JP2911170B2 - 非対称型ジアセタール改質剤 - Google Patents
非対称型ジアセタール改質剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ゲル化剤及び樹脂改質剤として機能する新
規有用な非対称型ジアセタールに関する。
規有用な非対称型ジアセタールに関する。
[従来の技術] 従来、有機性ゲル化剤と同時に樹脂改質剤として機能
する複合機能型改質剤としては、1,3:2,4−ジベンジリ
デンソルビトール(以下「DBS」と略称する。商品名
「ゲルオールD」、新日本理化(株)製)及びそれらの
核置換体(例えば、メチル置換体、商品名「ゲルオール
MD」、同上)等の対称型ジアセタール化合物(即ち、夫
々のアセタール基が同種の基と結合してなる化合物)が
知られている。
する複合機能型改質剤としては、1,3:2,4−ジベンジリ
デンソルビトール(以下「DBS」と略称する。商品名
「ゲルオールD」、新日本理化(株)製)及びそれらの
核置換体(例えば、メチル置換体、商品名「ゲルオール
MD」、同上)等の対称型ジアセタール化合物(即ち、夫
々のアセタール基が同種の基と結合してなる化合物)が
知られている。
ここにいうゲル化剤としては、低分子量の液体及び高
分子物質に対して添加することにより、その物質の流動
性を低減し又は消失せしめる外、当該対象物のレオロジ
ー特性を改変する機能を有する化合物の総称であり、一
方、樹脂改質剤とは、例えばポリオレフィン樹脂等の結
晶性樹脂等に配合することにより、当該樹脂の透明性、
光沢等の光学的特性、引張強度等の機械的特性、寸法安
定性、成形速度等の成形加工性等の諸特性を改良せしめ
る化合物の総称である。
分子物質に対して添加することにより、その物質の流動
性を低減し又は消失せしめる外、当該対象物のレオロジ
ー特性を改変する機能を有する化合物の総称であり、一
方、樹脂改質剤とは、例えばポリオレフィン樹脂等の結
晶性樹脂等に配合することにより、当該樹脂の透明性、
光沢等の光学的特性、引張強度等の機械的特性、寸法安
定性、成形速度等の成形加工性等の諸特性を改良せしめ
る化合物の総称である。
[発明が解決しようとする課題] 従来の対称型ジアセタール改質剤は、例えば、そのゲ
ル化能力について見た場合、有機溶剤のゲル化には充分
その効果を発揮するものの、水又は水溶液のゲル化能力
においては、尚、改善の余地があった。又、当該ゲル化
剤を配合して調製されたゲル状物を他の成分と共に練り
込んだ場合、均一で滑らかなペーストが得られず、シー
ディングが発生する傾向があり、化粧品、医薬品等の分
野においてその改善が望まれていた。又、樹脂改質剤と
してみた場合においても、高分子の帯電防止性、防曇
性、防汚性、印刷適性の付与等に効果的な高分子界面の
改質剤としては、尚、機能上不十分であった。
ル化能力について見た場合、有機溶剤のゲル化には充分
その効果を発揮するものの、水又は水溶液のゲル化能力
においては、尚、改善の余地があった。又、当該ゲル化
剤を配合して調製されたゲル状物を他の成分と共に練り
込んだ場合、均一で滑らかなペーストが得られず、シー
ディングが発生する傾向があり、化粧品、医薬品等の分
野においてその改善が望まれていた。又、樹脂改質剤と
してみた場合においても、高分子の帯電防止性、防曇
性、防汚性、印刷適性の付与等に効果的な高分子界面の
改質剤としては、尚、機能上不十分であった。
本発明者らは、ゲル化剤や流動調整剤等、その用途に
応じた流動性・レオロジー特性の改質剤の選択の幅を広
げるとともに、より少量の添加で所定の効果を発現し、
しかも従来のジアセタールのもつ上記問題点を解消し得
る新規有用な有機性ゲル化剤であって、同時に従来の樹
脂改質剤機能をも併せもつアセタール化合物を開発すべ
く鋭意検討を進めた結果、特定の構造を有する非対称型
ジアセタール、即ち、ベンザールアセタール基及びベン
ザールアセタール基以外のアセタール基各1個ずつを分
子内に有する化合物が所望の効果を奏することを見い出
し、斯かる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
応じた流動性・レオロジー特性の改質剤の選択の幅を広
げるとともに、より少量の添加で所定の効果を発現し、
しかも従来のジアセタールのもつ上記問題点を解消し得
る新規有用な有機性ゲル化剤であって、同時に従来の樹
脂改質剤機能をも併せもつアセタール化合物を開発すべ
く鋭意検討を進めた結果、特定の構造を有する非対称型
ジアセタール、即ち、ベンザールアセタール基及びベン
ザールアセタール基以外のアセタール基各1個ずつを分
子内に有する化合物が所望の効果を奏することを見い出
し、斯かる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、新規有用なジアセタールからなるゲ
ル化剤及び樹脂改質剤を提供することを目的とする。
ル化剤及び樹脂改質剤を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る非対称型ジアセタールからなるゲル化剤
は、一般式(I)又は一般式(II)で表されることを特
徴とする。
は、一般式(I)又は一般式(II)で表されることを特
徴とする。
[式中、Aは下記の(1)乃至(4)で表される基を表
す。
す。
(1)水素 (2)炭素数1〜30の飽和脂肪族アルキル基又は不飽和
の脂肪族アルケニル基、 (3)ナフチル基 (4)アルキル基が置換していてもよいビフェニル基 Rは水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲ
ン、水酸基、−COOR1又は−CONR2R3を表す。R1はアルコ
ール残基を表し、R2、R3は同一又は異なって、水素原子
又はアミン残基を表す。pは0又は1である。] [式中、A、R、pは一般式(I)と同じである。] 更に、本発明に係る非対称型ジアセタールは樹脂改質
剤としても作用する。
の脂肪族アルケニル基、 (3)ナフチル基 (4)アルキル基が置換していてもよいビフェニル基 Rは水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲ
ン、水酸基、−COOR1又は−CONR2R3を表す。R1はアルコ
ール残基を表し、R2、R3は同一又は異なって、水素原子
又はアミン残基を表す。pは0又は1である。] [式中、A、R、pは一般式(I)と同じである。] 更に、本発明に係る非対称型ジアセタールは樹脂改質
剤としても作用する。
各一般式におけるAとして、より具体的には、 (1)水素 (2)プロピルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデ
シルアルデヒド、クロトンアルデヒド等の炭素数1〜30
の飽和又は不飽和の脂肪族アルデヒド残基、 (3)メチル置換フルフラール等の炭素数1〜30、より
好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、ハロゲンから選ばれる基が置換していて
もよいフルフリルアルデヒド残基、 (4)フェニルエチルアルデヒド、アルキルフェニルエ
チルアルデヒド等のアリールアルキル(炭素数7〜50)
アルデヒド残基、 (5)シンナムアルデヒド等のアリールアルケニル(炭
素数8〜50)アルデヒド残基、 (6)ナフチルアルデヒド、テトラヒドロナフチルアル
デヒド等のナフチルアルデヒド残基、 (7)ビフェニルアルデヒド、エチルビフェニルアルデ
ヒド等の炭素数1〜20のアルキル基が置換していてもよ
いビフェニルアルデヒド残基等、 が例示される。
シルアルデヒド、クロトンアルデヒド等の炭素数1〜30
の飽和又は不飽和の脂肪族アルデヒド残基、 (3)メチル置換フルフラール等の炭素数1〜30、より
好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基、ハロゲンから選ばれる基が置換していて
もよいフルフリルアルデヒド残基、 (4)フェニルエチルアルデヒド、アルキルフェニルエ
チルアルデヒド等のアリールアルキル(炭素数7〜50)
アルデヒド残基、 (5)シンナムアルデヒド等のアリールアルケニル(炭
素数8〜50)アルデヒド残基、 (6)ナフチルアルデヒド、テトラヒドロナフチルアル
デヒド等のナフチルアルデヒド残基、 (7)ビフェニルアルデヒド、エチルビフェニルアルデ
ヒド等の炭素数1〜20のアルキル基が置換していてもよ
いビフェニルアルデヒド残基等、 が例示される。
又、各一般式におけるR1として、より具体的には、ア
ルキル(炭素数1〜40)、シクロアルキル(炭素数5〜
10)、フッ素等のハロゲン置換アルキル(炭素数1〜3
0)、アルケニル(炭素数3〜40)、アルキニル、アル
カジエニル(炭素数4〜40)、アルカポリエニル(ポリ
=3〜6)、アリール、アラルキル(炭素数4〜40)、
ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレンアルキル
(炭素数1〜40)エーテル、ポリ(重合度=1〜100)
オキシアルキレンアルキル(炭素数1〜40)フェニルエ
ーテル、ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレンア
ルキル(炭素数1〜20)エステル、ポリ(重合度=1〜
80)オキシアルキレンアルキル(炭素数1〜30)アミ
ド、ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレン安息香
酸エステル、ポリエステル(Mn=200〜10万)、脂肪族
又は脂環式第三級アミンのポリ(重合度=1〜100)ア
ルキレン付加体のアルコール残基等が例示れる。ここ
で、オキシアルキレンとしては、エチレンオキサイド
(以下「EO」と略称する。)プロピレンオキサイド(以
下「PO」と略称する。)又はそれらの共付加体が例示さ
れ、なかでもEO付加体、EO−PO共付加体が好ましい。
ルキル(炭素数1〜40)、シクロアルキル(炭素数5〜
10)、フッ素等のハロゲン置換アルキル(炭素数1〜3
0)、アルケニル(炭素数3〜40)、アルキニル、アル
カジエニル(炭素数4〜40)、アルカポリエニル(ポリ
=3〜6)、アリール、アラルキル(炭素数4〜40)、
ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレンアルキル
(炭素数1〜40)エーテル、ポリ(重合度=1〜100)
オキシアルキレンアルキル(炭素数1〜40)フェニルエ
ーテル、ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレンア
ルキル(炭素数1〜20)エステル、ポリ(重合度=1〜
80)オキシアルキレンアルキル(炭素数1〜30)アミ
ド、ポリ(重合度=1〜100)オキシアルキレン安息香
酸エステル、ポリエステル(Mn=200〜10万)、脂肪族
又は脂環式第三級アミンのポリ(重合度=1〜100)ア
ルキレン付加体のアルコール残基等が例示れる。ここ
で、オキシアルキレンとしては、エチレンオキサイド
(以下「EO」と略称する。)プロピレンオキサイド(以
下「PO」と略称する。)又はそれらの共付加体が例示さ
れ、なかでもEO付加体、EO−PO共付加体が好ましい。
又、R2、R3としては、水素原子の外、アルキル(炭素
数1〜40)アミン残基、アルケニル(炭素数3〜40)ア
ミン残基、アリールアミン残基、アリールアルキル(炭
素数9〜43)アミン残基、アリールアルケニル(炭素数
9〜43)アミン残基等のアミン残基が挙げられる。
数1〜40)アミン残基、アルケニル(炭素数3〜40)ア
ミン残基、アリールアミン残基、アリールアルキル(炭
素数9〜43)アミン残基、アリールアルケニル(炭素数
9〜43)アミン残基等のアミン残基が挙げられる。
一般式(I)又は(II)において、芳香核に置換する
Rの位置はo位、m位、p位のいずれでもよいが、なか
でもp位が好ましい。
Rの位置はo位、m位、p位のいずれでもよいが、なか
でもp位が好ましい。
一方、本発明に係る非対称型ジアセタールの特性は、
一般式(I)、(II)のA、R、pの種類により左右さ
れ、従って、それらが同一である限り、構造上の差異に
基づく有意差は認められない。
一般式(I)、(II)のA、R、pの種類により左右さ
れ、従って、それらが同一である限り、構造上の差異に
基づく有意差は認められない。
更に、本発明の所定の効果を損わない限り、各一般式
において、2個のアセタール基のいずれにもAなる基が
含まれてなるジアセタール及び/又はそのいずれのアセ
タール基も置換基Rを有するベンザールアセタール基で
あるジアセタールをその一部に含有するものであっても
よい。
において、2個のアセタール基のいずれにもAなる基が
含まれてなるジアセタール及び/又はそのいずれのアセ
タール基も置換基Rを有するベンザールアセタール基で
あるジアセタールをその一部に含有するものであっても
よい。
本発明に係る非対称型ジアセタールにあっては、Rの
炭素数が大きくなるに従って、ゲル化剤の融点は低下す
る傾向が認められ、このことにより低温で溶解性の良好
な使用し易いゲル化剤となるばかりでなく、このゲルを
練り込むと滑からなペーストとなり、シーディングの発
生がより効果的に抑制される。又、ポリオキシアルキレ
ン基を有する非対称型ジアセタールは、水系媒体のゲル
化剤として一層効果的であり、アミド結合を含む置換基
を有することにより、硬いゲルを得ることができる。こ
のようにAを種々選択することにより、ゲル化剤の融点
や後に述べる樹脂(マトリックス)等との相溶性をその
用途に応じてコントロールすることができる。
炭素数が大きくなるに従って、ゲル化剤の融点は低下す
る傾向が認められ、このことにより低温で溶解性の良好
な使用し易いゲル化剤となるばかりでなく、このゲルを
練り込むと滑からなペーストとなり、シーディングの発
生がより効果的に抑制される。又、ポリオキシアルキレ
ン基を有する非対称型ジアセタールは、水系媒体のゲル
化剤として一層効果的であり、アミド結合を含む置換基
を有することにより、硬いゲルを得ることができる。こ
のようにAを種々選択することにより、ゲル化剤の融点
や後に述べる樹脂(マトリックス)等との相溶性をその
用途に応じてコントロールすることができる。
本発明に係る非対称型ジアセタールは、例えば、次の
ようにして合成される。即ち、R置換ベンズアルデヒド
1モルとソルビトール1モルとを酸触媒(硫酸、p−ト
ルエンスルホン酸等)の存在下で加熱混合して、2,4−
モノR置換ベンザールを得る。次に、これと所定のアル
デヒド1モルとを同様に反応させることにより目的とす
る非対称型ジアセタールが高選択率、高収率で得られ
る。
ようにして合成される。即ち、R置換ベンズアルデヒド
1モルとソルビトール1モルとを酸触媒(硫酸、p−ト
ルエンスルホン酸等)の存在下で加熱混合して、2,4−
モノR置換ベンザールを得る。次に、これと所定のアル
デヒド1モルとを同様に反応させることにより目的とす
る非対称型ジアセタールが高選択率、高収率で得られ
る。
当該非対称型ジアセタールは、流出油、接着剤、香
料、医薬品、高分子等に例示される流動性を有する系の
ゲル化剤として、又、このものは揺変剤としての機能を
も有しているため、FRPや塗料、インキ、接着剤等の流
動性調整図、粘度調整剤として好適である。更に、塗料
・インキ・接着剤等のタレ防止剤、水上や水中の油分を
吸着する効果をもたらす油水分離剤、凝集剤等として機
能し、接着剤、塗料、固形芳香剤、水処理剤、流出油の
固化・回収・香料、化粧料、土木・建材、潤滑剤、防錆
剤、農薬、医薬、医療外製品、固形燃料、インキ、糊等
の公知のジアセタールが改質剤として従来用いられてき
た分野において同様に適用される。
料、医薬品、高分子等に例示される流動性を有する系の
ゲル化剤として、又、このものは揺変剤としての機能を
も有しているため、FRPや塗料、インキ、接着剤等の流
動性調整図、粘度調整剤として好適である。更に、塗料
・インキ・接着剤等のタレ防止剤、水上や水中の油分を
吸着する効果をもたらす油水分離剤、凝集剤等として機
能し、接着剤、塗料、固形芳香剤、水処理剤、流出油の
固化・回収・香料、化粧料、土木・建材、潤滑剤、防錆
剤、農薬、医薬、医療外製品、固形燃料、インキ、糊等
の公知のジアセタールが改質剤として従来用いられてき
た分野において同様に適用される。
当該非対称型ジアセタールの適用量は、その用途に応
じて適宜選択される。例えば、このものを流動性物質の
ゲル化剤として適用する場合には、ゲル化対象物に対し
て20重量%以下、好ましくは5重量%以下で用いられ
る。
じて適宜選択される。例えば、このものを流動性物質の
ゲル化剤として適用する場合には、ゲル化対象物に対し
て20重量%以下、好ましくは5重量%以下で用いられ
る。
本発明に係る非対称型ジアセタールは、上記の如き各
種改質剤として機能するとともに、従来公知のジアセタ
ール化合物と同じように、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピルン共重合体、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹
脂、ポリジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ナイロン6、66、610、11等のポリアミ
ド等の結晶性樹脂の核剤の外、ポリアクリレート、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、AS、ABS等広範囲な樹脂に対する改質剤として有用
な化合物である。
種改質剤として機能するとともに、従来公知のジアセタ
ール化合物と同じように、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピルン共重合体、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹
脂、ポリジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ナイロン6、66、610、11等のポリアミ
ド等の結晶性樹脂の核剤の外、ポリアクリレート、ポリ
メチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、AS、ABS等広範囲な樹脂に対する改質剤として有用
な化合物である。
即ち、本発明に係る非対称型ジアセタールを核剤とし
て0.05〜3phr程度適用した場合には、透明性の改良、成
形効率の向上に効果的である。更に、本発明に係る非対
称型ジアセタールの内、ポリオキシアルキレン鎖を有す
る化合物は、成形樹脂の帯電防止効果や防曇効果を有し
ており、一方、パーフルオロアルキル基等のハロゲン置
換アルキル鎖を導入することにより樹脂成形物に撥油性
や防汚性を付与する等の特徴を備えるものである。
て0.05〜3phr程度適用した場合には、透明性の改良、成
形効率の向上に効果的である。更に、本発明に係る非対
称型ジアセタールの内、ポリオキシアルキレン鎖を有す
る化合物は、成形樹脂の帯電防止効果や防曇効果を有し
ており、一方、パーフルオロアルキル基等のハロゲン置
換アルキル鎖を導入することにより樹脂成形物に撥油性
や防汚性を付与する等の特徴を備えるものである。
本発明に係る非対称型ジアセタールを改質剤として配
合してなる樹脂組成物は、射出成形、押し出し成形、ブ
ロー成形、回転成形、フィルム成形、カレンダー成形、
インジェクションブロー成形等公知の方法で成形され、
このものは、従来、DBS類を核剤として配合してなる結
晶性樹脂組成物が用いられてきたと同様の各種分野に用
いられる。斯かる分野として具体的には、熱や放射線等
により滅菌されるディスポーザブル注射器、輸液・輸血
セット、採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅
菌される食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存
用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するための
カップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;
ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、ジャン
プ−用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用
容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケー
ス及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機
械部品;自動車用部品;航空機用部品;船舶用部品;建
材(床、壁、管)の素材等が例示される。
合してなる樹脂組成物は、射出成形、押し出し成形、ブ
ロー成形、回転成形、フィルム成形、カレンダー成形、
インジェクションブロー成形等公知の方法で成形され、
このものは、従来、DBS類を核剤として配合してなる結
晶性樹脂組成物が用いられてきたと同様の各種分野に用
いられる。斯かる分野として具体的には、熱や放射線等
により滅菌されるディスポーザブル注射器、輸液・輸血
セット、採血器具等の医療用器具類;放射線等により滅
菌される食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存
用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するための
カップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;
ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、ジャン
プ−用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用
容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケー
ス及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機
械部品;自動車用部品;航空機用部品;船舶用部品;建
材(床、壁、管)の素材等が例示される。
この場合、各種用途に応じて、従来公知の添加剤、例
えば、感光剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、導電性
付与剤、酸化防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、滑剤、可
塑剤、顔・染料、発泡剤、フィラー、難燃剤等を本発明
に係る所定の効果を損わない範囲内で適宜配合すること
ができる。
えば、感光剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、導電性
付与剤、酸化防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、帯電防止
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、滑剤、可
塑剤、顔・染料、発泡剤、フィラー、難燃剤等を本発明
に係る所定の効果を損わない範囲内で適宜配合すること
ができる。
[実施例] 以下に実施例を掲げ、本発明を詳しく説明する。
実施例1 (1)核剤効果 ポリエチレンテレフタレート(Mn=41,000)(PET)
粉末に対し、一般式(I)において、A=プロピル基、
R=COOR1(分子末端が水酸基である分子量3,000のポリ
エチレンテレフタレートオリゴマーとp−ホルミル安息
香酸メチルのジメチルアセタールとのエステル交換反応
により生成。)である非対称型ジアセタール0.5phrをヘ
ンシェルミキサーを用いて混練し、275℃で押し出し、
水冷してペレットを得た。こを275℃でプレス成形(0
℃で冷却)して非晶質の厚さ0.5mmのシートを得た。
粉末に対し、一般式(I)において、A=プロピル基、
R=COOR1(分子末端が水酸基である分子量3,000のポリ
エチレンテレフタレートオリゴマーとp−ホルミル安息
香酸メチルのジメチルアセタールとのエステル交換反応
により生成。)である非対称型ジアセタール0.5phrをヘ
ンシェルミキサーを用いて混練し、275℃で押し出し、
水冷してペレットを得た。こを275℃でプレス成形(0
℃で冷却)して非晶質の厚さ0.5mmのシートを得た。
このシートを用いてDSC法(室温からの昇温速度、溶
解状態からの冷却速度共に10℃/分とし、溶解後275℃
に7分間保持する。)により昇温時の結晶化温度(Tc
1)、溶解からの結晶化温度(Tc 2)及び融点(Tm)を
求めたところ、Tc 1=115℃、Tc 2=225℃、Tm=262℃
であった。
解状態からの冷却速度共に10℃/分とし、溶解後275℃
に7分間保持する。)により昇温時の結晶化温度(Tc
1)、溶解からの結晶化温度(Tc 2)及び融点(Tm)を
求めたところ、Tc 1=115℃、Tc 2=225℃、Tm=262℃
であった。
(2)ゲル化効果 試験管中にゲル対象物であるジオクチルフタレート
(DOP)10gを入れ、これにゲル化剤として上記と同一の
非対称型ジアセタールを0.2g添加して、100〜150℃のオ
イル浴で加熱溶解した後、10分間水で冷却した。このと
きの系の流動性の有無を試験管倒置法により判定した。
その結果、いずれのゲル対象物においても流動性が認め
られなかった。
(DOP)10gを入れ、これにゲル化剤として上記と同一の
非対称型ジアセタールを0.2g添加して、100〜150℃のオ
イル浴で加熱溶解した後、10分間水で冷却した。このと
きの系の流動性の有無を試験管倒置法により判定した。
その結果、いずれのゲル対象物においても流動性が認め
られなかった。
実施例2 (1)実施例1におけるPET粉末に対し、一般式(I)
におけるA=水素、置換基Rが実施例1と同様の基であ
る非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製したシー
トの特性を実施例1に準じて測定したところ、Tc 1=12
0℃、Tc 2=220℃、Tm=261℃であった。
におけるA=水素、置換基Rが実施例1と同様の基であ
る非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製したシー
トの特性を実施例1に準じて測定したところ、Tc 1=12
0℃、Tc 2=220℃、Tm=261℃であった。
(2)ゲル対象物をDOPの外に水、メタノール、ケロシ
ンと拡大し、当該非対称型ジアセタールのゲル化特性を
実施例1に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物
においても流動性が認められなかった。
ンと拡大し、当該非対称型ジアセタールのゲル化特性を
実施例1に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物
においても流動性が認められなかった。
実施例3 (1)実施例1におけるPET粉末に対し、一般式(I)
におけるA=ナフチル基、置換基Rが実施例1と同一の
基である非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製し
たシートの特性を実施例1に準じて測定したところ、Tc
1=118℃、Tc 2=225℃、Tm=262℃であった。
におけるA=ナフチル基、置換基Rが実施例1と同一の
基である非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製し
たシートの特性を実施例1に準じて測定したところ、Tc
1=118℃、Tc 2=225℃、Tm=262℃であった。
(2)当該非対称型ジアセタールのゲル化特性を実施例
2に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
2に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
実施例4 (1)実施例1においてPET粉末に対し、一般式(I)
におけるA=テトラヒドロナフチル基、置換基Rが実施
例1と同一の基である非対称型ジアセタールを0.5phr添
加して調製したシートの特性を実施例1に準じて測定し
たところ、Tc 1=118℃、Tc 2=224℃、Tm=262℃であ
った。
におけるA=テトラヒドロナフチル基、置換基Rが実施
例1と同一の基である非対称型ジアセタールを0.5phr添
加して調製したシートの特性を実施例1に準じて測定し
たところ、Tc 1=118℃、Tc 2=224℃、Tm=262℃であ
った。
(2)当該非対称型ジアセタールのゲル化特性を実施例
2に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
2に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
実施例5 (1)実施例1におけるPET粉末に対し、一般式(I)
におけるA=ビフェニル基置換基、Rが実施例1と同一
の基である非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製
したシートの特性を実施例1に準じて測定したところ、
Tc 1=117℃、Tc 2=224℃、Tm=261℃であった。
におけるA=ビフェニル基置換基、Rが実施例1と同一
の基である非対称型ジアセタールを0.5phr添加して調製
したシートの特性を実施例1に準じて測定したところ、
Tc 1=117℃、Tc 2=224℃、Tm=261℃であった。
(2)当該非対称型ジアセタールのゲル化特性を実施例
1に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
1に準じて評価したところ、いずれのゲル対象物におい
ても流動性が認められなかった。
実施例6 (1)帯電防止効果 アクリル樹脂(Mn=55,000)100gに対し、一般式
(I)におけるA=ウンデシル基、置換基Rが−COOR1
[R1=CH3・COO(C2H4O)2−]である非対称型ジアセ
タールを0.5g添加し、180℃で混練し、プレス成形して
厚さ1.0mmのシートを調製した。このシート表面をテフ
ロン布で10回摩擦した後、木灰から1cmの距離に近づけ
たが、シート表面には木灰の付着が認められなかった。
(I)におけるA=ウンデシル基、置換基Rが−COOR1
[R1=CH3・COO(C2H4O)2−]である非対称型ジアセ
タールを0.5g添加し、180℃で混練し、プレス成形して
厚さ1.0mmのシートを調製した。このシート表面をテフ
ロン布で10回摩擦した後、木灰から1cmの距離に近づけ
たが、シート表面には木灰の付着が認められなかった。
(2)実施例1に準じて評価した結果、上記非対称型ジ
アセタールは、DOPをゲル化する能力が認められた。
アセタールは、DOPをゲル化する能力が認められた。
比較例1 本発明に係る非対称型ジアセタールに代えて、DBSを
実施例1に準じて添加し、系の流動性の有無を判定し
た。その結果、DOPはゲル化したものの、水、メタノー
ル及びケロシンは充分ゲル化せず、当該系には流動性が
認められた。
実施例1に準じて添加し、系の流動性の有無を判定し
た。その結果、DOPはゲル化したものの、水、メタノー
ル及びケロシンは充分ゲル化せず、当該系には流動性が
認められた。
[発明の効果] 本発明に係る非対称型ジアセタールは、少量の添加に
より優れた性能を有する新規有用な有機性ゲル化剤とし
て、同時に各種樹脂に対して有効な改質剤として機能す
る。
より優れた性能を有する新規有用な有機性ゲル化剤とし
て、同時に各種樹脂に対して有効な改質剤として機能す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/00 103 C08K 5/06 C07D 493/04 106 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(I)又は一般式(II)で表される
非対称型ジアセタールからなるゲル化剤。 [式中、Aは下記の(1)乃至(4)で表される基を表
す。 (1)水素 (2)炭素数1〜30の飽和脂肪族アルキル基又は不飽和
の脂肪族アルケニル基、 (3)ナフチル基 (4)アルキル基が置換していてもよいビフェニル基 Rは水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲ
ン、水酸基、−COOR1又は−CONR2R3を表す。R1はアルコ
ール残基を表し、R2、R3は同一又は異なって、水素原子
又はアミン残基を表す。pは0又は1である。] [式中、A、R、pは一般式(I)と同じである。] - 【請求項2】一般式(I)又は一般式(II)で表される
非対称型ジアセタールからなる樹脂改質剤。 [一般式(I)及び一般式(II)の化合物は請求項1に
記載のものと同一である。]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093718A JP2911170B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 非対称型ジアセタール改質剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2093718A JP2911170B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 非対称型ジアセタール改質剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03292383A JPH03292383A (ja) | 1991-12-24 |
JP2911170B2 true JP2911170B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=14090199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2093718A Expired - Lifetime JP2911170B2 (ja) | 1990-04-09 | 1990-04-09 | 非対称型ジアセタール改質剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2911170B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8741044B1 (en) * | 2013-01-18 | 2014-06-03 | Xerox Corporation | Cycylohexyl-mannitol diketal derivatives as vehicle modifiers and gelators |
-
1990
- 1990-04-09 JP JP2093718A patent/JP2911170B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03292383A (ja) | 1991-12-24 |
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