JP2913455B2 - 防食性能に優れた鉄管類 - Google Patents
防食性能に優れた鉄管類Info
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Description
防食性の向上を目的とし、特定の共重合体水分散物で管
の内外面の双方、または何れかを被覆して塗膜層を形成
した鉄管類の防食塗装の改善に係る。
路を形成する鉄管類は、外面については土壌内の腐食性
雰囲気に曝され、内面については通水による腐食作用を
受ける上、腐食が進行しても取り替える作業は交通渋滞
を招くなど影響するところが大きいので、内外面の防食
性の向上は重要な課題である。従来は液状のコールター
ル、アスファルトなどを貯溜した槽内へ直接鉄管類を吊
り下ろして浸漬する塗装法、いわゆるドブ漬け法が主体
を占めていたが、塗装材に含まれる溶剤が人体に有害で
あることや、作業環境が著しく劣悪であることが指摘さ
れて近年は他の防食塗装方法に転換している。
ために、先に特開昭52−148826号公報において
特定の共重合体水分散物で鉄管類の内外面を被覆する塗
装技術を提示し、従来に比べると人体に無害であるばか
りでなく、塗装面自体もきわめて優れた弾性と強靭さを
有し、耐薬品性および金属との密着性に優れた乾燥被覆
を形成するので、コールタールなどに代ってこの方法を
実施すれば、地中に埋設した管路として使用しても十分
に耐え得る防食性、耐薬品性、耐衝撃性に優れた鉄管類
が得られたと謳っている。この場合の共重合体水分散物
は、共役ジオレフィンを必ず含みアクリル酸アルキルエ
ステル、メタクリル酸アルキルエステルの何れかを加え
た単量体(a)と、エチレン系不飽和芳香族単量体など
(b)と、エチレン系不飽和カルボン酸(c)よりなる
ことを要件としている。
かにコールタールなどの防食塗装に代って人体に無害で
作業条件も格段に改善された塗料の開発に貢献し、広く
実用化されているが、目的とする埋設後の表面の耐食性
については、新旧鉄管類の更新工事が交通量の激増によ
り近来益々困難となる現況の厳しさから、なお、一層強
化するように要望がレベルアップしている。すなわち、
共重合体水分散物の塗装による防食施工については、共
重合体水分散物自体は問題ないとしても、実際に塗料と
して調整する段階に添加する乳化剤が、埋設状態で取り
囲まれる土壌中の水分と反応して溶出を始め、長い使用
期間中には塗膜に局部的な欠陥を生じて腐食進行の出発
点となることが確かめられた。乳化剤として特に限定し
ないで陰イオン性、非イオン性の界面活性剤であればよ
く、それぞれ単独あるいは併用の形とで使用されると説
明しているが、長い期間、湿度の高い土壌に取り囲まれ
接触を続けると、水分と反応して溶出する懸念が相当に
強く、高レベルの防食を目指すうえでは、なお、改善の
必要を求めざるを得ない。
の地下内へ埋設された条件下においても、表面を保護す
る塗膜層の耐水性に劣化が始まらず、常に変らぬ優れた
防食性能が長期間維持される鉄管類の提供を目的とす
る。
優れた鉄管類は、水性媒体中でエチレン性不飽和カルボ
ン酸を必須の共重合成分として3〜10重量%反応して
得られる共重合体の水分散物(A)の100重量部と、
ステアリン酸ステアリル(B)の1〜30重量部とから
なる共重合体水分散塗料組成物によって外面および/ま
たは内面を被覆し、表面に撥水作用を具えた塗膜層を形
成したことによって前記の課題を解決した。
重合体成分として、さらに炭素原子数4〜6の共役ジオ
レフィンを5〜50重量%、エチレン性不飽和芳香族単
量体20〜60重量%、炭素原子数1〜10のアルカノ
ールから誘導されるアクリル酸アルキルエステル、炭素
原子数1〜10のアルカノールから誘導されるメタクリ
ル酸アルキルエステル5〜30重量%の中から選ばれる
少なくとも1種の単量体を併用することが好ましい実施
態様である。
る水分散液(A)の生成に対して、前記共重合体が反応
性乳化剤の存在下で反応して水分散液(A)を得ること
がきわめて好ましい実施態様である。
外表面に塗布して塗膜層を形成するが、その基本成分の
うち、ステアリン酸ステアリル(B)を共重合体水分散
組成物100重量%に対して1〜30重量%使用する
と、乾燥後の塗膜表面にブリードして塗膜表面側へ集中
する特殊な傾斜構造皮膜を形成するので、塗膜表面に撥
水作用が発現する。すなわち地下へ埋設された鉄管類の
表面には、地中の湿分や地下水との接触は避けられない
が、本発明に係る塗膜層の表面側に水を強く撥く作用が
働くので、水分(湿分)が塗膜層内へ浸入することがで
きず、したがって塗膜層を形成する乳化剤との接触を阻
止する作用が長期に亘って持続する。
エチレン性不飽和カルボン酸(A)は鉄管類の表面の耐
食性、耐久性を維持する上で必須の成分である。このエ
チレン性不飽和カルボン酸は3〜10重量%の配合をす
ることによって共重合体水分散組成物が微弱な吸水性を
具える構造となり、仮に塗膜層の一部に損傷が発生して
も被塗装体である鉄管類の鉄成分と塗膜表面間の電位差
が減少し、金属錆の発生が防止される作用が発現するか
ら、鉄管類表面の耐食性維持には不可欠の要素である。
のうち、共役ジオレフィンの単量体は共重合体を内部可
塑化する作用があり、5重量%以上の配合によって良好
な弾性、耐衝撃性の塗膜を形成することができる。しか
し、50重量%を過ぎると塗膜が軟らかくなり過ぎて共
重合体水分散物の機械的安定性が低下し、たとえばエア
ーレス塗装の時にポンプ内で凝集したりスプレーガンの
中で目詰りを起こすなど塗装作業中のトラブルの原因と
なるから注意が必要である。一方、エチレン性不飽和芳
香族単量体を20〜60重量%配合すれば、前記の共役
ジオレフィンと同様に鉄管類表面に形成された塗膜層に
耐衝撃性を付与する作用があり、耐食性を重点指向する
本発明の直接の目的とは別に、優れた塗膜層を形成する
特有の作用が発揮される。
明は必須の成分である前記の(A)(B)の独特の作用
によって水分の塗膜層内への浸入を阻止し、従来技術が
抱える課題であった地中埋設時の鉄管類塗膜層からの乳
化剤の溶出を防止するから、乳化剤自体を特定する必要
はない。一般にエマルジョン重合に使用される品種でも
十分に優れた防食性が保証されるが、たとえば、重合性
エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤を適用すれ
ば、管類を土壌中へ埋設した状態で周囲の水分と接触し
ても、塗膜層内から乳化剤が水分中へ溶出する反応が阻
止され、長期の使用が継続しても塗膜層の欠陥発生が常
に抑止され、堅牢な保護膜としての機能がさらに強力に
維持される。すなわち、前記基本成分による基本的な防
食性能の向上に加え、万一埋設作業時の不注意や埋設後
の地盤への偏荷重、振動など種々の原因のために塗膜層
の表面自体に外傷が起きたときでも、乳化剤溶出を防止
する作用が複合して発明の目的を達成する上で二重の保
証を与えることができる。
係る数値限定の根拠について説明する。(B)ステアリ
ン酸ステアリルの使用量は共重合体水分散塗料組成物1
00重量部に対して1〜30重量部に限定する。ステア
リン酸ステアリルが1重量部以下では塗膜表面に集中し
た傾斜構造の形成が困難であり、表面における撥水作用
が有効に発揮されないので優れた防食効果を期待するこ
とができない。一方、ステアリン酸ステアリルが30重
量部以上となると塗料組成物としての結合力が不足し、
鉄管類表面に塗布した後の塗膜層の強度が不十分とな
り、金属面間との密着力も低下して塗料としての機能が
果たせなくなるので上限とする。ステアリン酸ステアリ
ルの形態としては、粉末、エマルジョン化された性状な
どの形態から任意に選ぶことができるが、配合の作業性
から経験的に判定すればエマルジョン化されたタイプが
望ましい。(A)エチレン性不飽和カルボン酸について
は、少なくとも一種類を3〜10重量%使用しなければ
ならない。配合量が3重量%以下であると、前記の微弱
な吸水性を具えた構造を形成するに至らず耐食性が不十
分となる。また、10重量%を越えると塗膜層の耐水性
が低下して鉄管類表面の保護作用が劣化する上、重合終
了後の共重合体水分散物をアルカリ性物質でpH調整す
る際に粘度が著しく高くなって、塗料の性質としては不
適当な条件を引き起こす原因となる。
て使用されるエチレン性不飽和カルボン酸は、具体的に
はアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和モノカ
ルボン酸、およびマレイン酸モノメチル、フマル酸モノ
エチル、イタコン酸モノn−ブチルなどの不飽和ジカル
ボン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。
される炭素原子数4〜6の共役ジオレフィンとしては、
たとえばブタジエン−1,3、2−クロルブタジエン−
1,3、2,3−ジメチルブタジエン−1,3などが挙
げられるが、他の単量体との共重合性や経済性を考慮す
れば、ブタジエン−1,3を使用することが好ましい。
用されるエチレン性不飽和芳香族単量体としては、スチ
レン、αメチルスチレン、ビニールトルエン、クロルス
チレン、2,4−ジブロムスチレンなどが挙げられ、さ
らに、共重合体の任意成分として使用される炭素原子数
1〜10のアルカノールから誘導されるアクリル酸アル
キルエステル、炭素原子数1〜10のアルカノールから
誘導されるメタクリル酸アルキルエステルとしては、た
とえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタ
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アク
リル酸オクタデシル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸−オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸トデシル、メタクリル酸オクタデシル
などが挙げられる。
れも単量体の重合率が殆ど100%になるまで重合する
ことが可能であり、しかも塗料配合においては有機溶剤
を特に必要としない完全な水系ビヒクルであるため、塗
料調整時の労働安全衛生上の問題が全く解消されること
は言うまでもない。
支えのない限り上記の単量体の他に共重合可能な単量体
を1種以上使用することもできる。このような単量体と
しては、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、などの不飽和ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、バサルチック酸ビニルなどのビニルエステル、
塩化ビニリデン、臭化ビニリデンなどのビニリデンハラ
イド、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルな
どのエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキル
エステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエ
ステルおよびアクリルアミド、メタアクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、N−ブトキシメチルアルキルアミド、N−ブ
トキシメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
ヒドロキシメチルジアセトンアクリルアミドなどが挙げ
られる。
方法は、従来から広く知られている何れの方法によって
もよいが、たとえば、オートクレーブにブタジエンおよ
びこれと共重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノ
マート、イオン交換水、乳化剤、および重合助剤を仕込
み、所定の温度に到達後、重合開始剤を添加して乳化重
合を行ないラテックスを得る方法や、オートクレーブに
予めイオン交換水、反応乳化剤、重合助剤を仕込み、所
定の温度に到達後、ブタジエンおよびこれと共重合可能
なエチレン性不飽和基を有するモノマーの混合物、およ
び重合開始剤を連続的に添加して乳化重合を行ないラテ
ックスを得る方法などが挙げられる。
前記のように重合性エチレン性不飽和基を有する反応性
乳化剤の適用が好ましく、一般に反応性乳化剤または反
応性界面活性剤と呼ばれる種類が適当である。具体的に
はスチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナ
トリウム、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム、
(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドアダクト硫酸
エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプ
ロペニルフェニルエーテル、またはその硫酸エステルア
ンモニウム塩の1種または2種以上を組み合わせて用い
られる。
はアルキルメルカプタンなどの分子量調節剤、粒子径調
整のための電解質、金属イオン封鎖のためのキレート
剤、レドックス反応のための還元剤などを任意に適用す
ることができる。
は通常、乳化重合に使用されるもので差し支えなく、た
とえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫
酸塩や、ter−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸物が挙げられ
る。
ストリッピングにより未反応のモノマーが除去され、必
要に応じてアンモニア、苛性ソーダ、苛性カリなどでラ
テックスのpHを調整して使用される。
重合体水分散物以外に、必要に応じてスプレー塗装、ハ
ケ塗り、ロール塗りなどの塗装手段の差に対応できる塗
装適性を与えるため、各種の添加剤を配合することがで
きる。
するためには、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アン
モニアカゼイン、ポリビニルアルコール、アルカリ可溶
性ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高
分子が添加される。
の熱硬化性樹脂、たとえばメチロールまたはアルコキシ
メチル化された尿素、メラミンなどの多官能性アミノ化
合物とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド−グリ
オキザール混合物との前縮合物で代表されるアミノホル
マリン樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂およびキシ
レン樹脂などを添加することもできる。
ククロメートや、ストロンチウムクロメートなどの防錆
顔料、カーボンブラック、二酸化チタンなどの着色顔
料、および炭酸カルシウム、タルク、クレー、水酸化ア
ルミニウムなどの体質顔料やタールエマルジョン、ピッ
チエマルジョン、およびアスファルトエマルジョンを添
加することができる。
工程で要求される性状を付与するために、たとえばコロ
イド安定剤、分散剤、湿潤剤、顔料沈降防止剤、消泡
剤、凍結防止剤、防災剤、防黴剤、造膜助剤、レベリン
グ剤、垂れ防止剤などとして働く添加剤を適宜選んで配
合することができる。
の上、使用現場へ提供される。実際の塗装作業に当って
は、共重合体水分散物塗料組成物をエアスプレー、エア
レススプレー、ロール、刷手塗りなどそれぞれ所定の方
法に従って塗膜層の膜厚が80μm以上となるように塗
装する。
を塗布するに当っては鉄管類を予め60〜90℃に加熱
しておくことがよい結果を約束する。たとえば70℃に
加熱した鉄管類に前記塗料を塗布すれば、鉄管類の保有
する熱量のために塗料は速やかに乾燥し、鉄管類表面と
塗料との密着性がきわめて良好となり、強靭で弾性に富
む優れた均一な塗膜が形成される。このような塗膜層が
使用中に表面と接触する水分などの腐食性要因を表面上
で撥いて内部への浸入を阻止し、赤錆の発生しない防食
性能が格段に優れた表面を形成するのである。
に示す配合の単量体混合物100部(重量部 以下同
じ)に対して化1に記載の乳化剤0.5部、第3級ドデ
シルメルカプタン1.0部、エチレンジアミン四酢酸ア
ンミニウム0.05部、過硫酸カリウム0.1部および
イオン交換水150部を窒素置換した攪拌翼付きオート
クレーブに仕込み、60℃で重合率が98%以上となる
まで重合を行ない、次いでストリッピングにより未反応
単量体を除去した。次にアンモニアでpHを7.5に調
整し、固形分40%の共重合体水分散物100部に対し
てするエマルジョンを表1のように配合して調整した。
たサンドブラスト処理後の軟鋼板(日本テストパネル社
製 JIS−G−3141−2.0×70×150m/
m)に10ミルのアプリケータを用いて塗布し、80℃
で10分間熱風乾燥して5日間室温で放置した後、塗膜
性試験の実施例1の例1〜例4として供した。同じ方法
で調整した第1比較例の例1〜例3のうち、例1は共重
合体水分散物の中で必須の(B)成分のステアリン酸ス
テアリルが0.5部であって必要な下限の1部に届かず
要件を外れている。また例2は必須成分(A)であるエ
チレン性不飽和カルボン酸(アクリル酸)が15部とエ
チレン性不飽和カルボン酸の上限10部を越え、比較例
の例3は必須成分(B)であるステアリン酸ステアリル
が40部配合されて上限の30部を越えている。実施例
と比較例について共重合体水分散物の性状と塗膜性の試
験結果を表1で見れば、本発明の実施例が比較例に比べ
て明らかに耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩水性、
耐塩水噴霧性、およびSSPC試験において明確な差を
顕示していることが理解できる。
の性能試験で適用したSSPC試験とは、試験板に下地
剤を塗装(溶射)する際に、図1のような三角形の塗り
残し部分Aを作り、さらに上塗り塗装のときにも同じ範
囲を塗装しないで鉄の素地を露出したままの試験板を用
いて防食性能を検知する試験方法である。本試験ではこ
の方法を採用して耐塩水試験を行ない、実施例と比較例
のそれぞれの被塗布面Aと塗布面Bの差を検出し比較し
たものである。
品種を実施例として適用した。
炭化水素基を、R2は水素またはメチル基を、MはNa
またはNH4をそれぞれ示す。
した第1実施例の例1〜例4までの共重合体水分散物
と、第1比較例の例1〜例3までに示した共重合体水分
散物の固形分100部に対して、それぞれタルク100
部、炭カル50部、および消泡剤(ノプコNXZ:サン
ノプコ社製)0.5部を混合し、イオン交換水を固形分
60重量%の混合物を混合し、イオン交換水を加えて固
形分60重量%の混合物を調整した。次いで該混合物を
サンドグラスターミルで30分間練肉して表2に示すよ
うな第2実施例の例5〜例8と、第2比較例の例4〜例
6に示す塗料を調整した。得られた塗料をラッカーシン
ナーで予め脱脂したサンドブラスター軟鋼板(日本テス
トパネル社製:JIS−G3141−2.0×70×1
50m/m)にエアースプレーで塗膜乾燥膜厚が100
±10μmになるように塗装し、80℃で10分間熱風
乾燥して7日間室温に放置した後、塗膜の物性試験に供
した。
体水分散物をベースとして塗料に調整した完成品につい
ても、比較例との間には歴然たる成績の差が顕在し、塗
料の、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐塩水性、耐塩
水噴霧性、SSPC試験の何れの項目についても優れ、
防食性能の際立って優れた塗料とし求められるすべての
要件において従来技術を明らかに凌駕することが立証さ
れた。
であり、第2実施例の例5〜例8までで使用した塗料と
しての調整物と、第2比較例の例4〜例6で使用した塗
料としての調整物を、それぞれ実際のダクタイル鋳鉄管
から切り出した試験片(約5×70×150mm)を6
0〜70℃に予熱した上でエアスプレーによって乾燥後
の膜厚が100±10μmとなるように塗装し、80℃
で10分間熱風乾燥して7日間室温で放置して、第3実
施例の例9〜例12、および第3比較例の例7〜例9と
して防食性能試験に供した。防食性能試験は他の実施例
と同様に水道水による耐水性、0.1N−H2SO4によ
る耐酸性、0.1N−NaOHaqによる耐アルカリ
性、3%NaClaqによる耐塩水性、および耐塩水噴
霧性である。
ぞれの試験結果を纏めたものであり、実施例2のJIS
の標準試験片を対象とした塗装試験の結果とほぼ同様
に、ダクタイル鋳鉄管の表面に実地の製造工程とほぼ同
じ条件で塗装した塗膜層の耐食性能が、比較例に比べて
明確に優秀な成績を立証する結果を示している。
遭遇しても塗膜層表面近くに形成される特殊な傾斜構造
皮膜の撥水作用のために塗膜内部への浸入を阻止し、水
分との反応による塗料成分中の乳化剤が溶出することを
防止する効果が現れる。また、本来的に防食性能を具え
たエチレン性不飽和カルボン酸を主体とする共重合体水
分散物であるから、両者が複合した管表面の保護作用を
長期に亘って保証する。その結果、本発明を実施した管
類の表面は、赤錆の発生しない耐水性、耐薬品性などの
防食性能が何れの腐食性雰囲気に対しても従来技術の水
準を大幅に優越する高い耐性を誇示し、地中に埋設され
て厳しい腐食性雰囲気に直面しても、長い耐用期間を持
続して社会に貢献できる効果が大きい。
明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 水性媒体中でエチレン性不飽和カルボン
酸を必須の共重合成分として3〜10重量%反応して得
られる共重合体の水分散物(A)の100重量部と、ス
テアリン酸ステアリル(B)の1〜30重量部とからな
る共重合体水分散塗料組成物によって外面および/また
は内面を被覆し、表面に撥水作用を具えた塗膜層を形成
したことを特徴とする防食性能に優れた鉄管類。 - 【請求項2】 水分散物(A)の共重合体成分として、
さらに炭素原子数4〜6の共役ジオレフィンを5〜50
重量%、エチレン性不飽和芳香族単量体20〜60重量
%、炭素原子数1〜10のアルカノールから誘導される
アクリル酸アルキルエステル、炭素原子数1〜10のア
ルカノールから誘導されるメタクリル酸アルキルエステ
ル5〜30重量%の中から選ばれる少なくとも1種の単
量体を併用することを特徴とする請求項1記載の防食性
能に優れた鉄管類。 - 【請求項3】 水分散物(A)の生成において、前記共
重合体が反応性乳化剤の存在下で反応して得られること
を特徴とする請求項1または2記載の防食性能に優れた
鉄管類。
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JPH08254298A JPH08254298A (ja) | 1996-10-01 |
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