置の電極を、二つの電気導体を有する電気コネクタに
接続することによって使用する前述した起爆装置に関
し、一方の前記電気導体、例えば管状ソケットがフィル
タコイルに直列に接続されていることを特徴とする。
【００１４】従って、好ましい実施態様において本発明
は、機械的振動および要求していない静電放電による過
電圧を感知することのない特に信頼性のある電気式火薬
用起爆装置を形成するのを可能とする。これら起爆装置
の好ましい適用例はシートベルトのリトラクタ用の起爆
装置か、もしくは自動車の乗員のためのエアバッグを膨
張させる火薬式ガス発生器用の起爆装置である。
【００１５】さらに、本発明は、電気式火薬用起爆装置
と電気的接続手段とを特に具備する電気式火薬用起爆シ
ステムであって、この電気式火薬用起爆装置は、抵抗性
加熱素子を含んでいてこの抵抗性加熱素子は火薬点火用
組成物によって被覆されていて、かつ二つの電極に接続
されており、この電極は電気コネクタによって電流源に
接続されており、前記抵抗性加熱素子は、電極間の電位
差が動作値Ｕｆに達するときに前記点火用組成物を点火
させることができる抵抗値Ｒｃを有している電気式火薬
用起爆システムにおいて、前記抵抗性加熱素子に対して
平行に接続されている導電性フィルタ装置を含み、前記
導電性フィルタ装置の等価抵抗の値は、電気的接続手段
における実際の電位差が動作電圧Ｕｆ以下であるとき
に、少なくとも１００Ｒｃに等しくて、電気的接続手段
における実際の電位差がＵｆよりも大きな所定の値Ｕｏ
よりも大きいときに、０．２５Ｒｃ以下であることを特
徴とする電気式火薬用起爆システムを普及させることが
できる。
【００１６】本発明の好ましい実施態様によれば、電気
的接続手段は電気コネクタから構成される。電気コネク
タは二つの電気導体、例えば二つの管状ソケットを有し
ており、これら電気導体のそれぞれは起爆装置の二つの
電極の一方に接続されている。他の好ましい実施態様に
よると、導電性フィルタ装置が電気コネクタ内に組み込
まれている。電気コネクタの二つの電気導体が二つの管
状ソケットから構成される場合には、これら管状ソケッ
トは、抵抗性加熱素子に対して平行に接続されている導
電性フィルタ装置によって一緒に接続される。
【００１７】導電性フィルタ装置は互いに平行に接続さ
れるキャパシタおよびバリスタ、もしくは二つのツェナ
ダイオードから構成されている。導電性フィルタ装置の
しきい値電圧は所定の値Ｕｏに等しく、これらツェナダ
イオードは互いに平行に接続されていて反対の導電方向
を有しているのが有利である。
【００１８】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施態様は図１
から図４を参照して以下に説明される。電気コネクタ２
０に接続されているときの、本発明の第一の実施形態に
基づく電気式火薬用起爆装置１の回路図を示している図
３を参照すると、抵抗値Ｒｃを有する抵抗性加熱素子３
が、二つの電極９、１０と二つの管状ソケット３１、３
２とを介して前記電気コネクタ２０に電気的に接続され
ているのが示されている。さらに明確には、起爆装置１
の電極９は電気コネクタ２０の管状ソケット３１内に挿
入され、かつ起爆装置１の電極１０は前記電気コネクタ
２０の管状ソケット３２に挿入されている。電気コネク
タ２０は電流源２と適切なスイッチ３３とに接続されて
いて、フィルタコイル４を含んでいる。抵抗性加熱素子
３に対して平行に接続されている導電性フィルタ装置５
は、さらに明確には、バリスタ６とキャパシタ７とに分
けられ、これらは互いに平行に接続されている。
【００１９】図１をさらに詳しく参照すると、この電気
式火薬用起爆装置１は絶縁性プリント回路支持部１４か
ら形成されていて、この絶縁性プリント回路支持部もし
くは絶縁性支持部１４は、ガラス／樹脂の混合物、例え
ば樹脂がエポキシ樹脂である混合物を基礎とした円板か
ら構成されており、電極９、１０がこの絶縁性プリント
回路支持部を通過しているのが示されている。これら二
つの電極９、１０のそれぞれは、一方には、絶縁性支持
部１４に取り付けられている点火板１１にハンダ付けに
よって固定されている上端を有しており、他方には、対
応する管状ソケット３１、３２に接続するようにされる
下端を有している。火薬点火用組成物もしくは点火用組
成物１２を点火板１１上に付着させて、火薬点火用組成
物１２の上方には破壊可能な金属製キャップ１３を配置
させて、この破壊可能な金属製キャップ１３は、絶縁性
支持部１４を把持する円筒形金属製スリーブ３５上に圧
着されている。熱可塑性樹脂からなる被覆成型部８は破
壊可能な金属製キャップ１３と共に電極９、１０の一部
を封入して、起爆装置１を密閉している。
【００２０】図１に示す実施態様においては、プラスチ
ック製スカート３６が、補強用火薬組成物３４を破壊可
能な金属製キャップ１３から絶縁させているのが示され
ている。図２を参照すると、好ましい実施態様に基づく
点火板１１は、さらに特に、二つの導電性金属領域１
５、１６から構成されており、これら二つの導電性金属
領域１５、１６は抵抗性加熱素子３ならびにバリスタ６
およびキャパシタ７によって一緒に接続されているのが
示されている。
【００２１】さらに明確には、抵抗性加熱素子３は平坦
な抵抗体、例えばニッケル−クロム合金を基礎とする抵
抗体を用いて形成され、抵抗性加熱素子３の厚さは０．
００１ｍｍと０．１ｍｍとの間であり、かつ、剥き出し
であって火薬点火用組成物１２と直接的に接触している
抵抗性加熱素子３の表面の断面積は０．０１平方ｍｍと
０．２平方ｍｍとの間である。この抵抗性加熱素子３は
導電性金属領域１５と導電性金属領域１６との両方に接
触しており、これら導電性金属領域のそれぞれは、厚さ
が約３５マイクロメートルの弓形の形状をした銅からな
る層より形成されている。抵抗性加熱素子３と二つの電
極９、１０との間を電気的に連結（ｌｉｎｋａｇｅ）す
るために、導電性金属領域１５は電極９に接続されてい
て、かつ導電性金属領域１６は電極１０に接続されてい
る。バリスタ６は、前記導電性層１５、１６に取り付け
られた半導体の薄層からなる組立体より構成され、かつ
キャパシタ７は、導電性薄層と絶縁性薄層とが交互にな
っていて前記導電性金属領域１５、１６に取り付けられ
る組立体より構成されている。バリスタ６を製造するの
に使用される種々の薄層は、タンタルもしくはゲルマニ
ウムを基礎とするのが有利である。
【００２２】バリスタ６およびキャパシタ７から構成さ
れる、この導電性フィルタ装置５は一方では、二つの電
極９、１０間の電位差が動作電圧と呼ばれる電圧Ｕｆ以
下であるときに１００Ｒｃに等しい値の等価抵抗を有
し、他方では、二つの電極９、１０間の電位差が動作電
圧Ｕｆよりも大きな所定のしきい値Ｕｏよりも大きいと
きに０．２５Ｒｃに等しい値の等価抵抗を有する。
【００２３】この電気式火薬用起爆装置１を起爆させる
ことが要求され、かつ起爆させる必要があると認められ
るときには、スイッチ３３を閉じることによってこの起
爆装置１に接続されている電流源２を起動させると、電
極９、１０間における実際の電位差が、数ミリ秒オーダ
の期間に動作電圧Ｕｆに等しくなる。次いで抵抗性加熱
素子３の、値がＲｃの抵抗体によって解放された熱エネ
ルギは、点火用組成物を点火させて、結果として金属製
キャップ１３を燃焼させるのに十分である。
【００２４】他方では、電気式火薬用起爆装置１が高電
圧である静電放電を受けている状況において、この電圧
が所定のしきい値Ｕｏよりも大きい場合はいつでも、導
電性フィルタ装置５によって、前記起爆装置１の要求さ
れていない始動が妨げられる。これにより、導電性フィ
ルタ装置５が抵抗性加熱素子３に対して平行に接続され
ていて導電性フィルタ装置５の等価抵抗が値０．２５Ｒ
ｃまで降下するときには、電圧が所定の値Ｕｏよりも大
きいので、電流密度の小さい電流が抵抗性加熱素子３を
通過するが、この電流では点火用組成物１２を点火する
のに十分なエネルギを発生させない。電圧が極めて大き
い値に達するときにバリスタ６は誤動作を起こす可能性
があるので、抵抗性加熱素子３の特性による等価抵抗値
はキャパシタ７によって降下する。
【００２５】最終的に、電気式火薬用起爆装置１は、数
ナノ秒オーダの継続時間における静電放電と、動作電圧
Ｕｆの値と所定のしきい値Ｕｏとの間の値を有する電圧
とを受けるが、抵抗性加熱素子３により解放された熱エ
ネルギでは、点火用組成物１２の要求されていない起爆
を発生させるには不十分である。電気コネクタ２０内に
組み入れられていて、二つの電極９、１０のうちの一方
に直列に接続されうるフィルタコイル４は過電圧のピー
クを制限することができる。
【００２６】本発明の第二の実施形態に基づく電気式火
薬用起爆装置１０１の回路図を示している図４を参照す
ると、電気コネクタ１２０に接続されているときに、抵
抗値Ｒｃを有する抵抗性加熱素子１０３は二つの電極１
０９、１１０と二つの管状ソケット１３１、１３２とを
介して前記電気コネクタ１２０に電気的に接続されてい
るのが示されている。さらに明確には、起爆装置１０１
の電極１０９は電気コネクタ１２０の管状ソケット１３
１に挿入され、かつ起爆装置１０１の電極１１０は電気
コネクタ１２０の管状ソケット１３２内に挿入されてい
る。電気コネクタは電流源１０２と適切なスイッチ１３
３とに接続されている。フィルタコイル１０４は起爆装
置１０１の電極１０９に直列に接続されている。抵抗性
加熱素子３に対して平行に接続されている導電性フィル
タ装置１０５は、互いに平行に接続されて反対の導通方
向を有する二つのツェナダイオード１０６、１０７に分
けられる。
【００２７】さらに、前記ツェナダイオード１０６、１
０７から構成される導電性フィルタ装置１０５の等価抵
抗の値は、抵抗性加熱素子３が受ける電圧がいわゆる動
作電圧Ｕｆ以下であるときに１００Ｒｃに等しくて、抵
抗性加熱素子３が受ける電圧が動作電圧Ｕｆよりも大き
な所定のしきい値Ｕｏよりも大きいときには、０．２５
Ｒｃに等しい。それゆえ、二つのツェナダイオード１０
６、１０７には、これらツェナダイオード１０６、１０
７が受ける電圧が所定の値Ｕｏ以上であるときにのみ、
電気が流れる。
【００２８】前述したように、電気式火薬用起爆装置１
０１を起爆することが要求され、かつ起爆させる必要が
あると認められるときに、前記起爆装置１０１に接続さ
れている電流源１０２を起動させると、抵抗性加熱素子
１０３は数ミリ秒の期間に亙って動作電圧Ｕｆを受け
る。従って、抵抗性加熱素子１０３によって解放された
エネルギは、抵抗性加熱素子１０３と接触している点火
用組成物を点火する。
【００２９】他方では、電気式火薬用起爆装置１０１が
所定のしきい値Ｕｏよりも大きい電圧である静電放電を
受ける状況においては、二つのツェナダイオード１０
６、１０７によって、前記起爆装置１０１の要求されて
いない起爆が妨げられる。これにより、二つのツェナダ
イオードの等価抵抗の値が０．２５Ｒｃまで降下して、
前記ツェナダイオード１０６、１０７が抵抗性加熱素子
１０３に対して平行に接続されているので、小さい強度
の電流がこの抵抗性加熱素子１０３を通過するが、この
電流では、点火用組成物を点火するのに十分な熱エネル
ギを発生させない。
【００３０】最終的に、電気式火薬用起爆装置１０１が
数ナノ秒オーダの持続期間を有する静電放電と動作電圧
Ｕｆと所定のしきい値Ｕｏとの間の値を有する電圧とを
受けるときに、二つのツェナダイオード１０６、１０７
には電気が流れず、抵抗性加熱素子１０３によって解放
された熱エネルギは点火用組成物の要求されていない起
爆を引き起こすのに十分でない。
【００３１】起爆装置１０１の電極１０９と直列に接続
されているフィルタコイル１０４は過電圧のピークを制
限するのを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図１】導電性フィルタ装置がキャパシタおよびバリス
タ（これらは図示しない）から構成されている、本発明
に基づく起爆装置の断面図である。
【図２】図１に示す起爆装置の絶縁性支持部の頂面図で
ある。
【図３】フィルタコイルを組み込んでいる電気コネクタ
に接続されているときの、図１および図２に示す起爆装
置の回路図である。
【図４】導電性フィルタ装置が二つのツェナダイオード
から構成されている起爆装置の回路図であって、この起
爆装置は電気コネクタに接続されていて、かつ一方の電
極に直列に接続されているフィルタコイルを具備してい
る。
【符号の説明】 １…起爆装置 ２…電流源 ３…抵抗性加熱素子 ５…導電性フィルタ装置 ６…キャパシタ ７…バリスタ ９…電極 １０…電極 １２…点火用組成物 １０１…起爆装置 １０２…電流源 １０３…抵抗性加熱素子 １０５…導電性フィルタ装置 １０６…ツェナダイオード １０７…ツェナダイオード １０９…電極 １１０…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60R 21/16 - 21/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 抵抗性加熱素子（３、１０３）を具備す
    る電気式火薬用起爆装置（１、１０１）であって、該抵
    抗性加熱素子（３、１０３）が火薬点火用組成物（１
    ２）によって被覆されていて、かつ二つの電極（９、１
    ０、１０９、１１０）に接続されており、該電極（９、
    １０、１０９、１１０）を電気コネクタ（２０、１２
    ０）によって電流源（２、１０２）に接続でき、前記抵
    抗性加熱素子（３、１０３）は、電極（９、１０、１０
    ９、１１０）間の電位差が動作値Ｕｆに達するときに前
    記点火用組成物（１２）を点火させることができる抵抗
    値Ｒｃを有しており、 前記二つの電極（９、１０、１０９、１１０）はまた、
    前記抵抗性加熱素子（３、１０３）に対して平行に接続
    された導電性フィルタ装置（５、１０５）によって一緒
    に接続されており、前記導電性フィルタ装置（５、１０
    ５）の等価抵抗の値は、二つの電極（９、１０、１０
    ９、１１０）間の電位差が動作電圧Ｕｆ以下であるとき
    に少なくとも１００Ｒｃに等しくて、電極（９、１０、
    １０９、１１０）間の電位差がＵｆよりも大きな所定の
    値Ｕｏよりも大きいときに、０．２５Ｒｃ以下である電
    気式火薬用起爆装置（１、１０１）において、 前記導電性フィルタ装置（５、１０５）が、 （ｉ）互いに平行に接続されたキャパシタ（７）および
    バリスタ（６）からなるグループ、 または （ｉｉ）しきい値電圧が所定の値Ｕｏに等しくて互いに
    平行に接続されていて反対の導電方向を有している二つ
    のツェナダイオード（１０６、１０７）からなるグルー
    プより構成されている ことを特徴とする電気式火薬用起
    爆装置（１、１０１）。
  2. 【請求項２】 抵抗性加熱素子（３、１０３）が、絶縁
    性プリント回路支持部（１４）上に付着された薄くて平
    坦な抵抗体から構成されていて、前記絶縁性プリント回
    路支持部（１４）上に広がる二つの別個の導電性金属領
    域（１５、１６）を介して二つの電極（９、１０、１０
    ９、１１０）に接続されており、各導電性金属領域が二
    つの電極のうちの一方に接触していることを特徴とする
    請求項１に記載の電気式火薬用起爆装置。
  3. 【請求項３】 バリスタ（６）が前記導電性金属領域
    （１５、１６）に取り付けられた半導体の薄層からなる
    組立体より構成されることを特徴とする請求項２に記載
    の電気式火薬用起爆装置。
  4. 【請求項４】 前記キャパシタ（７）が、導電性薄層と
    絶縁性薄層とが互い違いになっていて前記導電性層（１
    ５、１６）に取り付けられている組立体より構成されて
    いることを特徴とする請求項２に記載の電気式火薬用起
    爆装置。
  5. 【請求項５】 前記ツェナダイオード（１０６、１０
    ７）が、前記導電性金属領域に取り付けられた半導体の
    薄層からなる組立体より構成されることを特徴とする請
    求項２に記載の電気式火薬用起爆装置。
  6. 【請求項６】 フィルタコイル（１０４）が前記電極の
    うちの一方と直列に接続されていることを特徴とする請
    求項１に記載の電気式火薬用起爆装置。
  7. 【請求項７】 二つの電気導体を有する電気コネクタに
    前記電極を接続することによる電気式火薬用起爆装置の
    使用法において、一方の電気導体がフィルタコイル
    （４）に直列に接続されていることを特徴とする請求項
    １に記載の電気式火薬用起爆装置の使用法。
  8. 【請求項８】 電気式火薬用起爆装置と電気的接続手段
    とを具備する電気式火薬用起爆システムであって、該電
    気式火薬用起爆装置は、抵抗性加熱素子を含んでいてこ
    の抵抗性加熱素子は火薬点火用組成物によって被覆され
    ていて、かつ二つの電極に接続されており、該電極は電
    気コネクタによって電流源に接続されており、前記抵抗
    性加熱素子は、電極間の電位差が動作値Ｕｆに達すると
    きに前記点火用組成物を点火させることができる抵抗値
    Ｒｃを有しており、前記抵抗性加熱素子に対して平行に
    接続されている導電性フィルタ装置を含み、前記導電性
    フィルタ装置の等価抵抗の値は、電気的接続手段におけ
    る実際の電位差が動作電圧Ｕｆ以下であるときに、少な
    くとも１００Ｒｃに等しくて、電気的接続手段における
    実際の電位差がＵｆよりも大きな所定の値Ｕｏよりも大
    きいときに、０．２５Ｒｃ以下である電気式火薬用起爆
    システムにおいて、 （ｉ）前記電気的接続手段が電気コネクタから構成され
    ること、ならびに、 （ｉｉ）前記導電性フィルタ装置が、 （ａ）互いに平行に接続されたキャパシタ（７）および
    バリスタ（６）からなるグループ、 または、 （ｂ）しきい値電圧が所定の値Ｕｏに等しくて互いに平
    行に接続されていて反対の導電方向を有している二つの
    ツェナダイオード（１０６、１０７）からなるグループ
    より構成されている ことを特徴とする電気式火薬用起爆
    システム。
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