JP2913454B2 - 共重合体水分散物で被覆した防食性能に優れた鉄管類 - Google Patents
共重合体水分散物で被覆した防食性能に優れた鉄管類Info
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Description
防食性の向上を目的とし、下地剤としてZn系プライマ
ーを施した上へさらに特定の共重合体水分散物で内外面
の双方、または何れかを被覆した鉄管類の防食塗装の改
善に係る。
路を形成する鉄管類は、外面については土壌内の腐食性
雰囲気に曝され、内面については通水による腐食作用を
受ける上、腐食が進行しても取り替える作業は交通渋滞
を招くなど影響するところが大きいので、内外面の防食
性の向上は重要な課題である。従来は液状のコールター
ル、アスファルトなどを貯溜した槽内へ直接鉄管類を吊
り下ろして浸漬する塗装法、いわゆるドブ漬け法が主体
を占めていたが、塗装材に含まれる溶剤が人体に有害で
あることや、作業環境が著しく劣悪であることが指摘さ
れて近年は他の防食塗装方法に転換している。
ために、先に特開昭52−148826号公報において
特定の共重合体水分散物で鉄管類の内外面を被覆する塗
装技術を提示し、従来に比べると人体に無害であるばか
りでなく、塗装面自体もきわめて優れた弾性と強靭さを
有し、耐薬品性および金属との密着性に優れた乾燥被覆
を形成するので、コールタールなどに代ってこの方法を
実施すれば、地中に埋設した管路として使用しても十分
に耐え得る防食性、耐薬品性、耐衝撃性に優れた鉄管類
が得られたと謳っている。この場合の共重合体水分散物
は、共役ジオレフィンを必ず含みアクリル酸アルキルエ
ステル、メタアルキルエステルの何れかを加えた単量体
(A)と、エチレン系不飽和芳香属単量体など(B)
と、エチレン系不飽和カルボン酸(C)よりなることを
要件としている。
属製品の表面を防食するためにZn系のプライマーで被
覆する技術も広く適用されている。Zn系プライマーと
は、鍍金、溶射(メタリコン)、ジンクリッチペイント
等である。これらはその被塗物の大きさ、設置される環
境等で使い分けられており、一般の棒類、板類では溶融
亜鉛鍍金、電解亜鉛鍍金、シェラダイジングなども慣用
化されている。溶射(メタリコン)には亜鉛溶射、亜鉛
−アルミニュウム合金溶射、亜鉛−アルミニュウム擬合
金溶射等があり、溶射方法としては直流或は交流アーク
式、酸素−アセチレン炎で代表されるガス式、または高
周波、フラズマ式等がある。ジンクリッチペイントは広
く鋼材等に用いられている。鉄管類では溶射(メタリコ
ン)、ジンクリッチペイントが主に適用されている。
にコールタールなどの防食塗装に代って人体に無害で作
業条件も格段に改善された塗料の開発に貢献し、広く実
用化されているが、目的とする埋設後の表面の耐食性に
ついては、新旧鉄管類の更新工事が交通量の激増により
近来益々困難となる現況の厳しさから、なお、一層強化
するように要望がレベルアップしている。すなわち、共
重合体水分散物の塗装による防食施工については、共重
合体水分散物自体は問題ないとしても、実際に塗料とし
て調整する段階に添加する乳化剤が、埋設状態で取り囲
まれる土壌中の水分と反応して溶出を始め、長い使用期
間中には塗膜に局部的な欠陥を生じて腐食進行の出発点
となることが確かめられた。すなわち、前記の共重合体
水分散物をベースとする防食塗料は、通常の乳化重合法
によって調整されるが、その際は前記の単量体混合物を
乳化剤を用いて水中に乳化分散させ、フリーラジカル発
生触媒によって0〜100℃で乳化重合を行なえばよい
と例示している。乳化剤として特に限定しないで陰イオ
ン性、非イオン性の界面活性剤であればよく、それぞれ
単独あるいは併用の形とで使用されると説明していた。
しかし、この種類の乳化剤であれば、長い期間、湿度の
高い土壌に取り囲まれ接触を続けると、水分と反応して
溶出する懸念が相当に強く、高レベルの防食を目指すう
えでは、なお、改善の必要を求めざるを得ない。
て併用し、共重合体水分散物を主体とする塗料をその上
へ重ねてさらに耐食性の向上を図る複合保護膜の方法も
効果的ではあるが、プライマーの上面へ被覆する共重合
体水分散物による皮膜が前記のように乳化剤の溶出によ
って欠陥が発生すると、周囲の水分が皮膜を透過して直
接Znプライマーと接触するに至り、下地剤を形成して
いるアルミニウーム、亜鉛の金属質がイオン化反応を起
こして逸早く溶出し、管類を構成している鉄管類の表面
を腐食性の要因から隔離している保護層の機能が大幅に
減退する結果となる。このように二重に保護皮膜を複合
したとしても、管の周囲に存在する水分との接触が避け
られない以上、結局、最新の従来技術と雖もその防食性
には限界があり、長期に亘る管類の腐食性雰囲気からの
保護は、近年高まる要望の水準から見れば、なお、一層
の改善が必要であると認められる。
に、Zn系プライマーを下地とし、その上に共重合体水
分散物による防食皮膜を重ねる鉄管類の防食構造に対し
て、周囲の土壌内に含まれる水分による影響によってそ
の機能が劣化しない共重合体水分散物の被覆された鉄管
類の提供を目的とする。
優れた鉄管類は、下地剤としてZn系プライマーを被覆
した上から、さらに反応性乳化剤を用いて炭素数4〜6
の共役ジオレフィンを5〜50重量%と、エチレン性不
飽和カルボン酸の少なくとも1種類を3〜10重量%と
を必ず共重合した共重合体水分散物で被覆し、乳化剤が
土壌中の水分に溶出することなく、Zn系プライマーの
イオン化も防止した無欠陥の皮膜よりなることによって
前記の課題を解決した。
4〜6の共役ジオレフィンを5〜50重量%と、(B)
エチレン性不飽和カルボン酸の少なくとも1種類を3〜
10重量%とを必ず含み、さらに(C)エチレン性不飽
和芳香属単量体、炭素原子数1〜6のアルカノールから
誘導されるアクリル酸アルキルエステル、炭素原子数1
〜6のアルカノールから誘導されるメタクリル酸アルキ
ルエステルの中から選ばれる少なくとも1種の単量体を
40〜82重量%で形成されることが好ましい実施例で
ある。
レン性不飽和基を有し、その使用量は0.1〜5重量%
とすることが望ましい実施例であり、より具体的には重
合性エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤が、下記
の化学式3、または化学式4で示す一般式に該当するこ
とが最も優れた結果を期待できる実施例である。
は置換基を有してもよい炭化水素基、フェニル基、アミ
ノ基、またはカルボン酸残基を、R2は水素原子または
メチル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を、
nは0〜100の正数を示し、Mは1価または2価の陽
イオンを、mはMのイオン価をそれぞれ示す。
系プライマーを被覆した上で、反応性の乳化剤を使用し
たエチレン性不飽和カルボン酸の1種を必須要件とする
共重合体水分散物で被覆することによって、管類を土壌
中へ埋設した状態で周囲の水分と接触しても、塗装皮膜
中から乳化剤が水分中へ溶出する反応が阻止され、長期
の使用が継続しても皮膜の欠陥発生が常に抑止され、堅
牢な保護膜としての機能が減退する虞れがない。この作
用は同時に土壌中の水分が皮膜の欠陥を透過して下地の
Zn系プライマーまで到達することも阻止するから、Z
nなどの下地剤を構成する金属質がイオン化する現象を
防止し、鉄管類の外面が腐食に曝される原因を消滅する
作用が発現する。
くとも1種を3〜10重量%共重合しているので、仮に
上記の作用にも拘らず万一水分が下地層まで浸透してZ
nなどの金属質がイオン化したとしても、当該イオンは
カルボン酸とイオン反応を起こして溶出することを防止
する。この場合、エチレン性不飽和カルボン酸の少なく
とも1種の配合が3重量%以下であれば金属イオンの溶
出防止作用が不十分であり腐食進行防止の効果に繋がら
ないことが実験的に確認された。しかし10重量%を越
えると塗膜の耐水性が低下し、さらに重合終了後の共重
合体水分散物をアルカリでph調整するときに粘度が著
しく高くなり、塗料としては不適当となるので配合量は
3〜10重量%に設定した。
は単量体の重合率が殆ど100%になるまで重合するこ
とができるし、しかも塗料配合においては、有機溶剤の
添加を特に必要としないから、従来塗装工程で大きな課
題となっていた作業員の安全衛生上の懸念は完全に解消
される。
能な個別の具体的な材質について述べる。反応性乳化剤
としては重合性エチレン性不飽和基を有する界面活性剤
が好ましい。一般に反応性界面活性剤、または反応性乳
化剤と呼ばれる種類が使用でき、たとえばスチレンスル
ホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、アル
キルアリルスルホコハク酸ナトリウム、(メタ)アクリ
ル酸アルキレンオキサイドアダクト硫酸エステルナトリ
ウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニ
ルエーテル、またはその硫酸エステルアンモニウム塩の
1種または2種以上を組み合わせて用いるが、特に先に
示した化学式3または化学式4で示される組成の界面活
性剤を適用すると最も効果的な作用を発揮する。反応性
乳化剤の使用量は0.1〜5重量部の範囲が望ましい。
反応性乳化剤の使用量が0.1重量部以下ではエマルジ
ョン粒子とならず合成が出来ない。しかし、反応性乳化
剤の使用量が5.0重量部以上では、モノマーと共重合
しない反応性乳化剤が多量に残り、それが塗料皮膜中に
も残り、反応性乳化剤でない通常の乳化剤を使用したと
きと同様に、長い期間湿度の高い土壌に取り囲まれた水
との接触を続けると、水分に溶出しその部分が塗膜欠陥
となり、結果的には高レベルの防食性が達成できない。
(A)(B)2成分を基本とし、この基本成分に、さら
に(C)成分を併用することが好ましい。(A)成分の
炭素数4〜6の共役ジオレフィンは5〜50重量%を必
須とする。具体的にはブタジエン1,3、2−クロルブ
タジエン−1,3、2,3ジメチルブタジエン−1,3
などが挙げられるが、他の単量体との共重合性や経済性
を考慮すれば、ブタジエン−1,3を使用するのが好ま
しい。これらの単量体は共重合体を内部可塑化するため
に1種または2種以上を併用して適用するのであるが、
良好な弾性、耐衝撃性の塗膜を形成するためには、5重
量%以下では効果が全く認められないから10重量%以
上が望ましい。しかし、(A)成分が50重量%を越え
ると塗膜が軟らかくなり過ぎて共重合体水分散物の機械
的安定性が低下し、たとえばエアーレス塗装の時にポン
プ内で凝集したりスプレーガンの中で目詰りを起こすな
ど塗装作業中のトラブルの原因となるから、5〜50重
量%の配合を設定した。
性不飽和カルボン酸は前記のように3〜10重量%の配
合を必須とする。具体的にはアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
および不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル、たと
えばマレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタ
コン酸モノn−ブチルなどが挙げられる。これらの単量
体が下地剤であるZn、Alを封じ込める作用について
は既に説明した通りである。
レン性不飽和芳香属単量体、炭素原子数1〜6のアルカ
ノールから誘導されるアクリル酸アルキルエステル、炭
素原子数1〜6のアルカノールから誘導されるメタクリ
ル酸アルキルエステルの具体例としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニールトルエン、クロールスチレ
ン、2,4−ジブロムスチレン、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチ
ル、メタクルル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピルなどが
挙げられる。
支えのない限り上記の単量体の他に共重合可能な単量体
を1種以上使用することもできる。このような単量体と
しては、たとえばアクリロニトル、メタクリロニトル、
などの不飽和ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バサルチック酸ビニルなどのビニルエステル、塩化
ビニリデン、臭化ビニリデンなどのビニリデンハライ
ド、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなど
のエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ
ステル、アクリル酸グリシジル、メタグリル酸グリシジ
ルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエス
テルおよびアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリル
アミド、N−ブトキシメチルアルキルアミド、N−ブト
キシメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ヒ
ドロキシメチルジアセトンアクリルアミドなどが挙げら
れる。
く知られている何れの方法によってもよいが、たとえ
ば、オートクレーブにブタジエンおよびこれと共重合可
能なエチレン性不飽和基を有するモノマート、イオン交
換水、反応性乳化剤、および重合助剤を仕込み、所定の
温度に到達後、重合開始剤を添加して乳化重合を行ない
ラテックスを得る方法や、オートクレーブに予めイオン
交換水、反応乳化剤、重合助剤を仕込み、所定の温度に
到達後、ブタジエンおよびこれと共重合可能なエチレン
性不飽和基を有するモノマーの混合物、および重合開始
剤を連続的に添加して乳化重合を行ないラテックスを得
る方法などが挙げられる。
キルメルカプタンなどの分子量調節剤、粒子径調整のた
めの電解質、金属イオン封鎖のためのキトレート剤、レ
ドックス反応のための還元剤などを任意に適用すること
ができる。
は通常、乳化重合に使用されるもので差し支えなく、た
とえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫
酸塩や、ter−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸物が挙げられ
る。
ストリッピングにより未反応のモノマーが除去され、必
要に応じてアンモニア、苛性ソーダ、苛性カリなどでラ
テックスのphを調整して使用される。
重合体水分散物以外に、必要に応じてスプレー塗装、ハ
ケ塗り、ロール塗りなどの塗装手段の差に対応できる塗
装適性を与えるため、各種の添加剤を配合することがで
きる。
するためには、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アン
モニアカゼイン、ポリビニルアルコール、アルカリ可溶
性ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性高
分子が添加される。
の熱硬化性樹脂、たとえばメチロールまたはアルコキシ
メチル化された尿素、メラニンなどの多官能性アミノ化
合物とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド−グリ
オキザール混合物との前縮合物で代表されるアミノホル
マリン樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂およびキシ
レン樹脂などを添加することもできる。
ククロロメートや、ストロンチウムクロメートなどの防
錆顔料、カーボンブラック、二酸化チタンなどの着色顔
料、および炭酸カルシウム、タルク、クレー、水酸化ア
ルミニウムなどの体質顔料やタールエマルジョン、ピッ
チエマルジョン、およびアスファルトエマルジョンを添
加することができる。
工程で要求される性状を付与するために、たとえばコロ
イド安定剤、分散剤、湿潤剤、顔料沈降防止剤、消泡
剤、凍結防止剤、防災剤、防黴剤、造膜助剤、レベリン
グ剤、垂れ防止剤などとして働く添加剤を適宜選んで配
合することができる。
の上、使用現場へ提供される。実際の塗装作業に当って
は、Zn系プライマーによるスプレーまたは溶射によっ
て鉄管類表面上に乾燥皮膜の状態で20μm程度の膜厚
となるように下地塗りを行ない、さらにその上面から共
重合体水分散物の調整塗料をエアスプレー、エアレスス
プレー、ロール、刷手塗りなどそれぞれ所定の方法に従
って乾燥皮膜の膜厚が80μm以上となるように塗装す
る。
を塗布するに当っては鉄管類を予め60〜90℃に加熱
しておくことがよい結果を約束する。たとえば70℃に
加熱した鉄管類に前記塗料を塗布すれば、鉄管類の保有
する熱量のために塗料は速やかに乾燥し、鉄管類表面と
塗料との密着性がきわめて良好となり、強靭で弾性に富
む優れた均一な塗膜が形成される。このような塗膜が使
用中に表面と接触する水分などの腐食性要因から鉄管類
を隔離保護し、白錆の発生しない耐水性、耐薬品性、耐
衝撃性、防食性を著しく向上するのである。
混合物100部(重量部 以下同じ)に対して化学式5
に記載の乳化剤0.5部、第3級ドデシルメルカプタン
1.0部、エチレンジアミン四酢酸アンミニウム0.0
5部、過硫酸カリウム0.1部およびイオン交換水15
0部を窒素置換した攪拌翼付きオートクレーブに仕込
み、60℃で重合率が98%以上となるまで重合を行な
い、次いでストリッピングにより未反応単量体を除去し
た。次にアンモニアでphを7.5に調整し、固形分4
0%の共重合体水分散物を調整した。
ライマー(亜鉛溶射)の下地剤が塗られたサンドブラス
ト処理後の軟鋼板(日本テストパネル社製 JIS G
3141 2.0×70×150m/m)に10ミル
のアプリケータを用いて塗布し、80℃で10分間熱風
乾燥して5日間室温で放置した後、塗膜性試験の実施例
1〜4として供した。同じ方法で調整した比較例のうち
例1は共重合体水分散物の中で必須の(B)成分のエチ
レン性不飽和カルボン酸(アクリル酸)が2部であって
必要な下限の3部に届かず要件を外れている。また比較
例2と比較例3は反応性乳化剤の配合に欠けている。比
較例4は(A)成分でのブタジエンが下限(5%)以下
であり、比較例5は上限(50%)を越える配合であ
る。実施例と比較例について共重合体水分散物の性状と
塗膜性の試験結果を表1で見れば、本発明の実施例が比
較例に比べて明らかに安定性、耐衝撃性、防食性能に優
れ、両者の間に明確な差を顕示していることが理解でき
る。
地剤を塗装(溶射)する際に、図1のような三角形の非
塗布面Aを作り、さらに上塗り塗装のときにも同じ範囲
を塗装しないで鉄の素地を露出したままの試験板を用い
て防食性能を検知する試験方法である。本試験ではこの
方法を採用して耐塩水試験を行ない、実施例と比較例の
それぞれの非塗布面Aと塗布面Bの差を検出し比較した
ものである。
で調整した実施例(表1の例1〜例4)と比較例(表1
の例1〜例5)の共重合体水分散物の固形分100部に
対してタルク150部、消泡剤(ノプコNXZ:サンノ
プコ社製)0.5部を混合し、イオン交換水を固形分6
0重量%の混合物を調整し、次いで該混合物をサンドグ
ラスターミルで30分間練肉して表2に示すような実施
例の例5〜例8と、比較例の例6〜例10に示す塗料を
調整した。得られた塗料をラッカーシンナーで脱脂した
サンドブラスター軟鋼板(日本テストパネル社製:JI
S−0.8×70×160m/m)にエアースプレーで
塗膜乾燥膜厚が100±10μmになるように塗装し、
80℃で10分間熱風乾燥して7日間室温に放置した
後、塗膜の物性試験に供した。
体水分散物をベースとして塗料に調整した完成品につい
ても、比較例との間には歴然たる成績の差が顕在し、塗
料の安定性、耐衝撃性、防食性の何れの項目について
も、塗料として必要な要件において従来技術を明らかに
凌駕することが立証された。
上にZn系プライマーで被覆された上、さらに共重合体
水分散物で塗装されるが、共重合体水分散物には反応性
の乳化剤が配合されているから、土壌中の水分と遭遇し
ても該水分への溶出が阻止されて塗膜に欠陥の生じる虞
れがない。したがって水分が共重合体水分散物の塗膜を
透過して下地の亜鉛やアルミニウムをイオン化する可能
性も消滅し、二重に複合した管表面の保護作用を長期に
亘って保証する。その結果、本発明を実施した管類の表
面は、白錆の発生しない耐水性、耐薬品性、耐衝撃性、
防食性の何れの項目についても従来技術の水準を大幅に
優越する高い耐性を誇示し、長い耐用期間を持続して社
会に貢献できる効果が大きい。
明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下地剤としてZn系プライマーを被覆し
た上から、さらに反応性乳化剤を用いて(A)炭素数4
〜6の共役ジオレフィンを5〜50重量%と、(B)エ
チレン性不飽和カルボン酸の少なくとも1種類を3〜1
0重量%とを必ず共重合した共重合体水分散物で被覆
し、乳化剤が土壌中の水分と接触して溶出することな
く、Zn系プライマーのイオン化も防止した無欠陥の皮
膜よりなることを特徴とする共重合体水分散物で被覆し
た防食性能に優れた鉄管類。 - 【請求項2】 共重合体水分散物がさらに(C)エチレ
ン性不飽和芳香族単量体、炭素原子数1〜6のアルカノ
ールから誘導されるアクリル酸アルキルエステル、炭素
原子数1〜6のアルカノールから誘導されるメタクリル
酸アルキルエステルの中から選ばれる少なくとも1種の
単量体を40〜82重量%共重合することを特徴とする
請求項1記載の共重合体水分散物で被覆した防食性能に
優れた鉄管類。 - 【請求項3】 反応性乳化剤が、重合性エチレン性不飽
和基を有することを特徴とする請求項1または2記載の
共重合体水分散物で被覆した防食性能に優れた鉄管類。 - 【請求項4】 反応性乳化剤を、0.1〜5重量%使用
することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載
の共重合体水分散物で被覆した防食性能に優れた鉄管
類。 - 【請求項5】 反応性乳化剤が、下記の化学式1、また
は化学式2で示されることを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項記載の共重合体水分散物で被覆した防食性
能に優れた鉄管類。 【化1】 【化2】 ただし、化学式1、化学式2においてR1は置換基を有
していてもよい炭化水素基、フェニル基、アミノ基、ま
たはカルボン酸残基を、R2は水素原子またはメチル基
を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を、nは0〜
100の整数を示し、Mは1価または2価の陽イオン
を、mはMのイオン価をそれぞれ示す。
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JP34115894A JP2913454B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 共重合体水分散物で被覆した防食性能に優れた鉄管類 |
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JPH08159369A JPH08159369A (ja) | 1996-06-21 |
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1994
- 1994-12-06 JP JP34115894A patent/JP2913454B2/ja not_active Expired - Lifetime
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