JP2907535B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP2907535B2 JP33475190A JP33475190A JP2907535B2 JP 2907535 B2 JP2907535 B2 JP 2907535B2 JP 33475190 A JP33475190 A JP 33475190A JP 33475190 A JP33475190 A JP 33475190A JP 2907535 B2 JP2907535 B2 JP 2907535B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両のスリップ制御装置に関する。
(従来の技術) 車両の加速時等において、駆動輪が過大駆動トルクに
よりスリップして加速性が低下することを防止するため
に、駆動輪のスリップ量を検出し、駆動輪のスリップ量
が目標値となるように、エンジン出力や車輪への制動力
の付与を制御する(エンジン出力を低下させる、若しく
は制動力を増大させる)ようにしたトラクション制御は
一般に知られている。
そして、上記トラクション制御においては、予め車速
等に基いてスリップ判定用閾値を定めておき、実際の従
動輪車輪速及び駆動輪車輪速に基いて上記閾値によりス
リップ制御をすべきか否かの判定を行なうようになって
いる(特開昭60−197434号公報参照)。
(発明が解決しようとする課題) ところで、路面に凹凸があると、この凹凸を乗り越え
るときに駆動輪に一時的に比較的大きなスリップを生じ
た状態になるが、本来的にはスリップ制御を要しないに
も拘らず、このような外乱によってスリップ制御が開始
されると、車両の走行性が不必要に低下する。一方、駆
動輪のスリップに基いてスリップ制御に一旦入った場合
には、このスリップ状態が解消されるまで、つまり、ス
リップ量が少なくなるまでスリップ制御を継続すること
が望ましい。
要するに、スリップ制御を開始すべきか否かを決定す
るための閾値は、上記外乱により不必要にスリップ制御
が開始されることを防止できるように高く、スリップ制
御を継続すべきか否かを決定するための閾値は、スリッ
プを確実に解消できるよう低く設定することが望まし
い。
しかし、スリップ制御開始用閾値を設定する手段と、
スリップ制御継続用閾値を設定する手段とを別個独立に
設けることは、各々で車速等に応じた閾値の演算を行な
うことができるようにする必要があって、制御系の負担
が大きくなる。
すなわち、本発明の課題は、制御系の負担を大きくす
ることなく、スリップ制御開始用閾値とスリップ制御継
続用閾値とを設定できるようにするとともに、各閾値設
定の自由度を高めて所望の制御特性が得られるようにす
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような課題に対し、閾値を演算するた
めの単一の演算式を設け、この式の一部の項を切り換え
ることにより、スリップ制御開始用閾値とスリップ制御
継続用閾値とを設定できるようにするものである。
そのための具体的な手段は、駆動輪の路面に対するス
リップ量が所定の閾値を越えるときに、このスリップ量
が目標値となるように上記駆動輪の駆動を制御する車両
のスリップ制御装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、 車速をパラメータとして設定され、スリップ制御を開
始すべきか否かを決定するための開始用基本閾値を記憶
する開始用基本閾値記憶手段と、 車速をパラメータとして設定され、スリップ制御が開
始された後、このスリップ制御を継続すべきか否かを決
定するための継続用基本閾値を記憶する継続用基本閾値
記憶手段と、 上記開始用基本閾値と継続用基本閾値とのうちのいず
れか一方を代入すべき基本項と、車両の横加速度をパラ
メータとして上記基本項の値を補正する補正項とを有す
る単一の閾値演算式を備え、上記車速検出手段により検
出された車速と、上記横加速度検出手段により検出され
た横加速度とに基き、非スリップ制御中には上記開始用
基本閾値記憶手段により得られる開始用基本閾値を上記
基本項に代入して開始用閾値を演算し、この開始用閾値
に基いてスリップ制御が開始された後は上記継続用基本
閾値記憶手段により得られる継続用基本閾値を上記基本
項に代入して継続用閥値を演算する閥値演算手段とを備
えていることを特徴とするものである。
(作用) 非スリップ制御中においては、閾値演算手段の閾値演
算式の基本項に、開始用基本閾値記憶手段により得られ
る車速に対応する開始用基本閾値が代入され、この基本
項の値が車量の横加速度をパラメータとして補正されて
開始用閾値が演算される。そして、この開始用閾値に基
いてスリップ制御が開始された後は、上記基本項に継続
用基本閾値記憶手段により得られる継続用基本閾値が代
入され、この基本項の値が開始用閾値の場合と同様に車
両の横加速度をパラメータとして補正されて継続用閾値
が演算される。この場合、開始用閾値と継続用閾値との
演算は上記基本項の切り換えのみで行なうことができ、
別個独立に閾値演算式を設ける必要がない。
しかして、上記開始用基本閾値及び継続用基本閾値
を、それぞれ車速をパラメータとして設定記憶する閾値
記憶手段を設けたから、この各閾値の設定を例えば開始
用基本閾値が高く、継続用基本閾値が低くなるようにし
たり、開始用基本閾値は車速に略反比例して低くなるよ
うに、継続用基本閾値は車速によっては大きく変化しな
いようにするなど、所望の制御特性を得られるように閾
値をチューニングすることが可能になる。
(発明の効果) 従って、本発明によれば、開始用基本閾値と継続用基
本閾値とのうちのいずれか一方を代入すべき基本項と、
車両の横加速度をパラメータとして上記基本項の値を補
正する補正項とを有する単一の閾値演算式を備えた閾値
演算手段を設け、車速検出手段により検出された車速
と、上記横加速度検出手段により検出された横加速度と
に基き、非スリップ制御中には開始用基本閾値記憶手段
により得られる開始用基本閾値を上記基本項に代入して
開始用閾値を演算し、この開始用閾値に基いてスリップ
制御が開始された後は継続用基本閾値記憶手段により得
られる継続用基本閾値を上記基本項に代入して継続用閾
値を演算するようにしたから、制御系の負担を大きくす
ることなく、スリップ制御開始用閾値とスリップ制御継
続用閾値とを設定することができ、また、各閾値設定の
比較的自由に行なうことができ、所望の制御特性を得る
ことが容易になる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には実施例の全体構成が示されている。
まず、車両は、左右の前輪2FL,2FRが駆動輪とされ、
左右の後輪2RL,2RRが従動輪とされている。すなわち、
車体前部にV型6気筒のエンジン1が搭載され、このエ
ンジン1の発生トルクが自動変速機3及び差動装置4を
経た後、左駆動軸5Lを介して左前輪2FLに、右駆動輪5R
を介して右前輪2FRにそれぞれ伝達されるようになって
いる。
そして、上記車両は、駆動輪2FL,2FRの路面に対する
スリップ量が目標値となるように上記駆動輪2FL,2FRの
駆動を制御するスリップ制御手段8を備えている。
制御手段8は、上記4輪2FL,2FR,2RL,2RRにブレーキ
がかけられているか否かを検出するブレーキセンサ、車
両のハンドル舵角を検出する舵角センサ、上記4輪2FL,
2FR,2RL,2RRの車輪速を検出する車輪速センサ9FL,9FR,9
RL,9RR、及びエンジン回転数を検出するエンジン回転数
センサ等からの各信号が入力され、信号処理を行なっ
て、エンジン1にその出力トルクを低減せしめるための
点火時期制御信号及び燃料噴射制限信号を出力するもの
である。
そのために、上記制御手段8は、上記各センサからの
信号を受け入れる入力インターフェイスと、CPUとROMと
RAMとからなるマイクロコンピュータと、出力インター
フェイスと、イグナイタ及び燃料噴射装置を駆動するた
めの駆動回路とを備え、ROMにはスリップ制御に必要な
制御プログラム、各種マップないしはテーブルが設けら
れ、RAMには制御を実行するのに必要な各種メモリが設
けられている。そして、この制御手段8は、スリップ判
定用閾値の設定手段32、スリップ量の演算手段33、スリ
ップ判定手段34、制御目標値の設定手段35、制御レベル
の演算手段36及びエンジン出力のコントロール手段37を
備えている。
[スリップ判定用閾値の設定] このスリップ判定用閾値はスリップ制御を要するか否
かを判定するためのものであり、次の(5)式に基いて
設定する。
−(5)式− 閾値=BK×SK+AK この場合、BKは車体速(車速)Vrと路面摩擦係数μと
をパラメータとして設定された基本閾値を代入する基本
項、SKは車両の横加速度Gをパラメータとして設定され
た横G補正値を代入する第1補正項、AKは後述する悪路
レベルに基くを悪路補正値を代入する第2補正項であ
る。
そうして、上記スリップ判定用閾値設定手段32は、上
記閾値演算式を有する閾値演算手段21を備え、上記基本
項による基本閾値の設定のために、車体速検出手段22と
路面摩擦係数検出手段23と開始用基本閾値記憶手段24と
継続用基本閾値記憶手段25とが設けられ、上記第1補正
項による横G補正値の設定のために車両の横加速度検出
手段26と横G補正値記憶手段27とが設けられ、上記第2
補正項による悪路補正値の設定の設定のために悪路レベ
ル検出手段28が設けられている。
−基本項− まず、基本閾値設定のための車体速検出手段22は、車
輪速センサ9RL,9RRにより得られる左右の従動輪(後
輪)の車輪速VRL,VRRのうちの高い方の車輪速を車体速
Vrとして検出するものである。
また、路面摩擦係数検出手段23は、上記車体速Vrとこ
の車体速Vrから求まる車体加速度VGとに基いて、車輪の
タイヤと路面との間の摩擦係数を検出するものである。
この場合、車体加速度VGの演算には、タイマA(100m
secカウント)と、タイマB(500msecカウント)とを用
いる。すなわち、車体加速度VGは、スリップ制御開始か
ら500msec経過まで(車体加速度が十分に大きくない)
は、100msec毎に100msec間の車体速Vr(本例の場合は従
動輪である後輪2RL,2RRの両車輪速のうち速い方の車輪
速)の変化に基いて次の(2)式により求め、500msec
経過後(車体加速度が十分に発達)は100msec毎に500ms
ec間に車体速Vrの変化に基づいて次の(3)式により求
める。
−(2)式− VG=Gk1×{Vr(k)−Vr(k−100)} −(3)式− VG=Gk2×{Vr(k)−Vr(k−500)} 上記Gk1及びGk2は係数である。また、Vr(k)は現時
点、Vr(k−100)は100msec前、Vr(k−500)は500ms
ec前の各車体速である。
そして、上述の如くして算出された車体加速度VGと車
体速Vrとから次のμテーブルにより3次元補間によって
路面摩擦係数μを求める。
なお、スリップ制御中でないときには、路面摩擦係数
μを3.0に設定する。
開始用基本閾値記憶手段24は、スリップ制御を開始す
べきが否かを決定するために、車体速Vrと路面摩擦係数
μとをパラメータとして設定された次の開始用基本値テ
ーブルに示す開始用基本閾値を記憶するものである。
一方、継続用基本閾値記憶手段25は、一旦開始された
スリップ制御を継続すべきか否かを決定するために、車
体速Vrと路面摩擦係数μとをパラメータとして設定され
た次の継続用基本値テーブルに示す継続用基本閾値を記
憶するものである。
−第1補正項− 横G補正値設定のための横加速度検出手段26は、第2
図に示すように、実施回半径演算手段29、舵角対応旋回
半径演算手段30及び横加速度演算手段31により構成され
ている。
まず、実施回半径演算手段29は、車輪速センサ9RL,9R
Rにより検出される従動輪2RL,2RRの車輪速VRL,VRRに基
き実施回半径Rを次の(4式)に従って演算するもので
ある。
−(4)式− R=Min(VRL,VRR)×T÷|VRL−VRR| +1/2×T この場合、Min(VRL,VRR)は、両従動輪車輪速VRL,
VRRのうち小さい方の車輪速を意味する。また、|VRL,VR
R|は両車輪速VRL,VRRの差の絶対値であり、さらに、
Tは車両のトレッド(例えば1.7m)である。
一方、舩角対応旋回半径演算手段30は、舵角センサ7
により検出される舵角θHの絶対値に基いて、予め舵角
に一元的に対応させて設定した次のRiテーブルにから舵
角対応旋回半径Ri(ニュートラルステアリングにおける
旋回半径に略対応)を線形補間して求めるものである。
横加速度演算手段31は、舵角の絶対値|θH|が30゜以
下のときは車体速Vrと上記実施回半径Rとにより、ま
た、上記|θH|が30゜を越えるときは車体速Vrと上記舵
角対応旋回半径Riとにより、それぞれ車両の横加速度G
を次の(5)式に従って求めるものである。
−(5)式− |θH|<30゜のとき G=Vr2×(1/R)×(1/127) |θH|≧30゜のとき G=Vr2×(1/Ri)×(1/127) 次に上記横G補正値記憶手段27は、車両の横加速度を
パラメータとして設定された次の横G補正値テーブルに
示す横G補正値を記憶するものである。
−第2補正項− 悪路補正値の設定のための悪路レベル検出手段27は、
従動輪加速度検出手段38により検出された各従動輪加速
度DV RL,DV RRの経時変化に基いて悪路レベルを検出す
るものである。
まず、従動輪加速度検出手段38は、車輪速センサ9RL,
9RRにより検出された左右の後輪2RL,2RRの車輪速V RL,V
RRに基いて各々の加速度DV RL,DV RRを検出するもので
ある。
具体的には、加速度DV RLは次の(6)式に示すよう
に今回の車輪速VRL(K)から前回の車輪速VRL(K−
1)を減算した値aを、(7)式に従ってオフセット補
正して求める。
−(6)式− a=VRL(K)−VRL(K−1) −(7)式− DVRL←a−{VRL(K)−VRL(K−4)}/4 上記オフセット補正は真の車輪加速度を求めるための
ものである。すなわち、上記aは車体の加速度{VRL
(K)−VRL(K−4)}/4を含むものであり、これを
減算するものである。この場合、車輪と車体との関係を
考えた時、まず車輪が回転を始め、それに遅れて車体が
動くことになり、その遅れは、この実施例における悪路
レベル判定処理の略4周期分に相当する(悪路判定処理
周期14msec,車体の車輪に対する遅れ56msec)。よっ
て、現在より4周期前までの実際の車輪加速度aの平均
を車体加速度としたものである。
DV RRについても上記DV RLと同様にして求める。
そうして、悪路レベル検出手段28は、上記加速度DV R
L、DV RRの経時変化の振幅が所定時間内に所定の閾値α
を越えた回数をカウントするものである。また、閾値α
は、非スリップ制御状態であれば、0.5g(gは重力加速
度)とし、スリップ制御中であれば、0.7gとする。ま
た、カウント時間は、例えば2240msecとする。
すなわち、上記DV RLの振動(経時変化)が第3図に
示すものである場合、DV RLの振動のピークが+α,−
αを越えた回数PC RLをカウントする。このカウントに
あたっては、第3図に示すようにピークが+α,−αを
交互に越えた場合に行ない、例えば1つのピークが+α
を越え、次のピークが−αを越えることなく、ま+αを
越えた場合には、そのピークはカウントしない。悪路に
より車輪加速度が変化する場合は、一般的に(+)方向
と(−)方向とが交互に変動するはずだからである。
この場合、カウント値は0〜160となり、このカウン
ト値を定数(例えば30)で除して悪路レベルを求めるも
のである。
なお、悪路レベルは左右の従動輪加速度DV RL,DV RR
によるレベルのいずれか一方によって代表させることが
でき、また、両者の平均をとってもよい。
そうして、閾値演算手段21は、非スリップ制御中に
は、上記車体検出手段22により検出された車体速Vrと、
上記路面摩擦係数検出手段により検出された路面摩擦係
数μとに基いて、上記開始用基本閾値記憶手段24により
得られる開始用基本閾値を求めて上記基本項に代入し、
上記横加速度検出手段26により検出された横加速度Gに
基いて横G補正値記憶手段27より横G補正値を求めて第
1補正項に代入し、さらに上記悪路レベル検出手段28に
より検出される悪路レベルを第2補正項に代入して開始
用閾値を演算する。
一方、上記開始用閾値に基いてスリップ制御が開始さ
れた後は、上記閾値演算手段21は、上記車体速検出手段
22により検出された車体速Vrと、上記路面摩擦係数検出
手段により検出された路面摩擦係数μとに基いて、上記
継続用基本閾値記憶手段25により得られる継続用基本閾
値を上記基本項に代入し、第1と第2の補正項について
は上記開始用閾値の演算の場合と同様に処理して、継続
用閾値を演算する。
この場合、スリップ制御中か否かは、後述するスリッ
プ制御判定手段66により得られるスリップ制御フラグ
(CFL)により行なうものである。また、基本項へ代入
すべき基本閾値は、各記憶手段24,25の基本閾値テーブ
ルから3次元補間によって求め、また、第1補正項に移
入すべき横G補正値は上記横G補正値記憶手段27から線
形補間して求めるものである。
第4図は上記閾値の設定制御の流れを示すものであ
り、閾値設定のための各データを入力し、制御フラグCF
L=0のとき(非スリップ制御中)は、開始用基本閾値
記憶手段24から基本閾値を求めて閾値演算式により閾値
を演算し、CFL=1のとき(スリップ制御中)は、継続
用基本閾値記憶手段25から基本閾値を求めて閾値演算式
により閾値を演算を演算することになる(ステップS1〜
S5)。
[スリップ量演算] スリップ演算手段33は、第5図に示すように、実スリ
ップ量演算手段45と、平均スリップ量演算手段46と、最
高スリップ量演算手段47とを備えてなる。
実スリップ量演算手段45は、車体速検出手段22により
得られる車体速Vrと、車輪速センサ9FL,9FRにより得ら
れる駆動輪(前輪)の車輪速VFL,VFRとに基いて、次の
(8)式により駆動輪の見掛けのスリップ量SFL,SFRを
求めるものである。
−(8)式− SFL=VFL−Vr SFR=VFR−Vr 平均スリップ量演算手段46は、上記スリップ量SFL,S
FRに基いてその平均スリップ量SAvを演算するものであ
り、また、最高スリップ量演算手段47は、上記スリップ
量SFL,SFRのうちの高い方のスリップ量を最高スリップ
量SHiとして求めるものである。
[スリップ判定] スリップ判定手段34は、上記最高スリップ量演算手段
47により得られる最高スリップ量SHiと、上記閾値設定
手段32により得られるスリップ判定用閾値とに基き、次
の(9)式が成立するときに、スリップ制御要と判定
し、スリップフラグSFLを1とするものである。
−(9)式− SHi≧スリップ判定用閾値 [制御目標値の設定] この制御目標値Tは、前輪2FL,2FRのスリップ量とし
て目標とする値であり、制御目標値演算手段35は、車体
速Vrと路面摩擦係数μとに基き、次の制御目標値テーブ
ルから制御目標値を3次元補間して演算するものであ
る。
[制御レベル演算] 制御レベルFCについては、平均スリップ量SAvの制御
目標量Tからの偏差ENと、この偏差の変化率DENとに基
いて決定し、これに前回値FC(K−1)のフィードバッ
ク補正及び初回値補正を加え、0〜15の範囲で設定する
ものである。そのために、第6図に示すように、偏差演
算手段60と、偏差変化率演算手段61と、基本制御レベル
演算手段62と、フィードバック補正手段63と、初回補正
量演算手段64と、最終制御レベル演算手段65とが設けら
れている。
偏差演算手段60は、平均スリップ量SAvから制御目標
値Tを減算して偏差ENを求めるものである。
偏差変化率演算手段61は、次の(10)式に基いて平均
スリップ量変化率DS Avを求め、これを偏差変化率DENと
するものである。
−(10)式− DS Av=SAv(K)−SAv(K−1) 基本制御レベル演算手段62は、上記偏差ENと偏差変化
率DENとに基いて、基本制御レベルFCBを次の基本制御レ
ベルテーブルにより演算するものである。
フィードバック補正手段63は、今回の制御レベルFC
(K)に前回演算の制御レベルFC(K−1)を加算する
ものである。
初回補正量演算手段64は、前輪のスリップが初めて判
定されてから、この最初のスリップ判定がなくなるまで
の間の制御レベルを強制的に高めるものであり、そのた
めに、第7図に示すスリップ制御判定手段66と、第8図
に示す初回スリップ制御判定手段67とが設けられてい
る。
第7図において、68はスリップフラグSFL=1で且つ
非ブレーキ状態であるときにフリップフロップ69にセッ
ト信号を出力するAND回路、70はFC≦3で且つDS Av≦0.
3gのときに出力が1となるAND回路、71はカウンタ72を
介してスリップフラグSFL=0の信号を1000msec継続し
て受けるか、あるいはカウンタ73を介して上記AND回路7
0から出力信号1を500msec継続して受けると、上記フリ
ップフロップ69にリセット信号を出力するOR回路であ
る。そして、上記フリップフロップ69は、セット信号を
受けるとき制御フラグCFL=1(スリップ制御中)の信
号を出力する。
また、第8図において、74は今回の制御フラグCFL
(K)=1で且つ前回の制御フラグCFL(K−1)=0
のときにフリップフロップ75にセット信号を出力すAND
回路、76は今回のスリップフラグSFL(K)=0で且つ
前回のスリップフラグSFL(K−1)=1のときにフリ
ップフロップ75にリセット信号を出力するAND回路であ
る。そして、上記フリップフロップ75は、セット信号を
受けて初回フラグSTFL=1(初回制御中)の信号を出力
する。
初回補正量演算手段64は、上記初回フラグSTEL信号と
平均スリップ量変化率DSAvとを入力し、STFL=1で且つ
DS Av≧0のとき初回補正量(+5)を演算出力し、STF
L=1で且つDS Av<0のとき初回補正量(+2)を演算
出力するようになっている。
最終制御レベル演算手段65は、フィードバック補正さ
れた制御レベルFCに上記初回補正量を加算するものであ
る。
[出力コントロール] −点火時期制御− 点火時期については、第9図に示すように、上記制御
レベルに応じてリタード量を決定し、出力することにな
る。この場合、第10図に示すように、エンジン回転数が
高い領域では最大リタード量を制限する。
−燃料噴射制限(燃料カット)− 燃料噴射の制限は、上記制御レベルに基づいて次の燃
料カットテーブルのパターン0〜12を選択(レベルが高
くなるほど数値の高いパターンを選択)することにより
行なう。この場合、第11図に示すように、エンジン回転
数が低い領域では燃料カットが制限されるように、各制
御レベル毎に燃料カット禁止条件を付ける。なお、上記
テーブル中の×は燃料噴射カットを意味する。
第12図には、上記スリップ制御の流れが示されてい
る。
すなわち、非制御状態からスリップ制御への移行のた
めのスリップ制御開始用の閾値は、その基本値が開始用
基本閾値テーブルにより演算されて、比較的高い閾値
(第12図のShに対応する)に設定される。よって、外乱
等によって駆動輪車輪速が高く(最高スリップ量SHiが
大きく)なっても上記閾値Shを越えない限りはスリップ
フラグSFLを立たず、制御は開始されない。また、車両
の横加速度が大きい場合にはスリップ傾向が大であるた
め、上記開始用閾値は横G補正値により減少補正され、
スリップ制御に入り易くなる。さらに、悪路において
は、スリップ量SFL,SFRが短時間に激しく上下するが、
上記開始用閾値は悪路補正値により増大補正されるた
め、不必要にスリップ制御に入ることが防止され、悪路
の走破性の点で有利になる。
そして、駆動輪車輪速が上記閾値Shを越えると、スリ
ップフラグSFLが立ち、ブレーキが非作動状態であれ
ば、制御フラグCFL及び初回フラグSTFLが立つ。これに
よりスリップ制御が開始されることになる。
スリップ制御にあたっては、スリップ量SFL,SFRに基
いて、平均スリップ量SAvが演算され、一方、制御目標
値Tが車体速Vrと路面摩擦係数μとに基いて設定され
る。そして、上記制御目標値Tからの平均スリップ量S
Avの偏差ENと、この偏差の変化率DENとに基いて基本制
御レベルが設定されるとともに、これに初回補正をかけ
て制御レベルFCが求められ、この制御レベルFCに応じた
点火時期制御と燃料噴射制限制御とが行われる。
初回補正は、平均スリップ量の変化率DS Avが最初に
零になるまでは(+5)であり、そこから初回フラグST
FLが0になるまでが(+2)である。この初回補正によ
り、制御量が強制的に大きくなり、スリップの早期収束
が図れる。
上記初回フラグSTFLが0になるのは、高い方の駆動輪
車輪速による最高スリップ量SHiがスリップ制御継続用
閾値以下になった時点であり、この時点でスリップ制御
は一旦中止される。そして、この継続用閾値(第12図の
S1が対応する)は、その基本値が継続用基本閾値テーブ
ルにより演算されて、比較的低い閾値に設定される。よ
って、スリップを確実に収束せしめることができるもの
である。
そうして、上記高い方の駆動輪車輪速が継続用閾値S1
以下になっても、その状態が1秒以上続かなければ、制
御フラグCFLは立ったままである。そして、上記スリッ
プ制御の中止に伴って駆動輪車輪速が再び増加し、継続
用閾値S1を越えると、再びスリップフラグSFLが立ち、
スリップ制御が再開される。この場合は、初回フラグST
FLは立たず、制御レベルFCの初回補正はない。従って、
制御レベルFCは、当初は偏差ENと偏差変化率DENとに基
く基本制御レベルのみで設定され、以後は基本制御レベ
ルに前回値をフィードバック補正で加えたものが制御レ
ベルFCとして設定されていく。
以上の如くして、スリップが収束していき、スリップ
フラグSFLが1秒以上立たない状態が続くと、制御フラ
グCFLが0となり、この一連のスリップ制御は終了す
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は車両のスリップ
制御装置の全体構成図、第2図は横加速度検出手段の構
成図、第3図は従動輪加速度の振動例を示す特性図、第
4図は閾値設定制御のフロー図、第5図はスリップ量演
算手段の構成図、第6図は制御レベル演算手段の構成
図、第7図はスリップ制御判定手段の構成図、第8図は
初回スリップ制御判定手段の構成図、第9図は制御レベ
ルと点火時期リタード量との関係を示す特性図、第10図
はエンジン回転数による点火時期リタード量の制限を示
す特性図、第11図はエンジン回転数による燃料カット制
限領域を示す特性図、第12図はスリップ制御のタイムチ
ャート図である。 1……エンジン 2FL,2FR……前輪(駆動輪) 2RL,2RR……後輪(従動輪) 8……制御手段 9FL〜9RR……車輪速センサ 21……閾値演算手段 22……車体速検出手段 24……開始用基本閾値記憶手段 25……継続用基本閾値記憶手段 26……横加速度検出手段 27……横G補正値記憶手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−271617(JP,A) 特開 平3−258940(JP,A) 特開 平3−258939(JP,A) 特開 平3−258935(JP,A) 特開 平1−130019(JP,A) 実開 昭63−114825(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/02 F02D 45/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の路面に対するスリップ量が所定の
    閾値を越えるときに、このスリップ量が目標値となるよ
    うに上記駆動輪の駆動を制御する車両のスリップ制御装
    置において、 車速を検出する車速検出手段と、 車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、 車速をパラメータとして設定され、スリップ制御を開始
    すべきか否かを決定するための開始用基本閾値を記憶す
    る開始用基本閾値記憶手段と、 車速をパラメータとして設定され、スリップ制御が開始
    された後、このスリップ制御を継続すべきか否かを決定
    するための継続用基本閾値を記憶する継続用基本閾値記
    憶手段と、 上記開始用基本閾値と継続用基本閾値とのうちのいずれ
    か一方を代入すべき基本項と、車両の横加速度をパラメ
    ータとして上記基本項の値を補正する補正項とを有する
    単一の閾値演算式を備え、上記車速検出手段により検出
    された車速と、上記横加速度検出手段により検出された
    横加速度とに基き、非スリップ制御中には上記開始用基
    本閾値記憶手段により得られる開始用基本閾値を上記基
    本項に代入して開始用閾値を演算し、この開始用閥値に
    基いてスリップ制御が開始された後は上記継続用基本閾
    値記憶手段により得られる継続用基本閾値を上記基本項
    に代入して継続用閾値を演算する閾値演算手段とを備え
    ていることを特徴とする車両のスリップ制御装置。
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