JP2913651B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2913651B2 JP63293437A JP29343788A JP2913651B2 JP 2913651 B2 JP2913651 B2 JP 2913651B2 JP 63293437 A JP63293437 A JP 63293437A JP 29343788 A JP29343788 A JP 29343788A JP 2913651 B2 JP2913651 B2 JP 2913651B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車両用自動変速機の変速制御装置に関す
る。
[従来の技術] 従来より、車両の走行速度を自動的に制御すべく車両
用エンジンを制御する装置が考えられており、この種の
制御には、定車速走行制御や加速又は減速走行制御等が
あり、通常時には設定した車速に応じた定車速走行制御
を行ない、設定車速を変更した際や加速又は減速走行を
したい際に加速又は減速走行制御を行なうことが考えら
れる。
[発明が解決しようとする課題] ところで、車両を自動制御制御するには、スロットル
弁開度の調整等のエンジン制御が主体となるが、エンジ
ン制御だけでは車速の制御を十分に行なえない場合が考
えられる。例えば急制動をしたい時に、エンジンブレー
キを併用すると効果的であるが、変速機が高速段に設定
されているとエンジンブレーキが十分に働かないので、
所望の急制動が困難な場合がある。
本発明は、上述の課題に鑑み案出されたもので、変速
機(自動変速機)を適宜シフト変更制御することによ
り、所望の急制動を確実に行なえるようにした、車両用
自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] このため、本発明の車両用自動変速機の変速制御装置
は、車両用自動変速機の変速制御を行なう変速制御手段
と、上記車両の制動状態を検出する制動状態検出手段
と、上記制動状態検出手段により検出される制動状態が
所定時間継続したときに上記変速制御手段にダウンシフ
トの変速制御信号を出力するダウンシフト信号出力手段
と、上記制動状態における急制動による減速度の度合い
に応じて上記所定時間を変更する変更手段とを有するこ
とを特徴としている。
[作用] 上述の本発明の車両用自動変速機の変速制御装置で
は、車両が制動状態であることを制動状態検出手段が検
出して、この制動状態が所定時間継続すれば、ダウンシ
フト信号出力手段によって、変速制御手段にダウンシフ
トの変速制御信号が出力され、変速制御手段がこの変速
制御信号に基づいて車両用自動変速機の変速段を低速段
にダウンシフトする。これにより、制動操作による減速
に加えて、エンジンブレーキによる減速が働くようにな
る。
[実施例] 以下、図面により本発明の実施例について説明する
と、第1〜30図は本発明の一実施例にかかる車両用自動
走行制御装置を示すものである。
本発明の自動走行制御装置は、車両用エンジン制御装
置1と自動変速機制御装置101とからなり、第1〜30図
のうち、第1〜7図は、本装置の構成を示すものであ
る。
はじめに、第1,2図に基づいて本装置の全体構成を説
明するが、第1図は本装置の主要部分を概念的に示す構
成図、第2図は本装置の車両用エンジン制御装置1の具
体的な全体構成図である。
第1図から説明すると、第1図において、1は車両用
エンジン制御装置である。
2は車両室内に設けられ手動操作される手動操作手段
であって、第2図に示すアクセルペダル27,ブレーキペ
ダル28,シフトセレクタ29及びオートクルーズスイッチ1
8等がこれに相当する。
3は走行状態指定手段であり、具体的には第2図に示
す制御部25の走行状態指定部がこれに相当する。この走
行状態指定手段3は、変速機(第2図の自動変速機32が
対応する)がエンジン13の出力を駆動輪33,34(第2図
参照)に伝達しうる状態であって、且つ、アクセルペダ
ル27(第2図参照)とアクセルペダル28(第2図参照)
とが共に解放状態にある時に手動操作手段2を操作する
ことで、定車速走行状態と加速走行状態と減速走行状態
との何れかを指定しうるものである。つまり、手動操作
手段2が定車速走行すべき条件に一致すると定車速走行
状態を指定し、手動操作手段2が加速走行すべき条件に
一致すると加速走行状態を指定し、手動操作手段2が減
速走行すべき条件に一致すると減速走行状態を指定す
る。なお、自動変速機32は、トルクコンバータを用いた
一般的な流体変速機とする。
4は目標加速度設定手段であって、第2図に示す制御
部25の目標加速度設定部が相当する。この目標加速度設
定手段4は、走行状態指定手段3での指定が加速走行の
時にこの加速走行時の加速度の目標値を設定し、指定が
減速走行であったらこの減速走行時の減速度の目標値を
設定する。
5は車両の走行速度を検出する車速検出手段であり、
具体的には車両の変速機等に設けられた車速センサー
(図示省略)などが相当する。
6は到達目標車速設定手段(目標車速設定手段)であ
り、第2図に示す制御部25の到達目標車速設定部がこれ
に相当する。この到達目標車速設定手段6では、走行状
態指定手段3での指定が加速走行に切換わると加速後に
車両が走行すべき走行速度を設定し、指定が減速走行に
切換わると減速後に車両が走行すべき走行速度を設定す
るようになっている。この目標加速度設定手段4での設
定は、目標加速度が車速の変化に対応して変化するよう
に行なわれる。
7は可変の制御量に基づいてエンジン13の出力を調整
するエンジン出力調整手段であって、具体的には第2図
に示すスロットル弁回動部26及びスロットル弁31がこれ
に相当する。なお、可変の制御量には、具体的には第2
図に示す制御部から送られる制御量が相当する。
8は定車速制御手段であって、具体的には第2図に示
す定車速制御部がこれに相当する。この定車速制御手段
8は、走行状態指定手段3での指定が定車速走行である
時、車両が所定の速度による定車速走行を維持できるよ
うに、これに必要なエンジン13の出力を調整するための
エンジン出力調整手段7の制御量を設定する。
9は加速制御手段であって、第2図に示す加速制御部
等がこれに相当する。この加速制御手段9は、走行状態
指定手段3での指定が加速走行になっている時に車両が
目標加速度設定手段4で設定された加速度での加速走行
を維持できるように、これに必要なエンジン13の出力を
調整するためのエンジン出力調整手段7の制御量を設定
する。
10は減速制御手段であって、第2図に示す減速制御部
がこれに相当する。この減速制御手段10では、走行状態
指定手段3における指定が減速走行になっている時に、
車両が目標加速度設定手段4で設定された減速度による
加速走行を維持できるなエンジン13の出力を得られるよ
う、にエンジン出力調整手段7による所要の制御量を設
定する。
11は到達検出手段であって、具体的には第2図に示す
到達検出部がこれに相当する。到達検出手段11は、走行
状態指定手段3での指定が加速走行または減速走行であ
る時に、車速検出手段5で検出された車両の走行速度
が、到達目標車速に到達したことを検出する。
12は走行状態切換手段であって、具体的には第2図に
示す走行状態切換部がこれに相当する。到達検出手段11
で車速が到達目標車速に到達したことが検出されると、
この走行状態切換手段12により、走行状態指定手段3で
の走行状態の指定が切換えられる。
また、101はエンジン制御装置1の制御状態に応じて
自動変速機32の図示しない変速段切換機構(変速制御手
段)を制御する自動変速機制御装置であって、この自動
変速機制御装置101は、アクセル踏込量と実車速とをパ
ラメータとして自動変速機32の図示しない変速段切換機
構(変速制御手段)をシフトアップ及びシフトダウン制
御したりする一般的な変速機制御手段(図示省略)の
他、実車速と目標車速とを比較する車速比較判定手段10
2と、実加速度と予め設定された基準加速度とを比較す
る加速度比較判定手段103と、実出力トルクを算出して
現エンジン回転数での最大トルクと比較するトルク比較
判定手段104と、現変速段からダウンシフトした時のエ
ンジン回転数を算出して所定値と比較するエンジン回転
数比較判定手段105と、これらの判定手段102〜105から
の情報に基づき自動変速機32へ適宜シフト変更指令を行
なうシフト変更制御手段106とをそなえている。なお、
当然ながら、シフト変更制御手段106は、ダウンシフト
信号を出力する機能(ダウンシフト信号出力手段)もそ
なえている。
次に、第2図に基づいて、車両用エンジン制御装置1
を中心に具体的に説明する。
本車両用自動走行制御装置の車両用エンジン制御装置
1は、踏込量検出部14と、アクセルスイッチ15と、車両
の制動状態を検出する制動状態検出手段としてのブレー
キスイッチ16と、シフトセレクタスイッチ17と、オート
クルーズスイッチ18と、車重検出部19と、吸入空気量検
出部20と、エンジン回転数検出部21と、出力軸回転数検
出部22と、変速段検出部23と、車速・加速度検出部24
と、各検出部及びスイッチ14〜24からの入力信号に基づ
いた制御信号を出力する制御部25と、この制御部25から
の制御信号を受けてスロットル弁31を駆動するスロット
ル弁回動部26と、車体の前後方向の加速度を直接検出す
る車体前後方向加速度センサ(Gセンサ)51とから構成
されている。
以下、これらの各構成部分について説明する。
踏込量検出部14は、エンジンの出力を人為的に調整す
るためのアクセルペダル27の踏込量を検出するものであ
って、第3図に示すように、アクセルペダル27に連動し
てアクセルペダル27の踏込量に比例する電圧を出力する
ポテンショメータ37と、このポテンショメータ37の出力
電圧値をデジタル値のアクセルペダル踏込量APSに変換
するA−D変換部38とから構成される。
アクセルスイッチ15は、アクセルペダル27に連動して
ON−OFFして、アクセルペダル27が踏み込まれていない
時にON状態となり、踏み込まれている時にOFF状態とな
る。
ブレーキスイッチ16は、車両を制動するブレーキ(図
示せず)を人為的に操作するブレーキペダル28に連動し
てON−OFFし、ブレーキペダル28の踏込時にON状態、ブ
レーキペダル28の踏み込まれていない時にOFF状態とな
る。
シフトセレクタスイッチ17は、シフトセレクタ29によ
って人為的に指定された自動変速機32の作動状態をデジ
タル信号で出力するが、このシフトセレクタスイッチ17
の示す作動状態には、ニュートラル時のNレンジと、駐
車時のPレンジと、自動変速走行時のDレンジと、自動
変速機32の変速段が第1速にホールドされている時のL
レンジと、後進時のRレンジとがある。
オートクルーズスイッチ18は、車両の走行状態を人為
的に指定するためのもので、車両に加減速指令を与える
加速指令手段としても機能し、第6図に示すように、ス
テアリングゴラム49の側方に突設され加速スイッチ45及
び切換スイッチ46として機能するメインレバー18aと、
このメインレバー18aに左右へスライド可能に取り付け
られたスロットルスイッチ47と、メインレバー18aを軸
に回転可能に取り付けられた目標車速変更スイッチ48と
をそなえている。このオートクルーズスイッチ18の詳細
については、後述する。
また、車重検出部19は、車輪と車体との相対位置、即
ち車高の変化によって検出し、この検出値をデジタル値
で出力するものである。
吸入空気量検出部20は、吸入通路30を通じてエンジン
13に吸入される空気量を検出し、この検出値をデジタル
値で出力するものである。
エンジン回転数検出部21は、エンジン13のカム軸(図
示省略)に設けられており、エンジン13の回転数を検出
して、この検出値をデジタル値で出力するものである。
出力軸回転数検出部22は、自動変速機32のトルクコン
バータ(図示省略)の出力軸(図示省略)に設けられて
おり、出力軸の回転数を検出して、この検出値をデジタ
ル値で出力する。なお、33,34は、自動変速機32を介し
てエンジン13で駆動される左前車輪,右前車輪である。
変速段検出部23は、自動変速機32に設けられた変速指
令部(図示省略)から出力される変速指令信号に基づい
て使用中の変速段を検出し、この検出値をデジタル値で
出力するものである。
車速・加速度検出部24は、車両の実車速(実際の走行
速度)と車両の実加速度(実際の加速度)とを検出し
て、この検出値をデジタル値で出力するものである。こ
の車速・加速度検出部24は、第5図に示すように、右後
車輪36の車輪速を検出してこの検出値をデジタル値で出
力する右後車輪速検出部42と、左後車輪35の車輪速を検
出してこの検出値をデジタル値で出力する左後車輪速検
出部43と、これらの右後車輪速検出部42及び左後車輪速
検出部43から出力されるデジタル値に基づき車両の実車
速及び実加速度を算出する車速・加速度算出部44とから
構成される。
制御部25は、走行状態指定部3と、到達目標車速設定
部6と、到達目標車速変更制御部6aと、定車速制御部8
と、加速制御部9と、減速制御部10と、到達検出部11
と、走行状態切換部(走行状態切換制御部)12とをそな
えており、走行状態指定部3による指定に従って、各制
御部で適切なスロットル開度が設定される。
つまり、制御部25では、走行状態指定部3で定車速走
行が指定されると、定車速制御部8により所要の定車速
走行に必要なスロットル開度が設定され、加速走行に指
定されると、加速制御部9により所要の加速走行に必要
なスロットル開度が設定され、減速走行に指定される
と、減速制御部10により所要の減速走行に必要なスロッ
トル開度が設定される。このように設定されたスロット
ル開度の大きさは、デジタル信号としてスロットル弁回
動部26へ出力される。
スロットル弁回動部26は、スロットル弁31が制御部25
で設定されたスロットル開度をとるように、このスロッ
トル弁31を回動させるものであって、第4図に示すよう
に、制御部25からの信号に基づきスロットル弁31を設定
開度まで回動させるための駆動信号を出力するアクチュ
エータ駆動部39と、このアクチュエータ駆動部39からの
信号を受けてスロットル弁31を回動するスロットル弁ア
クチュエータ40と、このスロットル弁アクチュエータ40
により回動されたスロットル弁31の開度を検出してこの
検出値をデジタル値でアクチュエータ駆動部39にフイー
ドバックするスロットル弁開度検出部41とから構成され
ている。なお、スロットル弁アクチュエータ40はステッ
パモータ等の電動モータである。
また、スロットル弁31は、吸気通路30に回動可能に設
けられ、適度な角度に調整されることで吸気通路30の開
閉(開度調整)を行ない、エンジン13への吸気量を調整
するものである。
車体前後方向加速度センサ51は、いわゆるGセンサで
あって、車体の前後方向の加速度に変化があったか否か
を検出しうるものであり、詳細な加速度値を検出するの
でなく、車速・加速度検出部24での検出加速度に変化が
あった場合に、この変化を車速・加速度検出部24とは別
個に検出して、車速・加速度検出部24における外乱や検
出誤差等による誤ったデータが不必要に制御部25のデー
タとして取り込まれないようにするために設けられてい
る。
ここで、オートクルーズスイッチ18について詳細に説
明する。
加速スイッチ45は、メインレバー18aをステアリング
ゴラム49の回りに旋回動させることによって切り換えら
れ、ここでは、第6図中に示す の4つの位置に切り換わって、これらの各位置でそれぞ
れON状態をとる。この加速スイッチ45が の位置にあると、指定された速度での定車速走行とな
り、 の位置にあると、それぞれの目標加速度での加速走行と
なる。特に、 と切り換えるに従い目標加速度が大きくなり、 の位置では緩加速走行、 の位置では中加速走行、 の位置では急加速走行に設定される。
切換スイッチ46は、走行状態切替操作手段であって、
メインレバー18aを手前に引くことでON状態になって加
速スイッチ45の位置に応じて走行状態が切り換えられ、
切り換えられた後にメインレバー18aから手を離すと、
このレバー18aは自動的に元の位置に復帰する。
例えば、加速スイッチ45が の位置にある時には、切換スイッチ46で定車速走行と減
速走行とが切り換えられる。つまり、加速スイッチ45が の位置にあって定車速走行している時にこの切換スイッ
チを操作すると、定車速走行から減速走行へと切り換わ
り、この切換によって加速スイッチ45が の位置にあって減速走行している時にこの切換スイッチ
を操作すると、減速走行から定車速走行へと切り換わ
る。
一方、加速スイッチ45が の位置にある時には、切換スイッチ46で加速走行と定車
速走行とが切り換えられる。つまり、加速スイッチ45が の位置にあって加速走行している時にこの切換スイッチ
を操作すると、加速走行から定車速走行に切り換わり、
この切換によって加速スイッチ45が の位置にあって定車速走行している時にこの切換スイッ
チを操作すると、定車速走行から加速走行に切り換わ
る。
さらに、この切換スイッチ46によって到達目標車速を
変更でき、定車速走行から加速走行に切り換えるために
切換スイッチ46のON状態を継続させつづけると、この継
続時間に比例して到達目標車速が増加し、定車速走行か
ら減速走行に切り換えるために切換スイッチ46のON状態
を継続させつづけると、この継続時間に比例して到達目
標車速が減少する。
スロットルスイッチ47は、スロットル弁31に対するア
クセルペダル27またはブレーキペダル28の状態に応じた
制御内容を変更するものであり、 の3つの位置に切り換わって、これらの各位置でそれぞ
れON状態をとる。
このスロットルスイッチ47が の位置にある時には、アクセルペダル27とスロットル弁
31とが機械的に直結したのと同様な関係に制御が行なわ
れ、アクセルペダル27の動きに応じてスロットル弁31が
調整される。
また、スロットルスイッチ47が の位置にある時には、アクセルペダル27とスロットル弁
31とは機械的直結関係にはならず、以下のような制御と
なる。
つまり、スロットルスイッチ47が の位置にある時には、ブレーキペダル28を踏み込んで減
速を行なった後このブレーキペダル28を開放すると、次
にアクセルペダル27を踏み込むまでの間、スロットル弁
31が常にアイドル位置である最小開度を保持するような
制御が行なわれる。
スロットルスイッチ47が の位置にある時は、ブレーキペダル28を踏み込んで減速
を行なった後このブレーキペダル28を開放すると、走行
中の車両を停車させる場合を除いて、次にアクセルペダ
ル27を踏み込むか、加速スイッチ45または切換スイッチ
46の操作により加速走行または減速走行が指定されるま
での間、ブレーキペダル28の開放時の車速を維持して定
車速走行すべく、スロットル弁31の開度制御が行なわれ
る。
目標車速切換スイツチ48は、定車速走行の際の目標車
速の設定値を変更するためのものであり、上方[第6図
中の(+)方向]または下方[第6図中の(−)方向]
に回動させるとそれぞれON状態となり、切り換えられた
後にスイッチ48から手を離すと、このスイッチ48は自動
的に元の位置(第6図中に示す中立状態)に復帰してOF
F状態となる。そして、この目標車速切換スイツチ48を
(+)側のON状態に操作すると、このON状態の継続時間
に比例して到達目標車速が増加し、(−)側のON状態に
操作すると、このON状態の継続時間に比例して到達目標
車速が減少する。したがって、この目標車速切換スイッ
チ48を回動させて到達目標車速を増減させた後にスイッ
チ48から手を離すと、到達目標車速は、この手を離した
時点の値に設定される。
なお、オートクルーズスイッチ18と制御部25との接続
部分の回路は、第7図に示すように構成されている。
制御部25側には、制御部25の信号入力用に設けられた
バッファBU1〜BU10と、これらのバッファBU1〜BU10の各
入力側に設けられたプルアップ抵抗R1〜R10とがそなえ
られている。なお、これらのプルアップ抵抗R1〜R10
は、バッファBU1〜BU10の電源50と並列に設けられてい
る。
そして、オートクルーズスイッチ18を構成する、加速
スイッチ45,切換スイッチ46,スロットルスイッチ47及び
目標車速変更スイッチ48のそれぞれの接点が、制御部25
のバッファBU1〜BU10の各入力側に接続されている。
なお、この第7図中の加速スイッチ45の各接点に付し
た符号 は、第6図中の位置 に対応しており、切換スイッチ46の接点(ON)は、メイ
ンレバー18aを手前に引いてON状態にした時に接触す
る。また、スロットルスイッチ47の各接点に付した符号 は、第6図中の位置 に対応しており、目標車速変更スイッチ48の各接点に付
した(+),(−)は、それぞれ目標車速変更スイッチ
48を第6図中の(+)側又は(−)側に回転操作すると
接触する接点である。
そして、これらの各スイッチの接点のうち、ON状態と
なった接点に接続されたバッファの入力側では、この入
力側に接続されたプルアップ抵抗にバッファBU1〜BU10
の電源50から電流が流れて、この結果、ON状態となった
接点に接続されたバッファにはローレベルデジタル信号
が与えられる。また、他のOFF状態の接点に接続された
バッファにはハイレベルデジタル信号が与えられる。
例えば、各接点が第7図に示すような接続状態にある
時には、制御部25のバッファBU1及びBU7の入力側にロー
レベルデジタル信号が与えられ、BU2〜BU6及びBU8〜BU1
0の入力側にハイレベルデジタル信号が与えられる。
次に、このエンジン制御装置1による制御内容を説明
する。
第8〜18図は、いずれもこのエンジン制御装置による
制御内容を示すフローチャートであり、このうち、第8
図(i)が、本制御の主要内容を示す主フローチャート
であって、制御はこの主フローチャートに従って一定の
制御周期(制御サイクル)で行なわれる。
この制御周期は、車両のトルクコンバータやトランス
ミッション等の慣性により発生する制御の遅れに応じた
時間(ロスタイム)Tdを所定時間Taに加えた時間(Ta+
Td)として設定する。なお、各変速段毎に慣性による制
御の遅れが異なるので、ロスタイムTdは各変速段毎に定
められる。また、この場合の所定時間Taは、一定時間、
又は、エンジン回転数に対応した値とする。
そして、この主フローチャートに定期的に割り込ん
で、第8図(ii)〜(iv)にそれぞれ示すような割込制
御が行なわれる。
第8図(ii)は、第8図(i)に示す主制御が行なわ
れている時に、この制御に50ミリ秒毎に割込んで優先的
に行なわれる割込制御(以下、第1の割込制御という)
であって、カウンタCAPCNGに対してなされる制御の内容
を示すフローチャートである。
第8図(iii)は、同様に第8図(i)に示す制御に1
0ミリ秒毎に割込んで優先的に行なわれる割込制御(以
下、第2の割込制御という)であって、踏込量検出部11
によって検出されたアクセルペダル踏込量APSに基づき
この踏込量APSの変化速度DAPSを求める制御の内容を示
すフローチャートである。
さらに、第8図(iv)は、同様に第8図(i)に示す
制御に65ミリ秒毎に割込んで優先的に行なわれる割込制
御(以下、第3の割込制御という)であって、車速・加
速度検出部24の右後車輪速検出部42によって検出された
右後車輪速VARRと左後車輪速検出部43によて検出された
左後車輪速VARLとから、車両の実車速VAと実加速度DVA
とを求める制御の内容を示すフローチャートである。こ
の制御は、車速・加速度算出部44において行なわれる。
また、第8図(v)及び第8図(vi)は、それぞれ第
8図(iv)に示す第3の割込制御によって求められる実
加速度DVAの誤差を補償するためのフェールセイフ制御
の内容を示すフローチャートである。
つまり、第3の割込制御では、車速・加速度検出部24
による検出値を用いて実加速度DVAを算出するが、車速
・加速度検出部24が車輪速によって車両の速度を検出す
るため、路面の凹凸等によって車輪35,36にバンプやリ
バウンド等が生じると、瞬間的に誤った車速データが検
出されるおそれがある。そこで、かかるバンプやリバウ
ンド等に起因した誤って車速データに基づいて実加速度
DVAが算出されるのを防止すべく、第8図(v)のフェ
ールセイフ制御が行なわれる。
ここでは、車重検出部19の一つとして設けられている
エアサスペンションの空気圧検出装置(図示省略)の検
出値に基づいて、フェールセイフ制御を行なっている。
これは、バンプやリバウンド等で車輪速に誤差が生じる
時には、これと同時に、エアサスペンションの空気圧も
変化するので、実車速VAとしての測定値の信頼性の尺度
として、空気圧の変化を採用しているのである。
また、第8図(vi)のフェールセイフ制御は、車体前
後方向加速度をGセンサ51で直接検出して、この検出デ
ータを基準に実加速度DVAの値に誤りがあるか否かを判
断して適宜処理する制御であり、バンプやリバウンド等
に起因した場合に関わらず、他の原因による加速度値の
誤りについても、広く判断して処理できる制御である。
また、第8図(vii)は、車重検出部19で検出された
車重に基づいて制御部25でなわれる車重データの設定手
順を示すフローチャートである。
なお、第8図(i)に示す主制御では、種々の内容の
制御が行なわれるが、これらの制御内容は、第9〜18図
に示されている。
第9図は、第8図(i)のステップA117で行なわれる
スロットル直動制御の詳細を示すフローチャートであっ
て、このスロットル直動制御とは、アクセルペダル27と
スロットル弁31とが機械的に直結したのと同等な関係で
アクセルペダル27に対してスロットル弁31を制御を行な
いエンジン13の制御を行なうものである。
第10図は、第8図(i)のステップA116で行なわれる
スロットル非直動制御の詳細を示すフローチャートであ
って、このスロットル非直動制御とは、アクセルペダル
27とスロットル弁31とが必ずしも機械的直結関係のよう
にはならないスロットル弁31の制御でエンジン13の制御
を行なうものである。
第11図は、第10図のステップC137で行なわれるアクセ
ルモード制御の詳細を示すフローチャートであって、こ
のアクセルモード制御とは、踏込量検出部14によって検
出されたアクセルペダル踏込量APSと、この踏込量APSに
基づき制御部22によって求められたアクセルペダル踏込
量変化速度DAPSと、カウンタCAPCNGの値とに基づいて車
両の目標加速度を決定し、この目標加速度を得るエンジ
ン出力となるようにスロットル弁31を回動制御してエン
ジン13の制御を行なうものである。
第12図は、第10図のステップC144で行なわれるオート
クルーズモード制御の詳細を示すフローチャートであっ
て、このオートクルーズモード制御とは、アクセルペダ
ル27およびブレーキペダル28の踏込みが解除された状態
にある時に、第2図中の各検出部および各スイッチ14〜
24の情報に基づき、制御部25の加速制御部9、減速制御
部10、あるいは定車速制御部8でスロットル弁31の開度
を設定し、スロットル弁回動部26によりスロットル弁31
を回動することによりエンジン13の制御を行なって、車
両の走行状態を加速走行、減速走行、あるいは定車速走
行とするものである。
第13図は、第12図のステップE128で行なわれる切換ス
イッチ制御の詳細を示すフローチャートであって、この
切換スイッチ制御とは、制御部25の走行状態指定部3に
よる車両の走行状態の指定と、切換スイッチ46および制
御部25の走行状態切換部12による切換えと、制御部25の
到達目標車速設定部6による到達目標車速の設定と、制
御部25の到達目標車速変更制御部6aによる到達目標車速
の変更とに関して行なわれるるものである。
第14図は、第12図のステップE121で行なわれる加速ス
イッチ制御の詳細を示すフローチャートである。この加
速スイッチ制御とは、加速スイッチ45を第6図中の の位置に切換えた時に、制御部25の目標加速度設定部4
においてこの切換位置に応じて行なわれる目標加速度DV
S2の設定の制御である。この目標加速度DVS2は、加速ス
イッチ45または切換スイッチ46の操作によって制御部25
の走行状態指定部3の指定が加速走行となって車両が加
速を開始した後に一定となる加速度の目標値のことであ
る。
第15図は、第12図のステップE131で行なわれる減速制
御の詳細を示すフローチャートである。この減速制御
は、加速スイッチ45および切換スイッチ46の操作による
制御部25の走行状態指定部3の指定が減速走行となった
時に、制御部25の目標加速度設定部4により設定された
負の目標加速度(即ち目標減速度)に最も近く且つ実現
可能な減速度で減速走行を行なうような制御であり、主
として制御部25の減速制御部10及び目標加速度設定部4
において行なわれるものである。
第16図は、第12図のステップE133で行なわれる目標車
速制御の詳細を示すフローチャートであって、この目標
車速制御は、加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46の
操作等により制御部25の走行状態指定部3の指定が定車
速走行となった時に車両の走行速度を、この指定が定車
速走行となった時の走行速度に一致させて維持する定車
速走行を行なうためのもの、および定車速走行時の目標
車速走行速度の目標値を目標車速変更スイッチ48により
変更するためのものであり、主として制御部25の定車速
制御部8において行なわれるものである。
第17図は、第12図のステップE122で行なわれる加速制
御の詳細を示すフローチャートである。この加速制御と
は、加速度の変化(増減)を滑らかに行なうようにする
制御である。例えば、加速スイッチ45あるいは切換スイ
ッチ46の操作により制御部25の走行状態指定部3の指定
が加速走行となった時に、加速スイッチ45の位置に対応
して制御部25の目標加速度設定部6で設定された目標加
速度への車両の加速度の増加および減少を滑らかに行な
うようにしたり、加速走行により制御部25の到達目標車
速設定部6および到達目標車速変更制御部6aで設定され
た到達目標車速に車両の走行速度が到達する際の加速度
の変化を滑らかに行なうようにするものである。
第18図は、第16図のステップJ115で行なわれる目標加
速度DVS4の決定の制御の詳細を示すフローチャートであ
る。この目標加速度DVS4は、制御部25の走行状態指定部
3による指定が定車速走行である時に、車両の走行速度
を目標車速に一致させて維持するための車両の加速度の
目標値である。
第19〜26図は、いずれも本車両用自動走行制御装置に
おけるエンジン制御装置1の制御に使用されるマップの
パラメータとこのパラメータに対応して読み出される変
量との対応関係を示すグラフである。
第27図は加速スイッチ45を切換えて制御部25の走行状
態指定部3の指定を加速走行とした時の、切換後の時間
経過に対応した目標加速度および走行速度の変化の一例
を示したものである。
第28〜30図は、自動変速機制御装置101による自動変
速機32の制御について示すものであり、このうち第28図
(i)〜(iii)は、オートクルーズモード制御での定
速度制御中において、例えば登坂時や降坂時(下り坂の
時)にエンジン制御のみでは車速の維持が不可能な時に
行なわれるダウンシフト制御を示すフローチャートであ
って、第28図(i),(ii)の手順を連続することで、
一つのサイクルのダウンシフト制御が行なわれる。この
ダウンシフト制御は20ms毎の割込制御であって、第28図
(i)が主として登坂時の制御に相当し、第28図(ii)
が主として降坂時の制御に相当する。また、第28図(ii
i)は、第28図(ii)の降坂時の制御の変形例を示す。
また、第29図(i)〜(iii)は、ブレーキペダル28
により急制動が行なわれた場合に、エンジンブレーキを
効かせて速やかに減速させるべく行なう、自動変速機32
のダウンシフト制御を示すもので、第29図(i)はメイ
ン制御の制御内容を示すフローチャートであり、第29図
(ii)メイン制御に対して20msタイマ割込で行なう割込
制御の制御内容を示すフローチャートであり、第29図
(iii)はこの20msタイマ割込制御に用いる時間データ
を求めるマップである。
なお、これらのダウンシフト制御は、車速・加速度検
出部24で検出された実車速VA及び実加速度DVA,到達目標
車速設定部6で設定された目標車速VS,エンジン回転数
検出部21で検出された現エンジン回転数DRPM,変速段検
出部23で検出された現在の使用変速段等のデータに基づ
き、ダウンシフト制御101で行なわれる。
そして、第30図は、アクセルペダル15を開放したオー
トクルーズモード制御を行なっている時に、自動変速機
32の通常通り変速制御するための制御パラメータとして
用いる擬似踏込量SFTAPSの設定例を示すマップである。
以上のような構成による本制御装置の作用を第1〜30
図に基づき説明する。
まず初めに、エンジン13を始動するために車両のイグ
ニッションスイッチ(図示省略)をONにすると、スター
タモータ(図示省略)によるエンジン13のクランク軸
(図示省略)が回転を始め、燃料制御装置(図示省略)
により決定されたエンジン始動に必要な量の燃料が、燃
料噴射装置(図示省略)によってエンジン13に供給され
る。これとともに、点火時期制御装置(図示省略)によ
って決定されたタイミングで点火装置(図示省略)によ
り燃料に点火が行なわれて、エンジン13が自力で運転を
開始する。
この時、同時にエンジン制御装置1に電源が接続され
て、第8〜18図に示すフローチャートに従ってエンジン
の制御が開始される。
以下、この制御について説明する。
初めに第8図(i)のステップA101において、制御で
使用する変数、フラグ、タイマ、およびカウンタを全て
値が0になるようにリセットして、次のステップA102へ
進む。
この時、第8図(i)のステップA101〜A117に示す主
フローの制御に優先して、第8図(ii)のステップA118
〜A120のフローチャートに従って50ミリ秒毎に行なわれ
る第1の割込制御と、第8図(iii)のステップA121〜A
122のフローチャートに従って10ミリ秒毎に行なわれる
第2の割込制御と、第8図(iv)のステップA123〜A128
のフローチャートに従って65ミリ秒毎に行なわれる第3
の割込制御とが実行される。
これらの割込制御のうち、第1の割込制御は、制御部
25において行なわれるものであり、前述のようにカウン
タCAPCNGに関する割込制御である。
つまり、エンジン制御装置1による制御が開始された
直後は、ステップA101においてカウンタの値CAPCNGがリ
セットされて、CAPCNGの値は0と設定されているので、
ステップA118でCAPCNGに1を加算した値を新たなCAPCNG
にすると、ここでのCAPCNGの値は1となる。従って、次
のステップA119ではCAPCNG=1の条件を満足することに
なり、ステップA120へ進む。そして、このステップA120
で、CAPCNGから1を減算した値(つまり0)が新たなCA
PCNGの値となる。
これから50ミリ秒経過後に再びこの第1の割込制御が
始まる際には、CAPCNGの値は上述のように前回の第1の
割込制御開始時と同様に0となっている。したがって、
今回の第1の割込制御の内容は前回の第1の割込制御と
全く同一となって、今回の第1の割込制御の終了後に
は、CAPCNGの値は再び0となる。つまり、主フローの制
御のいずれかのステップにおいてCAPCNGの値が0以外に
設定されない限り、この50ミリ秒毎に行なわれる第1の
割込制御は全く同一の内容で繰り返され、この結果得ら
れるCAPCNGの値は常に0となる。
第2の割込制御は、制御部25において行なわれる制御
であって、ここでは、踏込量検出部14によって検出され
たアクセルペダル踏込量APSに基づいて、この踏込量APS
の変化速度DAPSが求められる。
なお、アクセルペダル踏込量APSの値は、アクセルペ
ダル27と連動する踏込量検出部14のポテンショメータ37
からアクセルペダル27の踏込量に比例した電圧が出力さ
れ、この出力電圧が踏込量検出部14のA−D変換部38で
デジタル値に変換されることにより得られる値である。
この第2の割込制御においては、ステップA121でアク
セルペダル踏込量APSが入力されて、この次のステップA
122でこの入力されたAPSの値と、これと同様にして100
ミリ秒前に入力され記憶されているアクセルペダル踏込
量APS′との差|APS−APS′|がDAPSの値として算出され
る。この割込制御は10ミリ秒毎に繰返されるので、APS,
APS′およびDAPSの値は10ミリ秒毎に更新される。
第3の割込制御は、実車速VAおよび実加速度DAVを算
出するために車速・加速度検出部24において行なわれる
制御である。
この第3の割込制御が開始されると、まず初めにステ
ップA123において、右後車輪速検出部42により検出され
た右後車輪36の車輪速がVARRとして入力され、ついでス
テップA124で、左後車輪速検出部43により検出された左
後車輪35の車輪速がVARLとして入力される。
次に、ステップA125においてVARRとVARLの平均値が車
両の実車速VAとして算出され記憶される。次のステップ
A126では、ステップA125で算出された実車速VAと今回の
割込制御から390ミリ秒前の割込制御で同様に算出され
て記憶された実車速VA′との変化量VA−VA′が実加速度
DVA65として算出される。
そして、ステップA127においては、VAとVA′との平均
値VAAと、VAが算出された割込制御から更に65ミリ秒前
の割込制御で同様に算出され記憶されていた実車速VA″
とVA(VA″よりも390ミリ秒前に算出・記憶されたも
の)との平均値VAA′との変化量VAA−VAA′が、実加速
度DVA130として算出され記憶される。
更に、ステップA128においては、ステップA127で算出
された実加速度DVA130と前回までの割込制御によって同
様にして算出されたDVA130のうち最新の4つのDVA130
の平均値が、実加速度DVA850として算出される。
以上のようにして算出されるVA,VA′,VA″,VA,VAA,
VAA′,DVA65,DVA130およびDVA850の各値は、この第3
の割込制御が65ミリ秒毎に行なわれるので、65ミリ秒毎
に更新される。
これらの実加速度のうち、DVA65は上述のように2つ
の実車速(VA,VA′)に基づいて算出されるので、実際
の車両の加速度の変化に対し最も追従性が高い反面、外
乱等により1つの実車速の誤差が増大した時にうける影
響が大きく安定性が低い。一方、DAV850は、上述のよう
に4つの実車速(VA,VA′,VA″,VA)に基づいて算出
される実加速度DAV130を5つ用いて求められるので、DV
A65とは逆に外乱による影響は少なく安定性が高い反
面、追従性が低い。また、DAV130はDAV65とDAV850との
中間の安定性および追従性を有するものである。
なお、ここで、第3の割込制御によって求められる実
加速度DVAの誤差を補償するために行なうフェールセイ
フ制御の内容を説明すると、第8図(v)に示すよう
に、まず、ステップN101で、車重検出部19の一つとして
設けられているエアサスペンション(エアサス)の空気
圧検出装置で検出した検出値の変化(空気圧の変化度
合)が、予め設定された基準値よりも大きいか否かが判
断される。
検出値の変化が基準値よりも大きくない場合には、実
車速VAとしての測定値には誤差が生じていないと判断し
て、ステップN108へ進んでフラグI14の値を0とした
後、ステップN109に進んで、タイマ(TMA′)をリセッ
トし、ステップN110に進む。このステップN110では、各
実加速度(DVA65,DVA130,DVA850)を通常通り、つま
り、上述のようにステップA126〜A128にしたがって算出
する。
ただし、このフェールセイフ制御時以前の段階から検
出値の変化が基準値よりも大きくない状態が続いている
場合には、フラグI14の値ははじめから0であって、タ
イマ(TMA′)も既にリセット状態になっている。
なお、フラグI14は、既にエアサスの空気圧の変化が
基準値よりも大きい状態となっていることを値が1であ
ることにより示す。また、タイマTMA′は、エアサスの
空気圧の変化が大きい状態が連続している場合の連続時
間をカウントするものである。
一方、検出値の変化が基準値よりも大きい場合には、
ステップN101で、実車速VAとしての測定値に誤差が生じ
たと判断できる。この場合は、まずステップN102へ進ん
でフラグI14の値が1であるか否かを判断する。
今、初めてエアサスの空気圧の変化が基準値よりも大
きくなったとすると、フラグI14の値はまた0の状態な
ので、ステップN103へ進んでフラグI14の値を1とした
後、ステップN104でタイマTMA′のカウントをスタート
させる。ついで、ステップN105で、各実加速度(DV
A65,DVA130,DVA850)の算出を停止して、直前に算出
された各算出値(最終算出値)を出力データとして記憶
する。
続いて、ステップN106に進んで、制御周期を再設定す
る。この制御周期の再設定とは、後述する第8図(i)
の主フローに示す制御を、初期状態つまりステップA101
の段階に戻して、新たに制御を開始することである。そ
して、この後は、ステップN107に進む。
また、前回の制御でもエアサスの空気圧の変化が基準
値よりも大きいと判断されている場合には、フラグI14
は1になっているので、ステップN102で、フラグI14
値が1であると判断される。この場合、ステップN103〜
N106をジャンプして、直接ステップN107に進む。
ステップN107に進むと、タイマTMA′のカウント値t
TMA′が所定値tCよりも大きいか否かが判断される。こ
こで、カウント値tTMA′とは、エアサスの空気圧の変化
が基準値よりも大きくなった状態の連続している時間で
ある。また、所定値tCとは基準時間であって、車両のサ
スペンションの固有振動周期等より適当に大きい値とし
て例えば750ms程度に設定される。
このステップN107で行なう判断は、エアサスの空気圧
の変化が、車輪のバンプ・リバウンド等に起因したもの
か、実際に車速が変化したためのものかの判断である。
つまり、エアサスの空気圧の変化が車輪のバンプ・リバ
ウンド等に起因していれば、基準時間tC程度経過してバ
ンプ・リバウンド等が収まればその変化も解消される。
従って、逆に、空気圧の変化が基準値よりも大きい状態
が基準時間tCよりも長く続いていれば、実際に車速が変
化したためにエアサスの空気圧が変化が続いていると判
断できる。
即ち、タイマTMA′のカウント値tTMA′が所定値tC
りも大きいならば、空気圧の変化は実際に車速が変化し
たためであり、算出した現実加速度データを採用できる
と判断でき、タイマTMA′のカウント値tTMA′が所定値t
Cよりも大きくなければ、空気圧の変化が車輪のバンプ
・リバウンド等に起因している可能性があり、現実加速
度データを採用できないと判断できる。
ステップN107で、カウント値tTMA′が所定値tCよりも
大きくないと判断すると、この制御を終了し、逆に、カ
ウント値tTMA′が所定値tCよりも大きいと判断すると、
ステップN108へ進み、フラグI14の値を0とした後、ス
テップN109でタイマ(TMA′)をリセットして、ステッ
プN110に進んで、各実加速度(DVA65,DVA130,DV
A850)を通常通りステップA126〜A128に従って算出す
る。
なお、この第8図(v)に示す実加速度DVAの誤差を
補償するために行なうフェールセイフ制御は、所定時間
(ただし基準時間tCよりも適当に短い時間)ごとに繰り
返される。
次に、第3の割込制御によって求められる実加速度DV
Aの誤差を補償するために行なうもう一つのフェールセ
イフ制御の内容を説明する。なお、この制御において
も、その初期状態では、フラグI15が0にされると共
に、タイマTMA″が0に停止した状態にリセットされ
る。
なお、フラグI15は、前回の制御サイクル以前で現在
よりも基準時間以内に実加速度の値に誤りが認められた
ことを値が1であることにより示す。また、タイマTM
A″は、実加速度に基準値よりも大きい変化が生じてか
らの経過時間をカウント値tTMA″としてカウントするも
のである。
まず、ステップN201で、フラグI15が1であるか否か
が判断される。
フラグI15が1であったら、ステップN208へ進むが、
前回のフェールセイフ制御まで実加速度の値に誤りが認
められない場合や、前回以前のフェールセイフ制御で実
加速度の値に誤りが認められたがその後基準時間tC′以
上の間、実加速度の値に誤りが認められていない場合に
は、フラグI15の値は0となっているので、ステップN20
1で、フラグI15が1でないとされ、ステップN202へ進
む。
ステップN202では、今回の制御サイクルで、実加速度
が基準値よりも大きな変化をしたか否かが判断される。
実加速度が基準値よりも大きな変化をしていななけれ
ば、フェイルセーフのための操作を特別行なう必要はな
く、ステップN211へ進み、各実加速度(DVA65,DV
A130,DVA850)の算出を通常通り、つまり、上述のよう
にステップA126〜A128にしたがって実施して、今回の制
御を終える。
実加速度が基準値よりも大きな変化をしていたら、ス
テップN203へ進んで、Gセンサ(車体前後方向加速度セ
ンサ)51からの出力値に基準以上の変化が生じたか否か
が判断される。
Gセンサ51の出力が基準以上変化したら、実際に、実
加速度が基準値よりも大きな変化をしており、実加速度
のデータを信頼できるので、ステップN203から、ステッ
プN211へ進み、各実加速度(DVA65,DVA130,DVA850
の算出を通常通り実施して、今回の制御を終える。
ステップN203で、Gセンサ51の出力が基準以上変化し
ないとされたら、実際には、実加速度が基準値よりも大
きな変化をしていないのに、実加速度のデータが変化し
たことになり、実加速度の値を算出するためのデータに
何らかの誤りが生じたと判断でき、この実加速度データ
を信頼できないとして、ステップN204へ進み、フラグI
15を1にして、続くステップN205で、タイマTMA″のカ
ウントをスタートする。
さらに、続くステップN206で、各実加速度(DVA65,D
VA130,DVA850)の算出を停止して、直前に算出された
各算出値(最終算出値)を出力データとして記憶する。
続いて、ステップN207に進んで、制御周期を再設定す
る。この制御周期の再設定とは、後述する第8図(i)
の主フローに示す制御を、初期状態つまりステップA101
の段階に戻して、新たに制御を開始することである。
そして、今回の制御を終了する。
このように、実加速度の値に何らかの誤差が生じたと
判断されると、これ以後の制御サイクルでは、ステップ
N201で、フラグI15が1であると判断されて、ステップN
208へ進む。
ステップN208では、カウント値tTMA″の値が、基準時
間tC′よりも大きいか否かが判断される。基準時間tC
は、実加速度の算出データに何らかの誤りが生じた場
合、この影響が各実加速度(DVA65,DVA130,DVA850
の算出値に及ばなくなくなるまでの時間として予め設定
されている。
カウント値tTMA″の値が、基準時間tC′よりも大きく
なければ、まだ、実加速度の算出値に、データの誤りの
影響が及ぶおそれがあるので、ステップA126〜A128によ
る実加速度の算出を行なわずに、今回の制御を終える。
また、各実加速度(DVA65,DVA130,DVA850)として
は、ステップN206で記憶された値を用いる。
実加速度の値に何らかの誤差が生じたと判断されてか
ら何回かの制御サイクルを経過して、カウント値tTMA
の値が基準時間tC′よりも大きくなったら、ステップN2
09において、フラグI15の値を0として、ステップN210
において、タイマTMA″を0にリセットして、ステップN
211に進む。
ステップN211では、ステップA126〜A128による実加速
度の算出を再開するが、この制御周期から新たにデータ
入力して算出するために、この制御周期よりも後に、新
たな実加速度(DVA65,DVA130,DVA850)の値が算出さ
れるまでは、ステップN206で記憶された値を用いる。
なお、この第8図(vi)に示す実加速度DVAの誤差を
補償するために行なうフェールセイフ制御も、所定時間
(ただし基準時間tC′よりも適当に短い時間)ごとに繰
り返される。
このように、実加速度データが信頼できると判断でき
る場合には、所定通りに実加速度を算出して、ほぼ現在
の実加速度データを採用する。この一方で、実加速度DV
Aの値に誤差が生じたと判断できる場合には、各実加速
度DVA(DVA65,DVA130,DVA850)のデータとして、既に
算出した適正なデータの中から最も新しいもの(最終算
出値)を採用するのである。
一方、第8図(i)のステップA101〜A117の主フロー
では、ステップA101に引続きステップA102において、ス
ロットル弁31の開閉を行なうタイミングを決定するため
のタイマTMBが時間のカウントを開始して次のステップA
103へ進む。
ステップA103では、車速・加速度検出部24でのステッ
プA123〜A128の第3の割込制御によって算出された実車
速VA、実加速度DVA65,DVA130,DVA850、踏込量検出部1
4によって検出されたアクセルペダル踏込量APS、ステッ
プA121〜A122による割込制御により制御部25で算出され
たAPSの変化速度DAPS、吸入空気量検出部20によって検
出された吸入空気量AE、エンジン回転数検出部21によっ
て検出されたエンジン回転数NE、車重検出部19によって
検出された車重W、出力軸回転数検出部22によって検出
された自動変速機32のトルクコンバータ出力軸(図示省
略)の回転数NDがそれぞれ入力される。更に、このステ
ップA103では、これとともに、アクセルスイッチ15、ブ
レーキスイッチ16、シフトセレクタスイッチ17およびオ
ートクルーズスイッチ18の加速スイッチ45,切換スイッ
チ46,スロットルスイッチ47,目標車速変更スイッチ48の
各スイッチの接点情報と、変速段検出部23で検出された
自動変速機32の使用変速段情報とが取込まれる。
次のステップA104においては、フラグI4の値が1であ
るが否かが判断される。このフラグI4は、制御部25の走
行状態指定部3によって定車速走行が指定されるべきこ
とを、値が0であることによって示すものである。この
ステップA104においては、定車速走行状態が指定されて
いるとI4=1ではないと判断して、ステップA105へ進
む。逆に、定車速走行状態が指定されていないとI4=1
であると判断して、ステップA107へ進む。
ステップA105へ進むと、フラグI8の値が1であるか否
かが判断される。このフラグI8は、後述する第12図のス
テップE133で行なわれる目標車速制御の中で、車速が定
車速走行の目標車速にほぼ一致した後の制御が行なわれ
ることを値が0であることによって示すものである。そ
して、このステップA105において、I8=1であると判断
した場合にはステップA107へ進み、I8=1ではないと判
断した場合はステップA106へ進む。
ステップA106では、スロットル弁31の開閉を行なうタ
イミングの周期 が予め設定された一定値TKとして指定される。
ステップA107では、周期 がステップA103で入力されたエンジン回転数NEの逆数と
予め設定された一定値の係数αとの積によって指定され
る。したがって、制御部25の走行状態指定部3により定
車速走行が指定されると、目標車速制御の中で車速が目
標車速に到達するまでの間はスロットル弁31の開閉はエ
ンジン13の回転数の増加と共に短縮する周期で行なわ
れ、車速が目標車速にほぼ一致した後に制御が行なわれ
る場合には、スロットル弁31の開閉は一定周期で行なわ
れる。
ステップA106あるいはステップA107からステップA108
へ進むと、タイマTMBによってカウントされた時間tTMB
とが比較されて、 であるか否かが判断される。
このステップA108で、 であると判断した場合にはステップA109へ進み、 ではないと判断した場合にはステップA112へ進む。
の場合には、今回の制御サイクルがスロットル弁31の開
閉を行なうタイミングに該当するので、ステップA109で
スロットル弁31の次の開閉のタイミングを求めるため
に、タイマTMBをリセットしてtTMBの値を0とすると共
に、ステップA110でタイマTMBによる時間のカウントを
再びスタートさせて、ステップA111でフラグI11を1と
する。なお、このフラグI11は、ステップA110でタイマT
MBによる時間のカウントを再びスタートさせた後、スロ
ットル弁31の開閉を行なう制御サイクルであることを、
値が1であることによって示すものである。
また、 ではない場合には、今回の制御サイクルがスロットル弁
31の開閉(エンジン出力の調整)を行なうタイミングに
該当しないと判断できるので、ステップA112でフラグI
11の値を0とする。
ステップA111あるいはステップA112からステップA113
へ進むと、ステップA103で入力されたシフトセレクタス
イッチ17の接点情報により、シフトセレクタ29がDレン
ジの位置にあるか否かが判断される。ここで、Dレンジ
の位置にあると判断した場合には、ステップA114へ進む
が、Dレンジの位置にないと判断した場合には、Dレン
ジ以外では車両の走行状態等に基づく複雑な制御は不要
であるとして、ステップA117へ進んでスロットル直動制
御が行なわれる。
ステップA114へ進んだ場合には、オートクルーズスイ
ッチ18のスロットルスイッチ47が第6図中の の位置にあるか否かが判断される。スロットルスイッチ
47が の位置にある場合には、アクセルペダル27とスロットル
弁31とが機械的に直結されたのと同等にスロットル弁31
が操作される状態となるので、ステップA117へ進んでス
ロットル直動制御が行なわれる。
逆に、ステップA114でスロットルスイッチ47の位置が ではないと判断するとステップA115へ進む。ステップA1
15では、ステップA103で入力されたエンジン回転数N
Eが、エンジン13の暖気運転完了後のアイドル回転数よ
り若干低めに予め設定された基準値NKに対して、NE<NK
であるか否かが判断される。
NE<NKであると判断した場合には、ステップA117へ進
みスロットル直動制御が行なわれ、NE<NKではないと判
断した場合には、ステップA116へ進みスロットル非直動
制御が行なわれる。
したがって、エンジン始動時にエンジン13の回転数が
エンジン停止状態から定常状態の回転数に立上がるまで
の間、又は、何らかの原因でエンジン13の運転状態が不
安定になってエンジン回転数が低下した時には、スロッ
トル弁31がアクセルペダル27の動きのみに対応して作動
しエンジン13が制御される。
ステップA116のスロットル非直動制御又はステップA1
17のスロットル直動制御が終了すると1回の制御サイク
ルが終了し、再びステップA103へ戻って以上に述べたス
テップA103〜ステップA116またはA117の制御が繰返され
る。したがって、1回の制御サイクル毎にステップA103
で各検出値および各接点情報が更新して入力され、この
検出値および接点情報に基づいて以上に述べた制御が行
なわれる。
次に、第8図(i)のステップA117のスロットル直動
制御について説明する。このスロットル直動制御は、第
9図に示すフローチャートに従って行なわれる。
つまり、はじめに第9図中のステップB101でアクセル
ペダル踏込量APSをパラメータとして、第19図に示すマ
ップ#MAPSから、第8図(i)のステップA103で入力さ
れたアクセルペダル踏込量APSに対応するスロットル弁
開度θTHDが読出され設定されて、ステップB102へ進
む。
ステップB102では、前述のフラグI11の値が1である
か否かが判断される。I11=1であると判断した場合に
は、今回の制御サイクルがスロットル弁31の開閉を行な
うタイミングに該当するので、ステップB103へ進んでス
ロットル弁31の開閉を行なった後、今回の制御サイクル
におけるスロットル直動制御を終了する。一方、I11
1ではないと判断した場合には、今回の制御サイクルが
スロットル弁31の開閉を行なうタイミングに該当しない
ので、何も行なわずに今回の制御サイクルにおけるスロ
ットル直動制御を終了する。
ステップB103においては、制御部25からスロットル弁
回動部26に対し、ステップB101で設定されたスロットル
弁開度θTHDを指示する信号を送出する。スロットル弁
回動部26は、アクチュエータ駆動部39でこの信号を受け
てスロットル弁アクチュエータ40に対しスロットル弁開
度がθTHDとなる位置までスロットル弁31を回動するよ
うに駆動信号を送出する。これに基づき、スロットル弁
アクチュエータ40がスロットル弁31の回動を行なう。
この時、スロットル弁31の開度がスロットル弁開度検
出部41によって検出され、この検出結果がアクチュエー
タ駆動部39にフィードバックされるので、この検出結果
に基づいて、アクチュエータ駆動部39では、スロットル
弁開度がθTHDとなるようにするスロットル弁31の回動
駆動信号を引続き送出する。そして、スロットル弁31が
このような位置まで回動されたことが、スロットル弁開
度検出部41によって検出されると、この検出結果に対応
して、アクチュエータ駆動部39は駆動信号を送出しなく
なり、スロットル弁31がスロットル弁開度をθTHDとす
る位置で停止する。
上述のように、スロットル直動制御においては、スロ
ットル弁開度θTHDがアクセルペダル27の踏込量のみに
基づき決定される。また、スロットル弁開度θTHDとア
クセルペダル踏込量APSとは第19図に示すように比例関
係にある。したがって、アクセルペダル27とスロットル
弁31とが機械的に直結されたような状態で、アクセルペ
ダル27の動きに応じてスロットル弁31が作動する。
なお、スロットル弁31がこのように作動して吸気通路
30の開閉を行なうと、エンジン13に吸入される空気量が
変化し、これに応じて、吸入空気量検出部20によって検
出された空気量とエンジン13の運転状態とに基づいて燃
料制御装置(図示省略)が決定するエンジン13への燃料
供給量が変化する。この結果、燃料噴射装置(図示省
略)が吸気通路30へ実際に噴射する燃料の量が変化し、
エンジン13の出力が変化する。
次に、第8図(i)のステップA116のスロットル非直
動制御について説明する。このスロットル非直動制御
は、第10図に示すフローチャートに従って行なわれる。
つまり、初めにステップC101において、第8図(i)
のステップA103で入力された接点情報に基づき、ブレー
キスイッチ16の接点がON状態にあるか否かが判断され
る。
この時、車両の制動を行なうためにブレーキペダル28
を踏込んでいる場合には、ステップC101でブレーキスイ
ッチ16の接点がON状態になっているのでステップC102へ
進んで、ブレーキペダル28を踏込んでいない場合には、
ブレーキスイッチ16の接点がON状態になっていないので
ステップC113へ進む。したがって、ブレーキペダル28が
踏込まれている時と、踏込まれていない時とでは、内容
の異なる制御が行なわれる。
ブレーキペダル28が踏込まれてステップC102へ進んだ
場合には、このステップC102において、フラグI7の値が
0に設定される。このフラグI7は、値が0であることに
より前回の制御サイクルでブレーキペダル28が踏込まれ
ていたことを示すものである。そして、次いでステップ
C103においてフラグI2の値が1であるが否かが判断され
る。
このフラグI2は、後述するように、ブレーキペダル28
を踏込んでブレーキ(図示省略)による車両の減速を行
なった際に、減速度が基準値より大きい急制動状態が基
準時間より長く継続したこと、値が1であることにより
示すものである。なお、この基準値および基準時間は、
予め設定される。
ステップC103でI2=1であると判断した場合には、後
述のステップC112へ直接進み、I2=1ではないと判断し
た場合はステップC104へ進む。
ステップC103からステップC104へ進むと、第8図
(i)のステップA103で入力された実加速度DVA130が予
め設定された負の基準値K2に対し、DVA130<K2であるか
否かが判断される。実加速度DVA130は車両の加速が行な
われている時に正の値となって、負の値となるのは車両
の減速が行なわれている時なので、負の基準値K2に対し
DVA130<K2であるか否かの判断は、車両の減速度が予め
設定された基準値より大きいか否かの判断と同一とな
る。
ブレーキ(図示省略)による減速度の大きい急制動が
行なわれていると、ステップC104でDVA130<K2であると
判断され、ステップC107へ進む。急制動が行なわれてい
ないと、ステップC104でDVA130<K2ではないと判断され
て、ステップC105へ進む。
ステップC107へ進むと、フラグI1の値が1であるか否
かが判断される。このフラグI1は、実加速度DVA130が基
準値K2より小さい状態(即ち減速度が基準値より大きい
状態)の継続時間を計測するタイマTMAが時間を、カウ
ント中であることを値が1であることによって示すもの
である。
タイマTMAが既に時間をカウントしている場合には、I
1=1であると判断され、ステップC110へ進む。タイマT
MAが時間のカウントを行なっていない場合には、I1=1
でないと判断され、ステップC108へ進みフラグI1の値を
1とし、ステップC109でタイマTMAによる時間のカウン
トを開始した後ステップC110へ進む。
ステップC110では、タイマTMAによってカウントされ
た時間tTMAが予め設定された基準時間 に対して、 であるか否かが判断される。
であると判断した場合には、ステップC111へ進み、前記
フラグI2の値を1とした後ステップC112へ進む。一方、 ではないと判断した場合には、直接ステップC112へ進み
前記フラグI2の値は0のままとなる。
一方、ステップC104において、DVA130<K2ではないと
判断してステップC105へ進んだ場合には、ブレーキ(図
示省略)による減速度が基準値以下でありタイマTMAに
よる時間のカウントが不要となる。そこで、タイマTMA
によるカウントが必要となる場合にそなえ、ステップC1
05でフラグI1の値を0とし、ステップC106でタイマTMA
をリセットして時間のカウントを中止するとともに、カ
ウント時間tTMAの値を0とした後、ステップC112へ進
む。
なお、このようなステップC103〜C111の制御によっ
て、ブレーキ(図示省略)による減速度が基準値より大
きい状態が基準時間より長く継続するとフラグI2の値が
1とされるが、このフラグI2の値は、1度1に設定され
ると、ステップC103〜C111以外のいずれかのステップで
値を0とされない限り、たとえ減速度が基準値以下とな
っても変化することがない。
ステップC112においては、制御部25からスロットル弁
回動部26に対して、エンジンアイドル位置となる最小開
度のスロットル弁開度を指定する信号が送出される。ス
ロットル弁回動部26では上記の信号を受けて、そのアク
チュエータ駆動部39で、スロットル弁アクチュエータ40
に対しスロットル弁31を最小開度のスロットル弁開度ま
で回動する駆動信号を送出し、これを受けたスロットル
弁アクチュエータ40がスロットル弁31を回動する。
この時、スロットル弁31の開度がスロットル弁開度検
出部41によって検出され、この検出結果がアクチュエー
タ駆動部39にフィードバックされてフィードバック制御
が行なわれる。つまり、アクチュエータ駆動部39では、
スロットル弁開度の検出結果に基づき、スロットル弁31
が所定の位置まで回動されたことが確認されるまで、ス
ロットル弁31の回動に必要な駆動信号を引続き送出す
る。そして、スロットル弁31が所定の位置まで回動され
たことがスロットル弁開度検出部41によって検出される
と、アクチュエータ駆動部39からの駆動信号の送出が終
わって、スロットル弁31が所定位置に停止し、エンジン
ブレーキによる制動力が発生する。
以上述べたように、ブレーキペダル28を踏込んだ場合
には、車両の減速が目的であるから、ステップC103〜C1
11の制御を経た後、常にスロットル弁31をエンジンアイ
ドル位置となる最小開度に保持することにより、エンジ
ンブレーキによる車両の制動が、ブレーキ(図示省略)
による制動とともに行なわれるのである。
ブレーキペダル28が踏込まれず、ステップC101からス
テップC113へ進んだ場合には、フラグI7の値が1である
か否かが判断される。このフラグI7は、前述のようにブ
レーキペダル28が前回の制御サイクルで踏込まれていた
か否かを示すが、踏込まれていなければその値は1とな
っており、踏込まれていればその値が0となっている。
したがって、このステップC113においては、ブレーキペ
ダル28が踏込まれていない状態となってから最初の制御
サイクルであるか否かが判断されることになる。
このステップC113において、I7=1である、即ちブレ
ーキペダル28が踏込まれていない状態となってから最初
の制御サイクルではない、と判断した場合には、ステッ
プC133へ進む。逆に、I7=1ではない、即ちブレーキペ
ダル28が踏込まれていない状態となってから最初の制御
サイクルであると判断した場合には、ステップC114へ進
む。
ステップC113からステップC114へ進んだ場合には、ス
テップC114〜C118に従って、種々の設定および判断がな
される。
まず、ステップC114では、既にブレーキペダル28は踏
込まれていないので、タイマTMAによる時間のカウント
が不要となる。そこで、フラグI1の値を0として、次回
以降の制御サイクルで、再びカウントを行なう時に備え
る。
そして、次のステップC115では、ブレーキペダル28が
踏込まれていないのでフラグI7の値を1とし、ステップ
C116で、ステップC114と同様の理由によりタイマTMAを
リセットして時間のカウントを停止しカウント時間tTMA
の値を0とする。
ついで、ステップC117でフラグI12の値を0とする。
このフラグI12は、各制御サイクルでステップC144のオ
ートクルーズモード制御を行なうようになってから最初
の訪れるスロットル弁31開閉のタイミングに該当する制
御サイクル(開閉タイミングサイクル)において、スロ
ットル弁31の開閉をまだ行なっていないこと、あるいは
この開閉は既に行なったが、オートクルーズモード制御
において加速スイッチ45または切換スイッチ46の操作に
より車両の走行状態の指定が変更された後に最初に訪れ
る開閉タイミングサイクルにおいて、スロットル弁31の
開閉をまだ行なっていないことを、値が0であることに
よって示すものである。
ステップC118では、第8図(i)のステップA103で入
力された接点情報からアクセルスイッチ15の接点がON状
態にあるか否かが判断される。アクセルペダル27が踏込
まれてアクセルスイッチ15の接点がOFF状態にある場合
には、ステップC135へ進んでフラグI2の値を0とし、ス
テップC136でフラグI3の値を1とした後、ステップC137
へ進む。このフラグI3は、スロットル弁31をエンジンア
イドル位置となる最小開度に保持すべきことを、値が0
であることによって示すものである。
なお、フラグI2の値がステップC111で1と設定された
場合には、このステップC135の制御が行われるまではI2
の値が1のままとなる。即ちフラグI2の値は、アクセル
ペダル27が踏込まれた時に0となるのである。
ステップC137では、前述のように、踏込量検出部14に
よって検出されたアクセルペダル踏込量APSと、この踏
込量APSから制御部25において求められた踏込量APSの変
化速度DAPSと、カウンタCAPCNGの値とに基づいて、目標
加速度を決定してアクセルモード制御を行なう。このア
クセルモード制御とは、車速を目標加速度にすべくスロ
ットル弁31を回動させてエンジン13の出力を制御するも
のである。そして、このアクセルモード制御を行なった
ところで、今回の制御サイクルにおけるスロットル非直
動制御を終了する。
アクセルペダル27が踏込まれておらず、アクセルスイ
ッチ15の接点がON状態となり、ステップC118からステッ
プC119へ進むと、DAPMXQの値を0とする。このDAPMXQ
は、アクセルペダル27の踏込量の増大時におけるアクセ
ルペダル踏込量APSの変化速度DAPSの最大値を示してい
る。
そして、次のステップC120においてDAPMXSの値を0と
する。このDAPMXSは、踏込量減少時における変化速度DA
PSの最小値を示している。
更に、ステップC121において、第8図(iv)のステッ
プA123〜A128の割込制御で算出された最新の実車速VAI
が入力される。
次いで、ステップC122において、ブレーキペダル28を
解放した直後の実車速を示すVOFFの値としてステップC1
21で入力された実車速VAIの値が代入される。
次に、ステップC123において、第8図(i)のステッ
プA103で入力された接点情報から、オートクルーズスイ
ッチ18のスロットルスイッチ47の位置が第6図中の になっているか否かが判断される。なお、スロットルス
イッチ47が の位置にある場合には、前述のようにブレーキペダル28
を踏み込んで車両の減速を行なった後、ブレーキペダル
28を解放すると、アクセルペダル27を踏込まない限りス
ロットル弁31をエンジンアイドル位置である最小開度に
保持することが指定されている。
ステップC123において、スロットルスイッチ47の位置
であると判断した場合には、ステップC126へ進み、フラ
グI3の値を0とした後ステップC112で前述のようにスロ
ットル弁31を最小開度となるスロットルアイドル位置へ
回動する。
一方、ステップC123において、スロットルスイッチ47
の位置が ではないと判断した場合は、ステップC124へ進み、この
ステップC124でVOFFが予め設定された基準値K1に対し、
VOFF<K1であるか否かが判断される。
ステップC124において、VOFF<K1であると判断した場
合には、ステップC125へ進み、フラグI2の値が1である
か否かが判断される。I2=1であると判断すると、ステ
ップC126へ進んでフラグI3の値を0とした後、ステップ
C112で前述のようにスロットル弁31を最小開度となる位
置へ回動する。
一方、ステップC124で、VOFF<K1ではないと判断した
場合、あるいはステップC125でI2=1ではないと判断し
た場合は、ステップC145へ進む。
従って、ブレーキペダル28が踏込まれて車両の制動が
行なわれた時に、減速度が基準値より大きい状態が基準
時間より長く継続し、且つ、制動が中止された時の車速
が基準値より小さい場合は、アクセルペダル27が踏込ま
れていなければ、車両の制動を優先して、ブレーキペダ
ル28の解放後においても引続きスロットル弁31を最小開
度に保持しエンジンブレーキによる制動を行なう。
例えば、交差点等において停止のためにブレーキによ
る減速を行なう場合には、停止直前に、停止時の衝撃を
緩和すべくブレーキペダル28を一旦解放するが、この時
には、上述のようにスロットル弁31が最小開度に保持さ
れてエンジンブレーキによる制動が自動的に行なわれる
のである。
ステップC124あるいはステップC125からステップC145
へ進んだ場合は、フラグI4の値を0として、ステップC1
27へ進む。なお、フラグI4は、制御部25の走行状態指定
部3によって定車速走行が指定されるべきことを値が0
であることによって示すものである。
ステップC127では、スロットル弁31を最小開度に保持
する必要がないので、フラグI3の値を1とし、次のステ
ップC128に進んで前記フラグI8の値を1とした後、ステ
ップC129において、定車速走行の際の目標車速VSにステ
ップC121で入力された実車速VAIが代入される。
次に、ステップC130において、目標車速VSでの走行を
維持するために必要な目標トルクTOM1が、下式(1)に
よって算出される。
TOM1=[{(W・r/g)・kS+ki}・(DVS3−DVS65)+
TQ・TEM]/TQ …(1) なお、上式(1)において、Wは車両検出部19によっ
て検出されて第8図(i)のステップA103で入力された
車両の重量、rは予め記憶されている左前車輪33あるい
は右前車輪34のタイヤ有効半径、gは重力加速度であ
る。
このうち、第8図(i)のステップA103で入力される
車両の重量Wのデータは、固定値ではなく、測定値を使
用する。
つまり、車重検出部19では、車両の停止時及び走行時
に、常時又は所定のサイクルで車重を検出しており、こ
の検出値に基づいて、制御部25により、例えば第8図
(vii)に示すような流れで、車重データが設定され
る。
まず、ステップR101で、車速Vaが0であるか否か、即
ち、停止中であるか否かが判定され、停止中と判断され
たら、ステップR102に進んで、車重Wのデータ(WHGT)
として常に新たに検出した停止中の車重値(WHGT1)を
設定する。従って、停止中には、検出した車重(WHGT
1)に変化があり次第、車重Wのデータ(WHGT)が次々
に更新される。
そして、ステップR101で、車速Vaが0でない、即ち、
走行中であると判断されたら、ステップR103に進んで、
ブレーキング中であるか否かが判断され、ブレーキング
中であれば、ステップR104に進んで、車重Wのデータ
(WHGT)として常に新たに検出した車重値(WHGT2)を
設定する。従って、走行中で且つブレーキング中には、
検出した車重(WHGT2)に変化があり次第、車重Wのデ
ータ(WHGT)が次々に更新される。
また、ステップR103で、走行中であるがブレーキング
中でないと判断されると、車重データ(WHGT)として既
に更新されている最新の車重値(WHGT1又はWHGT2)を用
いる。
なお、ステップR103の「ブレーキング中」は「スロッ
トル制御をしない場合」の意味であり、スロットル制御
を行なう通常の走行状態の時には、走行時の振動等の外
乱が車重データに影響して、データの安定性が不足して
スロットル制御が不安定になるので、車重Wのデータを
更新しないが、スロットル制御をしない場合には、車重
Wのデータを次々に更新してもかまわない。
なお、車重検出部19でのブレーキング中の車重測定
は、車体の傾斜を補正して算出する。
また、ksは自動変速機32において使用する変速段を第
1速とした状態に換算するために予め設定された係数で
あって、変速段検出部23によって検出されステップA103
で入力された現在使用中の自動変速機32の変速段に対応
して値が設定されているものである。そして、kiは車両
のドライブ軸まわりのエンジン13および自動変速機32の
慣性に関する補正量である。
さらに、TQは自動変速機32のトルク比であって、この
トルク比TQは、出力軸回転数検出部22によって検出さ
れ、速度比eをパラメータとして自動変速機32の特性に
基づき予め設定されたマップ#MTRATQ(図示省略)によ
って決定されるものである。なお、速度比eは、ステッ
プA103で入力された自動変速機32内のトルクコンバータ
(図示省略)の出力軸回転数NDを、エンジン回転数検出
部21によって検出されステップA103で入力されたエンジ
ン回転数NEで除すことにより得られる。
そして、DVS3は、車速を目標車速VSに等しくしてこれ
を維持するための目標加速度であって、目標車速VSと実
車速VAとの差VS−VAをパラメータとし、第23図に示すよ
うに予め設定されたマップ#MDVS3によって決定され
る。なお、ステップC130では目標車速VSが前述のように
ブレーキペダル28を解放した直後の実車速であるので、
上式(1)において差VS−VAの値を0として目標加速度
DVS3の決定を行なう。この結果、第23図に示す対応関係
から目標加速度DVS3の値も0となる。
また、DVA65は前述のように第8図(iv)のステップA
123〜A128の割込制御で算出されステップA103で入力さ
れた実加速度である。
TEMは、エンジン13の現在出力中の実トルクであり、
吸入空気量検出部20で検出されステップA103で入力され
た吸入空気量AEを、エンジン回転数NEで除した値AE/NE
と、エンジン回転数NEとをパラメータとして、エンジン
13の特性に基づき予め設定されたマップ#TEMAP(図示
省略)によって決定できるが、ここでは、この実トルク
TEMを自動変速機(トルクコンバータ)32の特性に基づ
いて、以下のように求める。
トルクコンバータ32の吸収トルクTtiは、トルクコン
バータ32のトルク容量係数をC、エンジン回転数を上述
のごとくNEとすると、 Tti=C・NE 2 …(1−1) となる。
なお、トルク容量係数Cは、上述の速度比eをパラメ
ータとしてトルクコンバータ32の特性によって決まるも
のであって、ここでは、速度比eをパラメータとしたマ
ップ#MTRATQC(図示省略)を予め設けて、このマップ
#MTRATQCに基づいて決定する。また、速度比eは、NE
>NDとなる通常の駆動時(加速中等)には、上述のごと
く、トルクコンバータ32の出力軸回転数NDをエンジン回
転数NEで除した値(つまり、e=ND/NE)となるが、NE
<NDとなる逆駆動時(慣性走行中等)には、エンジン回
転数NEをトルクコンバータ32の出力軸回転数NDで除した
値(つまり、e=NE/ND)となる。
また、実トルクTEMに相当するトルクコンバータ32の
出力トルクTtoは、上述のトルクコンバータ32の吸収ト
ルクTtiと、マップ#MTRATQによって決定されるトルク
比TQとの積であるから、 TEM=Tto=TQ・Tti=TQ・C・NE 2 …(1−2) となって、実トルクTEMは、この出力トルクTtoとして、
トルクコンバータ32のトルク比TQ及びトルク容量係数C
とエンジンの回転数NEとから求められる。
なお、マップ#MTRATQによって決定されるトルク比TQ
の逆数(1/TQ)の値を、パラメータとして用いる場合に
は、マップ#MTRATQから求めたトルク比TQに基づいて、
(1/TQ)を使用する都度にTQの逆数として計算で求める
手段もあるが、制御遅れを抑えるために、マップ#MTRA
TQとは別に、(1/TQ)専用のマップ#MTRATTQ(図示省
略)を、速度比eをパラメータとして自動変速機32の特
性に基づき予め設定しておき、このマップ#MTRATTQに
基づいて(1/TQ)の値を求めるようにする。
このようにしてステップC130で目標トルクTOM1が算出
されると、次のステップC131で、マップ#MTH(図示省
略)からスロットル弁開度 を読出す。このマップ#MTHは、目標トルクTOMとエンジ
ン13の回転数NEとをパラメータとしてエンジン13の特性
に基づき予め設定されたものであって、エンジン13から
出力されるトルクを上記目標トルクTOMに等しくするた
めに必要なスロットル弁開度θTHの決定を目的として使
用されるのものである。したがって読み出されるスロッ
トル弁開度 の値は、ステップC130で算出された目標トルクTOM1と、
エンジン回転数検出部21で検出されステップA103で入力
されたエンジン回転数NEとに対応するものである。
ステップC132では、ステップC131で読み出されたスロ
ットル弁開度 に基づきスロットル弁31を駆動する。つまり、スロット
ル弁開度 を指示する信号が制御部25からスロットル弁回動部26に
送出され、スロットル弁回動部26ではアクチュエータ駆
動部39がこの信号を受けて、スロットル弁アクチュエー
タ40に対しスロットル弁31をスロットル弁開度 となる位置まで回動するように駆動信号を送出する。こ
れにより、スロットル弁アクチュエータ40がスロットル
弁31の回動を行なう。
この時にも、スロットル弁31の開度調整は、スロット
ル弁開度検出部41を通じたフィードバック制御で行なわ
れ、スロットル弁31が所定の位置まで回動されるとアク
チュエータ駆動部39は信号を送出しなくなり、スロット
ル弁31が所定位置に停止する。
スロットル弁のこのような調整で吸気通路30が開閉さ
れて、前述したようにエンジン13に吸入される空気量が
変化し、燃料制御装置(図示省略)でこの空気量の検出
結果に基づきエンジン13へ供給する燃料量の決定され
て、燃料量も変化する。この結果、エンジン出力が調整
されて、目標トルクTOM1にほぼ等しいトルクがエンジン
13から出力されるようになる。
このエンジン13から出力されるトルクは、前述のよう
に、ブレーキペダル28解放直後の実車速を目標車速とし
て、この目標車速を一定に維持するために必要なトルク
にほぼ等しくなる。
上述のステップC129〜C132の制御によって、ブレーキ
ペダル28の解放直後には、基準時間 により決定される開閉タイミングサイクルでなくても、
ブレーキペダル28を解放した直後の車速を維持しうると
推測されるスロットル弁開度の位置へ、スロットル弁31
を暫定的に回動して、目標車速による定車速走行への移
行のための準備を行なう。
前回の制御サイクルでステップC113からステップC114
へ進んで上述のような制御が行なわれ、今回の制御サイ
クルでもブレーキペダル28が解放されたままである場合
には、前回の制御サイクルの際にステップC115でフラグ
I7の値が1とされているので、ステップC113ではI7=1
であると判断してステップC133へ進み、ステップA103で
入力された接点情報からアクセルスイッチ15の接点がON
状態にあるか否かが判断される。
アクセルペダル27が踏込まれていると、ステップC133
でアクセルスイッチ15の接点がON状態にないと判断され
て、ステップC134へ進んでフラグI12の値を0とした
後、ステップC135へ進みフラグI2の値を0とし、さら
に、ステップC136でフラグI3の値を1としてステップC1
37へ進む。
なお、フラグI2は、前述したように、ステップC111で
値を1とされるとステップC135の制御が行われるまで値
が変化することはない。また、ステップC135へは、ステ
ップC118から進む場合と、ステップC133からステップC1
34を経て進む場合とがあるが、いずれの場合もアクセル
ペダル27を踏込んでアクセルスイッチ15の接点がOFF状
態となった場合である。したがって、アクセルペダル27
を踏込んで車両の再加速を行なうことにより、ステップ
C135でフラグI2の値は0となる。
また、ステップC137ではアクセルモード制御が行なわ
れるが、ステップC135と同様に、アクセルペダル27を踏
込むと常にアクセルモード制御が行なわれる。
アクセルペダル27が踏込まれていないと、ステップC1
33においてアクセルスイッチ15の接点がON状態にあると
判断されて、ステップC138で最大値DAPMXOの値を0と
し、ステップC139で最小値DAPMXSの値を0とした後、ス
テップC140でフラグI3の値が1であるか否かを判断す
る。
なお、ここでアクセルスイッチ15がONとなるのは、ブ
レーキ(図示省略)により減速を行なって、ブレーキペ
ダル28を解放して減速を終了した後にアクセルペダル27
を踏込まない場合であって、前回の制御サイクルで前述
のステップC113〜C132の制御が行なわれた場合に相当す
る。
フラグI3は前述したように値が0であることによっ
て、スロットル弁31をエンジンアイドル位置となる最小
開度の位置に保持すべきことを示すものであり、ステッ
プC140でI3=1であると判断した場合には、ステップC1
41へ進み、I3=1ではないと判断した場合には、ステッ
プC112へ進んで前述のようにスロットル弁31の開度をエ
ンジンアイドル位置となる最小開度とする。
なお、フラグI3の値が0となるのは、前述したよう
に、ステップC126へ進んだ場合である。したがって、ス
ロットルスイッチ47が第6図中の の位置にある時、又は、ブレーキ(図示省略)による減
速の際に減速度が基準値より大きい状態が基準時間より
長く継続し且つ減速終了時の車速が基準値より小さい時
には、アクセルペダル27およびブレーキペダル28が共に
解放されている間は、常にスロットル弁31が最小開度に
保持され、エンジンブレーキによる制動が行なわれる。
また、ステップC140からステップC141へ進んだ場合
は、フラグI12の値が1であるか否かが判断され、I12
1であると判断した時には、ステップC143へ進み、I12
=1でないと判断した時はステップC142へ進む。
フラグI12の値が0であるのは、前述したように、各
制御サイクルでステップC144のオートクルーズモード制
御を行なうようになってから最初に訪れるスロットル弁
31開閉のタイミングに該当する制御サイクルでのスロッ
トル弁31の開閉をまだ行なっていなか、あるいは、この
開閉は既に行なったがオートクルーズモード制御におい
て加速スイッチ45または切換スイッチ46の操作により車
両の走行状態の指定が変更された後に最初に訪れるスロ
ットル弁31開閉のタイミングに該当する制御サイクルで
のスロットル弁31の開閉をまだ行なっていないことを示
す。
したがって、フラグI12の値が0である場合には、オ
ートクルーズモード制御による車両走行状態への移行あ
るいはこの移行の後の加速スイッチ45または切換スイッ
チ46の操作による車両走行状態の変更に際して、スロッ
トル弁31の開度が大きく変化する可能性がある。
このため、スロットル弁31の必要な開度へのより正確
な開閉を行ない、迅速な移行あるいは変更を実施するた
めには、開閉の直前までの実際の値の変化に最も良く追
従し、この値に最も近い値を有するデータが必要であ
る。
そこで、ステップC142へ進んで、オートクルーズモー
ド制御で使用する実加速度DVAの値として前述したよう
に実際の車両の加速度に最も近い値を有し、この加速度
の変化に最も高い追従性を有するDVA65を採用する。
一方、フラグI12の値が1である場合には、上記の移
行あるいは変更に際しての開閉がすでに行なわれてい
て、スロットル弁31の開度の変化は大きくならない。し
たがって、追従性がいくぶん低下しても実際の値と計測
データとの差は小さく、むしろ制御の安定性を重視すべ
きである。そこで、ステップC143へ進み、実加速度DVA
の値としてDVA65よりも追従性は低下するが安定性の高
いDVA130を採用する。
ステップC142あるいはステップC143で加速度DVAの値
を設定した後、次のステップC144へ進むと、後述するオ
ートクルーズモード制御を行ない、今回の制御サイクル
におけるスロットル非直動制御を終了する。
以上のように、第10図のステップC101〜C144に示すス
ロットル非直動制御を行なうことにより、ブレーキペダ
ル28を踏込んでブレーキ(図示省略)による制御を行な
っている時には、スロットル弁31をエンジンアイドル位
置となる最小開度に保持して、エンジンブレーキによる
制動をブレーキ制動に並行して行なう。一方、ブレーキ
ペダル28を解放してアクセルペダル27を踏込んだ時に
は、後述するアクセルモード制御が行なわれる。
また、ブレーキペダル28による車両の減速度が基準値
よりも大きい状態が基準時間より長く継続し、且つ、ブ
レーキペダル28を解放した直後の車速が基準値より小さ
い場合には、ブレーキペダル28を解放しても、アクセル
ペダル27を踏込むまでスロットル弁31が最小開度に保持
されて、エンジンブレーキによる制動が引続いて行なわ
れる。
減速度が基準値以下である場合、または、減速度が基
準値よりも大きい状態の継続時間が基準時間以下である
場合、または、ブレーキペダル解放後の車速が基準値以
上である場合には、アクセルペダル27を踏込まない限
り、ブレーキペダル28解放直後の車速を維持する定車速
走行をするようなスロットル弁開度に、スロットル弁31
が暫定的に回動されて、その後、オートクルーズモード
制御が行なわれる。
このオートクルーズモード制御では、ブレーキペダル
28解放後にオートクルーズスイッチ18の接点情報に変化
がない場合には、後述するように定車速走行が行なわれ
るが、この時、ブレーキペダル28の解放のタイミングと
スロットル弁31の開閉のタイミングとは全く関連性がな
く、必ずしもブレーキペダル28が解放された時が開閉の
タイミングに一致するわけではない。
このため、ブレーキペダル28解放直後には、スロット
ル弁31を、暫定的に上記のスロットル弁開度(ブレーキ
ペダル解放直後の車速での定車速走行を維持しうるスロ
ットル弁開度)となる位置へ回動しておいて、次の制御
サイクル以降のスロットル弁開閉タイミングサイクル
で、オートクルーズモード制御によるスロットル弁31の
回動を行なう。
このように車速を制御することにより、ブレーキペダ
ル28解放直後から車速の変動があまりない状態で、滑ら
かに、定車速走行への移行が行なわれる。
また、ブレーキペダル28を解放し、アクセルペダル27
を踏込んで後述のアクセルモード制御が行なわれた後、
アクセルペダル27を解放した場合にも、このようなオー
トクルーズモード制御が行なわれる。
スロットル非直動制御のステップC137(第10図)にお
いて行なわれるアクセルモード制御について詳細に説明
すると、このアクセルモード制御は、制御部25におい
て、第11図に示すステップD101〜D126のフローチャート
に従って行なわれる。
つまり、初めに、ステップD101において、前回の制御
サイクルで目標加速度DVS6を求めるためにマップ#MDVS
6Sが使用されたか否かが判断される。このマップ#MDVS
6Sは、第20図に示すように、アクセルペダル踏込量APS
をパラメータとして、目標加速度DVS6を求めるためのも
のであり、アクセルペダル27の踏込量が減少する場合に
使用される。なお、アクセルペダル踏込量APSは、踏込
量検出部14によって検出されて、第8図(i)のステッ
プA103で入力されたものである。
ステップD101において、前回の制御サイクルでマップ
#MDVS6Sが使用されたと判断した場合には、前回は踏込
量減少時の制御を行なったとしてステップD112へ進む。
一方、前回の制御サイクルでマップ#MDVS6Sが使用され
なかったと判断した場合は、前回は踏込量減少時の制御
を行なわなかった、即ち、前回は踏込量増大時の制御を
行なったとしてステップD102へ進む。
ステップD102へ進んだ場合には、アクセルペダル踏込
量APSの変化速度DAPSが、予め設定された負の基準値K6
に対して、DAPS<K6であるか否かが判断される。なお、
このアクセルペダル踏込量APSの変化速度DAPSは、第8
図(iii)のステップA121〜A122の割込制御で算出され
第8図(i)のステップA103で入力されたものである。
ステップD102において、DAPS<K6であると判断した場
合には、アクセルペダル27の踏込量が現在減少中である
としてステップD103へ進み、DAPS<K6ではないと判断し
た場合は、アクセルペダル27の踏込量が増大中であると
してステップD105へ進む。
ステップD103へ進んだ場合には、前回の制御サイクル
での制御が踏込量増大時のものであって今回は逆に踏込
量減少中である。そこで、ステップD103で踏込量増大時
の変化速度DAPSの最大値DAPMXOの値を0とし、次のステ
ップD104で踏込量減少時の変化速度の最小値DAPMXSの値
を0として、ステップD115へ進む。なお、DAPMXOはアク
セルペダル27の踏込量増大時のものであるので常に0以
上の値となり、DAPMXSはアクセルペダル27の踏込量減少
時のものであるので常に0以下の値となる。
一方、ステップD101からステップD112へ進んだ場合に
は、変化速度DAPSが予め設定された正の基準値K7に対し
て、DAPS>K7であるか否かが判断される。このステップ
D112で、DAPS>K7であると判断した場合には、アクセル
ペダル27の踏込量が増大中であるとしてステップD113へ
進み、DAPS>K7ではないと判断した場合には、アクセル
ペダル27の踏込量が減少中であるとしてステップD115へ
進む。
ステップD113へ進んだ場合には、前回の制御サイクル
での制御が踏込量減少時のものであって今回は逆に踏込
量が増大中である。そこで、ステップD113でDAPMXOの値
を0とし、次のステップD114でDAPMXSの値を0とした
後、ステップD105へ進む。
したがって、アクセルペダル27の踏込量が増大中(継
続して増大中)であると判断した時には、ステップD105
〜D111の制御を経た後、ステップD122〜D130、更にステ
ップD123〜D126の制御が行なわれる。一方、アクセルペ
ダル27の踏込量が減少中(継続して減少中)であると判
断した時には、ステップD115〜D121の制御を経た後、ス
テップD131〜D133、更にステップD123〜D126の制御が行
なわれる。
ステップD105に進んだ場合には、踏込量検出部14で検
出されて第8図(i)のステップA103で入力されたアク
セルペダル踏込量APSに対応する目標加速度DVS6が、マ
ップ#MDVS6Oから読出される。このマップ#MDVS6Oは、
アクセルペダル踏込量APSをパラメータとして、アクセ
ルペダル27の踏込量増大中の時の目標加速度DVS6を求め
るためのものであって、APSの値とDVS6の値とは第20図
中の#MDVS6Oに示す対応関係を有する。
次のステップD106では、前回の制御サイクルにおいて
記憶されたDAPMXOの値と今回の制御サイクルにおけるDA
PSの値とが比較される。そして、DAPMXO<DAPSであると
判断した場合には、ステップC107で、DAPSが新たなDAPM
XOの値としてDAPMXOに代入されて記憶され、ステップD1
08へ進む。また、DAPMXO<DAPSではないと判断した場合
には、前回の制御サイクルにおいて記憶されたDAPMXOが
そのまま記憶され残り、ステップD108へ進む。
ステップD108では、上述のようにしてDAPMXOに対応す
る目標加速度DVS7がマップ#MDVS7Oから読出される。こ
のマップ#MDVS7Oは、DAPMXOをパラメータとしてアクセ
ルペダル27の踏込量が増大中の時の目標加速度DVS7を求
めるためのものであって、DAPMXOとDVS7とは第21図中の
#MDVS7Oに示す対応関係を有する。
この第21図中の#MDVS7Oに示す対応関係から明らかな
ように、ステップD106〜D108の制御によって、アクセル
ペダル27の踏込量の増大を速く行なうほど目標加速度DV
S7の値は増大する。ただし、DAPMXOがある値を超えると
目標加速度DVS7の値は一定となるので、安全性の低下を
招くよゆな過激な急加速は行なわれないようになってい
る。
次のステップD109では、アクセルペダル踏込量APSの
変化速度DAPSが予め設定された基準値K8に対して、DAPS
>K8であるか否かが判断される。DAPS>K8であると判断
した場合には、アクセルペダル27の踏込量増大時の変化
が大きいとしてステップD110へ進み、DAPS>K8ではない
と判断した場合には、その変化が大きくないとしてステ
ップD111へ進む。そして、ステップD109からステップD1
10へ進んだ場合には、カウンタCAPCNGの値を1とした
後、ステップD111へ進む。
ステップD111では、カウンタCAPCNGの値に対応する目
標加速度DVS8がマップ#MDVS8Oから読出される。マップ
#MDVS8Oは、カウンタCAPCNGの値をパラメータとして、
アクセルペダル27の踏込量が増大中の時の目標加速度DV
S8を求めるためのものであって、カウンタCAPCNGの値と
DVS8の値とは、第22図中の#MDVS8Oに示す対応関係を有
する。
ステップD111で用いられるカウンタCAPCNGの値は、前
述のように第8図(ii)のステップA118〜A120の割込制
御によって設定され、0以外の値を代入されない限り常
に0である。この値が0であると、ステップD111でマッ
プ#MDVS8Oから読出される目標加速度DVS8も、第22図中
の#MDVS8Oから明らかなように、0となる。また、変化
速度DAPSが基準値K8より大である場合には、上述のよう
にステップD110においてカウンタCAPCNGの値を1とする
ので、変化速度DAPSが基準値K8より大である間は常にカ
ウンタCAPCNGの値は1となる。したがって、この時に
は、ステップD111でマップ#MDVS8Oから読出される目標
加速度DVS8は、第22図中の#MDVS8Oから明らかなよう
に、マップ#MDVS8Oにおける最大のものとなる。
ステップD110においてカウンタCAPCNGの値が1とされ
た後、次の制御サイクルで再びステップD102を経てステ
ップD109に至ると、アクセルペダル27の踏込量の増大が
緩和あるいは中止されたので、今度のステップD110では
DAPS>K8ではないと判断して、ステップD110を経由しな
いで、ステップD111へ進む。このステップD111で、カウ
ンタCAPCNGの値が第8図(ii)のステップA118〜A120の
割込制御によって決定される値となる。この割込制御で
は、ステップA118において、カウンタCAPCNGのそれまで
の値に1を加えた値がカウンタCAPCNGの新たな値として
指定される。
次のステップA119では、カウンタCAPCNGの値が1であ
るか否かが判断されるが、上述のようにステップD110で
カウンタCAPCNGの値を1とすると、ステップA118でカウ
ンタCAPCNGの新たな値が2となるので、ステップA119に
おける判断によってステップA120へは進まずに、今回の
割込制御終了時点でのカウンタCAPCNGの値は2となる。
更に、次の制御サイクル以降もステップD109による制
御が行なわれ、DAPS>K8ではない状態が継続すると、割
込制御によって上述のようにカウンタCAPCNGの値が1ず
つ増加していく。
ステップD109へステップD102からステップD105を経て
進んだ場合には、ステップD102の判断により、変化速度
DAPSは基準値K6に対し、DAPS>K6ではなく、DAPS≧K6
ある。したがって、ステップD109からステップD111へ直
接進むのは変化速度DAPSが、K6≦DAPS≦K8となる値を有
する時であって、前述のように基準値K6は負の値を、ま
た、基準値K8は正の値をそれぞれ有する。このためアク
セルペダル27の踏込量を一定に保持すると、上述したよ
うにカウンタCAPCNGの値が1ずつ増加していく。
この時、ステップD111においてマップ#MDVS8Oから読
出される目標加速度DVS8は、第22図中の#MDVS8Oから明
らかなように、カウンタCAPCNGの値の増加と共に減少
し、最終的には0となる。したがって、アクセルペダル
27の踏込量の増大を行なった後、この踏込量をほぼ一定
に保持すると、正の値を有する目標加速度DVS8の値は、
保持後の時間の経過とともに徐々に0に接近する。
一方、ステップD104あるいはD112からステップD115へ
進んだ場合には、踏込量検出部14によって検出され、第
8図(i)のステップA103で入力されたアクセルペダル
踏込量APSに対応する目標加速度DVS6が、マップ#MDVS6
Sから読出される。なお、マップ#MDVS6Sは、アクセル
ペダル踏込量APSをパラメータとして、アクセルペダル2
7の踏込量が減少中の時の目標加速度DVS6を求めるため
のものであって、APSとDVS6とは第20図中の#MDVS6Sに
示す対応関係を有する。
次のステップD116では、前回の制御サイクルにおいて
記憶されたDAPMXSと今回の制御サイクルにおけるDAPSと
が比較される。DAPMXS>DAPSであると判断した場合に
は、DAPSの値が新たなDAPMXSの値としてステップD117に
おいて前記DAPMXSに代入されて記憶され、ステップD118
へ進む。また、DAPMXS>DAPSではないと判断した場合に
は、前回の制御サイクルにおいて記憶されたDAPMXSがそ
のまま記憶されて残り、ステップD118へ進む。
ステップD118では、上述のようにして定められたDAPM
XSに対応する目標加速度DVS7がマップ#MDVS7Sから読出
される。このマップ#MDVS7Sは、DAPMXSをパラメータと
してアクセルペダル27の踏込量が減少中の時の目標加速
度DVS7を求めるためのものであって、DAPMXSとDVS7とは
第21図中の#MDVS7Sに示す対応関係を有する。なお、DA
PMXSは、アクセルペダル27の踏込量が減少している時の
この踏込量の変化速度であるので前述のように0あるい
は負の値となり、目標加速度DVS7も第21図中の#MDVS7S
に示すように負の値となる。したがって、目標加速度DV
S7の絶対値は減速度となる。
このように、ステップD116〜D118の制御では、第21図
中に示す対応関係から明らかなように、アクセルペダル
27の踏込量の減少を速く行なうほど目標加速度DVS7の値
はより小さい負の値となる。
次のステップD119では、アクセルペダル踏込量APSの
変化速度DAPSが予め設定された負の基準値K9に対して、
DAPS<K9であるか否かが判断される。DAPS<K9であると
判断した場合には、アクセルペダル27の踏込量減少時の
変化が大きいとしてステップD120へ進み、DAPS<K9では
ないと判断した場合は変化が大きくないとしてステップ
D121へ進む。また、ステップD119からステップD120へ進
んだ場合には、カウンタCAPCNGの値を1とした後、ステ
ップD121へ進む。
ステップD121では、カウンタCAPCNGの値に対応する目
標加速度DVS8がマップ#MDVS8Sから読出される。マップ
#MDVS8Sは、カウンタCAPCNGの値をパラメータとして、
アクセルペダル27の踏込量が減少中の時の目標加速度DV
S8を求めるためのものである。カウンタCAPCNGの値とDV
S8の値とは第22図中の#MDVS8Sに示す対応関係を有す
る。なお、この目標加速度DVS8は、第22図中の#MDVS8S
に示すように、0あるいは負の値となるので、この目標
加速度DVS8は言い替えれば減速度となる。
ステップD121で用いられるカウンタCAPCNGの値は、前
述のように、第8図(ii)のステップA118〜A120の割込
制御によって設定され、0以外の値を代入されない限り
常に0である。よって、このCAPCNGの値が0であると、
ステップD121でマップ#MDVS8Sから読出される目標加速
度DVS8も、第22図中の#MDVS8Sから明らかなように0と
なる。また、変化速度DAPSが基準値K9より小である場合
には、上述のようにステップD120において、カウンタCA
PCNGの値は0とされる。
したがって、変化速度DAPSが基準値K9より小である間
は常にカウンタCAPCNGの値は1となり、この時ステップ
D121でマップ#MDVS8Sから読出される目標加速度DVS
8は、第22図中の#MDVS8Sから明らかなように、マップ
#MDVS8Sにおいて最小の負の値を有し、このDVS8は最大
の減速度となる。
例えば、ステップD120においてカウンタCAPCNGの値が
1とされた後、次の制御サイクルで再びステップD112を
経てステップD119に至って、この時、アクセルペダル27
の踏込量の減少を緩和あるいは中止したために、DAPS<
K9ではないと判断されると、ステップD119からステップ
D121へ進む。この場合には、ステップD120を経由しない
ので、カウンタCAPCNGの値は第8図(ii)のステップA1
18〜A120の割込制御によって決定される値となる。この
割込制御では、ステップA118において、カウンタCAPCNG
のそれまでの値に1を加えた値がこのカウンタCAPCNGの
新たな値として指定される。
次のステップA119では、カウンタCAPCNGの値が1であ
るか否かが判断されるが、上述のようにステップD120で
カウンタCAPCNGの新たな値は2となるので、ステップA1
19における判断によってステップA120へは進まない。こ
れにより、今回の割込制御終了時点でのカウンタCAPCNG
の値は2となる。そして、更に次の制御サイクル以降で
も、ステップD119による制御が行なわれ、DAPS<K9では
ない状態が継続すると、割込制御によって上述のように
カウンタCAPCNGの値が1ずつ増加していく。
ステップD119へステップD112からステップD115を経て
進んだ場合には、ステップD112の判断により変化速度DA
PSは、基準値K7に対し、DAPS>K7ではなくなり、DAPS≦
K7である。したがって、ステップD119からステップD121
へ直接進むのは、変化速度DAPSが、K9≦DAPS≦K7となる
値を有する時であり、また、前述のように基準値K7は正
の値を、基準値K9は負の値をそれぞれ有するので、アク
セルペダル27の踏込量を一定に保持すると、上述のよう
にカウンタCAPCNGの値が1ずつ増加していくのである。
この時、ステップD121においてマップ#MDVS8Sから読
出される目標加速度DVS8は、第22図中の#MDVS8Sから明
らかなように、カウンタCAPCNGの値の増加とともに増大
し、最終的には0となる。したがって、アクセルペダル
27の踏込量の減少を行なった後、この踏込量をほば一定
に保持すると、負の値を有する目標加速度DVS8の値は、
この踏込量の保持後の時間経過とともに徐々に0に接近
する。
ステップD111からステップD122へ進むと、ステップD1
05〜D111の制御によって求められた目標加速度DVS6DVS7
およびDVS8の総和が、アクセルモード制御における総合
の目標加速度DVSAPとして計算される。
そして、続くステップD127で、このアクセルペダル27
の踏込に基づく目標加速度DVSAPが、オートクルーズス
イッチ18で指定された目標加速度DVSACよりも大きいか
否かが判定される。なお、オートクルーズスイッチ18で
の目標加速度DVSACの指定については後述するが、オー
トクルーズスイッチ18において目標加速度DVSACが指定
されない場合や目標加速度の指定が解除された場合に
は、目標加速度DVSACの値は0とされる。
目標加速度DVSAPが、目標加速度DVSACよりも大きけれ
ば、ステップD129へ進んで、目標加速度DVSとして、こ
のアクセルペダル27の踏込に基づく目標加速度DVSAP
採用する。そして、続くステップD130で目標加速度DVS
ACの値を0として、ステップD123へ進む。
目標加速度DVSAPが、目標加速度DVSACよりも大きくな
ければ、ステップD128へ進んで、目標加速度DVSとし
て、オートクルーズスイッチ18で指定された目標加速度
DVSACを採用して、ステップD123へ進む。
一方、ステップ121からD131へ進むと、ステップD115
〜D121の制御によって求められた目標加速度DVS6,DVS7
およびDVS8の総和が、アクセルモード制御における総合
の目標加速度DVSAPとして計算される。
そして、続くステップD132で、オートクルーズスイッ
チ18で指定された目標加速度DVSACの値を0とした後、
ステップD133に進んで、目標加速度DVSとして、このア
クセルペダル27の踏込に基づく目標加速度DVSAPを採用
し、ステップD123へ進む。
なお、このように、アクセルペダル27の踏込時に、こ
のアクセルペダル27の踏込に基づく目標加速度DVSAP
オートクルーズスイッチ18で指定された目標加速度DVS
ACよりも大きくなるまでの間、目標車速としてオートク
ルーズスイッチ18で指定された目標加速度DVSACを採用
するのは、以下の理由による。
つまり、アクセルペダル27の踏込量や踏込速度が小さ
いうちは、アクセルペダル27の踏込に基づく目標加速度
DVSAPの成分である目標加速度DVS6,DVS7およびDVS8
各値も小さくなるので、目標加速度DVS6,DVS7およびDV
S8の総和である目標加速度DVSAPの値も小さくなる。ア
クセルペダル27の踏込開始時にはペダル27の踏込量や踏
込速度がまだ僅かであるため、この時の目標加速度DVS
APの値も小さなものとなり、目標加速度DVSAPの値がオ
ートクルーズスイッチ18で指定された目標加速度DVSAC
の値以下となることがある。
従って、目標加速度DVSACに基づいて車両の走行を制
御している時(オートクルーズ制御時)に、アクセルペ
ダル27を踏み込んでアクセルモード制御に変更すると、
その変更初期の時に、一時的に、目標加速度が低下する
おそれがある。アクセルモード制御に変更するのは、通
常、現在以上の加速を得たい場合であるから、一時的に
せよ目標加速度が低下するのは、速やかに加速するため
や滑らかに加速するためには好ましくない。
そこで、このような期間には、目標加速度DVSACの方
を採用しているのである。
なお、目標加速度DVS6,DVS7およびDVS8の特性につい
ては後述する。
次に、ステップD123において、目標加速度DVSを車両
の実際の加速度として得るために必要な目標トルクTOMA
が下式(2)によって算出される。
TOMA=[{(W・r/g)・ks+ki}・DVS+R′・r]/
TQ …(2) なお、上式(2)において、W,r,g,ks,ki,TQは、前述
のスロットル非直動制御の説明の際に示した式(1)で
使用したものと同一であり、また、R′は下式(3)に
よって算出される車両走行時の走行抵抗である。
R′=μr・W+μair・A・VA2 …(3) なお、上式(3)において、μrは、車両のころがり
抵抗係数、Wは上式(2)で用いられたものと同一の車
重、μairは車両の空気抵抗係数、Aは車両の前面投影
面積、VAは第8図(iv)のステップA123〜A128の割込制
御で算出され第8図(i)のステップA103で入力された
実車速である。
ステップD123からステップD124へ進むと、ステップD1
23で算出された目標トルクTOMAと、エンジン回転数検出
部21によって検出されて第8図(i)のステップA103で
入力されたエンジン13の回転数NEとに対応するスロット
ル弁開度θTHAが、マップ#MTHから読出される。マップ
#MTHは、前述のスロットル非直動制御の際に、第10図
のステップC131で使用するものと同一のものである。
次のステップD125では、フラグI11が1であるが否か
が判断されるが、このフラグI11は、前述のように、値
が1であることで、今回の制御サイクルがスロットル弁
31の開閉を行なう制御サイクルであることを示すもので
ある。
このように、フラグI11の値が1である場合には開閉
を行なう制御サイクルであるので、ステップD126へ進
み、フラグI11の値が1でない場合には、開閉を行なう
制御サイクルではないのでステップD126へは進まず、今
回の制御サイクルにおけるアクセルモード制御を終了す
る。
ステップD126では、ステップD124で読出されたスロッ
トル弁開度θTHAを指示する信号を制御部25からスロッ
トル弁回動26に送出する。このスロットル弁回動部26で
は、アクチュエータ駆動部39が上記の信号を受けて、ス
ロットル弁アクチュエータ40に対し所要の(スロットル
弁開度θTHAとなる位置までスロットル弁31を回動する
ための)駆動信号を送出して、スロットル弁アクチュエ
ータ40がスロットル弁31の回動を行なう。
この時、スロットル弁31の開度がスロットル弁開度検
出部41によって検出され、この検出結果がアクチュエー
タ駆動部39に送られてフィードバック制御がなされる。
スロットル弁31が所定位置まで回動されると、アクチ
ュエータ駆動部39は駆動信号を送出しなくなって、スロ
ットル弁31が所定位置に停止して、今回の制御サイクル
におけるアクセルモード制御を終了する。
このようにスロットル弁31を通じた吸気通路30の開閉
によって、前述したように、エンジン13に吸入される空
気量および燃料量が変化して、エンジン13の出力が調整
され、この結果、目標加速度DVSにほぼ等しい加速度で
車両の加速が行なわれるのである。
以上述べたように、アクセルモード制御は、アクセル
ペダル27の踏込量と、この踏込量の変化速度と、同踏込
量の変化の方向とに基づいて目標加速度を決定して、こ
の目標加速度に対応してスロットル弁31の開閉を行ない
エンジン13を制御するものである。
即ち、アクセルペダル27の踏込量APSを増加させた場
合には、目標加速度DVSを構成するDVS6,DVS7およびDVS
8の3つの目標加速度の値は、それぞれ次のように変化
する。
まず、DVS6の値は、踏込量APSの値に対して、第20図
の#MDVS60に示す対応関係に基づいて決定されるので、
踏込量APSの増大とともに値が増大して、特に、踏込量A
PSの増大を速く行なうほど、DVS6の増大の割合は大きく
なる。
また、DVS7の値は、踏込量APSの増大が継続している
間における踏込量の変化速度の最大値DAPMXOに対して、
第21図の#MDVS70に示す対応関係に基づいて決定される
ので、踏込量APSの増大を速く行なうほど、DVS7の値は
大きい値となる。
さらに、DVS8の値は、カウンタCAPCNGの値に対して、
第22図の#MDVS80に示す対応関係に基づき決定されるの
で、踏込量APSの増大が基準を超える速さの時には、CAP
CNG=1となって、DVS8は、最も大きい値となる。
このように各目標加速度DVS6,DVS7,DVS8が変化する
ので、アクセルペダル27の踏込量の増大を速く行なうほ
ど車両は急加速を行なうことになる。
また、踏込量の増大を中止しアクセルペダル27の踏込
量を一定保持した場合には、各目標加速度DVS6,DVS7
DVS8の値は、それぞれ以下のようになる。
DVS6の値は、踏込量APSに対して第20図の#MDVS60に
示す対応関係に基づいて決定されるので、一定の値とな
る。
また、DVS7の値は、踏込量APSが一定に保持される前
の踏込量の増大時に上述と同様に第21図の#MDVS70に示
す対応関係に基づいて決定された値をそのまま保持する
ので、一定となる。
さらに、DVS6の値は、踏込量APSの増大速度が基準以
下になった時からの経過時間に応じてCAPCNGの値が増加
するので、第22図の#MDVS80に示すように、時間の経過
とともに徐々に減少し最終的には0となる。
したがって、踏込量の増大を中止しアクセルペダル27
の踏込量を一定保持した場合には、目標加速度DVSが、
次第に一定値に近づくことになるのである。
つまり、アクセルペダル27の踏込量APSを適当な量ま
で増大させると、急加速状態から滑らかに加速度が変化
し緩加速状態へと移行する。
一方、アクセルペダル27の踏込量APSを減少させた場
合には、各目標加速度DVS6,DVS7,DVS8の値は次のよう
になる。
DVS6の値は、踏込量APSに対して、第20図の#MDVS6S
に示す対応関係に基づいて決定される。このため、踏込
量APSの減少とともに値が減少することになる。このDVS
6の減少の割合は、踏込量APSの減少を速く行なうほど大
きくなる。
また、DVS7の値は、踏込量APSの減少が継続している
間の踏込量の変化速度の最小値(即ち、減少速度の最大
値)DAPMXSに対して第21図の#MDVS7Sに示す対応関係に
基づいて決定されるので、踏込量APSの減少を速く行な
うほどDVS7の値は小さい値(負で絶対値の小さな値)と
なる。
さらに、DVS8の値は、踏込量APSの減少が基準値を超
える速さの時には、CAPCNG=1となって、第22図の#MD
VS8Sに示すように、最も小さな値(負で絶対値が最大の
値)となる。
したがって、アクセルペダル27の踏込量APSの減少を
速く行なうほど車両の加速はより速く緩くなり、さらに
は車両は減速状態となる。
なお、第20図の#MDVS60および#MDVS6Sに示すよう
に、踏込量が増大中の時と減少中の時とで、同じ踏込量
に対応するDVS6の値を比較すると、踏込量が増大中の時
の方が大きく設定される。
したがって、踏込量が同じであっても、踏込量を増大
させている時の方が、踏込量を減少させている時より急
な加速が行なわれる。
また、DVS6は、第20図の#MDVS6Sに示すように、踏込
量を減少させて値を0とした後も引き続いて上記踏込量
を減少させると、負の値となる。このため、各目標加速
度DVS6,DVS7およびDVS8を加えた目標加速度DVSも負の
値となり、この結果、負の目標加速度に基づいて車両の
減速が行なわれることになる。
また、踏込量APSの減少を中止しアクセルペダル27の
踏込量を一定に保持した場合には、各目標加速度DVS6
DVS7,DVS8の値は次のようになる。
DVS6の値は、踏込量APSに対して第20図の#MDVS6Sに
示す対応関係に基づいて決定されるので、ここでは一定
の値となる。
また、DVS7の値は、踏込量APSが一定に保持される前
の踏込量の減少の際の踏込量の変化速度の最小値(即ち
減少速度の最大値)にDAPMXSに対して第21図の#MDVS7S
に示す対応関係に基づいて決定された値をそのまま保持
するので一定となる。
さらに、DVS8の値は、踏込量ASPの減少速度が基準以
下になった時から経過する時間に応じてCAPCNGの値が増
加するので、第22図の#MDVS8Sによって示すように、時
間の経過とともに徐々に増加し最終的に0となる。
このようにして、アクセルペダル27の踏込量を減少さ
せると、加速度の減少状態あるいは減速状態から滑らか
に加速度が減少し一定の加速度による加速状態へと移行
するのである。
さて、スロットル非直動制御において行なわれる第10
図のステップC144のオートクルーズモード制御は、第12
図のステップE101〜E133のフローチャートに従って行な
われる。
このオートクルーズモード制御は、前述のスロットル
非直動制御において、アクセルペダル27およびブレーキ
ペダル28が共に踏込まれていない時に行なわれるもので
ある。
まず、初めにステップE101において、前回の制御サイ
クルでアクセルペダル27が踏込まれておらずにアクセル
スイッチ15の接点がON状態にあったか否かが判断され
る。アクセルペダル27が解放されアクセルスイッチ15の
接点がON状態となってから最初の制御サイクルであれ
ば、ここでの判断によってステップE102へ進み、前回の
制御サイクルですでにアクセルペダル27が解放されアク
セルスイッチ15の接点がON状態となっている場合には、
ここでの判断によってステップE110へ進む。
したがって、アクセルペダル27を踏込んで車両の加速
を行なった後、このアクセルペダル27を解放してから最
初の制御サイクルは、この最初の制御サイクル以降の制
御サイクル、あるいは、アクセルペダル27を踏込まない
状態でブレーキペダル28を解放してオートクルーズモー
ド制御が行なわれるようになってからの各制御サイクル
とは異なった制御となる。
アクセルペダル27の踏込を解除してから最初の制御サ
イクルで、ステップE102へ進んだ場合には、フラグI4
値を0としステップE103へ進む。このフラグI4は、制御
部25の走行状態指定部3によって定車速走行が指定され
るべきことを値が0であることによって示すものであ
る。
ステップE103では、フラグI6の値を0として、ステッ
プE104へ進む。このフラグI6は、切換スイッチ46の接点
がON状態となってから最初の制御サイクルであることを
値が1であることによって示すものである。
ステップE104では、第8図(iv)のステップA123〜A1
28の割込制御で算出された最新の実車速VAIがアクセル
ペダル27解放直後の実車速として入力され、次のステッ
プE105で、目標車速VSにこの実車速VAIが代入される。
そして、ステップE106では、フラグI8の値を0とす
る。なお、このフラグI8は、値が0であることによって
オートクルーズモード制御により車速がほぼ一定に保た
れていることを示すものである。
ついで、ステップE107で、車速を目標車速VSに維持す
るために必要なエンジン13の目標トルクTOM3を下式
(4)によって、算出し、ステップE108へ進む。
TOM3=[{(W・r/g)・ks+ki}・(DVS3−DVS65)+
TQ・TEM]/TQ …(4) なお、上式(4)は、前述のスロットル非直動制御を
示す第10図のフローチャート中のステップC130で使用さ
れる式(1)と実質的に全く同一である。
ステップE108では、ステップE107で算出した目標トル
クTOM3と、エンジン回転数検出部18で検出され第8図
(i)のステップA103で入力されたエンジン回転数NE
に対応するスロットル弁開度 を、前記のマップ#MTHから読出す。
次に、ステップE109において、スロットル弁開度 を指示する信号を制御部25からスロットル弁回動部26の
アクチュエータ駆動部39に送出する。そして、このアク
チュエータ駆動部39からスロットル弁アクチュエータ40
に対し所要の駆動信号が送出され、スロットル弁アクチ
ュエータ40がスロットル弁31の回動を行なう。この時、
スロットル弁31の開度は、スロットル弁開度検出部41を
通じてアクチュエータ駆動部39によりフィードバック制
御される。
そして、スロットル弁31が所定位置まで回動される
と、アクチュエータ駆動部39は駆動信号を送出しなくな
り、スロットル弁31が所定位置に停止して、今回の制御
サイクルにおけるオートクルーズモード制御を終了す
る。
スロットル弁がこのように作動して吸気通路30の開閉
を行なうことによって、前に述べたように、エンジン13
に吸入される空気量が変化し、燃料量が変化して目標ト
ルクTOM3にほぼ等しいトルクがエンジン13から出力され
る。
このように、エンジン13から出力されたトルクは、前
述のようにアクセルペダル17解放直後の実車速を目標車
速として車速を一定に維持するために必要なトルクにほ
ぼ等しくなる。そして、上述のステップE104〜E109の制
御によって、アクセルペダルの解放直後には、スロット
ル弁31の開閉を行なうタイミングに該当する制御サイク
ルでなくでも、アクセルペダルの解放直後の車速を維持
するようなスロットル弁開度の位置へスロットル弁31を
暫定的に回動し、目標車速による定車速走行状態への移
行のための準備が行なわれる。
上述のステップE104〜E109の制御によるスロットル弁
31の回動は、前述のスロットル非直動制御のうちの第10
図のステップC121およびステップC129〜C132の制御によ
るスロットル弁31の回動と実質的に同一であって、制御
を開始する条件が異なるだけである。
アクセルペダル27を解放してから最初の制御サイクル
において、上述のような制御を行なった後の制御サイク
ル、あるいは、ブレーキペダル28の踏込を解除してステ
ップC121およびステップC129〜C132の制御を行なった後
にオートクルーズモード制御へ移行した時の制御サイク
ルにおいて、ステップE101へ進んだ場合には、前回の制
御サイクルにおいてもアクセルスイッチ18の接点はON状
態にあったので、ステップE110へ進む。このステップE1
10では、加速スイッチ45の位置が前回の制御サイクルと
今回の制御サイクルとで異なっているか否かが判断され
る。
加速スイッチ45の切換を行なわない場合の制御の内容
について説明すると、前回の制御サイクルから加速スイ
ッチ45の位置は変更となっていないので、ステップE110
からステップE128へ進み、切換スイッチ46に関連する切
換スイッチ制御を行なう。
ステップE128の切換スイッチ制御は、第13図のステッ
プF101〜F121に示すフローチャートに従って、主として
制御部25の走行状態切換部12と到達目標車速設定部6と
同到達目標車速変更制御部6aとによって行なわれ、切換
スイッチ44の操作に対応する車両走行状態の切換と、切
換スイッチ44の操作の結果指定された車両走行状態が加
速走行あるいは減速走行である時の到達目標車速の変更
等を行なうものである。
切換スイッチ46の操作を行なわない場合を説明する
と、第13図のステップF101において、切換スイッチ46の
接点がON状態にあるか否かが、第8図(i)のステップ
A103で入力された接点情報に基づいて判断され、切換ス
イッチ46の操作を行なっていない場合には、この切換ス
イッチ46の接点はON状態にないのでステップF111へ進
む。
ステップF111では、フラグI5の値を0として、ステッ
プF112へ進む。なお、このフラグI5は、前回の制御サイ
クルにおいて切換スイッチ46の接点がON状態にあったこ
とを、値が1であることによって示すものである。
そして、ステップF112では、フラグI6の値を0とす
る。
切換スイッチ46の操作を行なわない場合には、以上で
今回の制御サイクルの切換スイッチ制御を終了し、第12
図のステップE129へ進んで、フラグI4の値が1であるか
否かが判断される。フラグI4の値は、第10図のステップ
C145あるいは第12図のステップE102で0とされており、
後述するように、ステップE128の切換スイッチ制御にお
いて、切換スイッチ46の接点がON状態にある時の制御が
行なわれた時、あるいは加速スイッチ45の位置が前回の
制御サイクルから変更になっている場合の制御が行なわ
れた時に1となる。したがって、切換スイッチ46および
加速スイッチ45の操作をともに行なわない場合には、フ
ラグI4の値は0であり、ステップE129の判断によって、
ステップE132へ進む。なお、この時、制御部25の走行状
態指定部3による指定が定車速走行となっている。
そして、ステップE132では、フラグI6の値が1である
か否かによって、切換スイッチ46の接点がON状態となっ
てから最初の制御サイクルであるか否かを判断する。切
換スイッチ46の操作を行なっていない場合には、接点が
ON状態になっておらず、フラグI6の値は0であるため、
ステップE133へ進み目標車速制御を行なう。
この目標車速制御は、前述のように、走行状態指定部
3によって、定車速走行が指定されている時に、車速を
目標車速に近づける制御と、目標車速変更スイッチ46に
よる目標車速の設定値変更の制御とを行なうものであっ
て、第16図のステップJ101〜J116のフローチャートに従
い、主として制御部25の定車速制御部8によって行なわ
れる。
つまり、この目標車速制御では、初めに、ステップJ1
01において、前記フラグI8の値が1であるか否かが判断
されるが、フラグI8の値は、ブレーキペダル28の踏込を
解除することによってオートクルーズモード制御による
車両走行状態に移行した場合には、第10図のステップC1
28で1となり、アクセルペダル27の踏込を解除すること
によって車両走行状態に移行した場合には、第12図のス
テップE108で1となる。したがって、オートクルーズモ
ード制御による車両走行状態への移行後、加速スイッチ
45および切換スイッチ46の操作を行なわずに、ステップ
J101へ進んだ場合には、このステップJ101の判断によっ
てステップJ102へ進む。
ステップJ102では、今回の制御サイクルがスロットル
弁31の開閉を行なうタイミングに該当するか否かを、前
記フラグI11の値が1であるか否かによって判断する。
フラグI11の値が1である場合にはステップJ103へ進み
スロットル弁31の開閉に必要な制御を行ない、フラグI
11の値が1でない場合には今回の制御サイクルにおける
オートクルーズモード制御を終了する。
フラグI11の値が1であることによって次のステップJ
103へ進むと、定車速走行の目標車速VSには、仮の値と
して、第8図(i)のステップA103で入力された実車速
VAを代入する。この目標車速VSの仮の設定は、車速がほ
ぼ一定の値となった後の制御に備えるもので、車速がほ
ぼ一定となる前から行なわれる。この設定値は、車速が
ほぼ一定となるまで、開閉のタイミングに該当する制御
サイクル毎に更新される。
次に、ステップJ104において、前述のように第10図の
ステップC141〜C143の制御によってDVA65あるいはDVA
130の値を指定された実加速度DVAの絶対値が、予め設定
された基準値Kαに対して、|DVA|<Kαであるか否か
が判断される。目標車速制御により車速がほぼ一定にな
って車両の加速度が減少した結果、ステップJ104におい
て、|DVA|<Kαであると判断した場合は、ステップJ10
8で前記フラグI8の値を0とした後、ステップJ109へ進
む。また、車速がほぼ一定とはなっておらず、車両の加
速度が減少せずに、ステップJ014において、|DVA|<K
αではないと判断した場合は、ステップJ105へ進む。
ステップJ015では、実加速度DVAが正の値であるか否
かによって、現在車両が加速状態にあるのか減速状態に
あるのかを判断する。実加速度DVAが正の値である場合
には、車両が加速状態にあるので定車速走行状態とする
ために、ステップJ107へ進んで実加速度DVAから予め設
定された補正量ΔDV2を減じた値を目標加速度DVSとす
る。一方、実加速度DVAが負の値である場合には、車両
が減速状態にあるので定車速走行状態とするために、ス
テップJ106へ進んで実加速度DVAに上記補正量ΔDV2を加
えた値を目標加速度DVSとする。これにより、今回の制
御サイクルにおける目標車速制御を終了し、第12図のス
テップE123へ進む。
第12図のステップE123〜E127では、後述するように、
車両の加速度を上記目標加速度DVSに一致させるための
制御が行なわれる。したがって、車速がほぼ一定の値と
ならない状態で、第16図のステップJ101〜J107による上
述の制御が繰返されると、目標加速度DVSが徐々に0に
接近するのに伴って実加速度DVAの絶対値が減少し、車
速が徐々に一定値に近づく。
そして、第16図のステップJ104において、|DVA|<K
αであると判断すると、上述したようにステップJ108を
経てステップJ109へ進み、この時の制御サイクルにおい
てステップJ103で値を設定された目標車速VSが次に述べ
るステップJ109〜J116の定車速走行のための制御におけ
る目標車速となる。
また、ステップJ108を経てステップJ109へ進んだ制御
サイクルの次の制御サイクル以降においては、引続きオ
ートクルーズモード制御を行なう。そして、加速スイッ
チ45および切換スイッチ46の操作を行なわない限りフラ
グI8の値が0のままであるので、ステップJ101の判断に
よってステップJ109へ直接進んで制御が行なわれる。
ステップJ109では、オートクルーズスイッチ18の目標
車速変更スイッチ48が第6図中の(+)方向に回動され
ているか否かが、第8図(i)のステップA103で入力さ
れた接点情報に基づいて判断される。(+)側接点がON
状態にあると判断した場合は、ステップJ110へ進んで前
回の制御サイクルにおける目標車速VSに予め設定された
補正量VT3を加えた値を新たな目標車速VSとして設定し
た後、ステップJ113へ進む。一方、(+)側接点がON状
態にないと判断した場合には、ステップJ111へ進む。
ステップJ111では、目標車速変更スイッチ48が第6図
中の(−)方向に回動されているか否かが判断される。
(−)側接点がON状態にあると判断した場合は、ステッ
プJ112へ進んで前回の制御サイクルにおける目標車速VS
から補正量VT3を減じた値を新たな目標車速VSとして設
定した後、ステップJ113へ進む。一方、(−)側接点が
ON状態にないと判断した場合には、直接ステップJ113へ
進む。
このようなステップJ109〜J112の制御によって、目標
車速変スイッチ48による目標車速VSの変更が行なわれ、
目標車速変更スイッチ48の(+)側接点のON状態を継続
すると、制御サイクル毎にステップJ110の制御によって
目標車速VSが増加する。また、目標車速変更スイッチ48
の(−)側接点のON状態を継続すると、制御サイクル毎
にステップJ112の制御によって目標車速VSが減少する。
そして、目標車速変更スイッチ48による上述のような
目標車速VSの変更を行なった後、第6図中の(+)方向
あるいは(−)方向への回動を中止し、中間の停止位置
へ目標車速変更スイッチ48を戻すと、直前の制御サイク
ルにおいて変更設定された目標車速VSが次の制御サイク
ル以降の目標車速となる。したがって、ステップJ104か
らステップJ108を経てステップJ109へ進んだ後、目標車
速変更スイッチ48の操作を全く行なわない場合は、ステ
ップJ103で値を設定された目標車速VSが次回以降の各制
御サイクルにおける目標車速となる。
ステップJ109〜J112の制御による以上のような目標車
速VSの変更は、上述のように実加速度DVAの絶対値が減
少し、基準値Kαより小さくなった後に行なわれるの
で、車速がほぼ一定となった定車速走行状態にある時に
のみ目標車速変更スイッチ48による目標車速VSの変更が
可能となる。
次に、ステップJ113では、目標車速VSと、第8図
(i)のステップA103で入力された実車速VAとの差VS−
VAを計算し、ステップJ114へ進む。
ステップJ114では、既に車速がほぼ一定となっている
ことから、応答性の高い制御よりも安定性の高い制御が
必要である。このため、後述する第12図のステップE123
で使用する実加速度DVAの値として、第8図(iv)のス
テップA123〜A128の割込制御によって算出され第8図
(i)のステップA103で入力された3種の実加速度DVA
65,DVA130およびDVA850のうち前述したように安定性の
最も高い実加速度DVA850を指定する。
次に、ステップJ115において、ステップJ113で算出さ
れた目標車速VSと実車速VAとの差VS−VAに対応する目標
加速度DVS4を、第18図のステップM101〜M106のフローチ
ャートに従って行なう制御によって求める。そして、ス
テップJ116において、後述する第12図のステップE123で
使用する目標加速度DVSの値として目標加速度DVS4を代
入して今回の目標車速制御を終了し、第12図のステップ
E123へ進む。
ステップJ115における目標加速度DVS4の決定は、上述
のように、第18図に示すフローチャートに従いながら制
御部25の定車速制御部8で行なわれるが、初めのステッ
プM101では、第16図のステップJ113で算出された差VS−
VAに対応する目標加速度DVS3をマップ#MDVS3から読出
す。このマップ#MDVS3は、前述のように、差VS−VAを
パラメータとして目標加速度DVS3を求めるためのもので
あって、差VS−VAと目標加速度DVS3とは第23図に示す対
応関係を有する。
次に、ステップM102において、差VS−VAに対応する加
速度許容差DVMAXをマップ#MDVMAXから読出す。このマ
ップ#MDVMAXは、差VS−VAをパラメータとして加速度許
容差DVMAXを求めるためのものであって、差VS−VAと加
速度許容差DVMAXとは第24図に示す対応関係を有する。
さらに、次のステップM103では、目標加速度DVS3
ら、第16図のステップJ114で値をDVS850と指定された実
加速度DVAを減じた値(つまりDVS3−DVA)を加速度差DV
Xとして算出する。そして、次のステップM104におい
て、加速度差DVXが加速度許容差DVMAXに対して、DVX<D
VMAXであるか否かが判断される。
ステップM104でDVX<DVMAXであると判断した場合に
は、ステップM105へ進んで、目標加速度DVS4として目標
加速度DVS3を指定する。また、DVX<DVMAXではないと判
断した場合には、ステップM106へ進んで、目標加速度DV
S4として、実加速度DVAと上記加速度許容差DVMAXとを加
えた値(DVA+DVMAX)を指定する。
以上のようなステップM101〜M106の制御により目標加
速度DVS4の決定を行なうことで、目標加速度DVS4の変動
量が加速度許容差DVMAX以下に規制される。したがっ
て、定車速走行中に何らかの原因で急変した車速を元に
戻すために行なわれる車両の加速度の変化は緩やかにな
るものになる。
このように、ステップM101〜M106の制御により値を決
定された目標加速度DVS4を、第16図のステップJ116で目
標加速度DVSに代入した後に、あるいは、ステップJ106
またはステップJ107の制御によって目標加速度DVSの値
を設定した後に、第12図のステップE123に進んだ場合に
は、車両の加速度を目標加速度DVSに等しくするために
必要なエンジン13の目標トルクTOM2を下式(5)によっ
て算出する。
TOM2=[{(W・r/g)・ks+ki}・(DVS−DVA)+TQ
・TEM]/TQ …(5) なお、上式(5)は、前記の式(1)あるいは式
(4)と実質的に同一であるが、上式(5)中のDVA
は、第16図のステップJ106あるいはJ107からステップE1
23へ進んだ場合には、第10図のステップC141〜C143の制
御により指定された値となり、第16図のステップJ116か
らステップE123へ進んだ場合には、第16図のステップJ1
14で指定されたDVA850となる。
次に、ステップE124へ進むと、ステップE123で算出さ
れた目標トルクTOM2と、エンジン回転数検出部21で検出
されて第8図(i)のステップA103で入力されたエンジ
ン回転数NEとに対応するスロットル弁開度 を、前記マップ#MTH(図示省略)から読出し、ステッ
プE125へ進む。
ステップE123およびステップE124の制御は、制御部25
の定車速制御部8、加速制御部9および減速制御部10の
それぞれにより、共通して行なわれるものであって、上
述のように、ステップE133からステップE123へ進んだ場
合には、定車速制御部によりステップE123およびステッ
プE124に従って制御が行なわれ、スロットル弁開度 が設定される。
次に、ステップE125では、前記フラグI11の値が1で
あるか否かが判断される。I11=1であると判断した場
合は、今回の制御サイクルがスロットル弁31の開閉を行
なうタイミングに該当するのでステップE126へ進み、I
11=1ではないと判断した場合は、今回の制御サイクル
が上記タイミングに該当しないので、スロットル弁31の
開閉を行なわずに今回の制御サイクルにおけるオートク
ルーズモード制御を終了する。
ステップE126へ進んだ場合は、ステップE124で決定し
たスロットル弁開度 となる位置まで、前記ステップE109と同様にしてスロッ
トル弁31の回動が行なわれ、上記目標トルクTOM2にほぼ
等しいトルクがエンジン13から出力される。また、今回
の制御サイクルのスロットル弁31の開閉は、開閉すべき
タイミングにおけるものなので、次のステップE127にお
いて前記フラグI12の値を1として、今回の制御サイク
ルにおけるオートクルーズモード制御を終了する。
以上のように、ブレーキペダル28の解放状態でアクセ
ルペダル27の踏込を解除するか、またはアクセルペダル
27の解放状態でブレーキペダル28の踏込を解除した結
果、オートクルーズモード制御による車両走行状態へ移
行し、この時、加速スイッチ45および切換スイッチ46の
操作を行なわない場合には、まず、アクセルペダル27お
よびブレーキペダル28の踏込解除直後の車速を維持する
ように、この踏込解除直後にスロットル弁31を暫定的に
回動しておく。ついで、オートクルーズモード制御に移
行した後、スロットル弁31の開閉タイミング毎に、車速
の維持を引続き行なうために制御部25の定車速制御部8
によって設定されたスロットル弁開度に基づきスロット
ル弁31の回動を行なう。
即ち、踏込解除後、スロットル弁31の開閉タイミング
に該当する制御サイクルを待たずに、暫定的に各ペダル
27、28の解除直後の車速を維持しうるスロットル弁31の
回動を行なった場合でも、この後、ある程度車速が変動
するので、その開閉タイミングに該当する制御サイクル
毎に、スロットル弁31の回動を行ない、車速の変動を低
減させて最終的にほぼ一定の車速とする。
したがって、ペダルの踏込解除後に、加速スイッチ45
および切換スイッチ46を操作しない場合には、ブレーキ
(図示省略)による基準より急な制動が基準時間より長
く続き、かつ、この制動の終了時の車速が基準値より低
下した時を除いて、以下のようになる。
つまり、制御部25の走行状態指定部3の指定が定車速
走行となり、この指定が定車速走行となった時(ペダル
の踏込解除の瞬間)の車速にほぼ等しい車速を維持しう
るだけの出力エンジン13から得られるように、スロット
ル弁開度が制御部25の定車速制御部(図示省略)によっ
て設定されるのである。そして、スロットル弁開度に基
づきスロットル弁31が開閉タイミング毎に回動され、こ
の結果、車両が所定車速で定車速走行を行なう。
このようなスロットル弁31の回動によって車速がほぼ
一定となった後は、目標車速変更スイッチ48の操作によ
り定車速走行時の目標車速の変更が可能となり、目標車
速変更スイッチ48を第6図中の(+)方向あるいは
(−)方向に回動した状態の継続時間に比例した目標車
速の変化量が得られる。
オードクルーズモード制御による車両走行状態に移行
後、加速スイッチ45および切換スイッチ46のいずれにつ
いても操作しない場合は以上のとおりであるが、上記移
行後加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46を操作した
場合について以下に説明する。
オートクルーズモード制御による車両走行状態への移
行を行ない上述の制御によって車速がほぼ一定となった
後、加速スイッチ45を操作して、第6図中の のいずれかの位置に切換えた場合には、第12図のステッ
プE101を経てステップE110へ進み、前述のように、加速
スイッチ45の位置が前回の制御サイクルから変更になっ
ているか否かが判断される。
加速スイッチ45の位置を変更してから最初の制御サイ
クルでステップE110へ進んだ場合には、ここでの判断に
よってステップE111へ進んでフラグI3の値を1とし、次
にステップE112でフラグI5の値を0とし、さらに、次の
ステップE113でフラグI9の値を0とした後、ステップE1
14へ進む。
なお、このフラグI9は、加速スイッチ45あるいは切換
スイッチへの操作により制御部25の走行状態指定部3の
指定が加速走行となった時に、加速スイッチ45の位置に
対応して設定された目標加速度まで車両の加速度を滑ら
かに上昇させるための制御が、既に前回の制御サイクル
において行なわれたことを、値が1であることによって
示すものである。
ステップE114では、今回の制御サイクルにおいて第8
図(i)のステップA103で入力された接点情報に基づ
き、加速スイッチ45の位置が第6図中の であるか否かが判断される。この位置が であると判断した場合には、ステップE115へ進み、 ではないと判断した場合には、ステップE116へ進む。
ステップE116へ進んだ場合には、制御部25の走行状態
指定部3の指定が加速走行に切換わり、フラグI4の値を
1とする。そして、次のステップE117でフラグI8の値を
0とした後、ステップE118へ進む。
なお、この時の制御サイクルは、加速スイッチ45の位
置を変更してから最初のものであって、この変更後はま
だスロットル弁31の開閉を行なっていない。このため、
ステップE118でフラグI12の値を0とし、ついで、ステ
ップE119で、ステップE118と同様の理由から今回の制御
サイクルで使用する実加速度DVAの値として、第8図
(i)のステップA103で入力されたDVA65を採用する。
そして、ステップE120へ進む。
このステップE120は、制御部25の到達目標車速設定部
6における加速後の車速の目標値である到達目標車速VS
の設定であって、このVSの値は、今回の制御サイクルに
おいて車速・加速度検出部24により検出されて制御部25
に入力された実車速VA[第8図(i)のステップA103参
照]と、予め設定された補正量 との和に設定される。
次にステップE121へ進むと、第14図に示すステップG1
01〜G105のフローチャートに従って制御部25の目標加速
度設定部4が、加速スイッチ制御を行なう。この加速ス
イッチ制御は、第6図中に示す加速スイッチ45の あるいは の各位置に対応して、目標加速度DVS2の値を設定するも
のである。
つまり、第14図のステップG101およびステップG103に
よって、加速スイッチ45の位置が のうちのいずれの位置にあるかが判断され、各位置ごと
に、ステップG102、G104およびG105で加速度DVS2の値の
設定が行なわれる。
即ち、第14図に示すように、初めにステップG101にお
いて、加速スイッチ45の位置が第6図中の の位置にあるか否かの判断を行なって、 の位置にあると判断した場合には、ステップG102へ進ん
で、 の位置に対応して予め設定された加速度の値DVSbを目標
加速度DVS2に代入する。
また、ステップG101において、加速スイッチ45の位置
が上記 の位置にないと判断した場合には、ステップG103へ進
み、加速スイッチ45の位置が第6図中の の位置にあるか否かの判断を行なう。加速スイッチ45の
位置が の位置にあると判断した場合は、ステップG104へ進ん
で、 の位置に対応して予め設定された値DVSCを目標加速度DV
S2に代入する。
一方、加速スイッチ45の位置が の位置にないと判断した場合は、残された の位置にあることになり、 の位置に対応して予め設定された値DVSdを目標加速度DV
S2に代入する。なお、ここで の位置にあると判断できるのは、加速スイッチ制御を行
なう前の第12図のステップE114で加速スイッチ45の位置
でないこと、さらに、ステップG101およびG103で、 でもないことが、既に判断されているからてである。
以上のようにして、加速スイッチ45の位置に対応する
目標加速度DVS2の値の設定を行なうが、この目標加速度
DVS2は、制御部25の走行状態指定部3によって、加速走
行が指定され加速を開始した後に一定となる車両の加速
度の目標値であるので、 の位置に対応して3種類の車両の加速状態(DVSb,DVSc
およびDVSd)が選択される。このようなDVSb,DVScおよ
びDVSdの値は、DVSb<DVSc<DVSdとなっており、DVSbが
緩加速、DVScが中加速、DVSdが急加速にそれぞれ対応す
る値となっている。
こうして加速スイッチ制御が終了すると、次に第12図
のステップE122へ進み、主として制御部25の加速制御部
9が加速制御を行なう。
この加速制御は、前述のように、制御部25の走行状態
指定部3により加速走行が指定された時に、加速スイッ
チ45の位置に対応して行なわれる制御であって、制御部
25の目標加速度設定部4で各位置 に対応して設定された目標加速度DVS2まで、車両の加速
度を滑らかに上昇させて、このような加速走行により、
制御部25の到達目標車速設定部6および到達目標車速変
更制御部6aで設定された到達目標車速まで車速が到達す
る際の加速度の変化を滑らかにしている。
このような加速制御は、第17図のステップL101〜120
に示すフローチャートに従って行なわれる。
つまり、最初のステップL101では、第8図(i)のス
テップA103で入力された実車速VAが予め設定された基準
値K5に対して、VA>K5であるか否かが判断される。VA>
K5であると判断した場合には、ステップL104へ直接進
み、VA>K5ではないと判断した場合には、ステップL102
およびL103を経てステップL104へ進む。
ステップL101からステップL102へ進んだ場合には、実
車速VAと第8図(i)のステップA103で入力された接点
情報による加速スイッチ45の位置とに対応する目標加速
度DVSACをマップ#MDVSACから読出す。
このマップ#MDVSACは、実車速VAと加速スイッチ45の
位置とをパラメータとして目標加速度DVSACを求めるた
めのものであって、実車速VAおよび加速スイッチ45の位
置と目標加速度DVSACとは、第26図に示す対応関係を有
する。
即ち、実車速VAが0から基準値K5までの間は、第6図
中に示す加速スイッチ45の の各位置別に実車速VAの増加に対応して上記目標加速度
DVSACが増加し、実車速VAが基準値K5となった時には、
目標加速度DVSACの値は、第12図のステップE121の加速
スイッチ制御(第14図参照)により、 の各位置別に設定された目標加速度DVS2の値と等しくな
る。
次にステップL103へ進むと、加速スイッチ制御により
設定された目標加速度DVS2の値をステップL102で読出し
たDVSACに変更し、ステップL104へ進む。
つまり、車速が基準値K5より大きい時は、目標加速度
DVS2の値は上記加速スイッチ制御によって設定された値
のままとなり、発進直後のように車速が基準値K5以下の
時は、車速の増加に対応して増加し、スイッチ制御によ
って設定された値より小さい値が目標加速度DVS2の値と
なる。
そして、ステップL104では、フラグI11の値が1であ
るか否かが判断される。このフラグI11は、前述のよう
に、値が1であることによって、今回の制御サイクルが
スロットル弁31の開閉を行なうタイミングに該当するこ
と(スロットル弁開閉タイミングサイクルであること)
を示すのである。ステップL104でフラグI11の値が1で
はないと判断した場合は、今回の制御サイクルがスロッ
トル弁開閉タイミングサイクルに該当しないので、直ち
に今回の制御サイクルにおける加速制御を終了する。
また、ステップL104でフラグI11の値が1であると判
断した場合には、今回の制御サイクルが開閉のタイミン
グに該当し、ステップL105へ進んで加速制御が引続き行
なわれる。
ステップL105では、フラグI9の値が1であるか否かが
判断される。フラグI9は、前回の制御サイクルにおい
て、後述するステップL108あるいはステップL110の制御
が行なわれたことを、値が1であることによって示すも
のである。加速スイッチ45の切換を行なってから最初に
ステップL105へ進んだ場合には、前述のように第12図の
ステップE113においてフラグI9の値を0としているの
で、ステップL105でフラグI9の値が1ではないと判断し
て、ステップL106へ進む。
ステップL106では、フラグI13を0として、L107へ進
む。なお、このフラグI13は、後述するステップL108あ
るいはステップL110で値を指定された目標加速度DVS1
加速スイッチ制御により設定された目標加速度DVS2
が、DVS1<DVS2の関係にないことを、値が1であること
によって示すものである。
次のステップL107では、フラグI9の値を1として、ス
テップL108へ進む。
ステップL108では、目標加速度DVS1の値として、第12
図のステップE119でDVA65を入力された実加速度DVAと、
予め設定された補正量ΔDV1とを加えたも(DVA+ΔD
V1)を指定し、ステップL111へ進む。
ステップL111では、このように設定された2つの目標
加速度DVS1およびDVS2が、DVS1<DVS2の関係にあるか否
かが判断される。実加速度DVAと目標加速度DVS2とにあ
まり差がなく、これらの目標加速度DVS1と目標加速度DV
S2とが、DVS1<DVS2の関係にないと判断した場合には、
ステップL113へ進んでフラグI13の値を1とした後、ス
テップL114へ進む。
一方、ステップL111において、DVS1<DVS2の関係にあ
ると判断した場合には、ステップL112へ進み、今回の制
御サイクルにおけるオートクルーズモード制御で車両の
加速走行のために使用する目標加速度DVSの値として上
記目標加速度DVS1を指定して今回の制御サイクルにおけ
る加速制御を終了する。
なお、上述のように、今回の制御サイクルが加速スイ
ッチ45を第6図中の のいずれかの位置に切換えてから最初にステップL105へ
進む制御サイクルであって、次回の制御サイクル以降に
おいて加速スイッチ45の切換が行なわれず引続き加速制
御が行なわれる場合には、今回の制御サイクルのステッ
プL107でフラグI9の値が1となっているので、次回の制
御サイクル以降においては、ステップL105の判断によっ
てステップL109へ進む。
このステップL109では、フラグI13の値が1であるか
否かが判断されるが、1サイクル前までの制御サイクル
でステップL111からステップL113へ進んでフラグI13
値を1とした場合には、ステップL109からステップL114
へ進む。1サイクル前までの制御サイクルでステップL1
11からステップL113へ進んだことがない場合には、I13
は1でないので、ステップL110へ進む。
このステップL110では、1サイクル前の制御サイクル
までの目標加速度DVS1の値に補正量ΔDV1を加えたもの
を新たな目標加速度DVS1として指定してステップL111へ
進む。
したがって、目標加速度DVS1の値は、ステップL109で
フラグI13の値が1であると判断されるまで、ステップL
110に繰り返し進むことによって、時間の経過とともに
増大する。
そして、ステップL111において、DVS1<DVS2ではない
と判断されるまで目標加速度DVS1が増大すると、ステッ
プL111からステップL113へ進んで、上述のようにフラグ
I13の値を1とするので、次の制御サイクル以降では、
ステップL109からステップL114へ進み、目標加速度DVS1
の値は増大しなくなる。
また、ステップL111で、DVS1<DVS2ではないと判断さ
れるまでは、上述のようにして値の増大する目標加速度
DVS1を、ステップL112において、目標加速度(オートク
ルーズスイッチによって指示された目標加速度)DVSAC
の値として指定して、続くステップL120で、この目標加
速度DVSACを現在採用する目標加速度DVSとして設定し
て、加速制御を終了する。しかし、ステップL111で、DV
S1<DVS2ではないと判断されると、この判断の行なわれ
た制御サイクル以降においては、上述のようにステップ
L114へ進むので、DVSAC=DVS1の指定は行なわれなくな
る。
ステップL114へ進むと、第12図のステップE120で値の
設定された到達目標車速VSと、第8図(i)のステップ
A103で入力された実車速VAとの差VS−VAを計算する。次
のステップL115で、差VA−VAに対応する目標加速度DVS3
をマップ#MDVS3から読出す。
このマップ#MDVS3は、前述したように、差VS−VAを
パラメータとして目標加速度DVS3を求めるためのもので
あって、差VS−VAと目標加速度DVS3とは第23図に示す対
応関係を有する。
次に、ステップL116へ進むと、目標加速度DVS2と、目
標加速度DVS3とが、DVS2<DVS3の関係にあるか否かが判
断される。ここで、DVS2<DVS3の関係にあると判断した
場合には、ステップL117へ進んで、目標加速度DVSAC
値として目標加速度DVS2を指定して、続くステップD120
で、この目標加速度DVSACを現在採用する目標加速度DVS
として設定し、加速制御を終了する。また、ステップL1
16において、DVS2<DVS3の関係にないと判断した場合に
は、ステップL118へ進み、制御部25の到達検出部11によ
り、差VS−VAの絶対値|VS−VA|が予め設定された基準値
K4より小さいか否かの判断が行なわれる。
第23図に示すように、差VS−VAの値が、補正量 (第12図のステップE120で到達目標車速VSを設定するた
めに実車速VAに加えた補正量)に等しいときには、マッ
プ#MDVS3に従って決定する目標加速度DVS3は、目標加
速度DVS2より大きい値を有する。
したがって、加速スイッチ43を切換えた後、最初にス
テップL105へ進んだ制御サイクルにおいて、ステップL1
16へ進んだ場合には、差VS−VAは補正量 にほぼ等しくなっている。このため、ステップL116にお
いて、DVS2<DVS3であると判断されて、ステップL117に
進む。
また、この制御サイクルより後の制御サイクルにおい
て、加速スイッチ45の切換が行なわれず引続き加速制御
が行なわれ、後述するような車両の加速が行なわれる
と、実車速VAが到達目標車速VSに近づいて、差VS−VAの
値が減少するが、第23図に示すように、この差VS−VAの
減少に対応して目標加速度DVS3が減少する。
そして、差VS−VAが第23図中に示すVα以下となって
目標加速度DVS3が、目標加速度DVS2以下となると、ステ
ップL116の判断によってステップL118に進む。
ここで、|VS−VA|<K4ではないと判断した場合は直
接、また|VS−VA|<K4であると判断した場合は車速が到
達目標車速に到達したとしてステップL120を経た後、ス
テップL119へ進む。このステップL119では、目標加速度
DVSACの値として目標加速度DVS3を指定し、ステップL12
0で、この目標加速度DVSACを現在採用する目標加速度DV
Sとして設定して、加速制御を終了する。
したがって、目標加速度DVS3が目標加速度DVS2より小
さくなってから後の制御サイクルにおいては、目標加速
度DVSの値として目標加速度DVS3が指定される。目標加
速度DVSは、加速走行時の加速度の目標値であるので、
目標加速度DVS3が指定された後は、実車速VAが到達目標
車速VSに近づくにつれて実加速度も減少する。
実車速VAが到達目標車速VSにほぼ等しくなると、ステ
ップL118で、|VS−VA|<K4であると判断し、上述のよう
にステップL120へ進む。
この判断は、加速走行によって車速が到達目標車速VS
に到達したことを検出するものであって、この到達の検
出が行なわれた後は、制御部25の走行状態指定部3の指
定を、到達目標車速VSの定車速走行とするために、ステ
ップL120で制御部25の走行状態切換部12によりフラグI4
の値が0とされる。なお、このフラグI4は、前述のよう
に、値が0であることによって、走行状態指定部3の指
定を定車速走行とすべきことを示すものである。
以上述べたようにして、第12図のステップE122の加速
制御を終了すると、ステップE123へ進み、前述のよう
に、車両の加速度を目標加速度DVSに等しくするために
必要なエンジン13の目標トルクTOM2を前記の式(5)に
よって算出する。
さらに、次のステップE124で目標トルクTOM2をエンジ
ン13から得られるようなスロットル弁開度 を決定しステップE125へ進む。なお、制御部25の走行状
態指定部3の指定が加速走行であると、ステップE123お
よびステップE124の制御は前述のように制御部25の加速
制御部9によって行なわれる。
ステップE122からステップE123,E124を経てステップE
125へ進むのは、第17図のステップL104でフラグI11の値
が1であると判断された場合である。したがって、ステ
ップE125では、I11=1であると判断してステップE126
へ進み、前述のようにしてスロットル弁31をスロットル
弁開度 となる位置まで駆動する。
そして、次のステップE127でフラグI12の値を1とし
て、今回の制御サイクルにおけるオートクルーズモード
制御を終了する。
スロットル弁31をこのように駆動することで、前述の
ように、目標トルクTOM2にほぼ等しいトルクがエンジン
13から出力されるため、車両は目標加速度DVSにほぼ等
しい加速度で加速走行を行なう。
加速スイッチ45を第6図中の の位置に切換えることにより、以上のようなステップE1
10〜E114を経てステップE116へ進む一つの制御サイクル
が行なわれるが、この後、加速スイッチ45および切換ス
イッチ46のいずれも操作されないと、この次の制御サイ
クル以降において引続きオートクルーズモード制御が行
なわれることになる。この場合、初めに第12図のステッ
プE101で、アクセルスイッチ15の接点はON状態であった
と判断してステップE110へ進む。これは、サイクル前の
制御サイクルにおいてもアクセルペダル27が踏込まれず
にオートクルーズモード制御が行なわれているためであ
る。
ステップE110では、前述のように、加速スイッチ45の
位置が1サイクル前の制御サイクルの時から変更になっ
ているか否かの判断が行なわれる。ここでは、加速スイ
ッチ45の操作は行なっていないので、否定されてステッ
プE128へ進み、切換スイッチ46に関連する切換スイッチ
制御を行なう。
この切換スイッチ制御は、前に述べたように、第13図
のステップF101〜F121に示すフローチャートに従って行
なわれる。
まず初めに、ステップF101において、切換スイッチ46
の接点がON状態にあるか否かの判断が行なわれる。ここ
では、切換スイッチ46の操作は行なわないので、この接
点はON状態とはならず、否定されてステップF111へ進
み、フラグI5の値を0とする。
さらに、次のステップF112でフラグI6の値を0とし
て、今回の制御サイクルにおける切換スイッチ制御を終
了する。
なお、前に述べたが、フラグI5は、前回の制御サイク
ルで切換スイッチ46の接点がON状態にあったことを値が
1であることによって示すものであり、また、フラグI6
は、切換スイッチ46の接点がON状態となってから最初の
制御サイクルであることを値が1であることによって示
すものである。
次に、第12図のステップE129へ進むと、フラグI4の値
が1であるか否かが判断される。このフラグI4は、前述
のように、制御部25の走行状態指定部3の指定を定車速
走行とすべきであることを、値が0であることによって
示すものであるが、加速スイッチ45を第6図中の のいずれかの位置に切換えてから最初の制御サイクルに
おいて、ステップE116でフラグI4の値を1としているの
で、車両の加速走行が行なわれている間は、ステップE1
29の判断で肯定されてステップE130へ進む。
また、前述のように、車両の加速が行なわれて、走行
速度が到達目標車速VSに達すると、第17図のステップL1
20で、制御部25の走行状態切換部12がフラグI4の値を0
とする。これによって、ステップE129の判断で否定され
てステップE132に進む。なお、この時、制御部25の走行
状態指定部3の指定が定車速走行に切換わる。
一方、ステップE129からステップE130へ進んだ場合に
は、このステップE130で加速スイッチ45の位置が の位置であるか否かが判断されるが、加速スイッチ45は の位置にあるので、否定されてステップE121へ進み、加
速スイッチ制御が行なわれる。
この加速スイッチ制御は、前に述べたように、第14図
のステップG101〜G105に示すフローチャートに従って制
御部25の目標加速度設定部4により行なわれ、加速スイ
ッチ45の位置に対応する目標加速度DVS2の設定を行なう
ものである。
次に、ステップE122へ進むと、加速制御が、前に述べ
たように、第17図のステップL101〜L120に示すフローチ
ャートに従って、主として制御部25の加速制御部9によ
り行なわれ、車両の加速走行時の目標加速度DVSの設定
を行なうものである。今回の制御サイクルがスロットル
弁31の開閉を行なうタイミングに該当した時にこの目標
加速度の設定を行なうと、次にステップE123〜E127に従
い前述のようにスロットル弁31の開閉が行なわれ、車両
が目標加速度DVSにほぼ等しい加速度で加速走行を行な
う。
車両の加速走行により、走行速度が到達目標車速VSに
達すると、上述のように制御部25の走行状態指定部3の
指定が定車速走行に切換わり、ステップE129からステッ
プE132へ進む。そして、ステップE132でフラグI6の値が
1であるか否かが判断される。このフラグI6は、第13図
のステップF112で値を0とされているので、ステップE1
32からステップE133へ進み、目標車速制御が行なわれ
る。
この目標車速制御は、前に述べたように、第16図のス
テップJ101〜J116に示すフローチャートに従って、主と
して制御部25の定車速制御部8により行なわれる。
つまり、加速スイッチ45の切換を行なってから最初の
制御サイクルでフラグI8の値を0としている(第12図の
ステップE117参照)ので、ステップJ101では、I8=1で
はないと判断して、加速スイッチ45あるいは切換スイッ
チ46を操作しない限りは、常にステップJ109へ進む。
ついで、ステップJ109〜J116に従って行なわれる制御
は、前述のとおりであって、車両の走行速度を目標車速
VSに一致させて、これを一定に維持するための目標加速
度DVSの値の設定が行なわれる。
この目標車速制御を終了すると、第12図のステップE1
23〜E127に従って、前に述べたように、スロットル弁31
の開閉が行なわれ、車両は目標車速VSにほぼ等しい走行
速度定車速走行を行なう。
したがって、加速スイッチ45を第6図中の のいずれかの位置に切換えることにより車両の加速を行
ない、走行速度が到達目標車速VSに達した後は、この到
達目標車速VSが目標車速となって、車両の走行速度が一
定に維持される。
以上述べたように、加速スイッチ45を切換えて、制御
部25の走行状態指定部3の指定を加速走行とし、ステッ
プE122の加速制御により指定された目標加速度DVSで車
両の加速を行なった時には、その目標加速度DVSおよび
走行速度の変化は、例えば第27図(i),(ii)に示す
ようになる。なお、第27図(i)は、切換後の時間の経
過に対応する目標加速度DVSの値を示し、第27図(ii)
は、同じく切換後の時間経過に対する車両の走行速度の
変化を示す。
つまり、この第27図(i),(ii)に示すように、は
じめに車両が一定の走行速度v1で定速走行していて、あ
る時刻t0に、加速スイッチ45が のいずれかの位置に切換えられると、加速走行が指定さ
れる。そして、第17図のステップL108で設定された値の
目標加速度をもって加速を開始する。この時、スロット
ル弁31の開閉を行なうタイミングに該当する制御サイク
ル毎に、第17図のステップL110で設定される目標加速度
DVS1が加速走行の際の目標加速度DVSとなるので、第27
図(i)に階段状に示すように、この制御サイクル毎に
目標加速度DVSが増加していく。
一方、このような目標加速度DVSの増加に伴い、車両
の走行速度が時刻t0から滑らかに増加を開始する。
この結果、時刻t1において、目標加速度DVS1が、加速
スイッチ45の位置に対応して制御部25の目標加速度設定
部4で設定された目標加速度DVS2より大きくなると、時
刻t1以降の制御サイクルでは、この目標加速度DVS2が目
標加速度DVSの値となる。これにより目標加速度DVSは、
第27図(i)に示すように一定値となる。したがって、
この時の車両の走行速度は、第27図(ii)に示すように
ほぼ一定の割合で増加していくことになる。
そして、時刻t2において、走行速度が、第12図のステ
ップE120で設定された到達目標車速VSよりも、第23図中
に示すVαだけ低い値に達すると、第23図に示すよう
に、第17図のステップL115でマップ#MDVS3から読出さ
れる目標加速度DVS3の方が、目標加速度DVS2よりも、小
さくなる。そして、時刻t2以降の制御サイクルでは、目
標加速度DVS3が目標加速度DVSの値となる。
この目標加速度DVS3は、第23図に示すように、到達目
標車速VSと実車速VAとの差VS−VAが減少するのに対応し
て減少するので、走行速度の上昇に伴って目標加速度DV
Sは、第27図(i)に階段状に示すように、制御サイク
ル毎に次第に減少していく。
このような目標加速度DVSの減少によって、走行速度
は、第27図(ii)に示すように、徐々に上昇の度合を緩
やかにする。
そして、時刻t3以降において、走行速度と到達目標車
速VSとの差が、基準値K4より小さいことが制御部25の到
達検出部11により検出されると、この制御部25の走行状
態切換部12で、走行状態指定部3が指定する定車速走行
への切換が行なわれて、車両の加速走行は終了する。こ
の時刻t3より後の制御サイクルでは、制御部25の定車速
制御部8での第12図のステップE133の目標車速制御によ
って設定された目標加速度DVSに基づき車両の定車速走
行が行なわれる。
この結果、第27図(ii)に示すように、走行速度は、
滑らかに到達目標車速VSに近づき、時刻t3において到達
目標車速VSとほぼ等しい値となって、この時刻t3より後
では到達目標車速VSにほぼ一致した値となる。また、目
標加速度DVSは時刻t3において、0に近い値となり、時
刻t3より後では、走行速度を到達目標車速VSに一致させ
て一定に維持するための値となる。
加速スイッチ45を第6図中の のいずれかの位置に切換え、切換スイッチ46の操作は行
なわない場合は以上のとおりであるが、次に、以上に述
べたような車両の加速走行がまだ行なわれている時に、
切換スイッチ46を操作した場合について説明する。
切換スイッチ46を第6図中の手前側に引いてON状態に
すると、前述の場合と同様にして第12図に示すステップ
E101からステップE110へ進む。加速スイッチ45の位置は
前回の制御サイクルから変更になっていないので、この
ステップE110で否定されて、ステップE128へ進む。ステ
ップE128では、前述のように、第13図に示すステップF1
01〜F121のフローチャートに従って切換スイッチ制御が
行なわれる。
この切換スイッチ制御は、初めにステップF101におい
て、第8図(i)のステップA103で入力された接点情報
に基づき、切換スイッチ46の接点がON状態にあるか否か
が判断されるが、この場合、オートクルーズスイッチ18
の操作部18を第6図中の手前側に引いているので、接点
がON状態にあると判断してステップF102へ進む。
ステップF102でフラグI3の値を1として、次のステッ
プF103ではフラグI5の値が1であるか否かが判断され
る。なお、フラグI5は、前述のように、前回の制御サイ
クルで切換スイッチ46の接点がON状態であったことを、
値が1であることによって示すものである。
切換スイッチ46の接点をON状態にしてから最初の制御
サイクルにおいてステップF103へ進んだ場合には、切換
スイッチ46の接点をON状態とする前の制御サイクルのス
テップF111でフラグI5の値を0としているので、このス
テップF103の判断によってステップF104へ進む。そし
て、このステップF104でフラグI5の値を1とした後、ス
テップF105へ進む。
一方、前回の制御サイクルでも切換スイッチ46の接点
がON状態となっていた場合には、前回の制御サイクルの
ステップF104でフラグI5の値を1としている。したがっ
て、ステップF103の判断によってステップF113へ進む。
上述のように、ステップF104からステップF105へ進む
と、フラグI6を1とする。なお、このフラグI6は、前述
のように、切換スイッチ46の接点がON状態となってから
最初の制御サイクルであることを、値が1であることに
よって示すものである。
次のステップF106では、フラグI12の値を0として、
ステップF107へ進む。なお、フラグI12は、前述した
が、各制御サイクルでオートクルーズモード制御を行な
うようになってから最初に訪れるスロットル弁31開閉の
タイミングに該当する制御サイクルでの開閉をまだ行な
っていないこと、あるいは、この開閉は既に行なった
が、オートクルーズモード制御において、加速スイッチ
45あるいは切換スイッチ46の操作により制御部25の走行
状態指定部3の指定が変更された後に最初に訪れるスロ
ットル弁31開閉のタイミングに該当する制御サイクルで
の開閉をまだ行なっていないことを、値が0であること
によって示すものである。
ステップF107では、今回の制御サイクルが切換スイッ
チ46の接点をON状態としてから最初の制御サイクルであ
るので、前回の制御サイクルまで走行状態指定部(図示
省略)によって指定されていた車両の走行状態とは異な
る走行状態が指定される。このため、前述したように、
実際の値に対する追従性の高さを優先して、実加速度DV
Aの値を第8図(i)のステップA103で入力されたDVA65
とする。
次のステップF108では、フラグI4の値が1であるか否
かの判断が行なわれる。なお、このフラグI4は、値が0
であることによって、走行状態指定部(図示省略)によ
り定車速走行が指定されるべきことを示すものである。
ここでは、加速スイッチ45の切換によって指定された
車両の加速走行がまだ行なわれている間に切換スイッチ
46の接点がON状態となっているので、今回の制御サイク
ルは接点がON状態となってから最初のものであって、フ
ラグI4の値は、第12図のステップE116で1とされた後、
変化しておらず、I4=1であると判断されてステップF1
09へ進む。
ステップF109で、制御部25の走行状態切換部12がフラ
グI4の値を0としてステップF110へ進む。このステップ
F110では、第8図(iv)のステップA123〜A128による割
込制御で求められた最新の実車速VAIを入力し、今回の
制御サイクルにおける切換スイッチ制御を終了する。
第12図のステップE128の切換スイッチ制御を上述のよ
うにして行なうと、次のステップE129へ進んで、フラグ
I4の値が1であるか否かの判断が行なわれた時には、フ
ラグI4は、第13図のステップF109において値を0とされ
ているので、I4=1でないと判断されて、ステップE132
へ進み、制御部25の走行状態指定部3の指定が定車速走
行に切換わる。
ステップE132では、フラグI6の値が1であるか否かが
判断されるが、フラグI6の値は、第13図のステップF105
において1としているので、I6=1であるとしてステッ
プE105へ進む。
ステップE105およびこのステップE105に続くステップ
E106〜E109による制御は、前に述べたアクセルペダル27
解放後最初の制御サイクルにおいてステップE105〜E109
によって行なわれる制御と全く同一である。したがっ
て、この制御(E105〜E109)では、今回の制御サイクル
がスロットル弁31開閉のタイミングに該当するか否かに
かかわらず、切換スイッチ46による切換時の実車速VAI
を目標車速として、定車速走行を行ないうると推測され
るスロットル弁開度までスロットル弁31の回動が行なわ
れる。そして、この結果、エンジン13から所要の(定車
速走行に要する大きさの)トルクにほぼ等しいトルクが
出力され、車両の走行状態は加速走行から定車速走行へ
と変化を開始する。
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御
サイクルでは以上に述べたような制御で行なわれるが、
次の制御サイクル以降も引続きオートクルーズモード制
御が行なわれて、加速スイッチ45の操作は行なわない場
合には、上述の場合と同様にして、第12図のステップE1
01およびステップE110を経てステップE128へ進んで切換
スイッチ制御が行なわれる。
この切換スイッチ制御も、上述のように、第13図のス
テップF101〜F121に示すフローチャートに従って行なわ
れるが、ステップF101からステップF102へ進んだ場合、
ここでは、切換スイッチ46の接点がON状態を継続してお
り、この接点がON状態となってから最初の制御サイクル
のステップF104でフラグI5の値が1となったままなの
で、ステップF103でのフラグI5の値が1であるか否かの
判断によって、ステップF113へ進む。
ステップF113では、フラグI4の値が1であるか否かが
判断される。フラグI4は、切換スイッチ46の接点がON状
態となってから最初の制御サイクルのステップF109で値
を0とされているので、I4=1でないとして、ステップ
F112へ進む。そして、ステップF112で、フラグI6の値を
0として今回の制御サイクルにおける切換スイッチ制御
を終了する。
一方、ステップF101からステップF111へ進んだ場合に
は、このステップF111でフラグI5の値を0とした後、ス
テップF112でフラグI6の値を0として今回の制御サイク
ルにおける切換スイッチ制御を終了する。
したがって、切換スイッチ46の接点が、1サイクル前
の制御サイクルから引き続いてON状態にある場合と、今
回の制御サイクルで接点がON状態でなくなった場合とで
は、切換スイッチ制御において、フラグI5の値の設定の
みが異なる。
次に、切換スイッチ制御終了後、第12図のステップE1
29へ進むと、フラグI4の値が1であるか否かが判断され
るが、上述のように、フラグI4の値は第13図のステップ
F109で0となったままなので、ステップE129の判断によ
ってステップE132へ進み、制御部25の走行状態指定部3
の指定は定車速走行のままとなる。
ステップE132では、フラグI6の値が1であるか否かが
判断される。ここでは、フラグI6の値は第13図のステッ
プF112で0とされているので、ステップE132からステッ
プE133へ進み、目標車速制御が行なわれる。
この目標車速制御は、前に述べたように、第16図のス
テップJ101〜J116に示すフローチャートに従って行なわ
れる。
最初のステップJ101では、フラグI8の値が1であるか
否かの判断が行なわれる。このフラグI8は、オートクル
ーズモード制御によってほぼ一定の車速で車両が走行し
ていることを値が0であることにより示すものである。
ここでは、フラグI8の値は、前述したように、切換スイ
ッチ46の接点をON状態にしてから最初の制御サイクル
で、第12図のステップE132からステップE105を経てステ
ップE106へ進んだ際に1とされているので、ステップJ1
01の判断によってステップJ102へ進む。
ステップJ102〜J107に従って行なわれる制御は、アク
セルペダル27解放後の最初の制御サイクルで第12図のス
テップE101〜E109に従って制御を行なった後の第2回目
以後の制御サイクルにおいて、ステップE133の目標車速
制御で行なわれるものと全く同一である。
即ち、実加速度DVSを徐々に減少させるために必要な
目標加速度DVSの設定が、スロットル弁開閉タイミング
サイクル毎に行なわれる。
この目標車速制御終了後に行なわれるステップE123〜
E127の制御は、これまでの各場合において述べたものと
同様であって、スロットル弁開閉タイミングサイクル毎
に、目標加速度DVSに等しい車両の加速度が得られるよ
うなスロットル弁開度へ、スロットル弁31の開閉(開度
調整)を行なう。
この結果、車両の加速度が徐々に減少し、走行速度
は、切換スイッチ46の接点をONして定車速走行となった
時の実車速VAIに徐々に接近し、やがてほぼ一定とな
る。
そして、第16図のステップJ104において、実加速度DV
Aの絶対値|DVA|が予め設定された基準値Kαより小さい
と判断すると、ステップJ108でフラグI8の値を0とした
後、ステップJ109〜J116に従って制御を行なう。
このステップJ109〜J116に従う制御も、ステップJ101
〜J107の制御と同様に、アクセルペダル27解放によって
オートクルーズモード制御が行なわれる際に第12図のス
テップE133の目標車速制御で行なわれる制御と全く同一
である。また、ステップJ104の判断が行なわれた制御サ
イクルの次の制御サイクル以降は、ステップJ108でフラ
グI8の値が0とされているので、ステップJ101からステ
ップJ109へ進み、同様の制御が行なわれる。
即ち、車両の走行速度がほぼ一定となってから後は、
走行速度を引続き一定に維持するために必要な目標加速
度DVSの設定が行なわれ、目標車速変更スイッチ48を第
6図中の(+)側あるいは(−)側に切換えた時には、
この切換に従って、走行速度を一定に維持するための目
標車速VSの設定値の増減が行なわれる。
さらに、目標車速制御の終了後に行なわれるステップ
E123〜E127の制御によって、上述のように、スロットル
弁31が、所要のスロットル弁開度(目標加速度DVSに等
しい車両の加速度を得るスロットル弁開度)に開閉さ
れ、この結果、車両は目標車速にほぼ一致して一定した
走行速度で定車速走行を行なう。
以上述べたように、車両の加速走行が行なわれている
時に切換スイッチ46の接点をON状態とすると、制御部25
の走行状態指定部3の指定が定車速走行に切換わり、こ
の切換が行なわれた時の実車速VAIが、定車速走行時の
目標車速となる。
そして、アクセルペダル27の解放によって定車速走行
状態へ移行した場合と同様にして、車両の走行速度がほ
ぼ一定に維持される。
次に、加速スイッチ45が第6図中の のいずれかの位置にあって、オートクルーズモード制御
が行なわれ、走行状態指定部3の指定が定車速走行にな
っている時に、オートクルーズスイッチ18の操作部18a
を手前側に引いて切換スイッチ46の接点をON状態とした
場合について説明する。
この場合、切換スイッチ46の接点がON状態となると、
前述の場合と同様にして、第12図のステップE101からス
テップE110へ進む。このステップE110では、加速スイッ
チ45の操作が行なわれていないので、加速スイッチ45の
位置が前回の制御サイクルから変更になっていないと判
断してステップE128へ進む。
ステップE128では、前述のように、第13図のステップ
F101〜F121に示すフローチャートに従って切換スイッチ
制御が行なわれる。
つまり、初めに、ステップF101において、第8図
(i)のステップA103で入力された接点情報に基づき、
切換スイッチ46の接点がON状態にあるか否かが判断さ
れ、この判断によってステップF102へ進む。
ステップF102では、フラグI3の値を1として、ステッ
プF103へ進み、このステップF103で、フラグI5の値が1
であるか否かの判断を行なう。前回までの制御サイクル
では、加速スイッチ45および切換スイッチ46をともに操
作しない状態でオートクルーズモード制御が行なわれて
おり、フラグI5の値はステップF111で0とされている。
したがって、切換スイッチ46の接点をON状態としてから
最初の制御サイクルでは、ステップF103での判断によっ
てステップF104へ進み、このステップF104で、フラグI5
の値を1とした後、ステップ105へ進む。
なお、次回以降の制御サイクルでも切換スイッチ46の
接点がON状態にあって引続きオートクルーズモード制御
が行なわれてステップF103へ進んだ場合には、上述のよ
うに切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制
御サイクルのステップF104でフラグI5の値は1とされて
いるので、ステップF103での判断によってステップF113
へ進む。
次に、ステップF103からステップF104を経てステップ
F105へ進んだ場合、ステップF105でフラグI6の値を1と
し、次のステップF106でフラグI12の値を0とした後、
ステップF107へ進む。
ステップF107では、今回の制御サイクルが切換スイッ
チ46の接点をON状態としてから最初の制御サイクルであ
るので、前回の制御サイクルまで指定されていた車両の
走行状態と異なる走行状態が制御部25の走行状態指定部
3によって指定される。このため、ここでは、前述のよ
うに、実際の加速度値に対する追従性の高さを優先し
て、実加速度DVAの値を第8図(i)のステップA103で
入力されたDVA65とする。
次のステップF108では、フラグI4の値が1であるか否
かの判断が行なわれる。
ここで、加速スイッチ45を切換えて車両の加速走行を
行なった後、前述のようにして、走行速度が到達目標車
速に定車速走行状態となった場合には、フラグI4の値は
第17図のステップL120で0とされる。
アクセルペダル27の解放によってオートクルーズモー
ド制御が行なわれて定車速走行状態となった場合には、
フラグI4の値は第12図のステップE102で0とされる。ま
た、ブレーキペダル28の解放によってオートクルーズモ
ード制御が行なわれて定車速走行状態となった場合に
は、フラグI4の値は第10図のステップC145で0とされ
る。
さらに、切換スイッチ46の接点をON状態にすることに
よって定車速走行状態となった場合には、前述のよう
に、フラグI4の値は第13図のステップF109で0とされて
いる。
したがって、ステップF108では、I4=1でないと判断
して、ステップF117へ進む。
ステップF117で、フラグI4の値を1とし、次のステッ
プF118でフラグI9の値を0とした後、ステップF119で、
第8図(i)のステップA103で入力された接点情報から
加速スイッチ45が第6図中の の位置にあるか否かが判断される。
加速スイッチ45の位置は第6図の のいずれかの位置にあるので、ステップF117の判断によ
ってステップF121に進み、制御部25の走行状態指定部3
による指定が加速走行に切換わる。
ステップF121では、制御部25の到達目標車速設定部6
で、今回の制御サイクルにおいて車速・加速度検出部24
により検出され第8図(i)のステップA103で入力され
た実車速VAと、前述の第12図のステップE120で使用する
ものと同一の予め設定された補正量 とを加えた値 が、加速走行時の到達目標車速VSとして設定される。
これにより、今回の制御サイクルにおける切換スイッ
チ制御を終了する。
このように、切換スイッチ制御では、定車速走行状態
にある際に加速スイッチ45を第6図中の のいずれかの位置に切換えた時と、同様に加速走行時の
到達目標車速VSが設定される。
第12図のステップE128の切換スイッチ制御を上述のよ
うにして行なうと、次にステップE129へ進み、フラグI4
の値が1であるか否かが判断されるが、上述のようにフ
ラグI4は第13図のステップF117で値を1とされているの
で、ステップE129の判断でステップE130へ進む。
ステップE130では、加速スイッチ45の位置が第6図中
の位置にあるか否かが、第8図(i)のステップA103で
入力された接点情報に基づいて判断される。ここでは、
加速スイッチ45の位置は第6図中の のいずれかの位置にあるので、ステップE130で の位置にないとして、ステップE121へ進む。
このステップE121で、制御部25の目標加速度設定部4
による加速スイッチ制御が行なわれ、続くステップE122
で、主として制御部25の加速制御部9による加速制御が
行なわれる。
このような切換スイッチ46の入力による加速スイッチ
制御および加速制御は、加速スイッチ45を切換えて車両
の加速走行状態を指定した時に行なわれる加速スイッチ
制御および加速制御と同一であり、また、切換スイッチ
46の入力後最初の制御サイクルで行なわれる制御は、上
記の加速スイッチ45を切換えて車両の加速走行状態を指
定した時に加速スイッチ45切換後最初の制御サイクルで
行なわれる制御と同一である。さらに、切換スイッチ46
を入力してから最初に訪れるスロットル弁31開閉のタイ
ミングに該当する制御サイクルでの制御は、上記の加速
スイッチ45を切換えて車両の加速走行状態を指定した時
に加速スイッチ45切換後最初に訪れるタイミングに該当
する制御サイクルの制御と同一である。
即ち、切換スイッチ46の入力後、最初の制御サイクル
では、加速スイッチ制御によって、加速スイッチ45の位
置に対応する、一定加速度走行状態の際の目標加速度DV
S2の設定が行なわれ、次の加速制御によって、実車速VA
が予め設定された基準値K5より低い時には、目標加速度
DVS2の値が実車速に対応する値に変更される。
また、制御サイクルがスロットル弁31開閉のタイミン
グに該当する場合には、さらに加速制御によって、実加
速度DVAに予め設定された補正量ΔDV1が加えられて、こ
のDVA+ΔDV1の値が車両の加速走行開始を滑らかに行な
うための目標加速度DVSとして設定される。
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御
サイクルが開閉のタイミングに該当する場合には、加速
制御を終了するとステップE123〜ステップE127に従っ
て、これまでに述べたようにしてスロットル弁31が開閉
され、目標加速度DVSにほぼ等しい加速度で車両の加速
が開始される。
また、この制御サイクルが開閉のタイミングに該当し
ない場合には、この制御サイクルでの加速制御による目
標加速度DVSの設定およびステップE123〜E127によるス
ロットル弁31の開閉を行なわずに、制御サイクルでのオ
ートクルーズモード制御を終了する。
以上述べたようにして、切換スイッチ46の接点をON状
態としてから最初の制御サイクルにおける制御が行なわ
れるが、次の制御サイクル以降もアクセルペダル27およ
びブレーキペダル28が踏込まれず、引続きオートクルー
ズモード制御が行なわれて、加速スイッチ45の切換も行
なわれない場合には、再び上述の場合と同様にして、第
12図のステップE101およびステップE110を経て、第13図
のステップF101へ進み、切換スイッチ46の接点がON状態
にあるか否かが判断される。
また、切換スイッチ46の接点を前の制御サイクルから
引き続いてON状態としている場合には、ステップF101の
判断によってステップF102へ進み、オートクルーズモー
ド18の操作部18aを解放して元の位置に戻す。一方、切
換スイッチ46の接点をOFF状態としている場合には、ス
テップF101の判断によってステップF111へ進む。
ステップF101からステップF102へ進んだ場合には、ス
テップF102でフラグI3の値を1とした後、ステップF103
へ進み、ステップF103でフラグI5の値が1であるか否か
が判断される。フラグI5の値は、前に述べたように、切
換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御サイ
クルのステップF104で1とされており、接点は引続きON
状態のままであるので、ステップF101の判断によってス
テップF113へ進む。
ステップF113では、フラグI4の値が1であるか否かが
判断されるが、フラグI4の値は、この制御サイクルのス
テップF117で1とされているので、ステップF113の判断
によってステップF114に進む。
ステップF114では、第8図(i)のステップA103で入
力された接点情報に基づき、加速スイッチ45が第6図中
の位置にあるか否かが判断される。いま、加速スイッチ
45は第6図中の のいずれかの位置にあるので、ステップF114の判断によ
ってステップF116へ進む。
このステップF116では、制御部25の到達目標車速変更
制御部6aで、前回の制御サイクルにおける到達目標車速
VSに、予め設定された補正量VT1を加えた値(VS+VT1
を、今回の制御サイクルにおける加速走行の到達目標車
速VSとして指定する。
なお、前回の制御サイクルにおける到達目標車速VS
は、この制御サイクルが切換スイッチ46の接点をON状態
としてから最初の制御サイクルである場合には、ステッ
プF121で値を指定されたものであり、一方、最初の制御
サイクルではない場合には、ステップF116で値を指定さ
れたものである。
したがって、切換スイッチ46の接点をON状態とする
と、最初の制御サイクルで実車速VAに予め設定された補
正量 を加えた値が加速走行の際の到達目標車速VSとして指定
される。切換スイッチ46のON状態を継続すると、この継
続の時間の増大に伴い制御サイクル毎に予め設定された
補正量VT1ずつ到達目標車速VSが増加する。つまり、 となる。
次に、ステップF116からステップF112へ進むと、フラ
グI6の値を0として今回の制御サイクルにおける切換ス
イッチ制御を終了する。
今回の制御サイクルで切換スイッチ46の接点がON状態
となっておらず、ステップF101の判断によってステップ
F111へ進んだ場合には、このステップF111においてフラ
グI5の値を0としてステップF112へ進む。ステップF112
では、上述のようにフラグI6の値を0として、今回の制
御サイクルにおける切換スイッチ制御を終了する。
以上のようにして切換スイッチ制御を終了し、次に、
第12図のステップE129へ進む。このステップE129では、
フラグI4の値が1であるか否かの判断が行なわれるが、
上述したように、フラグI4の値は、第13図のステップF1
17で1とされているので、ステップG129の判断によって
ステップE130へ進む。
ステップE130では、加速スイッチ45が第6図中の の位置にあるか否かの判断が行なわれる。ここでは、加
速スイッチ45は同図中の の位置にあるので、ステップE130からステップE121へ進
む。
ステップE121及びこれに続くステップE122〜E127の制
御は、前述のように、加速スイッチ45を切換えてから2
番目の制御サイクル以降に行なわれる制御と同一であ
る。
即ち、ステップE121の加速スイッチ制御では、加速ス
イッチ45の位置の変更がないので、切換スイッチ46の接
点をON状態としてから最初の制御サイクルで設定された
値が、引続き一定加速度走行の際の目標加速度DVS2とし
て設定される。
また、ステップE122の加速制御によって、加速開始の
際には車両の加速度を滑らかに目標加速度DVS2まで上昇
させ、この後、目標加速度DVS2で車両の加速を行なっ
て、車両の走行速度を到達目標車速VSに到達させる際に
は到達目標車速VSの到達前に加速度を徐々に減少させる
ように目標加速度DVSの設定が行なわれる。
さらに、この時、実車速VAが予め設定された基準値K5
より低ければ、目標加速度DVS2が実車速VAに対応する値
に変更される。そして、スロットル弁開閉タイミングサ
イクル毎に、目標加速度DVSに基づいてスロットル弁31
の開閉を行なう。これにより、車両が目標加速度DVSに
ほぼ等しい加速度で加速される。
このような加速によって、車両の走行速度が到達目標
車速VSにほぼ等しくなった場合も、加速スイッチ45の切
換によって加速制御が行なわれた時と同様に、ステップ
E122の加速制御においてフラグI4の値が0とされる。し
たがって、次の制御サイクル以降では、ステップE129か
らステップE132を経てステップE133へ進んで、到達目標
車速VSを目標車速とする目標車速制御で、車両の定車速
走行が行なわれる。
以上述べたように、加速スイッチ45が第6図中の の位置に保持され、オートクルーズモード制御が行なわ
れて、車両が定車速走行状態にある時には、オートクル
ーズスイッチ18の操作部18aを第6図中の手前側に引い
て切換スイッチ46の接点を入力すると、制御部25の走行
状態指定部3の指定が加速走行となり、加速スイッチ45
切換時と同様にして、加速スイッチ45の位置に応じた加
速度、車両の加速走行が滑らかに行なわれる。
また、この時、加速走行時の到達目標車速が、定車速
走行状態の際の車両の走行速度より一定量だけ高い値に
設定され、この到達目標車速は切換スイッチ46を第6図
中の手前側に引いている時間を長くすることによって増
加する。
そして、加速走行によって車両の走行速度が到達目標
車速に達した後は、走行状態指定部3の指定が定車速走
行に切換わり、到達目標車速を目標車速とする車両の定
車速走行が行なわれる。
以上、加速スイッチ45を の位置に切換えた場合、および、加速スイッチ45が の位置にある時にオートクルーズスイッチ18の操作部18
aを手前側に引いて切換スイッチ46の接点をON状態とし
た場合について述べたが、次に、加速スイッチ45を の位置に切換えた場合、および、加速スイッチ45が の位置にある時に操作部18aを手前側に引いて切換スイ
ッチ46の接点をON状態にした場合について述べる。
加速スイッチ45を第6図中の の位置に切換ることにより、あるいは、加速スイッチ45
の位置にあって車両が定車速走行状態にある時に切換ス
イッチ46の接点をON状態とすることにより、車両の加速
走行状態が指定される。そして、車両の加速が行なわれ
ている時に、加速スイッチ45を の位置に切換えた場合には、前回の制御サイクルにおい
てもアクセルペダル27は踏込まれていないので、第12図
のステップE101で、アクセルスイッチ12の接点が前回の
制御サイクルでON状態にあったと判断してステップE110
へ進む。
ステップE110では、前述のように、加速スイッチ45の
位置が前回の制御サイクルから変更になっているか否か
の判断が第8図(i)のステップA103で入力された接点
情報に基づいて行なわれる。加速スイッチ45は、前回の
制御サイクルでは の位置にあり、今回の制御サイクルでは の位置になるので、ステップE110の判断によりステップ
E111へ進む。
このステップE111およびそれに続くステップE112〜E1
13において、前述のようにフラグI3の値を1に、またフ
ラグI5およびフラグI9の値を0にする。ついで、ステッ
プE114において、加速スイッチ45が の位置にあるか否かの判断を、第8図(i)のステップ
A103で入力された接点情報に基づいて行なう。
加速スイッチ45は、今回の制御サイクルにおいて、 の位置にあるので、ステップE114からステップE115へ進
み、フラグI4の値を0とした後、ステップE104へ進む。
このステップE104およびこれに続くステップE105〜E1
09の制御は、前述したアクセルペダル27解放後最初の制
御サイクルにおいて行なわれるステップE104〜E109の制
御と全く同一である。
この制御により、今回の制御サイクルがスロットル弁
31開閉のタイミングに該当するか否かにかかわらず、加
速スイッチ45を の位置に切換えた直後の実車速VAIを目標車速として定
車速走行を行なうよう制御される。具体的には、この定
車速走行に必要なトルクをエンジン13から得られるよう
に、スロットル弁31を適度なスロットル弁開度に調整す
る。そして、この結果、エンジン13からほぼ所望の大き
さのトルクが出力されて、車両の走行状態は加速走行か
ら定車速走行へと変化を開始する。
加速スイッチ45を の位置に切換えてから最初の制御サイクルでは、以上に
述べたような制御が行なわれるが、次の制御サイクル以
降も引続きオートクルーズモード制御が行なわれる。そ
して、加速スイッチ45が の位置に保持されるとともに、切換スイッチ46の操作も
行なわれない場合には、上述の場合と同様にして第12図
のステップE101からステップE110へ進み、加速スイッチ
45の位置が前回の制御サイクルから変更になっているか
否かが判断される。
上述のように、加速スイッチ45は に保持されて、前回の制御サイクルから位置は変更され
ていないので、ステップE110からステップE128へ進み、
切換スイッチ制御が行なわれる。
この切換スイッチ制御は、前述のように、第13図のス
テップF101〜F121に示すフローチャートに従って行なわ
れる。
最初のステップF101では、切換スイッチ46が操作され
ていないので、前述のように、切換スイッチ46の接点は
ON状態ではないと判断され、ステップF111へ進む。
そして、ステップF111でフラグI5の値を0とし、次に
ステップF112でフラグI6の値を0として、今回の制御サ
イクルにおける切換スイッチ制御を終了する。
次に、第12図のステップE129へ進むと、フラグI4の値
が1であるか否かの判断が行なわれるが、フラグI4は、
上述のように、加速スイッチ45を の位置に切換えてから最初の制御サイクルのステップE1
15で値を0とされているので、ステップE129の判断によ
ってステップE132へ進み、制御部25の走行状態指定部3
の指定が定車速走行に切換わる。
ステップE132では、フラグI6の値が1であるか否かの
判断が行なわれ、このフラグI6は第13図のステップF112
で値を0とされているので、ステップE132の判断によっ
てステップE133へ進んで、目標車速制御が行なわれる。
この目標車速制御は、前述のように、第16図のステッ
プJ101〜J116に示すフローチャートに従って行なわれ
る。
つまり、最初のステップJ101では、フラグI8の値が1
であるか否かの判断が行なわれる。このフラグI8は、加
速スイッチ45を の位置に切換えてから最初の制御サイクルの第12図のス
テップE106で値を1とされているので、ステップJ101か
らステップJ102へ進む。
このステップJ102およびそれに続くステップJ103〜J1
07の制御は、アクセルペダル27の解放後の最初の制御サ
イクルで第12図のステップE101〜E109に従って制御を行
なって、これ以降の制御サイクルでステップE133へ進ん
で、この結果、ステップJ102〜J107に従って行なわれる
目標車速制御と全く同一である。即ち、実加速度DVAを
徐々に減少させるために必要な目標加速度VDSの設定
が、スロットル弁31の開閉を行なうタイミングに該当す
る制御サイクル毎に行なわれる。
以上にようにして、目標車速制御を終了すると、次
に、第12図のステップE123〜E127に従い、これまでの各
場合において述べたようにして制御が行なわれ、目標加
速度DVSに等しい車両の加速度を得られるようなスロッ
トル弁開度へのスロットル弁31の開閉が、開閉するタイ
ミングに該当する制御サイクル毎に行なわれる。そし
て、この結果、車両の加速度が徐々に減少し、走行速度
が、加速スイッチ45切換直後の実車速VAIに徐々に接近
してほぼ一定となる。
このようにして、車両の加速度が減少し、第16図のス
テップJ104において、実加速度DVAの絶対値|DVA|が予め
設定された基準値Kαより小さいと判断されると、ステ
ップJ108でフラグI8の値を0とした後、ステップJ109へ
進む。そして、このステップJ109およびこれに続くステ
ップJ110〜J116に従って制御が行なわれる。また、ステ
ップJ104の判断が行なわれた後の各制御サイクルでは、
ステップJ108でフラグI8の値を0としているので、ステ
ップJ101からステップJ109へ進み、同様に制御が行なわ
れる。
このステップJ109〜J116に従って行なわれる制御は、
アクセルペダル27解放後のオートクルーズモード制御に
おいて上述のようにステップJ101〜J108に従って制御が
行なわれ、特にステップJ104の判断によって、ステップ
J108に進んだ後、ステップJ109〜J116に従って行なわれ
る制御と全く同一である。
そして、次に第12図のステップE123〜E127に従って制
御が行なわれる。これによって、目標加速度DVSに等し
い車両の加速度を得るスロットル弁開度へのスロットル
弁31の開閉が、スロットル弁開閉タイミングサイクル毎
に行なわれる。この結果、車両が目標車速VSにほぼ一致
して一定した走行速度で定車速走行を行なう。
以上述べたように、加速スイッチ45を切換えること、
または、切換スイッチ46の接点をON状態とすることによ
り、車両の加速走行が行なわれている時に加速スイッチ
45を の位置に切換えた場合には、制御部25の走行状態指定部
3の指定が定車速走行に切換わり、加速スイッチ45切換
直後の実車速VAI、即ち、走行状態の指定が定車速走行
に切換わった時の車速を、目標車速として一定の速度で
走行するための制御が行なわれる。
この制御は、アクセルペダル27の解放により定車速走
行状態へ移行した場合、あるいは車両が加速走行を行な
っている際に切換スイッチ46の接点をON状態にした場合
と同様の制御である。そして、この結果、車両の走行速
度が目標車速にほぼ一致して一定に維持される。
なお、加速スイッチ45が の位置にあって、制御部25の走行状態指定部3の指定が
定車速走行になっているので、車両が定車速走行状態に
ある時に加速スイッチ45を の位置に切換えると、上述と同様の制御が行なわれる。
この場合には、切換前から既に指定が定車速走行となっ
ているので、同一の目標車速で引続き定車速走行が行な
われ、車両の走行状態に変化は発生しない。
次に、加速スイッチ45が の位置に保持され、且つ、オートクルーズモード制御が
行なわれるとともに、制御部25の走行状態指定部3の指
定が定車速走行であるため車両が定車速走行状態にある
時に、オートクルーズスイッチ18の操作部18aを第6図
中の手前側に引いて切換スイッチ46の接点をON状態とし
た場合について以下に説明する。
この場合、切換スイッチ46の接点をON状態とすると、
前述の場合と同様にして、第12図のステップE101〜ステ
ップE110へ進み、さらに、ステップE110では、加速スイ
ッチ45の操作が行なわれていないので、加速スイッチ45
の位置が前回の制御サイクルから変更になっていないと
判断してステップE128へ進む。
このステップE128では、前に述べたように、切換スイ
ッチ制御が行なわれ、初めに、第13図のステップF101に
おいて、第8図(i)のステップA103で入力された接点
情報に基づき、切換スイッチ46の接点がON状態にあるか
否かの判断が行なわれる。
いま、切換スイッチ46の接点はON状態にあるので、ス
テップF101からステップF102へ進み、フラグI3の値が1
とされ、次のステップF103で、フラグI5の値が1である
か否かの判断が行なわれる。
切換スイッチ46の接点がON状態となってから最初の制
御サイクルでは、前回までの制御サイクルにおいて加速
スイッチ45および切換スイッチ46を共に操作しない状態
でオートクルーズモード制御が行なわれているので、フ
ラグI5の値はステップF111で0とされている。したがっ
てF103の判断によって、ステップF104へ進む。
このステップF104でフラグI5の値を1とし、次のステ
ップF105でフラグI6の値を1とし、さらに、ステップF1
06でフラグI12の値を0として、ステップF107へ進む。
このステップF107では、今回の制御サイクルが切換ス
イッチ46の接点をON状態としてから最初の制御サイクル
であるので、前回の制御サイクルまで指定されていた車
両の走行状態と異なる走行状態が制御部25の走行状態指
定部3によって指定される。このため、前に述べたよう
に、実際の値に対する追従性の高さを優先して、実加速
度DVAの値を第8図(i)のステップA103で入力されたD
VA65とする。
次のステップF108では、フラグI4の値が1であるか否
かの判断が行なわれるが、前に述べたように、フラグI4
の値は0となっている。
つまり、切換スイッチ44の接点をON状態とする前の定
車速走行状態が、加速スイッチ44の切換によるものであ
る場合には、第12図のステップE115で、フラグI4の値は
0となる。
また、アクセルペダル27解放によって移行したもので
ある場合には、第12図のステップE102で、フラグI4の値
は0となる。
さらに、ブレーキペダル28解放によって移行したもの
である場合には、第10図のステップC145で、フラグI4
値は0となる。
そして、切換スイッチ46の接点をON状態とすることに
よる場合には、第13図のステップF109で、フラグI4の値
は0となる。
したがって、ステップF108の判断によってステップF1
17へ進むのである。
そして、ステップF117でフラグI4の値を1とし、次の
ステップF118でフラグI9の値を0とした後、ステップF1
19へ進むと、第8図(i)のステップA103で入力された
接点情報から加速スイッチ45が の位置にあるか否かの判断を行なう。
この場合、加速スイッチ43は の位置にあるので、ステップF119の判断によってステッ
プF120へ進み、制御部25の走行状態指定部3の指定が減
速走行に切換わる。
このステップF120では、第8図(i)のステップA103
で入力された実車速VAから予め設定された補正量 を減じた値が、制御部25の到達目標車速設定部6によっ
て減速走行時の到達目標車速として定められる。これに
より、今回の制御サイクルにおける切換スイッチ制御を
終了する。
次に、第12図のステップE129へ進むと、フラグI4の値
が1であるか否かの判断が行なわれるが、このフラグI4
の値は、上述のように、第13図のステップF117で1とさ
れているので、ステップE129からステップE130へ進む。
ステップE130では、第8図(i)のステップA103で入
力された接点情報に基づき、加速スイッチ45が の位置にあるか否かの判断が行なわれるが、いま、加速
スイッチ45は の位置にあるので、ステップE130からステップE131へ進
み、このステップE131で減速制御が行なわれる。
この減速制御は、到達目標車速VSまでの車両の走行速
度を減少させる減速走行を行なうための負の値の目標加
速度(つまり目標減速度)DVSの設定を行なうものであ
って、第15図のステップH101〜H110に示すフローチャー
トに従い主として制御部25の減速制御部10および目標加
速度設定部4により行なわれる。
つまり、初めに、ステップH101において、到達目標車
速VSと第8図(i)のステップA103で入力された実車速
VAとの差の絶対値|VS−VA|が、予め設定された基準値K4
より小さいか否かの判断が行なわれる。
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御
サイクルでステップH101に進んだ場合には、上述したよ
うに到達目標車速VSが実車速VAから補正量 を減じたものであるので、絶対値|VS−VA|は補正量 に等しい。そして、補正量 は基準値K4より大きく設定されているので、|VS−VA|>
K4となって、ステップH102へ進む。
このステップH102で、到達目標車速VSと実車速VAとの
差VS−VAを算出した後、次のステップH103で、差VS−VA
に対応する目標加速度DVS5をマップ#MDVS5から読出
す。そして、次のステップH104で、減速走行時の目標加
速度DVSの値として目標加速度DVS5を指定して、今回の
制御サイクルにおける減速制御を終了する。
上記のマップ#MDVS5は、差VS−VAをパラメータとし
て、減速走行時の目標減速度に対応する目標加速度DVS5
を求めるためのものであって、差VS−VAと目標加速度DV
S5とは、第25図に示す対応関係を有する。したがって、
目標加速度DVS5は、差VS−VAが正の値である限り負の値
であり、実質的に減速度となる。
以上のようにして減速制御により目標加速度DVSの設
定を行なった後、第12図のステップE123へ進む。そし
て、前述のように、車両の加速度を目標加速度DVSに等
しくするために必要なエンジン13の目標トルクTOM2の算
出を前記の式(5)を使用して行なう。
この切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の
制御サイクルの場合では、目標加速度DVSとして負の値
を有する目標加速度DVS5を指定しており、制御サイクル
の前までの車両走行状態が定車速走行であるため、実加
速度DVAはほぼ0になっている。したがって、この場
合、式(5)によって算出される目標トルクTOM2は、エ
ンジン13が出力している実トルクTEMより小さい値とな
る。
次にステップE124へ進むと、ステップE123で算出され
た目標トルクTOM2と、第8図(i)のステップA103で入
力されたエンジン回転数NEとに対応するスロットル弁開
を、マップ#MTH(図示省略)から読出し、ステップE12
5へ進む。
なお、ステップE123およびステップE124の制御は、制
御部25の走行状態指定部3の指定が減速走行であるの
で、制御部25の減速制御部10によって行なわれる。
マップ#MTH(図示省略)におけるスロットル弁開度 の最小値は、エンジンアイドル位置となる最小開度に対
応するものであって、目標トルクTOM2がエンジン13から
出力可能な最小のトルクより小さい値となった場合に
は、スロットル弁開度 には最小開度が指定される。
そして、ステップE125およびそれに続くステップE126
〜127の制御は、これまでに述べた各場合において行な
われるものと同一であって、今回の制御サイクルがスロ
ットル弁31の開閉のタイミングに該当する場合には、ス
テップE124で指定されたスロットル弁開度 へのスロットル弁31の開閉が行なわれるとともに、フラ
グI12の値が1とされる。
そして、この結果、目標トルクTOM2がエンジン13から
出力可能な最小のトルクより大きい時には、この目標ト
ルクTOM2のほぼ等しいトルクがエンジン13から出力さ
れ、逆に、目標トルクTOM2がエンジン13からの最小のト
ルクより小さい時には、スロットル弁31がエンジンアイ
ドル位置となる最小開度に保持されて、エンジンブレー
キによる減速を開始し、車両の走行状態が定車速走行か
ら減速走行へと移行する。
また、今回の制御サイクルが、開閉のタイミングに該
当しない場合には、スロットル弁の開閉が行なわれずに
今回の制御サイクルにおけるオートクルーズモード制御
を終了する。
以上のようにして、切換スイッチ46の接点をON状態と
してから最初の制御サイクルにおける制御をおこなった
後、次の制御サイクル以降においても引続きオートクル
ーズモード制御が行なわれる。加速スイッチ45の切換が
行なわれない場合には、再び上述の場合と同様にして、
第12図のステップE101およびステップE110を経て、第13
図のステップH101へ進み、切換スイッチ46の接点がON状
態にあるか否かが判断される。
切換スイッチ46の接点を前の制御サイクルから引き続
いてON状態としている場合には、ステップF102へ進み、
オートクルーズスイッチ18の操作部18aを解放して切換
スイッチ46の接点をOFF状態としている場合には、ステ
ップF111へ進む。
ステップF101からステップF102へ進んだ場合には、前
述したように、加速スイッチ45が の位置にある時に切換スイッチ46の接点をON状態にして
車両の加速走行状態を指定した際の2回目以降の制御サ
イクルで接点がON状態を継続している場合と同様にし
て、ステップF102からステップF103およびステップF113
を経てステップF114に進む。
ステップF114では、第8図(i)のステップA103で入
力された接点情報に基づき、加速スイッチ45が の位置にあるか否かが判断されるが、ここでは、加速ス
イッチ45は、 の位置にあるので、ステップF115へ進む。
そして、ステップF115では、制御部25の到達目標車速
変更制御部6aで前回の制御サイクルにおける到達目標車
速VSから予め設定された補正量VT2を減じた値(VS−V
T2)を、今回の制御サイクルにおける到達目標車速VSと
して設定する。
なお、前回の制御サイクルにおける到達目標車速VS
は、前回の制御サイクルが切換スイッチ46の接点をON状
態としてから最初の制御サイクルである場合には、ステ
ップF120で値を設定されたものであり、一方、最初の制
御サイクルではない場合には、ステップF115で値を設定
されたものである。
従って、切換スイッチ46の接点をON状態とすると、最
初の制御サイクルで実車速VAから予め設定された補正量 が減速走行の際の到達目標車速VSとして指定され、接点
のON状態を継続すると、この継続の時間の増大に伴い、
制御サイクル毎に予め設定された補正量VT2ずつ到達目
標車速VSが減少する。つまり、 となる。
次に、ステップF115からステップF112へ進み、フラグ
I6の値を0として、今回の制御サイクルにおける切換ス
イッチ制御を終了する。
今回の制御サイクルで切換スイッチ46の接点がON状態
となってないため、ステップF101からステップF111へ進
んだ場合には、このステップF111においてフラグI5の値
を0とし、次のステップF112でフラグI6の値を0とし
て、今回の制御サイクルにおける切換スイッチ制御を終
了する。
以上のようにして切換スイッチ制御を終了し、次に、
第12図のステップE129へ進む。そして、前述のように、
フラグI4の値が1であるか否かの判断が行なわれる。こ
こでは、フラグI4の値が第13図のステップF117で1とさ
れているので、ステップE129からステップE130へ進む。
ステップE130では、加速スイッチ45の位置が第6図中
の位置にあるか否かの判断が行なわれるが、ここでは、
加速スイッチ45は の位置にあるため、ステップE131へ進んで、引続いて前
述の減速制御が行なわれる。
なお、この時の車両の減速度は目標加速度DVSの絶対
値にほぼ等しい値となるが、ステップE123で算出された
目標トルクTOM2がエンジン13から出力可能な最小トルク
より小さい値となった場合には、前述のようにスロット
ル弁31がエンジンアイドル位置となる最小開度に閉動さ
れるので、エンジンブレーキにより得られる最大の減速
度となり必ずしも目標加速度DVSの絶対値とは等しくな
らない。
この目標加速度DVSの値として設定される目標加速度D
VS5は、第25図に示すように、到達目標車速VSと実車速V
Aとの差VS−VAが同図中に示すVβより大きい場合には
一定の値を有するが、このVβより小さくなると、差VS
−VAの減少に伴って値が0に近づく。したがって、減速
走行によって、実車速VAが到達目標車速VSに近い値とな
った後は、実車速VAの減少に伴って車両の減速の度合が
緩やかになり、車両の走行速度は滑らかに到達目標車速
に接近する。
以上のようにして、車両の減速走行が行なわれ、実車
速VAが減少して絶対値|VS−VA|が基準値K4より小さくな
ると、制御部25の到達検出部11により、車両の走行速度
が到達目標車速VSに到達したことが検出され、ステップ
H101の判断によってステップH105に進む。
このステップH105では、到達目標車速VSと実車速VAと
の差VS−VAの計算を行なう。次のステップH106では、前
述の定車速走行状態への移行の制御と同様に、車両の走
行速度がほぼ一定となって走行状態の急変がないので、
追従性の高さよりも安定性の高さを優先して、第12図の
ステップE123で使用する実加速度DVAの値として、第8
図(iv)の割込制御で算出され第8入図(i)のステッ
プA103で入力された実加速度DVA850を指定する。
次に、ステップH108に進むと、上述のように実車速VA
と到達目標車速VSとがほぼ等しくなり、制御部25の到達
検出部11により車両の走行速度が到達目標車速VSに到達
したとする検出が行なわれているので、目標加速度DVS5
の代わりに、目標加速度DVS4を、第18図のステップM101
〜M106のフローチャートに従って行なわれる制御により
求める。
この制御の内容は、アクセルペダル27を解放してオー
トクルーズモード制御による定車速走行状態へ移行した
時の第16図にステップJ115の制御と全く同一である。
さらに、次のステップH108では、第12図のステップE1
23で使用する目標加速度DVSの値として目標加速度DVS4
を指定してステップH109へ進む。
この目標加速度DVS4は、前に述べたように、定車速走
行時の目標車速VSと第8図(i)のステップA103で入力
された実車速VAとの差VS−VAに対し、第23図あるいは第
24図に示す対応関係をもって設定されるが、いずれの図
においても差VS−VAの増大に伴って、増大する対応関係
にある。したがって、目標加速度DVSは、それまで、減
少していた車両の走行速度を目標車速VS、即ち減速走行
状態にあった時の到達目標車速VSにとどめるためのもの
となる。
ステップH109では、制御部25の走行状態切換部12がフ
ラグI4の値を0とし、次のステップH110ではフラグI8
値を0として、今回の制御サイクルにおける減速制御を
終了し、次に第12図のステップE123〜E127に従って制御
を行なう。
この制御は、これまでに述べた各場合におけるステッ
プE123〜E127の制御と同一であり、ステップE123および
ステップE124の制御は、制御部25の走行状態指定部3の
指定が減速走行であるので、制御部25の減速制御部10に
よって行なわれる。
即ち、減速制御によって値が指定された目標加速度DV
Sに基づいてスロットル弁開度 が設定され、今回の制御サイクルがスロットル弁31の開
閉タイミングに該当する場合には、スロットル弁31がこ
のスロットル弁開度 まで開閉される。そして、この結果、車両の走行速度目
標速度VSにほぼ等しい値にとどまる。
以上のようにして、第15図のステップH105〜H110に従
って制御サイクルの次の制御サイクル以降においても、
引続きオートクルーズモード制御が行なわれる。さら
に、加速スイッチ45および切換スイッチ46が共に操作さ
れない場合には、再び上述の場合と同様にして、第12図
のステップE101およびステップE110を経て、第13図のス
テップF101へ進む。
ここでは、切換スイッチ46の接点は既にOFF状態とな
っているので、前に述べたように、ステップF101の判断
によってステップF111へ進み、フラグI5の値を0とした
後、ステップF112でフラグI6の値を0として、今回の制
御サイクルにおける切換スイッチ制御を終了する。
次に、第12図のステップE129へ進むと、フラグI4の値
が1であるか否かの判断が行なわれるが、フラグI4の値
は前述のように第15図のステップH109で0とされている
ので、ステップE132に進み、制御部25の走行状態指定部
3の指定が定車速走行に切換わる。
このステップE132では、フラグI6の値が1であるか否
かの判断が行なわれるが、このフラグI6の値は、上述の
ように第13図のステップF112で0とされているので、ス
テップE132からステップE133へ進み、目標車速制御が行
なわれる。
この目標車速制御は、第16図のステップJ101〜J116に
示すフローチャートに従って行なわれるが、最初のステ
ップJ101で判断されるフラグI8の値は、前述のように、
第15図のステップH110で0とされているので、加速走行
状態から定車速走行状態へ移行した後と同様にしてステ
ップJ109〜116に従って、前述の制御が行なわれる。
目標車速制御を終了すると、第12図のステップE123〜
E127に従って制御が行なわれ、これまでに述べた場合と
同様にして、上記目標加速度DVSに対応してスロットル
弁31が開閉タイミングに該当する制御サイクル毎に開閉
される。この結果、車両は目標車速VSにほぼ等しく一定
の走行速度で走行する。
以上述べたように、加速スイッチ45が の位置に保持されて、オートクルーズモード制御が行な
われて車両が定車速走行状態にある時に、オートクルー
ズスイッチ18の操作部18aを手前側に引いて切換スイッ
チ46の接点をON状態とした場合には、制御部25の走行状
態指定部3によって減速走行が指定され、接点のON状態
の継続時間の増大に伴って値が減少する到達目標車速VS
まで、車両の走行速度が減少する。そして、走行速度が
到達目標車速VSに到達したことが、制御部25の到達検出
部11によって検出されると、制御部25の走行状態切換部
12が走行状態指定部3の指定を定車速走行に切換え、到
達目標車速VSを目標車速とする定車速走行へ滑らかに移
行する。これにより、車両は、到達目標車速VSにほぼ等
しい走行速度、即ち、走行状態指定部3の指定が定車速
走行に切換わった時の走行速度を維持して走行する。
次に、以上に述べたような車両の減速走行がまだ行な
われている時に、再度オートクルーズスイッチ18の操作
部18aを第6図中の手前側に引いて切換スイッチ46の接
点をON状態とした場合について以下に説明する。
この場合、切換スイッチ46の接点をON状態とすると、
前述の場合と同様にして、第12図のステップE101および
ステップE110を経て第13図のステップF101へ進む。
このステップF101では、第8図(i)のステップA103
で入力された接点情報に基づき、切換スイッチ46の接点
がON状態にあるか否かの判断が行なわれる。いま、接点
はON状態にあるのでステップF102へ進む。
ステップF102では、フラグI3の値を0とし、次のステ
ップF103では、フラグI5の値が1であるか否かの判断を
行なう。
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御
サイクルでこのステップF103へ進んだ場合には、前回の
制御サイクルのステップF111でフラグI5の値を0として
いるので、ステップF103の判断によってステップF104へ
進む。
ステップF104およびそれに続くステップF105〜F106で
は、フラグI5およびフラグI6の値を1に、またフラグI
12の値を0として、次のステップF107に進む。このステ
ップF107では、前述のように、切換スイッチ46の接点を
ON状態にする。
そして、制御部25の走行状態指定部3の指定を異なる
走行状態とした最初の制御サイクルであるので、高追従
性を優先して実加速度DVAの値を第8図(i)のステッ
プA103で入力されたDVA65とする。
次のステップF108では、フラグI4の値が1であるか否
かの判断が行なわれるが、上述のように、車両の減速走
行がまだ行なわれている時に切換スイッチ46の接点をON
状態としており、今回の制御サイクルが接点をON状態と
してから最初のものなので、この切換スイッチ46の入力
が行なわれた時に、第13図の切換スイッチ制御のステッ
プF117においてフラグI4の値が1とされている。したが
って、ステップF108の判断によってステップF109へ進
む。
ステップF109では、制御部25の走行状態切換部12でフ
ラグI4の値が0とされ、次のステップF110では、第8図
(iv)のステップA123〜A128による割込制御で求められ
た最新の実車速VAIを、切換スイッチ46をON状態とした
直後の実車速として入力し、今回の制御サイクルにおけ
る切換スイッチ制御を終了する。
以上のような切換スイッチ制御は、前述の、車両加速
走行時に切換スイッチ46の接点をON状態とした際の最初
の制御サイクルにおける切換スイッチ制御と同一のもの
となる。従って、切換スイッチ制御終了後のフラグI4
よびフラグI6の値も同一となり、この切換スイッチ制御
終了後は、第12図のステップ129及びステップE132を経
てステップE105へ進み、制御部25の走行状態指定部3の
指定が定車速走行に切換わる。
ステップE105〜E109による制御は、アクセルペダル27
解放後最初の制御サイクルあるいは、車両加速走行時に
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御サ
イクルで、ステップE105〜E109に従って行なわれる制御
と全く同一である。即ち、今回の制御サイクルがスロッ
トル弁31開閉のタイミングに該当するか否かにかかわら
ず、切換スイッチ46の接点をON状態とした直後の実車速
VAIを目標車速として定車速走行を行なうようスロット
ル弁開度を調整する。
この結果、エンジン13から所要のトルクが出力され
て、車両の走行状態が減速走行から定車速走行へと変化
を開始する。
切換スイッチ46の接点をON状態としてから最初の制御
サイクルでは以上のような制御が行なわれるが、次の制
御サイクル以降も引続きオートクルーズモード制御が行
なわれて加速スイッチ45の操作は行なわない場合には、
上述の場合と同様にして第12図のステップE101およびス
テップE110を経てステップE128へ進み、切換スイッチ制
御が行なわれる。
上述のように、切換スイッチ46の接点をON状態として
から最初の制御サイクルにおける制御は、加速走行時に
接点をON状態としてから最初の制御サイクルと同一であ
るので、各フラグの値は同一となり、切換スイッチ制御
も同様に行なわれる。そして、ステップE129およびステ
ップE132を経て、ステップE133へ進むと、目標車速制御
が第16図のステップJ101〜J116に示すフローチャートに
従って行なわれる。
この目標車速制御では、初めに、ステップJ101におい
て、フラグI8が1であるか否かの判断が行なわれるが、
このフラグI8の値は、切換スイッチ46の接点をON状態と
してから最初の制御サイクルにおける第12図のステップ
E106で0とされているので、ステップJ101からステップ
J102へ進む。
ステップJ102では、フラグI11の値が1であるか否か
の判断が行なわれる。なお、フラグI11は、今回の制御
サイクルがスロットル弁31開閉のタイミングに該当する
ことを、値が1であることによって示すものである。
このフラグI11の値が1ではない場合には、今回の制
御サイクルが開閉のタイミングに該当しないので、直ち
に今回の制御サイクルにおけるオートクルーズモード制
御を終了する。一方、フラグI11の値が1である場合に
は、今回の制御サイクルが開閉のタイミングに該当する
ので、ステップJ103へ進み、ここで引き続いて目標車速
制御を行なう。
ステップJ103へ進んだ場合には、定車速走行における
目標車速VSに、仮の値として、第8図(i)のステップ
A103で入力された実車速VAを代入する。目標車速VSは、
このようにして、車両の走行速度がほぼ一定となった後
の制御にそなえ、走行速度がほぼ一定となるまで開閉の
タイミングに該当する制御サイクル毎に値が更新され
る。
次に、ステップJ104において、前述のようにしてDVA
65またはDVA130の値に指定された実加速度DVAの絶対値
が、予め設定された基準値Kαより小さいか否かの判断
が行なわれる。
目標車速制御が行なわれることによって車両の走行速
度がほぼ一定となり車両の減速度が0に近づいていて、
このステップJ104において実加速度DVAの絶対値が基準
値Kαより小さいと判断した場合、ステップJ108に進み
フラグI8の値を0とした後ステップJ109へ進む。また、
走行速度がまだ一定とはなっておらず、車両の減速度が
0に近づかずに、ステップJ104において、実加速度DVA
の絶対値が上記基準値Kαより小さくないと判断した場
合には、ステップJ105へ進む。
ステップJ105では、実加速度DVAが0より大きいか否
かの判断が行なわれる。ここでは、切換スイッチ46の接
点をON状態にするまでは車両が減速走行状態にあり実加
速度DVAが負の値を有しているので、ステップJ106へ進
む。
ステップJ106では、実加速度DVAに予め設定された補
正量ΔDV2を加えた値を目標加速度DVSとして今回の制御
サイクルにおける目標車速制御を終了する。
以上のような目標車速制御を終了すると、次に第12図
のステップE123〜E127に従って、これまでに述べた各場
合と同様にして制御が行なわれ、スロットル弁31の開閉
タイミングに該当する制御サイクル毎に、目標加速度DV
Sに対応するスロットル弁開度 へのスロットル弁31の開閉が行なわれる。
この結果、車両は目標加速度DVSにほぼ等しい負の加
速度(減速度)での減速走行を行なう。
目標加速度DVSは、上述したように、その制御サイク
ルの実加速度DVAに補正量ΔDV2を加えたものであるか
ら、上述の制御が繰り返し行なわれることによって徐々
に負の値が0に近づく。したがって、これに伴い、車両
の減速度も徐々に0に近づいていく。
以上のようにして、実加速度DVAが0に近づいていく
が、第16図のステップJ104で、実加速度DVAの絶対値が
予め設定された基準値Kαより小さいと判断されると、
上述のようにステップJ108を経てステップJ109へ進む。
このステップJ109及びこれに続くステップJ110〜J116
に従って行なわれる制御は、前述の定車速走行状態へ移
行した時にステップJ109〜J116に従って行なわれる制御
と同一である。従って、ステップJ104からステップJ108
を経てステップJ109へ進んでステップJ116に至る制御サ
イクルでは、ステップJ103で値を設定された目標車速VS
に車両の走行速度が一致して定車速走行を行なうよう
に、所要の目標加速度DVSの設定が行なわれる。
また、目標車速変更スイッチ48が第6図の(+)側あ
るいは(−)側に切換えられた時には、この切換に対応
して目標車速VSの設定値の変更が行なわれる。
上述のような目標車速制御が行なわれた後も、同様に
して、第12図のステップE123〜E127の制御によってスロ
ットル弁31の開閉が行なわれ、車両が目標車速VSにほぼ
一致した一定の走行速度で走行する。
なお、ステップJ104からステップJ108を経てステップ
J109へ進んで行なわれた制御サイクル以降の制御サイク
ルでは、ステップJ108でフラグI8の値が0とされている
ので、目標車速制御の際にはステップJ101から直接ステ
ップJ109へ進んで上述のような制御が行なわれる。
したがって、上述のように、加速スイッチ45が の位置にある時に、まず、切換スイッチ46の接点をON状
態として車両の減速走行状態を指定して、ついで、一旦
この接点をOFF状態とし、この後、まだ車両が減速走行
状態にある時に、再び切換スイッチ46の接点をON状態と
した場合には、制御部25の走行状態指定部3の指定が減
速走行から定車速走行へと切換わり、車両は減速走行を
中止して接点をON状態とした直後の走行速度にほぼ等し
い走行速度、即ち指定が定車速走行に切換わった時の走
行速度を維持して走行するようになる。
以上述べたようにして、オートクルーズモード制御が
行なわれることにより、アクセルペダル27解放の状態で
ブレーキペダル28の踏込を解除した場合、あるいはブレ
ーキペダル28解放の状態でアクセルペダル27の踏込を解
除した場合には、踏込解除直後の走行速度を維持して車
両が定車速走行を行なう。
そして、車両が定車速走行状態にある時に、加速スイ
ッチ45を第6図の のいずれかの位置に切換えた場合、あるいは加速スイッ
チ45が の位置にあって切換スイッチ46の接点をON状態とした場
合には、 の各位置に対応する加速度で車両が加速走行を行なって
走行速度が到達目標車速に達すると、この到達目標車速
にほぼ一致した一定の走行速度で定車速走行を行なう。
なお、切換スイッチ46の接点をON状態として加速走行を
行なった場合には、到達目標車速はON状態の継続時間を
長くすることによって設定値が増加する。
また、車両が定車速走行状態にある時に、加速スイッ
チ45を の位置に切換えた場合、又は、加速スイッチ45が の位置にあって切換スイッチ46の接点をON状態とした場
合には、車両の減速走行を行ない、車速が到達目標車速
に達すると、この到達目標車速はほぼ一致した一定車速
での定車速走行が行なわれる。なお、切換スイッチ46の
接点をON状態としておいて、かかる減速走行を行なった
場合には、到達目標車速はON状態の継続時間を長くする
ことによって設定値が減少する。
さらに、加速走行状態又は減速走行状態のいずれかの
走行状態にある時に、切換スイッチ46の接点を再度ON状
態とした場合には、接点をON状態とした直後の走行速度
にほぼ等しい速度を維持して、車両が定車速走行を行な
うようになる。
例えば、加速スイッチ45が の位置にあって車両の加速走行が行なわれている時に、
加速スイッチ45を の位置に切換えた場合には、この切換直後の走行速度に
ほぼ等しい走行速度を維持して、車両が定車速走行を行
なう。また、車両が定車速走行状態にある時に、目標車
速変更スイッチ48を第6図中の(+)側あるいは(−)
側に切換えると、この切換に対応して定車速走行におけ
る目標車速の設定値が増減され、この切換の継続時間を
長くすると、目標車速の設定値の増減量が増加する。
以上で、エンジン制御装置1によるエンジン制御の動
作を説明したが、この車両用自動走行制御装置では、自
動変速機制御装置101により、自動変速機32のシフト変
更の制御も行なう。
かかる自動変速機32の変速制御(シフト変更制御)に
ついて説明すると、アクセルペダル15を通じたアクセル
モード制御の場合には、従来から行なわれているよう
に、アクセル踏込量APSと実車速AVをパラメータとした
マップ(このマップは、通常、自動変速機制御装置101
の図示しないRAMに記憶されている。)に基づいて、コ
ントローラELCを通じてシフトアップ及びシフトダウン
が行なわれる。ただし、パワーオンダウンシフト(キッ
クダウン)の際には、アクセル踏込量の変化速度(アク
セル操作速度)DAVSが所定値以上となった時に、許可す
るようになっている。
しかし、アクセルペダル15を解放したオートクルーズ
モード制御を行なっている時には、従来のように、自動
変速機32の変速制御のための制御パラメータとして、ア
クセル踏込量APSを採用できない。
そこで、このようなオートクルーズモード制御を行な
っている時には、擬似踏込量SFTAPSを設定して、この擬
似踏込量SFTAPSと実車速AVをパラメータとしたマップに
基づいて、コントローラELCを通じて自動変速機32の変
速制御を行なう。
この擬似踏込量SFTAPSは、定車速走行時及び減速走行
時には、所定値APS8に設定され、加速走行時には、設定
されている目標加速度DVSに対応して設定される。
加速走行時における擬似踏込量SFTAPSの設定について
説明すると、この場合の擬似踏込量SFTAPSと目標加速度
DVSとの対応関係は、例えば第30図に示すようになり、
一定の範囲で互いに比例関係にある。この図では、横軸
に擬似踏込量SFTAPSをbit単位で表し、縦軸に目標加速
度DVSをm/s2単位で表している。
そして、加速走行は、その走行状態をオートクルーズ
スイッチ18のメインレバー18aの位置に応じて緩加速・
中加速・急加速のいずれかに指定されるので、例えば緩
加速を1.5(m/s2)、中加速を2.5(m/s2)、急加速を3.
5(m/s2)とすると、第30図からは、緩加速の擬似踏込
量SFTAPSが83bit、中加速の擬似踏込量SFTAPSが117bi
t、急加速の擬似踏込量SFTAPSが150bitとなる。
このような各加速状態における擬似踏込量SFTAPSと目
標加速度DVSとの対応データを装置内の図示しないRAMに
記憶させておき、オートクルーズモード制御時の自動変
速機32の変速制御に使用するのである。
さらに、登坂時や降坂時(下り坂の時)であってエン
ジン制御のみでは車速の維持が不可能な時には、自動変
速機制御装置101により、自動変速機32のダウンシフト
制御を行なって車速を維持できるようにし、ブレーキペ
ダル28により急制動が行なわれた場合には、自動変速機
32のダウンシフト制御を行なってエンジンブレーキを効
かせて速やかに減速できるようになっている。
まず、登坂時や降坂時に所定の車速を維持するための
ダウンシフト制御を説明する。
このダウンシフト制御は、第28(i),(ii)に示す
ような手順で、20ms毎の割込制御として、行なわれる。
なお、第28図(i)は主として登坂時のダウンシフト
制御に関し、第28図(ii)は主として下り坂の時のダウ
ンシフト制御にする。
このダウンシフト制御は、オートクルーズモード制御
での定速度制御中において実施されるものであるから、
まず、ステップP101で、オートクルーズモード制御での
定速度制御中であるか否かが判定される。オートクルー
ズモード制御での定速度制御中でないと判断された場合
には、ステップP113に進み、ダウンシフトにかかる特別
な制御を行なわな状態にする。つまり、アップシフト禁
止用フラグ等を解除してアップシフト禁止を解除する。
一方、オートクルーズモード制御での定速度制御中で
あると判断された場合には、所定の条件のもとに、ダウ
ンシフト制御を行なう。
つまり、例えば、登坂時に、エンジン出力が最大にな
るように制御しても、目標車速を保持するだけのトルク
が得られない時には、実車速VAが目標車速VSを下回るよ
うになるが、これは車速比較判定手段102によってステ
ップP102及びP103で判断される。
ステップP102では、実車速VAが目標車速VSに対して一
定の割合以下に低下しているかどうか判断され、ここで
は、車速VAが、目標車速VSのk1倍より小さいか判断して
いる。なお、このk1は、k1<1.0の定数であって、例え
ば0.95に設定する。従って、車速VAが目標車速VSの95%
に達していなければ実車速VAが低下していると判断す
る。
また、ステップP103では、実車速VAが目標車速VSをど
れだけの大きさ(つまり、何km)だけ下回っているかを
判断する。ここでは、車速VAが、目標車速VSよりもk
2(km)以上小さいかどうか判断している。なお、このk
2は、ここでは3.0(km)に設定する。従って、車速VAが
目標車速VSよりも3.0(km)以上小さければ、実車速VA
が大きく低下していると判断する。
このようにして実車速VAが大きく低下していると判断
されたら、続く、ステップP104で現在加速中(速力増加
中)であるか否かを加速度比較判定手段103によって判
断する。ここでは、実加速度DVAが一定の加速度値k3(m
/s2)に達していないか否か、つまり、DVA<k3であるか
否かを判定する。なお、k3の値としては0又は0に近い
正の値を設定しうるが、ここでは、k3の値を0.0(m/
s2)又は0.2(m/s2)とする。
ステップP104で現在加速中と判断されれば、実車速が
目標車速に近づきつつあるので、変速機のシフトチェン
ジは不要であるが、現在加速中でないと判断されれば、
このままエンジンの制御を行なっても実車速が目標車速
に近づく見込がないので、変速機のシフトチェンジが必
要となる。
ここでは、自動変速機32の変速段がオーバードライブ
(4速)を含めて4段あって、4速→3速へのダウンシ
フトと3速→2速へのダウンシフトとの2種類のダウン
シフト制御を行なうようにしている。従って、自動変速
機32の変速段が現在何速に設定されているかを判断して
これに基づいて制御を行なう必要がある。
そこで、ステップP105で現在3速であるか否か、ステ
ップP114で現在4速であるか否か、が判断される。現在
3速であれば、ステップP106で3速→2速へのダウンシ
フト後のエンジン回転数DRPM32を現在のエンジン回転数
DRPMに基づいて算出する。また、現在4速であれば、ス
テップP115で4速→3速へダウンシフト後のエンジン回
転数DRPM43を現在のエンジン回転数DRPMに基づいて算出
する。なお、ここでは、オートクルーズモード制御での
定速度制御中は、一般に、3速又は4速を使用している
ため、変速段が現在2速である場合についてはダウンシ
フト制御の対象にしておらず、変速段が現在1速又は2
速ならば、ステップP114からステップP117に進む。
ステップP106で、ダウンシフト後のエンジン回転数DR
PM32を算出したら、続くステップP107で、このエンジン
回転数DRPM32が所定の回転数XDRPM3(例えば3500rpm)
よりも小さいか否かがエンジン回転数比較判定手段105
によって判断される。また、ステップP115で、ダウンシ
フト後のエンジン回転数DRPM43を算出した場合も、続く
ステップP116で、このエンジン回転数DRPM43が所定の回
転数XDRPM4(例えば3500rpm)よりも小さいか否かが判
断される。
そして、エンジン回転数DRPM32又はDRPM43が所定の回
転数XDRPM3又はXDRPM4以上であれば、ダウンシフト制御
の対象とされずに、それぞれステップP117に進む。一
方、エンジン回転数DRPM32又はDRPM43が所定の回転数XD
RPM3又はXDRPM4よりも小さければ、それぞれステップP1
08に進む。
ステップP108では、現エンジン回転数DRPMをパラメー
タとして一次元マップ#MTORMXに基づいて現エンジン回
転数で出力できる最大トルクTORMAXを決定する。
そして、続くステップP109で、現エンジン出力トルク
TEMが出力可能な最大トルク域にあるか否かをトルク比
較判定手段104によって判断する。この判断は、現エン
ジン出力トルクTEMを、最大トルクTORMAXに係数k4(こ
こでは、k4=0.97とする)を掛けたものと比較して、TE
MがTORMAX×k4よりも大きくなければ、現在まだ最大ト
ルクを出力していないのでエンジン制御による速度増加
の見込があると判断して、ステップP117に進む。一方、
TEMがTORMAX×k4よりも大きければ、現在ほぼ最大トル
クを出力しているとして、ダウンシフト制御によるトル
ク減で速力増加を図るべく、ステップP110に進む。
ステップP110では、ダウンシフト判定用第1カウンタ
CDSAS1でのカウントダウンを開始する。カウントダウン
の開始時には、前回の制御のステップP117(このステッ
プP117については後述する)で、カウンタCDSAS1の値が
ダウンシフト判定期間の値XDSAS1になっている。ダウン
シフト判定期間の値XDSAS1を、ここでは50とする。
そして、次のステップP111で、CDSAS1が0になったか
否かが判断されるが、CDSAS1が0になるには、ステップ
P110を50サイクル連続して通過して50だけカウントダウ
ンされなければならない。つまり、実車速が低下しす
ぎている。実加速度が所定値よりも低い。変速段が
3速又は4速である。現エンジン回転数でほぼ最大ト
ルクを出力している。ダウンシフト後のエンジン回転
数が所定値を越えいない。これらの条件が、50回の制御
サイクルの期間、続くことによって、はじめて、CDSAS1
が0になるのである。このダウンシフト制御は20ms毎の
割込制御であるから、50回の制御サイクルの期間とは、
1秒間に相当する。
そして、CDSAS1が0になっていなければ、まだ、ダウ
ンシフトは行なわずに、ステップP118へ進み、CDSAS1が
0になったらば、ステップP112へ進んで、シフト変更制
御手段106によってダウンシフトを行なう。
ステップP112では、変速段の3速→2速へのダウンシ
フト又は4速→3速へのダウンシフトを指示すると共
に、アップシフトを禁止する。
このアップシフトの禁止には、2速→3速へのアップ
シフト禁止フラグFLG23と、3速→4速へのアップシフ
ト禁止フラグFLG34とを用いて、例えば各アップシフト
禁止フラグFLG23,FLG34が0の時にのみアップシフトを
可能となるように設定する。従って、ステップP112で、
3速→2速へのダウンシフトを行なったら、アップシフ
ト禁止フラグFLG23をFLG23≠0とし、4速→3速へのダ
ウンシフトを行なったら、アップシフト禁止フラグFLG3
4をFLG34≠0とする。
このようにダウンシフトを行なったら、続くステップ
P117で、ダウンシフト判定用第1カウンタCDSAS1の値と
して予め設定されたダウンシフト判定期間の値XDSAS1を
代入する。
なお、ステップP102,P103,P104,P107,P114,P116又はP
109で、ダウンシフトを行なう条件を満たさないと判断
した場合(Noルートの場合)には、いずれの制御サイク
ルでも、このステップP117で、CDSAS1の値をXDSAS1に設
定し直す。
また、ステップP102,P103,P104,P107,P114,P116及びP
109で、ダウンシフトを行なう条件をすべて満たした状
態が継続したら、ステップP110でのカウントダウンによ
りCDSAS1が0になるまでは、このステップP117を飛び越
えて、直接、ステップP118に進むことになる。
ステップP118では、現在アップシフト禁止中であるか
否かが判断される。今回又は以前の制御サイクルのステ
ップP112でアップシフトを禁止してこの状態が継続して
いれば、ステップP119へ進んで、アップシフトの禁止解
除のための制御が行なわれる。アップシフト禁止が解除
された状態ならば、ステップP141へ進み、登坂時でのダ
ウンシフト制御を終える。
ステップP119では、ダウンシフト後に、現在の車速VA
が目標車速VSに近づいたか否かが車速比較判定手段102
によって判断される。ここでは、この判断を、現在の車
速VAが目標車速VSに近づいて、その差が所定値k5(=1.
0km)以内となったか否か、つまり、VA≧VS−k5である
か否かにより行なう。現在の車速VAが目標車速VSに近づ
いていれば続くステップP120へ進んで、変速段に応じた
アップシフトの禁止解除の制御に入るが、目標車速VSに
近づいていなければステップP141へ進んで、登坂時での
ダウンシフト制御を終える。
アップシフトの禁止解除には、2速→3速へのアップ
シフト禁止フラグFLG23と、3速→4速へのアップシフ
ト禁止フラグFLG34とがあるので、現在どの禁止フラグF
LG34が作用しているかを判断する必要がある。これは、
現在の変速段に基づいて検知でき、現在2速であれば、
禁止フラグFLG23がFLG23≠0となっており、現在3速で
あれば、禁止フラグFLG343がFLG34≠0となっている。
そこで、ステップP120で、変速機の変速段が現在2速
であるか否かが判断され、ステップP128で、変速機の変
速段が現在3速であるか否かが判断される。現在2速で
あれば、ステップP121に進み、現在3速であれば、ステ
ップP129に進む。また、いずれでもなければ(1速又は
4速の場合)、アップシフトの禁止を解除する必要はな
く、ステップP141へ進んで、登坂時でのダウンシフト制
御を終える。
ステップP121に進むと、変速段を2速から3速に変え
た場合のエンジン回転数DRPM23を計算する。そして、続
くステップP122で、このエンジン回転数DRPM23をパラメ
ータとして一次元マップ#MTORMXに基づき、エンジン回
転数DRPM23においてアップシフト後に出力できる最大ト
ルクTORMAXを決定する。次に、ステップP123に進み、最
大トルクTORMAXと3速及び2速の各変速比とに基づいて
アップシフト後のドライブ軸トルクTORUPを算出しす
る。
一方、ステップP129に進むと、変速段を3速から4速
に変えた場合のエンジン回転数DRPM34を計算する。そし
て、続くステップP130で、このエンジン回転数DRPM34を
パラメータとして一次元マップ#MTORMXに基づき、エン
ジン回転数DRPM34においてアップシフト後に出力できる
最大トルクTORMAXを決定する。次に、ステップP140に進
み、最大トルクTORMAXと4速及び3速の各変速比とに基
づいてアップシフト後のドライブ軸トルクTORUPを算出
する。
ステップP123又はステップP140でアップシフト後のド
ライブ軸トルクTORUPを算出したら、ステップP124に進
み、現在のエンジントルクTEMが、ステップP123又はス
テップP140で算出したドライブ軸トルクTORUP以下であ
るか否かをトルク比較判定手段104によって判断する。
現在のエンジントルクTEMがTORUP以下でないのは、現在
まだエンジントルクに余裕がないためでであり、アップ
シフトの禁止解除はまだできず、P141へ進む。現在のエ
ンジントルクTEMがTORUP以下であれば、エンジントルク
に余裕があり、アップシフト後に現ドライブ軸出力トル
クよりも大きいトルクを出力できるとして、ステップP1
25へ進み、アップシフト禁止解除の判定期間に入る。
ステップP125では、アップシフト判定用第1カウンタ
CUSAS1でのカウントダウンを開始する。カウントダウン
の開始時には、前回の制御のステップP141(このステッ
プP141については後述する)で、カウンタCUSAS1の値が
ダウンシフト判定期間の値XUSAS1になっている。ダウン
シフト判定期間の値XUSAS1を、ここでは5とする。
そして、次のステップP126で、CUSAS1が0になったか
否かが判断されるが、CUSAS1が0になるには、ステップ
P125を5サイクル連続して通過して5だけカウントダウ
ンされなければならない。つまり、アップシフト禁止
中に、実速度が目標速度に接近し、変速段が2速又
は3速であって、現在エンジンの出力トルクに余裕が
ある状態が、5回の制御サイクルの期間だけ続くことに
よって、CUSAS1が0になるのである。特に、アップシフ
ト後に確実に所定のトルクを得られるための条件とし
て、現在エンジンの出力トルクに余裕があり、アップシ
フトした後に現ドライブ軸出力トルクよりも大きいトル
クを出力できる状態が、一定時間(ここでは5回の制御
サイクル)以上続くことが必要となる。なお、このダウ
ンシフト制御は20ms毎の割込制御であるから、5回の制
御サイクルの期間とは、0.1秒間に相当する。
ステップP126で、CUSAS1が0になっていなければ、登
坂時でのダウンシフト制御を終えて、第28図(ii)のス
テップP142へ進む。一方、CUSAS1が0になっていれば、
ステップP127へ進んで、このステップP127で、シフト変
更制御手段106によって、アップシフト禁止用フラグ等
を解除してアップシフト禁止を解除する。なお、アップ
シフト禁止用フラグの解除は、アップシフト禁止フラグ
FLG23及びFLG34をFLG23=0及びFLG34=0とすることで
ある。
このようにダウンシフトの禁止解除を行なったら、続
くステップP141は、アップシフト判定用第1カウンタCU
SAS1の値として、予め設定されたダウンシフト判定期間
の値XUSAS1を代入する。
なお、ステップP118,P119,P128又はP124で、ダウンシ
フト禁止解除を行なう必要なしと判断した場合(Noルー
トの場合)には、いずれの制御サイクルでも、このステ
ップP141で、CUSAS1の値をXUSAS1に設定し直す。
また、ステップP118,P119,P128及びP124で、ダウンシ
フト禁止解除を行なう必要ありという状態が継続した
ら、ステップP125でのカウントダウンによりCUSAS1が0
になるまでは、このステップP141を飛び越えて、直接、
第28図(ii)のステップP142に進むことになる。
続いて、第28図(ii)に示す下り坂の時のダウンシフ
ト制御の説明に入ると、この下り坂の制御は、下り坂で
車速VAが増加して目標車速VSよりも速すぎるようになっ
て、エンジン出力を最小になるように制御しても、目標
車速を上回ってしまう時に行なう制御であっる。
まず、ステップP142及びP143で、現在の実車速VAが、
オートクルーズスイッチ等で指定されたオートクルーズ
モード制御での目標速度VSに一致するように速度を抑え
られているか否かが車速比較判定手段102により判断さ
れる。
ステップP142では、実車速VAが目標車速VSに対して一
定の割合以上に低下しているかどうか判断され、具体的
には、実車速VAが目標速度VSに定数k6を掛けたものより
も大きいか否かの判断が行なわれる。なお、定数k6の値
を、ここでは1.05とする。
ステップP142で、実車速VAが(VS×k6)の値よりも大
きく車速が高いと判断されたら、続くステップP143に進
んで、実車速VAが目標車速VSをどれだけの大きさ(つま
り、何km)だけ上回っているかを判断する。ここでは、
実車速VAと目標速度VSとの差(VS−VA)が所定値k7(こ
こでは、k7=3.0)よりも大きいか否かで判断される。
差(VS−VA)が所定値k7よりも大きければ、車速が増
加しすぎていると判断されて、ステップP144に進む。こ
こでは、実加速度DVAが一定の加速度値k8(m/s2)を越
えているかどうか、つまり、DVA>k8であるか否かを、
加速度比較判定手段103によって判定する。なお、k8
値としては0又は0に近い負の値を設定しうるが、ここ
では、k8の値0.0(m/s2)又は−0.2(m/s2)とする。
実加速度DVAがk8よりも大きければ、今後エンジンの
制御によって実速度VAが目標速度VSに近づきうる見込が
ないと判断して、ステップP145に進む。
一方、ステップP142,P143又はP144で、それぞれNoと
判断されたら、車速VAが増加し過ぎてはいない、又は今
後エンジンの制御によって実速度VAを目標速度VSに近づ
けられると判断して、ダウンシフトの制御から除外さ
れ、ステップP153に進む。
この例では、4速の場合のみダウンシフトの制御を行
なうように設定されており、ステップP145では、変速機
32の変速段が現在4速であるか否かが判断される。現在
4速でないと、ダウンシフトの制御対象から除外され、
ステップP153へ進む。
現在4速であれば、ステップP146に進んで、変速段を
4速から3速に変えた場合のエンジン回転数DRPM43を計
算する。さらに、続くステップP147で、このエンジン回
転数DRPM43が所定の回転数XDRPM5(例えば3500rpm)よ
りも小さいか否かが、エンジン回転数比較判定手段105
によって判断される。
そして、エンジン回転数DRPM43が所定の回転数XDRPM3
よりも小さくなければ、ダウンシフト制御の対象とされ
ず、ステップP153に進む。一方、エンジン回転数DRPM43
が所定の回転数XDRPM5よりも小さければ、ステップP148
に進む。
ステップP148では、現エンジン回転数DRPMをパラメー
タとして一次元マップ#MTORMNに基づいて現エンジン回
転数で出力できる最小トルクTORMINを決定する。
そして、続くステップP149で、現エンジン出力トルク
TEMが出力可能な最小トルク域にあるか否かをトルク比
較判定手段104によって判断する。この判断は、現エン
ジン出力トルクTEMを、最小トルクTORMINに係数k9(こ
こでは、k9=1.03とする)を掛けたものと比較して、TE
MがTORMIN×k9よりも小さくなければ、現在まだ最小ト
ルクになっていないのでエンジン制御によりトルクを減
少できるとして、ステップP153に進み、TEMがTORMIN×k
9よりも大きければ、現在ほぼ最小トルクを出力してい
るので、ダウンシフト制御によるトルク減で速力低減を
図るべく、ステップP150に進む。
ステップP150では、ダウンシフト判定用第2カウンタ
CDSAS2でのカウントダウンを開始する。カウントダウン
の開始時には、前回の制御のステップP153(このステッ
プP153については後述する)で、カウンタCDSAS2の値が
ダウンシフト判定期間の値XDSAS2になっている。ダウン
シフト判定期間の値XDSAS2を、ここでは50とする。
そして、次のステップP151で、CDSAS2が0になったか
否かが判断されるが、CDSAS2が0になるには、ステップ
P150を50サイクル連続して通過して50だけカウントダウ
ンされなければならない。つまり、実車速が増加しす
ぎている。実加速度が所定値よりも高い。変速段が
4速である。現エンジン回転数でほぼ最小トルクを出
力している。ダウンシフト後のエンジン回転数が所定
値を越えてない。これらの条件が、50回の制御サイクル
の期間、続くことによって、はじめて、CDSAS2が0にな
るのである。このダウンシフト制御は20ms毎の割込制御
であるから、50回の制御サイクルの期間とは、1秒間に
相当する。
そして、CDSAS2が0になっていなければ、まだ、ダウ
ンシフトは行なわずに、ステップP154へ進み、CDSAS2が
0になったらば、ステップP152へ進んでダウンシフトを
行なう。
ステップP152では、シフト変更制御手段106によっ
て、変速段の4速→3速へのダウンシフトを指示すると
共に、アップシフトを禁止する。このアップシフトの禁
止は、3速→4速へのアップシフト禁止フラグFLG34
を、FLG34≠0とする。
このようにダウンシフトを行なったら、続くステップ
P153で、ダウンシフト判定用第2カウンタCDSAS2の値と
して予め設定されたダウンシフト判定期間の値XDSAS2を
代入する。
なお、ステップP142,P143,P144,P147又はP149で、ダ
ウンシフトを行なう条件を満たさないと判断した場合
(Noルートの場合)には、いずれの制御サイクルでも、
このステップP153で、CDSAS2の値をXDSAS2に設定し直
す。
また、ステップP142,P143,P144,P147及びP149で、ダ
ウンシフトを行なう条件をすべて満たした条件が継続し
たら、ステップP150でのカウントダウンによりCDSAS2が
0になるまでの間、このステップP153を飛び越えて、直
接、ステップP154に進む。
ステップP154では、現在アップシフト禁止中であるか
否かが判断される。今回又は以前の制御サイクルのステ
ップP152でアップシフトを禁止してこの状態を継続して
いれば、ステップP155へ進んで、アップシフトの禁止解
除のための制御が行なわれる。アップシフト禁止が解除
された状態ならば、ステップP164へ進み、下り坂でのダ
ウンシフト制御を終える。
ステップP155では、ダウンシフト後に、現在の車速VA
が目標車速VSに近づいたか否かが、車速比較判定手段10
2によって判断される。ここでは、この判断を、現在の
車速VAが目標車速VSに近づいて、その差が所定値k
10(=1.0km)以内となったか否か、つまり、VA−VS≧k
10であるか否かにより行なう。現在の車速VAが目標車速
VSに近づいていれば続くステップP156へ進んで、変速段
に応じたアップシフトの禁止解除の制御に入るが、目標
車速VSに近づいていなければステップP164へ進んで、登
坂時でのダウンシフト制御を終える。
アップシフトの禁止解除は、3速→4速へのアップシ
フト禁止フラグFLG34が作用しているので、現在3速で
あれば、禁止フラグFLG343がFLG34≠0となっている。
そこで、ステップP156で、変速機の変速段が現在3速
であるか否かが判断され、現在3速であれば、ステップ
P157に進む。また、3速でなければ(1速,2速又は4速
の場合)、アップシフトの禁止解除の必要はなく、ステ
ップP164へ進み、登坂時でのダウンシフト制御を終え
る。
ステップP157に進むと、変速段を3速から4速に変え
た場合のエンジン回転数DRPM34を計算する。そして、続
くステップP158で、このエンジン回転数DRPM34をパラメ
ータとして一次元マップ#MTORNに基づき、エンジン回
転数DRPM34においてアップシフト後に出力できる最小ト
ルクTORMINを決定する。次に、ステップP159に進み、最
小トルクTORMINと4速及び3速の各変速比とに基づいて
アップシフト後のドライブ軸トルクTORUPを算出する。
続くステップP160では、現在のエンジントルクTEM
が、ステップP159で算出したドライブ軸トルクTORUP以
上であるか否かをトルク比較判定手段104によって判断
する。現在のエンジントルクTEMがTORUP以上でないの
は、現在まだほぼ最小トルクを発生している状態であ
り、アップシフトの禁止解除はまだできず、P164へ進
む。現在のエンジントルクTEMがTORUP以上であれば、ト
ルクの下限側に余裕があると判断でき、アップシフトし
た後に現ドライブ軸出力トルクよりも小さいトルクを出
力できるとして、ステップP161へ進み、アップシフト禁
止解除の判定期間に入る。
ステップP161では、アップシフト判定用第2カウンタ
CUSAS2でのカウントダウンを開始する。カウントダウン
の開始時には、前回の制御のステップP164(このステッ
プP164については後述する)で、カウンタCUSAS2の値が
ダウンシフト判定期間の値XUSAS2になっている。ダウン
シフト判定期間の値XUSSAS2を、ここでは5とする。
そして、次のステップP162で、CUSAS2が0になったか
否かが判断されるが、CUSAS2が0になるには、ステップ
P161を5サイクル連続して通過して5だけカウントダウ
ンされなければならない。つまり、アップシフト禁止
中に、実速度が目標速度に接近し、変速段が3速で
あって、現在エンジンの出力トルクが下限側に余裕が
ある状態が、5回の制御サイクルの期間だけ続くことに
よって、CUSAS2が0になるのである。特に、アップシフ
ト後に確実に所定のトルクを得られるための条件とし
て、現在エンジンの出力トルクが対応回転数で下限側に
余裕があり、アップシフトした後に現ドライブ軸出力ト
ルクよりも小さいトルクを出力できる状態が、一定時間
(ここでは5回の制御サイクル)以上続くことが必要と
なる。なお、このダウンシフト制御は20ms毎の割込制御
であるから、5回の制御サイクルの期間とは、0.1秒間
に相当する。
ステップP162で、CUSAS2が0になっていなければ、今
回の下り坂時でのダウンシフト制御を終えて、所定時間
(20ms)後に次の制御サイクルへ進む。一方、CUSAS2が
0になっていれば、ステップP163へ進み、シフト変更制
御手段106により、アップシフト禁止用フラグ等を解除
してアップシフト禁止を解除する。なお、アップシフト
禁止用フラグの解除は、アップシフト禁止フラグFLG34
を0とすることである。
このようにダウンシフトの禁止解除を行なったら、続
くステップP164で、アップシフト判定用第2カウンタCU
SAS2の値として、予め設定されたダウンシフト判定期間
の値XUSAS2を代入する。
なお、ステップP154,P155,P156又はP160で、ダウンシ
フト禁止解除を行なう必要なしと判断した場合(Noルー
トの場合)には、いずれの制御サイクルでも、このステ
ップP164で、CUSAS2の値をXUSAS2に設定し直す。
また、ステップP154,P155,P156及びP160で、ダウンシ
フト禁止解除を行なうが必要あると判断する状態が継続
したら、ステップP161でのカウントダウンによりCUSAS2
が0になるまでは、このステップP164を飛び越えて、所
定時間(20ms)後に次の制御サイクルへ進む。
このようにして、登坂時や下り坂の時であってエンジ
ン制御のみでは車速の維持が不可能な時には、自動変速
機32のダウンシフト制御をエンジン制御に追加して行な
う。
なお、この下り坂の時のダウンシフト制御について
も、登坂時と同様に、4速→3速へのダウンシフトと3
速→2速へのダウンシフトとの2種類のダウンシフト制
御を行なうようにしてもよい。
これについては、第28図(iii)に示すが、この第28
図(iii)では、第28図(ii)と同様の符号を付したス
テップは、いずれも同様な制御内容を示している。
この場合の下り坂時のダウンシフト制御は、第28図
(iii)に示すように、ステップP144で、現在減速中で
ないと判断されれば、このままエンジンの制御を行なっ
ても実車速が目標車速に近づく見込がないので、変速機
のシフトチェンジが必要となる。
そこで、ステップP145で現在4速であるか否か、ステ
ップP165で現在3速であるか否か、が判断される。現在
4速であれば、ステップP146で4速→3速へのダウンシ
フト後のエンジン回転数DRPM43を現在のエンジン回転数
DRPMに基づいて算出し、現在3速であれば、ステップP1
66で3速→2速へのダウンシフト後のエンジン回転数DR
PM32を現在のエンジン回転数DRPMに基づいて算出する。
ステップP146で、ダウンシフト後のエンジン回転数DR
PM43を算出したら、続くステップP147で、このエンジン
回転数DRPM43が所定の回転数XDRPM5(例えば3500rpm)
よりも小さいか否かが判断される。また、ステップP166
で、ダウンシフト後のエンジン回転数DRPM32を算出した
場合も、続くステップP167で、このエンジン回転数DRPM
32が所定の回転数XDRPM6(例えば3500rpm)よりも小さ
いか否かが判断される。
そして、エンジン回転数DRPM34又はDRPM32が所定の回
転数XDRPM5又はXDRPM6以上であれば、ダウンシフトの制
御対象とされずに、それぞれステップP153に進み、エン
ジン回転数DRPM34又はDRPM32が所定の回転数XDRPM5又は
XDRPM6よりも小さければ、それぞれステップP148に進
む。
なお、この後のステップP152′では、変速段の4速→
3速へのダウンシフト又は3速→2速へのダウンシフト
を指示すると共に、アップシフトを禁止する。このアッ
プシフトの禁止は、3速→4速へのアップシフト禁止フ
ラグFLG34を、FLG34≠0とするか、2速→3速へのアッ
プシフト禁止フラグFLG23を、FLG34≠0とする。
このようにして、4速→3速へのダウンシフトと3速
→2速へのダウンシフトとの2種類のダウンシフト制御
を行なった場合には、アップシフトの禁止解除について
も、2速→3速へのアップシフト禁止フラグFLG23、又
は、3速→4速へのアップシフト禁止フラグFLG34を変
更することになる。従って、まず、現在どの禁止フラグ
が作用しているかを判断する必要がある。
そこで、ステップP156で、変速機の変速段が現在3速
であるか否かが判断され、ステップP168で、変速機の変
速段が現在2速であるか否かが判断される。現在3速で
あれば、ステップP157に進み、現在2速であれば、ステ
ップP169に進む。また、いずれでもなければ(1速又は
4速の場合)、アップシフトの禁止を解除する必要はな
く、ステップP164へ進んで、今回のダウンシフト制御を
終える。
ステップP157に進むと、変速段を3速から4速に変え
た場合のエンジン回転数DRPM34を計算する。そして、続
くステップP158で、このエンジン回転数DRPM34をパラメ
ータとして一次元マップ#MTORMNに基づき、エンジン回
転数DRPM34においてアップシフト後に出力できる最小ト
ルクTORMINを決定する。次に、ステップP159に進み、最
小トルクTORMINと4速及び3速の各変速比とに基づいて
アップシフト後のドライブ軸トルクTORUPを算出しす
る。
一方、ステップP169に進むと、変速段を2速から3速
に変えた場合のエンジン回転数DRPM23を計算する。そし
て、続くステップP170で、このエンジン回転数DRPM23を
パラメータとして一次元マップ#MTORMNに基づき、エン
ジン回転数DRPM23においてアップシフト後に出力できる
最小トルクTORMINを決定する。次に、ステップP171に進
み、最小トルクTORMINと3速及び2速の各変速比とに基
づいてアップシフト後のドライブ軸トルクTORUPを算出
する。
ステップP159又はステップP171でアップシフト後のド
ライブ軸トルクTORUPを算出したら、ステップP160に進
む。
以下は、第28図(ii)に示した場合とほぼ同様に制御
が進められるが、ステップP163でのアップシフト禁止用
フラグ等の解除は、アップシフト禁止フラグFLG23を0
とするか又はFLG34を0とする。
以上のようにして、下り坂の時のダウンシフト制御を
2種類設けることで、車両のエンジン特性や自動変速機
32の特性等によっては、より適切にシフトダウンを行な
えるのである。
なお、4速→3速のシフト変更を行なった後に、続い
て、3速→2速のシフト変更を行なう場合には、判定時
間を1秒から3秒に延長して、シフト変更直後(この場
合、4速→3速のシフト変更直後)に車両の走行状態が
安定するのを待って、次の3速→2速のシフト変更を行
なうようにするのが望ましい。この場合、ダウンシフト
判定用カウンタCDSASを150に設定すればよい。また、2
速→3速のシフト変更を行なった後に、続いて、3速→
4速のシフト変更を行なう場合も、同様の制御をするの
が望ましい。
次に、エンジンブレーキを効かせて速やかに減速する
ためのダウンシフト制御を説明する。
この制御の内容は、第29図(i)のフローチャートに
示すメイン制御と、第29図(ii)のフローチャートに示
す20msタイマ割込制御とからなり、このメイン制御も、
所定の時間ごとに周期的に行なわれる。なお、ダウンシ
フト制御は、変速段がエンジンブレーキの効力が弱い高
速段(3速又は4速)に設定されている時に行なう。
まず、このメイン制御に20msタイマ割込で行なう第29
図(ii)に示す制御について説明しておくと、この制御
では、ステップQ121で、現在ブレーキング中であるか否
かがブレーキスイッチ16のオン・オフにより判断され
て、ブレーキング中でなければ、カウンタの値CDSBRKは
カウントダウンされない。
現在ブレーキング中であると、ステップQ122に進ん
で、現加速度DVAをパラメータとして1次元マップ#MDC
RBKよりカウントダウン量DCRBRKを決定する。
続く、ステップQ123では、ブレーキング時間カウンタ
値CDSBRKをカウントダウン量DCRBRKだけ減少させる。
そして、続くステップQ124では、ブレーキング時間カ
ウンタ値CDSBRKが0よりも小さいか否かが判断され、カ
ウンタ値CDSBRKが0よりも小さいと、続くステップQ125
で、カウンタ値CDSBRKを0に設定する。
従って、ブレーキング時間カウンタ値CDSBRKに比べて
カウントダウン量DCRBRKが大きいと、少ない制御周期を
経て短時間にカウンタ値CDSBRKが0となり、ブレーキン
グ時間カウンタ値CDSBRKに比べてカウントダウン量DCRB
RKが小さいと、多くの制御周期を経てより長時間にカウ
ンタ値CDSBRKが0となる。
なお、1次元マップ#MDCRBKは、例えば第29図(ii
i)に示すようなものであり、現加速度DVA(m/s2)に応
じて、カウントダウン量DCRBRKを設定している。ここで
は、現加速度DVAが−3(m/s2)以上であればカウント
ダウン量DCRBRKは0になっており、現加速度DVAが−3
(m/s2)以下になると、加速度の大きさに応じてカウン
トダウン量DCRBRKが与えられる。
従って、減速度が3(m/s2)以下の緩やかな制動では
カウントダウンは行なわず、減速度が3(m/s2)よりも
大きい急制動では、減速度の大きさに応じて、急制動で
あるほど、カウントダウン量DCRBRKが大きなものに与え
られる。
つまり、急制動時を一定時間以上連続して行なえば、
カウンタ値CDSBRKが0となって、特に、制動の度合いが
強いほど、短時間でカウンタ値CDSBRKが0になる。すな
わち、本装置では、急制動による減速度の度合いに応じ
て、カウントダウン量DCRBRKが変更され、急制動の度合
いが大きいほどカウンタ値CDSBRKが0になるまでの時
間、即ち、ダウンシフトを実行するまでの時間を短く設
定する機能(変更手段)をそなえているのである。
ここで、第29図(i)に示すメイン制御を説明する
と、まず、ステップQ101で、現在ブレーキング中である
か否かがブレーキスイッチ16のオン・オフにより判断さ
れて、現在ブレーキング中でなければ、現在の変速段に
応じて、ブレーキング時間カウンタをリセットする。つ
まり、ステップQ102に進み、現在の変速段が3速に設定
されているか否かが判断され、3速であれば、ステップ
Q103に進んで、ブレーキング時間カウンタの値CDSBRKを
初期値(3速ブレーキング時間カウント量)#XCBRK3に
リセットする。3速でなければ、ステップQ104に進み、
現在の変速段が4速に設定されているか否かが判断さ
れ、4速であれば、ステップQ105に進んで、ブレーキン
グ時間カウンタの値CDSBRKを初期値(4速ブレーキング
時間カウント量)#XCBRK4にリセットする。これ以外の
変速段(1速又は2速)なら、ブレーキング時間カウン
タの値CDSBRKのリセットは行なわない。
一方、ステップQ101で、現在ブレーキング中であると
判断されたら、ステップQ106に進んで、ブレーキング時
間カウンタの値CDSBRKが0になっているか否かが判断さ
れる。
このブレーキング時間カウンタの値CDSBRKは、ブレー
キング中ならば、第29図(ii)のフローチャートに示す
20msタイマ割込制御でカウントダウンされており、カウ
ンタの値CDSBRKが0になっていたら、急制動でよりエン
ジンブレーキを効かせるべき状態であるとして、高速段
の場合には、以下のごとくダウンシフトを行ないうる。
一方、カウンタの値CDSBRKが0でなければ、今回の制御
を終え、次回以降の制御でカウンタの値CDSBRKが0にな
れば、ダウンシフトを行ないうる。
つまり、ステップQ107で、現在の変速段が3速に設定
されているか否かが判断され、3速であれば、ステップ
Q108に進んで、変速段を3速から2速に変えた場合のエ
ンジン回転数DRPM32を前述と同様に計算する。さらに、
続くステップQ109で、このエンジン回転数DRPM32が所定
の回転数XDRPM11(例えば5500rpm)よりも小さいか否か
が、エンジン回転数比較判定手段105によって判断され
る。
そして、エンジン回転数DRPM32が所定の回転数XDRPM1
1よりも小さくなければ、ダウンシフト制御の対象とさ
れない。この場合には、これより後の制御周期で、ブレ
ーキペダル28の踏込による減速でエンジン回転数DRPMが
低下するのを待つことになる。
一方、エンジン回転数DRPM32が所定の回転数XDRPM11
よりも小さければ、ステップQ110に進んで、ダウンシフ
トを行なう。
ステップQ110では、シフト変更制御手段106によっ
て、変速段の3速→2速へのダウンシフトを指示する。
これにより、自動変速機32では変速段の3速→2速への
ダウンシフトが実施される。
一方、ステップQ107で、現在の変速段が3速に設定さ
れていないとされて、続くステップQ111で現在4速であ
ると判断されれば、ステップQ112に進んで、変速段を4
速から3速に変えた場合のエンジン回転数DRPM43を前述
と同様に計算する。さらに、続くステップQ113で、この
エンジン回転数DRPM43が所定の回転数XDRPM12(例えば5
500rpm)よりも小さいか否かが、エンジン回転数比較判
定手段105によって判断される。
そして、エンジン回転数DRPM43が所定の回転数XDRPM1
2よりも小さくなければ、ダウンシフト制御の対象とさ
れない。この場合には、これより後の制御周期で、ブレ
ーキペダル28の踏込による減速でエンジン回転数DRPMが
低下するのを待つことになる。
一方、エンジン回転数DRPM43が所定の回転数XDRPM12
よりも小さければ、ステップQ114に進んで、この制御周
期で変速段の4速→3速へのダウンシフトを行なった
後、これ以降の制御周期で変速段の3速→2速へのダウ
ンシフトを行なえるように、ブレーキング時間カウンタ
の値CDSBRKを初期値(3速ブレーキング時間カウント
量)#XCBRK3にリセットする。
続くステップQ115で、シフト変更制御手段106によっ
て、変速段の4速→3速へのダウンシフトを指示する。
これにより、自動変速機32では変速段の4速→3速への
ダウンシフトが実施される。
このようにして、減速度合いが一定以上大きい急制動
時には、3速→2速へのダウンシフト又は4速→3速へ
のダウンシフトが行なわれて、エンジンブレーキを効か
せながら車両の減速を促進させることができるのであ
る。また、急制動の度合いによって、制動開始後ダウン
シフトを行なうまでの時間が異なり、急制動であるほ
ど、急いでダウンシフトを行なうのである。
以上で、自動変速機32の制御内容の説明を終える。
上述のように動作する本発明の一実施例としての自動
走行制御制御装置における利点及び効果をまとめると、
以下のようになる。
まず、エンジン制御装置1によるエンジン13の制御を
通じて、以下のような効果が得られる。
エンジン始動直後にエンジン13の回転数が定常状態の
回転数に立ち上がるまでの間や、なんらかの原因でエン
ジン13の運転状態が不安定となってエンジン回転数が低
下した時には、アクセルペダル27の動きに対して、アク
セルペダル27とスロットル弁31とが機械的に直結された
状態と同等にスロットル弁31が作動する。
従って、この場合、アクセルペダル27の踏込量の変化
速度や車両の運転状態等に基づいたスロットル弁31の制
御は行なわれなくなり、スロットル弁31が安定して制御
され、エンジン13の運転状態が更に不安定になることが
防止される。
また、ブレーキペダル28が踏込まれた車両のブレーキ
(図示省略)による制動が行なわれた場合には、以下の
ような効果がある。
第1に、この制動が行なわれている時には、オートク
ルーズスイッチ18やアクセルペダル27等の他の操作指令
に優先して、常に、スロットル弁31がエンジンアイドル
位置となる最小開度に保持されるので、ブレーキによる
制動に加え、エンジンブレーキによる制動効果が得られ
る。
第2に、ブレーキによる制動において、基準より大き
い減速度となった状態の継続時間が基準値より長く、且
つ、ブレーキペダル28の踏込解除時の車速が基準値より
低い場合には、アクセルペダル27が踏込まれるまでスロ
ットル弁31が最小開度位置に保持される。したがって、
交差点等で停止するために、ブレーキ(図示省略)によ
り減速を行なった後、停止直前に一旦ブレーキによる制
動が行なわれ、車両が滑らかに停止して、停止時の衝撃
が防止されるという効果がある。
また、第3に、ブレーキによる制動において、減速度
が基準値より大きくならないか、上記継続時間が基準値
より長くないか、あるいは上記踏込解除時の車速が基準
値より低くないかのいずれかの場合には、アクセルペダ
ル27が踏込まれるまでの間、ブレーキペダル28踏込解除
直後の車速を目標車速として車速が一定に維持される。
従って、車速を維持するために、アクセルペダル27を踏
み込んだり、従来の定車速走行装置のようにブレーキペ
ダル28踏込の度に解除される定車速走行制御を手動で再
始動する必要がなくなり、運転者の負担が軽減される
上、比較的交通量の多い道路でも定車速走行が容易に可
能となる効果がある。
更に、第4に、このような定車速走行状態への移行に
際して、ブレーキペダル28の踏込解除直後からこの解除
後最初に訪れるスロットル弁31開閉タイミングまでの間
は、解除直後の実車速を維持すると推測されるスロット
ル弁開度に暫定的にスロットル弁31が開閉される。した
がって、解除直後から定車速走行状態への移行が迅速か
つ滑らかに行なわれるという効果がある。
また、第5に、オートクルーズスイッチ18に設けられ
たスロットルスイッチ47を の位置にすることにより、ブレーキペダル28解放時はア
クセルペダル27が踏込まれるまで常にエンジンアイドル
位置となる最小開度に保持される。したがって、緩やか
な下り坂等の走行時にはスロットルスイッチ47を の位置に切換えることによって、エンジンブレーキを併
用して走行することが可能となる。
次に、アクセルペダル27を踏み込んだ場合には、以下
のような効果がある。
第1に、アクセルペダル27の踏込時に、このアクセル
ペダル27の踏込に基づく目標加速度DVSAPがオートクル
ーズスイッチ18で指定された目標加速度DVSACよりも大
きくなるまでの間、目標車速としてオートクルーズスイ
ッチ18で指定された目標加速度DVSACを採用しているの
で、目標加速度DVSACに基づいて車両の走行を制御して
いる時(オートクルーズ制御時)に、アクセルペダル27
を踏み込んでアクセルモード制御に変更した場合、その
変更初期の時に、アクセルペダル27を踏込量が足りない
からといって、一時的に、目標加速度が低下することも
なくなる。したがって、アクセルペダル27を踏み込んで
加速しようとする時に、速やかに且つ滑らかに加速する
という利点がある。
第2に、車両の加速度は、アクセルペダル27の踏込量
と、この踏込量の変化速度と、この変化速度が基準値よ
り小さくなってから経過した時間とに対応して設定され
る。このため、アクセルペダル27をより速く踏込めばよ
り急激な加速が行なわれ、より緩やかに踏込めばより緩
やかな加速が実現して、運転者の意志を的確に反映した
応答性の良い加速を行なうことができる。また、急激な
踏込量を緩和あるいは中止すると加速度が滑らかに変化
して、加速度の急変による衝撃の発生が防止されるとい
う効果もある。
第3に、アクセルペダル27の踏込が解除されると、こ
の解除直後の車速を目標車速として車速が一定に維持さ
れる。従って、車速を一定に維持するために、アクセル
ペダル27を再度踏込んだり、従来の定車速走行装置のよ
うにアクセルペダル27による車速変更の度に目標車速を
再設定する必要がない。このため、運転者の負担が軽減
される上、比較的交通量の多い道路でも定車速走行が容
易に可能となる効果があり、この効果は前述のブレーキ
ペダル28踏込解除時の定車速走行と組合せることによっ
て一段と顕著なものとなる。
また、第4に、定車速走行状態への移行に際して、ア
クセルペダル27の踏込解除直後からこの解除後最初に訪
れるスロットル弁31開閉タイミングまでの間は、解除直
後の実車速を維持すると推測されるスロットル弁開度に
暫定的にスロットル弁31が開閉される。これにより、解
除直後から定車速走行状態への移行が迅速かつ滑らかに
行なわれるという効果がある。
更に、第5に、シフトセレクタ29がDレンジ以外の位
置にある時あるいはスロットルスイッチ47が の位置にある時には、アクセルペダル27の動きに対し
て、アクセルペダル27とスロットル弁31とが機械的に直
結された状態と同等にスロットル弁31が作動する。した
がって、アクセルペダル27の踏込を緩和あるいは中止す
ることによりスロットル弁31が閉動されるため、例えば
坂道走行の際に、シフトセレクタ29をLレンジとするか
スロットルスイッチ47を の位置とすることによりエンジンブレーキを併用した走
行が可能となる。
第6に、アクセルペダル27踏込時に設定される目標加
速度のうち、アクセルペダル27の踏込量に対応して設定
される目標加速度は、第20図に示すように、同一の踏込
量に対し、踏込量増大時の方が踏込量減少時よりも大き
い値となっている。これにより、アクセルペダル27の、
踏込量増大から減少あるいは減少から増大の動きに対応
し、迅速に車両の加速度が増減し、運転フィーリングが
向上するという効果がある。
また、上述のように、アクセルペダル27の踏込解除あ
るいはブレーキペダル28の踏込解除によって定車速走行
状態へと移行する場合には、車両の加速度を踏込解除後
の時間の経過に伴って徐々に減少させて0に近づけるよ
うに目標加速度が設定される。したがって、定車速走行
状態への移行時の加速度の急変による衝撃の発生が防止
されるという効果がある。
さらに、アクセルペダル27及びブレーキペダル28が共
に解放状態にあって上述のように定車速走行状態にある
と、以下のような効果がある。
第1に、加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46の操
作によって、加速走行、減速走行、定車速走行の3つの
走行状態の選択が可能であって、1度の操作のみで到達
目標車速への加減速および同到達目標車速への到達後の
定車速走行への移行が自動的に行なわれる。このため、
高速道路等で定車速走行を行なう際に状況に応じた車速
の変更が容易になり、運転者の負担が軽減されるという
効果がある。
第2に、切換スイッチ46の接点をON状態とすることに
より加速あるいは減速走行を指定した時は、目標速度VS
が、実車速VAと補正量 とON状態の継続時間に応じた補正量VT1との和 又は、実車速VAから補正量 とON状態の継続時間に応じた補正量VT2とを除いたもの になるので、ON状態の継続時間を長くすることにより、
指定前の車速と到達目標車速との差が拡大する。このた
め、到達目標車速を超えて加減速を行ないたい時には、
切換スイッチ46の接点を再度ON状態として加速あるいは
減速走行を再指定し、このON状態を必要に応じて継続す
るだけで良い。更に、加速あるいは減速走行状態にある
時に切換スイッチ46の接点をON状態とすると、このON状
態とした直後の車速を目標車速とする定車速走行状態へ
移行する。したがって、到達目標車速へ達する前に希望
する車速となった時には切換スイッチ46を一度操作する
だけで良い。また、加速走行については、加速スイッチ
45により緩加速、中加速、急加速の3種類の選択が可能
であるので、これらの操作を組合せることにより、上記
の効果をより一層高めることができる。
第3に、定車速走行状態にある時に、例えば、坂道等
で車速が急変すると、車速を元に戻すための目標加速度
は、目標車速と車速検出手段で検出した実車速との差に
対応した値で、且つ、現車両の加速度との差が予め設定
された値を超えないように、所定値を越えない範囲内に
設定される。従って、急激な加速度の変化がなくなり、
衝撃の発生が防止されるという効果がある。
加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46を操作して、
上に述べたように加速走行状態を指定した場合には、以
下のような効果がある。
第1に、指定後直ちに加速スイッチ45の位置に対応す
る一定値の目標加速度が指定されるのではなく、目標加
速度の立上がり時に傾斜が設けてあり(第27図参照)、
この指定後の時間の経過に対応して目標加速度に接近し
最終的に等しくなる目標加速度が指定される。これによ
り、定車速走行状態から加速走行状態に移行した時の加
速度の急変による衝撃やハンチングの発生が防止される
という効果がある。
また、第2に、加速走行により車速が到達目標車速に
近づくと、加速スイッチ45の位置に対応する一定値の目
標加速度に代わって、到達目標車速への車速の接近に伴
って減少する目標加速度が指定される。このため、車速
が到達目標車速に達する際には滑らかに車両の加速度が
変化して定車速走行状態へ移行するため、加速度の急変
による衝撃の発生が防止されるという効果がある。
更に、第3に、車速が基準値より低い時には、加速ス
イッチ45の位置に対応して設定された一定値の目標加速
度に代わって、車速の上昇に伴って増加し目標加速度に
近づく値を有する目標加速度が新たに設定される。した
がって、車両が徐行中に加速スイッチ45あるいは切換ス
イッチ46を操作して加速走行状態を指定すると、より緩
やかに車両の加速が行なわれて乗車フィーリングが向上
するという効果がある。
また、切換スイッチ46の操作により、上述のごとく減
速走行状態を指定した場合には、減速走行により車速が
到達目標車速に近づくと、それまでの一定値の目標減速
度に代わって、到達目標車速への車速の接近に伴って徐
々に0に近づく目標減速度が指定される。このため、車
速が到達目標車速に達する際には滑らかに車両の加速度
が変化して定車速走行状態へ移行するため、加速度の急
変による衝撃の発生が防止され、乗車及び運転のフィー
リングが向上するという効果がある。
なお、例えば加速走行中や減速走行中のような定車速
走行以外の時には、目標車速変更スイッチ48を入力させ
ても、この指示は無視するようになっている(第16図の
ステップJ104→J108)ので、制御時の混乱が防止され
て、本装置によるエンジン制御が確実になる。
更に、定車速走行中に車速変更を行なうと加減速走行
を行なうが、この場合、新たな目標車速VSと実車速VAと
の差VS−VAに対応して目標加速度を設定し(第23,25図
参照)この目標加速度に基づいてエンジン制御を行な
い、車速変更を実行するようになっているので、上述と
同様に、定車速走行状態から加速走行状態に移行した時
の加速度の急変による衝撃などの発生が防止されるとい
う効果がある。
特に、差VS−VAが一定値以下になる(つまり、実車速
VAが目標車速VSに近づく)と、それまで一定値であった
目標加速度が、差VS−VAの減少に伴って減少するように
設定されている(第23,25図のマップ#MDVS3,#MDVS5参
照)ので、目標車速への収束が安定する。
一方、加速走行状態あるいは減速走行状態にある時
に、加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46の操作によ
って定車速走行状態を指定した場合には、以下の効果が
ある。
第1に、定車速走行状態への移行に際して、操作直後
から最初に訪れるスロットル弁31開閉のタイミングまで
の間は、この操作直後の実車速を維持すると推測される
スロットル弁開度に暫定的にスロットル弁31が開閉され
る。これにより、操作直後から定車速走行状態への移行
が迅速かつ滑らかに行なわれるという効果がある。
また、第2に、定車速走行状態への移行に際して、ス
ロットル弁の開閉タイミングサイクル毎に目標加速度を
徐々に減少(または増加)するように設定しているの
で、この目標加速度に基づいて行なわれるスロットル弁
31の駆動によって、操作後の時間の経過に伴って実加速
度が徐々に減少(増加)する。そして、実加速度が基準
値より小さく(大きく)なると、このときの車速を新た
な目標車速VSとして、目標加速度は差VS−VAの減少(増
加)に伴い減少(増加)して、ほぼ目標車速VSに等しい
速度での定車速走行に入る。このため、定車速走行状態
への移行時の加速度の急変による衝撃の発生が防止され
るという効果がある。
アクセルペダル27およびブレーキペダル28が共に解放
状態にあり、オートクルーズモード制御が行なわれてい
る場合は、以下の効果がある。
第1に、オートクルーズモード制御で使用する実加速
度の数値として、車両の加速度の実際の変化に対する追
従性が高く応答性の高い制御に適するDVA65と、瞬間的
な外乱による影響が少なく安定性の高い制御に適するDV
A850と、上記両数値の中位にあるDVA130の互いに精度特
性の異なる3つのデータを、走行状態変更開始時と、走
行状態変更中間時と、走行状態変更完了後とにより、適
宜選択して用いているので、常に最適な制御を行なえ
る。
例えば、アクセルペダル27の踏込解除あるいはブレー
キペダル28の踏込解除によって定車速走行状態へ移行す
る際、および加速スイッチ45あるいは切換スイッチ46の
操作により指定された異なる走行状態への移行の際に
は、移行開始後最初のスロットル弁31の開閉タイミング
までの制御でDVA65の値を用いることによって、移行開
始が迅速かつ的確に行なわれるという効果がある。ま
た、移行の後、定車速走行状態となってからは、DVA850
を用いることによって、外乱による誤動作の発生の無い
安定した制御が可能となるという効果がある。
第2に、スロットル弁31の開閉を行なうタイミング
は、アクセルペダル27,ブレーキペダル28,加速スイッチ
45又は切換スイッチ46といった走行状態変更手段の各操
作により加減速走行中にある時などの車速が変動してい
る場合には、車速の変化に反比例する周期をもって設定
される。このため、車速が上昇するのに伴いスロットル
弁31の単位時間当りの開閉回数が増え、応答性の高い運
転が可能となるという効果がある。
更に、第3に、車重検出部19のエアサスペンション
(エアサス)の空気圧検出装置で検出された空気圧(車
重に対応したデータ)が急変した場合には、実加速度デ
ータとして急変前のものを採用すると共に、装置の制御
を初期段階に設定し直すように構成された第1のフェー
ルセイフ制御によって、第3の割込制御によって求めら
れる実加速度DVAに誤差が生じたと判断できる場合に
は、各実加速度DVA(DVA65,DVA130,DVA850)のデータ
として、既に算出した適正なデータの中から最も新しい
もの(最終算出値)を採用している。したがって、例え
ば路面の凹凸によって車輪がバンプ・リバウンド等を起
こして車速データに誤差が生じても、実加速度データと
して誤ったものが参入しないようになる。このため、車
両の走行制御が外乱に影響されない円滑なものになり、
且つ、可能なかぎり最新の加速度データが用いられるの
で、速やかに望みの制御を行なえ、乗車フィーリング及
び運転フィーリング等の向上に大きく貢献しうる利点が
ある。
また、この第1のフェールセイフ制御と並列的に行な
われる第2のフェールセイフ制御によっては、Gセンサ
51で検出した車体前後方向加速度に基づいて、実加速度
データの誤りを判定できるので、車輪のバンプ・リバウ
ンド等に起因しない実加速度データの誤りも確実に検出
できる。このため、第1のフェールセイフ制御よりも広
範囲に、車両の走行制御への外乱の影響を除外でき、第
1のフェールセイフ制御と同様に、可能なかぎり最新の
加速度データが用いながら、速やかに望みの制御を円滑
に行なって、乗車フィーリング及び運転フィーリング等
の向上に寄与しうる。
なお、これらの実加速度データの誤差を検出し処理す
る第1及び第2のフェールセイフ制御については、いず
れか一方だけを装備しても良い。
そして、定車速走行状態となった後は、車速がほぼ一
定となって大幅なスロットル弁開度の変動がないため、
車速に無関係な一定の周期で上記のタイミングが設定さ
れ、高速走行の割合が増加してもスロットル弁31及びス
ロットル弁回動部26の寿命の低下が防止されるという効
果がある。
また、各制御は、主として第8図(i)に示す主フロ
ーチャートに従って一定の制御周期(制御サイクル)で
行なわれるが、この制御周期が、車両のトルクコンバー
タやトランスミッション等の慣性により発生する制御の
遅れに応じた時間(ロスタイム)Tdを所定時間Taに加え
た時間(Ta+Td)として設定されるので、制御に対する
応答遅れが、次の制御サイクルに影響することはなく、
常に的確な制御を実現できる効果がある。
そして、アクセルペダルの操作に対応する目標トルク
[式(2)参照]や定車速走行時の目標トルク[式
(1)参照]等のエンジン制御の際の目標トルクを、自
動変速機32で使用する変速段を第1速とした状態に換算
し、第1速の時の他の値として求めており、この第1速
時のトルク値は他の変速段の時のトルク値に比べて最も
大きくなるため、目標トルクとエンジン回転数とから目
標スロットル開度を求める際に、その分解能が良くなる
と共に、相対的な誤差が小さくなるという利点がある。
また、目標トルクTOM1,TOM2,TOM3[式(1),
(4),(5)参照]を算出するための実トルクTEM
を、例えば、吸入空気量をパラメータとして求める場合
にはスロットル弁の動作に対して吸入空気量の検出値が
遅れるため制御遅れが大きくなるのに対して、本装置で
は、実トルクTEMを自動変速機(トルクコンバータ)32
の特性に基づいて求めているので、制御遅れが抑えられ
て、制御の応答性が向上するという利点がある。
更に、エンジンの制御に重要な車両の重量Wのデータ
を、固定値ではなく、可能な限り最新の測定値を使用し
ているので、乗員や積荷が変化した場合にも、これを速
やかに考慮して、高精度で、適切な制御が行なえるとい
う利点もある。
以上、エンジン制御装置1によるエンジン13の制御に
かかる利点及び効果を述べたが、次に、自動変速機制御
装置101による自動変速機32の制御にかかる利点及び効
果を述べる。
アクセルペダル16を踏み込まないでオートクルーズモ
ード制御を行なっている時には、擬似踏込量SFTAPSを設
定して、自動変速機32の変速制御を行なうので、オート
クルーズモード制御時の変速制御をアクセルモード制御
の変速制御とほぼ共通の手法で行なえ、オートクルーズ
モード制御時にも、確実で容易に変速制御を行なえ利点
がある。特に、加速走行時における擬似踏込量SFTAPS
は、設定された目標加速度DVSに対応した値として予め
マップに設定されているので、確実で応答性の良い制御
が実施できる。
急坂を登ったり下ったりする際には、このようなエン
ジン13の制御だけでは、オートクルーズモード制御時の
定車速走行を維持するのが困難な場合があり、このよう
な場合には、自動変速機制御装置101の動作によって、
自動変速機32の変速段を適宜ダウンシフトすることで、
登り坂ではトルクアップを図り下り坂ではエンジンブレ
ーキの効きの向上を図って、確実に、定車速走行を維持
できるようになる利点がある。
特に、この自動変速機制御装置101による制御は、ダ
ウンシフトを行なうのに、実車速が低下しすぎてい
る。実加速度が所定値よりも低い状態が所定時間継続
している。変速段が3速又は4速である。現エンジ
ン回転数でほぼ最大トルクを出力している状態が所定時
間継続している。ダウンシフト後のエンジン回転数が
所定値を越えいない。という各条件を共に満たすことを
必要としているので、エンジン13の制御で車速を維持で
きる範囲では、不必要にダウンシフトすることがなく、
また、ダウンシフトによるエンジンの回転数が増加し過
ぎることもない。
そして、このダウンシフト時には、これと同時に、ア
ップシフトを禁止するように構成され、このアップシフ
ト禁止の解除に、アップシフト禁止中であって、実
速度が目標速度に接近し、変速段が2速又は3速であ
って、現在エンジンの出力トルクに余裕がある状態が
所定時間継続していることを条件としているので、アッ
プシフト後にエンジン13の制御のみで車速を維持できる
場合になったときだけアップシフトが可能となるので、
不必要なシフト切替が防止されると共に、定車速走行の
維持が一層確実になるのである。
また、ブレーキペダル16を通じて急制動を行なわれた
時に、自動変速機32の変速段が高速段に設定されている
ときには、急制動の度合いが強いほど速くシフトダウン
が行なわれるので、エンジンブレーキの効きが強まっ
て、ブレーキペダル16による制動力にこのエンジンブレ
ーキによる制動力が加わって、制動能力が大幅に向上す
る。
なお、本実施例では、オートクルーズモード制御によ
る定車速走行状態への移行の際に、車速を目標車速VSに
近づける手段として、目標加速度DVSを徐々に0に近づ
けるようにしているが、これを以下のように、第1目標
車速VS1(これが実施例中の目標車速VSにほぼ相当す
る)及び第2目標車速VS2を用いて行なってもよい。
例えば、アクセルペダル27を踏込んで車両の加速を行
なった後に、アクセルペダル27を踏込解除した場合に
は、まず、解除した直後の実車速VAIを第1目標車速VS1
に設定し、車速がこの第1目標車速VS1を維持しうると
推測される開度位置にスロットル弁31を暫定的に回動す
る。
次いで、次の制御サイクル以降で最初のスロットル弁
開閉タイミングサイクルになった時に、実車速VAを第2
目標車速VS2にして、この第2目標車速VS2に近づくよう
にスロットル弁31の開度調整を行なってエンジン13を制
御すると共に、第2目標加速度VS2を第1目標加速度VS1
に徐々に近づけていく。
そして、最終的には、車速がほぼ第1目標車速VS1
一致した一定状態に維持される。
このように車速を目標車速VSに近づけることにより、
定車速状態における車速がアクセルペダル27の踏込解除
直後の車速により正確に一致する効果がある。
また、アクセルペダル27の踏込解除後最初のスロット
ル弁開閉タイミングサイクルから直ちに定車速走行の目
標車速として第1目標車速VS1を採用せずに、第2目標
車速VS1を採用して、このスロットル弁開閉タイミング
サイクルにおけるスロットル弁31が開閉される直前の車
速と目標車速との差を小さくすることで、スロットル弁
開閉タイミングサイクルでのスロットル弁31の開閉を行
なった時の車速及び加速度の急変が解消されて、不快な
衝撃の発生が防止されて極めて滑らかな速度変化を実現
できる効果がある。
更に、ブレーキペダル28を踏込んで車両の減速を行な
った後、ブレーキペダル28の踏込を解除した場合には、
減速時の減速度が基準値以上の状態が基準時間を超えて
継続し且つブレーキペダル踏込解除時の車速が基準値よ
りも低い時を除き、アクセルペダル28の踏込解除時と同
様にして第1目標車速VS1及び第2目標車速VS2を設定し
てスロットル弁31の開閉が行なうようにすることで、定
車速走行状態における車速がブレーキペダル28の踏込解
除直後の車速により正確に一致する効果がある。
また、ブレーキペダル28の踏込解除後最初のスロット
ル弁開閉タイミングサイクルから直ちに定車速走行の目
標車速として第2目標車速VS1を採用することで、この
スロットル弁開閉タイミングサイクルにおけるスロット
ル弁31の開閉直前の実車速と目標車速との差が小さくな
り、このスロットル弁開閉タイミングサイクルでスロッ
トル弁31の開閉を行なった時の車速及び加速度の急変が
解消され、不快な衝撃が発生せずに極めて滑らかな速度
変化を実現できる効果がある。
なお、上述のスロットル弁開閉タイミングサイクルと
はエンジン出力調整周期に相当する。
一方、本エンジン制御装置1については、自動変速機
32を有する車両に限らず、手動変速機を有する車両に装
備することも考えられるため、以下に、手動変速機を有
する車両に、本エンジン制御装置1を装備した場合につ
いて説明する。
この場合には、第2図に示すエンジン制御装置1の構
成のうち、次の点を変更する。
つまり、出力回転数検出部22を省略し、自動変速機32
に代わって手動変速機(図示省略)を設けると共に、シ
フトセレクタ29に代わって手動変速機の変速段を手動で
選択するためのシフトレバー(図示省略)を設ける。ま
た、シフトセレクタ17に代わってシフトレバーがニュー
トラルまたは後進を選択する位置にある時、或は、クラ
ッチペダル(図示省略)が踏み込まれている時に、ON状
態となる接点を有するシフトポジションスイッチ(図示
省略)を設ける。
また、このように手動変速機のものに変更されたエン
ジン制御装置1により行なわれる制御の内容は、本実施
例に対して、次の点を変更する。
つまり、第8図(i)のA113で行なわれる制御では、
シフトポジションスイッチ(図示省略)の接点がON状態
にあるか否かの判断とする。そして、接点がON状態にあ
ると判断するとステップA117へ進み、OFF状態にあると
判断するとステップA114へ進むものとする。
また、第10図のステップC130で使用する式(1)、第
11図のステップD123で使用する式(2)、第12図のステ
ップE107で使用する式(4)、及び、第12図のステップ
E123で使用する式(5)における、トルク比TQを求める
ための速度比eの値は1となる。
以上のようなエンジン制御装置1における作用は、上
述のように変更したステップA113の部分のみ異なる。
即ち、シフトレバーがニュートラルまたは後進を選択
する位置にある時、あるいは、クラッチペダル(図示省
略)が踏み込まれている時には、シフトポジションスイ
ッチの接点がON状態となるので、ステップA113での判断
により、ステツプA117へ進み、本実施例とほぼ同様にし
て、スロットル直同制御が行なわれる。
また、シフトレバーがニュートラル及び後進を選択す
る位置以外にあって、クラッチペダルが踏み込まれてい
ない時には、シフトポジションスイッチの接点がOFF状
態となり、ステップA113での判断により、ステツプA114
へ進んで、本実施例と同様にして制御が行なわれる。
これにより、本エンジン制御装置1を手動変速機を有
する車両に装備した場合にも、自動変速機32を有する車
両に装備した場合とほぼ同様の効果を得ることができる
のである。
また、このようなるエンジン制御装置において、シフ
トポジションスイッチがON状態となる条件であるシフト
レバーの位置に、ローギヤとして使用する第1速を加え
てもよく、また、この第1速とセカンドギヤとしての第
2速とを加えてもよく、さらに、これらの第1速と第2
速とサードギヤとしての第3速とを加えてもよい。
以上で、エンジン制御装置1を手動変速機を有する車
両に装備した場合の説明を終える。
さらに、上述の実施例の制御装置において、以下のよ
うな変更を行なうこともできる。
各制御サイクルでオートクルーズモード制御が行なわ
れ、車両が定車速状態にある時に、加速スイッチ45また
は切換スイッチ46を操作して加速走行状態あるいは減速
走行状態を指定すると、制御部25の到達目標車速設定部
6で、到達目標車速の設定値を変更してもよい。
つまり、この時の到達目標車速の設定値は、加速走行
状態が指定されている時には、車速・加速度検出部24に
よって検出された実車速VAに補正量 を加えたものであり、減速走行状態が指定されている時
には、車速・加速度検出部24によって検出された実車速
VAに補正量 を減じたものであるが、実車速VAに予め設定された係数
を乗じることにより、到達目標車速を設定するようにし
てもよい。
また、ここでの実車速VAに代えて、定車速走行状態に
あった時の目標車速VSを用いてもよい。又は、補正量 を同一の値としても、上記の各実施例とほぼ同様な効果
が得られる。
つぎに、定車速走行状態にある時に、切換スイッチ46
を操作して減速走行状態を指定した場合、加速走行状態
を指定した場合と同様に、指定後の各制御サイクル毎
に、徐々に目標加速度を増加させるようにしてもよい。
この場合、各実施例で得られる効果に加えて、減速走行
への移動がより滑らかに行なわれるという効果がある。
また、スロットルスイッチ47を の位置とした場合には、ブレーキペダル28の踏込解除後
は常にスロットル弁31がエンジンアイドル位置となる最
小開度位置に保持されるが、この時、アクセルペダル27
の踏込解除後も常にスロットル弁31を最小開度位置に保
持するようにしてもよい。
さらに、加速スイッチ45の位置は、第6図中の の4つがあって、切換スイッチ46の操作は行なわずに加
速スイッチ45の切換を行なった場合には、加速スイッチ
45の位置を にすると定車速走行、また、 にすると加速走行がそれぞれ制御部25の走行状態指定部
3でによって指定されるようになっているが、 の各位置に対応する走行状態は、このようなものに限定
されず、必要に応じて任意に設定することができる。
また、各実施例では、加速スイッチ45の切換だけでは
減速走行は指定されないが、加速スイッチ45の切換だけ
で減速走行を指定できるように、加速スイッチ45の何れ
かの位置に「減速走行」を設定し、これを選択しうるよ
うにしてもよい。
また、加速スイッチ45の選択は、 の4つに限定されるものではなく、必要に応じて選択位
置の数を増減させてもよい。
更に、切換スイッチ46の操作に対応する走行状態の切
換についても、各実施例に示すものに限定されず、加速
スイッチ45の各位置毎に任意の走行状態を組合わせて設
定し、切換スイッチ46の操作に対応して切換えられるよ
うにしてもよい。
次に、ブレーキ(図示省略)により車両の減速を行な
った時に、減速度が基準よりも大きい状態の継続時間が
基準時間よりも長く且つ減速減速時の車速が基準より低
い場合には、ブレーキペダル、28の踏込解除後も引き続
きスロットル弁31をエンジンアイドル位置となる最小開
度に保持するようになっているが、これらの条件を車両
の特性,使用目的等に応じて変更してもよい。
このスロットル弁31をエンジンアイドル位置に保持す
る条件としては、例えば、以下のようなものが考えられ
る。
つまり、ブレーキペダル踏込時の減速度が基準値よ
りも大きい場合、あるいは、ブレーキペダル踏込状態
継続時間が基準値よりも長い場合、あるいは、ブレー
キペダル踏込解除時の車速が基準値よりも小さい場合が
考えられるほか、更に、これらの各条件,,を適
宜組み合わせた条件として、ブレーキペダル踏込時の
減速度が基準値よりも大きく且つ減速時の車速(ブレー
キペダル踏込解除時の車速)が基準値より小さい場合、
あるいは、ブレーキペダル踏込時の減速度が基準値よ
りも大きい状態の継続時間が基準値よりも長い場合等を
条件とすることができる。
また、減速の程度の判断を減速度で行なっているが、
ブレーキを駆動するブレーキオイルの圧力の大小によっ
て行なってもよい。
更に、各制御サイクルにおいて、オートクルーズモー
ド制御が行なわれるが、車両の走行状態として定車速走
行が指定されている時には定車速走行の目的車速を、加
速走行又は減速走行を指定されている時には加速走行又
は減速走行の到達目標車速をそれぞれ表示する機能を追
加してもよい。この場合、目標車速あるいは到達目標車
速の設定値の変更を目で確認しながら行なうことができ
るようになる。
また、本実施例のエンジン制御装置1は、アクセルペ
ダル27とブレーキペダル28とがともに解放状態にある時
には、特定の場合を除いて常に車両の走行状態を定車速
走行とするものであるが、従来のように定車速走行を人
為的に指定した時のみ、定車速走行が行なわれるように
してもよい。この場合、人為的に走行状態の指定が行な
われるので車両が定車速走行を行なっている時に、エン
ジン制御装置1を作動させることにより、同等の効果が
得られる。
また、本実施例のエンジン制御装置1において、アク
セルペダル27とブレーキペダル28とを共に解放状態とし
ただけでは車両の走行状態を定車速走行とはせずに、加
速スイッチ45または切換スイッチ46を操作して予め設定
された状態に切換えた時、即ち各実施例では加速スイッ
チ45を の位置に切換えた時に定車速走行が指定されるようにし
てもよい。
さらに、自動変速機制御装置101によって行なう自動
変速機32のダウンシフト制御[第28図(i)〜(iii)
参照]において使用した各定数k1〜k10や設定回転数XDR
PM1〜XDRPM6等については、本実施例で設定した値に限
るものではなく、エンジンや変速機の特性に応じてそれ
ぞれ適宜設定しうるものである。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の車両用自動変速機の変
速制御装置によれば、変速制御手段によって、車両の制
動状態が所定時間継続したときに、自動変速機の変速段
を低速段側へダウンシフト制御しうるように設定されて
いるので、制動操作による制動力に加えて、エンジンブ
レーキによる制動力が働くようになり、所望の制動を速
やか且つ確実に行なうことができる。また、制動状態に
おいて、例えば急制動による減速度の度合いが大きいほ
ど、より迅速に低速段側へのダウンシフト制御を実行す
ることができるので、急制動による減速度の度合いが大
きいほどエンジンブレーキを速やかに働かせることがで
き、制動要求に応じた制動を速やか且つ確実に行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜30図は本発明の一実施例にかかるの車両用自動走
行制御装置を示すもので、第1図は本装置の主要部分を
概念的に示した構成図、第2図はそのエンジン制御装置
の具体的な全体構成図、第3図はその踏込量検出部の構
成図、第4図はそのスロットル弁回動部の構成図、第5
図はその車速・加速度検出部の構成図、第6図はそのオ
ートクルーズスイッチの正面図、第7図はそのオートク
ルーズスイッチと制御部との接続部分の回路図、第8図
(i)は本制御の主要内容を示す主フローチャート、第
8図(ii)〜(iv)はそれぞれ主フローチャートに優先
して割り込まれる割込制御の内容を示すフローチャー
ト、第8図(v)は第8図(iv)に示す第3の割込制御
によって求められる実加速度の誤差を補償するためのフ
ェールセイフ制御の内容を示すフローチャート、第8図
(vi)は第8図(iv)に示す第3の割込制御によって求
められる実加速度の誤差を補償するためのもう一つのフ
ェールセイフ制御(第2のフェールセイフ制御)の内容
を示すフローチャート、第8図(vii)は車重データの
設定手順をしめすフローチャート、第9図は第8図
(i)のステップA117で行なわれるスロットル直動制御
の詳細を示すフローチャート、第10図は第8図(i)の
ステップA116で行なわれるスロットル非直動制御の詳細
を示すフローチャート、第11図は第10図のステップC137
で行なわれるアクセルモード制御の詳細を示すフローチ
ャート、第12図は第10図のステップC144で行なわれるオ
ートクルーズモード制御の詳細を示すフローチャート、
第13図は第12図のステップE128で行なわれる切換スイッ
チ制御の詳細を示すフローチャート、第14図は第12図の
ステップE121で行なわれる加速スイッチ制御の詳細を示
すフローチャート、第15図は第12図のステップE131で行
なわれる減速制御の詳細を示すフローチャート、第16図
は第12図のステップE133で行なわれる目標車速制御の詳
細を示すフローチャート、第17図は第12図のステップE1
22で行なわれる加速制御の詳細を示すフローチャート、
第18図は第16図のステップJ115で行なわれる目標加速度
DVS4の決定の制御の詳細を示すフローチャート、第19〜
26図はいずれもこのエンジン制御装置での制御に使用さ
れるマップのパラメータとこのパラメータに対応して読
み出される変量との対応関係を示すグラフ、第27図は加
速スイッチ45を切換えて制御部の走行状態指定部の指定
を加速走行とした時の、切換後の時間経過に対応した目
標加速度および走行速度の変化の一例を示したグラフ、
第28図(i)は自動変速機制御装置による自動変速機の
制御内容のうちの主として登坂時の制御内容を示すフロ
ーチャート、第28図(ii)は自動変速機制御装置による
自動変速機の制御内容のうちの主として降坂時の制御内
容を示すフローチャート、第28図(iii)は第28図(i
i)の降坂時の制御の変形例としての制御内容を示すフ
ローチャート、第29図(i)は自動変速機制御装置によ
る自動変速機の制御内容のうちの急制動時のメイン制御
の制御内容を示すフローチャート、第29図(ii)はメイ
ン制御に対して20msタイマ割込で行なう割込制御の制御
内容を示すフローチャート、第29図(iii)はこの20ms
タイマ割込制御に用いる時間データを求めるマップ、第
30図はオートクルーズモード制御時に自動変速機32の通
常通り変速制御するための制御パラメータの設定用のマ
ップである。 1……車両用エンジン制御装置、2……手動操作手段、
3……走行状態指定手段としての走行状態指定部、4…
…目標加速度設定手段としての目標加速度設定部、5…
…車速検出手段、6……到達目標車速設定手段としての
到達目標車速設定部(目標車速設定部)、7……エンジ
ン出力調整手段、8……定車速制御手段としての定車速
制御部、9……加速制御手段としての加速制御部、10…
…減速制御手段としての減速制御部、11……到達検出手
段としての到達検出部、12……走行状態切換手段として
の走行状態切換部、13……エンジン、14……踏込量検出
部、15……アクセルスイッチ、16……ブレーキスイッ
チ、17……シフトセレクタスイッチ、18……オートクル
ーズスイッチ(加速指定手段)、18a……メインレバ
ー、19……車重検出部(エアサスペンションの空気圧検
出装置を含む)、20……吸入空気量検出部、21……エン
ジン回転数検出部、22……出力軸回転数検出部、23……
変速段検出部、24……車速・加速度検出部、25……制御
部、26……スロットル弁回動部、27……アクセルペダル
(走行状態変更手段)、28……ブレーキペダル(走行状
態変更手段)、30……吸入通路、31……スロットル弁、
32……自動変速機、33……左前車輪、33……右前車輪、
35……左後車輪、36……右後車輪、37……ポテンショメ
ータ、38……A−D変換部、39……アクチュエータ駆動
部、40……スロットル弁アクチュエータ、41……スロッ
トル弁開度検出部、42……右後車輪速検出部、43……左
後車輪速検出部、44……車速・加速度算出部、45……加
速スイッチ(走行状態変更手段)、46……切換スイッチ
(走行状態切換操作手段及び走行状態変更手段)、47…
…スロットルスイッチ、48……目標車速変更スイッチ、
49……ステアリングゴラム、50……電源、51……車体前
後方向加速度センサ(Gセンサ)、101……自動変速機
制御装置、102……車速比較判定手段、103……加速度比
較判定手段、104……トルク比較判定手段、105……エン
ジン回転数比較判定手段、106……シフト変更制御手
段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用自動変速機の変速制御を行なう変速
    制御手段と、 上記車両の制動状態を検出する制動状態検出手段と、 上記制動状態検出手段により検出される制動状態が所定
    時間継続したときに上記変速制御手段にダウンシフトの
    変速制御信号を出力するダウンシフト信号出力手段と、 上記制動状態における急制動による減速度の度合いに応
    じて上記所定時間を変更する変更手段と を有することを特徴とする、車両用自動変速機の変速制
    御装置。
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