JP2912353B1 - 陶磁器 - Google Patents

陶磁器

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JP2912353B1
JP2912353B1 JP15083398A JP15083398A JP2912353B1 JP 2912353 B1 JP2912353 B1 JP 2912353B1 JP 15083398 A JP15083398 A JP 15083398A JP 15083398 A JP15083398 A JP 15083398A JP 2912353 B1 JP2912353 B1 JP 2912353B1
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大燈 野田
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財団法人喝破道場
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Abstract

【要約】 【課題】 叩くとカンカンと美しく澄みきった音色がす
る陶磁器、とくに風鈴を提供する。 【解決手段】 サヌカイトの粉末を原料全体に対し、約
50重量%混入して、成形し焼成した風鈴。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶磁器に関する。
さらに詳しくは、美しく澄みきった音を発する陶磁器に
関する。
【0002】
【従来の技術】陶器は、粘土、石英、陶石、ロウ石、長
石を配合したものを原料とし、1200〜1300℃で燃成して
製作され、食器類、衛生陶器、タイル、茶器(いわゆる
瀬戸物、益子焼、志野焼、萩焼など)などに用いられて
いる。磁器は、粘土、石英、長石、陶石、骨灰を配合し
たものを原料とし、1350℃以下で燃成して製作され、食
器、美術工芸品、高級食器(有田焼、九谷焼など)など
に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今日の陶磁器は、芸術
品としても完成された域に達するものであり、その美し
さは人々を十分に魅了するに足るものである。しかしな
がら、その魅力は外観や手ざわりなどに存するもので、
それらが発する音にあるのではない。もっとも、そのこ
とは当然であって、それらの用途が音に関わるものでな
かったからである。しかるに本発明者は、従来の常識に
とわれない発想により、叩くと美しく澄みきった音がす
る陶磁器があれば、これまでと異なる観点から人々を魅
了し、人の心に癒しと幸せをもたらす、ことができるも
のと考えるに至った。
【0004】本発明はかかる事情に鑑み、叩くとカンカ
ンと美しく澄みきった音色がする陶磁器を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の陶磁器は、原
料にサヌカイトの粉末を含有することを特徴とする。請
求項2の陶磁器は、請求項1の発明において、サヌカイ
トの粉末の原料全体に対する配合割合が、40〜60重
量%であることを特徴とする。請求項3の陶磁器は、請
求項1の発明において、サヌカイトの粉末の原料全体に
対する配合割合が、約50重量%であることを特徴とす
る。請求項4の陶磁器は、請求項1または3の発明にお
いて、前記陶磁器が風鈴であることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を説明
する。本発明においては、原料にサヌカイトを用いたこ
とが特徴である。このサヌカイトとは、平凡社百科事典
によると、「瀬戸内海から四国北部に分布する新第三紀
火山岩のなかに、マグネシウムMgに富む斜方輝石(古
銅輝石)の斑晶のほかには斑晶が少なく、石基は比較的
ガラス質で緻密な安山岩が産出し、これを特にサヌカイ
ト(讃岐岩、讃岐石ともいう)と呼ぶことがある。この
岩石の化学組成はマグネシウム対鉄の比(Mg/Fe
比)が異常に大きい点に特徴があり、その一部は上部マ
ントルの水を含んだカンラン岩が部分溶融してできたマ
グマが、直接上昇固結したためにできたとされている。
同様の特徴をもつ岩石は小笠原諸島やパプア・ニューギ
ニアなどにも知られ、一括して高マグネシア安山岩と呼
ばれて、1970年代の火成岩成因論争上注目された岩石で
ある。板状節理に沿って割った岩片をたたくと澄んだ音
がするため、香川県ではカンカン石の名でみやげ品とし
ている。」と解説されている。
【0007】また、地質学関係書によると、「サヌカイ
ト」は1350万年ほど前の新生代三紀瀬戸内火山活動によ
って噴出した特異な溶岩(非顕晶古銅輝石安山岩)で、
顕微鏡で観察すると極めて細粒緻密で硬度7と硬く、ガ
ラス・磁鉄鉱に富み、斜長輝石・ザクロ石・黒雲母・石
英・カリ長石等の外来結晶を含む石と記載されている。
【0008】本発明における陶磁器の原料、製法の詳細
は、つぎのとおりである。 [原料]:原料としてはケイ石、粘土、絹雲母、長石、
陶石などがある。これらの原料の役割は大別すると、
骨格成分、成形成分、燃結成分である。骨格成分に
はケイ石SiO2があり、耐熱性、耐食性に優れたもので
あるが、これだけでは所望の形状に成形することができ
ないので、成形成分である粘土を加える。粘土は水との
混合比を制御することで、流動性、可塑性のいずれにも
することができるし、乾燥により一応の機械的強度を与
えることができる。しかしケイ石と粘土の混練物を熱処
理してもよく焼き固まらない。そこで、高温で融液をつ
くり粉体と粉体とをぬらし、低温になると固化する成
分、すなわち焼結成分が必要である。このための鉱物が
長石、絹雲母であり、アルカリを含んでいるため他の鉱
物より低温度で融解する。
【0009】本発明では、上記の粘土を主体とする従来
概念の原料に、さらにサヌカイトの微粉末を加えること
が特徴であり、しかも配合割合は、粘土を主体とする原
料全体に対し、40〜60重量%である。40重量%を
下廻ると、音が出にくくなり音色も悪くなり、60重量
%を越えると、割れが発生しやすくなる。よって、40
〜60重量%が、音色もよく割れも発生しにくいので好
ましく、用途として、茶器、置物、花瓶等の種々の製品
に好適である。また、サヌカイトの配合割合が約50重
量%であると、音色も非常に良く、かつ割れもほとんど
発生しないので、最も好ましく、風鈴に最適である。
【0010】[成形]:これらの原料は一般によく粉
砕、混合され水とよく練り合わされる。つまり、この段
階で、サヌカイトの粉末は粘土の中に練り込まれる。こ
のようにして得られた、坏土は適宜熟成されたのち、目
的に応じた成形法によって成形する。普通、成形法と
は、泥漿鋳込み、ろくろ成形が用いられる。泥漿鋳込み
法とは、坏土に多量の水を加え、流動性をもたせたもの
(これを泥漿という)をセッコウ型に流し込み、一定時
間後に型の面に適当な厚さだけ水分が吸い取られて流動
性を失った層ができたとき、まだ流動性の残っている部
分を流し出すものである。ろくろ成形では坏土を適当な
水分と混ぜて可塑性としたのち、ろくろと呼ばれる回転
板の上に載せて回転させながら成形する。これは風鈴、
壺、茶碗など回転体形状の成形に適している。
【0011】[焼成]:成形のつぎに焼成する。陶磁器
の焼成プロセスには素焼、釉焼、本焼、上絵焼などがあ
る。素焼は各種の成形法によって成形された素地にうわ
ぐすりをかけずに焼成し、陶磁器として使用するに足る
強度をもつように焼き締めるプロセスである。このプロ
セスで得られたものも素焼と呼ぶ。釉焼はうわぐすりを
かけて焼成することにより、素焼に彩飾したり水が浸透
しないようにするプロセスであり、つぎに述べる本焼を
兼ねることがある。本焼は素焼にうわぐすりをかけたも
のの焼締り度を高め、素地とうわぐすりとをなじませる
プロセスである。上絵焼とは釉焼あるいは本焼をした面
に、顔料を低融点ガラス質のフリットと混ぜたもので彩
飾し、焼き付けるプロセスである。燃成温度は通常1300
℃以上であるが、本発明の陶磁器の場合は、そのような
高温だとサヌカイトに含有されている鉄分が溶けるの
で、約1100℃で焼成するのが好ましい。
【0012】このようにして得られた本発明の陶磁器
は、抹茶碗、花器、装飾品、風鈴などに好適であるが、
とくに、風鈴に仕上げると、叩くと美しく澄みきった音
色がし、心の癒しと幸福感をもたらすことができる。
【0013】つぎに、本発明における風鈴について、音
圧と振幅を調べ、その音色の特徴を調査した。図1は、
本発明に係る実施例1の風鈴を鳴らしたときの音圧と振
幅のグラフ、図2は比較例1である陶器製風鈴を鳴らし
たときの音圧と振幅のグラフ、図3は、比較例2である
南部鉄製風鈴を鳴らしたときの音圧と振幅のグラフであ
る。実施例1の風鈴は、粘土等の原料全体に対しサヌカ
イトの粉末を50重量%混入して焼成したものであり、
陶器製の風鈴より音が長く続くが、南部鉄製の風鈴より
短く、振幅も、陶器製風鈴と南部鉄製風鈴の中間位であ
る。これらのことにより、従来にはなかった独特の音色
が発生していることが明らかである。
【0014】
【発明の効果】請求項1の陶磁器によれば、美しく澄み
きった音を発する陶磁器が得られる。請求項2の陶磁器
によれば、音色が良く割れも発生しにくい陶磁器が得ら
れる。請求項3の陶磁器によれば、音色が非常に良く澄
みきっており、かつ割れがほとんど発生しない、魅力と
実用を兼ね備えた陶磁器が得られる。請求項4の陶磁器
によれば、カンカンという澄みきった音のする風鈴が得
られ、人の心に癒しと幸せをもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の風鈴を鳴らしたときの
音圧と振幅のグラフである。
【図2】比較例1である陶器製風鈴を鳴らしたときの音
圧と振幅のグラフである。
【図3】比較例2である南部鉄製風鈴を鳴らしたときの
音圧と振幅のグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料にサヌカイトの粉末を含有することを
    特徴とする陶磁器。
  2. 【請求項2】サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合
    割合が、40〜60重量%であることを特徴とする請求
    項1記載の陶磁器。
  3. 【請求項3】サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合
    割合が、約50重量%であることを特徴とする請求項1
    記載の陶磁器。
  4. 【請求項4】前記陶磁器が風鈴であることを特徴とする
    請求項1または3記載の陶磁器。
JP15083398A 1998-06-01 1998-06-01 陶磁器 Expired - Lifetime JP2912353B1 (ja)

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