JP5158458B2 - 耐熱性オレフィン系多層フィルム、その製造方法及びこれを用いる包装材 - Google Patents

耐熱性オレフィン系多層フィルム、その製造方法及びこれを用いる包装材 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性のある延伸基材を貼り合わさなくても耐熱性や良好な包装適性を可能とする耐熱性オレフィン系多層フィルムに関するものであり、詳しくは、耐熱性コーティング剤とオレフィン系多層フィルムとの塗工性や密着性に優れ、コート剤の剥がれ・脱落等の問題が無く、これをそのまま包装材して使用することが可能な耐熱性オレフィン系多層フィルムとその製造方法及びこれを用いる包装材に関するものである。
従来、包装材には内容物の保護の観点から、高ヒートシール強度、耐ピンホール性、低温衝撃性等が要求される。また、包装機械による自動包装の点からは熱源であるシールバーに接する層と、熱融着によりシールされる内面側のシール層の融点との差は大きい方が好ましい。また腰のある高剛性フィルムは包装機にも簡単にセットしやすい等の理由からオペレータが扱いやすく、これらの観点から一般に、耐熱性・高剛性に優れる2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2軸延伸ポリエステル(OPET)、2軸延伸ポリアミド(OPA)等の延伸基材フィルムと、シール性や密封性に優れる無延伸ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)のフィルム等を接着剤で貼り合わせる、ラミネートフィルムが多く使用されてきた。
しかし、近年の環境対応の観点からは、包装材の薄肉化による使用包材の減容化、共押出法によるラミネート工程の削減、接着剤に使用される有機溶剤の削減や接着剤そのものの不使用化などは、ユーザーや最終消費者の間で重要視されつつある。
これらの要求を鑑み、本発明者は既に、耐熱性のある融点の高いポリプロピレンを表面樹脂層として用い、融点が前記ポリプロピレンよりも低いオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層をヒートシール層として積層することにより、延伸基材等を利用しない単体での使用が可能で、包装機械適性に優れ、耐ピンホール性にも優れた共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提案した(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1で得られる共押出多層フィルムを単体使用した場合のシール温度は160℃が上限であり、これ以上の温度では表面層のシールバーへの付着が避けられず、シールバーの汚れ、シール部のシワ等の発生による外観の劣化の問題が生じ、延伸基材を張り合わせた多層フィルムと同条件での製袋が不可能になることがあった。
一方、プラスチックフィルムの表面に機能性塗料を塗布し乾燥することによって、当該フィルムの高機能化を目指す技術は広く知られている(例えば、特許文献2〜4参照)。
これらの機能性塗料をプラスチックフィルムに塗布し乾燥する際に、その塗装工程において、当該フィルム上にハジキが生じたり、又乾燥工程で塗膜がフィルムから剥がれたりすると、目的とした機能の付与が充分に行われない。又塗装や乾燥の工程で問題なくフィルムを多層化できたとしても、これを二次加工する際の衝撃(擦れ、加熱等)によって、当該塗膜に剥がれやひびが入ると、包装材として使用できないことになる。従来、これらの塗装による高機能化に際し、使用するプラスチックフィルムについて詳細に検討されてはおらず、極性の高いフィルムを用いたり、機能性塗料に添加剤を加えたりする等の工夫が必要であった。
特開2010−234660号公報 特開昭61−274936号公報 特開昭63−299925号公報 特開平9−123378号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、耐熱性のコーティング剤を無延伸オレフィン系フィルムに塗工することにより、表面の耐熱性に優れ、延伸基材等を利用しない単体での使用が可能となり、包装機械適性に優れ、又コート層とオレフィン系フィルムとの密着強度にも優れた耐熱性オレフィン系多層フィルムとその製造方法、並びにこれを用いる包装材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、オレフィン系樹脂からなる特定の多層フィルムに耐熱性のコーティング剤を塗布し乾燥させることにより、特段の工夫をしなくても該コーティング剤とフィルム間の密着性が良好となり、オレフィン系多層フィルムの表面耐熱性を効果的に向上させることが可能で、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)と、酸変性オレフィン系樹脂(a2)を含有する層(A2)と、耐熱コート層(B)とが、(A1)/(A2)/(B)の順で積層されてなり、前記層(A1)と前記層(A2)との合計厚みに対する層(A2)の比率が5〜40%であり、耐熱コート層(B)がポリウレタンコーティング剤(b)からなる層であることを特徴とする耐熱性オレフィン系多層フィルムとこれを用いてなる包装材を提供するものである。
更に本発明は、ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)と、酸変性オレフィン系樹脂(a2)を含有する層(A2)と、耐熱コート層(B)とが、(A1)/(A2)/(B)の順で積層されてなる多層フィルムの製造方法であり、前記層(A1)と前記層(A2)とを共押出積層法を用いて積層した後、層(A2)上にポリウレタンコーティング剤(b)を塗布することを特徴とする耐熱性オレフィン系多層フィルムの製造方法をも提供するものである。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムは、共押出多層フィルム上に耐熱コーティング剤を塗布することにより簡便に得られるものである。目的とする性能(透明性、剛性、加工性等)や用途(包装材、ポスター、ラベル等)に応じて当該多層フィルムの層構成を選択することで容易に設計変更が可能であり、汎用性に優れる。又、共押出法を用いることでアンカー層(プライマー層)の形成工程を省くことができ、環境負荷低減や製造に係る時間やコスト削減効果もあり、有用性が高いものでもある。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムの支持体として機能するプラスチックフィルムは、少なくともポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)と酸変性オレフィン系樹脂(a2)を含有する層(A2)とを有するものである。この層(A2)は支持体としての機能と同時に、耐熱コート層(B)との易接着層としても機能を有する。尚、本発明において「主成分とする」とは、当該特定の樹脂を、層を形成する樹脂組成物全量に対して80質量%以上含有する事を言うものであり、好ましくは、85質量%以上が特定の樹脂であることを言う。又、本発明において「含有する」とは、当該特定の樹脂を、層を形成する樹脂組成物全量に対して1質量%以上含有する事を言うものであり、好ましくは、20質量%以上が特定の樹脂であることを言う。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムにおける表面耐熱層の反対側は、ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)である。ここで用いることができるポリオレフィン系樹脂(a1)としては、炭素数2〜6のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。共重合形式は、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。また、ポリオレフィン系樹脂(a1)としては、二次成形時における外観の保持、フィルム自体の反りの抑制の観点から、その融点が100℃以上であるものを用いることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂(a1)としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等として知られているものを何れも用いることができる。例えば、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。得られる耐熱性オレフィン系多層フィルムをロール状に巻き取り、長期間保管する場合は、ブロッキングを防止する観点から結晶性のプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。なお、本願において結晶性とはDSC(示差走査熱量測定)において95〜250℃の範囲で0.5J/g以上のピークを有することを言うものである。
また、上記のポリプロピレン系樹脂は、メルトフローレート(以下、「230℃のMFR」という。;JIS K7210:1999に準拠して、230℃、21.18Nで測定した値)が0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、230℃のMFRが2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、多層化後に加熱成形等の二次成形を行なう場合においてもフィルムの収縮が少ないため、外観を保持できると共に、媒体自身の反りを発生させることもなく、また共押出多層フィルムとするときの成膜性も向上する。また、密度は0.890〜0.910g/cmであることが好ましく、0.895〜0.905g/cmであることがより好ましい。
また、特に、層(A1)にプロピレン−エチレンブロック共重合体を用いる場合、表面が梨地状に改質され、多層フィルムをロール状に巻き取る際のシワの発生を抑制することができ、また、ロール状で保管した際のブロッキングを軽減できる。ここでプロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレンとエチレンとをブロック重合した樹脂であり、例えば、プロピレン単独重合体の存在下で、エチレンの重合、又はエチレン及びプロピレンの重合を行って得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。
また、層(A1)に結晶性プロピレン系樹脂とエチレン・プロピレンゴム(以下、「EPR」という。)との混合樹脂を用いると、層(A1)の表面を梨地状に容易に改質することができる。このとき用いる結晶性プロピレン系樹脂としては、汎用性の高いプロピレン単独重合体が好ましい。一方、このとき用いるEPRとしては、重量平均分子量が40万〜100万の範囲であるものがフィルム表面に凹凸を形成させて、表面を梨地状に改質できる点で好ましく、50〜80万の範囲であることがより好ましい。また、混合樹脂中のEPRの含有率は、5〜35質量%の範囲であることがフィルム表面を均質に梨地状に改質できる点で好ましい。この結晶性プロピレン系重合体とEPRとの混合樹脂のMFR(230℃)は、0.5〜15g/10分の範囲であることが押出加工しやすい点で好ましい。なお、前記EPRの重量平均分子量は、該混合樹脂を、オルソジクロルベンゼンを溶媒として使用し、40℃においてクロス分別法によって抽出した成分をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって算出して求めたものである。また、前記混合樹脂中のEPRの含有率は、該混合樹脂を、オルソジクロルベンゼンを溶媒として使用し、40℃においてクロス分別法によって抽出されたEPRの抽出量より求めたものである。
前記結晶性プロピレン系樹脂とEPRとの混合樹脂の製造方法は、特に制限はなく、具体例として例えば、プロピレン単独重合体とエチレン・プロピレンゴムとを、それぞれ別々にチーグラー型触媒を用いて溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等により製造した後、両者を混合機にて混合する方法や、2段重合法により、1段目でプロピレン単独重合体を生成させた後、2段目においてこの重合体の存在下でEPRを生成させる方法等が挙げられる。
前記チーグラー型触媒は、所謂チーグラー・ナッタ触媒であり、チタン含有化合物などの遷移金属化合物、またはマグネシウム化合物などの担体に遷移金属化合物を担持させることによって、得られる担体担持触媒と有機アルミニウム化合物などの有機金属化合物の助触媒とを組み合わせたもの等が挙げられる。
前記ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.900g/cm以上0.970g/cm未満のエチレン系樹脂であることが好ましく具体的に挙げられる樹脂として、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。これらの中でも耐ピンホール性が良好なことからLDPE、LLDPE、LMDPE、MDPEが好ましい。
前述のようにエチレン系樹脂の密度は0.900g/cm以上0.970g/cm未満であることが好ましいが、特に0.905g/cm以上0.965g/cm未満の範囲であることがより好ましい。この密度に該当するものであれば、2種類以上のポリエチレン系樹脂をブレンドしても良い。密度が0.900g/cm未満では、剛性が低下し包装機械適性悪化する場合がある。一方0.970g/cm以上では耐ピンホール性が悪くなることがある。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は95〜130℃の範囲であることが好ましく、100〜125℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、耐熱コート層の塗工や二次成形時に加温された場合にもフィルムの収縮が少ないため、フィルムの外観を保持でき、又フィルム自体の反りを抑制することができる。又、この多層フィルムを用いて包装袋とする場合、即ち層(A1)同士を内側にしてヒートシールする場合のシール性にも優れたものとなる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
更に加工安定性や後述する酸変性オレフィン系樹脂(a2)と共押出成形する際の加工性が向上する観点からポリエチレン系樹脂のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)としては、単層であっても2層以上の多層構成を有するものであってもよい。より剛性、耐熱性や透明性に優れる点から、ポリプロピレン系樹脂を主体とする単層或いは多層構成のフィルムであることが好ましい。又、例えば、得られたフィルムを包装体として用いる場合には、耐熱コート層(B)の反対の面の最表層を特開2006−213065号公報に記載のような1−ブテンとプロピレンとを必須成分としてなる1−ブテン系共重合体およびプロピレンとエチレンとを必須成分としてなる共重合体を含有してなるヒートシール層とすることで、易開封性の袋とすることができる。又、同様に蓋材として用いる場合には、特開2004−75181号公報や特開2008−80543号公報に記載のような多層構成とすることによって、易開封性を有するものとすることが可能である。更に特開2010−234660号公報に記載のような環状ポリオレフィン系樹脂を多層構成の中の一つの層として使用すると、易引き裂き性を有するフィルムとすることも可能であり、用途に応じて種々の多層構成を採用することが好ましい。
また、層(A1)上〔後述する層(A2)と反対の面〕に粘着剤層を設けることにより看板、車両等に貼り付け可能な粘着フィルム(ラベル)とすることもできる。粘着剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、ビニルエーテル系、シリコーン系、アミド系及びスチレン系粘着剤、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。前記粘着剤層には、粘着特性の制御等を目的として必要に応じて、例えばα−ピネンやβ−ピネン重合体、ジテルペン重合体、α−ピネン・フェノール共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共重合体系等の炭化水素系樹脂、その他ロジン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂やキシレン系樹脂など適当な粘着付与剤を配合できる。これらの中でも、層(A1)と後述する層(A2)とを共押出法で積層する際に、同時に層(A2)の反対面の層(A1)上に粘着層を共押出で積層させる方法が製造サイクル上好ましい。
本発明における層(A2)は酸変性オレフィン系樹脂(a2)を必須成分とし含有する層である。酸変性ポリオレフィン系樹脂(a2)の主成分であるオレフィン成分は特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。また、酸変性ポリオレフィン系樹脂(a2)は、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有している必要がある。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。入手の容易さと接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシルがより好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルがより好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル成分は、前記オレフィン成分と共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。(なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。)具体的には例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、エルバロイ(商品名:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、アクリフト(商品名:住友化学株式会社製)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂(a2)は、不飽和カルボン酸成分により酸変性されたものでもよい。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、前記オレフィン成分と共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。具体的には例えば、エチレン−アクリル酸共重合体としては、ニュクレル(商品名:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)等が挙げられる。エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体としては、ボンダイン(商品名:東京材料株式会社製)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記酸変性オレフィン系樹脂(a2)の酸変性率としては、後述のポリウレタンコーティング剤(b)との密着性と、多層フィルムを巻き取って保管する場合のブロッキングの抑制、ポリウレタンコーティング剤(b)を塗布してからの乾燥工程におけるフィルムのシワ等の外観不良の抑制等のバランスに優れる点から3〜40%のものを用いることが好ましく、7〜35%であることが更に好ましく、10〜30%であることが最も好ましい。
本発明における層(A2)は前記酸変性オレフィン系樹脂(a2)に加えて更にその他の樹脂を併用してもよい。特に酸変性オレフィン系樹脂(a2)と混合し、且つ前記層(A1)との共押出が容易である点から、ポリオレフィン系樹脂を併用することが好ましい。このとき、層(A2)を形成する樹脂成分100質量部中に、前記酸変性オレフィン系樹脂(a2)を好ましくは20質量部以上、特に好ましくは25質量部以上含有させる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、前記層(A1)に用いるポリオレフィン系樹脂(a1)で例示したものを何れも好適に用いることができる。このとき層(A1)と層(A2)とで使用するポリオレフィン系樹脂が同一のものであっても、異なるものであって良い。又、層(A2)で用いるポリオレフィン系樹脂としては、単一のものであっても複数種を混合して用いてもよい。
前記の各層(A1)、(A2)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性や包装材とする場合の包装適性を付与するため、表面の摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、多層フィルムの表面層に相当する樹脂層には、滑剤やアンチブロッキング剤や帯電防止剤を適宜添加することが好ましい。
前記の各層(A1)、(A2)の合計厚さとしては、フィルムの用途に応じて適宜設定できるものであるが、例えば、包装材(袋や蓋材)とする場合には、20〜70μmであり、ラベルやポスターとする場合には70〜1000μmの範囲であることが好ましい。又、層(A1)、(A2)の合計厚さに対する層(A2)の厚みの割合としては、後述するポリウレタンコーティング剤(b)との密着性を確保できる観点から5〜50%の範囲であることが好ましく、層(A2)の厚みとしては、2〜40μmの範囲であることが好ましい。
前述の層(A1)と層(A2)とを積層する方法としては、層(A1)と層(A2)とが隣接して積層される共押出積層成形法であることが好ましく、例えば、2台以上の押出機を用いて溶融押出する、共押出多層ダイス法、フィードブロック法等の種々の共押出法により溶融状態で層(A1)と層(A2)を積層した後、インフレーション、Tダイ・チルロール法等の方法で長尺巻フィルムに加工する方法が特に好ましく、Tダイを用いた共押出法が最も好ましい。
又、多層フィルムの製造に際して層(A2)表面を、加熱下または不活性ガスの雰囲気下でコロナ放電もしくはプラズマ放電等を用いて連続的に表面処理を施しても良い。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムは、前記で得られた多層フィルム上にポリウレタンコーティング剤(b)を塗工した後、当該ポリウレタンコーティング剤(b)中に含まれる媒体を揮発させることで、多層フィルム上に耐熱コート層(B)が形成されたものである。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムは、実用レベルの耐熱性や透明性の特性を維持し、かつ良好な生産効率を維持するうえで、1μm〜50μmの範囲の厚さの耐熱コート層(B)を有するものが好ましく、シールバーへの取られ、及び耐熱コート層(B)の塗膜強度を勘案すると、2μm〜30μmの範囲の厚さの耐熱コート層(B)を有するものがより好ましい。
前記ポリウレタンコーティング剤(b)を前記フィルム上に塗工する方法としては、特に限定しないが、例えば、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ゲートロールコーター等の塗工機を用いる方法が簡便である。
ポリウレタンコーティング剤(b)をフィルム上に塗工した後、該コーティング剤中に含まれる媒体を揮発させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、乾燥機を用いて乾燥する方法が一般的である。乾燥温度としては、媒体を揮発させることが可能で、かつ基材に対して悪影響を与えない範囲の温度であれば良い。
前記ポリウレタンコーティング剤(b)としては、特に限定されるものではなく、コーティングの乾燥スピードや耐熱性能に応じて適宜選択できるものである。特に本発明においては、多層フィルムの層(A2)上にコート層を形成させる点から、高い耐熱性能、透明性、包装機械特性を有するコート層を設ける必要がある。
この様な性能を簡便に付与できるポリウレタンコーティング剤(b)としては、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオール(b−1)及びポリイソシアネート(b−2)を必須成分として使用し、必要によりその他のポリオールやポリアミン等を鎖伸長剤として使用して、種々の方法により反応させて得たものであることが好ましい。また、これらポリエステルポリオール(b−1)、必要に応じて併用されるその他のポリオール及びポリアミンのうちの少なくとも一種は、アニオン性基を有するものを使用することにより、得られるポリウレタンコーティング剤(b)に水分散性を付与することもできる。
次にポリウレタンコーティング剤(b)を製造する際に使用する、前記した芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られるポリエステルポリオール(b−1)について説明する。前記ポリエステルポリオール(b−1)は、各種ジカルボン酸及び各種ポリオールを用いて種々の手法により製造することができる。
前記ポリエステルポリオール(b−1)を製造する際に使用することができる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−P,P’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸やそれらの酸無水物又はエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸やそれらのエステル形成性誘導体、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸やそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、この様な芳香族ジカルボン酸の他に、脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸を併用することができる。例えばコハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、それらの無水物あるいはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらは単独使用でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記ポリエステルポリオール(b−1)を製造する際に併用可能なポリオールとして、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、あるいはそれらとアルキレンオキサイド付加物などの芳香族環式構造を有するポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;また多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等が挙げられる。
また、前記ポリオール及び触媒存在下で、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステルを開環重合させて得られる脂肪族ポリオールも使用することができる。これらは単独使用でもよく2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオール(b−1)は、水酸基価が10〜350の範囲であることが好ましく、水酸基価が20〜300の範囲であることが特に好ましい。水酸基価がこの範囲であれば得られるポリウレタン樹脂の凝集力が高くなり、コーティング剤で使用した場合の耐熱性、耐溶剤性、耐水性及び耐ブロッキング性が良好となる。
本発明で使用するポリウレタンコーティング剤(b)を製造するには、ポリエステルポリオール(b−1)の中でも、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸とポリオールとを縮合させて得られたポリエステルポリオールであって、前記ジカルボン酸の全量のうち70〜100モル%が、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸であるものを使用することが好ましい。このようなポリエステルポリオールを使用することにより、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、透明性等に優れたコート層を形成可能なコーティング剤が容易に得られる。
本発明で使用するポリウレタンコーティング剤(b)を製造する際には、前記したポリエステルポリオール(b−1)以外のポリオールも耐熱性を阻害しない範囲で使用することができる。
前記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられ、これらを単独使用、或いは2種以上を併用しても構わない。特に、広範囲の基材に対する優れた接着性と価格面からポリエステルポリオールを主体として使用することが好ましい。
前記ポリエステルポリオールは、前記したポリエステルポリオール(b−1)を製造する際に併用することができるものとして例示した、脂肪族カルボン酸や脂環族カルボン酸と各種ポリオールとを、種々の方法で反応させることにより製造することができる。この際、ポリウレタンコーティング剤(b)の高分子量化を阻害しない範囲で、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール等のモノアルコールを併用しても構わない。
前記したようにポリウレタンコーティング剤(b)を製造するにあたって、予め、ポリエステルポリオール(b−1)及び必要によりその他のポリオールと、各種ポリイソシアネート(b−2)とを、全ポリオールが有する水酸基に対して、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が過剰となる条件で反応させて、予めイソシアネート基を含有するプレポリマーを製造し、これに低分子量ポリオールあるいはポリアミンを反応させて鎖伸長させて高分子量化する方法を採用することもできる。
この際、低分子量ポリオールとしては、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等の親水基として使用し得るカルボキシル基を含有するポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールを使用することができ、さらに多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等を併用することもできる。
また、前記ポリアミンとしては、例えばN−(2−スルホエチル)エチレンジアミンの金属塩や2−(β−アミノアルキル−アミノプロピオンアミド)−アルカンスルホン酸塩等のジアミノスルホネート等、また、エチレンジアミン等の脂肪族1級ジアミンと(メタ)アクリル酸等のα−オレフィン系カルボン酸の付加物などのアニオン性基を有するポリアミン;1,2−ジアミノエタン、1,2−ないしは1,3−ジアミノプロパン、1,2−又は1,3−又は1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−ないしは1,4−ジアミノシクロヘキサン又は1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、更にはヒドラジン、又はアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体、などのアニオン性基を有さないポリアミンを使用することができる。
更に、分子内にアミノ基とアルコール性の水酸基を併有するアミノアルコールも使用することができ、例えば、エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−エチルジエチレンアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等も使用することができる。
前記ポリアミンとしては、耐久性を阻害しないためにも官能基数が2以上のものを使用することが好ましく、この場合に官能基数が2以上のポリアミンを単独使用してもよく、あるいは2種類以上を併用し平均官能基数を2以上にして使用してもよい。
前記イソシアネート基を含有するプレポリマーを鎖伸長させて高分子量化する場合、ポリアミンの使用量としては、イソシアネート基に対して、好ましくは1.9当量比以下であり、より好ましくは0.6〜1.0当量比の範囲である。この範囲でポリアミンを使用し鎖伸長を行えば、得られるコーティング剤を用いて得られるコート層(B)の耐久性及び耐光性を優れたものとすることができる。
本発明で使用するポリウレタンコーティング剤(b)を製造する際に使用するポリイソシアネート(b−2)としては、種々のものを使用することができる。例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ないしは1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(別名水添MDI)、2−ないしは4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−ないしは1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ないしは1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−ないしは2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−ないしは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−ないしはm− フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどを使用することができる。
これらの中でも、とりわけ機械的強度などの点を考慮する場合は芳香族ジイソシアネートの使用が望ましく、また、とりわけ耐久性や耐光性などの点を考慮する場合は、脂肪族ないしは脂環式ジイソシアネート化合物の使用が望ましい。
前記ポリウレタンコーティング剤(b)を製造する際に使用する有機溶剤としては、コーティング層中に含まれる残留溶剤を除去することを考慮すると、沸点が150℃以下の有機溶剤を使用することが好ましい。
前記沸点が150℃以下の有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。これらを単独または混合して使用することができる。この中でポリウレタンコーティング剤(b)の溶解性の高い溶媒として、特にアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いることは好適である。ウレタン化反応終了後に加工適性を高める目的で、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール溶剤を使用しても構わない。又、これらの有機溶剤の一部または全部を留去した後、水や水と相溶する親水性溶媒との混合溶剤からなる水性溶剤へ変更した水性(水溶性、水分散性)のポリウレタンコーティング剤であっても良い。
前記ポリウレタンコーティング剤(b)1000g当たりのウレタン結合単位(−NH−COO−)の含有量は、1.0〜4.0モルの範囲、さらに好ましくは、1.5〜3.0モルの範囲である。
また、前記したようにプレポリマーをポリアミンと反応させて鎖伸長させた場合には、尿素結合が生成するが、この場合には、前記ポリウレタンコーティング剤(b)1000g当たりのウレタン結合単位(−NH−COO−)及び尿素結合単位(−NH−CO−NH−)の含有量の合計が、1.0〜6.0モルの範囲、さらに好ましくは、1.5〜4.0モルの範囲であることが好ましい。この範囲であれば、ポリウレタン分子の凝集力が高くなるため得られるコート層の硬度が好適となり、耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性を向上させることができる。
ポリウレタンコーティング剤(b)における芳香族環式構造単位の含有量は、15〜40質量%の範囲が好ましく、さらに20〜35質量%の範囲がより好ましい。この範囲であれば、得られるコーティング剤の多層フィルムに対する接着性に優れ、得られるコート層(B)の耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性、耐熱性等に優れたものになる。
また、ポリウレタンコーティング剤(b)は、100℃以上の流動開始温度を有することが好ましく、さらに150℃以上であることがより好ましい。この範囲であれば、PET等の耐熱基材を使用してなるラミネートフィルムと同等の耐ブロッキング性に優れたものになる。
さらには、ポリウレタンコーティング剤(b)は、50℃以下の最低造膜温度を有することが好ましく、さらに30℃以下であることがより好ましい。この範囲であれば、造膜時に発生しやすいピンホールを形成することなくコーティングすることが可能となる。
またポリウレタンコーティング剤(b)から得られるコート層(B)の耐熱性を尚一層向上させるためにアミノ樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤を併用しても何ら差し支えない。中でもメラミン架橋剤に代表されるアミノ樹脂またはイソシアネート化合物が、反応性が速い点で最も好ましい。また、2種類以上の架橋剤を併用、あるいは適量の硬化促進剤を併用しても構わない。
前記架橋剤の添加量は、ポリウレタンコーティング剤(b)に対して、1〜20質量%の添加が好ましく、更に3〜10質量%の添加がより好ましい。この範囲であれば、コート層(B)上に印刷等を施す際の適性を阻害することなく、形成されるコート層(B)の耐ブロッキング性、耐熱性、耐湿熱性、耐溶剤性を向上させることが可能となる。
またポリウレタンコーティング剤(b)には、透明性及び耐熱性を阻害しない範囲で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、SBR等の合成ゴム樹脂等を含ませることができる。これらの樹脂はコーティング剤中に固形分質量比で30%以下であることが好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
更に又、ポリウレタンコーティング剤(b)には、必要に応じて耐ブロッキング性あるいは耐滑り性を改良するための無機系微粒子(コロイダルシリカ)、濡れ性を改良するため帯電防止剤等の助剤を配合することもできる。
ポリウレタンコーティング剤(B)は、任意の樹脂濃度に調整した後、例えばグラビアコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法等の塗工方法により、多層フィルムの層(A2)上に塗布することができる。この際、樹脂の濃度は、0.1〜40質量%に調整するのが好ましい。
又、耐熱性オレフィン系多層フィルムの製造に際して耐熱コート層(B)表面を、加熱下または不活性ガスの雰囲気下でコロナ放電もしくはプラズマ放電等を用いて連続的に表面処理を施しても良い。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形、箔押し、エンボス加工等の二次成形も可能となる。
さらに、耐熱コート層(B)に印刷等を行なう場合には、印刷インキとの接着性等を向上させるため、前記樹脂層(B)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、容器、容器の蓋材等が挙げられる。特に、高速で内容物を充填、包装、シールされる、薬品や工業部品や常温・冷蔵・冷凍保存される食品や菓子類等に好適に用いることができる。
前記包装材は、本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムの層(A1)をヒートシール層として、層(A1)同士を重ねてヒートシール、あるいは層(A1)と耐熱コート層(B)とを重ね合わせてヒートシールすることにより、層(A1)を内側として形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該多層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である。
また、層(A1)とヒートシール可能な別のフィルム、シート、容器とヒートシールすることにより包装袋・容器・容器の蓋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂を利用したフィルムやシートを用いることができる。
本発明の耐熱性オレフィン系多層フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成してもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の部及び%は特に断りの無い限り質量基準である。
〔ポリウレタンコーティング剤の塗工性評価〕
バーコーターでA4サイズのフィルムに5g/mとなるようにコーティング剤を塗工し、目視にてはじきの数を計測した。
○:はじきが無い。
×:はじきが一箇所以上ある。
〔フィルムの耐熱性評価〕
コーティング剤を塗工した後、80℃で2分間乾燥させた時のフィルムの外観について目視にて評価した。
○:よれ、皺、フィルムの変形等の外観不良がほとんど無い。
△:若干のよれ、皺、フィルムの変形等の外観不良が見られる。
×:著しいよれ、皺、フィルムの変形等の外観不良が見られる。
〔コート層の密着性評価〕
セロハンテープ(ニチバン製)剥離試験を行い、目視にて評価した。
○:コート層の剥離無し。
△:コート層の一部剥離有り。
×:コート層の剥離有り。
包装機械適性
実施例、比較例で作成したフィルムを自動包装機にて、下記縦ピロー包装を行い、製袋した。
包装機:合理化技研株式会社 ユニパッカーNUV472
横シール:速度30袋/分、縦ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm2、横ヒートシール温度140℃から200℃まで10℃刻みで変更しながら樹脂層(B)同士をシールした。縦200mm×横150mmの平袋とした。
収縮・シワ試験
横(合掌貼り)シール、縦シールを行なった平袋のシール部の外観観察により収縮およびヒートシールバーへのフィルム融着状況およびシワ等の入り具合により評価した。
○:シール部の収縮、シールバーへの融着およびシワ等なし
△:シール部の収縮、シールバーへの融着およびシワ等若干あり
×:シール部の収縮、シールバーへの融着およびシワ等あり
横シール性
上記条件で製袋したフィルムを23℃で自然冷却後、15mm幅の短冊状に試験片を切り出した。この試験片を23℃、50%RHの恒温室において引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で90°剥離を行い、ヒートシール強度を測定した。得られたヒートシール強度の値から、下記の基準によってヒートシール性を評価した。
○:ヒートシール強度が300g/15mm幅以上。
×:ヒートシール強度が300g/15mm幅未満。またはフィルムの溶融・収縮大きくて測定不能
〔ポリウレタンコーティング剤(b−1)の調製例1〕
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸830部、イソフタル酸830部、エチレングリコール374部、ネオペンチルグリコール598部及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕込み180〜230℃で酸価が1以下になるまで230℃で15時間重縮合反応を行い、水酸基価74.5、酸価0.2のポリエステルポリオール(b−1A)を得た。ポリエステルポリオール(b−1A)の1000部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン886部を加え十分に攪拌し溶解させ、ネオペンチルグリコール80部を加え、次いでトリレンジイソソシアネート250部を加えて75℃で8時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却後、メチルエチルケトン2216部にて希釈して、不揮発分30%の流動開始温度105℃のポリウレタン樹脂を含有するポリウレタンコーティング剤(b−1)を調製した。
〔ポリウレタンコーティング剤(b−2)の調製例2〕
ポリエステルポリオール(b−1A)の1000部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン886部を加え十分に攪拌し溶解させ、ネオペンチルグリコール80部を加え、次いでトリレンジイソソシアネート250部を加えて75℃で8時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が1.0%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却後、トリエチルアミン73部にて中和した後、水7000部にて乳化し、エチレンジアミン10.6部、ジエチレントリアミン3.5部を加えることで鎖伸長を完了した。得られた透明な反応生成物を減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行い、不揮発分20%の流動開始温度195℃の水性ポリウレタン樹脂を含有するポリウレタンコーティング剤(b−2)を調製した。
実施例1
樹脂層(A1)用樹脂として、プロピレン−エチレンコポリマー〔MFR:8g/10分(230℃、21.18N)、融点:138℃;以下、「COPP」と記載〕を用いた。また、樹脂層(A2)用樹脂として、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体〔密度:0.940g/cm、MA含有量18%;以下、「MA1」と記載〕を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、樹脂層(A1)用押出機(口径50mm)及び樹脂層(A2)用押出機(口径50mm)に供給して200〜250℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が(A1)/(A2)の2層構成で、各層の厚さが36μm/9μm(合計45μm)である共押出多層フィルムを得た。この支持体の(A2)層の面に濡れ張力が40mN/mとなるようコロナ放電処理をした後、調製例1で得られたポリウレタンコーティング剤(b−1)を乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、実施例1の耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例2
実施例1におけるポリウレタンコーティング剤(b−1)を、調製例2で得られたポリウレタンコーティング剤(b−2)とする以外は実施例1と同様に耐熱性オレフィン系多層フィルムを作成した。
実施例3
実施例1の樹脂層(A2)の酸変性オレフィン系樹脂をエチレン−アクリル酸メチル共重合体〔MA含有量12%、密度:0.933g/cm;以下、「MA2」と記載〕に置き換え、ポリウレタンコーティング剤(b−1)を乾燥後の膜厚が3μmになるように塗布し以外は実施例1と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例4
実施例1の樹脂層(A2)の酸変性オレフィン系樹脂をエチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体〔密度:1.00g/cm、コポリマー含有量15%;以下、「MA3」と記載〕に置き換えた以外は実施例1と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例5
実施例2の樹脂層(A2)用の樹脂MA1を50%とプロピレン−エチレン共重合体〔密度:0.900g/cm、MFR:7〜9g/10分(230℃、21.18N)、融点:150℃;以下「COPP」と記載〕50%との配合物に置き換えた以外は実施例2と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例6
実施例2の樹脂層(A2)用の樹脂MA1を20%とCOPPを80%との配合物に置き換えた以外は実施例1と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例7
実施例5の樹脂層(A1)のCOPPを高密度ポリエチレン〔密度:0.963g/cm、MFR:7g/10分(190℃、21.18N)、融点130℃;以下、「HDPE」と記載〕に置き換えた以外は実施例5と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例8
実施例5の樹脂層(A1)のCOPPを低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm、MFR:5.3g/10分(190℃、21.18N)、融点100℃;以下、「LDPE」と記載〕に置き換え、ポリウレタンコーティング剤(b−1)を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布した以外は実施例5と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例9
実施例1のアクリル酸変性樹脂をエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体〔密度:0.940g/cm、酸変性率12%;以下、「MA4」と記載〕に置き換えた以外は実施例2と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例10
実施例1のフィルムの層構成(A1)/(A2)の各層の厚さを114μm/6μm(合計120μm)とした以外は実施例1と同様にして耐熱性オレフィン系多層フィルムを作製した。
実施例11
実施例1のフィルムの層構成(A1)/(A2)の各層の厚さを90μm/30μm(合計120μm)とした以外は実施例1と同様にして耐熱性オレフィンフ系多層フィルムを作製した。
比較例1
実施例1の樹脂層(A2)の酸変性オレフィン系樹脂をCOPPに置き換えた以外は実施例1と同様にしてオレフィン系多層フィルムを作製した。
比較例2
比較例1のポリウレタンコーティング剤(b−1)を、ポリウレタンコーティング剤(b−1)(b−2)に置き換えた以外は比較例1と同様にオレフィン系多層フィルムを作製した。
比較例3
実施例1の樹脂層(A2)の酸変性オレフィン系樹脂をHDPEに置き換えた以外は実施例1と同様にしてオレフィン系多層フィルムを作製した。
Figure 0005158458
Figure 0005158458

Claims (10)

  1. ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)と、酸変性オレフィン系樹脂(a2)を含有する層(A2)と、耐熱コート層(B)とが、(A1)/(A2)/(B)の順で積層されてなり、前記層(A1)と前記層(A2)との合計厚みに対する層(A2)の比率が5〜40%であり、耐熱コート層(B)が、芳香族ジカルボン酸/脂肪(環)族ジカルボン酸=70/30〜100/0(質量比)からなる酸成分(b−1)とグリコール成分(b−2)より構成されるポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート化合物(b−3)とを含むポリウレタン樹脂であるポリウレタンコーティング剤(b)からなる層であることを特徴とする耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂(a1)の融点が100℃以上である請求項1記載の耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  3. 前記酸変性オレフィン系樹脂(a2)における変性率が3〜40%の範囲である請求項1又は2記載の耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  4. 前記層(A2)が更にポリオレフィン系樹脂を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  5. 前記層(A2)を形成する樹脂成分100質量部中に、前記酸変性オレフィン系樹脂(a2)を20質量部以上含有するものである請求項1〜4の何れか1項記載の耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  6. 前記ポリウレタンコーティング剤(b)の流動開始温度が100℃以上である請求項1〜の何れか1項記載の耐熱性オレフィン系多層フィルム。
  7. 請求項1〜の何れか1項記載の耐熱性オレフィン系多層フィルムを用いることを特徴とする包装材。
  8. 前記耐熱性オレフィン系多層フィルムを単体で用いたものである請求項記載の包装材。
  9. 前記耐熱性オレフィン系多層フィルムの層(A1)を内面にして製袋されたものである請求項又は記載の包装材。
  10. ポリオレフィン系樹脂(a1)を主成分とする層(A1)と、酸変性オレフィン系樹脂(a2)を含有する層(A2)と、耐熱コート層(B)とが、(A1)/(A2)/(B)の順で積層されてなる多層フィルムの製造方法であり、前記層(A1)と前記層(A2)とを共押出積層法を用いて積層した後、層(A2)上に芳香族ジカルボン酸/脂肪(環)族ジカルボン酸=70/30〜100/0(質量比)からなる酸成分(b−1)とグリコール成分(b−2)より構成されるポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート化合物(b−3)とを含むポリウレタン樹脂であるポリウレタンコーティング剤(b)を塗布することを特徴とする耐熱性オレフィン系多層フィルムの製造方法。
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