JP2015203746A - 打楽器用音板および陶磁製打楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】美しく澄みきった音色がする打楽器用音板および陶磁製打楽器を提供する。
【解決手段】打楽器用音板は、サヌカイトの粉末と粘土を混合して棒状に成形焼成したものである。サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合割合が、40〜60重量%である。音階の異なる複数本の音板を用いると陶磁製打楽器ができる。粉末にして焼成するので一連の音階を構成するように音板を作ることが容易である。このため、安価で大量にサヌカイトを使った打楽器を生産できる。カンカンという澄みきった音がし、しかも一連の音階を有する陶磁製打楽器が得られ、人の心に癒しと幸せをもたらすことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、打楽器用音板および陶磁製打楽器に関する。
打楽器の代表的なものに木琴や鉄琴がある。これらは普及品から高級品まで様々な品質の商品が市販売されている。
一方、非常にめずらしい木琴打楽器としてサヌカイトの原石を形を整えて音板としたサヌカイト製打楽器が存在する。
サヌカイトとは板状節理に沿って割った岩片をたたくと澄んだ音がするため、香川県ではカンカン石の名でみやげ品としている石である。このサヌカイト製打楽器は原石を研磨して成形するので、原石の長さや太さの制限があって数量的に非常に少なく、限られた数のプロ奏者しか用いることができない。
サヌカイトは高音の「カンカン」という音がするので、楽器としては優れた性質を有するが、上記の理由で広くは活用されていない。
一方、特許文献1には、風鈴として用いられる記載があるが、これは1種類の音しか出ないので、楽器とは云えない。
特開平11-343165号公報
本発明は上記事情に鑑み、叩くと美しく澄みきった音色がする打楽器用音板および陶磁製打楽器を提供することを目的とする。
第1発明の打楽器用音板は、サヌカイトの粉末と粘土を混合して棒状に成形焼成したことを特徴とする。
第2発明の打楽器用音板は、第1発明において、サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合割合が、40〜60重量%であることを特徴とする。
第3発明の打楽器用音板は、第1発明において、サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合割合が、約50重量%であることを特徴とする。
第4発明の打楽器用音板は、第1、2または第3発明において、音階の異なる複数本の音板を用いて構成したことを特徴とする。
第1発明によれば、粉末にして焼成するので一連の音階を構成するように音板を作ることが容易である。このため、安価で大量にサヌカイトを使った打楽器を生産できる。
第2発明によれば、音色が良く割れも発生しにくい音板が得られる。
第3発明によれば、音色が非常に良く澄みきっており、かつ割れがほとんど発生しない、魅力と実用を兼ね備えた音板が得られる。
第4発明によれば、カンカンという澄みきった音がし、しかも一連の音階を有する陶磁製打楽器が得られ、人の心に癒しと幸せをもたらすことができる。
本発明に係る打楽器用音板の製造方法の説明図である。 本発明に係る陶磁製打楽器の斜視図である。 本発明の打楽器用音板の音圧周波数分布を示すグラフである。 比較例であるサヌカイト原石の音圧周波数分布を示すグラフである。 本発明の打楽器用音板の無次元化音圧レベルを示すグラフである。 比較例であるサヌカイト原石の無次元化音圧レベルを示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を説明する。
本発明においては、原料にサヌカイトを用いたことが特徴である。
このサヌカイトとは、平凡社百科事典によると、「瀬戸内海から四国北部に分布する新第三紀火山岩のなかに、マグネシウムMgに富む斜方輝石(古銅輝石)の斑晶のほかには斑晶が少なく、石基は比較的ガラス質で緻密な安山岩が産出し、これを特にサヌカイト(讃岐岩、讃岐石ともいう)と呼ぶことがある。この岩石の化学組成はマグネシウム対鉄の比(Mg/Fe比)が異常に大きい点に特徴があり、その一部は上部マントルの水を含んだカンラン岩が部分溶融してできたマグマが、直接上昇固結したためにできたとされている。同様の特徴をもつ岩石は小笠原諸島やパプア・ニューギニアなどにも知られ、一括して高マグネシア安山岩と呼ばれて、1970年代の火成岩成因論争上注目された岩石である。板状節理に沿って割った岩片をたたくと澄んだ音がするため、香川県ではカンカン石の名でみやげ品としている。」と解説されている。
また、地質学関係書によると、「サヌカイト」は1350万年ほど前の新生代三紀瀬戸内火山活動によって噴出した特異な溶岩(非顕晶古銅輝石安山岩)で、顕微鏡で観察すると極めて細粒緻密で硬度7と硬く、ガラス・磁鉄鉱に富み、斜長輝石・ザクロ石・黒雲母・石英・カリ長石等の外来結晶を含む石と解説されている。
本発明における陶磁製打楽器の原料、製法の詳細は、図1に基づき説明する。
[原料]:原料はサヌカイトと粘土である。サヌカイトは粉末にして用いる。サヌカイトだけでは所望の形状に成形することができないので、成形成分である粘土を加える。粘土は水との混合比を制御することで、流動性、可塑性のいずれにもすることができるし、乾燥により一応の機械的強度を与えることができる。
サヌカイトの微粉末と粘土の配合割合は、原料全体に対し、サヌカイト微粉末が20〜60重量%である。20重量%を下廻ると、音が出にくくなり音色も悪くなり、60重量%を越えると、割れが発生しやすくなる。よって、20〜40重量%が、音色もよく割れも発生しにくいので好ましい。
また、サヌカイトの配合割合が約30重量%であると、音色も非常に良くなるので、最も好ましい。
[粉砕]:サヌカイトは成形前に粉砕して微粉末にされる。粉砕する方法は任意であり全く制限がない。人がハンマーを振って砕いてもよく、石砕機などでも粗砕きした後、ボールミル等で微粉末にしてもよい。
[成形]:サヌカイト微粉末と粘土からなる原料はよく混合され水とよく練り合わされる。つまり、この段階で、サヌカイトの粉末は粘土の中に練り込まれる。
このようにして得られた、坏土は適宜熟成されたのち、棒状に成形する。棒状のうちでも楽器にとして使うには断面四角形の角棒が好ましい。
断面(縦×横)寸法と長さは、所望の音階が得られるように選定する。
[焼成]:成形のつぎに焼成する。
焼成には素焼と本焼の2工程が用いられる。素焼は各種の成形法によって成形された素地にうわぐすりをかけずに焼成し、陶磁器として使用するに足る強度をもつように焼き締めるプロセスである。このプロセスで得られたものも素焼と呼ぶ。本焼は素焼にうわぐすりをかけたものの焼締り度を高め、素地とうわぐすりとをなじませるプロセスである。 燃成温度は通常は1300℃以上の高温を用いるが、本発明の場合は、そのような高温だとサヌカイトに含有されている鉄分が溶け出して変形してしまうので、約1100℃以下で焼成するのが好ましい。
このようにして得られた本発明の陶磁製音板1は、叩くと美しく澄みきった音色がする。
図2は上記のようにして得られた音板1を用いて作製した陶磁製打楽器10を示している。用いた音板は符号1a、1b、1c、1d、1eの5本であるが、本数に制限はない。各音板1a〜1eは通常の木琴と同じように糸2で支持され、台3に取付けられている。
各音板1a〜1eはそれぞれが異なる音階(たとえば、ド、レ、ミ、ファ、ソ・・・)を構成するように、長さや断面寸法が選定されている。
このようにして得られた陶磁製打楽器を演奏すると、澄みきった美しい音色が出るので、
心の癒しと幸福感をもたらすことができる。
つぎに、本発明の陶磁製音板について、音圧を調べ、その音色の特徴を調査した。
実施例1の音板1は、原料全体に対しサヌカイトの粉末を30重量%混入して焼成したもので長さ150mm、幅×高さ20×15mm、である。
[測定条件等]
測定機器
・音響測定 マイクロフォン Bruel&Kjaer製 4189-A-021型
・周波数分析機 FFTアナライザ Bruel&Kjaer製 3560B PULSE
・測定環境 無響箱 ソノ―ラテクノロジー製 Xタイプ
測定条件
・周波数範囲 20000[Hz]まで
・周波数分解能 6400分割
・音響フィルタ A特性フィルタ
・平均回数 7回
・試験体⇔マイク 距離1[m]
(周波数分布)
[参考:図3〜図6のグラフ用語説明]
・ 周波数 Hz
音は「空気の振動」である。周波数は、「1 秒間に空気が振動する回数」を表す。この数字が大きいほど、高い音(音階が高い)に相当する。
・ A特性フィルタ
人間の聴覚は、低すぎる(周波数が低い)音や高すぎる(周波数が高い)音は聞き取りにくいという特徴がある。
A特性フィルタは、マイクロフォンによる測定を行う場合に、人間の聴覚を模擬するように補正をするために使用する周波数フィルタである。
・ 音圧レベル
先に示したとおり、音は「空気の振動」である。空気の振動は、圧力変化として計測することができ、この圧力の値を特に「音圧」と呼ぶ。
一般には、測定される音圧を P [Pa]、基準音圧をP0=20×10-6 [Pa](Pa:パスカル、圧力の単位)として、次に示す式を用いて「音圧レベル[dB]」として表示する
(dB:デシベル、音圧レベルの単位。A特性フィルタを使用する場合には特に[dB(A)]と表記する)。この値が大きいほど、「大きい音」に相当する。
[測定結果]
・図3および図4のグラフの見方
図3および図4は横軸に周波数、縦軸に音圧レベルをとったグラフである。図3は本発明の実施例1のグラフであり、図4は比較例であるサヌカイト原石のグラフである。
いずれのグラフも上方に尖った山が見られ、これを「ピーク」と呼ぶ。
音は空気の振動であり、複数の周波数の振動が混ざり合っているが、ピークの現れる周波数は、特に音の強さが強く現れている箇所である。
図3に示す実施例1(陶磁製音板)であれば、1634[Hz]、4481[Hz]、8625[Hz]、9078[Hz]で音が強く現れているピークである。
各ピークの周波数が高いほど、音階が高いことに相当する。
図4に示すサヌカイト原石も3カ所で音のピークがあり、このピークでの打音が澄んだ音を出している証拠である。図3に示す実施例1も周波数こそ違うものの鋭いピークを示しているので、美しい澄んだ音を出すことがグラフから分る。
・ 無次元化音圧
手作業によって試験体を打撃し、その際に生じる音を計測する手法では、個々の打撃力の強さを一定に保つことは困難である。そこで、打撃力のばらつきの影響をなくすため、音圧振動の最大振幅(最大の振れ幅)の大きさを基準とし、時々刻々の音圧の値を比率として表したもの。
・ 時刻歴波形 図5および図6グラフの見方
図5および図6は横軸に時間、縦軸に無次元化音圧をとったグラフ化である。図5は本発明の実施例1のグラフであり、図6は比較例であるサヌカイト原石のグラフである。
各グラフは試験体を打撃することによって生じた音圧が、時間と共に徐々に小さくなる(減衰する)様子を表したものである。
実施例1を示す図5も比較例を示す図6も同様の減衰傾向を示しているので、実施例1の音板も比較例(サヌカイト原石)と同様に鋭い音を出すことが分る。
1 音板
10 陶磁製打楽器

Claims (4)

  1. サヌカイトの粉末と粘土を混合して棒状に成形焼成した
    ことを特徴とする打楽器用音板。
  2. サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合割合が、40〜60重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の打楽器用音板。
  3. サヌカイトの粉末の原料全体に対する配合割合が、約50重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の打楽器用音板。
  4. 請求項1、2または3記載の音板であって、音階の異なる複数本の音板を用いて構成した
    ことを特徴とする打楽器用音板。
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