JP2914743B2 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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JP2914743B2 JP27187790A JP27187790A JP2914743B2 JP 2914743 B2 JP2914743 B2 JP 2914743B2 JP 27187790 A JP27187790 A JP 27187790A JP 27187790 A JP27187790 A JP 27187790A JP 2914743 B2 JP2914743 B2 JP 2914743B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、包装用フィルム、特にレトルト食品などの
包装用フィルムとして好適な積層フィルムおよびその製
造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] レトルト用包装材料には、食品用包装材料に要求され
る性能の外に、レトルト処理に対する耐性を備えている
ことが要求される。このレトルト処理は、通常、加圧条
件下、110〜120℃の温度で30〜60分程度行なわれる。一
方、ナイロンフィルムは、耐摩耗性、光沢や透明性等の
光学的性質などに優れる外、特に、耐油性、耐熱・耐寒
性に優れ、広い温度範囲で使用できるという利点を有す
るため、レトルト食品用包装材料として広く利用されて
いる。しかし、ナイロンフィルムは、酸素ガスバリア性
や水蒸気バリア性などのガスバリア性が十分でない。そ
こで、ガスバリア性を付与すると共に、複合化するた
め、ナイロンフィルムに、塩化ビニリデン系ポリマーを
含有する塗布剤、ポリイソシアネート成分及びポリオー
ル成分を含むラミネート剤とを順次塗布し、フィルムを
積層した積層フィルムが提供されている。
前記構成の積層フィルムは、レトルト処理前には、高
いガスバリア性を示すものの、レトルト処理に供する
と、ガスバリア性が著しく低下する。また、レトルト処
理により、積層フィルムが白濁し、透明性が著しく低下
する。さらに、ヒートシールなどにより製袋してレトル
ト処理に供すると、シール部が著しく白化する。この白
化の程度はヒートシール温度が高い程大きい。これらの
ことは、次のような理由によるものと推測される。すな
わち、ラミネート剤中のポリイソシアネート成分が、空
気中の水分や、場合によっては、前記被覆層中に含まれ
る塩化ビニリデン系ポリマーの活性水素原子と反応し、
イソシアネート成分の一部が失活するので、ラミネート
剤層中には未反応のポリオール成分が過剰に残存する。
残存した未反応のポリオール成分は、レトルト処理によ
り、前記被覆層内に浸透して、塩化ビニリデン系ポリマ
ーの結晶化を阻害し、積層フィルムの透明性及びガスバ
リア性を低下させる。また、ヒートシールにより製袋す
る場合には、シール時の熱により、塩化ビニリデン系ポ
リマが溶融して結晶化がくずれ、レトルト処理時の熱水
により、ヒートシール部が白化するものと推測される。
従って、本発明の目的は、ラミネート剤の如何に拘ら
ず、レトルト処理に供しても、高いガスバリア性および
透明性を保持する積層フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、熱接合により製袋してレトルト
処理に供しても、シール部の白化を抑制できる積層フィ
ルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記の如き優れた特性を
有する積層フィルムの製造方法を提供することにある。
[発明の構成] 前記目的を達成するため、本発明は、ナイロンフィル
ムの少なくとも一方の面が、塩化ビニリデン系ポリマー
を含む溶剤型塗布剤で構成された被覆層、ポリイソシア
ネート成分とポリオール成分とで構成されたラミネート
剤層、およびヒートシール性無延伸ポリプロピレンフィ
ルム層で順次被覆された層構造を有するフィルムであっ
て、前記塩化ビニリデン系ポリマーの塩化ビニリデン含
量が91〜94重量%である積層フィルムを提供する。
また、本発明は、ナイロンフィルムの少なくとも一方
の面を、塩化ビニリデン系ポリマーを含む溶剤型塗布
剤、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含む
ラミネート剤で順次被覆する被覆工程と、前記ラミネー
ト剤上にヒートシール性無延伸ポリプロピレンフィルム
を積層する積層工程を含むフィルムの製造方法であっ
て、前記塗布剤として、塩化ビニリデン含量91〜94重量
%の塩化ビニリデン系ポリマーを含む塗布剤を使用する
積層フィルムの製造方法を提供する。
基材フィルムを構成するナイロンフィルムは、広い温
度範囲で使用できる。ナイロンフィルムを構成するナイ
ロンとしては、ナイロン又はポリアミド、例えば、ナイ
ロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン612や、共重合ナイロン、例えば、ナイ
ロン6/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11などが例示さ
れ、これらのナイロンは少なくとも一種使用される。
前記ナイロンフィルムは、単層フィルムであってもよ
く、他のフィルムが積層された複合フィルムであっても
よい。前記他のフィルムとしては、例えば、ポリエチレ
ン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマ
ー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン系ポリ
マー;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリ塩化
ビニル;ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体などの塩化ビニリデン系ポリマー;ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体などのスチレン系ポ
リマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどのポリエステル;ポリアクリロニトリ
ル;ポリカーボネート;ポリイミド;セロハンなどを素
材とする種々のフィルムが使用できる。
基材フィルムは、未延伸であってもよく、一軸又は二
軸延伸処理されていてもよい。延伸法としては、慣用の
延伸法、例えばロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テ
ンター延伸、チューブ延伸や、これらを組合せた延伸法
などが挙げられる。延伸倍率は、所望するフィルムの特
性に応じて適宜設定でき、例えば1.5〜20倍、好ましく
は2〜15倍程度である。
なお、延伸処理は、フィルムを構成するポリマーの融
点以下であって、二次転移点以上の温度で行なわれる。
またフィルムの延伸後、緊張下で熱処理し、分子の配向
を固定させてもよい。延伸処理、特に二軸延伸や配向処
理を行なうと、フィルムの強度などを著しく大きくでき
る。
基材フィルムの表面は、必要に応じて、コロナ放電処
理、高周波処理などにより表面処理されていてもよい。
基材フィルムの厚みは特に制限されず、例えば、厚み
1〜250μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記基材フィルムの少なくとも一方の面には、塩化ビ
ニリデン含量91〜94重量%、好ましくは91.5〜93重量%
の塩化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層が形成されて
いる。塩化ビニリデン含量が91重量%未満では、レトル
ト処理後の積層フィルムのガスバリア性及び透明性が低
下し、94重量%を越えると、塩化ビニリデン系ポリマー
の溶剤に対する溶解性が低下する。このような塩化ビニ
リデン系ポリマーは、塩化ビニリデン含量が覆いため、
耐熱性が高く、レトルト処理時の熱水による結晶破壊が
抑制されると共に、初期の結晶化が高い。しかも、レト
ルト処理により結晶化度が低下しても、その後の回復速
度が大きく迅速に結晶化するものと思われる。また、前
記塩化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層を形成する
と、ヒートシールなどによりシールし、レトルト処理に
供しても、シール部の白化の程度が小さい。
前記塩化ビニリデン系ポリマーは、塩化ビニリデンと
他の重合性モノマーとの共重合体で構成されている。重
合性モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、クロトン酸、アクリル酸、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチルアクリ
レート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レートなどの各種アクリレート、アルリロニトリル、メ
タクロニトリル、メタクリル酸や、上記アクリレートに
対応するメタクリレートなどが例示される。これらの重
合性モノマーは一種または二種以上使用される。上記共
重合体のうち塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル
酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、
塩化ビニリデン−アクリレート共重合体及び塩化ビニリ
デン−メタクリレート共重合体などの共重合体が好まし
い。
これらの塩化ビニリデン系ポリマーは少なくとも一種
使用される。
塩化ビニリデン系ポリマーの融点は、レトルト処理温
度に応じて適宜選択できるが、示差走査熱量計(DSC)
による融点が125以上、好ましくは130℃以上、さらに好
ましくは140℃以上である。塩化ビニリデン系ポリマー
の融点が125℃未満であると、例えば120℃程度のレトル
ト処理温度で塗膜が白濁し易く、ガスバリア性が低下し
易い。なお、塩化ビニリデン系ポリマーの融点が高くな
るにつれて、高いレトルト処理温度にも耐えうる塗膜が
得られ、塗膜の白濁化及びガスバリア性の低下をより一
層防止できる。レトルト処理は、前記のように、通常11
0〜120℃程度の温度で30〜60分程度行なわれる。
被覆層の膜厚は、ガスバリア性を損わない限り特に制
限されないが、通常、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜
3μm程度である。膜厚が0.01μm未満であると高いガ
スバリア性を付与するのが困難であり、5μmを越える
と経済的でないばかりか、場合によっては基材フィルム
の特性が低下する虞がある。
塩化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層は、塩化ビニ
リデン系ポリマーを含む塗布剤を、基材フィルムに塗布
し、乾燥することにより形成できる。前記塗布剤は、溶
剤可溶型塩化ビニリデン系ポリマーと有機溶媒とを含む
溶剤型塗布液である。
溶剤型塗部液の有機溶媒としては、前記塩化ビニリデ
ン系ポリマーを溶解ないし分散しうる溶媒、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メ
チレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン
化炭化水素やこれらの混合溶媒が使用できる。
塗布手段としては、特に制限されず、従来慣用の手
段、例えば、デップコーター、ロールコーター、グラビ
アコーター、エアーナイフコーターなどが例示される。
被覆層上には、ポリイソシアネート成分とポリオール
成分とを含む二液硬化型ウレタン系接着剤で構成された
ラミネート剤層が形成されている。
ポリイソシアネート成分としては、慣用の化合物、例
えば、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,3,6
−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;p−フェニレ
ンジイソシアネート、ω,ω−ジイソシアネート−1,3
−ジメチルベンゼン、ω,ω−ジイソシアネート−1,4
−ジメチルベンゼン、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネートなどの芳香族ポリイソシアネート;イソホロン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、ω,ω−ジイソシアネート−1,3−
ジメチルシクロヘキサン、ω,ω−ジイソシアネート−
1,4−ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−
ジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート;キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネートなどの芳香族脂肪族ポリイソシアネート
などが例示される。ポリイソシアネート成分は、多価ア
ルコールにポリイソシアネート化合物が付加し、かつ末
端にイソシアネート基を有するアダクト体、ビュレット
反応により生成したイソシアネート化合物、二量体、三
量体であってもよい。ポリイソシアネート成分は、単独
又は二種以上の混合物として使用できる。
ポリオール成分としては、二液硬化型ウレタン接着剤
に汎用されている化合物、例えば、多価アルコールと、
多価カルボン酸又はその低級アルキルエステル若しくは
酸無水物との反応により得られ、ヒドロキシ基を有する
ポリエステルポリオール;前記ポリエステルポリオール
とポリイソシアネート成分との反応により得られ、ヒド
ロキシ基を有するポリエステルポリウレタンポリオール
などが挙げられる。これらのポリオール成分は単独又は
混合して使用できる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール;1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族多価アルコー
ル;2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プロパ
ンなどの芳香族多価アルコールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジビ
ン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸などが
挙げられる。
なお、ポリオール成分は、特開昭61−209282号公報に
開示されているように、ポリオール成分とエチレン性不
飽和カルボン酸又はその酸無水物とをラジカル発生剤の
存在下で反応させた変性ポリオールであってもよい。ま
た、前記ポリオール成分には、レトルト処理を損わない
範囲で、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポ
リエーテルポリウレタンポリオールなどを添加してもよ
い。
ポリオール成分の重量平均分子量は、通常、500〜100
000程度である。
本発明では、被覆層に含まれる塩化ビニリデン系ポリ
マーの塩化ビニリデン含量が高いので、ポリイソシアネ
ート成分とポリオール成分との割合の如何に拘らず、レ
トルト処理後も高いガスバリア性及び透明性を保持し、
かつシール部の白化の程度が小さい。従って、前記ポリ
イソシアネート成分とポリオール成分との割合は、ヒー
トシール性無延伸ポリプロピレンフィルム層とのラミネ
ート強度を損わない限り特に制限されない。
ラミネート剤層の膜厚は、ヒートシール性無延伸ポリ
プロピレンフィルム層との接着強度を損わない範囲で選
択でき、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μm程
度である。
前記ラミネート剤層は、前記ポリイソシアネート成分
とポリオール成分とを含むラミネート剤を前記被覆層上
に塗布することにより形成できる。前記ラミネート剤
は、通常、有機溶媒溶液として使用される。有機溶媒と
しては、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シク
ロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステ
ル類;これらの混合溶液が挙げられる。
ラミネート剤層の硬化は、ラミネート剤層にヒートシ
ール性無延伸ポリプロピレンフィルム層を積層した後、
例えば、30〜50℃程度の温度で行なうことができる。
ヒートシール性無延伸ポリプロピレンフィルム層の積
層は従来慣用の方法により、前記ラミネート剤に無延伸
ポリプロピレンフィルムを圧着することにより行なうこ
とができる。
また、本発明の積層フィルムは、少なくとも、前記基
材フィルム、被覆層、ラミネート剤層およびヒートシー
ル性無延伸ポリプロピレンフィルム層からなる層構造を
有していればよい。
このような積層フィルムにおいて、ヒートシール、イ
ンパルスシール及び超音波接合などにより製袋する。前
記ヒートシール性無延伸ポリプロピレンフィルム層の膜
厚は、前記基材フィルムの膜厚と同様な範囲内で選択で
き、コーティング層の膜厚は、通常、0.1〜5μm程度
である。
なお、基材フィルムの両面に、それぞれ、被覆層、ラ
ミネート剤層及びヒートシール性無延伸ポリプロピレン
フィルム層が形成されていてもよい。
被覆層、ラミネート剤層は、例えば、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
などのオレフィン系ポリマー;アクリル系ポリマー;ス
チレン系ポリマー;ポリエステル;ポリアセタール;ポ
リ酢酸ビニル;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体;ポリアミド;ポリウレタン;ポリカーボネ
ート;塩素化ポリオレフィン;セルロース系ポリマーな
どのポリマーを含有していてもよい。
前記基材フィルム、被覆層、ラミネート剤層、ヒート
シール性無延伸ポリプロピレンフィルム層は、添加剤を
含有していてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、熱安定剤、可塑剤、帯電防止剤、粘着付与
剤、可塑剤、充填剤、ワックスや微粉末状滑剤などの滑
剤、染顔料などが例示される。
[発明の効果] 本発明の積層フィルムは、ラミネート剤の如何に拘ら
ず、レトルト処理に供しても白濁せず、高い透明性及び
ガスバリア性を保持する。
また、積層フィルムを熱接合により製袋してレトルト
処理に供しても、シール部の白化を抑制できる。
本発明の積層フィルムの製造方法では、前記の如き優
れた特性を有する積層フィルムを得ることができる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1〜11および比較例 表に示す塩化ビニリデン含量を塩化ビニリデン−アク
リル酸エステル共重合体100重量部、融点78℃のワック
ス1重量部、滑剤としての平均粒径3μmのシリカ微粉
末0.1重量部を、テトラヒドロフラン/トルエン=70/30
(重量比)に均一に混合し、塩化ビニリデン系ポリマー
の含有量12重量%の塗布液を調製した。この塗布液を、
二軸延伸した膜厚15μmのナイロン6フィルムの一方の
面に、バーコーターを用いて乾燥後の塗布量1.3g/m2
なるように塗布した。
次いで、ポリオール成分(東洋モートン(株)製、AD
−806)と、ポリイソシアネート成分(東洋モートン
(株)製、RT−8)とを混合してラミネート剤を調製し
た。得られたラミネート剤を、前記ナイロンフィルムの
塗布面に、乾燥後の塗布量3.0g/m2となるように塗布
し、塗布面に無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績
(株)、P−1143)を圧着してラミネートし、積層フィ
ルムを作製した。
そして、得られた積層フィルムを温度120℃×30分の
レトルト処理に供し、レトルト処理後の酸素ガス透過
率、およびヘーズ(%)を測定した。酸素ガス透過率は
ガスクロマト法により次のようにして測定した。
湿度80%の酸素ガスと、補償ガスとしてのヘリウムガ
スとを用いて、測定器(Lyssy Gas Permeablity Testin
g Apparatus L−66)により、温度20℃で測定した。単
位はcc/m2/24時間である。
なお、レトルト処理前の複合フィルムのヘーズは約7
%、酸素ガス透過率は6〜7cc/m2/24時間であった。
塩化ビニリデン含量と酸素ガス透過率との関係を第1
図に、塩化ビニリデン含量とヘーズとの関係を第2図に
示す。
さらに、積層フィルムを無延伸ポリプロピレンフィル
ム同士を、温度150℃及び160℃で、圧力2kg/cm2、圧着
時間1秒の条件でヒートシールし製袋した。袋体を、前
記レトルト処理に供し、レトルト処理後のヒートシール
部の白化度を下記の基準により評価した。
評価基準 優:透明、良:殆ど透明、不可:白化 塩化ビニリデン含量とヒートシール部の白化度との関
係を表に示す。
第1図、第2図及び表より、比較例の積層フィルムで
は、レトルト処理により濁度及び酸素ガス透過率が大き
くなる。これに対して、各実施例の積層フィルムは、塩
化ビニリデン含量が大きくなるにつれて、レトルト処理
後も白濁度及び酸素ガス透過率が小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例及び比較例における塩化ビニリデン含量
と酸素ガス透過率との関係を示すグラフ、 第2図は、実施例及び比較例における塩化ビニリデン含
量とヘーズとの関係を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナイロンフィルムの少なくとも一方の面
    が、塩化ビニリデン系ポリマーを含む溶剤型塗布剤で構
    成された被覆層、ポリイソシアネート成分とポリオール
    成分とで構成されたラミネート剤層、およびヒートシー
    ル性無延伸ポリプロピレンフィルム層で順次被覆された
    層構造を有するフィルムであって、前記塩化ビニリデン
    系ポリマーの塩化ビニリデン含量が91〜94重量%である
    積層フィルム。
  2. 【請求項2】ナイロンフィルムの少なくとも一方の面
    を、塩化ビニリデン系ポリマーを含む溶剤型塗布剤、ポ
    リイソシアネート成分とポリオール成分とを含むラミネ
    ート剤で順次被覆する被覆工程と、前記ラミネート剤上
    にヒートシール性無延伸ポリプロピレンフィルムを積層
    する積層工程を含むフィルムの製造方法であって、前記
    塗布剤として、塩化ビニリデン含量91〜94重量%の塩化
    ビニリデン系ポリマーを含む塗布剤を使用する積層フィ
    ルムの製造方法。
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