JP2911516B2 - レーザードップラー速度計 - Google Patents

レーザードップラー速度計

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JP2911516B2 JP2023786A JP2378690A JP2911516B2 JP 2911516 B2 JP2911516 B2 JP 2911516B2 JP 2023786 A JP2023786 A JP 2023786A JP 2378690 A JP2378690 A JP 2378690A JP 2911516 B2 JP2911516 B2 JP 2911516B2
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【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は移動する物体や流体の速度を非接触に検出す
る速度計、特にレーザー光の周波数の偏移を検知して速
度を検出するレーザードツプラー速度計に関する。
〔従来技術〕
従来から、物体や流体の移動速度を非接触、且つ高精
度に測定する装置として、レーザードツプラー速度計が
使用されている。レーザードツプラー速度計とは、移動
する物体や流体にレーザー光を照射し、該移動物体もし
くは移動流体による散乱光の周波数が、移動速度に比例
して偏移(シフト)する効果(ドツプラー効果)を利用
して、前記移動物体もしくは移動流体の移動速度を測定
する装置である。
従来のレーザードツプラー速度計の一例を第1図に示
す。
1はレーザー、2はコリメーターレンズ、3は平行光
束、4はビームスプリツター、6及び6′は反射鏡、7
は速度Vで矢印方向に移動している物体もしくは流体、
8は集光レンズ、9は光検出器である。
レーザー1から出射されたレーザー光は、コリメータ
ーレンズ2によって平行光束3となり、ビームスプリツ
ター4によって二光束5及び5′に分割されて反射鏡6
及び6′で反射された後、速度Vで移動している物体も
しくは流体7に入射角θで二光束照射される。物体もし
くは流体7による散乱光は、集光レンズ8を介して光検
出器9で検出される。二光束による散乱光の周波数は、
移動速度Vに比例して各々+Δf,−Δfドツプラーシフ
トを受ける。ここで、レーザー光の波長をλとすれば、
Δfは次の(1)式で表わすことができる。
Δf=Vsinθ/λ ……(1) +Δf,−Δfのドツプラーシフトを受けた散乱光は、
互いに干渉し合って光検出器9の受光面での明暗の変化
をもたらし、その周波数Fは次の(2)式で与えられ
る。
F=2Δf=2Vsinθ/λ ……(2) 従って、光検出器9の出力信号の周波数(以下、ドツ
プラー周波数と呼ぶ)を測定すれば、(2)式に基づい
て移動物体もしくは移動流体7の移動速度Vを求めるこ
とができる。
レーザードツプラー速度計の小型化を図るためには、
He-Neレーザー等のガスレーザーを光源として用いるよ
りもレーザーダイオードのような半導体レーザーを用い
る方が有利である。しかしながら、半導体レーザーはガ
スレーザーのように発振波長が安定しておらず、温度に
依存して発振波長が変化する。上記(2)式から明らか
なように、ドツプラー周波数Fはレーザー光の波長λに
依存するので、レーザー光の波長が変動すると移動物体
や移動流体の速度を正確に検出することができない。
第2図は市販のレーザーダイオードの発振波長の温度
依存性を示すグラフ図(1987年三菱半導体データブツク
−光半導体素子編から引用)である。同図において、波
長が連続的に変化している部分は、主としてレーザーダ
イオードの活性層の屈折率の温度変化により生じている
部分であり、その割合は0.05〜0.06nm/℃である。一
方、波長が不連続に変化している部分は、縦モードホツ
ピングと呼ばれる現象に起因するもので、0.2〜0.3nm/
℃という大きな割合で変化する。
このように、レーザーダイオードの発振波長は極めて
不安定なものであり、この種のレーザーをレーザードツ
プラー速度計の光源として使用する場合、周知のヒータ
ー、放熱器、温度センサー等を備えた温度制御ユニツト
をレーザーダイオードと共に取り付ける必要がある。し
かしながら、これらの温度制御ユニツトを取り付ける
と、温度計が大きくなり、価格も上がるので好ましくな
い。
更に、前述の縦モードホツピングは温度変動以外の他
の要因でも生じる現象であり、仮に温度制御ユニツトを
取り付けても、レーザーダイオードの発振波長の変動を
完全に抑えることはできない。
〔発明の概要〕
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであ
り、レーザー光の発振波長が変化しても移動物体や移動
流体の速度を正確に検出することが可能で、しかも小型
のレーザードツプラー速度計を提供することを目的とし
ている。
この目的を達成するために、本発明のレーザードツプ
ラー速度計は、レーザー光を所定の入射角で被検物体若
しくは流体に入射させ、該被検物体若しくは流体からの
散乱光の周波数の偏移に基づいて該被検物体若しくは流
体の速度変化を検出する速度計において、レーザーから
射出したレーザー光を反射回折せしめて第1と第2の回
折光を形成する回折格子と、該第1と第2の回折光を該
第1と第2の回折光が回折格子から射出した時の互いに
成す角とほぼ同じ交差角で該被検物体若しくは流体に入
射せしめる光学系と、該光学系により該第1と第2の回
折光で照明された該被検物体若しくは流体からの反射散
乱光を受光する受光手段とを有し、該レーザーと該受光
手段の少なくとも一方を、該第1と第2の回折光の各々
の前記被検物体若しくは流体への入射光路を含む入射平
面から外れた場所に設けることを特徴としている。
本発明によれば、このような構成を有するので、レー
ザー光の波長λの変動に追従して被検物体若しくは流体
に対するレーザー光の入射角θを変化せしめ、これによ
り上記(2)式が示すsinθ/λの値をほぼ一定にす
る。即ち、レーザー光の波長変動に依らず常に正確に被
検物体若しくは流体の速度を検出することができる。従
って、レーザーダイオードなどの発振波長が不安定な小
型のレーザーダイオード(半導体レーザー)を光源とし
て使用でき、そしてこの様な構成において、レーザーと
受光手段の少なくとも一方を、第1と第2の回折光の各
々の光路を含む入射平面から外れた場所に設けているの
で、速度計を小型なものにできる。特に回折格子からの
反射回折を利用し、受光手段で移動物体や移動流体から
の反射散乱光を受光するような場合に、回折格子を被検
物体若しくは移動流体に近づけて設けることができるの
で、有効である。
本発明の更なる特徴や具体的な形態は以下に示す各実
施例から明らかになる。
〔実施例〕
第3図及び第4図は本発明のレーザードツプラー速度
計による速度検出原理を説明するための説明図である。
第3図は格子ピツチdなる透過型回折格子10に波長λ
のレーザー光Iを格子配列方向tに垂直な方向から入射
させた時の回折状態を示し、回折格子10で生じる各次数
の回折光の回折角θは次式で示すことができる。
sinθ=±mλ/d ……(3) (m=0,1,2,…) 従って、回折格子10で生じる0次回折光(m=0)以
外の±n次回折光の各回折角をθnとすると、 sinθn=±nλ/d ……(4) (n=1,2…) なる式で表わされることになる。(4)式から明らかな
ように、±n次回折光の回折角θnは入射レーザー光I
の波長λに依存し、波長λの変化に応じて回折格子10か
らの±n次回折光の射出角が変化する。
第4図は第3図の回折格子10を光学系中に組込んだレ
ーザードツプラー速度計を示す。第4図において、回折
格子10を除く他の部材は第1図の従来例に示してあるも
のと同じであり、第1図と同じ符号を付してある。従っ
て、ここでは説明を省略する。
第4図に示す光学系では、光学系に固定された回折格
子10から射出する±n次回折光41,42を各々互いに反射
面が平行なミラー6,6′で反射し、±n次回折光の各回
折角±θnと同じ入射角θoで被検物体7のほぼ同一地点
に入射させている。尚、ミラー6,6′の反射面は各々回
折格子10の格子配列方向と被検物体7の移動方向に直交
する面内にある。
この時、光検出器9からの出力信号に対応するドツプ
ラー周波数Fは、前記(2)式及び(4)式に基づいて
次の(5)式で表わすことができる。
F=2Vsinθn/λ ……(5) =2nV/d 即ち、ドツプラー周波数Fはレーザー光の波長λに依
存せず、回折格子10の格子ピツチdに反比例し、回折光
の次数nと被検物体7の移動速度Vに比例することにな
る。回折格子10のピツチdは十分に安定しているので、
ドツプラー周波数Fはレーザー光の波長には無関係に、
被検物体7の速度Vのみに依存する。従って、光検出器
9は、不図示のレーザーの発振波長が変化しても、被検
物体7の速度Vに正確に対応した信号を出力する。
以上述べた検出原理を用いたレーザードツプラー速度
計の一例を第5図で説明する。
第5図において、第1図及び第4図に示す要素と同じ
要素には、これらのものと同一符号が付してあり、ま
た、これらの要素に関する説明も省略する。
ここでは、レーザー1として、波長λ=0.78μmのレ
ーザー光を放射するレーザーダイオードを使用してお
り、装置の小型化を図っている。レーザー1としてはシ
ングルモードレーザー、マルチモードレーザーのいずれ
であっても良い。また、回折格子10は格子ピツチd=1.
6μmの反射型の回折格子であり、ガラス基板等の基板
面にAl,Au等の反射膜を周期的に形成したり、或いはガ
ラス基板の基板面に溝を周期的に形成し、溝面に前述の
反射膜を施したりしたものである。このように回折格子
10としては、振幅型或いは位相型(レリーフ型)など様
々な形態の回折格子が使用できる。
レーザーダイオード1からのレーザー光はコリメータ
ーレンズ2によって直径約2mmφの平行光束3となり、
固定された反射型回折格子10にこの回折格子10の格子配
列方向tに垂直な方向から入射する。回折格子10で生じ
た±1次の反射回折光61,62は回折角θ129°で回折格
子10から出射し、格子配列方向tに垂直に配置したミラ
ー6,6′により被検物体7に各々入射角θ1で斜入射す
る。各回折光61,62は被検物体7上に約2mmφの光スポツ
トを形成し、各々の光スポツトは被検物体7上で重ね合
わせられる。光検出器9は0.8mmφの受光部9aを有し、
集光レンズ8は2本の回折光61,62が形成する光スポツ
トの中央部0.8mmφの領域を受光部9aに等倍に結像す
る。従って、光検出器9は各回折光61,62により生じた
反射散乱光が互いに干渉した干渉光を受光部9aで効率良
く受光し、光電変換する。そして、光検出器9は前記
(5)式においてn=1を代入したF=2V/dなる波長λ
によらないドツプラー周波数Fに応じた信号を出力す
る。ここで、第6図(a)に示すように、2つの回折光
61,62が被検物体7上で完全に重なる場合の回折格子10
と被検物体7との距離hは、ミラー6,6′の距離をlと
すると、 となる。従ってl=30mmの場合、レーザー光の波長λ=
0.78μm、格子ピツチd=1.6μmだから、h=53.7mm
となる。因みに、レーザーダイオード1の発振周波数は
1%変化(レーザーダイオード1の温度で約30℃変化)
したとすると、2つの回折光61,62の光スポツトは周波
数が長波長側に変化した場合には第6図(b)に示すよ
うになり、周波数が短波長側に変化した場合には、第6
図(c)に示すようになる。第6図(b),(c)では
2つの光スポツトは約0.8mmずれる。
第6図(b),(c)に示すいずれの場合も、光検出
器9が、2つの回折光61,62により生じる散乱光を同時
に受光するから、光検出器9からは、ドツプラー周波数
Fに対応する信号が出力される。
本発明は、第5図で示したようなレーザードツプラー
速度計に更に改良を加えたものであり、速度計を更に小
型化にすることが可能になる。そして、第6図(b),
(c)で示したような、2つの光スポツト間のずれを小
さく抑えることができるものである。以下、本発明の実
施例を詳述する。
第7図(A),(B)は、本発明の第1実施例を示す
概略図であり、第7図(A)は正面図、第7図(B)は
側面図である。第7図(A),(B)において、第5図
で示した要素と同じ要素には第5図のものと同一の符号
が付してある。第5図に示した速度計と本実施例の速度
計とを比較すると理解できるように、本実施例の速度計
の構成要素は第5図の速度計と全く同じである。本実施
例の速度計の改良点は、レーザーダイオード1、コリメ
ーターレンズ2、そして反射型回折格子10の配置を変え
た点にある。尚、第7図(A)では、レーザーダイオー
ド1とコリメーターレンズ2の図示を、第7図(B)で
は、ミラー6,6′の図示を省略している。
本実施例の特徴となる構成は第7図(B)の側面図に
表われている。第7図(B)に示す通り、本実施例で
は、±1次回折光61,62の各々の光路を含む入射平面
(第7図(A)の紙面に相当する。)から外れた場所
に、レーザーダイオード1とコリメーターレンズ2とを
配置している。そして、回折格子10を、この入射平面
(Z−X平面)と被検物体7の移動方向(x方向)の双
方に直交する平面(Z−Y平面)内で傾けている。
本実施例では、回折格子10の格子線(格子配列方向t
と直交する溝などに相当する線)の方向が被検物体の移
動方向と直交する方向(y方向)と角度αを成すよう
に、回折格子10を傾けており、ここでは、α=15°に設
定している。
一方、レーザーダイオード1とコリメーターレンズ2
とを含む照明系の光軸AXは、被検物体7に垂直な軸(z
方向)に対して角度Wを成すように設定してある。この
角度Wは、回折格子10が傾いている平面(Z−Y平面)
と同じ面内に関して与えられている。ここではW=28.0
6°に設定されている。
ここで、第8図に示すように、格子配列方向tと格子
線gが延びる方向Sとで形成される格子面(t−S平
面)の垂線uに対して角度θでレーザー光が入射する
時、±1次回折光61,62の光路を含む平面が垂線uに成
して成す角はα1、±1次回折光61,62が互いに成す角の
2等分角(回折角)はθ1であり、 dsinθ1=λ (d:回折格子のピツチ,λ:波長) sinθ=cosθ1*sinα なる関係を満たす。
本実施例ではα=15°、W=28.06°、θ=W−αで
あるから、±1次回折光61,62の回折角θ129°とな
り、また、±1次回折光61,62の光路を含む入射平面
は、被検物体の表面に対して垂直な、Z−X平面と平行
な平面となる。
従って、本実施例においても、固定された回折格子10
で生じた±1次の反射回折光61,62が回折角θ129°で
回折格子10から出射し、被検物体7の移動方向xに垂直
に、その反射面を設置したミラー6,6′で反射され、被
検物体7に各々入射角θ1で斜入射する。各回折光61,62
は被検物体7上に約2mmφの光スポツトを形成し、各々
の光スポツトは被検物体7上で重ね合わせられる。光検
出器9は0.8mmφの受光部9aを有し、集光レンズ8は2
本の回折光61,62が形成する光スポツトの中央部0.8mmφ
の領域を受光部9aに等倍に結像する。従って、光検出器
9は各回折光61,62により生じた反射散乱光が互いに干
渉した干渉光を受光部9aで効率良く受光し、光電変換す
る。そして、光検出器9は前記(5)式においてn=1
を代入したF=2V/dなる、波長λによらない、ドツプラ
ー周波数Fに応じた信号を出力する。
第5図で示した速度計では、被検物体7と回折格子10
の距離がh=53.7mmであったが、本実施例の速度計で
は、レーザーダイオード1とコリメーターレンズ2を含
む照明系を±1次回折光61,62の光路を含む入射平面か
ら外れた場所に設けている為、被検物体7と回折格子10
の距離をh=32mm程度に短くできる。また、このように
構成した時、レーザーダイオード1の発振周波数が1%
変化した場合の回折光61,62による各光スポツトのずれ
は0.5mmとなる。即ち、第5図で示した速度計よりも、
光スポツトのずれも小さくなる。
従って、本実施例の速度計は、コンパクトで、しかも
検出感度が高い速度計となっている。
第9図(A),(B)は本発明の第2実施例を示す概
略図であり、第9図(A)が正面図、第9図(B)が側
面図である。第9図(A),(B)において、第5図、
第7図(A),(B)で示した要素と同じ要素には第5
図、第7図(A),(B)のものと同一の符号が符して
ある。第5図に示した速度計と本実施例の速度計とを比
較すると理解できるように、本実施例の速度計の構成も
第5図の速度計と全く同じである。そして、本実施例の
速度計の改良点も、レーザーダイオード1,コリメーター
レンズ2,そして反射型回折格子10の配置を変えた点にあ
る。また、第7図(A),(B)で示した速度計では光
検出器9の上方に回折格子10を斜設していたのに対し、
本実施例の速度計は光検出器の隣りに回折格子10を被検
物体7の表面に対して水平に設けている。尚、第9図
(A)ではレーザーダイオード1とコリメーターレンズ
2の図示を、第9図(B)ではミラー6,6′の図示を省
略しているが、第9図(B)に符号11で示しているのは
不図示のミラー6′(6)による回折光61(62)の反射
点である。
本実施例では、回折格子10を光検出器9とほぼ同じ高
さの位置に設けている。前述した通り回折格子10は被検
物体7の表面にほぼ水平に設けられており、回折格子10
の格子配列方向tは被検物体7の移動方向xと一致して
いる。
レーザーダイオード1とコリメーターレンズ2を含む
照明系の光軸AXは、回折格子10の格子線に対して、X−
Y平面に関して所定角度(θ)傾いており、レーザーダ
イオード1から射出したレーザー光はコリメーターレン
ズ2で平行光束に変換された後、固定された回折格子10
に斜め入射する。従って、回折格子10で生じる±1次反
射回折光61,62が射出する方向は、Z−Y平面に関し
て、回折格子10の格子線と前記角度(θ)を成す方向に
なり、これら±1次回折光61,62の光路を含む入射平面
は、回折格子10と被検物体7の表面に対して傾く。ま
た、本実施例でも回折格子10の格子ピッチd=1.6μm,
レーザー光の波長入=0.78μmであるから、回折格子10
から射出する±1次回折光61,62の回折角は、Z−X平
面に関して、θ129°となる。
回折格子10から射出した反射回折光61,62は、各々、
格子配列方向tに垂直に、その反射面を設置したミラー
6,6′で反射され、Z−X平面に関して角度θ1で、Z−
Y平面に関して角度θで、被検物体7上に斜入射する。
各回折光61,62は被検物体7上に数mmφの光スポツトを
形成し、各々の光スポツトは被検物体7上で重ね合わせ
られる。光検出器9は0.8mmφの受光部9aを有し、集光
レンズ8は2本の回折光61,62が形成する光スポツトが
互いに重なり有った領域を光検出器9の受光部9aに等倍
に結像する。従って、光検出器9は各回折光61,62によ
り生じた反射散乱光が互いに干渉した干渉光を受光部9a
で効率良く受講し、光電変換する。そして、光検出器9
は前記(5)式においてn=1を代入したF=2V/dな
る、波長λによらない、ドツプラー周波数Fに応じた信
号を出力する。
本実施例では、回折光61,62の各々の光路を含む入射
平面から外れた場所に、レーザーダイオード1とコリメ
ーターレンズ2を含む照明系と、集光レンズ8と光検出
器9を含む検出系の双方を配置している為、第7図
(A),(B)で示した速度計よりも更にコンパクトな
速度計となる。例えば、本実施例の速度計では、回折格
子10と被検物体7の、回折光61,62の各々の光路を含む
入射平面に沿った距離を、h′=23mm程度にすることが
可能であり、回折格子10と被検物体7の間隔は20mm以下
に抑えることができる。また、本実施例の速度計では、
レーザーダイオード1の発振周波数が1%変化した場合
の回折光61,62による各光スポツトのずれは0.35mm程度
までに抑えることができる。
第10図(A),(B)は本発明の第3実施例を示す概
略図であり、第10図(A)が正面図、第10図(B)が側
面図である。第10図(A),(B)において、第5図、
第7図(A),(B)及び第9図(A),(B)で示し
た要素と同じ要素には、第5図、第7図(A),(B)
及び第9図(A),(B)とものと同一の符号が符して
ある。また、第10図(A),(B)において、符号12で
示されるのは両面ミラーである。
本実施例の速度計の、第5図の速度計に対する改良点
は、両面ミラー12を用い、レーザーダイオード1,コリメ
ーターレンズ2,集光レンズ8及び光検出器9を、被検物
体7の表面及び回折格子10に対して水平に配列した点で
ある。
本実施例では、回折格子10の格子配列方向tと被検物
体7の移動方向xとが一致しており、以下述べる通り、
回折光61,62の各々の光路を含む入射平面は、これらの
方向t,xと平行である。そして、この入射平面は被検物
体7の表面に垂直である。
両面ミラー12は、ガラス基板の両面にAl等の反射膜を
蒸着したり、或いは金属板で構成される。両面ミラー12
は、被検物体7と回折格子10の間に、Z−Y平面に関し
て、両面に形成した反射面が被検物体7の表面に対して
45°を成すように斜設される。レーザーダイオード1と
コリメーターレンズ2を含む照明系は、両面ミラー12の
上側の反射面にレーザー光を向けるように設けられ、こ
の照明系の光軸AXは回折格子10の格子線と平行に設定さ
れる。一方、集光レンズ8と光検出器9を含む検出系
は、両面ミラー12の下側の反射面で反射した光を受ける
ように設けられ、この検出系の光軸は照明系の光軸AXと
平行に設定される。尚、照明系の光軸AXは両面ミラー12
の反射面で直角に折り曲げられて、回折格子10に対して
垂直と交わり、検出系の光軸も両面ミラー12の反射面で
直角に折り曲げられて、被検物体7の表面と垂直に交わ
る。
このような構成において、レーザーダイオード1から
のレーザー光はコリメーターレンズ2により平行光束に
変換され、両面ミラー12の反射面に入射する。両面ミラ
ー12の反射面で反射されたレーザー光は、固定された回
折格子10に垂直入射し、回折格子10で反射回折される。
回折格子10で生じた反射回折光のうちの±1次反射回折
光61,62は、前記各実施例同様、回折角θ129°で回折
格子10から射出し、各々ミラー6,6′に向かう。ここ
で、両面ミラー12は回折格子10で生じた±1次回折光6
1,62の各々の光路を遮らないように、その寸法と配置が
決められている。また、ミラー6,6′の各々の反射面
は、回折格子の格子配列方向t及び被検物体7の移動方
向xと直交する面内にある。
回折光61,62は、各々、ミラー6,6′で反射せしめら
れ、各々入射角θ1で被検物体7に斜入射する。各回折
光61,62は被検物体7上に約2mmφの光スポツトを形成
し、各々光スポツトは被検物体7上で重ね合わせられ
る。光検出器9は0.8mmφの受光部9aを有し、集光レン
ズ8は、両面ミラー12と共に2本の回折光61,62が形成
する光スポツトの中央部0.8mmφの領域を受光部9aに等
倍に結像する。従って、光検出器9は、各回折光61,62
により生じた反射散乱光が互いに干渉した干渉光を、両
面ミラー12を介して、受光部9aで効率良く受光し、光電
変換する。そして、光検出器9は前記(5)式において
n=1を代入したF=2V/dなる波長λによらないドツプ
ラー周波数Fに応じた信号を出力する。
本実施例では、回折格子10と被検物体7の間に両面ミ
ラー12を斜設し、回折光61,62の各々の光路を含む入射
平面からレーザーダイオード1,コリメーターレンズ2,集
光レンズ8,光検出器7を外して、回折格子10と被検物体
7の表面にほぼ平行に配列した為、第9図(A),
(B)で示した実施例同様、第7図(A),(B)で示
した速度計よりも更にコンパクトな速度計になる。本実
施例の構成によれば、回折格子10と被検物体の距離をh
=20mm程度にすることが可能で、レーザーダイオード1
の発振周波数が1%変化した場合の回折光61,62による
各光スポツトのずれは、0.30mm程度に抑えることができ
る。
以上示した本発明の第1乃至第3実施例では、被検物
体7を照明する一対の回折光として、±1次反射回折光
を用いていたが、±2次や±3次の回折光などの正負同
次数の回折光の任意の対を照明に使用できる。また、次
数が異なる回折光同志の対を使用することも可能であ
る。
また、第1乃至第3実施例では、回折格子10の格子配
列方向tが被検物体7の移動方向xと一致しているが、
格子配列方向tをZ−X平面即ち、一対の回折光の光路
を含む入射平面に関して、移動方向xと所定角度を成す
ように回折格子10を傾けることもできる。また、回折格
子10を、このように傾ける代りに、照明系(1,2)から
の平行光束を、この入射平面に関して、回折格子10に斜
入射させることもできる。いずれの構成でも、一対の回
折光が回折格子10から射出した時の互いの成す角とほぼ
同じ交差角で被検物体7のほぼ同一箇所に入射させるよ
うにすれば、レーザー光の波長変動に依らない、正確な
速度検出が可能になる。
第11図は、本発明のレーザードツプラー速度計を、フ
アクシミリの紙送り制御に使用した例を示す概略図であ
る。
第11図において、符号13で示されるのが本発明の速度
計であり、速度計13の構成は、前記第1乃至第3実施例
で示した、いずれかの構成が取られている。14は、その
上に紙19が載置されるベルト、15は紙19をベルト14上へ
供給する給紙ユニツト、16,17はローラーで、16が本体
に軸支されたベルトローラー、17が駆動ローラ、18が、
それに駆動ローラ17が取付けられた駆動モータを示す。
ベルト14は、駆動ローラ17とベルトローラ16の間に、図
示する通り、張られ、駆動モータ18で駆動ローラ17を矢
印方向へ回転させることにより、駆動ローラ17とベルト
ローラ16とが協力してベルト14を動かす。
給紙ユニツト15から供給された紙19は、ベルト14上に
載置されてベルト14の移動と共に矢印方向へ移動する。
速度計13は、移動中の紙19にレーザー光を照射して、紙
19で生じた散乱光を光検出器で受光する。このような照
射一受光の様子は、第7図乃至第10図で示した通りであ
る。本実施例では、速度計13の光検出器からの出力信号
(ドツプラー周波数に応じた信号)が速度検出回路110
に入力される。回路110は光検出器からの出力信号の周
波数に基づいて紙19の移動速度、即ちベルト14の移動速
度を検出する。回路110で検出された速度の情報は制御
回路111に入力され、回路111が駆動モータドライバ112
を介して、駆動モーター18の回転速度を制御する。この
制御は、ベルト14の移動速度、即ち紙19の移動速度が一
定になるように、回路111がドライバー112へ補正信号を
入力し、この信号に応答してドライバー112が駆動モー
ター118の回転速度の調整を行なうものである。これに
より、紙19の送り速度がほぼ一定になり、従来、駆動ロ
ーラの回転数制御のみの速度一定化の場合に生じてい
た、駆動ローラの偏心による周期的速度変化もキヤンセ
ルすることができ、より確実に定速の紙送りが行なえ
る。
また、本発明の速度計は、前述した様に、非常に小型
であり、また、部品点数も少ないので低コストである
為、フアクシミリ等の機器に有効に使用し得る。
第11図において、定速で送られる紙19には、不図示の
印字ヘツドにより画像が書込まれる。本実施例では、紙
19が極めて正確に移動(画像書込み時の副走査方向への
移動)している間に、画像の書込みが行なわれる為、画
質の印字が可能になる。
第11図の実施例では、フアクシミリを例にとり、画像
の書込み(プリント)装置に本速度計を用いた場合を示
したが、逆に画像の読取装置に本速度計を用いることも
できる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、レーザー光の
波長変動が生じても正確な速度の検出ができ、しかも速
度計のより一層のコンパクト化が可能になる。更に、レ
ーザー光の波長変動による2つの回折光による光スポツ
トのずれも小さくなり、安定した検出信号が得られると
いった効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はレーザードツプラー速度計の従来例を示す図。 第2図はレーザーダイオードの発振周波数の温度依存性
を示すグラフ図。 第3図は回折格子の説明図。 第4図は、回折格子を用いたレーザードツプラー速度計
の説明図。 第5図は、回折格子を用いたレーザードツプラー速度計
の具体的な構成図。 第6図は、2つのスポツトのずれの説明図。 第7図は、本発明の第1実施例を示す概略図。 第8図は、回折格子へのレーザー光の斜め入射に関する
説明図。 第9図は、本発明の第2の実施例を示す概略図。 第10図は、本発明の第3の実施例を示す概略図。 第11図は、本発明の速度計をフアクシミリの紙送り制御
に使用した例を示す概略図。 1……レーザーダイオード 2……コリメーターレンズ 3……平行レーザー光束 4……ビームスプリツター 61,62……回折光 6,6′……ミラー 7……被検物体 8……集光レンズ 9……光検出器 9a……受光部 10……回折格子 11……反射点 12……両面ミラー 13……レーザードツプラー速度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 美彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山本 恒介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 綿谷 雅文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 谷中 俊之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−27674(JP,A) 特開 昭63−131092(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01P 5/00 G01F 1/66 G01P 3/36 G01S 17/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を所定の入射角で被検物体若し
    くは流体に入射させ、該被検物体若しくは流体からの散
    乱光の周波数の偏移に基づいて該被検物体若しくは流体
    の速度変化を検出する速度計において、レーザーから射
    出したレーザー光を反射回折せしめて第1と第2の回折
    光を形成する回折格子と、該第1と第2の回折光を該第
    1と第2の回折光が回折格子から射出した時の互いに成
    す角とほぼ同じ交差角で該被検物体若しくは流体に入射
    せしめる光学系と、該光学系により該第1と第2の回折
    光で照明された該被検物体若しくは流体からの反射散乱
    光を受光する受光手段とを有し、該レーザーと該受光手
    段の少なくとも一方を、該第1と第2の回折光の各々の
    前記被検物体若しくは流体への入射光路を含む入射平面
    から外れた場所に設けることを特徴とするレーザードッ
    プラー速度計。
  2. 【請求項2】前記光学系が、前記第1と第2の回折光を
    各回折光の前記回折格子による回折角とほぼ同じ角度で
    前記被検物体若しくは流体に入射せしめることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項記載のレーザードップラ
    ー速度計。
  3. 【請求項3】前記レーザーが半導体レーザーから成るこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(2)項記載のレーザ
    ードップラー速度計。
  4. 【請求項4】前記受光手段が前記被検物体若しくは流体
    からの反射散乱光を受光するよう設けられていることを
    特徴とする特許請求の範囲第(3)項記載のレーザード
    ップラー速度計。
  5. 【請求項5】前記第1と第2の回折光が、前記回折格子
    で前記レーザー光が反射回折して生じる±n次(n=1,
    2,3,…)の回折光より成ることを特徴とする特許請求の
    範囲第(4)項記載のレーザードップラー速度計。
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