JP2905946B2 - 自動変速機付車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

自動変速機付車両用エンジンの制御装置

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JP2905946B2
JP2905946B2 JP8863791A JP8863791A JP2905946B2 JP 2905946 B2 JP2905946 B2 JP 2905946B2 JP 8863791 A JP8863791 A JP 8863791A JP 8863791 A JP8863791 A JP 8863791A JP 2905946 B2 JP2905946 B2 JP 2905946B2
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正毅 藤井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、自動変速機付車両用
エンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動変速機を備えた車両のエンジ
ン制御ユニット(EGIコントロールユニット)では、自
動変速機側制御ユニット(EATコントロールユニット)
から供給されるニュートラルレンジN又はドライブレン
ジDの何れかの判定信号(N/D判定信号)をを入力し、
該判定結果に対応して例えばエンジン始動後の燃料増量
値等エンジンの制御量を当該自動変速機の変速レンジに
対応した適切な値に制御する制御システムが採用されて
いる(例えば特開平2−6235号公報参照)。
【0003】ところで、上記自動変速機側制御ユニット
のニュートラルレンジN/ドライブレンジDの各レンジ
位置の判定は、例えば図2に示すように、スタータモー
タ3に直列に接続されたスタータスイッチS1とニュー
トラル(又はパーキング)状態検出用のインヒビタスイッ
チS2との間のP1点の電位V1を基準として検出するよ
うになっており、同P1点の電位V1がインヒビタスイッ
チS2のONによりグランドに落とされてV1=0(V)と
なっている時にはニュートラルレンジNと、他方同イン
ヒビタスイッチS2がOFFで上記P1点の電位V1がV1
=12(V)の電源電位にある時にはドライブレンジDで
あると各々判定して、それら各N/D判定信号(図6の
(b)参照)をエンジン側制御ユニット2側に供給(入力)す
るようになっている。
【0004】一方、エンジン側制御ユニット2は、上記
図6(b)のN/D判定出力に対応してN/D判定フラグ
(図6の(c))を立てる一方、上記インヒビタスイッチS2
とスタータモータ3との間のP2点の電位V2を基準とし
て図6(a)に示す上記スタータスイッチS1のON/OF
F状態を判定するようになっており、上記インヒビタス
イッチS2のON状態(ニュートラル又はパーキング)に
おいて、スタータスイッチS1がON操作された時には
上記P2点の電位V2がV2=12(V)となるのでスター
タスイッチS1がONと、又同インヒビタスイッチS2
ONの状態で上記スタータスイッチS1がOFFの時に
はP2点の電位V2がV2=0(V)となるので上記スター
タスイッチS1がOFFと各々判定し、図6の(d)に示す
ようにスタータスイッチのON/OFF判定フラグを立
てるようになっている。
【0005】ところで、上記システムでは、その構成
上、上述のようにインヒビタスイッチS2がONのニュ
ートラル状態であるにも拘わらずエンジンを始動しよう
としてスタータスイッチS1がON操作された時には、
上記P1点の電位V1=12(V)となり、Dレンジ状態と
なって実質的にニュートラルレンジの判定ができないよ
うになり、そのために自動変速機制御ユニット1は実際
には変速機がニュトラルレンジNにあるにも拘わらず誤
ってDレンジと判定してしまう恐れがある。
【0006】その結果、そのままでは上記エンジン側制
御ユニット2は、本来変速機がNレンジであるにも拘わ
らずDレンジであるとの誤判定信号に対応した誤ったエ
ンジン制御を行う不都合を招く問題が生じる。
【0007】つまり、図1の回路構成を参照すると明ら
かなように、上記スタータモータ3は、安全性確保の見
地から通常上記インヒビタスイッチS2がONのニュー
トラル(又はパーキング)状態の時にしか駆動できないよ
うにスタータスイッチS1とインヒビタスイッチS2とを
スタータモータ3に対して直列に接続して構成されてい
る。上記問題は、このような回路構成上の特徴から必然
的に生じている。
【0008】そこで、上記の如くエンジン制御ユニット
2は、上記自動変速機側制御ユニット1のN/D判定出
力に基くN/D判定とは別にスタータスイッチS1のO
N/OFFを判定してスタータスイッチS1のON/O
FF判定フラグ(図6の(d)参照)を立て、上記自動変速
機側制御ユニット1のN/D判定出力(図6の(b)参照)
の如何に関係なく、少なくともスタータスイッチS1
ONでスタータモータ3が駆動されているエンジンクラ
ンキング中は必ずニュートラル(又はパーキング)レンジ
であると断定して、上記自動変速機側制御ユニット1の
Dレンジ判定は無視するように構成されている。この結
果、上記スタータスイッチS1のONに基いて上記P1
の電位V1がV1=12(V)になることにより自動変速機
制御ユニット1がNレンジをDレンジと誤判定すること
によるエンジン制御ユニット2側の誤まった制御を確実
に回避するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に上記自
動変速機側制御ユニットの制御周期は、その制御容量の
違いの関係からエンジン制御ユニットの制御周期(例え
ば8msec)よりも相当に長い(例えば25msec)のが普通
であり、しかも両者は相互にタイミングを合せて制御さ
れている訳ではない。その結果、例えば図6のタイムチ
ャートから明らかなように上記自動変速機制御ユニット
1のN/D判定データの出力期間は長くなり上記エンジ
ン制御ユニット2側のスタータスイッチS1のON/O
FF判定フラグの変化に対して所定の遅れt1を生じるこ
とになる。
【0010】そして、該遅れ期間t1に基いて図6(d)に
示すように既に上記スタータスイッチS1がt1時間前に
OFFになっているにも拘わらず自動変速機側制御ユニ
ット1の方は図6(b)に示すように上記制御周期の長さ
の差に基く同期間t1内、P1点の電位V1がV1=12
(V)であったことに起因する誤まったDレンジ判定信号
を出力したままとなる。この結果、該状態では上記エン
ジン制御ユニット2のDレンジ判定無視の機能は期待で
きず、エンジン制御ユニット2は上記自動変速機側制御
ユニット1の誤まったDレンジ判定信号を正式に読み込
んでしまうことになり、結局誤判定と該誤判定に基く誤
ったエンジン制御を行ってしまうことになる。
【0011】また、上述のようにエンジン制御ユニット
2の制御周期が自動変速機側制御ユニット1の制御周期
よりも短いとしても、両者の制御タイミングの同期が取
られてない以上(制御周期が異なると実際問題として同
期は取れない)、例えばスタータスイッチS1がON操作
された時の各判定(N/D、ON/OFF)もタイミング
によっては図6の(b)と(d)の関係に示すように、自動変
速機側制御ユニット1の方のDレンジ判定が早く、エン
ジン制御ユニット2側のスタータスイッチON判定の方
が所定期間t2遅れるということも起こり得る。すると、
該場合にも上記t2期間内はエンジン制御ユニット2のD
レンジ判定無視の機能は発揮されないことになり、誤ま
ったエンジン制御が行なわれる可能性がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜3各項
記載の発明は、それぞれ上記の問題を解決することを目
的としてなされたものであって、各々次のように構成さ
れている。
【0013】(1) 請求項1記載の発明の構成 請求項1記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置は、自動変速機の変速レンジがニュートラルレン
ジNであるかドライブレンジDであるかの判定を行うN
/D判定機能を備えた自動変速機制御ユニットと、該自
動変速機制御ユニットからのN/D判定信号を入力し、
その判定結果に対応してエンジンの運転状態を制御する
エンジン制御ユニットとを備えてなる自動変速機付の車
両において、エンジンの回転数が所定のエンスト判定回
転数よりも低い時又はエンジン始動後においてスタータ
スイッチがONからOFFに移行した後の所定期間内
は、上記自動変速機制御ユニットのDレンジ判定を禁止
するDレンジ判定禁止手段を設けて構成されている。
【0014】(2) 請求項2記載の発明の構成 請求項2記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置は、上記請求項1記載の発明のエンジンの制御装
置の構成を基本構成とし、同構成においてエンジン回転
数が所定のエンスト判定回転数よりも低い時に行う上記
Dレンジ判定禁止手段によるDレンジ判定の禁止は、エ
ンジン制御ユニット側ダイアグノーシスコネクタ部のエ
ンジン診断用テスト端子がOFF状態のエンジン非調整
時にのみ行うようにしたことを特徴とするものである。
【0015】(3) 請求項3記載の発明の構成 請求項3記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置は、上記請求項1記載の発明のエンジンの制御装
置の構成を基本構成とし、同構成におけるスタータスイ
ッチがONからOFFに移行した後のDレンジ判定を禁
止する所定期間を、自動変速機制御ユニットの制御周期
に対応して設定したことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本願の請求項1〜3の各項記載の発明は、それ
ぞれ以上のように構成されている結果、当該各構成に対
応して各々次のような作用を奏する。
【0017】(1) 請求項1記載の発明の作用 請求項1記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置では、先ず自動変速機の変速レンジがニュートラ
ルレンジNであるかドライブレンジDであるかの判定を
行うN/D判定機能を備えた自動変速機制御ユニット
と、該自動変速機制御ユニットからのN/D判定信号を
入力し、その判定結果に対応してエンジンの運転状態を
制御するエンジン制御ユニットとを備えており、エンジ
ン制御ユニットは、自動変速機側制御ユニットから供給
されるニュートラルレンジN又はドライブレンジD何れ
かの判定信号を入力し、当該判定結果に対応して例えば
燃料増量値等エンジンの制御量を当該変速レンジに対応
した適切なものに制御する。
【0018】そして、該構成を基本として更にスタータ
スイッチON時のクランキング初期等上記エンジンの回
転数が予じめ設定された所定のエンスト判定回転数より
も低い時又はエンジン始動完了後のスタータスイッチが
ONからOFFに移行した後の所定期間内は、上記自動
変速機制御ユニットのDレンジ判定を禁止するDレンジ
判定禁止手段が設けられていて、該Dレンジ判定禁止手
段により当該エンジン回転数が所定のエンスト判定回転
数より低いスタータスイッチのON時又はスタータスイ
ッチがONからOFFに移行した後の所定期間内はDレ
ンジ判定を禁止し、上述したような誤判定を防止するよ
うになっている。その結果、上記各場合の誤ったDレン
ジ判定に基く誤ったエンジン制御は確実に防止されるよ
うになる。
【0019】(2) 請求項2記載の発明の作用 請求項2記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置では、その基本構成部に基く上記請求項1記載の
発明と同様の作用に加え、さらにエンジン回転数が所定
のエンスト判定回転数よりも低い時に行う上記Dレンジ
判定禁止手段によるDレンジ判定の禁止は、エンジン制
御ユニットに設けられているダイアグノーシスコネクタ
部のエンジン診断用テスト端子がOFF状態のエンジン
非調整時にのみ行うようになっていることから、車両整
備時等のエンジン調整時においてN/D判定スイッチを
使用したような時にまで上記Dレンジ判定禁止手段が作
用し誤って同N/D判定スイッチが故障と判断されるの
を避けることができるようになる。
【0020】(3) 請求項3記載の発明の作用 請求項3記載の発明の自動変速機付車両用エンジンの制
御装置では、その基本構成部分の動作に基く上記請求項
1記載の発明と同様の作用に加えて、更にスタータスイ
ッチがONからOFFに移行した後のDレンジ判定を禁
止する所定期間を、制御周期が長く判定遅れを生じ易い
自動変速機制御ユニット側制御周期に対応して設定して
いるので、上記自動変速機制御ユニットとエンジン制御
ユニットとの制御周期の差に基くエンジン制御ユニット
側の誤判定制御が確実に防止されるようになる。
【0021】
【発明の効果】従って、本願の請求項1〜3の各項記載
の発明によると、スタータスイッチON時のクランキン
グ初期や自動変速機制御ユニットの制御周期がエンジン
制御ユニットの制御周期よりも長いことに基くスタータ
スイッチがONからOFFに移行したエンジン始動完了
後の判定遅れ期間内のエンジン制御ユニットのN/D誤
判定に基く誤まったエンジン制御を確実に解消すること
ができるようになり、常に適切なエンジン制御量を設定
することができ、安定したエンジン運転状態を実現する
ことができるようになる。
【0022】
【実施例】図2〜図5は、本願発明の実施例に係る自動
変速機付車両用エンジンの制御装置の構成および同装置
の制御動作を示している。
【0023】先ず図2は、同実施例装置のシステム構成
を示しており、図中符号1は当該車両の自動変速機制御
ユニット、同符号2は当該車両のエンジン制御ユニット
をそれぞれ示している。
【0024】また、符号3は当該車両のエンジンを始動
するためのスタータモータであり、該スタータモータ3
は、インヒビタスイッチS2、スタータスイッチS1を直
列に介して車載電源B(+12V)に接続されている。従
って、該スタータモータ3は、必ず上記自動変速機側の
インヒビタスイッチS2がONになっている状態(つま
り、ニュートラル状態)において、上記スタータスイッ
チS1がONになった時にのみ初めて駆動されるように
なっており、インヒビタスイッチS2がOFFのDレン
ジ状態ではスタータスイッチS1をONにしてもスター
タモータ3は駆動されないようになっている。
【0025】そして、上記自動変速機制御ユニット1に
は、比較的抵抗値の大きな(1KΩ程度)のプルアップ抵
抗R1を介して上記電源+Bと上記インヒビタスイッチ
2の電源側端子との間を接続した第1の配線ラインL1
が設けられており、該第1の配線ラインL1の途中の抵
抗R1とインヒビタスイッチS2の間のP1点とグランド
間の第1の電位V1を検出する第1の電位検出端子T1
設けられている。そして、該第1の電位検出端子T1
検出電位V1がV1=12(V)の時には上記自動変速機制
御ユニット1が自動変速機の変速レンジはDレンジ(ド
ライブレンジ)であると、また同検出電位V1がV1=0
(V)の時には同制御ユニット1が自動変速機の変速レン
ジはNレンジ(ニュートラルレンジ)であると、各々判定
するように構成されている。
【0026】従って、今例えば上記スタータスイッチS
1がOFFの状態において自動変速機のシフトレバー位
置が実際にニュートラル状態Nにあり、その結果、上記
インヒビタスイッチS2がONであるとすると、抵抗R1
との関係においてスタータモータ3の抵抗値は殆んど零
と考えることができるので、上記P1点の電位V1はグラ
ンドに落とされてV1=0(V)となり、自動変速機制御
ユニット1は自動変速機の変速レンジはNレンジである
との判定を行い、該Nレンジ判定信号を上記エンジン制
御ユニット2に供給(入力)する。
【0027】他方、実際の自動変速機の変速レンジがド
ライブレンジDにあり、その結果、上記インヒビタスイ
ッチS2がOFFの時には、上記抵抗R1に対して抵抗値
無限大の抵抗が直列に挿入された形となって上記P1
の電位V1はV1=12(V)の電源電位となるから、自動
変速機制御ユニット1は自動変速機の変速レンジをDレ
ンジであると判定して該Dレンジ判定信号を上記エンジ
ン制御ユニット2に供給(入力)する(図5(b)参照)。エ
ンジン制御ユニット2は、これら各判定信号入力を基に
図4の(c)に示すN/D判定フラグを立てる。
【0028】一方、上記エンジン制御ユニット2には、
上記インヒビタスイッチS2とスタータモータ3間を上
記抵抗R1よりも抵抗値の大きな抵抗(2.2KΩ程度)R2
を介してグランドに落とした第2の配線ラインL2が設
けられており、さらに該第2の配線ラインL2の上記抵
抗R2の両端の電位を検出することによって上記スター
タモータ3の電源側P2点の電位V2を検出する第2の電
位検出端子T2が設けられている。該第2の電位検出端
子T2は、上記インヒビタスイッチS2がONのニュート
ラル状態において上記スタータスイッチS1がON操作
された時には上記P2点の電位V2が電源電位+12(V)
となるので、該電位V2=12(V)を検出してエンジン
制御ユニット2にスタータスイッチS1ONの判定をさ
せる一方、同インヒビタスイッチS2ONの状態におい
てスタータスイッチS1がOFFで上記P2点の電位V2
がV2=0(V)の時はエンジン制御ユニット2にスター
タスイッチS1がOFFであるとの判定をさせるように
なっている。そして、上記各ON/OFFの判定がなさ
れると、それに対応したスタータON/OFF判定フラ
グSFが立てられる(図5のd参照)。
【0029】このようにして、自動変速機制御ユニット
1による自動変速機の変速レンジN/Dの判定がなさ
れ、かつエンジン制御ユニット2によるスタータスイッ
チS1のON/OFF判定が完了すると、次にエンジン
制御ユニット2は当該各判定結果に対応して例えばエン
ジン始動後の燃料増量補正等エンジン制御量のコントロ
ールを行うようになっている。
【0030】なお、図2において符号10は上記エンジ
ン制御ユニット2のダイアグノーシスコネクタ部9に設
けられているエンジン診断用のテスト端子であり、該テ
スト端子10に外部テスタ等所定のエンジン診断装置が
接続されて同テスト端子がON状態になると、エンジン
制御ユニット2内のフィードバック機能が停止されるよ
うになっている。
【0031】ところで、上記のようにスタータモータ3
は、安全性確保の見地から上記インヒビタスイッチS2
がONのニュートラル状態の時にしか駆動できないよう
に構成されている。従って、少なくともスタータスイッ
チS1がONでスタータモータ3が駆動されている時は
Nレンジであることが明白であるから、上記エンジン制
御ユニット2は、上記の如く自動変速機制御ユニット1
のN/D判定出力に基くN/D判定とは別にスタータス
イッチS1のON/OFFを判定してスタータスイッチ
1のON/OFF判定フラグを立て、上記自動変速機
制御ユニット1側のN/D判定出力の如何に関係なく、
少なくともスタータスイッチS1がONでスタータモー
タ3が駆動されているエンジンクランキング中は必ずニ
ュトラルレンジNであると強制的に断定して、上記自動
変速機制御ユニット1側のDレンジ判定出力は無視する
ように構成されている。この結果、上記スタータスイッ
チS1のON基いて上記P1点の電位V1がV1=12(V)
になることにより自動変速機制御ユニット1がNレンジ
をDレンジと誤判定することによるエンジン制御ユニッ
ト2側の誤まったエンジン制御は確実に回避されるよう
になっている。
【0032】しかし、先に従来技術に関して述べたよう
に上記スタータスイッチS1がON操作されたエンジン
クランキング開始時および同スタータスイッチS1がO
NからOFFに移行した後の所定の過渡期間には、自動
変速機制御ユニット1がスタータスイッチS1のONに
よるP1点の電位変化によりNレンジをDレンジと誤判
定することにより、また制御周期の関係から誤判定信号
をスタータスイッチS1のON期間を越えて出力するこ
とにより、エンジン制御ユニット2が上記各誤判定出力
によって誤ったエンジン制御を行う恐れがあり、本実施
例では上記誤判定出力に基く誤ったエンジン制御を防止
するために上記スタータスイッチS1のON時および同
スタータスイッチS1がONからOFFに移行した後の
所定の期間内は上記自動変速機制御ユニット1のDレン
ジ判定入力を禁止(強制的にNレンジと判定)するように
なっている。
【0033】そこで、次に例えば燃料補正等を前提と
し、これら2つの場合のDレンジ誤判定に基く誤まった
エンジン制御を防止する機能を備えたエンジン制御ユニ
ット2のエンジン制御動作について図3、図4のフロー
チャートを参照してさらに具体的かつ詳細に説明する。
【0034】先ず図3のメインルーチンのフローチャー
トにおいて、ステップS1により上記自動変速機制御ユ
ニット1からのN/D判定信号(図5b)を入力する。次
にステップS2で、上記N/D判定信号入力を基に実際
にDレンジであるか否かを判定する。
【0035】その結果、NOと判定されたNレンジの場
合にはステップS6に進んで、自動変速機の変速レンジ
はNレンジであると判定する。他方、同ステップS2
判定結果がYES(Dレンジ)の場合には、さらにステッ
プS3に移って上記自動変速機制御ユニット1側のN/
D判定周期(25msec)とエンジン制御ユニット2側のス
タータスイッチのON/OFF判定周期(8msec)との差
に基いて生じる、スタータスイッチS1がONからOF
Fに移行したにも拘わらず該スタータスイッチS1がO
Nの時のP1点電位V1=12(V)による自動変速機制御
ユニット1側の誤判定出力(図5の(b))が継続する所定
期間t1内のDレンジ判定を禁止するためのダウンカウン
タ(ゾーンカウンタ)CKのカウントダウン値Cが0であ
るか否か(Dレンジ判定禁止期間が経過したか否か)を判
定する。
【0036】その結果、YES(C=0、Dレンジ判定
禁止期間経過)の時は、さらに次のステップS4に進んで
エンジン回転数が所定のエンスト判定回転数以下のスタ
ータスイッチS1ON時のエンジンクランキング初期状
態又は実際にエンスト状態にあるか否かを例えばSGT
信号の入力回数を条件として判定した後、クランキング
初期又はエンスト状態にはないNO判定の時には、その
ままステップS7にジャンプしてDレンジと判定する。
他方、YES判定の時には、更にステップS5に進んで
上述したダイアグノーシスコネクタ部9のテスト端子1
0がOFFか否かを判定し、OFFの時(YES)に初め
てステップS6でNレンジと判定する(後述)。
【0037】一方、上記ステップS2でDレンジとの判
定がなされても上記ステップS3でダウンカウンタ(ゾー
ンカウンタ)CKのカウント値CがC=0でないNOの
時(スタータスイッチS1がONからOFFに移行した後
のDレンジ判定禁止期間未経過時)および同カウント値
Cの値がC=0(同期間経過時)でもステップS4でスタ
ータスイッチS1のON時又はエンスト状態であること
が判定され(YES時)、かつ続くステップS5でテスト
端子がOFFと判定された時には、上記ステップS6
移ってNレンジと判定することにより、上記スタータス
イッチS1OFF後の誤判定期間(図5dのt1)に対応する
ダウンカウンタ(ゾーンカウンタ)CKのカウント中およ
びスタータスイッチS1のON時(t2)並びにエンスト
時、テスト端子OFF時は実質的にDレンジ判定を禁止
し、それによって先に述べたDレンジの誤判定を確実に
防止するようになっている(図5(e),(f),(c)参照)。
【0038】ところで、上記エンジン制御ユニット2に
は、上記N/Dレンジ判定に伴って例えば図4に示され
るような判定レンジに対応した燃料補正用のサブルーチ
ンが組み合されるようになっており、それぞれ同判定レ
ンジに対応した値の燃料補正が実行される。なお図3の
ステップS1ではNレンジを基準にしてN又はDの判定
を行うようにしているが、該判定は図3のステップS2
同様にDレンジを基準として判定しても良いことは言う
までもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明のクレーム対応図である。
【図2】図2は、本願発明の実施例に係る自動変速機付
車両用エンジンの制御装置のシステム構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図3は、同装置のエンジン制御ユニットによる
N/D判定動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、同装置のエンジン制御ユニットによる
上記図3のN/D判定動作に対応した燃料補正動作を示
すフローチャートである。
【図5】図5は、図3の制御動作に対応した各部の動作
状態を示すタイムチャートである。
【図6】図6は、従来のエンジン制御ユニットによるN
/D動作判定の問題点を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1は自動変速機制御ユニット、2はエンジン制御ユニッ
ト、3はスタータモータ、S1はスタータスイッチ、S2
はインヒビタスイッチである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 祐司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−6235(JP,A) 特開 平4−203249(JP,A) 特開 平3−70624(JP,A) 特開 平2−75735(JP,A) 実開 平2−132832(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/00 B60K 41/04 F16H 63/40 F16H 59:08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速レンジがニュートラル
    レンジNであるかドライブレンジDであるかの判定を行
    うN/D判定機能を備えた自動変速機制御ユニットと、
    該自動変速機制御ユニットからのN/D判定信号を入力
    し、その判定結果に対応してエンジンの運転状態を制御
    するエンジン制御ユニットとを備えてなる自動変速機付
    の車両において、エンジンの回転数が所定のエンスト判
    定回転数よりも低い時又はエンジン始動後においてスタ
    ータスイッチがONからOFFに移行した後の所定期間
    内は、上記自動変速機制御ユニットのDレンジ判定を禁
    止するDレンジ判定禁止手段を設けたことを特徴とする
    自動変速機付車両用エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】エンジン回転数が所定のエンスト判定回転
    数よりも低い時に行う上記Dレンジ判定禁止手段による
    Dレンジ判定の禁止は、エンジン制御ユニット側ダイア
    グノーシスコネクタ部のエンジン診断用テスト端子がO
    FF状態のエンジン非調整時にのみ行うようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機付車両用エンジ
    ンの制御装置。
  3. 【請求項3】 スタータスイッチがONからOFFに移
    行した後のDレンジ判定を禁止する所定期間を、自動変
    速機制御ユニットの制御周期に対応して設定したことを
    特徴とする請求項1記載の自動変速機付車両用エンジン
    の制御装置。
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