JP2910239B2 - リニアモータの固定子形成方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はリニアモータの固定子形成方法に関する。

〔従来の技術〕

リニアパルスモータ（LPM）をサーボモータとして用
いる場合には、正弦波形の誘起電圧を得るために、固定
子の極歯にスキューを形成する。

この種の固定子は、従来、第３図に示す如く、エッチ
ングによりスキュー角を持つ極歯２を形成したスリット
板１をベース（極性体ブロック）３に接着することによ
り構成している。

〔発明が解決しようとする課題〕

このように、従来は、磁性体ブロックであるベース３
を使用するために高速のLPMになると、鉄損が大きくな
る上、スリット板１を接着するので、凹凸が生じるのを
防ぐためにその接着作業が相当に面倒であり、更に、経
年使用中に上記スリット板１が剥離するという問題があ
った。

本発明は上記問題を解消するためになされたもので、
同一形状・同一寸法の珪素鋼板の積層体ではあるが、そ
の積層時に自ずとスキューが形成されるリニアモータの
固定子形成方法を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕 この発明は上記目的を達成するため、互いに平行する
テーパ面を有するテーパ突部を形成された一対の固定子
端枠と、一対の固定子側枠とで構成される固定子枠内
に、長手方向の一側縁に歯列を形成された同一形状・同
一寸法の所要枚数の珪素鋼板を積層して締付けるように
した。

〔作用〕

本発明では、互いに斜めに平行するテーパ突部を有す
る固定子端枠間に、所要枚数の同一形状・同一寸法の珪
素鋼板を、該端枠の巾方向に積層するので、積層体は平
行四辺形の積層体となり、積層体の極歯列はテーパ角に
従う角度で斜めに平行した極歯車列となる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図において、１、２は固定子側枠、３は珪素鋼板
４の積層体、５、６は治具枠となる固定子端枠である。
珪素鋼板４は、第２図に示す如く、一方側縁に歯4Aの列
を持つ長尺体として打抜かれており、固定子側枠１、２
と珪素鋼板４は同一長さを有している。

固定子側枠５は、両端に、側枠当接部5A、5Bを有し、
両側枠当接部5A、5B間に、一方の側枠当接部5Aから小間
隔ΔＷを隔てた位置から所定間隔を隔てて位置から所定
角度（スキュー角）θで傾斜して突出するテーパ部5Cを
有している。固定子端枠６も両端に、側枠当接部6A、6B
を有し、両側枠当接部6A、6B間に、一方の側枠当接部6A
から小間隔ΔＷを隔てた位置から所定間隔を隔てて位置
から所定角度θで傾斜して突出するテーバ突部6Cを有し
ている。

珪素鋼板４は、固定子枠内、即ち、固定子側枠１、２
とテーパ突部5Aおよびテーパ突部6Aが区画する平行四辺
形の空間内に積層されており、この状態で、図示しない
締付けボルトを用いて積層方向に締付け、固定子を形成
する。

従って、珪素鋼板４の積層体３の端面はテーパ突部5
C、6Cのテーパに従うテーパ面となり、スキューのつい
た極歯７が形成される。

このように、本実施例は、固定子端枠５、６に設けた
テーバ部5C、6Cで、積層される珪素鋼板４の端縁位置を
順次長手方向にずらせてスキューをつけるもので、珪素
鋼板４の積層時に、自然にスキューを形成することがで
きるので、スキューのついた積層固定子を容易に製作す
ることができる。

〔発明の効果〕

本発明は以上説明した通り、固定子組立時に、自ずと
極歯のスキューが形成され、積層する珪素鋼板も同一寸
法・同一形状で良いので、スキューのついた積層固定子
を容易に得ることができ、珪素鋼板の積層体であるの
で、磁性体ブロックである場合に比して、鉄損が小さ
く、また、長期使用に耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面図、第２図は上記実
施例における珪素鋼板の斜視図、第３図は従来の固定子
形成方法を説明するための斜視図である。 １、２……固定子側枠、４……珪素鋼板、4A……歯、
５、６……固定子端枠、5C、6C……テーパ突部、７……
極歯、θ……スキュー角。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに平行するテーパ面を有するテーパ突
   部を形成された一対の固定子端枠と、一対の固定子側枠
   とで構成される固定子枠内に、長手方向の一側縁に歯列
   を形成された同一形状・同一寸法の所要枚数の珪素鋼板
   を積層して締付けることを特徴とするリニアモータの固
   定子形成方法。