JP2912027B2 - チーグラー−ナッタ型触媒の製造方法 - Google Patents

チーグラー−ナッタ型触媒の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化マグネシウムに担
持されるバナジウム化合物に基づくチーグラー−ナッタ
型触媒の製造方法に関するものである。前記触媒は、エ
チレンの様なオレフィンの重合化に適し、かつ特にエラ
ストマープロピレン共重合体の製造、特別に気相共重合
化方法による製造に適する。
【0002】
【従来の技術】チーグラー−ナッタ型の触媒システム
は、チタンの様な遷移金属の少なくとも一つの化合物を
含む触媒の組合と、アルミニウムの様な金属の少なくと
も一つの有機金属化合物をとからなることは公知であ
る。更に、これらの触媒の性質は、遷移金属化合物が塩
化マグネシウムの様な固体無機化合物からなる担体と使
用される時に、大きく影響され得ることも公知である。
担持触媒を製造する技術において、担体の性質と、一般
的に前記担体に遷移金属化合物を固定することにある触
媒の製造方法とは、触媒の特性と、オレフィンの重合化
又は共重合化の反応における挙動とに極めて大いに重要
である。
【0003】欧州特許出願第EP−A−0,099,7
72号公報によると、塩化マグネシウムの球状担体に遷
移金属の沈殿により触媒を製造することは公知で、前記
塩化マグネシウムは、Mg−C結合と、小割合の電子供
与体化合物とを含む生成物を包含する。遷移金属化合物
は、ハロゲン化チタン化合物であり、このハロゲン化チ
タン化合物の担体への沈殿は、チタン化合物の、有機金
属化合物の様な還元剤による還元反応により実施され
る。この触媒は、ポリエチレンの製造に使用される。然
し乍ら、この触媒は、エラストマープロピレン共重合体
を満足な条件で製造することは出来ない。欧州特許出願
第EP−A−0,155,770号公報によると、塩化
マグネシウムの球状担体にバナジウム化合物の沈殿によ
り触媒を製造することは公知で、前記塩化マグネシウム
は、Mg−C結合と、小量の電子供与体化合物とを含む
生成物を包含する。沈殿は、還元剤の添加無しに、この
担体の存在下にバナジウム化合物の還元反応により実施
される。還元反応は、担体中に存在するMg−C結合を
含む生成物により、多分自然に開始される。触媒は、広
い分子量分布を有するエチレンポリマーを製造するのに
使用される。然し乍ら、この方法は、多量のバナジウム
化合物の使用を必要とし、その小割合のみが、担体に固
定されることが観察されている。触媒洗浄操作は、一般
的に、担体に固定されないバナジウム化合物の過剰を除
去するのに必要で、この操作は、バナジウム化合物の毒
性と腐蝕性の為に、コスト高につきかつ困難である。
【0004】欧州特許出願第EP−A−0,336,5
45号公報によると、四塩化チタンに基づき、かつ塩化
マグネシウムの球状担体に担持される触媒を製造するこ
とは公知である。然し乍ら、触媒の製造の間に還元剤は
使用されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今や、塩化マグネシウ
ムに担持されるバナジウムに基づく球状触媒の製造方法
が突き止められるに至り、この方法は、前記不利を避け
ることを可能とするものである。特に、この方法は、オ
レフィンの重合化に高活性を発揮する球状バナジウム触
媒を製造することを可能とする。この触媒は、特に気相
共重合化方法を使用して、エラストマープロピレン共重
合体を製造するのに特に適する。この場合、触媒は、エ
ラストマープロピレン共重合体粉末が、球状かつ非付着
性の形態で直接的に製造されるのを可能とし、この粉末
は、高い嵩密度、良好な流動性及び取り扱い易さを有す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の主題事項は、塩
化マグネシウムの担体にバナジウムを還元により沈殿さ
れたバナジウム化合物に基づくチーグラー−ナッタ型触
媒の製造方法において、該方法は、次の工程:(1)
(i)担体中のマグネシウム原子数に対するMg−C結
合の数が0.001未満である80−99.5モル%の
塩化マグネシウムと(ii)活性水素を含まない電子供
与体化合物(D1)の0.5−20モル%からなる担
体、前記担体は、10−100ミクロンの質量平均直径
Dmと、Dmの、粒子の数平均直径Dnに対する比が3
を超えない様な粒度分布とを有する球状粒子の形態であ
り、前記担体を、続いて活性水素を含む少なくとも1種
の電子供与体化合物(D2)と、バナジウム化合物を還
元出来る少なくとも1種の有機金属化合物と、液体炭化
水素中で接触させ、(2)工程1からの固体生成物を液
体炭化水素で洗浄し、次いで(3)前記洗浄固体生成物
をひとつ又はそれ以上のバナジウム化合物と接触させ、
前記バナジウム化合物は、ハロゲン原子Xとアルコキシ
基ORを含みかつ液体炭化水素に可溶性であり、前記
ハロゲン原子と前記アルコキシ基ORは、同じ又は異
なるバナジウム原子に結合している、この3工程を特徴
とするチーグラー−ナッタ型触媒の製造方法である。
【0007】本発明によると、触媒の製造は、特定の塩
化マグネシウム担体を使用する。担体は、Mg−C結合
を含む生成物の実質的に無い、例えばMg−Cの数の担
体中のマグネシウム原子の数に対する比は、0.001
未満である。従って、担体は、バナジウム化合物を自然
に還元することは出来ない。担体のCl/Mg原子比
は、実質的に2に等しい。担体は、80−99.5モル
%、好適には80−95モル%、特に80−90モル%
の二塩化マグネシウムと、0.5−20モル%、好適に
は5−20モル%、特に10−20モル%の化合物D1
を含む。
【0008】有機電子供与体化合物D1は、ルイス塩基
的として知られている。これは、活性水素を含まず、例
えば、水、アルコール類、又はフェノール類から選択さ
れることは出来ない。触媒は、二塩化マグネシウムに関
して比較的に低い複合体形成力を有する。化合物D1
は、エーテル類、チオエーテル類、カルボン酸エステル
類、スルホン類、スルホキサイド類、第三級ホスフィン
類、第三級ホスホールチミド類、第三級アミン類、第二
級アミド類から便利に選択される。環状又は非環状エー
テル類の様な低い複合体形成力を有する電子供与体化合
物を使用するのが好適である。好適には、均一組成物の
形態で、即ち、化合物D1は、塩化マグネシウム粒子の
周辺のみでなく、塩化マグネシウムの心から周辺へ、塩
化マグネシウム粒子全体に亙って均一に分布される形態
にある。結果として、この種の担体を得る為に、沈澱技
術を使用する方法により担体を製造するのが推奨され
る。
【0009】担体は、その構造が本質的に非晶質であ
り、即ち結晶性が実質的に又は完全に消失する時に、特
に気相における重合化の間、巨大な生長応力に耐えるこ
とが出来る高性能触媒を齎す。この担体の特殊形態は、
例えば、下記の様に実施される沈澱技術により得ること
が出来る。
【0010】担体は、質量平均直径が10−100ミク
ロン、好適には15−70ミクロン、特に20−50ミ
クロンを有する球状粒子から成る。担体の粒子は、質量
平均直径Dmの、数平均直径Dnに対する比Dm/Dn
が3以下、好適には2.5以下、特に2以下、例えば1
−3、1−2.5、もしくは1−2という極めて狭い粒
度分布を有する。好適には、1.5×Dm以上又は0.
6×Dn以下の直径を有する粒子が殆ど全く無く;粒度
分布は、同じ単一バッチ中の粒子の90重量%以上が、
Dm±10%の範囲の粒度を有する。担体は、実質的に
球形を有する球状粒子からなり、若しDとdが、夫々粒
子のより長い軸とより短い軸を表すとすると、D/dの
比は、殆ど1、一般的には1.5未満又は1.5、好適
には1.3又は1.3未満、例えば1−1.5もしくは
1−1.3である。
【0011】担体粒子の比表面積(BET)は、20−
100m2/g、特に30−60m2/gである。
【0012】担体は、特に、ジアルキルマグネシウム化
合物を、有機塩素化合物と、電子供与体化合物D1の存
在下に反応させることにより調製されて良く、化合物D
1は、複合体化剤として作用し、反応物として作用する
ものでない。この理由で、この製造方法において、化合
物D1は、有機マグネシウム化合物と反応出来るカルボ
ン酸エステル類の様な電子供与体化合物から選択される
ことは出来ない。選択されるジアルキルマグネシウム化
合物は、式R1MgR2(式中、R1とR2は2−12個の
炭素原子を含む同じ又は異なるアルキル基を表す)の生
成物で、かつ担体の製造が、実施されるであろう炭化水
素媒体中に可溶性である。有機塩素化合物は、式R3
l(式中、R3は3−12個の炭素原子を含む第二級又
は、好適には第三級アルキル基を表す)の塩化アルキル
である。式R4OR5(式中、R4とR5は、特に1−12
個の炭素原子を含む同じ又は異なるアルキル基を表す)
のエーテル類を電子供与体化合物として使用するのが好
ましい。
【0013】担体を調製する為に使用される各種の反応
物は、次の条件下に使用される: − モル比RCl/RMgRは1.9−2.5、
好適には2−2.3であり − モル比D1/RMgRは0.1−1.2、好適
には0.3−0.8である。
【0014】電子供与体化合物の存在下にR1MgR2
3Clの間の反応は、不活性液体炭化水素、例えば炭
素原子5−12個の一つ又はそれ以上のアルカン類内
で、撹拌下に、好適には0−100℃の温度で起こる沈
澱化である。優れた担体、特に多量の電子供与体化合物
D1を得る為に、沈澱反応を10−80℃、好適には1
5−50℃、特に15−35℃の範囲の比較的に低温で
実施することが推奨される。好適には、沈澱反応は、少
なくとも5時間の期間に亙り、好適には少なくとも10
時間、例えば10−50時間、特に10−24時間の範
囲の期間に亙り極端にゆっくりと進行させて、特に多量
の化合物D1の挿入と、担体中にその均一な分散を確保
すべきである。本発明による触媒の製造は、塩化マグネ
シウム担体を、最初に活性水素を含む少なくとも一つの
電子供与体化合物D2と接触させることからなる。化合
物D2は、水素原子を失うことが可能で、かつ好適には
液体炭化水素に可溶性な多種類の有機電子供与体化合物
から選択されて良い。化合物D2は、アルコール類、フ
ェノール類、第一級又は第二級ホスフィン類、第一級又
は第二級アミン類、第一級アミド類、及びカルボン酸
類、これらの各々は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族又は
芳香族アルキルであって良く、かつ炭素原子1−20個
含んで良いものから好適に選択される。好適な化合物D
2は、アルコール類とフェノール類から選択される。特
に、炭素原子1−12個含むアルコール類が、特にエタ
ノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノ
ール、2−エチルヘキサノール、又はn−ヘキサノール
が使用され得る。アルキル基において炭素原子1−4個
を有するアルキルフェノールの様なフェノール、例えば
パラ−クレゾールが、使用されて良い。化合物D2は、
好適には、化合物D1より大きな、塩化マグネシウムに
対する複合体化能力を発揮する。
【0015】触媒製造の第一工程は、担体のマグネシウ
ムのモル当たり0.1−2モル未満、好適には0.5−
1.5モルを使用することにより実施される。接触は、
液体炭化水素、特にn−ヘキサン又はn−ヘプタン、又
はこの混合物の様な飽和脂肪族炭化水素中で掻き交ぜ、
例えば撹拌により実施される。担体と化合物D2の間の
接触は、0−120℃、好適には0−80℃の範囲の温
度で起こる。接触は、10分−10時間、好適には30
分−5時間持続する、特に、接触は、各種の方法で生成
される。例えば、化合物D2は、添加時間、例えば10
分−5時間、好適には15分−2時間で、液体炭化水素
内で掻き交ぜた、例えば撹拌した懸濁物へ、徐々に又は
迅速に添加されて良い。液体炭化水素中の担体の懸濁物
はまた、掻き交ぜ、例えば撹拌しながら化合物D2へ添
加されても良い。化合物D2は、純粋状態で又は液体炭
化水素中の溶液で使用されて良い。担体に接触するのに
使用された化合物D2の大部分は、一般的に、担体の寸
法と表面積(BET)は可成増加するけれども、担体の
形態と粒度分布を可成変性することなく担体に固定され
て残留する。担体は、一度化合物D2で処理されると、
担体は、液体炭化水素で一回又はそれ以上洗浄されるの
が良い。この接触から得られた固体生成物は、一般式;
MgCl2,xD1yD2(式中、D1とD2は、前記電
子供与体を表し、xは、0.0005−0.15、特に
0.001−0.1の範囲の数、yは、0.1−2、特
に0.5−1.5の範囲の数を表す)を有する。担体を
バナジウム化合物を還元出来る有機金属化合物と接触さ
せる前に、化合物D2と接触させることは、触媒の製造
に好適な方法であり、その理由は、D1単独のみを使用
するのに比較して、担体中に比較的に多量のバナジウム
化合物を固定し、かつ細かい又は微細な粒子の無い触媒
を得る更に大きな可能性を付与するからである。
【0016】触媒の製造は、バナジウムの最大原子価の
一つにあるバナジウム化合物を還元出来、かつ元素の周
期分類の第II族又は第III族に属する金属の有機金
属化合物から選択される少なくとも一つの有機金属化合
物と担体を接触させることにある。有機金属化合物は、
有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、又
は有機亜鉛化合物から選択される。好適な有機金属化合
物は、一般式: AlR3−p (式中、Rは、炭素原子1−12個を含むアルキル基を
表し、Xは、水素原子、又は塩素又は臭素の様なハロゲ
ン原子、又は炭素原子1−10個を含むアルコキシ基を
表し、pは、1−3、好適には2−3の範囲の整数又は
分数を表す)に相当する有機アルミニウム化合物であ
る。特に、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−
n−オクチルアルミニウム又は塩化ジエチルアルミニウ
ムが使用されて良い。触媒製造中に使用される有機金属
化合物の量は、担体のマグネシウムのモル当たり0.1
−2、好適には0.5−1.5モルであって良い。有機
金属化合物はまた、使用される化合物D2に関する量
で、特に使用される化合物D2のモル当たり0.5−
1.5、好適には0.8−1.2モルの有機金属化合物
である。最初の接触において使用される化合物D2の量
に対して実質的に等モルである所の有機金属化合物の量
を使用するのが一般的に好適である。若し使用される有
機金属化合物の量が、化合物D2に関して少なすぎる
と、触媒は、低いバナジウム含有量を有するであろう。
これに反して、若しこの量が高すぎると、触媒は、重合
化において貧弱な活性を有するだろう。
【0017】担体と有機金属化合物の間の接触は、好適
には、液体炭化水素中での、特にn−ヘキサン又はn−
ヘプタン又はこれらの混合物の様な飽和脂肪族炭化水素
中での掻き交ぜ、例えば撹拌により生成される。担体と
有機金属化合物の間の接触は、0−120℃、好適には
0−100℃の範囲の温度で起こる。この接触は、10
分−10時間、好適には20分−5時間持続する、実際
的に、接触は、各種の方法で生成される。例えば、有機
金属化合物は、液体炭化水素中で掻き交ぜ、例えば撹拌
された担体の懸濁物へ添加されて良い。添加は、徐々に
又は迅速に添加されて良く、かつ1分−5時間、好適に
は5分−2時間持続されるのが良い。液体炭化水素中の
担体の懸濁物はまた、掻き交ぜ、例えば撹拌しながら有
機物合物へ添加されても良い。有機金属化合物は、純粋
状態で又は液体炭化水素中の溶液で使用されて良い。
【0018】有機金属化合物の一部は、この接触の間に
担体に固定される。本発明によると、接触させるこれら
の2回の操作の後に、担体を洗浄することが推奨され
る。担体は、液体炭化水素で、例えばn−ヘキサン又は
n−ヘプタン又はこれらの混合物の様な炭素原子5−1
2個の飽和脂肪族炭化水素で1回又はそれ以上洗浄され
る。洗浄に使用される液体炭化水素(工程2)は、担体
懸濁の洗浄と同じ又は異なる。洗浄は、0−120℃、
好適には0−80度の範囲の温度で、10分−2時間、
好適には20分−1時間の範囲の期間に亙り、掻き交
ぜ、例えば撹拌により好適に実施される。実際的に、一
般的に、洗浄は、掻き交ぜ、例えば撹拌される担体の懸
濁物へ液体炭化水素を添加することにあり、次いでこの
様にして得られた混合物を掻き交ぜ、例えば撹拌し続
け、次いで掻き交ぜ、例えば撹拌を止めて固体担体を沈
降させ、次いで上澄み液体相の部分を除去する。洗浄操
作は、数回、好適には担体懸濁の液体相が、溶液中に、
直ぐその後に使用されるバナジウム化合物の量に関して
1モル%未満である有機金属化合物の金属量を含むま
で、繰り返えされるのが良い。
【0019】触媒製造の最後の段階は、洗浄固体担体
を、液体炭化水素に可溶な一つ又はそれ以上のバナジウ
ム化合物と接触させることにある。
【0020】このバナジウム化合物は、ハロゲン原子X
とアルコキシ基ORを含み、XとORの両方共、同
じ又は異なるバナジウム原子に結合されている。気相に
おいてエラストマープロピレン共重合体を製造する為の
最も適した触媒は、バナジウム化合物と共に製造された
触媒であり、この触媒において、モル比X/ORは、
0.05−20、好適には1−10、特に1.5−6で
ある。この様にして得られた触媒に関して、驚くべきこ
とに、気相重合化において、非付着性であり、かつ良好
な流動性を有するエラストマー共重合体粉末を直接的に
製造することが出来ることが言及されている。
【0021】更に特別に、バナジウム化合物は、一つ又
は二つの一般式: V(OR14-mX又はVO(OR13-nn (式中、R1は、炭素原子1−12個を含むアルキル基
を表し、Xは、臭素又は塩素の様なハロゲン原子であ
り、mは、0.2−3.8、好適には2−3.6の整数
又は分数であり、nは、0.14−2.85、好適には
1.5−2.7の整数又は分数を表す)に相当する。バ
ナジウム化合物は、式VOX3又はVX4のハロゲン化バ
ナジウムと、式VO(OR13又はV(OR14のバナ
ジウムアルコキシドとの適切な混合物、又は式VOX3
又はVX4のハロゲン化バナジウムと式R1OHのアルコ
ール類との混合物、式中のX基とR1基は、前記定義と
同じ、これら混合物を製造するすることにより製造され
て良い。有利には、四塩化バナジウム又は三塩化バナジ
ウムが、ハロゲン化バナジウムの中で使用され、及びバ
ナジウムアルコキシドの中で、バナジルトリ−n−プロ
ポキシド、バナジルトリイソプロポキシド、バナジルト
リ−n−ブトキシド、バナジウムテトラ−n−ブトキシ
ド、又はバナジウムテトラ−n−プロポキシドを使用す
るのが好適である。バナジウム化合物は、触媒の製造に
使用する前に、又は任意的に担体の存在下に、接触がな
される液体炭化水素中で直接的にのいずれかで製造され
るのが良い。使用されるバナジウム化合物は、液体炭化
水素、特に例えば炭素原子5−12個有する飽和脂肪族
炭化水素に可溶性である。
【0022】触媒を製造するのに使用されるバナジウム
化合物の量は、担体に固定されるべきバナジウムの所望
量に左右される。担体と接触される間に使用されるバナ
ジウム化合物の量は、一般的に、担体のマグネシウムの
モル当たり0.05−2モル、好適には0.1−1モル
である。
【0023】好適には、担体とバナジウム化合物の間の
接触は、前記バナジウム化合物が可溶な炭化水素中で掻
き交ぜ、例えば撹拌で生成される。液体炭化水素は、飽
和脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘキサン又はn−ヘプ
タン、又はこれらの混合物の様な炭素原子5−12個の
ものである。接触は、0−120℃、好適には20−1
00℃の範囲の温度で起こるのが良い。実際的に、接触
は、各種の方法で起こる。例えば、バナジウム化合物
を、液体炭化水素中で掻き交ぜ、例えば撹拌される担体
の懸濁物へ添加することが出来る。添加は、徐々に又は
迅速になされ、かつ10−70℃の範囲の温度で、10
分−3時間、好適には30分−2時間持続する。添加の
後、この様にして得られた混合物は、20−120分、
好適には30−100℃の範囲の温度で、10分−5時
間、好適には30分−3時間の期間に亙り、掻き交ぜ、
例えば撹拌されるのが良い。少なくとも2種のバナジウ
ム化合物が、担体と接触される時に、これらは、担体
に、同時に又は相互に連続的に、又は他に予備混合の形
態で、添加されるのが良い。
【0024】バナジウム化合物は、純粋状態で、液体形
態で、又は例えば炭素原子5−12個の一つ又はそれ以
上のアルカン類の様な液体炭化水素中の溶液で使用され
るのが良い。総てでないかもしれないが、使用されるバ
ナジウム化合物の量の大部分が、担体に固定されるけれ
ども、触媒は、前記の様な液体炭化水素で1回又はそれ
以上洗浄されるのが良い。
【0025】担体がバナジウム化合物と接触されること
は、4価バナジウムを4未満の原子価状態で変える、及
び/又は3価バナジルを3価未満の原子状態へ変える所
の還元反応により担体中にバナジル化合物の沈殿からな
る。本発明の方法は、バナジル化合物が使用されている
原子価の直ぐ下位の原子価状態へ、バナジウムを還元す
る有利を有する。従って、バナジウムは、4価バナジウ
ム化合物が使用された場合、全く3価状態へ還元され
る。3価バナジル化合物が使用される場合、2価バナジ
ルのみを有する触媒が、得られる。還元剤は、有機金属
化合物と担体の間の接触により得られる化合物である。
【0026】バナジウム化合物の沈殿が、担体中に独占
的に生成し、かつ還元状態のバナジウム化合物から本質
的になりかつ担体を含まない固体粒子が、触媒製造中に
実際的に生成されないことが突き止められ、このことは
特に驚くべきことである。特に有利なことには、この様
にして得られた触媒が、重合化に活性な細かい又は微細
粒子のないことが観察される。
【0027】驚くべきことに、担体の本質的な非晶質構
造、寸法、粒度分布、及び形態が、触媒の製造中に変化
しないことが突き止められる。従って、得られた触媒
は、その物理的性質が、最初の担体の粒子の物理的性質
と実際的に同じである粒子からなる、特に、触媒は、質
量平均直径10−100ミクロン、好適には15−70
ミクロン、特に20−50ミクロンのものと、質量平均
直径Dmの数平均直径Dnに対する比として測定された
粒子寸法分布が、3を超えない、好適には2.5を超え
ない、特に2を超えないものとを有する球状粒子からな
る。
【0028】この製造の利点は、総てでないとしても、
使用されたバナジウム化合物の大部分が、担体に固定さ
れている事実に関連される。一般的に、製造中に使用さ
れたバナジウム化合物の90%以上、かつ更に99%以
上が、担体に固定されていることが突き止められる。こ
の方法の他の特徴は、バナジウム化合物が担体全体に亙
り均一に固定されて、触媒を重合化の間より強固とする
ことである。これらの利点の組み合わせは、化合物D1
を含む特別の担体が使用され、かつこの担体が最初に化
合物D2と接触される事実に由来する。更に、触媒が、
製造中の還元剤として、しかし担体と接触されることに
より、かつ還元反応により変換される形態で、使用され
る有機金属化合物の一部を含むことが観察された。この
様にして得られた触媒は、2−12重量%のバナジウム
を含む。触媒は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン又は1−オク
テンの様な炭素原子2−12個を含むオレフィンの重合
化又は共重合化に使用されて良い。ポリエチレン、又は
エチレンと炭素原子3−12個を含むα−オレフィンと
の共重合体、及びエラストマープロピレン共重合体、特
に30−70重量%のプロピレンと70−30重量%の
エチレン及び/又は1ブテン及び随意に非共役ジエン類
を含むエラストマー共重合体の製造に特別に適し、前記
非共役ジエン類は、エチリデンノルボルネン、4−メチ
ル−1,4−ヘダジエン及び2−メチル−1,5−ヘキ
サジエン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン又は1,4−ヘキサジエンである。エラストマー共重
合体は、特に、懸濁中における、又は流動床及び/又は
機械的撹拌床を含む反応器中の気相における重合化によ
り製造される。触媒は、元素周期表の第I族又は第II
I族に属する金属の有機金属化合物から選択される助触
媒の存在下に、かつ随意にハロゲン化炭化水素、例えば
CHCl、CFCl又はジクロロエタンの存在下に
使用される。助触媒は、有機アルミニウム化合物、例え
ば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オ
クチルアルミニウム、又は塩化ジエチルアルミニウムの
様なトリアルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミ
ニウム、アルコキシアルキルアルミニウム、又はハロゲ
ン化アルキルアルミニウムである。触媒と助触媒は、一
般的に、助触媒の金属の量の触媒のバナジウムの量に対
するモル比が0.5と50の間である様な割合で使用さ
れる。重合化反応又は共重合化反応は、エラストマー共
重合体を製造する為に、0.1−5MPa、例えば0.
5−3MPaの範囲の全圧で、0−100℃、好適には
0−60℃で実施されて良い。本発明により製造された
触媒は、直接的に、又は気相で及び/又は液体炭化水素
媒体中の懸濁で実施されるオレフィン予備重合化を受け
た後に使用されるのが良い。予備重合化操作は、触媒の
形態を保持しながら、触媒粒子の寸法を増大するに帰す
る。予備重合化操作は、前記の様な触媒と助触媒を一つ
又はそれ以上のオレフィン、例えばエチレン又はプロピ
レンの様なC2−C8α−オレフィンと接触させることに
ある。予備重合化反応は、バナジウムのミリモル当たり
10−500g、好適には30−250gのポリオレフ
ィンが得られるまで、続けられるのが良い。帯電防止
剤、例えばシェル(Shell)により販売される「A
SA3」(登録商標)が、重合化又は共重合化又は予備
重合化の間使用されるのが良い。
【0029】重合化反応又は共重合化反応の間に、重合
体又は共重合体の粒子の不均一な発生が観察され、これ
らの球状形は保持され、かつ粒度分布は狭くなる。特
に、球状粒子で、かつ良好な流動性を発揮し、かつ一般
的に0.3と0.5g/cm3 の間の高い嵩密度からな
る非付着性粉末からなるエラストマープロピレン共重合
体を得るこ分子量Mnの比が3と11であることを特徴
とする比較的に狭い分子量分布を有する。更に、エラス
トマー共重合体は、極めて低い濃度のバナジウム、一般
的に15重量ppm未満を有する。
【0030】粒子の質量平均直径(Dm)と数平均直径
(Dn)の測定方法 担体又は触媒粒子の質量平均直径(Dm)と数平均直径
(Dn)は、オプトマックス(Optomax)イメー
ジ アナライザー[マイクロ−メジャメント社(Mic
ro−Measurements Ltd.)英国]に
より顕微鏡的観察で測定される。測定の原理は、光学顕
微鏡と頻度分布表を使用して、粒子集団の実験的研究に
より得ることにあり、頻度分布表は直径の各クラス
(i)に属する粒子の数(ni)を与え、各クラス
(i)は前記クラスの境界の間に包含される中間直径
(di)により特徴付けられる。1981年6月の公の
フランス標準NF X 11−630によると、Dmと
Dnは、次の式により与えられる:
【0031】
【数1】
【0032】Dm/Dn比は、粒度分布を特徴付けるも
ので、しばしば「粒度分布の幅」と呼ばれている。オプ
トマックス イメージ アナライザーを使用する測定
は、倒立顕微鏡により実施され、これは16と200倍
の間の倍率で試験されるべき担体又は触媒の粒子の分散
を許すものである。粒子の大きさ又は直径を測定し、次
いでこれらを分類する目的で、テレビジョンカメラが、
倒立顕微鏡により与えられるイメージをキャッチし、次
いでイメージをコンピューターに送り、コンピューター
は、受信したイメージをラインずつかつ各々のライン上
の点ずつ順に解析する。
【0033】分子量分布の測定 (共)重合体は、重量平均分子量、Mwの、数平均分子
量、Mnに対する比により、「ウォ−タズ(Water
s)」モデル“150C”(登録商標)ゲル浸透クロマ
トグラフ(高温サイズ エクスクルージョンクロマトグ
ラフ)により得られる分子量分布曲線から計算され、操
作条件は、下記の通りである: − 溶剤: 1,2,4−トリクロロベンゼン − 溶剤流速: 1ml/分 − 3個の「ショデックス(Shodex)」(登録商
標)モデル“AT 80MS”カラム − 温度: 150℃ − 試料濃度: 0.1重量% − 射出容量: 500マイクロリッター − クロマトグラフと一体の屈折計により検出 − リギデックス(Rigidex)」6070EAの
商標名でビーピーケミカルズ(BP Chemical
s)により販売される高密度ポリエチレンを使用して較
正: Mw=65,000及びMw/Mn=4、かつ高密度ポ
リエチレンは、Mw=210,000及びMw/Mn=
17.5、これらを使用して較正
【0034】
【実施例】次の限定されない実施例により本発明を説明
する。
【0035】実施例 1 塩化マグネシウム担体の製造 ジイソアミルエーテル(DIAE)の204ml(1モ
ル)を、周囲温度(20℃)でかつ窒素雰囲気下に、3
25rpmで回転する撹拌システムを備え、かつn−ヘ
キサン3中のジブチルマグネシウム2モル溶液を含む
5のステンレス鋼反応器に導入した。反応器を25℃
に保持し、塩化第三級ブチル484ml(4.4モル)
を12時間に亙り反応器中に導入した。次いで混合物
を、25℃で3時間撹拌し続けた。得られた固体生成物
を、各2リットルのn−ヘキサンで、4回洗浄した。か
くして、2モルの塩化マグネシウムが、平均直径Dm=
35ミクロンと粒度分布Dm/Dn=1.6を有する球
状粒子の形態で、及びDIAE/Mgモル比=0.15
とCl/Mg比2を有して得られた。
【0036】触媒の製造 前記製造された塩化マグネシウムの0.1モルを含むn
−ヘキサンの300mlを、窒素雰囲気下に、かつ20
℃で、300rpmで回転する撹拌システムを備えた1
リットルのガラス反応器に導入した。反応器を30℃ま
で加熱した。n−ブタノールの0.1モルを含むn−ヘ
キサンの20mlを、ガラス反応器に1時間に亙り導入
した。混合物を30℃で0.5時間の間撹拌し続けた
後、得られた固体を、各25℃にてn−ヘキサン0.5
リットルで、2回洗浄した。懸濁の容量を、上澄液相の
部分を除去することにより、150mlまで戻した。次
いで0.1モルのトリエチルアルミニウムを含む100
mlのn−ヘキサンを、50℃で、1時間に亙り撹拌懸
濁液中に導入した。混合物を80℃で1時間撹拌し続け
た後、得られた固体を、各50℃にて0.5リットルの
n−ヘキサンで、2回洗浄し、次いで各25℃にて0.
5リットルのn−ヘキサンで、2回洗浄した。懸濁の容
量を、上澄液相の部分を除去することにより、150m
lまで戻した。次いで16ミリモルの3塩化バナジルと
4ミリモルのトリ−n−プロポキシドバナジルからなる
混合物を含むn−ヘキサンの10mlを、2時間に亙り
30℃で撹拌懸濁に導入した。混合物を、80℃にて1
時間撹拌し続けた後、得られた固体を、各0.5リット
ルのn−ヘキサンで、50℃にて2回洗浄した。次の特
性(モル比)を有する球状触媒を得た: V/Mg=0.19,Al/Mg=0.15,プロポキ
シド/Mg=0.1,Cl/Mg=2.55,Dm/D
n=1.8,Dm=31ミクロン。
【0037】実施例 2 触媒の製造 n−ブタノールが無水エタノールと交換された以外は、
実施例1と全く同じに実施された。次の特性(モル比)
を有する球状触媒が得られた: V/Mg=0.2,Al/Mg=0.19,プロポキシ
ド/Mg=0.1,Cl/Mg=2.6,Dm/Dn=
1.7,Dm=33ミクロン。
【0038】実施例 3 プレポリマーの製造 750rpmで回転する撹拌システムを備えた5のス
テンレス鋼反応器に、窒素下に、70℃まで加熱したn
−ヘキサン2リットルを導入し、次いで、16ミリモル
のトリエチルアルミニウムと8ミリモルの塩化ジエチル
アルミニウムの混合物を導入し、次いで4ミリモルのバ
ナジウムを含む実施例1で製造した触媒の一定量を導入
した。標準状態下に測定した水素の2.5リットルを、
反応器に導入し、続いて4時間の間80g/時間の一定
流速でエチレンを導入した。反応器の内容物を、回転蒸
発器に移し、次いで溶剤を60℃の温度で減圧下に蒸去
した。この様にして得られたプレポリマーを、窒素下に
保存した。
【0039】撹拌床反応器中におけるエチレンとプロピ
レンの気相共重合化 前記共重加化から得られ、かつ窒素下に保存された共重
合体粉末の200gの粉末装填を、250rpmで回転
する乾燥粉末の為の螺旋撹拌機を備えた2.5リットル
のステンレス鋼反応器に、窒素雰囲気下に導入した。反
応器を40℃まで加熱した後に、4ミリモルのトリイソ
ブチルアルミニウムと12.5ミリモルのクロロホルム
を反応器中に導入し、続いて0.1ミリモルのバナジウ
ムに相当する前記製造したプレポリマーの一定量を導入
し、続いて標準状態下に測定した250mlの水素と、
C2/C3モル比=60/40のエチレンとプロピレンの
混合物を導入して、全圧0.5MPaを得た。エチレン
とプロピレンの混合物を、全圧を一定に保持しながら、
反応器に導入した。6時間の共重合化の後に、680g
の共重合体粉末を回収し、これは、次の特性を有する球
状粒子からなっていた: − バナジウム含量:10重量ppm − MI5/190:0.3g/10分 − エチレン誘導単位の重量含量:50% − 結晶化度:1% − Dm:280ミクロン − Dm/Dn:1.9 MI5/190は、190℃で5kg負荷下に測定した
共重合体のメルトインデックスである。
【0040】
【発明の効果】従来のチーグラー−ナッタ型の触媒シス
テムによると、ポリエチレンの製造に使用されるが、エ
ラストマープロピレン共重合体を満足な条件で製造する
ことは出来ない欠点がある。また公知のバナジウムに基
づくチーグラー−ナッタ型の触媒は、多量のバナジウム
化合物の使用を必要とし、その小割合のみが、担体に固
定されることが観察されている。触媒洗浄操作は、一般
的に、担体に固定されないバナジウム化合物の過剰を除
去するのに必要で、この操作は、バナジウム化合物の毒
性と腐蝕性の為に、コスト高につきかつ困難である欠点
がある。
【0041】然るに、本願発明によると、塩化マグネシ
ウムに担持されるバナジウムに基づく球状触媒の製造方
法が提供され、この方法は、オレフィンの重合化に高活
性を発揮する球状バナジウム触媒を製造することを可能
とする。特に気相共重合化方法を使用して、エラストマ
ープロピレン共重合体を製造するのに特に適する。この
場合、触媒は、エラストマープロピレン共重合体粉末
が、球状かつ非付着性の形態で直接的に製造されるのを
可能とし、この粉末は、高い嵩密度、良好な流動性及び
取り扱い易さを備える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パトリック ベユ フランス国、13800 イストレス、レジ ダンス レ ロジエ、アレ ドゥ ラ サラッドル 6番 (56)参考文献 特開 昭60−215006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化マグネシウムの担体にバナジウムを
    還元により沈殿されたバナジウム化合物に基づくチーグ
    ラー−ナッタ型触媒の製造方法において、該方法は、次
    の工程:(1)(i)担体中のマグネシウム原子数に対
    するMg−C結合の数が0.001未満である80−9
    9.5モル%の塩化マグネシウムと(ii)活性水素を
    含まない電子供与体化合物(D1)の0.5−20モル
    %からなる担体、前記担体は、10−100ミクロンの
    質量平均直径Dmと、Dmの、粒子の数平均直径Dnに
    対する比が3を超えない様な粒度分布とを有する球状粒
    子の形態であり、前記担体を、続いて活性水素を含む少
    なくとも1種の電子供与体化合物(D2)と、バナジウ
    ム化合物を還元出来る少なくとも1種の有機金属化合物
    と、液体炭化水素中で接触させ、(2)工程1からの固
    体生成物を液体炭化水素で洗浄し、次いで(3)前記洗
    浄固体生成物をひとつ又はそれ以上のバナジウム化合物
    と接触させ、前記バナジウム化合物は、ハロゲン原子X
    とアルコキシ基ORを含みかつ液体炭化水素に可溶性
    であり、前記ハロゲン原子と前記アルコキシ基OR
    は、同じ又は異なるバナジウム原子に結合している、
    この3工程を特徴とするチーグラー−ナッタ型触媒の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 電子供与体化合物(D1)が、エーテル
    類、チオエーテル類、カルボン酸エステル類、スルホン
    類、スルホキサイド類、第三級ホスフィン類、第三級ホ
    スホールアミド類、第三級アミン類及び第二級アミド類
    から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 電子供与体化合物(D2)が、アルコー
    ル類、フェノール類、第一級又は第二級ホスフィン類、
    第一級又は第二級アミン類、第一級アミド類及びカルボ
    ン酸類から選択されることを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 化合物(D2)0.1−2モル未満が、
    担体のマグネシウム1モル当たりに使用されることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 有機金属化合物が、有機アルミニウム、
    有機マグネシウム及び有機亜鉛化合物から選択されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機金属化合物0.1−2モルが、担体
    のマグネシウム1モル当たりに使用されることを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 バナジウム化合物が、0.05−20の
    範囲のX/ORモル比で、ハロゲン原子Xとアルコキ
    シ基ORを含むことを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 バナジウム化合物が、ひとつ又はそれ以
    上の一般式: V(OR4−m又はVO(OR3−n (式中、Rは、炭素原子1−12個を含むアルキル
    基、Xは、ハロゲン原子、mは、0.2−3.8の範囲
    の整数又は分数、及びnは、0.14−2.85の範囲
    の整数又は分数を表す)に相当することを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 バナジウム化合物0.05−2モルが、
    担体のマグネシウム1モル当たりに使用されることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 ポリエチレン、エチレンと炭素原子3
    −12個含むα−オレフィンとの共重合体、並びにプロ
    ピレンと、エチレン及び/又は1−ブテンと、随意に非
    共役ジエン類とのエラストマー共重合体の製造に対する
    請求項1に記載の方法により製造された触媒の使用方
    法。
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