JP2906710B2 - 本革調座席シートの製造方法 - Google Patents

本革調座席シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、本革張り座席シートと
ほぼ同等の外観・品質を備える、いわゆる本革調座席シ
ートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高品質感のある内装材を製造するには、
スラッシュ成形法又はモールドコート法で製造された表
皮を用いればよいことが知られている。上記両法で製造
された表皮は、一体発泡成形のための表皮として使用で
きるので、最終製品の生産性を高める上でも有利であ
る。しかしながら、スラッシュ成形法では、加熱した型
の表面にポリ塩化ビニルを溶着させて、またモールドコ
ート法では、型の表面にウレタン・エラストマーを吹き
つけて表皮を製造しているため一般にはポーラスになら
ないので、上記両法で製造された表皮は通気性がない。
従って高品質の自動車用座席シートにおいて、本革調表
皮としての特徴を得られない。
【0003】一方、本革調座席シートの製造に合成皮革
を用いることも考えられる。その合成皮革の製造法とし
て、乾式ウレタン皮膜成形法(以下、乾式法という)と
湿式ウレタン皮膜成形法(以下、湿式法)がある。いず
れの方法も起布に顔料、溶剤、添加剤等を含むウレタン
表皮原料液を塗布する工程及びその塗布層から溶媒を除
去する工程を経て合成皮革を製造するが、乾式法は溶媒
の除去を乾燥で行ない、湿式法は溶媒の除去を水洗処理
で行う。溶媒が除去されることによって合成皮革には通
気性が備わる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乾式法
又は湿式法で得られる合成皮革を用いて本革調座席シー
トを製造するには下記のような問題がある。まず、塗布
量に制限のある乾式法で製造されたシート状の合成皮革
は厚さが10〜50μと薄いため、ソフト感がなく、本
革調というには見劣りがする。また薄いために強度が弱
い。何回も塗布することによって厚い合成皮革を製造す
ることも可能であるが、生産性及びコストの面で実用的
でない。一方、湿式法ではシート状の厚い合成皮革を製
造できるが、大規模な脱溶媒凝固槽や洗浄槽、乾燥機等
を必要とし、また、該方法で得られる合成皮革は脱溶媒
後の収縮が大きい。そのため該シート状の合成皮革は真
空成形等で複雑形状に成形することが困難なため、同一
型内でポリウレタンフォームの成形と表皮の接着を同時
に行う一体発泡成形法による座席シートの製造に合成皮
革を用いることができず、一般に生産性の劣る縫製に依
らなければならないという問題がある。
【0005】本発明は上記問題を解決する目的でなされ
たものであり、その解決しようとする課題は、通気性を
有し,かつ感触の良い高品質の本革調座席シートを一体
発泡成形により生産性良く製造することのできる方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の本革調座席シー
トの製造方法は、発泡成形型のシボ模様の付いた下型面
にウレタン表皮原料液を塗布して乾燥した表皮を形成さ
せた後、その上にポリオールを塗布して液体ポリオール
膜を形成させてからウレタン発泡原料液を注入し一体発
泡成形することを特徴とする。
【0007】本発明において成形型は一般的に、通常の
一体発泡成形型と同様に下型が主たるキャビティを有
し、上型は蓋的役割をなす程度でよいため、表皮に皮革
様外観・意匠的美観を与えるための上記シボ模様は下型
面に加工される。上記ウレタン表皮原料液は、乾式法に
よる合成皮革(ポリウレタンコーテッドレザー)の製造
に使用さている塗布液と同様なものであってよい。た
だ、表皮を多数の微細孔を有する多孔質(微ポーラス
状)にするには溶剤を多めにするのが良い。そのような
溶媒として例えばジメチルホルムアミド、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシ
ド、水等が挙げられる。表皮原料液の塗布法としては、
スプレー塗布によるのが好ましい。このことは、以後の
ポリオールの塗布法についても同様に言える。
【0008】表皮に塗布する上記ポリオールの種類及び
塗布量は、ポリオール膜が後に半硬質クッション体より
も柔らかい軟質発泡層となるように選定される。即ち、
ポリオール膜がその上に注入されるウレタン発泡原料液
の活性化されたイソシアネート基と反応して所望の密
度、強度、抗張力等の物性をしめす軟質ポリウレタンフ
ォームとなるように、その反応系におけるNCO/OH
比、ポリオール官能基数、粘度、当量数、触媒や発泡剤
との比率等を適切に調整すればよい。なお、表皮に塗布
されるポリオール側にも、ウレタン発泡原料液に慣用さ
れる添加剤、例えば触媒、発泡剤、安定剤、整泡剤、溶
媒等を少量含んでいてもよい。
【0009】ウレタン発泡原料液としては従来からクッ
ション体の製造に使用されている発泡原料、例えば用時
に調整されるポリオール、ポリイソシアネート、触媒、
発泡剤、他の添加剤等からなる混合液であってよい。発
泡成形操作は従来と同様な方法で行って充分である。
【0010】
【作用】ポリオール膜はウレタン発泡原料液中のイソシ
アネートと反応して軟質発泡層となる。下型面にウレタ
ン表皮原料液を塗布し乾燥して形成された通気性のよい
表皮は薄いため強度も弱いが、上記ポリオール膜からで
きた軟質発泡層は薄い表皮の強度不足を補うとともに、
表皮にソフト感のある触感を与える。別途製造された合
成皮革を使用することなく、同一型内で表皮の製造とポ
リウレタンフォームの一体発泡成形を行うことは、製造
設備を簡素化し本革調座席シートの生産性を高める。
【0011】
【実施例】以下、本発明の本革調座席シートの製造方法
の一実施例を説明する。本実施例では表皮の製造も一体
発泡成形型で行うので、その下型面には表皮に本革調の
外観を与えるためのシボ模様が加工されている成形型を
用いる。本実施例の場合には、型温は全過程を通じて4
0℃前後のほぼ一定温度に保った。
【0012】まず、下型面にウレタン表皮原料液をスプ
レー塗布する。該表皮原料液は、従来の乾式法による合
成皮革の製造に使用されている塗布液と同様のもので、
ウレタン原液100部、溶剤DMF(ジメチルホルムア
ミド)30部、顔料等20部からなる。表皮原料液を均
一にスプレー塗布した後,その塗膜に120℃の温風を
吹きつけて乾燥を促進させ、図1に示すように下型1の
型面に厚さ10〜50μmの表皮3を形成させる。表皮
3には下型面のシボ模様2が転写される。尚、表皮3の
厚さを増やすためにウレタン表皮原料液を何回もスプレ
ー塗布することは可能であるが、溶剤を完全除去するた
めの乾燥の手間や乾燥時間短縮のための特別の装置が必
要となるので避けるべきである。乾燥の過程でDMFが
揮発するため、該表皮3は通気性を有する微ポーラス表
皮となっている。
【0013】次に、こうして下型面に形成された表皮に
ポリオール(成分:ポリプロピレングリコール)4aをス
プレー塗布し、図4に示すようにポリオール膜4を形成
させる。それから図2に示すように、ポリイソシアネー
ト、ポリオール、触媒、発泡剤等からなるウレタン発泡
原料液5を型内に注入し、図3に示すように上型6をか
ぶせ、半硬質ポリウレタンフォーム(クッション体)7
の成形を行う。発泡成形時の型内のガスは、上型に設け
たガス抜き孔9から逃がす。
【0014】発泡反応時に、ウレタン発泡原料液中の活
性化したポリイソシアネートの一部は、表皮3上に予め
形成されていたポリオール膜4に浸透しそれと反応す
る。そのため、図5に示すように表皮3とクッション体
7との間には軟質発泡層8が生じる。尚、スラッシュ成
形表皮の場合にみられるように、軟質発泡層8を形成さ
せるために発泡剤を表皮側に混入しておく方法も考えら
れるが、上記の如くウレタン表皮が薄いと表皮層まで発
泡してしまい本革調という目的を達成し得ない。
【0015】本実施例では、軟質発泡層8とクッション
体7層とは同時に発泡成形されるので、両層の界面にお
ける気泡バランスは良い。こうした軟質発泡層が存在す
るため、本実施例で製造された座席シートは、乾式法で
製造された薄い合成皮革を用いたシートにみられるよう
な“感触の悪さ”や“表皮の弱さ”がみられない。ま
た、軟質発泡層は薄いために連続気泡となっており、そ
して表皮は上記のように通気性となっているので、該座
席シートは吸湿性も備えている。
【0016】
【発明の効果】本発明の本革調座席シートの製造方法に
よれば、設備と手間のかかる湿式法でしか製造できない
厚い合成皮革を用いないので、本革調座席シートを廉価
に且つ生産性良く製造することができる。また、表皮か
らクッション体までを同一成形型で成形するので、得ら
れた本革調座席シートには、 i)表皮を縫製する場合での立体的寸法誤差、 ii)表皮を別金型で成形する場合での脱型時の伸び及び
切れ不良、 iii)表皮を真空成形する場合での大変形による伸び不
良、 等に起因する製品上のシワの発生が起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例に係るポリオール塗布工
程の説明図である。
【図2】ウレタン発泡原料液の注入工程の説明図であ
る。
【図3】発泡成形終了時の型内の状態を示す断面図であ
る。
【図4】図1のIV部分の拡大図である。
【図5】図3のV部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 下型 2 シボ模様 3 表皮 4 ポリオール膜 5 ウレタン発泡原料液 6 上型 7 ポリウレタンフォーム(クッション体) 8 軟質発泡層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡成形型のシボ模様の付いた下型面に
    ウレタン表皮原料液を塗布して乾燥した表皮を形成させ
    た後、その上にポリオールを塗布して液体ポリオール膜
    を形成させてからウレタン発泡原料液を注入し一体発泡
    成形することを特徴とする本革調座席シートの製造方
    法。
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