JP2907536B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

Info

Publication number
JP2907536B2
JP2907536B2 JP33475290A JP33475290A JP2907536B2 JP 2907536 B2 JP2907536 B2 JP 2907536B2 JP 33475290 A JP33475290 A JP 33475290A JP 33475290 A JP33475290 A JP 33475290A JP 2907536 B2 JP2907536 B2 JP 2907536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slip
slip amount
control
wheel
rough road
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33475290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04203332A (ja
Inventor
哲弘 山下
義明 阿南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsuda KK
Original Assignee
Matsuda KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsuda KK filed Critical Matsuda KK
Priority to JP33475290A priority Critical patent/JP2907536B2/ja
Publication of JPH04203332A publication Critical patent/JPH04203332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2907536B2 publication Critical patent/JP2907536B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のスリップ制御装置に関する。
(従来の技術) 車両の加速時等において、駆動輪が過大駆動トルクに
よりスリップして加速性が低下することを防止するため
に、駆動輪のスリップ量を検出し、駆動輪のスリップ量
が目標値となるように、エンジン出力や車輪への制動力
の付与を制御する(エンジン出力を低下させる、若しく
は制動力を増大させる)ようにしたトラクション制御は
一般に知られている。
そして、上記トラクション制御におけるエンジン出力
の低減を燃料カットにより行なうにあたり、悪路検出手
段を設け、悪路で且つ低車速時であるときに、エンジン
1回転中に占める燃料カット時間を短くすることによ
り、車両の運転性の悪化を防止するという提案はある
(特開昭63−259132号公報参照)。
(発明が解決しようとする課題) ところで、悪路においては、駆動輪の車輪速が路面の
凹凸を乗り越える度に変化するが、かかる車輪速に基い
て駆動輪のスリップ量を求めトラクション制御を行なう
ようにすると、悪路によるノイズ、つまりは瞬間的なス
リップ量の増大によって制御が不必要に開始され、駆動
輪の駆動トルクの低減によって、悪路の走破性が悪化す
ることになる。
すなわち、本発明の課題は、悪路においてもスリップ
制御の応答性を損なうことなく、不必要な制御を防止し
て、悪路の走破性を向上させることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような課題に対し、悪路レベルに応じ
て駆動輪の見掛けのスリップ量をその変動が小さくなる
ように補正するものである。
そのための具体的な手段は、駆動輪の路面に対するス
リップ量が所定の閾値を越えるときに、このスリップ量
が目標値となるように上記駆動輪の駆動を制御する車両
のスリップ制御装置において、 車体速を検出する車体速検出手段と、 駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、 従動輪の加速度を検出する従動輪加速度検出手段と、 上記車体速検出手段により検出された車体速と、上記
車輪速検出手段により検出された車輪速とに基いて、駆
動輪の見掛けのスリップ量を演算する見掛けのスリップ
量演算手段と、 上記従動輪加速度検出手段により検出された加速度の
経時変化の振幅が所定時間内に所定閾値を越えた回数に
基いて、当該回数が多いほど路面状態の悪さのレベルが
高いと判定する悪路レベル判定手段と、 悪路走行における駆動輪車輪速の変動に基くスリップ
量の補正のために、悪路レベルが高いほど補正量が多く
なるように設定された補正定数を記憶する補正定数記憶
手段と、 上記悪路レベル判定手段により判定された悪路レベル
に基いて上記補正定数記憶手段から補正定数を演算し、
この補正定数に基いて、上記車輪速検出手段により検出
され上記見掛けのスリップ量演算の基礎となる車輪速も
しくは上記見掛けのスリップ量演算手段により求められ
た見掛けのスリップ量を補正する補正手段とを備えてい
ること特徴とするものである。
(作用) 上記スリップ制御装置においては、上記車輪速検出手
段により検出された車輪速もしくは上記見掛けのスリッ
プ量演算手段により求められた見掛けのスリップ量を、
悪路レベルが高いほど補正量が多くなるように設定され
た補正定数に基いて補正するから、駆動輪の車輪速が瞬
間的に大きくなっても、それによってスリップ制御が開
始されてしまうことを防止することができる。また、上
記補正は一律的なものではなく、悪路レベルに応じて補
正量を変えるようにしているから、悪路レベルの如何に
拘らずスリップ量の基本的な増減傾向はとらえることが
でき、スリップ制御の応答性の確保に支障はない。
(発明の効果) 従って、本発明によれば、悪路レベル判定手段により
判定された悪路レベルに基いて、車輪速検出手段により
検出され見掛けのスリップ量演算の基礎なる車輪速もし
くは見掛けのスリップ量演算手段により求められた見掛
けのスリップ量を、悪路レベルが高いほど補正量が多く
なるように設定された補正定数に基いて補正するように
したから、スリップ制御の応答性を確保しながら、不必
要にスリップ制御が開始されてしまうことを防止でき、
悪路における車両の加速性ないしは悪路の走破性が向上
する。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には実施例の全体構成が示されている。
まず、車両あ、左右の前輪2FL,2FRが駆動輪とされ、
左右の後輪2RL,2RRが従動輪とされている。すなわち、
車体前部にV型6気筒のエンジン1が搭載され、このエ
ンジン1の発生トルクが自動変速機3及び作動装置4を
経た後、左駆動軸5Lを介して左前輪2FLに、右駆動軸5R
を介して右前輪2FRにそれぞれ伝達されるようになって
いる。
そして、上記車両は、駆動輪2FL,2FRの路面に対する
スリップ量が目標値となるように上記駆動輪2FL,2FRの
駆動を制御するスリップ制御手段8を備えている。
制御手段8は、上記4輪2FL,2FR,2RL,2RRにブレーキ
がかけられているか否かを検出するブレーキセンサ6、
上記4輪2FL,2FR,2RL,2RRの車輪速を検出する車輪速セ
ンサ9FL,9FR,9RL,9RR等からの各信号が入され、信号処
理を行なって、エンジン1にその出力トルクを低減せし
めるための点火時期制御信号及び燃料噴射制限信号を出
力するものである。
そのために、上記制御手段8は、上記各センサからの
信号を受け入れる入力インターフェイスと、CPUとROMと
RAMとからなるマイクロコンピュータと、出力インター
フェイスと、イグナイタ及び燃料噴射装置を駆動するた
めの駆動回路とを備え、ROMにはスリップ制御に必要な
制御プログラム、各種マップないしはテーブルが設けら
れ、RAMには制御を実行するのに必要な各種メモリが設
けられている。そして、この制御手段8は、スリップ判
定用閾値の設定手段32、スリップ量の演算手段33、スリ
ップ判定手段34、制御目標値の設定手段35、制御レベル
の演算手段36及びエンジン出力のコントロール手段37を
備えている。
[スリップ量演算] まず、スリップ演算手段33について説明すると、これ
は、駆動輪2FL,2FRの見掛けのスリップ量を演算する手
段11と、悪路レベル(路面状態の悪さの度合)に応じて
上記見掛けのスリップ量を補正する補正手段14とを備
え、補正されたスリップ量に基いて、平均スリップ量演
算手段15により平均スリップ量を演算し、最高スリップ
量演算手段16により最高スリップ量を演算するようにな
っている。
上記見掛けのスリップ量演算手段11は、車体速検出手
段21により得られる車体速Vrと、車輪速センサ9FL,9FR
により得られる駆動輪(前輪)の車輪速VFL,VFRとに基
いて、次の(1)式により駆動輪の見掛けのスリップ量
SFL,SFRを求めるものである。
−(1)式− SFL=VFL−Vr SFR=VFR−Vr この場合、車体速検出手段21は、車輪速センサ9RL,9R
Rにより得られる左右の従動輪(後輪)の車輪速VRL,VR
Rのうちの高い方の車輪速を車体速Vrとして検出する。
そして、上記スリップ量補正手段14によるスリップ量
の補正のために、従動輪加速度検出手段22と悪路レベル
判定手段23と補正定数記憶手段24とが設けられている。
従動輪加速度検出手段22は、車輪速センサ9RL,9RRに
より検出された左右の後輪2RL,2RRの車輪速VRL,VRRに
基いて各々の加速度DV RL,DV RRを検出するものであ
る。
具体的には、加速度DV RLは次の(2)式に示すよう
に今回の車輪速VRL(K)から前回の車輪速VRL(K−
1)を減算した値aを、(3)式に従ってオフセット補
正して求める。
−(2)式− a=VRL(K)−VRL(K−1) −(3)式− DV RL←a−{VRL(K)−VRL(K−4)}/4 上記オフセット補正は真の車輪加速度を求めるための
ものである。すなわち、上記aは車体の加速度{VRL
(K)−VRL(K−4)}/4を含むものであり、これを
演算するものである。この場合、車輪と車体との関係を
考えた時、まず車輪が回転を始め、それに遅れて車体が
動くことになり、その遅れは、この実施例における悪路
レベル判定処理の略4周期分に相当する(悪路判定処理
周期14msec,車体の車輪に対する遅れ56msec)。よっ
て、現在より4周期前までの実際の車輪加速度aの平均
を車体加速度としたものである。
DV RRについても上記DV RLと同様にして求める。
悪路レベル判定手段23は、上記加速度DV RL,DV RRの
経時変化の振幅が所定時間内に所定の閾値αを越えた回
数をカウントして悪路レベルを数値化するものである。
また、閾値αは、非スリップ制御状態であれば、0.5g
(gは重力加速度)とし、スリップ制御中であれば、0.
7gとする。また、カウント時間は、例えば2240msecとす
る。
すなわち、上記DV RLの振動(経時変化)が第2図に
示すものである場合、DV RLの振動のピークが+α,−
αを越えた回数PC RLをカウントする。このカウントに
あたっては、第2図に示すようにピークが+α,−αを
交互に越えた場合に行ない、例えば1つのピークが+α
を越え、次のピークが−αを越えることなく、また+α
を越えた場合には、そのピークはカウントしない。悪路
により車輪加速度が変化する場合は、一般的に(+)方
向と(−)方向とが交互に変動するはずだからである。
以上により、悪路状態が0〜160のレベルで精度良く
求まる。この場合、悪路レベルは左右の従動輪加速度DV
RL,DV RRによるレベルのいずれか一方によって代表さ
せることができ、また、両者の平均をとってもよい。
補正定数記憶手段24は、上記悪路レベルに応じた補正
定数TEを記憶したものであり、この補正定数TEは次のTE
テーブルの通りである。
次にスリップ量補正手段14について説明する。
すなわち、見掛けのスリップ量SFL,SFRは次の(4)
式に従って補正するものである。
−(4)式− SFL←SFL×TE+(1−TE)×Z(K−1) SFR←SFR×TE+(1−TE)×Z(K−1) 上記TEは悪路レベルに応じて上記TEテーブルより演算
する。また、Z(K−1)は前回の補正スリップ量であ
る。
上記平均スリップ量演算手段15は、上記悪路補正され
たスリップ量SFL,SFRに基いてその平均スリップ量S Av
を演算するものであり、また、上記最高スリップ量演算
手段16は、補正されたスリップ量SFL,SFRのうちの高い
方のスリップ量を最高スリップ量SHiとして求めるもの
である。
第3図には、上記スリップ量補正制御の流れが示され
ている。
すなわち、各車輪速データVFL,VRL,VRL,VRRを入力
し、見掛けのスリップ量SFL,SFRを演算する(ステップ
S1,S2)。そして、従動輪車輪速に基いて従動輪加速度
を演算し、この従動輪加速度の経時変化に基いて悪路レ
ベルの判定を行なう(ステップS3,S4)。そして、得ら
れた悪路レベルに応じた補正定数TEを演算し、スリップ
量の補正を実行する(ステップS5,S6)。
[スリップ判定用閾値の設定] このスリップ判定用閾値はスリップ制御を要するか否
かを判定するためのものであり、次の(5)式に基いて
設定する。
−(5)式− スリップ判定用閾値=基本値+悪路補正値 この閾値の設定のために、第4図に示すように、車体
加速度演算手段41、路面摩擦係数演算手段42及び上記基
本値値を求める基本値値演算手段43、並びに悪路補正値
演算手段44及び閾値設定手段45が設けられている。
車体加速度演算手段41及び摩擦係数演算手段42につい
て説明すると、ここでの車体加速度VGの演算には、タイ
マA(100msecカウント)と、タイマB(500msecカウン
ト)とを用いる。すなわち、車体加速度VGは、スリップ
制御開始から500msec経過まで(車体加速度が十分に大
きくない)は、100msec毎に100msec間に車体速Vr(本例
の場合は従動輪である後輪2RL,2RRの両車輪速のうち速
い方の車輪速)の変化に基いて次の(6)式により求
め、500msec経過後(車体加速度が十分に発達)は100ms
ec毎に500msec間の車体速Vrの変化に基いて次の(7)
式により求める。
−(6)式− VG=Gk1×{Vr(k)−Vr(k−100)} −(7)式− VG=Gk2×{Vr(k)−Vr(k−500)} 上記Gk1及びGk2は係数である。また、Vr(k)は現時
点、Vr(k−100)は100msec前、Vr(k−500)は500ms
ec前の各車体速である。
そして、上述の如くして算出された車体加速度VGと車
体速Vrとから次のμテーブルにより3次元補間によって
路面摩擦係数μを求める。
なお、スリップ制御中でないときには、路面摩擦係数
μを3.0に設定する。
そうして、基本値演算手段43は、上記車体速Vrと路面
摩擦係数μとから、基本値を求める。すなわち、基本値
は次の基本値テーブル1,2から3次元補間によって演算
するものである。
上記基本値テーブル1は、スリップ制御を開始するか
否かを判定するためのものであり、基本値テーブル2
は、スリップ制御を継続するためのものである。
悪路補正値演算手段44は、上述の悪路レベルに応じて
次の(8)式により悪路補正値を演算するものである。
−(8)式− 悪路補正値=悪路レベル/定数 そうして、閾値設定手段45は、上記基本値演算手段43
により求められた基本値に、上記悪路補正値演算手段44
により求められた悪路補正値を加算してスリップ判定用
閾値を設定する。
[スリップ判定] スリップ判定手段34は、上記最高スリップ量SHiとス
リップ判定用閾値とに基き、次の(9)式が成立すると
きに、スリップ制御要と判定し、スリップフラグSFLを
1とする −(9)式− SHi≧スリップ判定用閾値 この場合、上記スリップ判定閾値としては、後述する
スリップ制御判定手段67により非制御状態(CFL=0)
が判定されているときには、前述の閾値テーブル1(開
始用)に基く閾値が使用され、スリップ制御中が判定さ
れているとき(CFL=1)には、閾値テーブル2(継続
用)に基く閾値が使用される。
[制御目標値の設定] この制御目標値Tは、前輪2FL,2FRのスリップ量とし
て目標とする値であり、制御目標値演算手段35は、車体
速Vrと路面摩擦係数μとに基き、次の制御目標値テーブ
ルから制御目標値を3次元補間して演算するものであ
る。
[制御レベル演算] 制御レベルFCについては、平均スリップ量SAvの制御
目標量Tからの偏差ENと、この偏差の変化率DENとに基
いて決定し、これに前回値FC(K−1)のフィードバッ
ク補正及び初回値補正を加え、0〜15の範囲で設定する
ものである。そのために、第5図に示すように、偏差演
算手段60と、偏差変化演算手段61と、基本制御レベル演
算手段62と、フィードバック補正手段63と、初回補正量
演算手段64と、最終制御レベル演算手段65とが設けられ
ている。
偏差演算手段60は、平均スリップ量S Avから制御目標
値Tを減算して偏差ENを求めるものである。
偏差変化率演算手段61は、次の(10)式に基いて平均
スリップ量変化率DS Avを求め、これを偏差変化率DENと
するものである。
−(10)式− DS Av=SAv(K)−SAv(K−1) 基本制御レベル演算手段62は、上記偏差ENと偏差変化
率DENとに基いて、基本制御レベルECBを次の基本制御レ
ベルテーブルにより演算するものである。
フィードバック補正手段63は、今回の制御レベルFC
(K)に前回演算の制御レベルFC(K−1)を加算する
ものである。
初回補正量演算手段64は、前輪のスリップが初めて判
定されてから、この最初のスリップ判定がなくなるまで
の間の制御レベルを強制的に高めるものであり、そのた
めに、第6図に示すスリップ制御判定手段66と、第7図
に示す初回スリップ制御判定手段67が設けられている。
第6図において、68はスリップフラグSFL=1で且つ
非ブレーキ状態であるときにフリップフロップ69にセッ
ト信号を出力するAND回路、70はFC≦3で且つDS Av≦0.
3gのときに出力が1となるAND回路、71はカウンタ72を
介してスリップフラグSFL=0の信号を1000msec継続し
て受けるか、あるいはカウンタ73を介して上記AND回路7
0から出力信号1を500msec継続して受けると、上記フリ
ップフロップ69にリセット信号を出力するOR回路であ
る。そして、上記フリップロップ69は、セット信号を受
けるとき制御フラグCFL=1(スリップ制御中)の信号
を出力する。
また、第7図において、74は今回の制御フラグCFL
(K)=1で且つ前回の制御フラグCFL(K−1)=0
のときにフリップフロップ75にセット信号を出力するAN
D回路、76は今回のスリップフラグSFL(K)=0で且つ
前回のスリップフラグSFL(K−1)=1のときにフリ
ップフロップ75にリセット信号を出力するAND回路であ
る。そして。上記フリップフロップ75は、セット信号を
受けて初回フラグSTFL=1(初回制御中)の信号を出力
する。
初回補正量演算手段64は、上記初回フラグSTFL信号と
平均スリップ量変化率DS Avとを入力し、STFL=1で且
つDS Av≧0のとき初回補正量(+5)を演算出力し、S
TFL=1で且つDS Av<0のとき初回補正量(+2)を演
算出力するようになっている。
最終制御レベル演算手段65は、フィードバック補正さ
れた制御レベルFCに上記初回補正量を加算するものであ
る。
[出力コントロール] −点火時期制御− 点火時期については、第8図に示すように、上記制御
レベルに応じてリタード量を決定し、出力することにな
る。この場合、第9図に示すように、エンジン回転数が
高い領域では最大リタード量を制限する。
−燃料噴射制限(燃料カット)− 燃料噴射の制限は、上記制御レベルに基いて次の燃料
カットテーブルのパターン0〜12を選択(レベルが高く
なるほど数値の高いパターンを選択)することにより行
なう。この場合、第10図に示すように、エンジン回転数
が低い領域では燃料カット制限されるように、各制御レ
ベル毎に燃料カット禁止条件を付ける。なお、上記テー
ブル中の×は燃料噴射カットを意味する。
第11図には、上記スリップ制御の流れが示されてい
る。
すなわち、非制御状態からスリップ制御への移行のた
めのスリップ制御開始判定用の閾値は、その基本値が開
始用基本値テーブルにより演算されて、比較的高い閾値
(第11図のShに対応する)に設定される。よって、外乱
等によって駆動輪車輪速が高く(最高スリップ量SHiが
大きく)なっても上記閾値Shを越えない限りはスリップ
フラグSFLは立たず、制御は開始されない。そして、駆
動輪車輪速が上記閾値Shを越えると、スリップフラグSF
Lが立ち、ブレーキが非作動状態であれば、制御フラグC
FL及び初回フラグSTFLが立つ。これによりスリップ制御
が開始されることになる。
この場合、悪路においては、見掛けのスリップ量SF
L,SFRはその値が短時間に激しく上下することになり、
上記基本値テーブルによる開始用閾値を越えることもあ
るが、この見掛けのスリップ量SFL,SFRは悪路レベルに
応じて前回値からの変化量が小さくなるように補正され
る。また、上記開始用閾値は、悪路補正値によって補正
され、従って閾値自体が悪路においては高くなる。よっ
て、実質的なスリップ量が大きくないにも拘らず、悪路
のみに起因して開始用閾値を越えること、つまりはスリ
ップ制御が開始されてしまうことを防止することができ
る。これにより、悪路の走破性が向上するものである。
スリップ制御にあたっては、スリップ量SFL,SFRに基
いて、平均スリップ量SAvが演算され、一方、制御目標
値Tが車体速Vrと路面摩擦係数μとに基いて設定され
る。そして、上記制御目標値Tからの平均スリップ量S
Avの偏差ENと、この偏差の変化率DENとに基いて基本制
御レベルが設定されるとともに、これに初回補正をかけ
て制御レベルFCが求められ、この制御レベルFCに応じた
点火時期制御と燃料噴射制限制御とが行われる。
初回補正は、平均スリップ量の変化率DS Avが最初に
零になるまでは(+5)であり、そこから初回フラグST
FLが0になるまでが(+2)である。この初回補正によ
り、制御量が強制的に大きくなり、スリップの早期収束
が図れる。
上記初回フラグSTFLが0になるのは、高い方の駆動輪
車速による最高スリップ量SHiがスリップ制御継続判定
用の閾値以下になった時点であり、この時点でスリップ
制御は一旦中止される。そして、この継続判定用の閾値
(第11図のS1が対応する)は、その基本値が継続用基本
値テーブルにより演算されて、比較的低い閾値に設定さ
れる。よって、スリップを確実に収束せしめることがで
きる。
そうして、上記高い方の駆動輪車輪速が継続判定用閾
値S1以下になっても、その状態が1秒以上続かなけれ
ば、制御フラグCFLは立ったままである。そして、上記
スリップ制御の中止に伴って駆動輪車輪速が再び増加
し、継続判定用閾値S1を越えると、再びスリップフラグ
SFLが立ち、スリップ制御が再開される。この場合は、
初回フラグSTFLは立だず、制御レベルFCの初回補正はな
い。従って、制御レベルFCは、当初は偏差ENと偏差変化
率DENとに基く基本制御レベルのみで設定され、以後は
基本制御レベルに前回値をフィードバック補正で加えた
ものが制御レベルFCとして設定されていく。
以上の如くして、スリップが収束していき、スリップ
フラグSFLが1秒以上立たない状態が続くと、制御フラ
グCFLが0となり、この一連のスリップ制御は終了す
る。
なお、上記実施例では演算された見掛けのスリップ量
を悪路レベルに応じて補正するようにしたが、駆動輪車
輪速を悪路レベルに応じて補正するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は車両のスリップ
制御装置の全体構成図、第2図は従動輪加速度の振動例
を示す特性図、第3図はスリップ量の悪路補正制御のフ
ロー図、第4図はスリップ制御閾値設定手段の構成図、
第5図は制御レベル演算手段の構成図、第6図はスリッ
プ制御判定手段の構成図、第7図は初回スリップ制御判
定手段の構成図、第8図は制御レベルと点火時期リター
ド量との関係を示す特性図、第9図はエンジン回転数に
よる点火時期リタード量の制限を示す特性図、第10図は
エンジン回転数による燃料カット制限領域を示す特性
図、第11図はスリップ制御のタイムチャート図である。 1……エンジン 2FL,2FR……前輪(駆動輪) 2RL,2RR……後輪(従動輪) 8……制御手段 9FL〜9RR……車輪速センサ 11……見掛けのスリップ量演算手段 14……スリップ量補正手段(悪路補正手段) 21……車体速検出手段 22……従動輪加速度検出手段 23……悪路判定手段 24……補正定数記憶手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 F02D 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の路面に対するスリップ量が所定の
    閾値を越えるときに、このスリップ量が目標値となるよ
    うに上記駆動輪の駆動を制御する車両のスリップ制御装
    置において、 車体速を検出する車体速検出手段と、 駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、 従動輪の加速度を検出する従動輪加速度検出手段と、 上記車体速検出手段により検出された車体速と、上記車
    輪速検出手段により検出された車輪速とに基いて、駆動
    輪の見掛けのスリップ量を演算する見掛けのスリップ量
    演算手段と、 上記従動輪加速度検出手段により検出された加速度の経
    時変化の振幅が所定時間内に所定閾値を越えた回数に基
    いて、当該回数が多いほど路面状態の悪さのレベルが高
    いと判定する悪路レベル判定手段と、 悪路走行における駆動輪車輪速の変動に基くスリップ量
    の補正のために、悪路レベルが高いほど補正量が多くな
    るように設定された補正定数を記憶する補正定数記憶手
    段と、 上記悪路レベル判定手段により判定された悪路レベルに
    基いて上記補正定数記憶手段から補正定数を演算し、こ
    の補正定数に基いて、上記車輪速検出手段により検出さ
    れ上記見掛けのスリップ量演算の基礎となる車輪速もし
    くは上記見掛けのスリップ量演算手段により求められた
    見掛けのスリップ量を補正する補正手段とを備えている
    ことを特徴とする車両のスリップ制御装置。
JP33475290A 1990-11-29 1990-11-29 車両のスリップ制御装置 Expired - Fee Related JP2907536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33475290A JP2907536B2 (ja) 1990-11-29 1990-11-29 車両のスリップ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33475290A JP2907536B2 (ja) 1990-11-29 1990-11-29 車両のスリップ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04203332A JPH04203332A (ja) 1992-07-23
JP2907536B2 true JP2907536B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=18280836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33475290A Expired - Fee Related JP2907536B2 (ja) 1990-11-29 1990-11-29 車両のスリップ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2907536B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114274985B (zh) * 2021-11-30 2023-06-06 中国铁道科学研究院集团有限公司 列车滑行增黏方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04203332A (ja) 1992-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3197330B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
US5051908A (en) Driving wheel torque control device for vehicle
JPH06229270A (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3360564B2 (ja) 車両の挙動制御装置
JP3958816B2 (ja) 自動車の駆動滑り制御装置
JP2704774B2 (ja) 車両の駆動輪スリップ制御装置
JPH06229271A (ja) 車両のスリップ制御装置
US5394329A (en) Method of and apparatus for estimating surface friction
JP2907536B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP2907535B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP2907537B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3844652B2 (ja) 車両の駆動輪スリップ制御装置
JP3651327B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力制御装置
JP2912011B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3716333B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力制御装置
JP2907529B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3316245B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP2912012B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP2907558B2 (ja) 車両のトラクションコントロール装置
JP3316233B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3685884B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3279669B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JP3299581B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH05280388A (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH04173436A (ja) 予備タイヤ検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees