JP2913098B2 - 感光性印刷版の梱包方法 - Google Patents

感光性印刷版の梱包方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、感光性印刷版の梱包方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、感光性印刷版はアルミニウム板などの支持体
上に感光性樹脂を形成したものである。この感光性印刷
版は、通常一枚が1m×1m程度とかなり大きく、またその
重さは一枚当たり500〜1000gでかなり重いものである。
従来、この感光性印刷版の梱包、保管や移動に際して
は、その感光面の傷つき防止のために、適宜の枚数を合
紙を介して水平に重ね合わせていた。また、重ね合わせ
感光性印刷版群の両端面には、緩衝材としての当てボー
ルを配設していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来、前記合紙および当てボールの含水率に
ついて、全く考慮がなされておらず、したがって雨期な
どでは50%以上の含水率となっていた。
一方で、本発明者等は、実験室段階では、良好な露光
可視画性および耐刷力を示す感光性印刷版が、実際に製
版したとき、同様な露光可視画性および耐刷力を示さず
目的の製品を得ることができない事態にしばしば直面し
た。そこで、この原因について、究明したところ、梱包
や保管時において、感光面が水分を吸収することが判明
した。
そこで、本発明の主たる目的は、感光性印刷版の特
性、たとえば露光可視画性や耐刷力の劣化がない梱包方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、支持体上に感光性樹脂を有する感光性印
刷版を多数枚相互に重ね合わせる際に、該感光性印刷版
群の上面および下面に配される当てボール、および該感
光性印刷版の相互間に介装される合紙、の含水率を4%
以下とし、 かつ、これらの感光性印刷版群合紙全体を防湿材料で
梱包することで解決できる。
〔作用〕
本発明では、合紙および当てボールの両者の含水率を
極端に少ない状態、特に4%以下と梱包するから、感光
面に対する水分の影響が殆どない。したがって、梱包お
よび保管中に、露光可視画性や耐刷力などが劣化するこ
とを防止できる。したがって、後述の実施例で示すよう
に、優れた露光可視画性や耐刷力を示すものとなる。
〔発明の具体的構成〕
以下本発明をさらに詳説する。
感光性印刷版は、一般に、アルミニウム板等の支持体
上に感光性組成物を塗布し、陰画等を通して紫外線等の
活性光線を照射し、光が照射された部分を重合あるいは
架橋させ現象液に不溶化させ、光の非照射部分を現象液
に溶出させ、それぞれの部分を、水を反発して油性イン
キを受容する画像部、および水を受容して油性インキを
反発する非画像部とすることにより得られる。
この場合における感光性組成物としては、特にネガ型
PS版では、P−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデ
ヒドとの縮合物などのジアゾ樹脂が広く用いられてい
る。
しかし、このジアゾ樹脂はこれ単独で用いることはな
く、少なくともバインダー樹脂と併用されるのが通常で
ある。
また、感光性樹脂としては、ポジ型PS版では、代表的
にキノジアジド樹脂が用いられている。
バインダー樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリパラ
ヒドロキシスチレン、スチレン・無水マレイン酸コポリ
マーのようなフェノール性OH基、カルボキシル基を有す
るポリマーが主として用いられている。
また、その他に、光重合、光架橋の感光性組成物等を
用いることもできる。
いずれにしても、上記のような感光性樹脂が支持体、
たとえばアルミニウム板上に設けられた印刷版は、その
製造、たとえば支持体の脱脂、砂目立て、電解研磨、陽
極酸化、水洗、乾燥、感光液塗布、裁断、表面検査など
の一連の工程が終了すると、ネガ型およびポジ型を問わ
れることなく、得られる感光性印刷版は、本発明にした
がって、第1図のように、梱包され、製版機にかけるま
で保管される。
1は感光性印刷版で、本例では上面が感光面とされ、
これらをたとえば50枚重ね合わせるに当たり、合紙2が
用意され、それらの間に介装される。また、上面および
下面に当てボール3が配され、衝撃の緩衝材とされてい
る。さらに、全体は防湿性材料たとえば防湿紙4により
梱包されている。
本発明においては、前記合紙2および当てボール3の
両者の含水率が4%以下とされる。梱包枚数は2〜1000
枚程度とされる。
前記のように合紙2および当てボール3を所定の含水
率とするためには、それらの原材料を乾燥空調室に適当
な時間放置する、あるいは感光面に影響を与えない程度
の加熱を行い、乾燥させるなどの方法によって得ること
ができる。
〔実施例〕
次に実施例を示す。
下記の感光液を砂目立てしたアルミニウム板上に塗
布、乾燥し、感光性平版印刷版を得た。
次に下記に示す合紙、当てボールを用い、第1図に示
すように梱包し、一定期間保存し、性能の評価を行っ
た。
結果を第1表に示した。
○ポジ感光液 ・ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−5スル
ホン酸クロライドとピロガロール・アセトン樹脂とのエ
ステル化合物(重量平均分子量(Mw)=2000) …170g ・クレゾールノボラック樹脂 …649g ・2−トリクロメチル−(P−ブトキシスチリル)−1,
3,4オキサジアゾール … 10g ・ビクトリアピュアブルーBOH … 6g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル …1 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル …4 乾燥後の塗布重量は24mg/dm2であった。
○ネガ感光液 ・P−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロリン酸塩
のパラホルムアルデヒド縮合物 ・N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/
アクリロニトリル/エチルアクレート/メタクリル酸
(8:24:60:8(モル比))の共重合体(Mw=70000) …500g ・ジュリマーAC−10L(日本純薬KK製) … 20g ・ビクトリアピュアブルーBOH … 8g ・プロピレングリコールモノメチルエーテル …2 ・乳酸メチル …3 乾燥後の塗布重量は18mg/dm2であった。
○乾燥条件 湿度:80℃ 時間: 4分 ○合紙・当ボールの含水率 ○製版条件 露光条件 露光材:メタルハライドランプ“アイドルフィン400
0"(岩崎電機社製) 距 離:1m 時 間:30秒間 現像条件 自現機:PS版自現機“PSK−860"(コニカ社製) 現像液:ポジ版:“SDR−1"の6倍希釈液(コニカ社
製) ネガ版:“SDN−21"の4倍希釈液(コニカ社
製) 時 間:20秒 ○印刷条件 印刷機:ハイデルGTO(ハイデル社製) 印刷インキ:“ニューブライト紅”(東洋インキ社
製) 印刷用紙:コート紙 プレートクリーナー:“ウルトラプレートクリーナ
ー”(ABCケミカル社製)〔1000枚ごとにクリーナー拭
きする〕 〔発明の効果〕 以上の通り、本発明によれば、感光性印刷版において
優れた露光可視画性や耐刷力を示すものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の梱包例の断面図である。 1……感光性印刷版、2……合紙、3……当てボール、
4……防湿紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に感光性樹脂を有する感光性印刷
    版を多数枚相互に重ね合わせる際に、該感光性印刷版群
    の上面及び下面に配される当てボール、および該感光性
    印刷版の相互間に介装される合紙、の含水率を4%以下
    とし、かつ、これらの感光性印刷版群合紙全体を防湿材
    料で梱包することを特徴とする感光性印刷版の梱包方
    法。
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JP4319373B2 (ja) 2002-04-09 2009-08-26 富士フイルム株式会社 平版印刷版用合紙および平版印刷版包装構造
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