JP2004123850A - 常温架橋型水性樹脂組成物 - Google Patents

常温架橋型水性樹脂組成物 Download PDF

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Takeshi Inoue
井上 剛
Masami Sugishima
杉島 正見
Makoto Sano
佐野 真
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Abstract

【課題】造膜性や塗膜物性を確保しつつ、エマルションの安定性や貯蔵性、さらには塗料のバインダー成分として用いた場合に調色性が良好となる常温架橋型水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】カルボニル基及びカルボキシル基を含有する重合体であって、且つガラス転移温度が−20℃〜50℃である重合体の水分散液(I)、及び塩基性アミノ酸(II)を含有することを特徴とする常温架橋型水性樹脂組成物。重合体水分散液(I)は、通常、カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)0.1〜30重量%、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)0.5〜5重量%、及びその他の重合性不飽和単量体(c)65〜99.4重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体エマルションである。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、常温架橋型水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗料、インキ、接着剤等の分野では、省資源、環境衛生、無公害、非危険物化等の点から、有機溶剤型から水性型への転換が進められている。従来の水性塗料は、アクリル系共重合体エマルションをビヒクル成分とするものが主流であり、成膜過程でエマルション粒子の融着を要するため、樹脂のガラス転移温度を高くできず、耐汚染性、耐水性が不十分であった。そこで、カルボニル基を有する共重合体エマルションとジヒドラジド化合物等のヒドラジン誘導体とを配合してなるエマルション組成物を用いて、エマルション粒子間を比較的分子量の小さい架橋剤で架橋させることが種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これにより造膜性を補強し耐汚染性、耐水性だけでなく、耐候性、初期乾燥性の確保も可能となった。しかしながら該ヒドラジン誘導体を使用すると、毒性の問題が懸念される場合があった。
【0003】
この対策として、ヒドラジン誘導体を使用せずに、架橋剤として塩基性アミノ酸を配合してなる常温架橋型合成樹脂エマルション組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭58−20991号公報
【特許文献2】
特開平4−249587号公報
【特許文献3】
特開平9−165523号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
該組成物によれば、毒性の問題は解消されるが、エマルションの安定性や貯蔵性、さらには塗料のバインダー成分として用いた場合に調色性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、造膜性や塗膜物性を確保しつつ、エマルションの安定性や貯蔵性、さらには塗料のバインダー成分として用いた場合に調色性が良好となる常温架橋型水性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.カルボニル基及びカルボキシル基を含有する重合体であって、且つガラス転移温度が−20℃〜50℃である重合体の水分散液(I)、及び塩基性アミノ酸(II)を含有することを特徴とする常温架橋型水性樹脂組成物、
2.重合体水分散液(I)が、カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)0.1〜30重量%、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)0.5〜5重量%、及びその他の重合性不飽和単量体(c)65〜99.4重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体エマルションである1項記載の常温架橋型水性樹脂組成物、
3.エマルション粒子が複層構造を有するものである2項記載の常温架橋型水性樹脂組成物、
4.塩基性アミノ酸(II)が、1分子中に少なくとも2個以上のアミノ基を有するものである1項記載の常温架橋型水性樹脂組成物、
5.塩基性アミノ酸(II)が、重合体水分散液(I)中のカルボニル基1モルに対して塩基性アミノ酸(II)中のアミノ基0.01〜2モルとなるように配合される1項記載の常温架橋型水性樹脂組成物、
6.1ないし5のいずれか1項記載の常温架橋型水性樹脂組成物を被膜形成成分とする水性塗料組成物、
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において重合体水分散液(I)は、カルボニル基及びカルボキシル基を含有する重合体であって、且つガラス転移温度が−20℃〜50℃である重合体の水分散液である。
【0009】
上記重合体水分散液(I)は、通常、水及び乳化剤の存在下で、カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)、及びその他の重合性不飽和単量体(c)からなる単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体エマルションであることが好適である。
【0010】
上記カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)としては、例えばアクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレ−ト、ホルミルスチロ−ル、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等が挙げられる。このうち特にダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミドが好適である。
【0011】
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)としては、例えば例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレ−トなどが挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸等が入手容易である点、他の重合性不飽和単量体との共重合性が良好である点から好ましい。
【0012】
その他の重合性不飽和単量体(c)としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−、i−、t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸の炭素数4以上、好ましくは炭素数4〜10のアルキル又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル、(メタ)アクリル酸2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール;スチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられ、これらは所望の性能に応じて単独で又は2種以上併用して使用される。
【0013】
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味するものとする。
【0014】
またその他の重合性不飽和単量体(c)として、上記カルボキシル基以外の親水性基を有するモノマ−も使用可能であり、塗膜の透水量に悪影響を及ぼさない範囲内で使用することが望ましい。かかる親水性基を有する単量体としては、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレ−ト及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩など;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、さらにグリシジル(メタ)アクリレ−トとアミン類との付加物など;ポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレ−トなど;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0015】
上記単量体混合物の使用割合は、(a)が0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、(b)が0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、及び(c)が65〜99.4重量%、好ましくは77〜98.5重量%である。(a)の使用割合が0.1重量%未満では、得られる塗膜の耐水性、耐アルカリ性が不十分であり、一方30重量%を越えると、塗膜の親水性が高くなりすぎて硬化後も耐水性が低下してしまうので好ましくない。また(b)が0.5重量%未満では、エマルションの安定性およびエマルション貯蔵時の貯蔵安定性が悪化するうえ、塗料化した時の調色性も悪化する傾向にあり、一方5重量%を越えると、塗膜の親水性が高くなり、耐水性が低下するので好ましくない。
【0016】
上記単量体混合物を共重合して得られる共重合体のガラス転移温度は、−20℃〜50℃、好ましくは0〜40℃の範囲内である。該ガラス転移温度が−20℃未満では、得られる塗膜表面の粘着性が著しくなり、一方50℃を越えると造膜性や塗膜の低温物性などが低下するので好ましくない。
【0017】
尚、本明細書において共重合体のガラス転移温度Tg(℃)の絶対温度をTg”とすると以下のように計算できる。
【0018】
1/Tg”=W1′/T1+W2′/T2・・・ +Wn′/Tn
(式中、W1′、W2′… Wn′は共重合体の製造に使用される合計の全モノマーに対する各モノマーの重量分率、T1、T2、… Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。)
【0019】
上記重合体水分散液(I)は、例えば水及び乳化剤の存在下で、上記単量体混合物を乳化重合させることで容易に得られる。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、反応性乳化剤などが挙げられる。該乳化剤の1種又は2種以上の存在下で重合開始剤を使用して乳化重合することができる。
【0020】
また上記重合体水分散液(I)のエマルション粒子はコア/シェル型などの複層構造を有するものであっても良い。その際は、まずコア成分を形成する単量体混合物を乳化剤の存在下で重合開始剤を使用して第1段階の乳化重合を行い共重合体水分散液を得た後、該水分散液中にシェル成分を形成する単量体混合物を、重合開始剤を使用して第2段階の乳化重合を行い、コア−シェル粒子水分散液として得ることが可能である。コア及びシェルを形成する単量体混合物の組成やコア/シェルの重量比は、単量体全体の使用割合が前記範囲内となれば特に制限なく適宜選択できる。
【0021】
コア成分を構成する共重合体は、カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)0.1〜20重量%、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)0〜2重量%、及びその他の重合性不飽和単量体(c)78〜99.9重量%とからなることが好ましい。
【0022】
また、シェル成分を構成する共重合体は、架橋性を考慮して(a)は0.5〜30重量%、カルボキシル基の数を考慮して(b)は0.5〜5重量%、及び(c)65〜99重量%とからなることが好ましい。
【0023】
また上記コア成分を構成する共重合体のガラス転移温度Tgは−20℃〜50℃、シェル成分を構成する共重合体のガラス転移温度Tgは−20℃〜50℃であることが、塗膜の造膜性及び耐水性の点から好ましい。
【0024】
本発明において塩基性アミノ酸(II)は、架橋剤成分として配合されるものであり、通常、1分子中に少なくとも2個以上のアミノ基を有するものである。
【0025】
該塩基性アミノ酸(II)の具体例としては、リシン、アルギニン、ヒスチジン、グルタミン、オルチニン、チトルニン、カルヴァニン、オクトピン、ヂエンコール酸、トリプトファン、アブリンなどが挙げられ、これらのうちリシン、アルギニン、ヒスチジンなどが好適である。これら塩基性アミノ酸(II)は、必要に応じて塩酸などとの塩として塩基性中和剤により水性化して組成物中に配合することができる。
【0026】
上記塩基性アミノ酸(II)は、重合体水分散液(I)中のカルボニル基1モルに対して塩基性アミノ酸(II)中のアミノ基0.01〜2モル、好ましくは0.05〜1.5モルとなるように配合されるのが望ましい。該塩基性アミノ酸(II)の配合比が0.01モル未満では、十分な架橋効果が得られず造膜時の脆弱性の問題が発生し、2モルを越えると未反応の塩基性アミノ酸が造膜後の塗膜に残留し、所望の架橋効果以上の効果を得られないので好ましくない。
【0027】
本発明では架橋剤として、上記塩基性アミノ酸(II)にヒドラジン誘導体を必要に応じて毒性が問題とならない範囲で併用しても良い。該ヒドラジン誘導体は、1分子中に少なくとも2個のヒドラジド基、セミカルバジド基などを含むものであり、例えば蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の2〜18個の炭素原子を有する飽和脂肪酸カルボン酸ジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸ジヒドラジド、並びにピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジドまたはテトラヒドラジド;ニトリロトリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジドなどが挙げられる。
【0028】
本発明の水性塗料組成物は、上記の通り得られる本発明の樹脂組成物を含むものであり、さらに必要に応じて、酸化チタン・カーボンブラック・ベンガラなどの着色顔料、炭酸カルシュウム・タルク・マイカ・クレー・バリタなどの体質顔料、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム系、トリポリリン酸二水素アルミニウムなどの防錆顔料、その他充填剤や骨材などを含有することができる。本発明の水性塗料組成物は、これら顔料類の組成や顔料濃度を適宜調整することで、所望に応じて有光沢塗料あるいは艶消し塗料とすることが可能である。
【0029】
本発明の水性塗料組成物は、さらに必要に応じて顔料分散剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶剤、増粘剤、防腐剤、防かび剤、pH調整剤、防錆剤、金属ドライヤーなどの硬化触媒などの塗料用添加剤を適宜選択し組合わせて含有することができる。
【0030】
本発明の水性塗料組成物は、基材面に、従来公知の方法、例えばロ−ラ−塗り、スプレ−塗装、刷毛塗装などの方法によって塗布される。
【0031】
基材面としては、建築物の屋根や外壁面等、防水性の要求される部位に使用されるコンクリ−ト、モルタル、スレ−ト、スレ−ト瓦、窒素系建材、金属、プラスチックなどの素材面やそれらに塗装されてなる旧塗膜面などが挙げられる。該基材面には、水性又は溶剤型の下塗り材を塗布でき、該下塗り材を塗布した後、上記水性塗料組成物を塗布することができる。下塗り材としては、例えばアクリル樹脂系、アクリルゴム系、塩化ゴム系、スチレン−ブタジエンゴム系、エポキシ系などのシ−ラ−やプライマ−、またセメント成分を含む下地補修材、さらに下地調整剤、厚付け材などが挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0033】
共重合体水分散液(I)の製造
製造例1
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水28.5部、Newcol707SF(日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤、不揮発分30%)0.1部を加え、窒素置換後、85℃に保った。この中に下記組成をエマルション化してなるプレエマルションの3%分及び0.4部の過硫酸アンモニウムを10部の脱イオン水に溶解させた溶液10.4部の25%分を添加し、添加20分後から残りのプレエマルション及び残りの過硫酸アンモニウム水溶液を4時間かけて滴下した。
【0034】
(プレエマルション組成:脱イオン水46.9部、メチルメタクリレート40.4部、スチレン14部、n−ブチルアクリレート23部、2−エチルヘキシルアクリレート14.6部、ダイアセトンアクリルアミド5部、ヒドロキシエチルアクリレート2部、アクリル酸1部、Newcol707SF6.6部)
【0035】
滴下終了後、これをさらに2時間85℃に保持した後、40〜60℃に降温した。次いでアンモニア水でpH8〜9に調整し、固形分55%の共重合体水分散液(I−1)を得た。
【0036】
製造例2
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水28.5部、Newcol707SF0.12部を加え、窒素置換後、80℃に保った。この中に過硫酸アンモニウム0.4部を添加し、添加15分後から表1に示すコア成分用単量体混合物と脱イオン水をエマルション化してなるプレエマルションを2時間かけて滴下した。
【0037】
滴下終了後、これをさらに2時間80℃に保った後、この中に表1に示すシェル成分用単量体混合物と脱イオン水をエマルション化してなるプレエマルション及び0.3部の過硫酸アンモニウムを8部の脱イオン水に溶解させた溶液8.3部を1時間かけて滴下した。
【0038】
滴下終了後、これをさらに2時間80℃に保持した後、40〜60℃に降温した。次いで、アンモニア水でpH8〜9に調整し、固形分55%の共重合体水分散液(I−2)を得た。
【0039】
製造例3
製造例1において、単量体混合物の配合を表1に示す通りとする以外は、製造例1と同様にして、固形分55%の共重合体水分散液(I−3)を得た。
【0040】
【表1】
Figure 2004123850
【0041】
顔料ペーストの作成
1リットルのステレンス容器に、下記に示す顔料ペースト用の組成成分を配合し、攪拌機にて20〜40分間分散攪拌して顔料ペーストを作成した。
上水                          192部
エチレングリコール                    48部
ノプコスパース44C(サンノプコ社製 顔料分散剤)    12部
SNデフォーマー364(サンノプコ社製 消泡剤)     16部
フジケミHEC KF100(フジケミカル社製 増粘剤)   7部
チタン白                        528部
【0042】
水性塗料の作成
実施例1
2リットルのステンレス容器に、固形分55%の共重合体水分散液(I−1)958重量部、塩基性アミノ酸として18%リシン水溶液28重量部を入れ、均一に攪拌して、樹脂混合液(A−1)を得た。
【0043】
ここで、18%リシン水溶液は、リシン塩酸[HN(CHCH(NH)COOH・HCl]10重量部に対して、1.0N NaOH45重量部を加えて、均一に攪拌して調整した。
【0044】
次いで、1リットルのステレンス容器に、上記の通り作成した顔料ペースト200重量部を入れ、さらに、上記で得た樹脂混合液(A−1)470重量部、テキサノール18重量部を攪拌しながら入れ、アンモニウム水でpH7〜9に調整して、水性塗料を得た。
【0045】
実施例2〜3及び比較例1〜2
実施例1において配合組成を表2に示す通りとする以外は、実施例1と同様にして樹脂混合液(A−2)〜(A−5)を得た。
【0046】
次いで、顔料ペースト、樹脂混合液、テキサノールを表3に示す配合とする以外は実施例1と同様にして各水性塗料を得た。
【0047】
評価試験
これらの水性塗料の性状値を表3に示す。またこれら水性塗料を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0048】
(*1)ゲル分率:乾燥塗膜をアセトンで24時間抽出を行った後、105℃で3時間乾燥させ、抽出した後の膜の重量を測定した。
ゲル分率(%)=(抽出した後の膜の重量/抽出前の膜の重量)×100
【0049】
(*2)貯蔵安定性:各水性塗料を40℃にて10日間貯蔵し、初期と比べて塗料状態の変化を観察した。評価基準を以下に示す。
○:増粘やゲル化等の異常は見られない
△:増粘が見られる
×:増粘やゲル化が著しく見られる
【0050】
(*3)耐水試験:70×150×0.8mmボンデ板両面に、「エスコ」(関西ペイント社製、エポキシ・アミン系防錆下塗塗料)を塗装し、24時間放置したものを被塗板とし、この片面に上記の通り得られた各水性塗料を上水で0〜8%に希釈してエアスプレーにて120g/mの塗布量で塗装した。2時間乾燥後、さらに同塗料をエアスプレーにて120g/mの塗布量で塗り重ねた。得られた各試験塗板を、温度20℃及び相対湿度75%の条件下で7日間乾燥させた後、20℃の上水中に半没し、7日後に試験板を引き上げて塗面を目視で評価した。
◎:全くフクレなし
○:部分的なフクレ
△:全面的なフクレ
×:塗料が溶出
【0051】
(*4)調色性:各水性塗料に、「ユニラント88黒」(横浜化成社製、黒色ペースト)を3%添加した後、25℃におけるストーマー粘度計による粘度が70KU前後となるように希釈した。
【0052】
スレート板(450×300×4mm)に「VPシーラー」(関西ペイント株式会社製)を塗装し、乾燥後、上記の通り希釈した各水性塗料を中毛ウールローラーにて全面塗布した。翌日、塗装面の一部を刷毛でタッチアップし、乾燥後、ローラーによる塗装面とタッチアップ面の色差を目視で評価した。なお、評価基準は以下の通りとした。
◎:刷毛塗り(タッチアップ)部分が確認できない
○:刷毛塗り(タッチアップ)部分がほとんど確認できない
△:刷毛塗り(タッチアップ)部分がわかる
×:刷毛塗り(タッチアップ)部分が明確にわかる
【0053】
【表2】
Figure 2004123850
【0054】
【表3】
Figure 2004123850
【0055】
【発明の効果】
本発明の常温架橋型水性樹脂組成物は、毒性の問題もなく、良好なエマルションの安定性や貯蔵性を有し、塗料のバインダー成分として用いた場合にも調色性に不具合を生じることはない。

Claims (6)

  1. カルボニル基及びカルボキシル基を含有する重合体であって、且つガラス転移温度が−20℃〜50℃である重合体の水分散液(I)、及び塩基性アミノ酸(II)を含有することを特徴とする常温架橋型水性樹脂組成物。
  2. 重合体水分散液(I)が、カルボニル基含有重合性不飽和単量体(a)0.1〜30重量%、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(b)0.5〜5重量%、及びその他の重合性不飽和単量体(c)65〜99.4重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得られる共重合体エマルションである請求項1記載の常温架橋型水性樹脂組成物。
  3. エマルション粒子が複層構造を有するものである請求項2記載の常温架橋型水性樹脂組成物。
  4. 塩基性アミノ酸(II)が、1分子中に少なくとも2個以上のアミノ基を有するものである請求項1記載の常温架橋型水性樹脂組成物。
  5. 塩基性アミノ酸(II)が、重合体水分散液(I)中のカルボニル基1モルに対して塩基性アミノ酸(II)中のアミノ基0.01〜2モルとなるように配合される請求項1記載の常温架橋型水性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の常温架橋型水性樹脂組成物を被膜形成成分とする水性塗料組成物。
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