JP2914364B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2914364B2
JP2914364B2 JP9299907A JP29990797A JP2914364B2 JP 2914364 B2 JP2914364 B2 JP 2914364B2 JP 9299907 A JP9299907 A JP 9299907A JP 29990797 A JP29990797 A JP 29990797A JP 2914364 B2 JP2914364 B2 JP 2914364B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電力変換装置に係
り、特にコンバータと、その直流出力電圧を入力して、
可変電圧・可変周波数の交流に変換するインバータを備
えた交流ー交流電力変換装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の制御技術としては、特公
昭61−48356 号公報などが知られている。特公昭61−48
356 号公報には、順変換器(コンバータ)で交流を直流
に変換して、可変電圧・可変周波数のパルス幅変調イン
バータに給電する場合、順変換器の出力電圧つまりイン
バータの入力電圧に脈動分(整流リップル)が含まれる
ため、インバータの出力電圧が脈動し、特にインバー
タの出力周波数がある特定のところで、ビート現象を起
すという問題、この解決法として、インバータの出力
電圧が変動しないように、インバータの入力電圧の変動
に応じて、正弦波信号と三角波の搬送波信号の振幅比つ
まりPWM信号のパルス幅を調整する制御方式が示され
ている。 【0003】また、特開昭57−52383 号公報には、やは
り同種の目的を達成するために、パルス処理技術を用い
ることによって、入力電圧の変動に応じてPWM信号の
パルス幅を調整する制御方式が開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの制御
方式は、インバータの出力電圧が最大となり、電圧制御
ができない領域、例えば、PWMインバータの出力電圧
の半サイクルに含まれるパルス数が1パルスでかつ最大
の一定電圧領域では適用できないという問題がある。 【0005】本発明の目的は、コンバータ出力電圧、つ
まりインバータ入力電圧に含まれる脈動分に起因するイ
ンバータのビート現象を抑制できる電力変換装置を提供
することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的は、交流を直流
に変換するコンバータと、このコンバータから給電され
るインバータと、前記インバータの直流入力電圧に対す
る前記コンバータの整流に起因する脈動の度合を検出す
る手段と、この脈動度合に応じて、前記脈動により前記
インバータの直流入力電圧が高くなったとき前記インバ
ータの出力周波数を高め前記脈動により前記インバータ
の直流入力電圧が低くなったとき前記インバータの出力
周波数を低めるように、前記インバータの出力周波数を
調整する手段とを備えることにより達成される。 【0007】本発明においては、コンバータによる整流
リップル(つまりインバータの入力電圧)の脈動度合に
応じてインバータの動作周波数の脈動度合いを調整す
る。このため、インバータの入力電圧に脈動が在れば、
インバータの動作周波数が過渡的に変化し(定常的には
変化しない)、各半サイクル毎の出力電圧の時間幅(周
期)が調整される。従って、正負各半サイクル当たりの
インバータ出力電圧の電圧・時間積のアンバランスが補
償され、ビート現象が抑制される。 【0008】このように、インバータ動作(出力)周波
数に従って各半サイクル当たりの周期を過渡的に調整す
るものであるため、PWMインバータを採用した場合、
その半サイクル当たりの出力電圧が1パルスとなって、
もはや、変調度の制御によってはその時間幅が調整でき
なくなった制御モードにおいても、効果的にビート現象
が抑制される。 【0009】しかも、入力電圧の度合に応じてインバー
タ出力周波数の度合を調整することにより、ビート現象
抑制精度が向上する。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例を示すコ
ンバータ・インバータによる誘導電動機の制御装置の回
路構成であって、1は交流電源、2は交流電源1を直流
に変換するコンバータ、3は直流電圧を平滑するための
フィルタコンデンサである。4はGTOサイリスタ等の制
御スイッチング素子UP〜WNからなり、直流を交流に
変換する可変電圧・可変周波数のパルス幅変調インバー
タ、5はインバータ4により付勢される誘導電動機であ
る。7は搬送波発生手段71,変調波発生手段72,比
較手段73及びパルス数切換手段74からなる変調手段
で、この変調手段7の出力により、ゲート信号処理回路
6を介して、所定の順序でインバータ4の制御スイッチ
ング素子UP〜WNのオン・オフ動作を行う。 【0011】図1において、誘導電動機5の回転周波数
n を検出手段8で検出し、これにすべり周波数指令f
s を加減算手段9で、力行時には加算し、回生時には減
算する。これがインバータ4の出力周波数の基準指令f
0(=fn ±fs )となる。すべり周波数指令fs は誘導
電動機5の電流を検出手段10で検出した値IM とその
指令値IP を比較手段11で比較して、その偏差によ
り、すべり周波数制御手段12を介して与えられる。 【0012】一方、PWM変調手段7では、インバータ
4の出力周波数指令fとして、その基準指令である加減
算手段9の出力f0 が与えられた場合、変調波発生手段
72は図2(A)の(ロ),(ハ),(ニ)に示すように
U,V,W相の正弦波を発生し、また搬送波発生手段7
1は図2(A)の(イ)に示す三角波を発生する。この
三角波と正弦波を比較手段73で比較して、図2(B)
のように制御スイッチング素子UP,VP,WP用パル
スを出力する。なお、図2(B)の反転したものが負側
の制御スイッチング素子UN,VN,WN用パルスとな
る。 【0013】このようにして得られるインバータ4の出
力電圧は、図2(C)のようにパルス幅変調(PWM)
されたものとなる。ここで、インバータ4の入力電圧E
を脈動分ΔE0 のない直流分E0 のみとすると、インバ
ータ4の出力電圧(U−V間)波形は図2(C)に示すよ
うに常に一定の波高値となり、正と負の各半サイクル間
でアンバランスは生じない。そして、インバータ4の出
力電圧は、図2(B)の幅θC を変化させて制御するよ
うに、図2(A)の正弦波の波高値を変化させてる。 【0014】また、半サイクルに含まれるインバータ4
の出力電圧のパルス数(図2(C)では3パルス)は、
図2(A)の三角波(イ)と正弦波(ロ),(ハ),(ニ)
の周波数比を切換えるように、三角波の周波数をパルス
数切換手段74で切換えることにより制御する。このパ
ルス数NP はインバータ4の出力周波数fの基準指令f
0 である加減算手段9の出力に対して、パルス数切換手
段74により、例えば図3のように、27−15−9−
5−3−1と切換える。また、インバータ4の出力電圧
M は、インバータ4の出力周波数f(基準指令f0 )に
対して、図3に示すように制御される。すなわち、周波
数f01以下では、インバータの出力電圧が出力周波数に
比例するように可変電圧・可変周波数(VVVF)制御を
行い、周波数f01以上では、出力電圧を一定値に固定す
る定電圧・可変周波数(CVVF)制御を行う。このVV
VF制御領域では、電圧制御手段13により、図2
(A)の正弦波の波高値と三角波の波高値の比つまり変
調率γを演算して、正弦波(図2のGU ,GV ,GW
の波高値を制御する。なお、パルス数が3パルスから1
パルスに切換わる時に、インバータ4の出力電圧VM
跳躍している。これは制御スイッチング素子UP〜WN
が消弧するのにある時間が必要なため、図2(B)の幅θ
C を0まで、つまりインバータ4の出力電圧VM が最大
となる1パルスまで連続して制御できないためである。 【0015】ところで、コンバータ2の出力側に直流電
圧平滑用のフィルタコンデンサ3を設けても、インバー
タ4の入力電圧Eには整流リップルに起因する脈動分Δ
0が生じる。この脈動分ΔE0 はフィルタコンデンサ
3の容量を大きくすれば、小さくなるが、完全に除去す
ることはできない。またフィルタコンデンサ3が大形化
する問題がある。従って、脈動分ΔE0 を考慮したイン
バータ4の入力電圧E(=直流分E0+脈動分ΔE0)と出
力電圧(線間)VM の関係は、図3のCVVF領域(パル
ス数が1パルス、つまり図2の(A)において変調率γ
≧1)においては、図4のようになる。図4(A)は、脈
動分ΔE0 の周波数fe (これは整流リップルに起因す
るので一定)≫加減算手段9の出力f0 の場合、図4
(C)は脈動分ΔE0 の周波数fe ≪加減算手段9の出
力f0 の場合であって、両者共インバータ4の出力電圧
には、正と負の各半サイクル間でアンバランスはほとん
ど生じない。なお、脈動分ΔE0 の周波数fe ≫インバ
ータ指令f0 となるのは低速域であり、パルス数は図3
からも分るように通常多い。この場合でも、インバータ
出力電圧には正と負の各半サイクル間でアンバランスが
生じないことは、図4(A)から容易に推察できる。 【0016】図4(B)は、インバータ周波数指令f0
が整流リップル周波数fe に近づいた状態、すなわち、
「脈動分ΔE0 の周波数fe ≒インバータ周波数f(=
周波数基準指令f0 )」の場合であって、インバータ出
力電圧(電圧・時間積)には、正と負の各半サイクル間
でアンバランスが生じる。この様子を図4(B),(ロ)に
表している。このアンバランスの大きさは、脈動分ΔE
0 の周波数fe とインバータ4の出力周波数fの差の周
波数で変化、つまりインバータ4の出力電圧がビート現
象を起す。 【0017】そこで、本実施例においては、以下に述べ
るように、整流リップルに基づく脈動度合に応じてイン
バータの動作周波数脈動度合を調整して、上記アンバラ
ンスの発生を抑えてビート減少を抑制する。 【0018】まず、インバータ入力電圧Eの直流分E0
を検出手段142で検出し、またインバータ4の入力電
圧Eの脈動分ΔE0 を、所定の位相差αをもって検出手
段141で検出する。この検出手段141の出力Δ
0′(|ΔE0′|=|ΔE0|で位相が異なる)を、検
出手段142の出力E0 で、割算手段143によって割
算し、電圧脈動度合ΔE0′/E0を求める。さらにその
割算手段143の出力を掛算手段144によって加減算
手段9の出力f0 と掛算して、インバータ周波数の調整
分Δf0 (=ΔE0′f0 /E0 )を出力する。 【0019】今、掛算手段17へ与えられる補正係数K
C を1としてΔf0′=Δf0とみなせば、インバータ動
作周波数指令f0 をその調整分Δf0 によって修正す
る。 【0020】すなわち、調整分Δf0 を、加減算手段9
の出力f0 に、加算手段15によって加算して、インバ
ータ周波数指令f(=f0+Δf0)とするのである。 【0021】ここで、インバータ入力電圧Eの脈動率が
Kで、かつその脈動分ΔE0 が周波数fe でもって正弦
波状に脈動するものとすると、インバータ入力電圧Eと
周波数指令fは次式で表わされる。 【0022】 【数1】 E=E0 +ΔE0 =E0 +KE0 sin(2πfet) …(数1) 【0023】 【数2】 f=f0 +Δf0=f0 +ΔE0′f0 /E0 =f0 +Kf0 sin(2πfet+α) …(数2) ここで、α:脈動分実際値ΔE0 と検出値ΔE0′間の
位相差である。 【0024】また、(数2)式のインバータ4の出力周
波数指令fがPWM変調手段7に与えられると、変調波
発生手段72は次式で表わされるU,V,W相の変調波
信号GU ,GV ,GW を出力する。 【0025】 【数3】 【0026】 【数4】 【0027】そして、インバータ4の入力電圧E,イン
バータ周波数の調整分Δf0 及び変調波発生手段72の
出力(GU ,GV )の関係は、例えば、図5のようにな
る。ここではインバータ4の入力電圧Eの脈動分ΔE0
の周波数fe =加減算手段9の出力f0 ,脈動分ΔE0
とその検出値ΔE0′(|ΔE0′|=|ΔE0|)の位相
差α=0としている。変調波発生手段72の出力は、
(数4)式の第2項つまりインバータ周波数の調整分Δ
0 により、図5(C)の点線から実線となる。その結
果、インバータ4の出力電圧は、パルス数=1パルス
(図2(A)において変調率γ=正弦波の波高値/三角
波の波高値≧1,図3のCVVF制御領域)の場合、図
5(D)の点線から実線となって、正と負の各半サイク
ル間のアンバランスが大幅に小さくなる。 【0028】ここで、インバータ4の出力電圧の正と負
の各サイクルのアンバランス量について、図5により数
式的に説明する。 【0029】図5(C)において、変調波発生手段72
の出力が点線のGU′,GV′の場合、GU′とGV′が0
となるTU′とTV′は、 【0030】 【数5】 【0031】であり、また変調波発生手段72の出力が
実線のGU ,GV になると、GUとGVが0となるTU
V は、 【0032】 【数6】 【0033】となる。その(数6)式のΔTU とΔTV
は、(数3)〜(数6)式より、 【0034】 【数7】 【0035】となる。 【0036】(1)本発明によるビートレス制御を行わ
ない場合 インバータ4の出力周波数の調整分Δf0 がない場合、
つまり図5(C)の点線の変調波GU′,GV′に対応し
た図5(D)の点線のインバータ4の出力電圧の半サイ
クルの電圧時間積ET′は、(数1)式を定積分して、 【0037】 【数8】 【0038】ここに、 【0039】 【数9】【0040】となる。この(数8)式と(数9)式よ
り、インバータ4の出力電圧の正と負の各半サイクル間
のアンバランス量ΔET′(=(ET′(N)−ET′(N
+1))/2)は周波数指令9の出力f0 がインバータ
入力電圧の脈動周波数fe の近傍のところで、大きさ|
K′|であり、周波数(f0−fe)で変動(つまりビー
ト)する。この大きさ|K′|は、(数8)式の第1項
(E0/3f0)に対して小さくても、その周波数(f0
−fe)が小さいところでは、誘導電動機5のインピー
ダンスが小さくなるため、誘導電動機5に過大な電流が
流れ、インバータ4の転流失敗や破損の原因となり、ま
た誘導電動機5のトルクも大きく脈動することになる。 【0041】(2)本発明によるビートレス制御の場合 インバータ4の出力周波数の調整手段14を設けた場
合、つまり図5(C)の実線の変調波GU ,GV に対応
した図5(D)の実線のインバータ4の出力電圧の半サ
イクルの電圧時間積ETは、(数1)式を定積分して、 【0042】 【数10】 【0043】となる。この(数10)式は、インバータ
4の入力電圧Eの脈動分ΔE0 と出力周波数の調整分Δ
0 の位相差αを0とすると、第2項と第3項が打ち消
しあって、(E0/3f0)となる。すなわち、インバー
タ4の出力電圧の正と負のサイクルのアンバランス量
(=(ET(N)−ET(N+1))/2)は0となり、イン
バータ4の出力電圧のビート現象が抑制される。 【0044】ところで、特に、鉄道電車では、インバー
タに使用するGTOサイリスタの耐圧利用率を高めるた
め、図3に示すように、電車の定格速度n0 の半分程度
の速度n01に対応する周波数でインバータを最大電圧に
飽和させ、それ以上の速度では周波数のみを調整してい
る。このため、図示するように、電車の定格速度n0
半分程度の速度n01以上では、インバータの出力電圧の
調整が不可能な1パルス制御となる。一方、インバータ
周波数は、全速度域に亘って、連続的に変化させる。 【0045】従って、図1の交流電源1が単相50Hz
とすれば、コンバータ2の整流リップルの周波数fe
100Hzであり、この周波数をインバータ周波数が通
過する速度域では、既に、インバータ4は1パルス制御
(図3CVVF制御領域)に入っている。 【0046】このような場合に、上述した原理によっ
て、コンバータ2の整流リップル周波数fe に、インバ
ータ周波数fが近づいたとき発生しようとするビート現
象を効果的に抑制し、インバータ電車の円滑な速度制御
を実現する。 【0047】次に、以上述べた方式の有効性を確認する
ため、誘導電動機5の容量が130KW(定格:電圧1
100V,電流86.7A,周波数75Hz)で、その
すべり周波数指令fs を一定(3Hz)とし、インバー
タ4の入力電圧Eを(数1)式(直流分E0=1500
V,脈動率K=6%,脈動分ΔE0の周波数fe =10
0Hz)とし、大形電子計算機によりディジタル・シミ
ュレーションを行った結果について、以下述べる。 【0048】図6はインバータ周波数の基準指令f0
103Hz(誘導電動機5の回転周波数fn =100H
z)とした場合のシミュレーション結果である。図6
(A)は、インバータ周波数の調整分Δf0 がない場合
である。これにより、前述のようにインバータ4の出力
電圧の正と負のサイクルのアンバランスにより、誘導電
動機5の電流が周波数(f0−fe)=3Hzで大きくビ
ートし、また誘導電動機5のトルクもインバータ4の入
力電圧Eの脈動分ΔE0 の周波数fe (=100Hz)
で大きく脈動していることが分る。図6(B)は前述の
ように、インバータ4の出力周波数指令fを、(数2)
式で、α=0として、インバータ4の出力周波数調整手
段14の出力Δf0 により調整した場合である。 【0049】これより、誘導電動機5の電流のビート現
象はほとんどなくなり、また誘導電動機のトルクの脈動
は多少あるが、図6(A)に比べて大幅に小さくなって
いることが分る。図6(C)は、誘導電動機5のトルク
の脈動をさらに小さくするため、(数2)式のαを種々
変えて、α=−5°とした場合である。 【0050】これより、誘導電動機5の電流は図6
(B)とほとんど変らないで、誘導電動機5のトルクの
脈動がほとんどなくなっていることが分る。すなわち、
誘導電動機5のトルクの脈動の点からは(数2)式のα
を適切に設定すれば良いことが分った。 【0051】そこで、誘導電動機5の電流及びトルクに
関する記号を図7のように定義、つまりインバータ4の
入力電圧Eに脈動分ΔE0 がない場合の誘導電動機5の
ピーク電流をiPn,トルクの平均値をTav(図7(A))
とする。また、インバータ4の入力電圧Eの脈動分ΔE
0 による誘導電動機5のピーク電流の増加分をΔi
PW(=iPW−iPn),トルクの脈動分をΔTb(図7
(B))として、インバータ周波数の基準指令f0 を種々
変えた場合のΔiPb(iPn)とΔTb(Tav)のシミュレー
ション結果を図8と図9にそれぞれ示す。 【0052】図8及び図9より、誘導電動機5のピーク
電流の増加分ΔiPb(図8)及びトルクの脈動分ΔTb
(図9)は、インバータ周波数の調整分Δf0 がない場
合、二点鎖線のように、インバータ周波数の基準指令f
0 ≒インバータ入力電圧の脈動周波数fe (=100H
z)のところで最も大きくなることが分る。このΔiPb
及びΔTb は、インバータ周波数指令fを、前述のよう
に、(数2)式でα=0°として、インバータ周波数調整
量Δf0 により調整すると、一点鎖線(図8,図9)の
如く大幅に小さくなる。しかし、f0 とfe (=100
Hz)の差が大きいところでは、f0 ≒fe のところと
比べて、多少大きいことが分った。 【0053】これを改善するため、周波数調整量補正手
段16を設け、その出力(補正係数)Kc を掛算する。す
なわち、インバータ周波数指令fを、 【0054】 【数11】 f=f0 +Δf′=f0 +Kc Δf01 =f0 +Kc Kf0 sin(2πfet+α) …(数11) の如く調整するようにして、α=0で、Kcを種々変え
てシミュレーションを行った。 【0055】その結果、Kc は、インバータ入力電圧E
の脈動分ΔE0 の周波数fe を誘導電動機5の回転周波
数fn で割算手段161で割算し、その出力を掛算手段
162で2乗、つまり、 【0056】 【数12】Kc =(fe/fn)
2 …(数1
2)とすれば、誘導電動機5のピーク電流の増加分Δi
Pb及びトルクの脈動分ΔTbは、図8及び図9の点線の
ように改善されることが分った。 【0057】また、図6で述べたように、トルクの脈動
分ΔTb をさらに改善するため、(数11)式,(数1
2)式で、αをインバータ周波数の基準指令f0 に対し
て、図9に示すように変えたところ、そのΔTb は図9
の実線のようにほとんど生じなくなった。 【0058】このとき、誘導電動機5のピーク電流の増
加分ΔiPbは図8の実線のように余り変化しない。 【0059】以上のシミュレーション結果は、インバー
タ4の出力電圧のパルス数が1パルス(図5参照)、つ
まり電圧制御手段13の出力(変調率)γが1つの場合
であったが、パルス数が多パルス(γ<1)の場合でも同
様な結果(効果)が得られ、この場合は、インバータ周
波数の調整量Δf0 を補正する補正係数Kc が、 【0060】 【数13】 【0061】なるように、掛算手段162の出力を変調
率γで割算すれば、より効果的であることをシミュレー
ションで確認している。なお、誘導電動機5の起動時及
び低速時においては(数12)式,(数13)式から分
るように、Kc が大きくなりすぎるので、Kc にリミッ
トをかけるのが得策である。 【0062】最後に、インバータ4の入力電圧Eの直流
分E0 の検出手段142とその脈動分ΔE0 の検出手段
141の一具体例を図10に示す。 【0063】すなわち、インバータ4の入力電圧Eの直
流分E0 の検出手段142は、演算増幅器OP2と抵抗
e21,Re22及びRe23 並びにコンデンサC2か
らなる平滑回路で、そのゲイン(=Re23/Re21)を
1とし、時定数(=Re23×C2)を大きく設定する。
また、インバータ4の入力電圧Eの脈動分ΔE0 の検出
手段141は、演算増幅器OP1と抵抗Re11〜Re
5並びにコンデンサC11,C12からなるバンドパス
回路である。この回路141のゲイン及び位相特性は、
図11に示すように、インバータ4の入力電圧Eの脈動
分ΔE0 の周波数fe のところで、ゲインが1(入力Δ
0 の大きさ≒出力ΔE0′の大きさ)で、かつ入力位相
つまり脈動分ΔE0 と周波数調整量Δf0 の位相差α
が、図9で述べたように、インバータ周波数基準指令f
0 に対して適切な値となるように、基準指令f0 の大き
さに応じてスイッチS1〜S3により切換える。 【0064】以上のように、図1の実施例によれば、イ
ンバータ4の入力電圧Eに含まれる脈動分ΔE0 (コン
バータ2の整流リップル)に起因するインバータ4の出
力電圧及び誘導電動機5の電流のビート現象を抑制でき
るので、誘導電動機5に過大な電流が流れることがなく
なり、インバータ4の転流失敗や破損を防止でき、また
誘導電動機5のトルク脈動も抑制され、誘導電動機5を
円滑に運転できるという効果がある。 【0065】なお、図1の実施例の説明は、インバータ
4の出力電圧のパルス数が1パルス(図5参照)の場合
を対象としたが、パルス数が多パルスの場合でも、前述
の効果が損なわれるものではないということはもちろん
である。 【0066】 【発明の効果】本発明によれば、インバータの入力電圧
に含まれる脈動分(コンバータの整流リップル)に起因
するインバータの出力電圧及び誘導電動機の電流のビー
ト現象を効果的に抑制できるので、誘導電動機に過大
な電流が流れることがなくなり、インバータの転流失
敗や破損を防止でき、その負荷を円滑に運転できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示すコンバータ・インバー
タによる誘導電動機の制御装置の回路構成図。 【図2】正弦波の三角波の比較によるパルス幅変調の動
作説明図。 【図3】インバータの出力周波数の基準指令に対するパ
ルス数及びインバータ出力電圧の関係図。 【図4】インバータの入力電圧と出力電圧の波形関係
図。 【図5】インバータ出力電圧のビート現象の抑制の説明
図。 【図6】誘導電動機の電流及びトルクのシミュレーショ
ン波形図。 【図7】誘導電動機の電流及びトルクに関する記号の定
義図。 【図8】誘導電動機のピーク電流に関するシミュレーシ
ョン結果。 【図9】誘導電動機のトルク脈動に関するシミュレーシ
ョン結果。 【図10】インバータ入力電圧の直流分と脈動分を検出
する手段の具体例。 【図11】インバータ入力電圧の脈動分を検出する手段
のゲイン及び位相特性図である。 【符号の説明】 1…交流電源、3…フィルタコンデンサ、4…パルス幅
変調インバータ、7…変調手段、9…加減算手段、14
…インバータ出力周波数の調整手段、15…加算手段、
16…インバータ出力周波数の調整量の補正手段、1
7,144,162…掛算手段、143,161,163
…割算手段。
フロントページの続き (72)発明者 筒井 義雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 三宅 亙 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社 日立製作所 水戸工場内 (72)発明者 鈴木 克明 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−254691(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02M 7/48 H02P 7/63 302

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.交流を直流に変換するコンバータと、このコンバー
    タから給電されるインバータと、前記インバータの直流
    入力電圧に対する前記コンバータの整流に起因する脈動
    の度合を検出する手段と、この脈動度合に応じて、前記
    脈動により前記インバータの直流入力電圧が高くなった
    とき前記インバータの出力周波数を高め前記脈動により
    前記インバータの直流入力電圧が低くなったとき前記イ
    ンバータの出力周波数を低めるように、前記インバータ
    の出力周波数を調整する手段とを備えた電力変換装置。 2.交流を直流に変換するコンバータと、このコンバー
    タから給電されるインバータと、前記インバータの直流
    入力電圧における前記コンバータの整流に起因する脈動
    の度合を検出する手段と、この脈動度合に位相差を持た
    せて前記インバータの出力周波数を調整する手段とを備
    え、前記位相差を前記インバータ出力周波数に応じて変
    化させるようにしたことを特徴とする電力変換装置。
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