JP2906185B2 - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JP2906185B2
JP2906185B2 JP32592390A JP32592390A JP2906185B2 JP 2906185 B2 JP2906185 B2 JP 2906185B2 JP 32592390 A JP32592390 A JP 32592390A JP 32592390 A JP32592390 A JP 32592390A JP 2906185 B2 JP2906185 B2 JP 2906185B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、例えば、自動車などの車輌に備えるシリン
ダ錠に関する。
「従来の技術」 自動車のドア等に備えられているシリンダ錠は第6図
及び第7図に示した構造のものが多い。
すなわち、ロータケース11に回転自在に内挿されたロ
ータ12がカバー13によって抜け止めされている。このロ
ータ12の内部には、スプリングによって一方向(第6図
において上方向)に押動勢力を与えた複数のロックプレ
ート14と、同様にスプリングによって他方向(第6図に
おいて下方向)に押動勢力を与えた複数のロックプレー
ト15とが交互に設けられている。そして、ロックプレー
ト14、15はロータケース11内面にケース筒軸方向に沿っ
て形成されている凹条溝16、17に突入して施錠状態とな
っている。
正規キーをロータ12のキー孔18に挿入すると、ロック
プレート14、15がキー山によりスプリングの押動勢力に
抗して強制的にロータ12内に没入され各々の凹条溝16、
17から抜け出る。
この結果、ロータ12が回動自在となり、正規キーによ
ってロータ12を回動させれば、このロータ12に取付けら
れている連動レバー29が旋回し、この連動レバー29に連
結されたロッドが移動してドアロックをアンロックとす
るように解放し、解錠動作する。
なお、このシリンダ錠はステアリングロック装置に使
用することが可能で、この場合、ロータ12の回動がステ
アリングロック機構とスタータスイッチとに伝達される
構成となつており、ロータ12の回動によって、ステアリ
ングをロックするロックボルトとアンロック位置に後退
させた後にスタータスイッチの動作によりエンジンが始
動する。
上記したシリンダ錠の場合、不正キーやドライバなど
の工具をロータ12のキー孔18に差し入れ、無理にロータ
12を回動し、解錠されることがあった。
つまり、ドライバ等の充分に回動力を与えられる工具
をロータ12のキー孔18に挿入してロックプレート14、15
が没入したか否かに関係なくロータ12を強引に回動さ
せ、或いは、不正キーをキー孔18に挿入してロックプレ
ート14、15のうちいくつかを没入させた状態でロータ12
を強引に回動させる。このようにして、没入していない
ロックプレート14、15がロータケース11の凹条溝16、17
に突入している状態でロータ12が無理に回動されて解錠
されることがある。このため、上記のような不正行為に
よりシリンダ錠が破壊する。
一方、ロータ12のキー孔18に金属線などを差し込み、
ロータ12に一方向の回動勢力を加えながらロータケース
11の凹錠溝16、17の肩部にロックプレート14、15を一枚
づつひっかけ、ロックプレート14、15をロータ12内に没
入させて解錠させてしまう、いわゆるピッキングによっ
て不正解錠されることがあった。
上記した不正解錠を防止するため、第8図に示したよ
うなシリンダ錠が既に開発されている。
このシリンダ錠は、ロータ19がロータケース20内で回
動と進退とが自在でロックプレート21がロータケース20
のリング状のロツク溝22に突入して施錠状態となる。こ
の施錠状態ではロッタ19の進出が防止され、回動のみが
自在となる。
正規キー23を挿入してロックプレート21各々没入させ
解錠させると、ロータ19が進出自在となる。
ロータ19をスプリング24の拡圧勢力に抗して進出移動
させ、ロータ19の角形先端部25をリアロータ26の角形穴
27に嵌合させて、ロータ19とリアロータ26とを連結す
る。このように、角形先端部25と角形穴27とよりなるク
ラッチ機構を連結させた状態で正規キー23を回動操作す
るとこにより、ロータ19と一体的に回動するリアロータ
26により施解錠リンク28を動作させ、ドアロック機構を
アンロックとして解錠する。
このように構成されたシリンダ錠は、不正キーやドラ
イバ等の工具を使って不正解錠しようとしても、ロータ
19が空転するだけとなり、また、ピッキングによる場合
はロツクプレート21を係止させることができなく、この
結果、ロータ19をリアロータ26に連結できないため、不
正解錠を防止することができる。
「発明が解決しようとする課題」 ロータ19を進出させてクラッチ機構によってリアロー
タ26に連結する上記したシリンダ錠は不正解錠の防止に
有利である。ただ、不正解錠される場合に、ロックプレ
ート21がロック溝22に突入したまま板厚方向に力が加え
られるために、没入されなかったロックプレート21が変
形し易い。
その上、解錠が不成功に終っても、ロックプレートが
変形してしまうため、正規のキーによっても解錠できな
くなるという問題がある。
そのために、ロックプレート21やロック溝22が破壊し
たり、ロックプレート21を変形させてロータ19を強引に
進出させ不正解錠されるという問題がある。
本発明は上記した実情にかんがみ、不正の解錠行為に
対して、ロックプレートやロック溝の変形による破壊と
不正解錠とを防止したシリンダ錠を開発することを目的
とする。
「課題を解決するための手段」 上記した目的を達成するため、本発明では、ロータケ
ースに内挿したロータが回転と進退とが自在で、ロータ
の後退位置でロックプレートがアウタロータのリング状
ロック溝に出入して施解錠し、ロツクプレートをロック
溝から退出させた後進出させたロータがクラッチ機構を
介してリアロータと連結される構成のシリンダ錠におい
て、ロータケースとロータとの間に回転と進退とを自在
とし、常時リアロータと連繋させたアウタロータを設け
ると共に、このアウタロータには上記したロックプレー
トが出入して施解錠するリング状のロック溝を形成し、
さらに、ロツクプレートをロック溝から脱出させた後上
記ロータを進出させることにより、ロータとアウタロー
タとを連結させるクラッチ機構を設けたことを特徴とす
るシリンダ錠を提案する。
「作用」 キーを挿入しない通常状態では、ロックプレートがロ
ック溝に突入し、ロータが回動自在となった施錠状態と
なっている。
正規キーを挿入すると、ロックプレートがロータに没
入してアウタロータのロック溝から抜け出てロータの進
出がアウタロータを残して可能となる。すなわち、ロー
タとアウタロータは相対移動する。続いて、ロータを進
出させれば、クラッチ機構によってロータとリアロータ
とが一体的に連結され、挿入した正規キーを回動操作す
ることにより、リアロータを回動駆動して解錠させるこ
とができる。
不正キーやドライバ等の工具を挿入して解錠を企てる
と、ロックプレートがロック溝に突入したままロータに
進出勢力が加えられることになる。この場合、ロック溝
を有するアウタロータがロータと共に進出し、ロータの
フランジ部がロータケースに当り進出勢力を受け止める
ため、ロツクプレートの板厚方向には力が加わらず、ま
た、ロータとアウタロータが相対移動できず共に進出す
るため、これらの間のクラッチ機構が連結しない。この
結果、ロータが空転するだけで、リアロータは回動駆動
されず解錠されない。
ピッキングによって解錠が企てられた場合は、ロック
プレートを没入させて係止させる部所がないため、ま
た、ピッキングに必要な回転力を加えても空転してしま
うため、ロツクプレートがロック溝に侵入したままであ
り、リアロータが回転駆動されなく、矢張り、解錠しな
い。
「実施例」 次に、本発明の一実施例について図面に沿って説明す
る。
第1図は本発明に係るシリンダ錠の縦断側面図、第2
図は第1図上のB−B線断面図、第3図は第1図上のC
−C線断面図である。
これらの図面において、31はロータケース32に内挿し
たロータで、これは回転自在とすると共に、軸方向(第
1図において上下方向)に進退自在としてあり、カバー
33によって抜け止めしてある。
また、このロータ31はそのフランジ部31をロータケー
ス32の拡径孔壁である段形面32aに当接するようにして
進出移動(第1図において下方移動)を制限するように
なっており、常時はリアロータ34との間に係架させた拡
圧作用のスプリング35によって後退させてある。
このロータ31の内部には、スプリングによって一方向
(第1図において左方向)に押動勢力を与えたロックプ
レート36と、同様にスプリングによって他方向(第1図
において右方向)に押動勢力を与えたロックプレート37
とがキー孔38を横切るようにして配置してある。
また、上記ロータ31とロータケース32との間には回転
と進退とを自在としたアウタロータ39を備え、このアウ
タロータ39の内面にリング状のロック溝40がロックプレ
ートに対応させて設けてある。
上記のアウタロータ39はリアロータ34との間に係架し
た拡圧作用のスプリング41によって後退勢力を受け、常
時はロータケース32に備えたストッパ42に当接した後退
位置となっている。
アウタロータ39は後退することによって、このロック
溝40内にロックプレート36、37を出入させた動作位置と
なる。
一方、ロータ31の先端側(第1図において下方側)に
は、第3図より分かる如く、四方向に突出させたクラッ
チ凸部43を形成し、また、アウタロータ39の先端には、
上記クラッチ凸部43を嵌入させるようにしたクラッチ孔
44を設け、これらクラッチ凸部43とクラッチ孔44とでク
ラッチ機構を構成し、進出させたロータ21をアウタロー
タ39に連結させる。
また、アウタロータ39の先端側に当る外周面の4ケ所
には、凸条形成したスライド凸部45を設け、このスライ
ド凸部45がリアロータ34に形成したスライド孔46内を摺
動する構成となっている。
つまり、ウアタロータ39が進出しても、また、後退し
ても、常にこのアウタロータ39の回動がリアロータ34に
伝達されるようにしてある。
リアロータ34は、その連動部34aをロータケース32の
底面外方向に突出させ、この連動部34aにドアロック機
構を連繋させる。
つまり、リアロータ34の連動部34aには、従来例同様
に連動レバーを取付け、この連動レバーとドアロック機
構とをロッドによって連結してある。
上記した構成のシリンダ錠は、通常状態においては、
ロータ31とアウタロータ39とが各々のスプリング35、41
の拡圧勢力によって、第1図に示す進退位置に移動して
おり、ロックプレート36、37がロック溝40に突入して施
錠の状態となっている。
また、クラッチ凸部43がクラッチ孔44を抜け出てクラ
ッチ機構が非連結となっている。
正規キーをキー孔38に挿入すると、ロックプレート3
6、37の各々がロータ31に没入してロック溝40より抜け
出る。
続いて正規キーを押圧操作してロータ31を進出させる
と、第4図に示した如く、クラッチ凸部43がクラッチ孔
44内に入り込んでクラッチ機構が連結する。この場合、
アウタロータ39は後退位置を保っている。なお、第4図
の参照符号50は正規キーを示す。
この状態で、正規キーを、解錠操作すると、ロータ31
が回動し、ロータ31の回動により、クラッチ機構、スラ
イド凸部45及びスライド孔46を介してリアロータ34が施
錠方向に回動駆動される。
この結果、リアロータ34に取付けた連動レバーの旋回
によってロツドが移動し、ドアロック機構がアンロック
となり、解錠となる。
上記のように解錠した後、正規キーを押圧しながら戻
し操作すると、ロータ31の回動に連動されたリアロータ
34が上記とは逆方向に回動駆動される。このとき、リア
ロータ34がドアロック機構をアンロックしたまま戻り回
動する。
正規キーを初期位置まで戻り回動させた後、正規キー
を引き抜けば、ロータ31とアウタロータ39とがスプリン
グ35、41の拡圧勢力を受けて後退し、ロックプレート3
6、37がロック溝40に突入すると共に、ロータ31とアウ
タロータ39との間のクラッチ機構が非連結となり第1図
に示すように施錠状態に戻る。
また、このシリンダ錠は、上記のようにアンロックと
したドアロック機構をロックさせる場合には、キー孔38
に正規キーを挿入して、ロータ31を押動させながら施錠
するように回動させる。これより、リアロータ34が回動
駆動されて、このリアロータ34に連動されるドアロック
機構がロックし、施錠となる。
一方、不正キーをキー孔38に挿入した場合は、第5図
に示した如く、ロックプレート36、37の全部またはその
一部のものがロック溝40より脱出しないため、解錠しな
い。なお、第5図の参照符号60は不正キーを示してい
る。
この状態でロータ31を進出させれば、アウタロータ39
がロータ31と共に進出し、このため、クラッチ凸部43が
クラッチ孔44に入り込まず、クラッチ機構が非連結のま
まとなる。
これより、不正キーによってロータ31を回動させて
も、リアロータ34は回動駆動されず、ロータ31が空転
し、施錠が保たれる。
上記のような不正の解錠行為では、ロータ31と共にア
ウタロータ39が進出し、また、ロータ31のフランジ部31
aがロータケース32の段形面32aに当接するので、ロック
プレート36、37には板厚方向の力が加わらない。この結
果、ロックプレート36、37はロック溝40が変形してシリ
ンダ錠が破壊されたり、或いは、ロックプレート36、37
を変形させロータ31とアウタロータ39との間のクラッチ
機構を連結させるように強引に進出させることもできな
いから、ロータ31が空転するだけとなり、不正解錠を防
ぐ確実性の高いものとなる。
また、上記のような不正を解錠行為は、ドライバ等の
工具を使用しても同様となり、また、ピツキングによる
場合は、ロツクプレートを係止する部所がないので、上
記同様にロータ31と共にアウタロータ39が進出し、ロー
タ31が空転するだけで解錠が確実に防止される。
「発明の効果」 上記した通り、本発明のシリンダ錠は、正規キーを挿
入してロータを進出させたときのみ、クラッチ機構が連
結し、ロータの回動がリアロータに伝達されて解錠とな
り、動作する構成となっているので、不正キーやドライ
バなどの工具を使用して解錠させようとするときは、ロ
ータとアウタロータとがともに進出してクラッチ機構が
連結しない。また、ピツキングによる場合は、ロックプ
レートの係止ができない。したがって、このような不正
行為では、アウタロータがロータと共に進出してクラッ
チ機構が連結しないため、ロータの回動がリアロータに
伝達されず、施錠のままとなる。
この結果、不正は解錠行為があってもシリンダ錠が破
壊されずに確実に不正解錠を阻止することができる。
特に、本発明では、不正な解錠行為によってもロック
プレートが変形しないので、不正解錠が不成功に終った
後でも正規キーによって解錠することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すシリンダ錠の縦断側面
図、第2図は第1図上のB−B線断面図、第3図は第1
図上のC−C線断面図、第4図正規キーを使用した解錠
動作を示すシリンダ錠の縦断側面図、第5図は不正キー
を使用した解錠動作を示すシリンダ錠の縦断側面図、第
6図及び第7図はシリンダ錠の一般的な従来例を示し、
第6図は第7図上のA−A線断面図、第7図はシリンダ
錠の縦断側面図、第8図は不正解錠防止機能を備えた従
来のシリンダ錠を示した断面図である。 31……ロータ 32……ロータケース 34……リアロータ 36、37……ロックプレート 39……アウタロータ 40……ロック溝 43……クラッチ凸部 44……クラッチ孔 45……スライド凸部 46……スライド孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05B 29/02 E05B 29/00 E05B 29/08 E05B 29/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータケースに内挿したロータが回転と進
    退とが自在で、ロータの後退位置でロックプレートがア
    ウタロータのリング状ロック溝に出入して施解錠し、ロ
    ツクプレートをロック溝から退出させた後進出させたロ
    ータがクラッチ機構を介してリアロータと連結される構
    成のシリンダ錠において、ロータケースとロータとの間
    に回転と進退とを自在とし、常時リアロータと連繋させ
    たアウタロータを設けると共に、このアウタロータには
    上記したロックプレートが出入して施解錠するリング状
    のロック溝を形成し、さらに、ロツクプレートをロック
    溝から脱出させた後上記ロータを進出させることによ
    り、ロータとアウタロータとを連結させるクラッチ機構
    を設けたことを特徴とするシリンダ錠。
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