JP2910788B2 - 鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末及びその製造法 - Google Patents
鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末及びその製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性トナー用に一般に
使用されているビニル芳香族系樹脂、アクリル系樹脂及
びこれらの共重合体樹脂等となじみやすく、これらの磁
性トナー用樹脂との混合性が良好である針状磁性粒子粉
末及びその製造法に関するものである。
使用されているビニル芳香族系樹脂、アクリル系樹脂及
びこれらの共重合体樹脂等となじみやすく、これらの磁
性トナー用樹脂との混合性が良好である針状磁性粒子粉
末及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像現像法の一つとして、キ
ャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤とし
て用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知
られ、汎用されている。
ャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤とし
て用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知
られ、汎用されている。
【0003】近時、複写機器の高速度化、高画質化、連
続化等の高性能化に伴って、現像剤である磁性トナーの
特性向上が強く要求されており、その為には、磁性トナ
ー用樹脂との混合性が良好である磁性粒子粉末が強く要
求される。
続化等の高性能化に伴って、現像剤である磁性トナーの
特性向上が強く要求されており、その為には、磁性トナ
ー用樹脂との混合性が良好である磁性粒子粉末が強く要
求される。
【0004】この事実は、特開昭55−65406号公
報の「一般に、このような一成分方式における磁性トナ
ー用の磁性粉には次のような諸特性が要求される。‥‥
VII)樹脂との混合性がよいこと。通常トナーの粒径
は数10μm以下であり、トナー中の微視的混合度がト
ナーの特性にとって重要となる。‥‥」なる記載の通り
である。
報の「一般に、このような一成分方式における磁性トナ
ー用の磁性粉には次のような諸特性が要求される。‥‥
VII)樹脂との混合性がよいこと。通常トナーの粒径
は数10μm以下であり、トナー中の微視的混合度がト
ナーの特性にとって重要となる。‥‥」なる記載の通り
である。
【0005】従来、磁性トナー用の樹脂としては、スチ
レン、ビニルトルエン等のビニル芳香族系樹脂、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のアクリル系樹脂及びこれらの共
重合体樹脂等が知られている。
レン、ビニルトルエン等のビニル芳香族系樹脂、アクリ
ル酸、メタクリル酸等のアクリル系樹脂及びこれらの共
重合体樹脂等が知られている。
【0006】また、磁性トナー用磁性粒子粉末として
は、八面体や球形等の等方的形状を呈した磁性粒子や針
状磁性粒子が知られているが、針状磁性粒子に比べ磁性
トナー用樹脂への混合性が容易である等方的形状を呈し
た磁性粒子が広く使用されている。
は、八面体や球形等の等方的形状を呈した磁性粒子や針
状磁性粒子が知られているが、針状磁性粒子に比べ磁性
トナー用樹脂への混合性が容易である等方的形状を呈し
た磁性粒子が広く使用されている。
【0007】近年、針状磁性粒子を用いて製造された磁
性トナーが等方的形状を呈した磁性粒子を用いて製造さ
れた磁性トナーに比べ搬送性が向上することから、針状
磁性粒子の磁性トナー用樹脂への混合性を改良すること
が強く要求されている。
性トナーが等方的形状を呈した磁性粒子を用いて製造さ
れた磁性トナーに比べ搬送性が向上することから、針状
磁性粒子の磁性トナー用樹脂への混合性を改良すること
が強く要求されている。
【0008】この事実は、特開昭55−9512号公報
の「従来、磁性トナーは種々提案されているが、未だ前
記〜の要求を全て満足するものはない。例えば、四
三酸化鉄‥‥を磁性粉として使用すると、その形状が立
方形(軸比=1)であるため、熱可塑性樹脂中への分散
は比較的簡単であるが、反面搬送性、流動性が劣り、画
像中に白地カブリを生じ、画像劣化を招く。‥‥一方、
針状‥‥の四三酸化鉄(Fe3 O4 )を磁性粉として用
いると、磁性トナー搬送性は向上するものの、針状の磁
性粉自体が凝集していることもあって樹脂中への均一な
分散性が損なわれ、‥‥」なる記載の通りである。
の「従来、磁性トナーは種々提案されているが、未だ前
記〜の要求を全て満足するものはない。例えば、四
三酸化鉄‥‥を磁性粉として使用すると、その形状が立
方形(軸比=1)であるため、熱可塑性樹脂中への分散
は比較的簡単であるが、反面搬送性、流動性が劣り、画
像中に白地カブリを生じ、画像劣化を招く。‥‥一方、
針状‥‥の四三酸化鉄(Fe3 O4 )を磁性粉として用
いると、磁性トナー搬送性は向上するものの、針状の磁
性粉自体が凝集していることもあって樹脂中への均一な
分散性が損なわれ、‥‥」なる記載の通りである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】樹脂との混合性が良好
である針状磁性粒子粉末は、現在最も要求されていると
ころであるが、公知の針状磁性粒子粉末は樹脂とのなじ
みが悪く未だ樹脂との混合性が良好な針状磁性粒子粉末
は得られていない。ここで、樹脂とのなじみとは、磁性
粒子の粒子表面と樹脂との親和性の程度を意味する。
である針状磁性粒子粉末は、現在最も要求されていると
ころであるが、公知の針状磁性粒子粉末は樹脂とのなじ
みが悪く未だ樹脂との混合性が良好な針状磁性粒子粉末
は得られていない。ここで、樹脂とのなじみとは、磁性
粒子の粒子表面と樹脂との親和性の程度を意味する。
【0010】一般に磁性粒子粉末の樹脂への分散性の指
標として磁性粒子粉末を含む樹脂成型体表面の光沢度を
測定することが行われており、値が高いほど分散性が良
好であると解釈されている。
標として磁性粒子粉末を含む樹脂成型体表面の光沢度を
測定することが行われており、値が高いほど分散性が良
好であると解釈されている。
【0011】そこで、本発明者は、公知の針状磁性粒子
粉末を用いて作成した樹脂成形体表面の光沢を入射角6
0°で測定したところ、ほとんどが88〜90%以上の
値を示したが、入射角を低下させ、樹脂成形体表面のよ
り微妙な凹凸も感知する入射角20°で測定した場合に
は、光沢度がすべて90%以下に低下してしまうという
現象が生起することを認めた。
粉末を用いて作成した樹脂成形体表面の光沢を入射角6
0°で測定したところ、ほとんどが88〜90%以上の
値を示したが、入射角を低下させ、樹脂成形体表面のよ
り微妙な凹凸も感知する入射角20°で測定した場合に
は、光沢度がすべて90%以下に低下してしまうという
現象が生起することを認めた。
【0012】本発明者は、この現象について、公知の針
状磁性粒子粉末は、磁性粒子粉末の1個1個と樹脂との
なじみが悪いことに起因して針状磁性粒子粉末が凝集体
を形成したまま樹脂中に存在しているものと推定し、磁
性粒子粉末1個1個が樹脂とのなじみがすぐれていれば
樹脂との混合性に優れ樹脂中に均一に分散して樹脂成形
体表面は平滑となり、入射角20°においても光沢度9
0%以上が得られるものと考えた。
状磁性粒子粉末は、磁性粒子粉末の1個1個と樹脂との
なじみが悪いことに起因して針状磁性粒子粉末が凝集体
を形成したまま樹脂中に存在しているものと推定し、磁
性粒子粉末1個1個が樹脂とのなじみがすぐれていれば
樹脂との混合性に優れ樹脂中に均一に分散して樹脂成形
体表面は平滑となり、入射角20°においても光沢度9
0%以上が得られるものと考えた。
【0013】即ち、樹脂とのなじみやすさの指標として
入射角20°で測定した場合の光沢度を用い、この時の
光沢度が90%以上を示す針状磁性粒子粉末は樹脂とな
じみやすい粒子であるといえるのである。
入射角20°で測定した場合の光沢度を用い、この時の
光沢度が90%以上を示す針状磁性粒子粉末は樹脂とな
じみやすい粒子であるといえるのである。
【0014】そこで、本発明は、樹脂となじみやすい針
状磁性粒子粉末、即ち、針状磁性粒子粉末を含む樹脂成
形体表面の光沢が入射角20°で測定した場合90%以
上を示す針状磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とす
る。
状磁性粒子粉末、即ち、針状磁性粒子粉末を含む樹脂成
形体表面の光沢が入射角20°で測定した場合90%以
上を示す針状磁性粒子粉末を得ることを技術的課題とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
通りの本発明によって達成できる。
【0016】即ち、本発明は、ホイール形混練機又はら
いかい機を用いて粒子の凝集が解きほぐされた長軸径が
0.1〜3.0μmであって、軸比(長軸径/短軸径)
が3以下である鉄を主成分とする針状磁性粒子からな
り、且つ、下記測定方法において測定した吸液量が18
ml以下である鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末。
スチレン−アクリル樹脂とキシレンとを樹脂濃度((樹
脂/(樹脂+キシレン))×100)が20重量%とな
るように500mlの上ぶた付ポリエステル容器にはか
り取った後ペイントコンディショナーを用いて混合する
ことにより樹脂溶液を調整する。鉄を主成分とする針
状磁性粒子粉末10gを電子天秤ではかり取って100
mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該容器中にあ
らかじめ調整しておいた樹脂溶液を50mlビュレット
を用い滴下しながらガラス棒でかきまぜる。ポリエス
テル容器中のペーストが均一となって流動性が高くなり
ガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下したときを終
点とする。終点に至るまでに使用した樹脂溶液の量を
吸液量とする。
いかい機を用いて粒子の凝集が解きほぐされた長軸径が
0.1〜3.0μmであって、軸比(長軸径/短軸径)
が3以下である鉄を主成分とする針状磁性粒子からな
り、且つ、下記測定方法において測定した吸液量が18
ml以下である鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末。
スチレン−アクリル樹脂とキシレンとを樹脂濃度((樹
脂/(樹脂+キシレン))×100)が20重量%とな
るように500mlの上ぶた付ポリエステル容器にはか
り取った後ペイントコンディショナーを用いて混合する
ことにより樹脂溶液を調整する。鉄を主成分とする針
状磁性粒子粉末10gを電子天秤ではかり取って100
mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該容器中にあ
らかじめ調整しておいた樹脂溶液を50mlビュレット
を用い滴下しながらガラス棒でかきまぜる。ポリエス
テル容器中のペーストが均一となって流動性が高くなり
ガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下したときを終
点とする。終点に至るまでに使用した樹脂溶液の量を
吸液量とする。
【0017】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、下記測
定方法において測定した吸液量が18ml以下の針状磁
性粒子粉末は、樹脂となじみやすい、即ち、針状磁性粒
子粉末を含む樹脂成形膜表面の光沢が入射角20°で測
定した場合90%以上を示す磁性粒子粉末であるという
事実である。
定方法において測定した吸液量が18ml以下の針状磁
性粒子粉末は、樹脂となじみやすい、即ち、針状磁性粒
子粉末を含む樹脂成形膜表面の光沢が入射角20°で測
定した場合90%以上を示す磁性粒子粉末であるという
事実である。
【0018】吸液量の測定方法は、以下に示す方法であ
る。スチレン−アクリル樹脂とキシレンとを樹脂濃度
((樹脂/(樹脂+キシレン))×100)が20重量
%となるように500mlの上ぶた付ポリエステル容器
にはかり取った後ペイントコンディショナーを用いて混
合することにより樹脂溶液を調整する。鉄を主成分と
する針状磁性粒子粉末10gを電子天秤ではかり取っ
て、100mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該
容器中にあらかじめ調整しておいた樹脂溶液を50ml
ビュレットを用い滴下しながらガラス棒でかきまぜる。
ポリエステル容器中のペーストが均一となって流動性
が高くなりガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下し
たときを終点とする。終点に至るまでに使用した樹脂
溶液の量を吸液量とする。
る。スチレン−アクリル樹脂とキシレンとを樹脂濃度
((樹脂/(樹脂+キシレン))×100)が20重量
%となるように500mlの上ぶた付ポリエステル容器
にはかり取った後ペイントコンディショナーを用いて混
合することにより樹脂溶液を調整する。鉄を主成分と
する針状磁性粒子粉末10gを電子天秤ではかり取っ
て、100mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該
容器中にあらかじめ調整しておいた樹脂溶液を50ml
ビュレットを用い滴下しながらガラス棒でかきまぜる。
ポリエステル容器中のペーストが均一となって流動性
が高くなりガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下し
たときを終点とする。終点に至るまでに使用した樹脂
溶液の量を吸液量とする。
【0019】上記吸液量の測定方法において、樹脂とし
てスチレン−アクリル樹脂を使用したのは、磁性トナー
用樹脂として最も広く使用されている代表的な樹脂であ
るからである。また、溶剤としてキシレンを使用したの
は、キシレンが強い官能基を有していないことに起因し
て磁性粒子粉末に優先して樹脂に作用して樹脂を希釈す
る為、樹脂の磁性粒子表面への影響を観察する上で有効
であり、しかも、沸点が130℃程度と高い為作業中に
揮発しにくいからである。
てスチレン−アクリル樹脂を使用したのは、磁性トナー
用樹脂として最も広く使用されている代表的な樹脂であ
るからである。また、溶剤としてキシレンを使用したの
は、キシレンが強い官能基を有していないことに起因し
て磁性粒子粉末に優先して樹脂に作用して樹脂を希釈す
る為、樹脂の磁性粒子表面への影響を観察する上で有効
であり、しかも、沸点が130℃程度と高い為作業中に
揮発しにくいからである。
【0020】本発明においては、吸液量が18ml以下
の針状磁性粒子粉末が得られる。本発明において、使用
する針状磁性粒子の軸比(長軸径/短軸径)が2以下の
場合には、吸液量が13ml以下の針状磁性粒子粉末が
得られる。
の針状磁性粒子粉末が得られる。本発明において、使用
する針状磁性粒子の軸比(長軸径/短軸径)が2以下の
場合には、吸液量が13ml以下の針状磁性粒子粉末が
得られる。
【0021】本発明に係る針状磁性粒子粉末の吸液量が
小さい理由について、本発明者は、粒子相互間に介在し
ている空気やガスを十分脱気できることに起因して粒子
の凝集を解きほぐすことができることによるものと考え
ている。即ち、本発明者は、本発明に係るホイール形混
練機又はらいかい機を用いた場合には、圧縮作用により
凝集粒子相互を押しつけることによって凝集粒子間に介
在している空気やガスを除くとともに、凝集粒子を構成
している粒子の粒子間隙に介在している空気やガスをも
押し出して粒子相互の密着性を増し、次いで、凝集粒子
に対してせん断力により位置を代えて凝集を解きはな
し、更に、へらなで作用により圧縮作用及びせん断作用
が全体に均一に行きわたる様に作用させて粒子をバラバ
ラにするという上記三つの作用が繰り返されることによ
って針状磁性粒子相互間の凝集が解きほぐされて再凝集
することなく1個1個バラバラの状態で存在しているこ
とによるものと考えている。
小さい理由について、本発明者は、粒子相互間に介在し
ている空気やガスを十分脱気できることに起因して粒子
の凝集を解きほぐすことができることによるものと考え
ている。即ち、本発明者は、本発明に係るホイール形混
練機又はらいかい機を用いた場合には、圧縮作用により
凝集粒子相互を押しつけることによって凝集粒子間に介
在している空気やガスを除くとともに、凝集粒子を構成
している粒子の粒子間隙に介在している空気やガスをも
押し出して粒子相互の密着性を増し、次いで、凝集粒子
に対してせん断力により位置を代えて凝集を解きはな
し、更に、へらなで作用により圧縮作用及びせん断作用
が全体に均一に行きわたる様に作用させて粒子をバラバ
ラにするという上記三つの作用が繰り返されることによ
って針状磁性粒子相互間の凝集が解きほぐされて再凝集
することなく1個1個バラバラの状態で存在しているこ
とによるものと考えている。
【0022】後出比較例に示す通り、針状磁性粒子の粉
砕に通常使用されている衝撃式微粉砕機は、本発明にお
けるホイール形混練機又はらいかい機が有する作用がな
いので本発明の効果は得られない。
砕に通常使用されている衝撃式微粉砕機は、本発明にお
けるホイール形混練機又はらいかい機が有する作用がな
いので本発明の効果は得られない。
【0023】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
いて述べる。
【0024】本発明に係る鉄を主成分とする針状磁性粒
子粉末は、長軸径が0.1〜3.0μmであって軸比
(長軸径/短軸径)3以下である鉄を主成分とする針状
磁性粒子をホイール型混練機又はらいかい機を用いて圧
縮、せん断及びへらなですることによって粒子の凝集を
解きほぐすことによって得られる。
子粉末は、長軸径が0.1〜3.0μmであって軸比
(長軸径/短軸径)3以下である鉄を主成分とする針状
磁性粒子をホイール型混練機又はらいかい機を用いて圧
縮、せん断及びへらなですることによって粒子の凝集を
解きほぐすことによって得られる。
【0025】鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末として
は、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子粉末、こ
れらにFe以外の亜鉛、マンガン等の異種元素を含有す
る粒子粉末並びに亜鉛、マンガン、ニッケルから選ばれ
た1種又は2種以上を含むスピネル型フェライト粒子粉
末がある。
は、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子粉末、こ
れらにFe以外の亜鉛、マンガン等の異種元素を含有す
る粒子粉末並びに亜鉛、マンガン、ニッケルから選ばれ
た1種又は2種以上を含むスピネル型フェライト粒子粉
末がある。
【0026】ここで、針状とは、軸比(長軸径/短軸
径)が3以下の粒子をいい、針状はもちろん、紡錘状、
米粒状、回転楕円形状、短冊状等の形状の粒子をも含
む。磁性トナー用樹脂との混合性及び均一分布を考慮す
れば、軸比(長軸径/短軸径)2以下が好ましい。軸比
(長軸径/短軸径)が小さくなる程吸液量が小さくな
り、磁性トナー用樹脂との混合性及び均一分布が良好と
なる傾向にある。軸比(長軸径/短軸径)が3を越える
場合には、針状磁性粒子粉末の樹脂中での分布が不均一
となり磁性トナー用磁性粒子粉末として好ましくない。
径)が3以下の粒子をいい、針状はもちろん、紡錘状、
米粒状、回転楕円形状、短冊状等の形状の粒子をも含
む。磁性トナー用樹脂との混合性及び均一分布を考慮す
れば、軸比(長軸径/短軸径)2以下が好ましい。軸比
(長軸径/短軸径)が小さくなる程吸液量が小さくな
り、磁性トナー用樹脂との混合性及び均一分布が良好と
なる傾向にある。軸比(長軸径/短軸径)が3を越える
場合には、針状磁性粒子粉末の樹脂中での分布が不均一
となり磁性トナー用磁性粒子粉末として好ましくない。
【0027】鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末の長軸
径が0.1μm未満の場合には、針状磁性粒子粉末の磁
気的凝集が大きくなって樹脂への分散が困難となり、ま
た、3.0μmを越える場合には、針状磁性粒子粉末の
樹脂中での分布が不均一となり磁性トナー用磁性粒子粉
末として好ましくない。樹脂への分散性及び均一分布を
考慮すれば0.1〜1.0μmが好ましい。
径が0.1μm未満の場合には、針状磁性粒子粉末の磁
気的凝集が大きくなって樹脂への分散が困難となり、ま
た、3.0μmを越える場合には、針状磁性粒子粉末の
樹脂中での分布が不均一となり磁性トナー用磁性粒子粉
末として好ましくない。樹脂への分散性及び均一分布を
考慮すれば0.1〜1.0μmが好ましい。
【0028】本発明においては、ホイール型混練機又は
らいかい機を用いることができる。尚、ホイール型混練
機としては、シンプソンミックスマーラー、マルチマ
ル、ストッツミル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適
用できるが、ウエットパンミル、メランジャ、ワールミ
ックス及び速連機は、いずれも圧縮及びへらなで作用の
みでせん断作用を有しないので適用できない。
らいかい機を用いることができる。尚、ホイール型混練
機としては、シンプソンミックスマーラー、マルチマ
ル、ストッツミル、逆流混練機、アイリッヒミル等が適
用できるが、ウエットパンミル、メランジャ、ワールミ
ックス及び速連機は、いずれも圧縮及びへらなで作用の
みでせん断作用を有しないので適用できない。
【0029】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
説明する。
【0030】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡に
より観察したものである。
子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電子顕微鏡に
より観察したものである。
【0031】磁性粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型
磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用
いて外部磁場10KOeの下で測定した値である。樹脂
成形膜表面の光沢は、デジタル光沢計UGV−50(ス
ガ試験機(株)製)を用い、入射角20°、60°のそ
れぞれで測定した値で示した。
磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用
いて外部磁場10KOeの下で測定した値である。樹脂
成形膜表面の光沢は、デジタル光沢計UGV−50(ス
ガ試験機(株)製)を用い、入射角20°、60°のそ
れぞれで測定した値で示した。
【0032】実施例1 長軸径0.25μm、軸比(長軸径/短軸径)2.2で
あって、磁化値85.0emu/g、保磁力236 O
eである針状マグネタイト粒子粉末10Kgをシンプソ
ン・ミックスマーラー(松本鋳造社(株)製)に投入
し、0.5時間作動することにより、上記針状マグネタ
イト粒子の処理を行った。
あって、磁化値85.0emu/g、保磁力236 O
eである針状マグネタイト粒子粉末10Kgをシンプソ
ン・ミックスマーラー(松本鋳造社(株)製)に投入
し、0.5時間作動することにより、上記針状マグネタ
イト粒子の処理を行った。
【0033】得られた針状マグネタイト粒子粉末は、吸
液量が14.0mlであり、磁化値及び保磁力は処理前
の値とほぼ同等であった。
液量が14.0mlであり、磁化値及び保磁力は処理前
の値とほぼ同等であった。
【0034】上記針状マグネタイト粒子粉末15gとあ
らかじめ60℃で乾燥したスチレン−アクリル樹脂ハイ
マーTB−1000(三洋化成社(株)製)35gとを
表面温度130℃の熱間ロールで5分間練り込み混練物
を得た。
らかじめ60℃で乾燥したスチレン−アクリル樹脂ハイ
マーTB−1000(三洋化成社(株)製)35gとを
表面温度130℃の熱間ロールで5分間練り込み混練物
を得た。
【0035】得られた混練物を熱間プレスでシート状に
加工し、シート状樹脂を作成した。このシート状樹脂の
光沢度は、入射角60°の場合99.2%、入射角20
°の場合90.8%であった。
加工し、シート状樹脂を作成した。このシート状樹脂の
光沢度は、入射角60°の場合99.2%、入射角20
°の場合90.8%であった。
【0036】実施例2〜4、比較例1〜2 被処理磁性粒子粉末の種類並びに機器の種類を種々変化
させた以外は実施例1と同様にして処理済磁性粒子粉末
を得た。この時の主要製造条件及び処理済磁性粒子粉末
の諸特性を表1に示す。
させた以外は実施例1と同様にして処理済磁性粒子粉末
を得た。この時の主要製造条件及び処理済磁性粒子粉末
の諸特性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】参考例1〜2 磁気トナー用針状磁性粒子粉末として市販されている代
表的な商品について本発明に係る吸液量及び光沢度を測
定した結果は、表2に示す通りであり、いずれも吸液量
が大きく、樹脂とのなじみが小さいものであった。
表的な商品について本発明に係る吸液量及び光沢度を測
定した結果は、表2に示す通りであり、いずれも吸液量
が大きく、樹脂とのなじみが小さいものであった。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明に係る鉄を主成分とする針状磁性
粒子粉末は、吸液量が18ml以下であることに起因し
て、樹脂、殊に、磁性トナー用に一般に使用されている
ビニル芳香族系樹脂、アクリル系樹脂及びこれらの共重
合体樹脂等となじみやすく、これらと樹脂との混合性が
良好であるので、磁性トナー用磁性粒子粉末として好適
である。
粒子粉末は、吸液量が18ml以下であることに起因し
て、樹脂、殊に、磁性トナー用に一般に使用されている
ビニル芳香族系樹脂、アクリル系樹脂及びこれらの共重
合体樹脂等となじみやすく、これらと樹脂との混合性が
良好であるので、磁性トナー用磁性粒子粉末として好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 洋司 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 平塚 義三 (56)参考文献 特開 昭58−57708(JP,A) 特開 昭58−161706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/11 H01F 1/113
Claims (1)
- 【請求項1】 ホイール型混練機又はらいかい機を用い
て粒子の凝集が解きほぐされた長軸径が0.1〜3.0
μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が3以下である
鉄を主成分とする針状磁性粒子からなり、且つ、下記の
測定方法において測定した吸液量が18ml以下である
鉄を主成分とする磁性トナー用針状磁性粒子粉末。ス
チレン−アクリル樹脂とキシレンとを樹脂濃度((樹脂
/(樹脂+キシレン))×100)が20重量%となる
ように500mlの上ぶた付ポリエステル容器にはかり
取った後ペイントコンディショナーを用いて混合するこ
とにより樹脂溶液を調整する。鉄を主成分とする針状
磁性粒子粉末10gを電子天秤ではかり取って、100
mlのポリエステル容器に入れ、次いで、該容器中にあ
らかじめ調整しておいた樹脂溶液を50mlビュレット
を用い滴下しながらガラス棒でかきまぜる。ポリエス
テル容器中のペーストが均一となって流動性が高くなり
ガラス棒の先端から液滴が最初に自然落下したときを終
点とする。終点に至るまでに使用した樹脂溶液の量を
吸液量とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2414728A JP2910788B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2414728A JP2910788B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04225202A JPH04225202A (ja) | 1992-08-14 |
JP2910788B2 true JP2910788B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=18523177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2414728A Expired - Lifetime JP2910788B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 鉄を主成分とする針状磁性粒子粉末及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2910788B2 (ja) |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP2414728A patent/JP2910788B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04225202A (ja) | 1992-08-14 |
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